特許訂正審判
2017-390030
システム開発装置、方法およびプログラム
- 審判番号
- 2017-390030
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2015-501187外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2017年04月25日
- 審決日
- 2017年06月27日
- 公報発行日
- 2017年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 分類
- P141 .852-Y (G05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特許第5766378号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
特許第5766378号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[2-10、13-15]について訂正することを認める。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第5766378号(以下、「本件特許」という。)は、平成25年2月22日を国際出願日とする出願である特願2015-501187号の請求項1~17に係る発明について、平成27年6月26日に特許権の設定登録がなされ、平成29年4月25日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、本件特許の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり訂正後の一群の請求項2~10及び13~15並びに訂正後の明細書の段落【0043】及び【0093】について訂正することを認める、との審決を求めるものである。
第3 本件訂正の内容
本件訂正の内容は、次のとおりである(なお、下線は訂正箇所を示すため請求人が付したものである。)。
1.訂正事項1
本件の特許請求の範囲の請求項2に、
「複製元のエントリを前記第2の構成要素情報リストを構成するエントリを置き換える統合部をさらに備える、」とあるのを、
「複製元のエントリを前記第2の構成要素情報リストを構成するエントリで置き換える統合部をさらに備える、」に訂正する。
2.訂正事項2
本件の特許請求の範囲の請求項3に、
「前記統合部は、前記システム構成表示・編集部が前記第2システムを前記第1システムに統合する統合指示を受け付けると、前記第1情報および前記第2情報に基づいて複製先のエントリおよび複製元のエントリを特定し、前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きし、」とあるのを、
「前記統合部は、前記システム構成表示・編集部が前記第2システムを前記第1システムに統合する統合指示を受け付けると、前記第1情報および前記第2情報に基づいて複製先のエントリおよび複製元のエントリを特定し、前記特定した複製元のエントリを前記特定した複製先のエントリで上書きし、」に訂正する。
3.訂正事項3
本件の特許請求の範囲の請求項4に、
「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする前に、」とあるのを、
「前記特定した複製元のエントリを前記特定した複製先のエントリで上書きする前に、」に訂正する。
4.訂正事項4
本件明細書の段落【0043】に
「第1のオブジェクト情報リスト73における複製元のエントリを第2のオブジェクト情報リスト73を構成するエントリを置き換えることができる。」とあるのを、
「第1のオブジェクト情報リスト73における複製元のエントリを第2のオブジェクト情報リスト73を構成するエントリで置き換えることができる。」に訂正する。
5.訂正事項5
本件明細書の段落【0093】に
「また、マージ部23は、複製先のエントリを複製元のエントリで上書きする前に、複製先のエントリと複製元のエントリとの間の差分の有無を確認し、」とあるのを、
「また、マージ部23は、複製元のエントリを複製先のエントリで上書きする前に、複製先のエントリと複製元のエントリとの間の差分の有無を確認し、」に訂正する。
第4 当審の判断
1.訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の「複製元のエントリを前記第2の構成要素情報リストを構成するエントリを置き換える統合部をさらに備える、」を「複製元のエントリを前記第2の構成要素情報リストを構成するエントリで置き換える統合部をさらに備える、」とする訂正は、助詞「を」の重複という明らかな誤記を訂正するものであるから、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
上記(1)のとおり、訂正事項1は、誤記の訂正を目的とする訂正である。この場合、当該訂正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものでなければならない。
願書に最初に添付した明細書の段落【0040】の「図示するように、CPU2は、システム構成表示・編集部21、分割部22、およびマージ部(統合部)23として機能する。」という記載から、同明細書の段落【0076】の「マージ部23」とは、「統合部」のことである(下線は当審が付した。)。
また、願書に最初に添付した特許請求の範囲の【請求項1】の「前記システム構成表示・編集部が第1システムに含まれる任意の第2システムを指定した分割指示を受け付けると、前記第1システムにかかる第1の構成要素情報リストに登録された前記第2システムにかかるエントリを複製して第2の構成要素情報リストを生成する分割部」という記載、願書に最初に添付した明細書の段落【0042】の「分割部22は、システム構成表示・編集部21が第1システムに含まれる任意の第2システムを指定した分割指示を受け付けると、第1システムにかかる第1のオブジェクト情報リスト73に登録された第2システムにかかるエントリを複製して第2のオブジェクト情報リスト73を生成することができる。」という記載、同明細書の段落【0053】の「分割部22は、図4のオブジェクト情報リスト73に登録されているオブジェクト情報のうちの分割対象のオブジェクト情報を、WS_Bにかかるオブジェクト情報リスト73にコピーする(ステップS6)。」という記載及び同明細書の段落【0071】の「なお、以降、ステップS34の処理において整合の判定に用いられたエントリのうち、WS_Aにかかるオブジェクト情報リスト73から抽出されたエントリを複製元エントリとよび、WS_Bにかかるオブジェクト情報リスト73から抽出されたエントリを複製先エントリとよぶ。」という記載から、「第2の構成要素情報リストを構成するエントリ」は、「複製先エントリ」に相当する(下線は当審が付した。)。
これらを踏まえると、同明細書の段落【0076】の「マージ部23は、上書きする旨の入力を受け付けると(ステップS41、Yes)、上書きする旨が入力された差異について、複製先エントリの内容で複製元エントリの内容を上書きする(ステップS42)。」という記載からは、「統合部」が、「複製元エントリ」を「第2の構成要素情報リストを構成するエントリ」で上書きすなわち置き換えることが読み取れる(下線は当審が付した。)。
そして、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
以上のことから、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、上記(1)のとおり、助詞「を」の重複という明らかな誤記を訂正するものであって、訂正前の請求項2の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
本件訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項2に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができた特許第5766378号の請求項1を引用しており、また、記載不備その他の拒絶理由も認められない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項2に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はなく、訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
2.訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正事項2は、請求項3の「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きし」という記載を、「複製先」と「複製元」を入れ替えることで、「前記特定した複製元のエントリを前記特定した複製先のエントリで上書きし」という記載にするものであり、上書きするものとされるものの関係を逆にするものである。
そして、統合部による上書きに関して、訂正前の明細書の段落【0076】の「マージ部23は、上書きする旨の入力を受け付けると(ステップS41、Yes)、上書きする旨が入力された差異について、複製先エントリの内容で複製元エントリの内容を上書きする(ステップS42)。上書きしない旨の入力を受け付けると(ステップS41、No)、ステップS42の処理がスキップされる。」という記載からは、「複製元エントリ」を「複製先エントリ」で上書きすることが読み取れ、図13及び図17には、その結果内容が記載されている(下線は当審が付した。)。
一方、同明細書には、「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする」ことは全く開示も示唆もされていない。
そうすると、訂正前の請求項3の「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きし、」との記載には、上書き元と上書き先との関係に関して、誤記があることは明らかである。
よって、訂正前の「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きし、」を、「前記特定した複製元のエントリを前記特定した複製先のエントリで上書きし、」とする訂正は、明細書の記載と整合させる誤記の訂正であるから、訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
上記(1)のとおり、訂正事項2は、誤記の訂正を目的とする訂正である。この場合、当該訂正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものでなければならない。
訂正事項2は、訂正前の明細書及び図面の記載と整合させるものであり、訂正前の明細書及び図面は願書に最初に添付した明細書及び図面と同一であるから、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面の記載と整合させる訂正である。
よって、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
以上のことから、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2は、上記(1)のとおり、訂正前の明細書の記載と整合させる誤記の訂正であって、訂正前の請求項3の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項2は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
本件訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項3に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができた特許第5766378号の請求項1を引用しており、また、記載不備その他の拒絶理由も認められない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項3に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はなく、訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
3.訂正事項3
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項4の記載「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする前に、」は、訂正前の明細書の段落【0093】の記載「マージ部23は、複製先のエントリを複製元のエントリで上書きする前に、」と対応している。
そして、同明細書の段落【0093】の「また、マージ部23は、複製先のエントリを複製元のエントリで上書きする前に、複製先のエントリと複製元のエントリとの間の差分の有無を確認し、差分がある場合には、差分を適用するか否かの判定をユーザに促し、差分を適用すると判定された場合には、差分部分について複製元のエントリに複製先のエントリを上書きし、差分を適用しないと判定された場合には、差分部分に関する上書きを実行しない。」という記載では、「複製先エントリ」と「複製元エントリ」とで、どちらをどちらに上書きするか矛盾する記載となっている(下線は当審が付した。)。
ここで、統合部の上書きに関して、同明細書の段落【0076】の「マージ部23は、上書きする旨の入力を受け付けると(ステップS41、Yes)、上書きする旨が入力された差異について、複製先エントリの内容で複製元エントリの内容を上書きする(ステップS42)。上書きしない旨の入力を受け付けると(ステップS41、No)、ステップS42の処理がスキップされる。」という記載からは、「複製元エントリ」を「複製先エントリ」で上書きすることが読み取れ、図13及び図17には、その結果内容が記載されている(下線は当審が付した。)。
一方、同明細書には、「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする」ことは他に開示も示唆もされていない。
そうすると、同明細書の段落【0093】の上記記載は、「また、マージ部23は、複製元のエントリを複製先のエントリで上書きする前に、複製先のエントリと複製元のエントリとの間の差分の有無を確認し、差分がある場合には、差分を適用するか否かの判定をユーザに促し、差分を適用すると判定された場合には、差分部分について複製元のエントリに複製先のエントリを上書きし、差分を適用しないと判定された場合には、差分部分に関する上書きを実行しない。」(下線は当審が付した。)の誤記であることは明らかであるから、訂正前の請求項4の記載「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする前に」にも、上書き元と上書き先との関係に関する誤記があることが当業者には明らかである。
よって、訂正前の「前記特定した複製先のエントリを前記特定した複製元のエントリで上書きする前に、」を、「前記特定した複製元のエントリを前記特定した複製先のエントリで上書きする前に、」とする訂正は、誤記を訂正するものであるから、訂正事項3は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の有無について
上記(1)のとおり、訂正事項3は、誤記の訂正を目的とする訂正である。この場合、当該訂正は願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものでなければならない。
訂正事項3は、訂正前の明細書及び図面の記載と整合させるものであり、訂正前の明細書及び図面は願書に最初に添付した明細書及び図面と同一であるから、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書又は図面の記載と整合させる訂正である。
よって、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。
以上のことから、訂正事項3は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、特許法第126条第5項に適合する。
(3)特許請求の範囲を拡張・変更の存否について
訂正事項3は、上記(1)のとおり、訂正前の明細書の記載と整合させる誤記の訂正であって、訂正前の請求項4の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項3は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(4)独立特許要件について
本件訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項4に係る発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができた特許第5766378号の請求項1を引用しており、また、記載不備その他の拒絶理由も認められない。
したがって、訂正後における特許請求の範囲に記載された事項により特定される請求項4に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けられないとする理由はなく、訂正事項3は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
4.訂正事項4
(1)訂正の目的について
訂正事項4は、上記訂正事項1の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書における段落【0043】の記載を整合させるための訂正であり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項4の内容は、上記訂正事項1と同様、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるから、訂正事項1と同じく特許法第126条第5項に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1は、上記(1)のとおり、明細書の記載と整合させる誤記の訂正であって、訂正前の段落【0043】の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
5.訂正事項5
(1)訂正の目的について
訂正事項5は、上記訂正事項3の訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と明細書における段落【0093】の記載を整合させるための訂正であり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。
(2)新規事項の追加の有無について
訂正事項5の内容は、上記訂正事項3と同様、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであるから、訂正事項3と同じく特許法第126条第5項に適合する。
(3)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項5は、上記(1)のとおり、明細書の記載と整合させる誤記の訂正であって、訂正前の段落【0093】の内容を実質的に変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。
第5 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第5項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
J-PlatPat 審決検索を開く
2017-390030