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特許拒絶査定不服審判

2017-006705

ネットワークへの接続切換の方法及び装置

審判番号
2017-006705
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-554033外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2017年05月10日
審決日
2018年11月16日
公報発行日
2019年05月31日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (H04W)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-554033「ネットワークへの接続切換の方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成26年 7月31日国際公開、WO2014/114216、平成28年 3月22日国内公表、特表2016-508681〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)1月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年1月24日 中国)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成27年 7月23日   手続補正書の提出 平成28年 6月 9日付け 拒絶理由通知書 平成28年 9月16日   意見書、手続補正書の提出 平成29年 1月 5日付け 拒絶査定 平成29年 5月10日   拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提 出 平成30年 6月20日付け 拒絶理由通知書 平成30年 9月25日   意見書、手続補正書の提出 第2 本願発明 平成30月9月25日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1は、以下のとおりのものである。(下線は当審が付与。) 「 ネットワーク切換方法であって、 ユーザー設備が、事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値を取得するステップと、 前記ユーザー設備が、非3GPPネットワークに位置する場合、ネットワーク性能パラメータを取得するステップと、 前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えるステップとを備え、 前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値は、事前設定のネットワーク負荷閾値、または事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値を含み、 前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、 前記ネットワーク性能パラメータがネットワーク負荷である場合、前記ユーザー設備が、前記ネットワーク負荷が前記事前設定のネットワーク負荷閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、 または、前記ネットワーク性能パラメータがサービスを利用できない期間の長さである場合、もし前記ユーザー設備が、前記サービスを利用できない期間の長さが前記事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることであり、 さらに、前記ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、 前記ユーザー設備の接続層は、当該ユーザー設備の非接続層に、切換通知メッセージを送信し、 前記切換通知メッセージに基づいて、前記ユーザー設備の非接続層は、ネットワーク側に、当該ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスのルーティングテーブルを修正することを通知し、前記サービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、 前記ユーザー設備に利用される一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えられた後、UEがANDSFのISRPポリシーに基づいてネットワークを選択する場合、前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えされた後、前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、ANDSFのポリシーの指示に基づいて、前記UEに利用される後続サービスを、3GPPネットワークまたは非3GPPネットワークに接続させ、前記UEに利用される3GPPネットワークに接続した一部のサービスがまだ終了していなければ、UE内の情報交換ができる2つの独立するモジュールを利用して、非3GPPネットワークに対応するネットワーク性能パラメータを取得し、前記ネットワーク性能パラメータが事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達していないと判断すれば、UEに利用する一部のサービスを、3GPPネットワークから非3GPPネットワークへ切り換える ことを特徴とするネットワーク切換方法。」 ここで、「前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、」と記載されているが、明細書段落76では「もし当該UEに利用される3GPPネットワークに接続した一部のサービスが終了したのであれば、」と記載されており、文脈からみても「前記UEに利用されるすでに3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、」の誤記であることが明らかである。 したがって、請求項1に係る発明は次のとおりのものと認める(以下、「本願発明」という。)。 「 ネットワーク切換方法であって、 ユーザー設備が、事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値を取得するステップと、 前記ユーザー設備が、非3GPPネットワークに位置する場合、ネットワーク性能パラメータを取得するステップと、 前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えるステップとを備え、 前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値は、事前設定のネットワーク負荷閾値、または事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値を含み、 前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、 前記ネットワーク性能パラメータがネットワーク負荷である場合、前記ユーザー設備が、前記ネットワーク負荷が前記事前設定のネットワーク負荷閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、 または、前記ネットワーク性能パラメータがサービスを利用できない期間の長さである場合、もし前記ユーザー設備が、前記サービスを利用できない期間の長さが前記事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることであり、 さらに、前記ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、 前記ユーザー設備の接続層は、当該ユーザー設備の非接続層に、切換通知メッセージを送信し、 前記切換通知メッセージに基づいて、前記ユーザー設備の非接続層は、ネットワーク側に、当該ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスのルーティングテーブルを修正することを通知し、前記サービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、 前記ユーザー設備に利用される一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えられた後、UEがANDSFのISRPポリシーに基づいてネットワークを選択する場合、前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えされた後、前記UEに利用されるすでに3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、ANDSFのポリシーの指示に基づいて、前記UEに利用される後続サービスを、3GPPネットワークまたは非3GPPネットワークに接続させ、前記UEに利用される3GPPネットワークに接続した一部のサービスがまだ終了していなければ、UE内の情報交換ができる2つの独立するモジュールを利用して、非3GPPネットワークに対応するネットワーク性能パラメータを取得し、前記ネットワーク性能パラメータが事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達していないと判断すれば、UEに利用する一部のサービスを、3GPPネットワークから非3GPPネットワークへ切り換える ことを特徴とするネットワーク切換方法。」 ここで、本願発明は補正前の請求項1に補正前の請求項5に基づく発明特定事項を追加し補正したものである。 第3 拒絶の理由 平成30年6月20日付けで当審が通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は、 「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」 というものであり、補正前の請求項1に対して引用例1、4~6が引用され、補正前の請求項5に対して引用例1、4~7が引用されている。 1.特開2012-90272号公報 4.特表2010-506457号公報 5.特開2005-294979号公報 6.国際公開第2012/044628号 7.米国特許公開第2012/0196644号明細書 第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について 1.引用例1 当審拒絶理由に引用された特開2012-90272号公報(以下、「引用例1」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) (1)「【請求項5】 無線送受信ユニット(WTRU)で使用する方法であって、 無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)との接続を確立するステップと、 ユーザサービスのためのIPセッションを呼び出すステップと、 前記WLANおよびパケットデータゲートウェイ(PDG)を介して、前記ユーザサービスを受信するステップと、 前記WLANからセルラネットワークへのハンドオーバを開始するステップと を備えることを特徴とする方法。」(2ページ) (2)「【背景技術】 【0002】 現在、WLANおよびセルラネットワークなどの異なるタイプの無線通信ネットワークが展開されている(deployed)。マルチモード無線送受信ユニット(WTRU:Wireless Transmit/Receive Unit)は、複数の無線通信ネットワークにおける無線通信をサポートしている。マルチモードWTRUのユーザは異なるネットワークの間をローミングするため、サービスを絶えず受信しながら、一方のネットワークから他方のネットワークへのハンドオーバを実行する必要がある。例えば、無線加入者は、ユーザに提供されている無線サービスの継続性を維持しながら、WLANと第3世代(3G)ネットワークとの間をローミングすることができる。 (中略) 【0005】 最初に、WTRUはWLANとの接続を確立し、APとPDGとの間にトンネルが確立される。さらに、PDGはIPネットワークとのトンネルを確立する。次いで、WTRUは、WLANを介して配信されるサービスを呼び出す。APからの信号品質が予め定められた閾値よりも下回った場合、WLANからセルラネットワークへのハンドオーバが実行される。セルラネットワークとの新たな接続は、WLANとの現在の接続を切断する前もしくは切断した後のいずれかに確立されてもよく、または2つの接続が同時に維持されてもよい。 (中略) 【0009】 以後、「WTRU」と呼ぶときは、この用語には、ユーザ機器(UE:User Equipment)、移動局、固定式もしくは移動式加入者ユニット、ページャ、または、無線環境において動作することができるその他の任意のタイプのデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。また、以後、「ノードB」および「AP」と呼ぶときは、これらの用語には、サイトコントローラ、または、無線環境におけるその他の任意のタイプのインターフェーシングデバイスが含まれるが、これらに限定されるものではない。」(3~4ページ) (3)「【0010】 本発明は、セルラネットワークとの接続を確立するステップと、ハンドオーバを実行するステップと、ユーザとWLANとの間の接続を切断するステップとを規定することによって、WLANとセルラネットワークとの間のサービスの継続性、およびシームレスなハンドオーバを維持する方法を提供する。セルラネットワークには、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS:Universal Mobile Telecommunication System)、cdma2000、および移動体通信用グローバルシステム(GSM)が含まれるが、これらに限定されるものではなく、セルラネットワークは任意のタイプのセルラネットワークとすることができることに留意されたい。また、WLANには、IEEE802.xネットワークが含まれるが、これらに限定されるものではなく、WLANは任意のタイプのWLANとすることができることに留意されたい。」(4~5ページ) 上記各記載及び当業者における技術常識からみて、 ア 上記(1)の記載によれば、引用例1には「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの方法」について記載されていることは明らかである。 イ 上記(2)の記載によれば、ユーザ機器であるマルチモード無線送受信ユニット(WTRU)は閾値とAPからの信号品質を比較しているといえるから、「WTRUが、閾値を予め取得するステップ」と「WTRUが、WLANのAPからの信号品質を取得するステップ」を有していることは明らかである。また、上記(2)の記載によれば、「WTRUが、信号品質が閾値より下回った場合、」「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバを行うステップ」を有することは明らかである。 そして、上記(2)の段落5の記載によればWLANを介してサービスが配信されることから、ハンドオーバによりサービスをWLANからセルラネットワークへ切り換えているといえる。 したがって、引用例1の方法では「ユーザ機器であるマルチモード無線送受信ユニット(WTRU)が、閾値を予め取得するステップと、WTRUが、WLANのAPからの信号品質を取得するステップと、WTRUが、信号品質が閾値より下回った場合、サービスをWLANからセルラネットワークへ切り換えるステップとを備える」といえる。 ウ 上記(3)の記載によれば、セルラネットワークにはUMTSなどのネットワークが含まれる。 エ 上記(2)の記載によれば、WTRUはマルチモードWTRUであるから、WLANのモジュールとセルラネットワークのモジュールが独立して備えていることは明らかである。 以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。 「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの方法であって、 ユーザ機器であるマルチモード無線送受信ユニット(WTRU)が、閾値を予め取得するステップと、 WTRUが、WLANのAPからの信号品質を取得するステップと、 WTRUが、信号品質が閾値より下回った場合、サービスをWLANからUMTSなどのセルラネットワークへ切り換えるステップとを備える、 ここで、WTRUは2つの独立するモジュールを備えている、 WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの方法。」 2.引用例2 当審拒絶理由に引用された特表2010-506457号公報(以下、「引用例2」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) (1)「【0012】 ある態様によれば、方法および装置は、通信リンクの品質を決定し、およびその決定に基づくハンドオフのトリガについて開示される。品質の決定は、PHY、MACまたはアプリケーション層のような、少なくとも2つ以上のプロトコルの異なる層からダウンリンクおよびアップリンク評価指標をモニタすることを含んでもよい。さらなる態様によれば、異なるネットワーク間でハンドオフをトリガすることは、品質決定に基づいて達成される。 【0013】 図1は、品質決定に基づいて、ハンドオフのような、品質を改善するために付随する是正措置の実行および品質決定を採用する典型的な通信システム100の図である。詳述されるように、システム100は、2つのエンドポイント(例えば、2つの通信端末または局)間のVoIP呼び出しを行うことに使用可能である。システム100は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)102のようなローカルエリアネットワーク102を含んでいてもよい。それは、Wi-Fi(IEEE規格802.11)のような多数の無線ネットワーキング規格のうちの任意の1つによって動作してもよい。ローカルエリアネットワーク102は、コンピュータ108を含むモバイル装置106または他の電子機器 のような、通信端末エンドポイントと通信するワイヤレスアクセスポイント(AP)104を含んでいる。AP104は、そしてまた、バックホールリンク110と通信している。 (中略) 【0016】 システム100はさらに、WLAN102またはバックホールリンク110の品質が劣化する場合には、通信端末または局にハンドオフする、1つ以上の代替ネットワークを含んでいてもよい。例えば、端末106は、基地局118によって例証されるようなWWANネットワークへハンドオフしてもよい。WWANネットワークは、CDMA、GSM、WiMax(IEEE802.16)、LTE、UMB、1x-EVDO、UMTS、HSPA、ネットワークを含むセルラネットワーク、または他の適切な無線または有線ネットワークのような幾つかの適切なネットワークのうちのいずれかから成ってもよい。基地局118は、順に、呼び出し終端ユニット114へトラフィックの送信(つまり、音声トラフィック)用のインターネットリンク112である。」(10~11ページ) (2)「【0019】 図2は、図1におけるシステム100のような、通信システムにおいて品質決定またはモニタリング評価指標が実行されるプロトコル層を示すブロック図を示す。VoIP呼び出しに参加するエンドポイント端末202は、QoSに影響する様々な層で異なる評価指標をモニタするように構成されてもよい。記述されるように、通信端末202は、VoIP呼び出し終端206と同様に、物理層(PHY)、メディアアクセス制御(MAC)層、およびアプリケーション層パラメータのようなプロトコル層パラメータまたは端末202とアクセスポイント204と間のリンクでの評価指標をモニタすることができる。通信端末202は、図1に示された通信端末装置106または108と同様である。 (中略) 【0021】 所定の閾値を超える場合、端末202は、ハンドオフまたはデータ若しくは符号化レートを変化させるような他の是正措置をトリガする目的のために、ダウンリンク電力またはSINR評価指標を利用するように構成される。Wi-Fi 802.11アクセスポイントの場合には、例えば、閾値は、端末202におけるAP204のデータレートおよび受信機ハードウェアの感度に基づいて経験的に確立されることが可能である。 【0022】 層210によって示されるように、端末202はMAC層のモニタリングを含んでもよい。MACレベルでは、端末202でダウンリンクおよびアップリンク評価指標の両方を決定することが可能である。 【0023】 MAC層ダウンリンク評価指標に関して、いくつかの別個の評価指標は、QoSを決定するために検討される。図2における矢印214および矢印216によって示されるこれらの評価指標は、一般に、ダウンリンクにとっては、フレームチェックシーケンス(FCS)誤差、および欠落フレームまたは再送信されるフレームを決定することに関し、アップリンクにとっては、損失レートおよび再送信レートを決定することに関する。加えて、バッファオーバーフローを含むローカルバッファからの情報と同様に、これらの評価指標は802.11MAC管理情報ベース(MIB)を使用して実装されうることに留意する。 」(12ページ) (3)「【0034】 末端端末202から他の音声呼び出しの末端における端末へのアップリンク経路に沿って(図示せず)、WLANアップリンク、ブロードバンドバックホール、オペレータネットワーク(例えば、IPネットワーク)および他の末端端末への最終リンクのような、潜在的障害または劣化の多数のポイントが存在する。端末202によるWLANアップリンクのモニタリングは、リンクの他の部分と比べて比較的容易である。その上、WLANアップリンクをモニタリングすることは、WLANの過負荷またはWLANアクセスポイント(例えば、AP204)に近い干渉者位置によって引き起こされる損失による劣化を見いだすことができる。従って、図2における矢印216によって示されるように、現在の装置および方法はさらに、MAC層で端末202によってアップリンク評価指標のモニタリングを提供する。」(14ページ) 上記各記載及び当業者における技術常識からみて、 上記(1)の記載によれば、WLANの品質が劣化する場合には、WLANからセルラネットワークへハンドオフすることが記載されている。ここでハンドオフとハンドオーバは同義であることは技術常識である。 また、上記(3)の記載によれば、WLANアップリンクのモニタリングは、WLANの過負荷によって引き起こされる損失による劣化を見いだすことができることから、WLANアップリンクのモニタリングはWLANネットワークの負荷の測定といえる。 そして、上記(2)の記載によれば、アップリンク評価指標のモニタリングが行われ、閾値を超える場合にハンドオフをトリガすることが記載されている。 したがって、引用例2では「WLANネットワークの負荷を測定し閾値と比較することで」ハンドオフを判断しているといえる。 以上を総合すると、引用例2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認められる。 「WLANからセルラネットワークへハンドオーバを行うか否かを判断する上で、閾値と比較するパラメータとしてWLANネットワークの負荷を採用する。」 3.引用例3 当審拒絶理由に引用された特開2005-294979号公報(以下、「引用例3」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) 「【0057】 次に、端末のWLAN→3Gハンドオーバ時にGGSNにてPDP contextデータの削除を行う場合の動作を、図3と、PDP context34の内容を示す図5を用いて詳細に説明する。 【0058】 今、3G/WLANデュアル端末11は、WLAN AP13のカバーエリア14から抜け出し、3G Node Bカバーエリア15へ切り替えるとする。 【0059】 このとき、3G/WLANデュアル端末11はWLAN AP13からの電界強度の変化を読み取ってエリアから抜け出したことを検知し、これを起動条件にしてGGSN32におけるPDP context34のパラメータ#345を削除するシーケンスを起動する。 【0060】 3G/WLANデュアル端末11は無線リソースを開放しているため、再開するために「Service Request」メッセージをSGSN31まで発信する。 【0061】 本発明においては、GGSN32にて指定するPDP context34のパラメータ#345を削除できるよう、メッセージ中に対応するPDP context numberを載せる。 【0062】 このメッセージを受け取ったSGSN31は「Delete PDP Context Request」メッセージをGGSN32に発信し、GGSN32中のWLANアクセス用のPDP context34のパラメータ#345を削除する。 【0063】 また、同時にPDP context34のパラメータ#345に関連付けされているFilterについても削除する。 【0064】 以降、DownlinkパケットがGGSN32に到着すると、3G用のPDP contextデータによりルーティングが行われるようになる。」(7~8ページ) 上記記載及び当業者における技術常識からみて、 (1)3Gはセルラネットワークであることは技術常識であるから、引用例3では「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバ」が行われているといえる。 (2)3G/WLANデュアル端末11は「Service Request」メッセージを3G経由でSGSN31まで発信していることは明らかであり、SGSNやGGSNはネットワーク側の装置であることは明らかであるから、「セルラネットワーク経由でネットワーク側に」「WLANからセルラネットワークへ変更することを端末が通知する」ことが行われているといえる。 (3)段落64に記載されているようにPDP contextデータはルーティングの情報であるのでルーティングテーブルの情報といえる。したがって、段落59の「GGSN32におけるPDP context34のパラメータ#345を削除するシーケンス」として3G/WLANデュアル端末11が「Service Request」メッセージを発信することは「ルーティングテーブルを」「変更することを端末が通知」しているといえる。 以上を総合すると、引用例3には、次の発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認められる。 「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの際に、セルラネットワーク経由でネットワーク側にルーティングテーブルをWLANからセルラネットワークへ変更することを端末が通知する。」 4.周知事項1 当審拒絶理由に引用された国際公開第2012/044628号(以下、「周知例1」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) 「 [0119] In accordance with selected embodiments, another solution addresses the cases of idle mode mobility from a HeNB to a eNB or to a HeNB in a different CSG, and mobility from a HNB to macro coverage or to a HNB in a different CSG. This solution uses the UE's Access Stratum (AS) - also known at the NAS layer as lower layer― to detect if the UE has left a specific CSG coverage, including the UE leaving a cell with a CSG ID, and informs the NAS of such event. (中略) [0121] Access Stratum Notification [0122] For example, in an access stratum notification embodiment, an NAS idle UE moves outside the H(e)NB, at which point the AS in the UE makes the NAS in the UE aware of the fact the UE has moved outside the previous H(e)NB. Such AS notification can occur when the UE has moved to macro coverage - either E-UTRAN or GERAN/UTRAN― or to a different CSG or to a cell with a different CSG ID. In response to the AS notification, the UE NAS triggers appropriate NAS signaling, such as a TAU or LIPA/SIPTO PDN disconnection procedure for E-UTRAN, or RAU or PDP context disconnection in UTRAN.」(28ページ) (当審仮訳: [0119]選択された実施形態によれば、別の解決法は、HeNBからeNBへ、又は異なるCSGにおけるHeNBへのアイドルモードモビリティ、及び、HNBからマクロ受信可能範囲へ、又は異なるCSGにおけるHNBへのモビリティの場合に対処する。この解決法は、UEがCSG IDを伴うセルから退出することを含む、UEが特定のCSG受信可能範囲から退出したかどうかを検出するため、及び、そのような事象についてNASに知らせるために、NAS層において下層としても知られている、UEのアクセス階層(AS)を使用する。 (中略) [0121]アクセス階層通知 [0122]例えば、アクセス階層通知の実施形態では、NASアイドルUEは、H(e)NBの外側に移動し、その時点で、UEにおけるASは、UEが以前のH(e)NBの外側に移動したという事実をUEにおけるNASに認識させる。そのようなAS通知は、UEが、E-UTRAN又はGERAN/UTRANのいずれかである、マクロ受信可能範囲へ、あるいは異なるCSGへ、あるいは異なるCSG IDを伴うセルへ移動した場合に起こり得る。AS通知に応じて、UE NASは、E-UTRANのためのTAU又はLIPA/SIPTO PDN切断プロシージャ、あるいはUTRANにおけるRAU又はPDPコンテキスト切断等の適切なNAS信号伝達をトリガする。) 上記記載及び当業者における技術常識からみて、 NASの下位層であるASはアクセス階層であるから接続層といえ、NASは非アクセス階層であるから非接続層といえることは技術常識である。 また、NASはUEとコアネットワークの間のモビリティのプロトコルであることは技術常識であるから、エリアから移動した際にはASからNASに伝えなければいけないことは技術常識からも明らかである。 以上を総合すると、例えば周知例1にも記載されているように、「エリアの外に移動する際にUEにおける接続層はUEにおける非接続層に通知する。」(以下、「周知事項1」という)ことは周知である。 5.周知事項2 3GPP TS24.302 V11.5.0,p.18,2012年12月21日(アップロード日),URL:http://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/24_series/24.302/24302-b50.zip(以下、「周知例2」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) 「5.4 Data traffic routing of IP flows 5.4.1 General An IFOM capable UE or a non-seamless WLAN offload capable UE, or a MAPCON capable UE can have several sets of information about access technologies or access networks or both to assist in determining the data traffic routing of IP flows. These sets of information are: -the Inter-System Routing policies. For an IFOM capable UE or a non-seamless WLAN offload capable UE, or a MAPCON capable UE or any combination of these capabilities, the ISRP can be statically provided within that UE. Additionally, the ISRP can be provided by the H-ANDSF or the V-ANDSF or both;」 (当審仮訳: 5.4 IPフローのデータトラフィックルーティング 5.4.1 一般 IFOM対応UE又は非シームレスWLANオフロード対応UE、又はMAPCON対応UEは、IPフローのデータトラフィックルーティングの決定を支援するために、アクセス技術又はアクセスネットワーク又はその両方に関するいくつかの情報セットを有することができる。これらの情報セットは次のとおりです。 -システム間ルーティングポリシー。 IFOM対応UE又は非シームレスWLANオフロード対応UE、又はMAPCON対応UE、又はこれらの能力の任意の組み合わせに対して、ISRPは、そのUE内に静的に提供され得る。さらに、ISRPは、H-ANDSF又はV-ANDSF又はその両方によって提供することができる。) 上記記載では、IPフローのデータトラフィックルーティングの例としてANDSFのISRPが紹介されている。 したがって、3GPPの規格書である周知例2に記載があるように、「ルーティングポリシーとしてANDSFのISRPがある。」及び「ISRPポリシーの場合にはフロー毎にルーティングを行う。」(以下、「周知事項2」という。)ことは周知である。 6.周知事項3 当審拒絶理由に引用された米国特許公開第2012/0196644号明細書(以下、「周知例3」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。) 「[0058]In prior art systems and devices, network policies typically define operational limits of the device without consideration of real-time or historical performance information. Thus, for example, a network policy can limit the ability of a device to establish a connection to networks and access points operated by the carrier or network operator. Under this policy, the device will not attempt to establish a connection with a third party network or access point, even where it has the capability. In accordance with some embodiments of the present invention, the network policy can be modified, enhanced or expanded, such that where the performance of the carrier/operator network is poor and below a predefined threshold, the policy can be modified to enable the connection to a third party network or access point. This aspect of the invention enables the carrier/operator to, for example, offload network traffic in the event of an outage or local system congestion to avoid poor user experience at the expense of purchasing bandwidth from a third party network. The policy can be changed by the operator/carrier by adjusting the threshold up or down to suit their needs. In addition, the network policy is dynamic in the sense that when carrier/operator network conditions improve (e.g., the outage is resolved or the congestion is abated) the user device can be reconnected to the carrier/operator network, minimizing the additional expense to the carrier/operator as well as the」(3ページ右欄から4ページ左欄) (当審仮訳: [0058]従来技術のシステム及びデバイスでは、ネットワークポリシーは、一般的に、リアルタイムパフォーマンス情報又は履歴パフォーマンス情報を考慮せずに装置の作動の制限を規定する。従って、例えば、ネットワークポリシーは、キャリア又はネットワークオペレータによって運用されるネットワークとアクセスポイントへの接続を確立するためのデバイスの能力を制限することができる。このポリシーによって、装置は、能力が有していても、第3者のネットワーク又はアクセスポイントとの接続を確立しようとはしない。本発明のいくつかの実施形態によれば、ネットワークポリシーが変更、改善又は拡張することができる、キャリア/オペレーターネットワークの性能が低下して、前もって定められた閾値以下の場合、ポリシーは、第3者のネットワーク又はアクセスポイントへの接続を可能にするように変更することができる。本発明のこの態様はキャリア/オペレーターは、例えば、機能停止又はローカルシステムの輻輳時に、ネットワークトラフィックをオフロードするために第3者ネットワークからの帯域幅を購入することを犠牲にして、悪いユーザ経験を回避することを可能にする。ポリシーは、それらの要求に適合するように上又は下への閾値を調整することによって、オペレーター/キャリアによって変化させることができる。さらに、ネットワークポリシーは、キャリア/オペレーターネットワークの状況が改善された(例えば、機能停止が解決されるか、輻輳が軽減される)ときに、ユーザ装置は、キャリア/オペレーターネットワークに再接続し、キャリア/オペレーターに追加の費用を最小にする) 上記記載によれば、キャリア/オペレーターネットワークの性能が低下して、前もって定められた閾値以下の場合、第3者のネットワークへの接続変更し、その後キャリア/オペレーターネットワークのネットワーク状況が改善されたときに、ユーザ装置は、キャリア/オペレーターネットワークに再接続することが記載されている。 また、ハンドオーバの際にハンドオーバ前のネットワークへの接続を優先すべき場合には、ハンドオーバ後にハンドオーバ前のネットワークが改善されれば、ハンドオーバ前のネットワークに接続を戻すべきことは当然の事項である。 したがって、「ハンドオーバのハンドオーバ元のネットワークが改善した場合に、接続するネットワークをハンドオーバ元のネットワークに戻す。」(以下、「周知事項3」という。)ことは、例えば周知例3にも示されているように、常套手段である。 第5 対比及び判断 本願発明と引用発明1とを対比する。 1.引用発明1の「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバ」とは、ネットワークをWLANからセルラネットワークに切り換えることであるから、引用発明1の「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの方法」は「ネットワーク切換方法」といえる。 2.引用発明1の「ユーザ機器であるマルチモード無線送受信ユニット(WTRU)」は本願発明の「ユーザー設備」に相当する。 3.引用発明1の「WLAN」は非3GPPネットワークであるから、本願発明の「非3GPPネットワーク」に相当し、引用発明1の「UMTSなどのセルラネットワーク」としてUMTSが例示されており、一方本願明細書段落20に「3GPP(UMTS/LTEが含まれる)」と記載されていることから、引用発明1の「UMTSなどのセルラネットワーク」は本願発明の「3GPPネットワーク」に相当する。 4.引用発明1の「信号品質」はWLANであるネットワークの性能を表すパラメータであるから、本願発明の「ネットワーク性能パラメータ」に含まれる。また、引用発明1の「閾値」はWLANからセルラネットワークへのハンドオーバを判断する際のWLANの信号品質の閾値であるから、本願発明の「非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値」に相当する。 したがって、引用発明1の「ユーザ機器であるマルチモード無線送受信ユニット(WTRU)が、閾値を予め取得するステップ」は本願発明の「ユーザー設備が、事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値を取得するステップ」に相当する。 5.引用発明1の「信号品質」はWTRUがWLANに位置する場合に取得されるものであるから、引用発明1の「WTRUが、WLANのAPからの信号品質を取得するステップ」は本願発明の「ユーザー設備が、非3GPPネットワークに位置する場合、ネットワーク性能パラメータを取得するステップ」に相当する。 6.引用発明1の「閾値」は予め取得されているものであるから事前設定されている値といえるから、引用発明1の「信号品質が閾値より下回った場合、WLANからUMTSなどのセルラネットワークへ切り換えるステップ」は本願発明の「ユーザー設備が、ネットワーク性能パラメータが事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えるステップ」に相当する。 以上のことから、本願発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 (一致点) 「 ネットワーク切換方法であって、 ユーザー設備が、事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値を取得するステップと、 前記ユーザー設備が、非3GPPネットワークに位置する場合、ネットワーク性能パラメータを取得するステップと、 前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えるステップとを備えた、 ネットワーク切換方法。」 (相違点1) 「ネットワーク性能パラメータ」に関して、本願発明は「ネットワーク負荷」又は「サービスを利用できない期間の長さ」と定義することに伴い、「前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値は、事前設定のネットワーク負荷閾値、または事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値を含み」、「前記ユーザー設備が、前記ネットワーク性能パラメータが前記事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達した場合、前記非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、」「前記ネットワーク性能パラメータがネットワーク負荷である場合、前記ユーザー設備が、前記ネットワーク負荷が前記事前設定のネットワーク負荷閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、」「または、前記ネットワーク性能パラメータがサービスを利用できない期間の長さである場合、もし前記ユーザー設備が、前記サービスを利用できない期間の長さが前記事前設定のサービスを利用できない期間の長さ閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることであり、」と特定しているのに対して、引用発明1では「ネットワーク性能パラメータ」が「信号品質」である点。 (相違点2) 「非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換える」ことに関して、本願発明は「前記ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えることは、以下のようであり、」「前記ユーザー設備の接続層は、当該ユーザー設備の非接続層に、切換通知メッセージを送信し、」「前記切換通知メッセージに基づいて、」「前記サービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換え、」を行っているのに対し、引用発明1ではサービスをWLANからUMTSなどのセルラネットワークへ切り換えるが、上記発明特定事項を有していない点。 (相違点3) 「非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換える」ことに関して、本願発明は「ネットワーク側に、当該ユーザー設備に利用される非3GPPネットワークに接続するサービスのルーティングテーブルを修正することを通知」するのに対し、引用発明1では上記発明特定事項を有していない点。 (相違点4) 本願発明では「前記ユーザー設備に利用される一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えられた後、UEがANDSFのISRPポリシーに基づいてネットワークを選択する場合、前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えされた後、前記UEに利用されるすでに3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、ANDSFのポリシーの指示に基づいて、前記UEに利用される後続サービスを、3GPPネットワークまたは非3GPPネットワークに接続させ、」「前記UEに利用される3GPPネットワークに接続した一部のサービスがまだ終了していなければ、UE内の情報交換ができる2つの独立するモジュールを利用して、非3GPPネットワークに対応するネットワーク性能パラメータを取得し、前記ネットワーク性能パラメータが事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達していないと判断すれば、UEに利用する一部のサービスを、3GPPネットワークから非3GPPネットワークへ切り換える」のに対し、引用発明1ではWTRUが2つの独立するモジュールを備えているが、上記発明特定事項を有していない点。 (相違点1について) まず、本願発明では「ネットワーク性能パラメータ」に関して「ネットワーク負荷」又は「サービスを利用できない期間の長さ」と択一的に記載されていることから、「ネットワーク負荷」について検討する。 上記「第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について」の「2.引用例2」の引用発明2のとおり、「WLANからセルラネットワークへハンドオーバを行うか否かを判断する上で、閾値と比較するパラメータとしてWLANネットワークの負荷を採用する。」ことは公知技術である。 したがって、引用発明1のWLANからセルラネットワークへのハンドオーバを判断するネットワーク性能パラメータとして、引用発明2のようにネットワーク負荷を採用することは当業者が適宜なし得ることであり、この採用に伴い、「ネットワーク性能パラメータがネットワーク負荷である場合、ユーザー設備が、前記ネットワーク負荷が事前設定のネットワーク負荷閾値に達したと判断すれば、前記ユーザー設備が利用する非3GPPネットワークに接続するサービスを、非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換える」こととなることは明らかである。 (相違点2について) 上記「第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について」の「4.周知事項1」の周知事項1のとおり、「エリアの外に移動する際にUEにおける接続層はUEにおける非接続層に通知する。」ことは周知である。 したがって、引用例1のWTRUにおいて、WLANのエリアの外に移動する際にWTRUにおける接続層はWTRUにおける非接続層に通知する構成を採用することは当業者にとって格別困難なことではなく、当業者が適宜なし得ることである。 (相違点3について) 上記「第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について」の「3.引用例3」の引用発明3のとおり、「WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの際に、セルラネットワーク経由でネットワーク側にルーティングテーブルをWLANからセルラネットワークへ変更することを端末が通知する。」ことは公知技術である。 したがって、引用発明1のWTRUが、WLANからセルラネットワークへのハンドオーバの際に、セルラネットワーク経由でネットワーク側にルーティングテーブルをWLANからセルラネットワークへ変更することを通知することは当業者が適宜なし得ることである。 (相違点4について) まず、上記「第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について」の「5.周知事項2」の周知事項2のとおり、「ルーティングポリシーとしてANDSFのISRPがある。」及び「ISRPポリシーの場合にはフロー毎にルーティングを行う。」ことは周知である。 そして、ネットワーク選択にANDSFのポリシーを採用する場合には、「前記UEに利用されるすでに3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了」した後の後続サービスのネットワークの選択は、通常時のネットワーク選択時であるから、ANDSFのポリシーの指示に基づいてネットワークを選択することとなることは当然である。 また、上記「第4 引用例等に記載された事項及び引用発明等について」の「6.周知事項3」の周知事項3のとおり、「ハンドオーバのハンドオーバ元のネットワークが改善した場合に、接続するネットワークをハンドオーバ元のネットワークに戻す。」ことは常套手段である。 以上のことから、引用発明1においてANDSFポリシーにおけるISRPポリシーと上記常套手段を採用することは当業者が適宜なし得ることであり、この採用に伴い、「前記ユーザー設備に利用される一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えられた後、UEがANDSFのISRPポリシーに基づいてネットワークを選択する場合、前記UEに利用されるすでに非3GPPネットワークに接続された一部のサービスが非3GPPネットワークから3GPPネットワークへ切り換えされた後、前記UEに利用されるすでに3GPPネットワークに接続された一部のサービスがすでに終了すれば、ANDSFのポリシーの指示に基づいて、前記UEに利用される後続サービスを、3GPPネットワークまたは非3GPPネットワークに接続させ、」「前記UEに利用される3GPPネットワークに接続した一部のサービスがまだ終了していなければ、UE内の情報交換ができる2つの独立するモジュールを利用して、非3GPPネットワークに対応するネットワーク性能パラメータを取得し、前記ネットワーク性能パラメータが事前設定の非3GPPネットワーク性能パラメータ切換閾値に達していないと判断すれば、UEに利用する一部のサービスを、3GPPネットワークから非3GPPネットワークへ切り換える」こととなることは明らかである。 したがって、本願発明は、引用発明1~3及び周知事項1~3に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるといえる。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2017-006705

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