特許拒絶査定不服審判
2016-003321
プログラム、会議用ドキュメント共有システムおよび情報処理装置
- 審判番号
- 2016-003321
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2012-098651外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2016年03月03日
- 審決日
- 2017年02月13日
- 公報発行日
- 2017年05月26日
- 結論
- 請求不成立
- 当事者
- 【請求人】コニカミノルタ株式会社
- 【請求人代理人】特許業務法人深見特許事務所
- 分類
- P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第6項、特許法第126条第7項、特許法第159条第1項
- データ出所
- 審決公報(SGML)
事件の表示
特願2012- 98651「プログラム、会議用ドキュメント共有システムおよび情報処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成25年11月 7日出願公開、特開2013-228787〕について、次のとおり審決する。
結論
【結 論】
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
【理 由】
第1 手続の経緯
本件出願は,平成24年4月24日の出願であって,平成27年9月4日付け拒絶理由通知に対して同年10月23日に意見書及び手続補正書が提出されたが同年12月10日付けで拒絶査定がなされ,これを不服として平成28年3月3日に審判請求がなされるとともに手続補正書が提出されたものである。
第2 補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成28年3月3日に提出された手続補正書による手続補正(以下,「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本願発明と補正後の発明
本件補正は,平成27年10月23日に提出された手続補正書の特許請求の範囲の請求項9に記載された
「 会議の開催場所および備品を管理する管理装置と通信可能な情報処理装置であって,
会議を特定するための情報および当該特定された会議で使用されるドキュメントの指定に応答して,前記管理装置から指定された前記会議を特定するための情報に関連付けられた備品の情報を取得する手段と,
前記指定されたドキュメントを,取得された備品の情報に応じた出力先へ出力する手段とを含む,情報処理装置。」
という発明(以下,「本願発明」という。)を,補正後の特許請求の範囲の請求項9に記載された
「 会議の開催場所および備品を管理する管理装置と通信可能な情報処理装置であって,
会議を特定するための情報および当該特定された会議で使用されるドキュメントの指定に応答して,前記管理装置から指定された前記会議を特定するための情報に関連付けられた備品の情報を取得する手段と,
前記指定されたドキュメントを,取得された備品の情報に応じて決定される出力先へ出力する手段とを含む,情報処理装置。」
という発明(以下,「補正後の発明」という。)に変更することを含むものである。
2 新規事項の有無,シフト補正の有無,補正の目的要件について
本件補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲若しくは図面に記載した事項の範囲内において,補正前の特許請求の範囲の請求項9に記載された「取得された備品の情報に応じた出力先」を「取得された備品の情報に応じて決定される出力先」と限定することにより特許請求の範囲を限定的に減縮するものであって,特許法第17条の2第3項(新規事項)及び特許法第17条の2第5項第2号(補正の目的)の規定に適合している。
また,特許法第17条の2第4項(シフト補正)に違反するものでもない。
3 独立特許要件について
上記補正は特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものであるから,上記補正後の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるのかどうかについて以下に検討する。
(1)補正後の発明
上記「1 本願発明と補正後の発明」の項で「補正後の発明」として認定したとおりである。
(2)引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-252649号公報(以下,「引用例」という。)には,「ネットワーク会議室予約システム」(発明の名称)に関し,以下の事項が記載されている。
ア 「【0019】
【発明の実施の形態】
以下,この発明の実施例を図に基づいて詳説する。
【0020】
図1はこの発明の一実施例のシステムブロックを示している。図2はこの発明の中のネットワーク接続機器の一例として,ファイル記憶メモリ付きのネットワーク液晶プロジェクタを例に示した。
【0021】
図1においてネットワーク幹線3は国際標準のIEEE802.3のようなハード的仕様でそれにユーザ端末1,スケジュール管理サーバ2が接続され,会議室A4内には,ネットワーク対応プロジェクタ5およびネットワーク対応プリンタ6も前記ネットワークにイーサネット(R)等の通信方式でTCP/IP等のプロトコルで相互通信を行うように構成されている。」
イ 「【0025】
次に図11(1)(2)動作フローに沿って説明を加える。
【0026】
S252にて利用者は,ユーザ端末1上で,Microsoft社パワーポントやその他のファイル作成ソフトを使ってプレゼンテーションファイル13を作成する。
【0027】
S254でユーザ端末内の記憶部(不記)にプレゼンテーションファイル13を記憶させる。S256でユーザ端末内に記憶されたマイクロソフト社IEやネットエスケープ等のブラウザソフトを起動する。S257では,ユーザ端末のキーボードやマウスの操作により,会議室予約サーバ2のURLアドレス(Uniformed Resource Locator)をブラウザアプリケーションから指定しTCP/IPプロトコルに従って,ユーザ端末1と会議室予約管理サーバ2が接続される。
【0028】
S258では,会議室予約管理サーバ2は,HTTPプロトコルに従って,図3の予約条件入力画面50をユーザ端末1の表示装置10に,表示するHTMLデータをユーザ端末1へ送る。S260では,ユーザ端末1は,受信したHTMLコードをブラウザが解読して図3の予約条件入力画面50を表示する。S262では,ユーザはマウスとキーボード等を操作して会議室を使いたい月日を入力する。ここで,ユーザは,会議室を9月20日の午後1:00PMから3:00PMに予約して,自分の作成したファイル13をネットワークプロジェクタ5のプレゼンテーション記憶部22に会議室予約時間と関連つけて記憶させたいとする。
【0029】
S264では,要求された月日に会議室が空いているかを判別し時間帯があれば,ステップS266に移行し,会議室予約管理サーバ2は,図4の様にHTTPプロトコルに従って予約状況確認画面をHTMLファイルフォーマットにしてユーザ端末1に送付する。ステップ268では,受信したHTMLをブラウザが解読して図4の予約状況確認画面を表示装置10に表示する。
【0030】
空いている会議室が無い場合は,会議室予約管理サーバ2は,図9の利用できる会議室が無い趣旨のHTMLコードをユーザ端末1に送り,ユーザに再度利用したい月日を入力させるためステップ260に戻る。
【0031】
S271では,図4の52のユーザ端末1の表示画面の予約時間帯52をマウス等のカーソルを移動させその上でダブルクリックする。ステップS272において,ユーザ端末1のブラウザソフトは,クリックされたA会議室,時間情報を会議室予約管理サーバ2へ通知する。
【0032】
ステップ274において,会議室予約管理サーバ2の予約管理データから会議室Aの1:00PM-3:00PMが空いている場合は,ステップS276で予約管理サーバ2から,図5に示す登録者名,所属等の個人情報入力画面を生成するHTMLをユーザ端末1へ送信する。ステップS280ユーザ端末1は,個人情報入力画面のHTMLをデコードして図5の画面53を表示させる。
【0033】
ステップS284で,ユーザはユーザ端末1のキーボードやマウス等の入力機器により図5の53に個人情報を入力する。所属:技術部 名前:田口富茂 電話:5955と入力したとする。ステップS286でブラウザソフトは入力された個人情報を予約管理サーバ2へ送信する。ステップS288で,会議室予約管理サーバ2は図6の会議室予約管理テーブルの54を追加し,サーバ内記憶部(不記)に記憶させる。ステップS290において,予約が正しく受け付けられたことをユーザ端末1上で判別できるようにA会議室の1:00PM-3:00PMを太枠およびゴマ点表示する。
【0034】
次に,本発明の特徴となる,プレゼンテーションファイルのネットワークプロジェクタやネットワークプリンタ等への登録作業方法について説明する。
【0035】
会議室予約が受け付けられた後,ステップS292に置いてはユーザが予約した会議室で使いたいプレゼンテーションファイル13があり,ネットワーク対応プロジェクタ5を使うとする。
【0036】
ステップS294でユーザ端末1内のプレゼンファイル13のICONを図7に示すように,既に予約を受け付けられた会議室,時間帯にドラッグする。ICONが該当時間帯の上にドラッグされると,ブラウザソフトは,ネットワーク3を介して図8の会議室Aに備え付けられているネットワーク装置とそのIPアドレス情報を会議室予約管理サーバ2に送信要求する。
【0037】
会議室予約管理サーバは,図7の55の様に会議室A内にあるネットワーク装置をユーザ端末1に表示させるためのHTMLデータを送信する。ステップS298でユーザは,プレゼンテーションファイルICON13を56のネットワークプロジェクタICONにドラッグしてドロップする。ステップS300で,会議室管理サーバ1は,ブラウザからプレゼンテーションファイルICONが,ネットワークプロジェクタICON56にドロップされた情報を受け,前記プレゼンテーションファイル13をFTP(File Transfer Protocol)プロトコル等で,ユーザ端末1からファイルデータを受信,図8のネットワークプロジェクタのIPアドレスと会議室予約情報を関連つけて管理テーブル図10を更新する。会議室A内のネットワーク装置のIPアドレス情報は,予め会議室予約管理サーバ2内に,ネットワーク管理者等により入力されている。
【0038】
さらに,ステップS302で,会議室予約管理サーバ2は,ネットワークプロジェクタ5がネットワーク接続状態にあるかをTCPIPプロトコルで確認し,接続状態にある場合は図10の更新データおよびプレゼンテーションファイル13をネットワークプロジェクタ5のプレゼンテーションファイル記憶部22に,会議室予約日時情報とともに記憶させる。」(当審注:下線部は当審が注目箇所に対して付したものである。)
上記摘記事項及びこの分野における技術常識を総合勘案すると,上記引用例には「ユーザ端末1」に関する次の発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認める。
「 ユーザ端末1であって,
TCP/IPプロトコルに従って,ユーザ端末1と会議室予約管理サーバ2が接続され,会議室予約管理サーバ2は会議室予約管理テーブルの予約を受け付けた会議室(会議室A),時間帯を追加し,サーバ内記憶部に記憶させており,会議室A内のネットワーク装置のIPアドレス情報は,予め会議室予約管理サーバ2内に,ネットワーク管理者等により入力されており,
ユーザ端末1内のプレゼンファイル13のICONを,既に予約を受け付けられた会議室,時間帯にドラッグすると,ブラウザソフトは,ネットワーク3を介して会議室Aに備え付けられているネットワーク装置とそのIPアドレス情報を会議室予約管理サーバ2に送信要求し,会議室予約管理サーバ2は,会議室A内にあるネットワーク装置をユーザ端末1の利用ネットワーク装置説明ウインドに表示させるためのHTMLデータを送信し,
ユーザは,プレゼンテーションファイルICON13をネットワークプロジェクタICON56にドラッグしてドロップし,会議室予約管理サーバ2は,ブラウザからプレゼンテーションファイルICON13が,ネットワークプロジェクタICON56にドロップされた情報を受け,前記プレゼンテーションファイル13をFTP(File Transfer Protocol)プロトコル等で,ユーザ端末1からファイルデータを受信し,ネットワークプロジェクタのIPアドレスと会議室予約情報を関連つけて管理テーブルを更新し,さらに,会議室予約管理サーバ2は,ネットワークプロジェクタ5がネットワーク接続状態にあるかをTCP/IPプロトコルで確認し,接続状態にある場合は更新データおよびプレゼンテーションファイル13をネットワークプロジェクタ5のプレゼンテーションファイル記憶部22に,会議室予約日時情報とともに記憶させる,ユーザ端末1。」
(当審注:【0037】の「会議室管理サーバ1」は「会議室予約管理サーバ2」の誤記と判断して上記のとおり認定した。)
(3)対比
補正後の発明と引用発明とを対比する。
a 引用発明の「会議室予約管理サーバ2」内に記憶された「会議室予約管理テーブル」における(会議室Aなどの)会議室名は「会議の開催場所」を示すものであって,「会議室予約管理サーバ2」がこの「会議の開催場所」を「管理する」ことは明らかであり,また,引用発明の「会議室予約管理サーバ2」内には「会議室A内のネットワーク装置のIPアドレス情報」がネットワーク管理者等により入力されているが,該「会議室A内のネットワーク装置」は「ネットワークプロジェクタ5」等のプレゼンテーション用の装置を指すことは明らかであって補正後の発明の「備品」に相当するものであるから,「会議室予約管理サーバ2」は「備品」を「管理する」ものといえる。
そうすると,引用発明の「会議室予約管理サーバ2」は補正後の発明の「管理装置」に相当するものであって,「会議の開催場所および備品を管理する管理装置」といえる。
b 引用発明では「TCP/IPプロトコルに従って,ユーザ端末1と会議室予約管理サーバ2が接続され」ているから,引用発明の「ユーザ端末1」は補正後の発明の「情報処理装置」に相当するものであって,「管理装置と通信可能な」ものであるといえる。
c 引用発明において「ユーザ端末1内のプレゼンファイル13のICONを,既に予約を受け付けられた会議室,時間帯にドラッグする」ことは「会議を特定する」ことといえ,該「プレゼンファイル13」は,プレゼン用装置として「ネットワークプロジェクタ5」が選択された場合には「ネットワークプロジェクタ5のプレゼンテーションファイル記憶部22」に記憶されるものであって「当該特定された会議で使用されるドキュメント」であることは明らかであるから,引用発明では「会議を特定するための情報および当該特定された会議で使用されるドキュメントの指定」を行っているといえる。
また,「ユーザ」が上記「ドラッグする」ことによって,「ユーザ端末1」は「会議室A内にあるネットワーク装置をユーザ端末1に表示させるためのHTMLデータ」を会議室予約管理サーバ2から送信されているが,この「HTMLデータ」は補正後の発明の「前記会議を特定するための情報に関連付けられた備品の情報」に相当するから,引用発明の「ユーザ端末1」は,上記「ドキュメントの指定」に「応じて」「前記会議を特定するための情報に関連付けられた備品の情報」を「取得する手段」を備えているといえる。
d 引用発明では「会議室予約管理サーバ2は,ブラウザからプレゼンテーションファイルICON13が,ネットワークプロジェクタICON56にドロップされた情報を受け,前記プレゼンテーションファイル13をFTP(File Transfer Protocol)プロトコル等で,ユーザ端末1からファイルデータを受信」する,即ち「ユーザ端末1」は「プレゼンテーションファイル13」を「出力」するが,ここで,「プレゼンテーションファイル13」は上記cで検討した「指定されたドキュメント」であるから,引用発明の「ユーザ端末1」と補正後の発明の「情報処理装置」は「前記指定されたドキュメントを出力する手段とを含む」点で共通している。
以上をまとめると,両者は以下の点で一致ないし相違している。
(一致点)
「 会議の開催場所および備品を管理する管理装置と通信可能な情報処理装置であって,
会議を特定するための情報および当該特定された会議で使用されるドキュメントの指定に応答して,前記管理装置から指定された前記会議を特定するための情報に関連付けられた備品の情報を取得する手段と,
前記指定されたドキュメントを出力する手段とを含む,情報処理装置。」
(相違点)
一致点の「前記指定されたドキュメントを出力する手段」が,
補正後の発明では「前記指定されたドキュメントを,取得された備品の情報に応じて決定される出力先へ出力する手段」であるのに対し,
引用発明では「前記指定されたドキュメント」に相当する「前記プレゼンテーションファイル13」をFTP(File Transfer Protocol)プロトコル等で会議室予約管理サーバ2へ送信するものの,「取得された備品の情報に応じて決定される出力先へ」出力するものではない点。
(4)判断
上記相違点につき検討する。
引用発明において,「プレゼンテーションファイル13をFTP(File Transfer Protocol)プロトコル等で,ユーザ端末1からファイルデータを受信」した「会議室予約管理サーバ2」は,その後「ネットワークプロジェクタ5がネットワーク接続状態にあるかをTCP/IPプロトコルで確認し,接続状態にある場合は更新データおよびプレゼンテーションファイル13をネットワークプロジェクタ5のプレゼンテーションファイル記憶部22に,会議室予約日時情報とともに記憶させる」処理を行っており,これにより「プレゼンテーションファイル13」が「ネットワークプロジェクタ5」に送信されるものである。つまり,引用発明の「プレゼンテーションファイル13」の最終的な出力先は「ネットワークプロジェクタ5」である。
そして,該最終的な出力先としての「ネットワークプロジェクタ5」は,「ユーザ」が「プレゼンテーションファイルICON13をネットワークプロジェクタICON56にドラッグしてドロップ」すること,つまり,ユーザ端末1に表示されたネットワーク装置に関する情報(引用例の【図7】の「55.利用ネットワーク装置説明ウインド」内に表示されている複数のアイコン)のなかからユーザが「ネットワークプロジェクタ5」のアイコンを選択することにより「決定される」出力先である。
そうすると,引用発明の「ネットワークプロジェクタ5」は「取得した備品の情報に応じて決定される出力先」といえる。
そして,引用例の「図1においてネットワーク幹線3は国際標準のIEEE802.3のようなハード的仕様でそれにユーザ端末1,スケジュール管理サーバ2が接続され,会議室A4内には,ネットワーク対応プロジェクタ5およびネットワーク対応プリンタ6も前記ネットワークにイーサネット(R)等の通信方式でTCP/IP等のプロトコルで相互通信を行うように構成されている。」(【0020】)の記載によれば,引用発明の「ユーザ端末1」と「ネットワークプロジェクタ5」は相互通信可能に構成されているものであり,さらに,「ユーザ端末1」の「ブラウザソフトは,ネットワーク3を介して会議室Aに備え付けられているネットワーク装置とそのIPアドレス情報を会議室予約管理サーバ2に送信要求し」ていることも考慮すると,引用発明の「ユーザ端末1」を,「プレゼンテーションファイル13」を「会議室予約管理サーバ2」へ出力するとともに最終的な出力先である「ネットワークプロジェクタ5」にも直接出力する構成とすること,即ち,補正後の発明の「前記指定されたドキュメントを,取得された備品の情報に応じて決定される出力先へ出力する手段」を「ユーザ端末1」に含ませること,は当業者が必要に応じて適宜なしうるものである。
そして,補正後の発明が奏する効果も引用発明から容易に予測できる範囲内のものである。
(5)まとめ
以上のとおり,補正後の発明は,引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
したがって,本件補正は,特許法第17条の2第6項において準用する特許法第126条第7項の規定に違反するので,特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので,本願発明は,上記「第2 補正却下の決定 1 本願発明と補正後の発明」の項で「本願発明」として認定したとおりである。
2 引用発明
引用発明は,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3 独立特許要件について」の項中の「(2)引用発明」の項で認定したとおりである。
3 対比・判断
本願発明は上記補正後の発明から当該本件補正に係る限定を省いたものである。
そうすると,本願発明の構成に当該本件補正に係る限定を付加した補正後の発明が,上記「第2 補正却下の決定」の項中の「3 独立特許要件について」の項で検討したとおり,引用発明に基づいて容易に発明できたものであるから,本願発明も同様の理由により,容易に発明できたものである。
4 むすび
以上のとおり,本願発明は引用発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって,他の請求項に係る発明について審理するまでもなく,本願は拒絶すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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