審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2024-008931

要約文作成装置、要約文作成方法及びプログラム

審判番号
2024-008931
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-128619
請求日
2024年05月29日
審決日
2025年04月16日
公報発行日
2025年06月27日
結論
請求不成立
当事者
  • 【請求人】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 【請求人代理人】伊東 忠重
  • 【請求人代理人】伊東 忠彦
審判長/審判官
  • 審判長 相崎 裕恒
  • 審判官 小池 堂夫
  • 審判官 古川 哲也
分類
P18 .121-Z (G06F) / P18 .575-Z (G06F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-128619「要約文作成装置、要約文作成方法及びプログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 2月10日出願公開、特開2022- 25665〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年7月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和 5年12月11日付け:拒絶理由通知書 令和 6年 2月 7日 :意見書、手続補正書の提出 令和 6年 4月 4日付け:拒絶査定(以下、「原査定」という。) 令和 6年 5月29日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年5月29日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年5月29日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。 「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容をテキストに変換する音声認識部と、 前記発言が行われる度に、前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字を文字単位に選択可能に表示する表示部と、 前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキストと、特定の文字列が含まれる第2のテキストとで構成される要約文を作成する作成部と、 前記作成部により作成された要約文を編集可能に出力する出力部と、 を有し、 前記特定の文字列は、予め設定された特定の単語を表す文字列、特定の意味又は属性を有する文字列、特定の形式で表記される文字列、のうちの少なくとも1つであり、 前記要約文における前記音声認識部の誤変換が修正された場合、前記修正の内容を前記音声認識部にフィードバックする、ことを特徴とする要約文作成装置。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、令和6年2月7日にされた手続補正による特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言内容をテキストに変換する音声認識部と、 前記発言が行われる度に、前記発言内容を表すテキストを選択可能に表示する表示部と、 前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された第1のテキストと、特定の文字列が含まれる第2のテキストとで構成される要約文を作成する作成部と、 前記作成部により作成された要約文を編集可能に出力する出力部と、 を有し、 前記特定の文字列は、予め設定された特定の単語を表す文字列、特定の意味又は属性を有する文字列、特定の形式で表記される文字列、のうちの少なくとも1つであり、 前記要約文における前記音声認識部の誤変換が修正された場合、前記修正の内容を前記音声認識部にフィードバックする、ことを特徴とする要約文作成装置。」 2 補正の適否 本件補正は、補正前の請求項1における「発言内容」という記載を「発言の内容」に補正した上で、補正前の請求項1における「テキストを選択可能に表示する表示部」という記載を「テキストを構成する各文字を文字単位に選択可能に表示する表示部」に補正し、補正前の請求項1における「ユーザにより選択された第1のテキスト」という記載を「ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキスト」に補正することにより、「テキストを選択可能に表示する」事項に関し、「文字単位に」選択可能である旨の限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献、引用発明 ア 引用文献1 (ア)引用文献1の記載 原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2015-156062号公報(平成27年8月27日出願公開。以下、「引用文献1」という。)には、次の記載がある。(なお、下線は当審で付した。) 「【0001】 本発明の実施形態は、ユーザとの間で通話を行うオペレータの業務フローを支援する技術に関する。」 「【0009】 図1は、業務支援サーバ400を含むコンタクトセンターシステム100のシステム構成図である。コンタクトセンターシステム100は、顧客Cの着信呼をオペレータ端末装置300に分配するACD装置200と、ACD装置200に接続され、各オペレータが操作するオペレータ端末装置300と、業務支援サーバ400と、を含んで構成される。」 「【0024】 制御部401は、例えば、デフォルトで、オペレータ端末装置300にケース画面を表示させることができる。図10は、ケース画面の一例を示す図であり、基本情報、顧客情報、製品情報、問合せ情報の各表示ブロックを含んで構成することができる。ケース画面とは、例えば、オペレータが行うインバウンド業務において顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するための画面である。」 「【0030】 業務支援サーバ400の制御部401は、音声認識部4010、要約処理部4020及び業務支援制御部4030を含んで構成されている。音声認識部4010は、音声認識技術を適用してオペレータ端末装置300から出力される通話音声データを、テキスト(文字情報)化する。音声認識技術(テキスト化処理)については、公知の手法を適用できる。詳細な説明は省略する。 【0031】 図3は、テキスト化された通話内容の一例を示す図である。図3に示すように、音声認識部4010は、オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化する。図3の例において、「O」は、オペレータが発話した内容、「C」は、顧客Cが発話した内容を示している。音声認識部4010は、通話開始から通話終了までの1つの通話内容の音声データを、文章毎にテキスト化する。なお、テキスト化処理は、顧客Cとオペレータとの通話が終了した後に一括して、又は、通話中にリアルタイムに行うこともできる。 【0032】 要約処理部4020は、図3に示したテキスト化された顧客C及びオペレータの通話内容のうち、オペレータの通話内容から、オペレータが行う業務フローを支援(特定)するための業務キーワードに該当する第1文章および業務フローに使用される文字情報を抽出するために予め設定された文章パターンに該当する第2文章を抽出し、オペレータの通話内容の要約文章群を生成する。 【0033】 要約文章群を生成するために、記憶部404には、業務キーワード及び文章パターンを予め記憶した辞書4045が記憶されている。図4は、辞書4045の一例を示す図である。業務キーワードは、顧客Cとの通話内容に対応してオペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定したものである。」 「【0042】 また、要約処理部4020は、文章パターンにおいて対となる第1語句及び第2語句を用い、要約文章として抽出された文章において第1語句及び第2語句の間に含まれる文字情報を抽出するキーワード抽出部4022を備えている。」 「【0053】 また、キーワード抽出部4022は、要約文章群に含まれる「修理依頼」という業務キーワードも、キーワードとして抽出することができる。これは、上述のように、オペレータが行う業務フローを特定するためである。」 「【0058】 図9は、業務支援システムの処理フローを示したフローチャートである。 ・・・ 【0060】 オペレータは、ACD装置200から分配された顧客Cの着信呼に応答し、顧客Cとの間で通話を開始する(S102)。このとき、オペレータ端末装置300は、通話装置302から出力される送話器を通じたオペレータの発話音声データと、ACD装置200から受信する顧客の発話音声データとを業務支援サーバ400に出力する(S103)。 ・・・ 【0062】 業務支援サーバ400は、オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化する(S203)。業務支援サーバ400は、辞書4045を用いて、テキスト化された顧客C及びオペレータの通話内容のうち、オペレータの通話内容から、業務キーワードに該当する文章と、文章パターンの第1語句又は/及び第2語句と部分一致する文章と、をそれぞれ要約文章として抽出する。業務支援サーバ400は、抽出した各文章で構成されるオペレータの通話内容の要約文章群を生成する(S204)。 【0063】 業務支援サーバ400は、顧客Cとオペレータとの通話が終了すると(S104)、音声認識処理を終了し、要約生成処理を行う。要約生成処理とは、図5に示した要約文章群の各文章に対して、不要な文章や語句(言いよどみ、相槌、丁寧語など)を除去し、要約文章群から顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する処理である。 【0064】 図11は、要約文章群から生成された要約(要約文)例を示す図である。図5の示した要約文章群において、業務支援サーバ400(要約処理部4020)は、通話開始及び通話終了の際の挨拶文を除去するとともに、「お手数ですが、製品の上部か側面に記載されている製品型番という記号をお教えいただけますでしょうか?」という文章を除去して要約文を生成している。 ・・・ 【0067】 ・・・業務支援サーバ400は、ステップS205で要約文を生成した後、オペレータ端末装置300に表示されているケース画面に、生成された要約文をプリセットして表示するように制御することができる。」 「【0075】 図12は、本実施形態の業務支援システムの処理フローを示したフローチャートであり、テキスト化された通話内容をオペレータ端末装置300に表示する表示処理と、オペレータによる重要文のマーキング操作に伴う要約文章群の抽出処理とを含む変形例を示す図である。 【0076】 業務支援サーバ400の音声認識部4010は、上述のように、オペレータ端末装置300から出力される通話音声データをテキスト化処理する(S203)。このとき、制御部401は、オペレータ端末装置300の表示装置304にテキスト化された通話内容を文章毎に時系列に表示させることができる(S2031)。 【0077】 オペレータ端末装置300の表示装置304には、図3に示すようなテキスト化された通話内容が表示される(S1031)。オペレータは、表示装置304に表示されたテキスト化された通話内容の各文章を選択し、オペレータ自身が重要だと思う文章をマーキングすることができる。オペレータ端末装置300は、表示装置304に表示されたテキスト化された通話内容の所定の文章が選択されると、選択された文章に関する情報(選択された文章自体、又は各文章に付される時系列のシーケンス番号等)を業務支援サーバ400に出力する(S1032)。 【0078】 要約処理部4020は、テキスト化された通話内容のうちオペレータ端末装置300を介してオペレータが選択した文章に、重要文として識別するためのマーキング情報を付加する(S2032)。要約処理部4020は、上述した第1文章及び第2文章と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成することができる(S204)。」 「【図3】 [図:0001423263000001.jpg] 」 「【図4】 [図:0001423263000002.jpg] 」 図4によれば、業務キーワードとして「修理依頼」が例示されている。 「【図9】 [図:0001423263000003.jpg] 」 「【図11】 [図:0001423263000004.jpg] 」 図11によれば、要約(要約文)には、「修理依頼」という文字列や、製品型番を示す「ABC123」、住所を示す「東京都府中市片町3-22」、電話番号を示す「03-1234-5678」といった文字列が含まれる。 「【図12】 [図:0001423263000005.jpg] 」 (イ)引用文献1に記載された発明 上記(ア)の摘記事項から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されている。 a 段落【0001】、【0009】の記載によれば、引用文献1は、「顧客Cの着信呼をオペレータ端末装置300に分配するACD装置200と、ACD装置200に接続され、各オペレータが操作するオペレータ端末装置300と、業務支援サーバ400と、を含んで構成され」、「ユーザとの間で通話を行うオペレータの業務フローを支援する」「コンタクトセンターシステム100」における業務支援サーバ400に関する。 b 段落【0060】の記載によれば、「オペレータ」が「ACD装置200から分配された顧客Cの着信呼に応答し、顧客Cとの間で通話を開始する」と、「オペレータ端末装置300」は、「オペレータの発話音声データと、ACD装置200から受信する顧客の発話音声データとを業務支援サーバ400に出力する」。 c 段落【0030】の記載によれば、「業務支援サーバ400の制御部401は、音声認識部4010、要約処理部4020及び業務支援制御部4030を含」む。 d 段落【0031】、【0062】の記載によれば、「音声認識部4010は、音声認識技術を適用」し、「オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化」し、テキスト化処理は、「通話中にリアルタイムに行うこともできる」ものである。 e 段落【0032】、【0033】、【0042】、【0053】、【0062】、図4の記載によれば、「要約処理部4020」は、「キーワード抽出部4022を備え」、「テキスト化された顧客C及びオペレータの通話内容のうち、オペレータの通話内容から」、「顧客Cとの通話内容に対応してオペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した」、例えば「修理依頼」のような「業務キーワードに該当する第1文章」を抽出する。 f 段落【0077】、【0078】の記載によれば、「オペレータ端末装置300の表示装置304」には、「テキスト化された通話内容が表示され」、「オペレータは、表示装置304に表示されたテキスト化された通話内容の各文章を選択し、オペレータ自身が重要だと思う文章をマーキングする」と、「選択された文章に関する情報(選択された文章自体)を業務支援サーバ400に出力」し、「要約処理部4020は、テキスト化された通話内容のうちオペレータ端末装置300を介してオペレータが選択した文章に、重要文として識別するためのマーキング情報を付加」し、「第1文章」「と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成」する。 g 段落【0063】、【0064】、図11の記載によれば、「業務支援サーバ400(要約処理部4020)」は、「顧客Cとオペレータとの通話が終了すると」、「要約文章群から顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する」「要約生成処理を行」い、要約(要約文)には、「修理依頼」という文字列や、製品型番を示す「ABC123」、住所を示す「東京都府中市片町3-22」、電話番号を示す「03-1234-5678」といった文字列が含まれる。 h 段落【0024】、【0067】の記載によれば、「業務支援サーバ400」は、「要約文を生成した後、オペレータ端末装置300に表示されている」、「オペレータが」「顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するための」「ケース画面に、生成された要約文をプリセットして表示するように制御する」。 上記a~hを総合すると、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 「顧客Cの着信呼をオペレータ端末装置300に分配するACD装置200と、ACD装置200に接続され、各オペレータが操作するオペレータ端末装置300と、業務支援サーバ400と、を含んで構成され、ユーザとの間で通話を行うオペレータの業務フローを支援するコンタクトセンターシステム100における業務支援サーバ400であって、 オペレータがACD装置200から分配された顧客Cの着信呼に応答し、顧客Cとの間で通話を開始すると、オペレータ端末装置300は、オペレータの発話音声データと、ACD装置200から受信する顧客の発話音声データとを業務支援サーバ400に出力し、 業務支援サーバ400の制御部401は、音声認識部4010、要約処理部4020及び業務支援制御部4030を含み、 音声認識部4010は、音声認識技術を適用し、オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化し、テキスト化処理は、通話中にリアルタイムに行うこともでき、 要約処理部4020は、キーワード抽出部4022を備え、テキスト化された顧客C及びオペレータの通話内容のうち、オペレータの通話内容から、顧客Cとの通話内容に対応してオペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した、例えば「修理依頼」のような業務キーワードに該当する第1文章を抽出し、 オペレータ端末装置300の表示装置304には、テキスト化された通話内容が表示され、オペレータは、表示装置304に表示されたテキスト化された通話内容の各文章を選択し、オペレータ自身が重要だと思う文章をマーキングすると、選択された文章に関する情報(選択された文章自体)を業務支援サーバ400に出力し、要約処理部4020は、テキスト化された通話内容のうちオペレータ端末装置300を介してオペレータが選択した文章に、重要文として識別するためのマーキング情報を付加し、第1文章と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成し、 業務支援サーバ400(要約処理部4020)は、顧客Cとオペレータとの通話が終了すると、要約文章群から顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する要約生成処理を行い、要約(要約文)には、「修理依頼」という文字列や、製品型番を示す「ABC123」、住所を示す「東京都府中市片町3-22」、電話番号を示す「03-1234-5678」といった文字列が含まれ、 要約文を生成した後、オペレータ端末装置300に表示されている、オペレータが顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するためのケース画面に、生成された要約文をプリセットして表示するように制御する 業務支援サーバ400。」 イ 引用文献2について (ア)引用文献2の記載 同じく原査定に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平2-297134号公報(平成2年12月7日出願公開。以下、「引用文献2」という。)には、次の記載がある。 a「本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、その目的とするところは、ワードプロセッサ等で作成された電子化された文書の要約作成を行う際に電子化された文書の利点を十分に生かし、容易に要約文章の作成を行なうことが可能な文書要約支援装置を提供することを目的とする。」(第2頁右上欄第1~6行) b「本発明は、少なくとも文字列データを含んでなる文書データを記憶する例えばメモリカード等の文書データ記憶手段と、この文書データ記憶手段に記憶された文書データをビットイメージに展開するビットイメージ展開手段と、このビットイメージ展開手段によって得られたビットイメージを表示する例えば液晶表示器等の表示手段と、この表示手段による表示画面内の指示位置の座標データを人力する例えばタブレット等の位置人力手段と、この位置入力手段を介して指定された位置に所定の文字列指定記号を表示する文字列指定記号表示制御手段とを備え、前記位置入力手段を介して指定された文字列の文字列データを前記文書データ中から抽出し、この抽出した文書データを順次結合して要約文章を作成し、要約文章データ記憶手段に記憶するようにした。」(第2頁右上欄第10行~同頁左下欄第5行) c「第1図は同文書要約支援装置の構成を示すブロック図である。図中、1は本文書要約支援装置の主要部をなす主制御装置である。」(第2頁左下欄第18~20行) d「まず、主制御装置1は第7図に示すようにステップ701において、接続されている各装置の初期設定およびRAM12の初期化を行なう。なお、変数用ワークエリア12aには文書の総ページ数を示す変数NPGおよび表示装置4に表示するページ番号を示す変数CPGとが設定されており、ステップ4aにおける初期化では「0」に設定される。また、1ページ文字列指定記号格納バッファ12dに設定されている変数NLNも「0」に設定される。このような初期化が終了すると、主制御装置1はステップ702において、予め設定された所定の画像(初期画面)を表示装置4に表示させる。第9図はこの初期画面の一例を示す図であり、図中90は表示装置4の画面、91は文書の表示範囲を示す文書枠、92乃至95は操作者が主制御装置1に対して指示入力するためのアイコンである。 この状態で主制御装置1はステップ703において、タブレット5からの信号を監視し、操作者によって一点が指示されるのを待ち、一点が指示されたらステップ704乃至ステップ708において指示位置の判別を行ない、指示位置に応じて次のような種々の処理を行なう。」(第4頁右上欄第5行~同頁左下欄第7行) e「○1 「文書データ入力」の枠内(アイコン92)が指示されたとき。 主制御装置1は処理をステップ704からステップ709に移行し、外部装置から送出される文書データの受信入力を行なう。」(第4頁左下欄第8~12行)(当審注:○1等は○囲い数字を示す。以下、同様。) f「ステップ709における文書データ入力処理が終了すると、主制御装置1はステップ710において変数CPGの内容を「1」とし、表示する文書データのページ番号を「1」とする。そして、主制御装置1はステップ711において、第1ページ目の文書を表示手段4に表示させる。このステップ711における文書表示処理は、メモリカード6中の第1ページ文書データ格納領域に格納された文書データに基いて周知の方法で文書用VRAM12gにビットイメージとして展開して画像信号を得、この画像信号を表示装置4に入力することによって行なわれる。 そして、主制御装置1は処理をステップ703に移行する。 第10図は以上のようにして文書が表示された時点での表示装置4の表示例を示す図である。」(第5頁左上欄第11行~同頁右上欄第6行) g「○2 文書枠91の内側が指示されたとき。 主制御装置1は処理をステップ705からステップ713に移行する。そして主制御装置1はステップ713において、ステップ703で指示された位置の座標データを始点データとして、1ページ文字列指定記号格納バッファ12dのNLN番目のアンダーラインデータの記憶領域に格納する。続いて主制御装置1はステップ714において、再びタブレット5からの信号を監視し、操作者によって一点が指示されるのを待ち、一点が指示されるとステップ715において、ステップ714で指示された位置が文書枠91の内側であるか否かの判断を行なう。ここでステップ714で指示された位置が文書枠91の内側ではない場合には、主制御装置1は処理をステップ704に戻し、ステップ704乃至ステップ708において、ステップ714で指示された位置の判定を行なう。 一方、ステップ715において、ステップ714で指示された位置が文書枠91の内側であると判断すると、主制御装置1は次にステップ716において、ステップ714で指示された位置を終点として、1ペ一ジ文字列指定記号格納バッファ12dのNLN番目のアンダーラインデータの記憶領域に格納する。したがって、操作者によってタブレット5を介して2点が指示されることにより、その指示された2点を始点および終点とする直線が入力されることになる。なお、本文書要約支援装置は重要文字列の指定はその文字列にアンダーラインを形成するように2点を指示する取決めとなっている。 そして主制御装置1はステップ717において、上述したようにして得られた始点と終点とを結んだ直線を形成するように文字列指定記号用VRAM12h中にビットをセットし、ここで得られたビットイメージを文書用VRAM12gに展開された文書のビットイメージに合成して表示装置4に与える。これにより、表示装置4に表示される文書中の指定文字列にアンダーラインが付される。 その後、主制御装置1はステップ718において、指定文字列の抽出を行なう。」(第5頁右上欄第7行~同頁右下欄第8行) h「主制御装置1はこの範囲の文字列データを1ページ文書格納バッファ12cから読出して1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納することによって指定文字列が抽出される。なお、この抽出した文字列を1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納する際に既に別の文字列が格納されている場合には、それぞれの位置データを参照し、表示装置4の画面中における表示位置が前のものが記憶領域中の上部に格納されるようにデータの並べ替えを行なう。 この指定文字列の抽出処理の終了後、主制御装置1はステップ718において、変数NLNの内容を「1」加算したのち、処理をステップ703に移行してステップ703以降の処理を繰返す。 第11図は第10図に示すものにアンダーラインが表示された状態の一例を示す図である。」(第6頁左上欄第7行~同頁右上欄第3行) i「○5 「要約表示」の枠内(アイコン95)が指示されたとき。 主制御装置1は処理をステップ708からステップ732に移行する。そして主制御装置1はステップ732において、1ページ文字列指定記号格納バッファ12dに格納されているアンダーラインデータをメモリカード6の所定領域に書込む。続いて主制御装置1はステップ733において、文書用VRAM12gおよび文字列指定記号用VRAM12hをクリアすることによって画面の消去を行なったのち、ステップ734において要約文章の生成を行なう。この要約文章の生成は、1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納された文字列データを順次要約文章格納バッファ12fに格納することによって指定文字列を結合する。そして主制御装置1はステップ735において、ステップ734で生成された要約文書を表示装置4に表示させたのち、処理をステップ703に移行してステップ703以降の処理を繰返す。 第13図は第11図に示す状態から要約作業を行なった場合の要約文章の表示例を示す図である。」(第7頁左上欄第4行~同頁右上欄第5行) j「 [図:0001423263000006.jpg] 」 k「 [図:0001423263000007.jpg] 」 l「 [図:0001423263000008.jpg] 」 m「 [図:0001423263000009.jpg] 」 (イ)引用文献2に記載された技術的事項 a 上記(ア)aの記載によれば、引用文献2に記載された技術的事項は、「ワードプロセッサ等で作成された電子化された文書の要約作成を行う際に」、「容易に要約文章の作成を行なうことが可能な文書要約支援装置」に関する。 b 上記(ア)c、d、jの記載によれば、「文書要約支援装置の主要部をなす主制御装置」は、まず、「接続されている各装置の初期設定およびRAM12の初期化」を行うと、「予め設定された所定の画像(初期画面)を表示装置4に表示させ」、「タブレット5からの信号を監視し、操作者によって一点が指示されるのを待ち、一点が指示されたら」、「指示位置に応じて」種々の処理を行う。 c 上記(ア)e、f、g、j、kの記載によれば、「「文書データ入力」の枠内が指示されたとき」は、「外部装置から送出される文書データの受信入力」を行い、「第1ページ目の文書を表示手段4に表示させ」、「文書枠91の内側」に「文書が表示され」る。 d 上記(ア)g、h、j、lの記載によれば、「文書枠91の内側が指示されたとき」は、続いて操作者によって「文書枠91の内側」が指示されると、「その指示された2点を始点および終点とする直線が入力され」、「重要文字列の指定はその文字列にアンダーラインを形成するように2点を指示する」ものであり、「表示装置4に表示される文書中の指定文字列にアンダーラインが付され」た後、「この範囲の文字列データを1ページ文書格納バッファ12cから読出して1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納することによって指定文字列が抽出され」、「表示装置4に表示される文書中の指定文字列にアンダーラインが付される」。 e 上記(ア)i、j、mの記載によれば、「「要約表示」の枠内が指示されたとき」は、「1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納された文字列データを順次要約文章格納バッファ12fに格納することによって指定文字列を結合する」ことにより、「要約文章の生成」を行い、「生成された要約文書を表示装置4に表示させ」る。 f 上記a~eを総合すると、引用文献2には、次の技術的事項が記載されている。 「ワードプロセッサ等で作成された電子化された文書の要約作成を行う際に、容易に要約文章の作成を行なうことが可能な文書要約支援装置に関し、 文書要約支援装置の主要部をなす主制御装置は、まず、接続されている各装置の初期設定およびRAM12の初期化を行うと、予め設定された所定の画像(初期画面)を表示装置4に表示させ、タブレット5からの信号を監視し、操作者によって一点が指示されるのを待ち、一点が指示されたら、指示位置に応じて種々の処理を行い、 「文書データ入力」の枠内が指示されたときは、外部装置から送出される文書データの受信入力を行い、第1ページ目の文書を表示手段4に表示させ、文書枠91の内側に文書が表示され、 文書枠91の内側が指示されたときは、続いて操作者によって文書枠91の内側が指示されると、その指示された2点を始点および終点とする直線が入力され、重要文字列の指定はその文字列にアンダーラインを形成するように2点を指示するものであり、表示装置4に表示される文書中の指定文字列にアンダーラインが付された後、この範囲の文字列データを1ページ文書格納バッファ12cから読出して1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納することによって指定文字列が抽出され、表示装置4に表示される文書中の指定文字列にアンダーラインが付され、 「要約表示」の枠内が指示されたときは、1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納された文字列データを順次要約文章格納バッファ12fに格納することによって指定文字列を結合することにより、要約文章の生成を行い、生成された要約文書を表示装置4に表示させる。」 ウ 引用文献4について (ア)引用文献4の記載 同じく原査定に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2014-206896号公報(平成26年10月30日出願公開。以下、「引用文献4」という。)には、次の記載がある。 「【0016】 さて、本実施形態に係るサービス提供サーバー10は、音声ファイル(音声データ)に基づいて、各種サービスを提供する機能を有する。・・・ 【0017】 ・・・ さらに、サービスの利用に際し、ユーザーは、ICレコーダーや、録音機能付の携帯電話、携帯端末等を利用して、所定の音声ファイルフォーマットの音声ファイル(音声データ)を用意し、自身が所持するユーザー端末11の端末記憶部18に記憶する。 この音声ファイルは、複数の話者の発言が録音されて生成されたものであることが想定されている。後述するように、音声ファイルが、オフィス等において行なわれる会議が録音されることによって生成されたものである場合、特に有益なサービスを受けることができるため、以下の説明では、音声ファイルは、会議を録音することによって生成されたもの(以下、「会議音声ファイル」と表現し、符号F1を付番する。)であるものとする。 ・・・ 【0019】 会議音声ファイルF1がアップロードされると、サーバー制御部20は、以下の処理を行ない、当該ファイルに係るサービスを提供可能な状態とする。 まず、サーバー制御部20は、発言文章生成機能K1により、会議音声ファイルF1に基づいて、話者が行なった各発言を文字化して、発言文章を生成する。・・・さらに、サーバー制御部20は、話者区別機能K2により、会議音声ファイルF1を分析して、会議において発言した話者を区別する。すなわち、サーバー制御部20は、会議音声ファイルF1を分析して、会議には何人の異なる話者がいたのかを判別する。」 「【0024】 以上により、サービス提供サーバー10によって会議音声ファイルF1に係るサービスを開始するための準備が完了する。・・・サービス提供サーバー10のサーバー制御部20は、当該アクセスに応じて、「簡易表示サービス」、及び、「議事録作成サービス」のいずれかのサービスを利用するかを選択するための画面G2(図2(B))を、ブラウザーウィンドーに表示させる。 ユーザーは、「簡易表示サービス」、及び、「議事録作成サービス」のうち、いずれかのサービスを選択する。以下、それぞれのサービスについて説明する。 【0025】 <簡易表示サービス> 簡易表示サービスを選択した場合、サーバー制御部20は、画面G3(図3(A))を、ブラウザーウィンドーに表示させる。 画面G3では、発言文章が、発言開始時間が早い順に上から下に向かって表示される。発言文章ごとに、話者を表わす話者アイコンWと、セリフを表わす吹出しFが表示されており、各発言文章は、発言開始時間と共に、対応する吹出しFの中に表示される。」 「【0029】 図3(A)に示すように、画面G3において、吹出しFのそれぞれには、チェックボックスC1が設けられており、チェックボックスC1にチェックを入れることにより、所望の発言文章を選択できる構成になっている。 そして、1または複数のチェックボックスC1にチェックが入れられた状態で、ボタンB1が選択されると、画面G3から画面G4(図3(B))へと画面が推移する。なお、画面G4の表示の態様は任意であり、画面G3に係るブラウザーウィンドーとは別のブラウザーウィンドーに表示されてもよく、ウェブブラウザーがタブによって複数のブラウザーウィンドーを管理する機能を有している場合は画面G3に係るタブと別のタブに係るブラウザーウィンドーに表示されてもよい。 図3(B)は、図3(A)の画面G3において、最上部、2番目、及び、最下部の発言文章が選択された状態で、ボタンB1が選択された場合に表示される画面G4を示す図である。 図3(B)に示すように、画面G4では、画面G3において選択された発言文章について、発言開始時間と、区別した話者に付与した名称と、発言文章とが対応付けられた状態で、発言開始時間が早い順に上から下へ向かって順番に表示されている。 そして、画面G4において、各発言文章は、編集可能な構成となっている。編集は、テキストファイルに記述されたテキストの編集等と同様の方法によって行なうことができる。 また、画面G4において、ユーザーは、ボタンB10を選択すれば、画面G4の発言文章を対象として文字列検索が可能であり、ボタンB11を選択すれば、文字列の置換が可能であり、ボタンB12を選択すれば、画面G4の情報を含む画像を印刷でき、ボタンB13を選択すれば、画面G4の情報を含むデータをダウンロードできる。また、ボタンB14を選択すれば、編集した内容が確定し、画面が画面G4から画面G3へと推移する。推移後の画面G3では、画面G4において行なわれた発言文章の編集が反映された状態となる。・・・ 【0030】 このように、本実施形態では、サービス提供サーバー10は、1又は複数の発言文章を、選択可能な態様で表示させると共に、選択された発言文章を抜き出して表示させる機能を備えている。 このような構成のため、ユーザーは、所望の発言文章のみを抜き出して表示させ、その内容を確認することができる。特に、会議では、雑談等の会議の趣旨からすると、その内容が重要でない発言が行なわれることが多々あるが、上記構成によれば、ユーザーは、このような発言に係る発言文章を除いた状態で、会議の趣旨に添った発言文章のみを視認することができる。 また、本実施形態では、画面G4において、抜き出した発言文章を編集することが可能である。このような構成のため、音声認識に誤りがあればそれを正すことができ、また、発言文章の表現を、より適切な表現に修正することが可能である。」 「【図3】 [図:0001423263000010.jpg] 」 (イ)引用文献4に記載された技術的事項 上記(ア)の摘記事項から、引用文献4には、次の技術的事項が記載されている。 「音声ファイル(音声データ)に基づいて、各種サービスを提供するサービス提供サーバー10に関し、(【0016】) ユーザーによって用意された、複数の話者の発言が録音されて生成された会議音声ファイルF1がアップロードされると、サーバー制御部20は、発言文章生成機能K1により、会議音声ファイルF1に基づいて、話者が行なった各発言を文字化して、発言文章を生成し、さらに話者区別機能K2により、会議音声ファイルF1を分析して、会議において発言した話者を区別し、(【0017】、【0019】) 以上により、サービス提供サーバー10によって会議音声ファイルF1に係るサービスを開始するための準備が完了すると、サービス提供サーバー10のサーバー制御部20は、「簡易表示サービス」、及び、「議事録作成サービス」のいずれかのサービスを利用するかを選択するための画面G2を、ブラウザーウィンドーに表示させ、(【0024】) 簡易表示サービスが選択された場合、サーバー制御部20は、発言文章ごとにセリフを表わす吹出しFが、発言開始時間が早い順に上から下に向かって表示され、各発言文章が対応する吹出しFの中に表示される画面G3を、ブラウザーウィンドーに表示させ、(【0025】) 画面G3において、吹出しFのそれぞれには、チェックボックスC1が設けられており、チェックボックスC1にチェックを入れることにより、所望の発言文章を選択でき、1または複数のチェックボックスC1にチェックが入れられた状態で、ボタンB1が選択されると、選択された発言文章が、発言開始時間が早い順に上から下へ向かって順番に表示される画面G4へと画面が推移し、(【0029】、図3) 画面G4において、抜き出した発言文章を編集することが可能である。(【0029】、【0030】)」 エ 引用文献5について 同じく原査定に引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開2011-197410号公報(平成23年10月6日出願公開。以下、「引用文献5」という。)には、次の記載がある。 「【0001】 本発明は、音声認識装置、音声認識システム、及び音声認識プログラムに係り、特に音声認識の正解精度を向上させるための音声認識装置、音声認識システム、及び音声認識プログラムに関する。 【背景技術】 【0002】 従来、テレビ等の生放送番組にリアルタイムで字幕を付与する目的等で音声認識処理が行われている。このような音声認識処理を利用する場合、現状の音声認識技術では完璧ではなく、出力される認識単語列中に数パーセントの誤りが発生する。そこで、誤りをリアルタイムで修正する1名又は数名のオペレータを音声認識装置の後段に配置し、人手で誤りを修正したテキストを字幕放送として送出することが一般的である(非特許文献1、非特許文献2参照。)。 【0003】 しかしながら、このようにリアルタイムで修正される単語の情報は、現状では音声認識装置にフィードバックされておらず、どの単語をどのように誤って認識したか、或いは正しく認識された単語は何であったかといった、以後の音声認識処理にとって有用な情報が有効に活用されてはいない。なお、近年では、誤りを含む音声認識結果を音声認識装置にフィードバックさせ、将来の認識精度を上げようとする研究がなされており、例えばキャッシュ・モデルと呼ばれる方法(例えば、非特許文献3参照。)や、誤りが修正されたテキストを音声認識装置にフィードバックさせる方法(例えば、非特許文献4参照。)が提案されている。」 「【0016】 請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の音声認識装置と、該音声認識装置から得られる音声認識結果に対して誤り修正を行う誤り修正装置とを含む音声認識システムにおいて、前記誤り修正装置は、前記音声認識装置から順次入力される最新の認識単語列を画面上に表示する単語列表示手段と、前記単語列表示手段により表示された認識単語列に対する誤り修正を行うための誤り修正手段と、前記誤り修正手段により得られる正解単語列を、外部装置に出力する、及び/又は、前記音声認識装置にフィードバックする情報出力手段とを有することを特徴とする。」 (3)引用発明との対比 ア 対比 本件補正発明と引用発明とを、以下で対比する。 (ア)「要約文作成装置」について 引用発明は、「ユーザとの間で通話を行うオペレータの業務フローを支援するコンタクトセンターシステム100」において、「顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する」「業務支援サーバ400」に関する発明であるから、引用発明の「業務支援サーバ400」は、以下の相違点を除き、本願発明1の「要約文作成装置」に相当する。 (イ)「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容をテキストに変換する音声認識部」について 引用発明において、「オペレータがACD装置200から分配された顧客Cの着信呼に応答し、顧客Cとの間で通話を開始すると、オペレータ端末装置300は、オペレータの発話音声データと、ACD装置200から受信する顧客の発話音声データとを業務支援サーバ400に出力」するものであるから、引用発明において、通話を行う「オペレータ」と「顧客C」は、本件補正発明の「会話中の複数の人物のいずれかの人物」に相当し、「オペレータの発話音声データ」と「顧客の発話音声データ」は、本件補正発明において、「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われ」た時の「前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容」に相当する。 また、引用発明の「業務支援サーバ400の制御部401」は、「音声認識技術を適用し、オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化」する「音声認識部4010」を含むものであるところ、「オペレータの発話音声データ」と「オペレータの通話音声データ」が同じものを指すことは自明であり、また、「顧客の発話音声データ」と「顧客Cの通話音声データ」が同じものを指すことも自明である。 そうすると、引用発明の「音声認識部4010」は、本件補正発明の「前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容」に相当する「オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データ」を「それぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化」するものであるから、「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容をテキストに変換する」ものであるといえる。 したがって、引用発明の「音声認識部4010」は、本件補正発明の「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容をテキストに変換する音声認識部」に相当する。 (ウ)「前記発言が行われる度に、前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字を文字単位に選択可能に表示する表示部」について 引用発明において、「オペレータ端末装置300の表示装置304には、テキスト化された通話内容が表示され」ることから、上記(イ)を踏まえると、引用発明の「業務支援サーバ400」は、「オペレータ端末装置300の表示装置304」に「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字」を表示する機能を有するといえる。 また、引用発明において、「オペレータは、表示装置304に表示されたテキスト化された通話内容の各文章を選択し、オペレータ自身が重要だと思う文章をマーキングすると、選択された文章に関する情報(選択された文章自体)を業務支援サーバ400に出力」するから、引用発明の「オペレータ端末装置300の表示装置304」に表示される「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字」は、「選択可能に表示」されるものであるといえる。 したがって、引用発明の「業務支援サーバ400」において、「オペレータ端末装置300の表示装置304」に「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字」を「選択可能に表示する」機能を実現する手段は、本件補正発明の「前記発言が行われる度に、前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字を文字単位に選択可能に表示する表示部」と、「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字を選択可能に表示する表示部」である点で共通する。 (エ)「前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキストと、特定の文字列が含まれる第2のテキストとで構成される要約文を作成する作成部」について a 引用発明の「業務支援サーバ400の制御部401」は、「オペレータの通話内容から、顧客Cとの通話内容に対応してオペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した、例えば「修理依頼」のような業務キーワードに該当する第1文章を抽出」すると共に、「テキスト化された通話内容のうちオペレータ端末装置300を介してオペレータが選択した文章に、重要文として識別するためのマーキング情報を付加し、第1文章と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成」する「要約処理部4020」を含むものである。 ここで、引用発明の「要約処理部4020」が抽出する「マーキング情報が付加された文章(第3文章)」は、上記(ウ)を踏まえると、「オペレータ端末装置300の表示装置304」に表示された「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字」の中からの選択を行う「オペレータ」(本件補正発明の「ユーザ」に相当する。本願明細書段落【0030】を参照。)によって選択された文章であるところ、「オペレータ端末装置300」から「業務支援サーバ400に出力」される「選択された文章に関する情報(選択された文章自体)」が、「文字で構成される」「テキスト」であることは自明である。 そうすると、引用発明の「要約処理部4020」が抽出する「マーキング情報が付加された文章(第3文章)」は、本件補正発明の「前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキスト」に相当する。 b 引用発明の「要約処理部4020」は、「顧客Cとの通話内容に対応してオペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した、例えば「修理依頼」のような業務キーワードに該当する第1文章」を抽出するものであるところ、引用発明の「修理依頼」のような「業務キーワード」は、「オペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した」ものである点で、本件補正発明の「特定の文字列」に相当する。 そうすると、引用発明の「要約処理部4020」が抽出する「「修理依頼」のような業務キーワードに該当する第1文章」は、本件補正発明の「特定の文字列が含まれる第2のテキスト」に相当する。 c 引用発明の「要約処理部4020」は、「第1文章と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成」し、「顧客Cとオペレータとの通話が終了すると、要約文章群から顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する」ものである。 したがって、上記a、bを踏まえると、引用発明において、「第1文章と共に、マーキング情報が付加された文章(第3文章)を抽出した要約文章群を生成」した後、「要約文章群から顧客Cとの間の会話内容をオペレータの発話内容を用いて要約した要約文を生成する」「要約処理部4020」は、本件補正発明の「前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキストと、特定の文字列が含まれる第2のテキストとで構成される要約文を作成する作成部」に相当する。 (オ)「前記作成部により作成された要約文を編集可能に出力する出力部」について 引用発明の「業務支援サーバ400」は、「要約文を生成した後、オペレータ端末装置300に表示されている、オペレータが顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するためのケース画面に、生成された要約文をプリセットして表示するように制御する」ものであるから、上記(エ)を踏まえると、「前記作成部により作成された要約文」を出力する機能を備えたものである。 したがって、引用発明の「業務支援サーバ400」において、「オペレータ端末装置300に表示されている、オペレータが顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するためのケース画面に、生成された要約文をプリセットして表示するように制御する」機能を実現する手段は、本件補正発明の「前記作成部により作成された要約文を編集可能に出力する出力部」と、「前記作成部により作成された要約文を出力する出力部」である点で共通する。 (カ)「前記特定の文字列は、予め設定された特定の単語を表す文字列、特定の意味又は属性を有する文字列、特定の形式で表記される文字列、のうちの少なくとも1つであり」について a 上記(エ)bを踏まえると、引用発明において、「要約(要約文)」に含まれる「修理依頼」という文字列は、「オペレータが行う業務フローに紐付くキーワードを予め規定した」「業務キーワード」であって、本件補正発明の「特定の文字列」のうち、「予め設定された特定の単語を表す文字列」に相当するものである。 b 本願明細書の段落【0049】には、「なお、特定の文字列としては、予め設定された特定の単語(例えば、商品名やサービス名等)、特定の意味や属性を有する文字列(例えば、名前、住所等)、特定の形式で表記される文字列(例えば、電話番号等)等が挙げられる。」という記載があることから、本件補正発明の「特定の文字列」について、「予め設定された特定の単語を表す文字列」として商品名やサービス名等を、「特定の意味又は属性を有する文字列」として名前や住所等を、「特定の形式で表記される文字列」として電話番号等を、それぞれ想定したものであるといえる。 一方、引用発明において、「要約(要約文)には、「修理依頼」という文字列以外にも、製品型番を示す「ABC123」、住所を示す「東京都府中市片町3-22」、電話番号を示す「03-1234-5678」といった文字列が含まれ」るところ、引用発明において住所を示す「東京都府中市片町3-22」の文字列は、本件補正発明の「特定の意味又は属性を有する文字列」に、引用発明において電話番号を示す「03-1234-5678」の文字列は、本件補正発明の「特定の形式で表記される文字列」に、それぞれ相当する。また、引用発明において、製品型番を示す「ABC123」の文字列に関しても、本願明細書で言及された商品名と同様に、「予め設定された特定の単語を表す文字列」であるといえる。 したがって、引用発明において、「要約(要約文)には、「修理依頼」という文字列以外にも、製品型番を示す「ABC123」、住所を示す「東京都府中市片町3-22」、電話番号を示す「03-1234-5678」といった文字列が含まれ」ることは、本件補正発明の「前記特定の文字列は、予め設定された特定の単語を表す文字列、特定の意味又は属性を有する文字列、特定の形式で表記される文字列、のうちの少なくとも1つであり」に相当する。 (キ)一致点及び相違点 上記(ア)~(カ)によれば、本件補正発明と引用発明との一致点、相違点は、次のとおりである。 [一致点] 「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に、前記会話中の複数の人物それぞれの発言の内容をテキストに変換する音声認識部と、 前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字を選択可能に表示する表示部と、 前記表示部に表示されたテキストのうち、ユーザにより選択された文字で構成される第1のテキストと、特定の文字列が含まれる第2のテキストとで構成される要約文を作成する作成部と、 前記作成部により作成された要約文を出力する出力部と、 を有し、 前記特定の文字列は、予め設定された特定の単語を表す文字列、特定の意味又は属性を有する文字列、特定の形式で表記される文字列、のうちの少なくとも1つである、ことを特徴とする要約文作成装置。」 [相違点] (相違点1) 本件補正発明の「表示部」は、「会話中の複数の人物のいずれかの人物によって発言が行われる度に」、「前記発言の内容を表すテキストを構成する各文字」を表示するのに対し、引用発明は、「前記発言が行われる度に」表示するか定かではない点 (相違点2) 「表示部」において「発言の内容を表すテキストを構成する各文字を選択可能に表示する」に際し、本件補正発明は、テキストを構成する各文字を「文字単位に」選択可能であるのに対し、引用発明は、「発言の内容を表すテキスト」を「文章」ごとに選択するものであって、「文字単位に」選択するものではない点 (相違点3) 「出力部」において「要約文を出力する」に際し、本件補正発明は、要約文を「編集可能に」出力するのに対し、引用発明が「編集可能に」出力するか否かについて、引用文献1に明示されていない点 (相違点4) 本件補正発明は、「前記要約文における前記音声認識部の誤変換が修正された場合、前記修正の内容を前記音声認識部にフィードバックする」のに対し、引用発明はそのような特定がない点 (4)相違点についての判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 引用発明の「音声認識部4010」は、「オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化」する「テキスト化処理」を「通話中にリアルタイムに行うこともでき」るものであり、テキスト化処理を通話中にリアルタイムに実行した場合に、テキスト化された通話内容の各文章を、テキスト化された時点で随時「オペレータ端末装置300の表示装置304」に表示するよう制御することは、当業者が適宜選択してなし得たことである。 イ 相違点2について (ア)引用文献1の段落【0063】には、要約文から「不要」な「語句(言いよどみ、相槌、丁寧語など)」を「除去」することが記載されており、この除去を「ケース画面」に「プリセットして表示」する前に行うか否かは、そもそも設計事項にすぎないし、これを前に行うと、「文章単位」でなく「文字単位」の選択を伴わざるを得ないことになる。 (イ)引用文献2には、「ワードプロセッサ等で作成された電子化された文書の要約作成を行う際に、容易に要約文章の作成を行なうことが可能な文書要約支援装置」に関し、操作者によって表示手段4に文書が表示された文書枠91内の2点を始点および終点として指示すると、当該2点によって指示された文字列を重要文字列として1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納し、当該1ページ指定文字列格納バッファ12eに格納された文字列データを順次要約文章格納バッファ12fに格納して指定文字列を結合することにより、要約文章の生成を行う技術的事項が記載されており、ここで、引用文献2の記載における「電子化された文書」は、「ワードプロセッサ等で作成された」ものであることを踏まえると、「テキスト」によって構成されるものといえ、始点および終点の2点によって文字列を指示することは、「テキストを構成する各文字を文字単位に選択可能」であることを示すものである。 そして、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項は、ともにテキストで構成される文章から簡便に要約文を作成するために、表示装置に表示された文章に対し、ユーザによって選択された文字列を用いて要約文を作成する装置である点で共通するから、引用発明の「業務支援サーバ400」において、ユーザによって選択された文字列を用いて要約文を作成する際に、引用文献2に記載された技術的事項を適用して、「テキストを構成する各文字を文字単位に選択可能」とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ 相違点3について 引用発明においては、オペレータ端末装置300に表示されている「ケース画面」に、生成された要約文を「プリセットして表示」するところ、「ケース画面」は「オペレータが顧客Cとの対応記録(対応情報)を入力するための」画面であるから、引用文献1に明示されていないとしても、引用発明において「要約文」を表示する「ケース画面」は、元々はオペレータが対応記録(対応情報)を入力することを意図して設けられた画面であり、当該「ケース画面」に「プリセットして表示」される「要約文」についても、オペレータにより編集可能であるものと解釈するのが自然である。 一方、引用文献4には、「複数の話者の発言が録音されて生成された会議音声ファイルF1」に基づいて、「話者が行なった各発言を文字化して、発言文章を生成」することにより生成される、各発言文章が表示された画面G3において、各発言文章に対応する吹き出しFにそれぞれ設けられたチェックボックスC1にチェックを入れることにより、「所望の発言文章を選択」すると、選択された発言文章を抜き出し、「抜き出した発言文章を編集することが可能」な画面G4に画面が推移するよう制御する、サービス提供サーバー10に関する技術的事項が記載されている。 してみると、仮に引用発明の「ケース画面」に表示される「要約文」が編集可能であるとまではいえないとしても、引用発明及び引用文献4に記載された技術的事項は、ともにテキスト化された複数の人物による発言内容のうち、ユーザにより選択された発言文章を抜き出して表示する点で共通するから、引用発明の「業務支援サーバ400」において、ユーザによって選択された文字列を用いて作成された要約文を表示出力する際に、引用文献4に記載された技術的事項を適用して、「抜き出した発言文章を編集することが可能」に構成することは、当業者が容易に想到し得たことである。 エ 相違点4について 上記ウで示したように、引用発明において、「ケース画面」に表示される「要約文」は、オペレータにより編集可能であるものと解釈するのが自然である。 一方、引用文献5には、「音声認識装置から順次入力される最新の認識単語列を画面上に表示」し、「表示された認識単語列に対する誤り修正を行う」と、誤り修正により得られた「正解単語列」を「音声認識装置にフィードバックする」技術が記載されている。 そして、引用発明は、「音声認識部4010」において、「音声認識技術を適用し、オペレータの通話音声データと、顧客Cの通話音声データとをそれぞれ識別し、1つの文章毎に解析してテキスト化」するものであるところ、当該音声認識技術によるテキストへの変換精度を向上させることは、当業者が当然に抱く課題であるから、引用発明においても、「音声認識部4010」によって音声データをテキスト化する際の変換精度を向上させるために、引用文献5に記載の上記技術を採用して、「ケース画面」の「要約文」の修正が示す音声認識部による誤変換の修正内容を、当該音声認識部にフィードバックすることにより、本件補正発明の上記相違点4に係る構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 オ 作用効果について そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2、4、5に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 カ 審判請求人の主張について 審判請求人は、審判請求書において、引用文献1には、オペレータが発話単位に文章を選択することができる旨が記載されているのに対し、本件補正発明は、発話単位のテキストのうちの一部のテキストを選択(つまり、発話単位のテキストを構成する文字を文字単位に選択)し、選択されたテキストを要約文に含める対象とすることができることにより、適切な粒度で要約文を作成することが可能となる(段落【0041】)という格別の効果を奏するものであって、本件補正発明は、引用文献1-5に基づいて容易に想到し得たということはできない旨主張する。 また、審判請求人は、令和6年10月30日に提出した上申書において、「会話内容のテキスト情報の要約を作成する技術において、ユーザの選択手段として文字単位の選択手段を用いること」は引用文献1-5には開示も示唆もされておらず、周知技術である事実も存在しないため、引用文献1における、表示された会話内容のテキスト情報に対するオペレータ(ユーザ)の選択手段として、文章単位(発話単位)の選択手段に変えて文字単位の選択手段を採用することを当業者が容易に想到し得たと言うことはできない旨主張する。 審判請求人の上記主張について検討すると、本件補正発明において、発話単位のテキストのうちの一部のテキストを文字単位で選択する構成は、上記相違点2に係る構成に関するものであるところ、上記相違点2に係る構成は、上記イで検討したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たことである。 そして、上記相違点2に係る構成による作用効果についても、上記オでした検討と同様に、引用発明及び引用文献2に記載された技術的事項の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 したがって、審判請求人の上記主張は採用できない。 キ むすび したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2、4、5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 補正の却下の決定についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和6年5月29日にされた手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1~5に係る発明は、令和6年2月7日の手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定(令和6年4月4日付け拒絶査定)の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献4、5に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2015-156062号公報 引用文献4:特開2014-206896号公報 引用文献5:特開2011-197410号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1、4、5及びその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)ア、ウ、エにそれぞれ記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「文字単位に」選択可能である旨の限定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明と引用発明は、上記第2の[理由]の2(3)ア(キ)で言及した上記相違点1、上記相違点3、上記相違点4に係る事項を除いて一致しており、当該相違点1、上記相違点3、上記相違点4に係る事項については、上記第2の[理由]の2(4)ア、ウ、エで検討したとおりである。 したがって、本願発明は、引用発明及び引用文献4、5に記載された技術的事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2024-008931

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決31件(エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社)
  • 2024-010702拒絶査定不服審判 / 2025-06-17 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、診断アシスト方法および診断アシストプログラム
    同じ当事者: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 2024-009890拒絶査定不服審判 / 2025-06-02 / 原査定取消(特許/登録すべき)会話制御装置、会話システム及び会話制御方法
    同じ当事者: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 2024-013825拒絶査定不服審判 / 2025-05-26 / 原査定取消(特許/登録すべき)表示制御装置、表示制御方法及び表示制御プログラム
    同じ当事者: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 2024-007904拒絶査定不服審判 / 2025-03-18 / 請求不成立認証システム、及び認証要素ファイル
    同じ当事者: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
  • 2024-010587拒絶査定不服審判 / 2025-02-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理装置、電子カルテ作成方法および電子カルテ作成プログラム
    同じ当事者: エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)2,459件(121・G06F、575・G06F)
  • 2025-005886拒絶査定不服審判 / 2025-12-22 / 請求不成立仮想コントローラのための無限ドラッグ及びスワイプ
    共通の審決分類: 121・G06F、575・G06F
  • 2024-018030拒絶査定不服審判 / 2025-08-19 / 請求不成立プログラム
    共通の審決分類: 121・G06F、575・G06F
  • 2024-013223拒絶査定不服審判 / 2025-04-25 / 請求不成立制御装置、入力装置、制御方法、およびプログラム
    共通の審決分類: 121・G06F、575・G06F
  • 2024-012820拒絶査定不服審判 / 2025-02-25 / 原査定取消(特許/登録すべき)制御装置、制御方法、及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G06F、575・G06F
  • 2024-007865拒絶査定不服審判 / 2025-02-18 / 請求不成立電子デバイスに組み込まれた認証システム
    共通の審決分類: 121・G06F、575・G06F

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存