特許異議申立
2026-700188
電池パック、システム、電気機器
- 審判番号
- 2026-700188
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-098038
- 登録番号
- 7735044
- 請求日
- 2026年03月02日
- 審決日
- 2026年04月28日
- 公報発行日
- 2026年06月26日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】工機ホールディングス株式会社
- 【権利者代理人】村井 弘実
- 【権利者代理人】村井 隆
- 【異議申立人】宮崎 理絵
- 審判長/審判官
- 審判長 高野 洋
- 審判官 丸山 高政
- 審判官 玉木 宏治
- 分類
- P1651.121-Y (A41D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7735044号発明「電池パック、システム、電気機器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7735044号の請求項1~17に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7735044号(以下「本件特許」という。)の請求項1~17に係る特許についての出願は、令和元年5月24日の出願であって、令和7年8月29日にその特許権の設定登録がされ、同年9月8日に特許掲載公報が発行された。その後、その全請求項(請求項1~17)に係る特許に対し、令和8年3月2日に特許異議申立人 宮崎 理絵(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
前記特許異議の申立てのために提出された特許異議申立書を、以下では単に「申立書」という。
第2 本件発明
本件の特許請求の範囲の請求項1~17に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明17」といい、これらを総称して「本件発明」という。)は、その請求項に記載された事項により特定されるとおりのものと認める。
以下に本件の特許請求の範囲の請求項1~17を示す。なお、後の参照の便宜のために、本件発明1については、以下に示すようにA~Iに分説し、「発明特定事項A」のようにして参照する。
【請求項1】
A 衣服に取り付けられるファン又はヒーターに電気的に接続可能な電池パックであって、
B ケースと、
C 前記ケースに収容される、電池セルと、スマートフォンと無線通信可能な無線通信部と、制御部と、前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部と、
D 前記ケースに設けられる、前記DC/DCコンバータ部で変圧された電圧を出力する出力部と、作業者により操作される操作部と、表示部と、
E を有し、
F 前記表示部は、前記電池セルの充電状態に関する表示と、前記出力部が出力する電圧に関する表示と、前記スマートフォンとの無線通信の状態に関する表示と、を行うことができ、
G 前記電池パックが前記ファン又は前記ヒーターに電気的に接続されて前記ファン又は前記ヒーターが動作している状態において、前記制御部は、前記操作部が操作された場合、及び、前記スマートフォンと前記無線通信部との無線通信が可能な状態で前記スマートフォンが操作された場合、のいずれでも、前記DC/DCコンバータ部が変圧して前記出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成し、
H1 前記操作部を操作すると、前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更されるとともに、前記無線通信部と無線通信している前記スマートフォンに表示される前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更され、
H2 その後、前記スマートフォンを操作すると、前記スマートフォンの前記表示が変更されるとともに、前記スマートフォンと無線通信している前記電池パックの前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更される、
I ことを特徴とする電池パック。
【請求項2】
前記無線通信部は前記スマートフォンからの信号を受信する無線アンテナを有し、
前記制御部は、前記電池パックの放電制御、充電制御、保護制御の少なくともいずれかを制御するように構成した、
ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記無線通信部の無線通信機能の有効及び無効を切り替えるため、及び前記スマートフォンとの無線通信のペアリングを行うための第2操作部を有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記無線通信部、前記制御部、及び前記操作部を搭載した基板を有する、
ことを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項5】
前記出力部と別に設けられ、前記電池セルを充電するために充電器に接続される入力部を有する、
ことを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項6】
前記電池セルに充電電流を供給する充電回路を有し、
前記制御部は前記充電回路を制御するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記DC/DCコンバータ部は、前記電池セルの電圧を降圧するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記DC/DCコンバータ部はスイッチング素子を有し、
前記制御部は前記スイッチング素子をPWM制御するよう構成される、
ことを特徴とする請求項1から7の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
前記ケースは略直方体に構成され、
前記出力部と前記操作部は異なる面に対応する位置に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の電池パック。
【請求項10】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の電池パックと、
前記スマートフォンにインストールされ、前記無線通信部との無線通信を行うアプリケーションと、
を備えたシステムであって、
前記アプリケーションは、
前記無線通信部と無線接続するための接続ボタンと、
前記出力部が出力する電圧を変更するための変更ボタンと、
前記出力部が出力する電圧に関する情報を表示する出力表示部と、
前記電池パックの残量に関する情報を表示する残量表示部と、
を有する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項11】
前記スマートフォンと前記電池パックが無線接続可能な状態において前記接続ボタンが操作されて前記スマートフォンと前記電池パックとが無線接続されると、前記アプリケーションは、電源オンオフボタンを操作可能にするとともに、前記電池パックの残量に関する情報を前記残量表示部に表示するよう構成される、
ことを特徴とする請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記スマートフォンと前記電池パックが無線接続可能な状態において前記接続ボタンが操作されて前記スマートフォンと前記電池パックとが無線接続されると、前記アプリケーションは、前記変更ボタンを操作可能に構成される、
ことを特徴とする請求項10又は11に記載のシステム。
【請求項13】
前記変更ボタンが操作されると、前記制御部は、前記出力部が出力する電圧を変更するとともに変更された前記電圧に関する情報を前記表示部に表示するよう構成され、前記アプリケーションは、変更された前記電圧に関連する情報を前記出力表示部に表示するよう構成される、
ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記アプリケーションは、前記接続ボタンが操作されると無線接続先の探索を開始したことを表示するよう構成される、
ことを特徴とする請求項10から13の何れか一項に記載のシステム。
【請求項15】
前記アプリケーション及び前記電池パックの少なくとも一方は、前記電池パック及び前記アプリケーションの他方と無線接続されると接続処理が完了したことを表示するよう構成される、
ことを特徴とする請求項10から14の何れか一項に記載のシステム。
【請求項16】
請求項1乃至9の何れか一項に記載の電池パックと、
衣服に取り付けられ、前記電池パックから電力が供給されて駆動するファン又はヒーターと、
を備えた電気機器であって、
前記ファン又は前記ヒーターは、前記電池パックが前記ファン又は前記ヒーターに電気的に接続されて前記ファン又は前記ヒーターが動作している状態において、前記操作部が操作された場合、及び、前記スマートフォンと前記無線通信部との無線通信が可能な状態で前記スマートフォンが操作された場合、のいずれでも、駆動状態が変更可能である、
ことを特徴とする電気機器。
【請求項17】
前記ファンの回転数、風量又は前記ファンに供給される電圧、あるいは、前記ヒーターの温度が変更可能である、
ことを特徴とする請求項16に記載の電気機器。
第3 証拠方法及び申立理由
申立人は、申立書とともに以下の1に示す甲第1号証~甲第15号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲15」という。)を提出し、以下の2に示す申立理由により、本件発明に係る特許を取消すべきものである旨主張する。
1 証拠方法
甲1 特許第6393866号公報
甲2 特許第6431640号公報
甲3 特開2017-214837号公報
甲4 特開2002-260820号公報
甲5 特開2010-286208号公報
甲6 特開2012-83105号公報
甲7 特開2019-20221号公報
甲8 特開2017-28357号公報
甲9 特開2013-255965号公報
甲10 特開2014-120821号公報
甲11 2017年度版 空調風神服カタログ
甲12 2017年度版 RD9870J取扱説明書
甲13 RD9870J保証書
甲14 2018年度版 空調風神服カタログ
甲15 2018年度版 RD9870J取扱説明書
2 申立理由
申立人は、概略、次の申立理由を主張する。
〈申立理由〉
本件発明は、当業者が甲1に記載された発明及び甲2~15に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、本件発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。(同法113条2号)
第4 当審の判断
以下では、本件発明1の甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。)に対する進歩性の有無について検討する。
1 甲1の記載
甲1には以下の記載がある。
(1)「【0019】
本願にかかる服内環境冷却装置の図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、服内環境冷却装置1は、衣服Cの外部に配置され、外部の空気を取り込む空気取込口11と、衣服Cと該衣服Cを装着した人体Hの間の衣服内空間Sに配置され、空気取込口11から取り込まれた空気を衣服内空間Sに排出する空気排出口12と、空気取込口11から空気排出口12に向かう空気流を生成するファン(気流発生手段)13とを備えている。なお、図2においては、後述するベルト装着用部材52を省略して示している。
【0020】
図3,図4に示すように、衣服Cは、線ファスナー8が取り付けられた切り目80を備えている。服内環境冷却装置1は、線ファスナー8に取り付けられる。線ファスナー8は、1対のテープ81と、1対の務歯82と、1対のスライダー83と、1対の蝶棒84と、1対の箱85とを備えている。本実施形態においては、いわゆる頭合わせの線ファスナー8を用いており、線ファスナー8の両端において、蝶棒84とスライダー83及び箱85が分離できるようになっている。なお、衣服Cに対する線ファスナー8の設置方向は、図3に示すような横方向でなくてもよく、縦方向であってもよいし、斜め方向であってもよい。また、図3では衣服Cに2つの線ファスナー8を設置した場合を示したが、設置する線ファスナー8の数は1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。」
(2)「【0036】
なお、服内環境冷却装置1の電源は、服内環境冷却装置1の本体に設けてもよいが、図8に示したように、服内環境冷却装置1の本体とは別に電池ユニット6などの電源を設けるようにしてもよい。服内環境冷却装置1は、ユーザが電源スイッチ61を操作することにより服内環境冷却装置1のオン/オフが切り替えられ、ファン13、霧発生手段15、各種センサ及び制御基板などに電源が供給される。
【0037】
また、制御基板には、スマートフォンSPなどの通信端末と通信するための通信手段としてのアンテナ及び送受信回路と、通信手段により入力された制御信号等に基づき、ファン13及び霧発生手段15などの動作を制御する制御手段としてのMPUが設置されている。ユーザは、スマートフォンSPにインストールされたアプリを操作することにより、服内環境冷却装置1のファン13及び霧発生手段15などの動作を制御することができる。」
(3)図8
[図:0001436231000001.jpg]
図8によれば、電池ユニット6の筐体には電源スイッチ61が設けられていると解される。
また、図8によれば、電池ユニット6の筐体の左側面上部から服内環境冷却装置1に配線が描かれており、当該配線は電池ユニット6の電圧を服内環境冷却装置1に伝達するものと解されるから、電池ユニット6の筐体の左側面上部には、電池ユニット6の電圧を出力する部分が設けられていると解される。
2 甲1発明の認定
前記1の記載によれば、甲1には次に示す甲1発明が記載されていると認められる。なお、後の参照の便宜のため、甲1発明に記号a~iを付して分説し、「構成a」のようにして参照する。
a 服内環境冷却装置1の本体とは別に設けた電源である電池ユニット6であって、(【0036】)
b 服内環境冷却装置1は、ファン13を備え、(【0019】)
c 衣服Cは、線ファスナー8が取り付けられた切り目80を備え、服内環境冷却装置1は、線ファスナー8に取り付けられ、(【0020】)
d 電池ユニット6の筐体には電源スイッチ61が設けられており、(図8)
e 電池ユニット6の筐体の左側面上部には、電池ユニット6の電圧を出力する部分が設けられ、(図8)
f ユーザが電源スイッチ61を操作することにより服内環境冷却装置1のオン/オフが切り替えられ、ファン13、及び制御基板などに電源が供給され、(【0036】)
g 制御基板には、スマートフォンSPなどの通信端末と通信するための通信手段としてのアンテナ及び送受信回路と、ファン13の動作を制御する制御手段としてのMPUが設置され、(【0037】)
h スマートフォンSPにインストールされたアプリを操作することにより、服内環境冷却装置1のファン13の動作を制御することができ、(【0037】)
i 電池ユニット6。
3 本件発明1と甲1発明との対比
以下では、本件発明1と甲1発明とを対比する。
(1)発明特定事項A及びIについて
発明特定事項Aは「衣服に取り付けられるファン又はヒーターに電気的に接続可能な電池パックであって、」というものであり、発明特定事項Iは「ことを特徴とする電池パック。」というものである。
ア 甲1発明の「電池ユニット6」(構成a)は、本件発明1の「電池パック」に相当する。
甲1発明の「服内環境冷却装置1」に備わる「ファン13」(構成b)は、本件発明1の「ファン」に相当し、ひいては、「ファン又はヒーター」に相当する。
甲1発明の「電池ユニット6」は、「電源」であり(構成a)、「電源スイッチ61を操作することにより服内環境冷却装置1のオン/オフが切り替えられ、ファン13」「に電源が供給され」る(構成f)から、「電池ユニット6」は、「服内環境冷却装置1」に備わる「ファン13」に電力を供給すべく電気的に接続可能であると解される。
以上によれば、甲1発明の「電池ユニット6」は、本件発明1の「ファン又はヒーターに電気的に接続可能な電池パック」に相当する。
イ 甲1発明の「服内環境冷却装置1」は、「線ファスナー8に取り付けられ」、「線ファスナー8」は「衣服C」の「切れ目80」に「取り付けられ」る(構成c)から、甲1発明の「服内環境冷却装置1」に備わる「ファン13」は、「衣服C」に取り付けられると解され、甲1発明の「衣服C」は本件発明1の「衣服」に相当する。
そうすると、甲1発明の「ファン13」は、本件発明1の「衣服に取り付けられるファン又はヒーター」に相当する。
ウ 前記ア及びイによれば、本件発明1と甲1発明とは、「衣服に取り付けられるファン又はヒーターに電気的に接続可能な電池パック」である点で一致する。
(2)発明特定事項Bについて
発明特定事項Bは「ケースと、」というものである。
甲1発明の「電池ユニット6の筐体」(構成d)は、本件発明1の「ケース」に相当し、甲1発明の「電池ユニット6」は「筐体」を有すると解される。
(3)発明特定事項Cについて
発明特定事項Cは「前記ケースに収容される、電池セルと、スマートフォンと無線通信可能な無線通信部と、制御部と、前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部と、」というものである。
ア 甲1には「電池ユニット6の筐体」に電池セルが収容されていると明記されていないものの、一般に電池ユニットの筐体には電池セルが収容されていることに鑑みれば、甲1発明の「電池ユニット6の筐体」が電池セルを収容していることは明らかである。
イ 甲1発明の「スマートフォンSPなどの通信端末と通信するための通信手段としてのアンテナ及び送受信回路」(構成g)は、本件発明1の「スマートフォンと無線通信可能な無線通信部」に相当する。
しかしながら、甲1発明の「通信手段」が設置される「制御基板」(構成g)は、「電池ユニット6の筐体」に収容されているとは特定されていない。
ウ 甲1発明の「ファン13の動作を制御する制御手段としてのMPU」(構成g)は、本件発明1の「制御部」に相当する。
しかしながら、甲1発明の「制御手段」が設置される「制御基板」(構成g)は、「電池ユニット6の筐体」に収容されているとは特定されていない。
エ 甲1発明には、本件発明1の「前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部」に相当する構成がない。
オ 前記ア~エによれば、本件発明1と甲1発明とは、「前記ケースに収容される電池セルと、スマートフォンと無線通信可能な無線通信部と、制御部と、」を備える点で共通すると認められる。
他方、本件発明1の「無線通信部」及び「制御部」は「前記ケースに収容される」ことが特定されるのに対し、甲1発明の「通信手段」及び「制御手段」が設置される「制御基板」は、「電池ユニット6の筐体」に収容されているとは特定されていない点で相違し、さらに、本件発明1は「前記ケースに収容される」「前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部」を有するのに対し、甲1発明はそれに相当する構成を有しない点で相違する。
カ 上記に関して申立人は、前記オに示した相違点は存在しない旨、主張する。(申立書19頁22行~20頁6行、28頁24行~29頁8行)
しかしながら、申立人は甲1発明の「通信手段」及び「制御手段」が設置される「制御基板」が「電池ユニット6の筐体」に収容されていると解される根拠を何も示しておらず、ひいては、甲1発明の「通信手段」及び「制御手段」が「電池ユニット6の筐体」に収容されていると解される根拠も何も示していない。
そして、後述の4(1)に示すように、甲1発明の「制御基板」は、「電池ユニット6」にではなく、「服内環境冷却装置1」に収容されることが示唆されている。
また、甲1には、甲1発明の「電池ユニット6」が出力する電圧を変圧する必要性について何も説明していないから、「電池ユニット6の筐体」にDC/DCコンバータ部が収容される必然性が存在しない。
以上によれば、申立人の上記主張は採用できない。
(4)発明特定事項Dについて
発明特定事項Dは「前記ケースに設けられる、前記DC/DCコンバータ部で変圧された電圧を出力する出力部と、作業者により操作される操作部と、表示部と、」というものである。
ア 甲1発明の「電池ユニット6の筐体の左側面上部」に設けられた「電池ユニット6の電圧を出力する部分」(構成e)は、本件発明1の「前記ケースに設けられる、」「電圧を出力する出力部」に対応するものの、前記(3)エのとおり甲1発明にはDC/DCコンバータ部が存在しないから、甲1発明の「電池ユニット6の電圧を出力する部分」は、DC/DCコンバータ部で変圧された電圧を出力するものではない。
イ 甲1発明の「電池ユニット6の筐体」に設けられた「電源スイッチ61」(構成d)は、「ユーザが」「操作する」(構成f)から、本件発明1の「操作部」に相当し、ここで、甲1発明の「ユーザ」は、本件発明1の「作業者」に相当する。
ウ 甲1発明の「電池ユニット6の筐体」には、表示部が設けられていることは特定されていない。
エ 前記ア~ウによれば、本件発明1と甲1発明とは、「前記ケースに設けられる、電圧を出力する出力部と、作業者により操作される操作部と、」を備える点で共通すると認められる。
他方、本件発明1の「電圧を出力する出力部」は、「前記DC/DCコンバータ部で変圧された電圧」を出力するのに対し、甲1発明の「電圧を出力する部分」は、電池ユニット6の電圧を出力する点で相違し、さらに、本件発明1は「前記ケースに設けられる」「表示部」を有するのに対し、甲1発明は表示部を有するか否かが特定されていない点で相違する。
(5)発明特定事項Eについて
発明特定事項Eは「を有し、」というものであり、電池パックが発明特定事項B~Dを備えることを特定する。
甲1発明の「電池ユニット6」が、発明特定事項B~Dに相当する構成を有するか否かについては、前記(2)~(4)のとおりである。
(6)発明特定事項Fについて
発明特定事項Fは「前記表示部は、前記電池セルの充電状態に関する表示と、前記出力部が出力する電圧に関する表示と、前記スマートフォンとの無線通信の状態に関する表示と、を行うことができ、」というものである。
前記(4)ウのとおり、甲1発明の「電池ユニット6の筐体」が「表示部」を有すると特定されていないから、表示部の存在を前提とする発明特定事項Fに対応する構成についても、甲1発明では特定されていない。
(7)発明特定事項Gについて
発明特定事項Gは「前記電池パックが前記ファン又は前記ヒーターに電気的に接続されて前記ファン又は前記ヒーターが動作している状態において、前記制御部は、前記操作部が操作された場合、及び、前記スマートフォンと前記無線通信部との無線通信が可能な状態で前記スマートフォンが操作された場合、のいずれでも、前記DC/DCコンバータ部が変圧して前記出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成し、」というものである。
甲1発明は「スマートフォンSPにインストールされたアプリを操作することにより、服内環境冷却装置1のファン13の動作を制御することができ」る(構成h)ものであるが、「アプリを操作すること」により、「ファン13」のどのような動作が制御されるのかについて具体的な記載はない。(一般的なファンの制御としてオン/オフの制御があり、構成hの制御としてそのようなファンのオン/オフの制御が想定されるものの、ファンのオン/オフの制御の具体的態様が、ファン13に供給される電力のみをオン/オフするのか、ファン13が備わる服内環境冷却装置1全体に供給される電力をオン/オフするのか、あるいは、服内環境冷却装置1とは別に設けた電源ユニット6から供給される電力をオン/オフするのかは、不明である。)
また、甲1発明は、「ユーザが電源スイッチ61を操作することにより服内環境冷却装置1のオン/オフが切り替えられ」る(構成f)が、電源スイッチ61の操作により、ファン13に供給される電力のみをオン/オフするのか、ファン13が備わる服内環境冷却装置1全体に供給される電力をオン/オフするのか、あるいは、服内環境冷却装置1とは別に設けた電源ユニット6から供給される電力をオン/オフするのかは、不明である。
他方、前記(3)エのとおり、甲1発明は前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部を有しないから、本件発明1の「前記DC/DCコンバータ部が変圧して前記出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成」されているということはできない。
以上を総合すると、甲1発明において、「アプリを操作すること」(構成h)及び「電源スイッチ61を操作すること」(構成f)のいずれの操作であっても、「電池ユニット6の電圧を出力する部分」(構成e)から出力される電圧が変更されると解することはできないし、当該電圧が3段階以上に変更されると解することもできない。
よって、本件発明1は「前記電池パックが前記ファン又は前記ヒーターに電気的に接続されて前記ファン又は前記ヒーターが動作している状態において、前記制御部は、前記操作部が操作された場合、及び、前記スマートフォンと前記無線通信部との無線通信が可能な状態で前記スマートフォンが操作された場合、のいずれでも、前記DC/DCコンバータ部が変圧して前記出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成」されているのに対し、甲1発明では、そのように構成されているとはいえない点で相違する。
(8)発明特定事項H1について
発明特定事項H1は「前記操作部を操作すると、前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更されるとともに、前記無線通信部と無線通信している前記スマートフォンに表示される前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更され、」というものである。
前記(7)で触れたように、甲1発明の「電源スイッチ61を操作すること」により、電源ユニット6から供給される電力をオン/オフするとは解されないし、前記(4)ウのとおり、甲1発明の「電池ユニット6の筐体」が「表示部」を有するとは特定されていない。また、甲1発明の構成g及びhに特定される「スマートフォンSP」に電圧に関する表示がされるとも特定されていない。
そうすると、本件発明1は、「前記操作部を操作すると、前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更されるとともに、前記無線通信部と無線通信している前記スマートフォンに表示される前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更され」るのに対し、甲1発明はそのようなものではない点で相違する。
(9)発明特定事項H2について
発明特定事項H2は「その後、前記スマートフォンを操作すると、前記スマートフォンの前記表示が変更されるとともに、前記スマートフォンと無線通信している前記電池パックの前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更される、」というものである。
前記(7)で触れたように、甲1発明の「アプリを操作すること」により、電源ユニット6から供給される電力をオン/オフするとは解されないし、前記(4)ウのとおり、甲1発明の「電池ユニット6の筐体」が「表示部」を有するとは特定されていない。また、甲1発明の構成g及びhに特定される「スマートフォンSP」に電圧に関する表示がされるとも特定されていない。
そうすると、本件発明1は、「その後、前記スマートフォンを操作すると、前記スマートフォンの前記表示が変更されるとともに、前記スマートフォンと無線通信している前記電池パックの前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更される」のに対し、甲1発明はそのようなものではない点で相違する。
(10)一致点及び相違点
前記(1)~(9)によれば、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
〈一致点〉
「衣服に取り付けられるファン又はヒーターに電気的に接続可能な電池パックであって、
ケースと、
前記ケースに収容される電池セルと、スマートフォンと無線通信可能な無線通信部と、制御部と、
前記ケースに設けられる、電圧を出力する出力部と、作業者により操作される操作部と、を有する、
ことを特徴とする電池パック。」である点。
〈相違点1〉
本件発明1の「無線通信部」及び「制御部」は「前記ケースに収容される」ことが特定されるのに対し、甲1発明の「通信手段」及び「制御手段」が設置される「制御基板」は、「電池ユニット6の筐体」に収容されているとは特定されていない点。(発明特定事項C)
〈相違点2〉
本件発明1は「前記ケースに収容される」「前記電池セルの電圧を変圧するDC/DCコンバータ部」を有するのに対し、甲1発明はそれに相当する構成を有しない点。(発明特定事項C)
上記に関連し、さらに、本件発明1の「電圧を出力する出力部」は、「前記DC/DCコンバータ部で変圧された電圧」を出力するのに対し、甲1発明の「電圧を出力する部分」は、電池ユニット6の電圧を出力する点。(発明特定事項D)
〈相違点3〉
本件発明1は「前記ケースに設けられる」「表示部」を有するのに対し、甲1発明は表示部を有するか否かが特定されていない点。(発明特定事項D)
上記に関連し、本件発明1は「前記表示部は、前記電池セルの充電状態に関する表示と、前記出力部が出力する電圧に関する表示と、前記スマートフォンとの無線通信の状態に関する表示と、を行うことができ」ると特定されているのに対し、甲1発明はそのように特定されていない点。(発明特定事項F)
〈相違点4〉
相違点2に関連し、本件発明1は「前記電池パックが前記ファン又は前記ヒーターに電気的に接続されて前記ファン又は前記ヒーターが動作している状態において、前記制御部は、前記操作部が操作された場合、及び、前記スマートフォンと前記無線通信部との無線通信が可能な状態で前記スマートフォンが操作された場合、のいずれでも、前記DC/DCコンバータ部が変圧して前記出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成」されているのに対し、甲1発明では、そのように構成されているとはいえない点。(発明特定事項G)
〈相違点5〉
相違点3及び4に関連し、本件発明1は、「前記操作部を操作すると、前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更されるとともに、前記無線通信部と無線通信している前記スマートフォンに表示される前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更され」るのに対し、甲1発明はそのようなものではない点。(発明特定事項H1)
〈相違点6〉
相違点3及び4に関連し、本件発明1は、「その後、前記スマートフォンを操作すると、前記スマートフォンの前記表示が変更されるとともに、前記スマートフォンと無線通信している前記電池パックの前記出力部が出力する電圧の大きさ、及び前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更される」のに対し、甲1発明はそのようなものではない点。(発明特定事項H2)
4 相違点についての判断
本件発明1は、「スマートフォンと無線通信可能な無線通信部」を有する(発明特定事項C)ものであり、該「無線通信部」が実行する「無線通信」により、「スマートフォンが操作された場合」に「出力部が出力する電圧の大きさを3段階以上に変更可能に構成」され(発明特定事項G)、「前記スマートフォンを操作すると」「前記表示部の前記出力部が出力する電圧に関する表示が変更される」もの(発明特定事項H2)と解される。
すなわち、発明特定事項Cにおける「無線通信部」は、単なる無線通信部ではなく、少なくとも、発明特定事項G及びH2を満たせるような無線通信部であると解釈される。換言すれば、発明特定事項Cに係る相違点1と、少なくとも発明特定事項G及びH2に係る相違点4及び6とは、その構成の容易想到性を一体的に判断する必要がある。
以上を踏まえて、当業者が甲1発明から相違点1、4及び6に係る構成を容易に想到し得たかを、以下、判断する。
(1)甲1発明の「通信手段」の収容位置
甲1発明の「通信手段」の収容位置は、甲1に明示されていないものの、以下のア~ウを総合すると服内環境冷却装置1であり、電池ユニット6の筐体ではないことが示唆されているといえる。
ア 甲1の「なお、服内環境冷却装置1の電源は、服内環境冷却装置1の本体に設けてもよいが、図8に示したように、服内環境冷却装置1の本体とは別に電池ユニット6などの電源を設けるようにしてもよい。」(【0036】)との記載によれば、甲1が開示する基本的な技術的思想は、服内環境冷却装置1の本体に電源が設けられたものであると解され、現に、服内環境冷却装置1と別体の電池ユニット6を明示するのは、図8とその説明に限られる。
そうすると、甲1発明における「制御基板」(構成f)は、本来的には服内環境冷却装置1に収容されるものであって、電池ユニット6の筐体に収容されるものではないと解するのが自然である。
そうすると、服内環境冷却装置1から電池ユニット6を別体とした図8の実施形態において、「制御基板」は服内環境冷却装置1に留まると解するのが自然であり、「制御基板」に設置される「通信手段」(構成g)も、服内環境冷却装置1に収容されるものであって、電池ユニット6の筐体に収容されるものではないと解するのが自然である。
イ 甲1発明は、「スマートフォンSPにインストールされたアプリを操作することにより、服内環境冷却装置1のファン13の動作を制御することができ」る(構成h)ものである。スマートフォンSPのアプリを操作した結果、その操作内容は甲1発明の「通信手段」で受信され、それにより「服内環境冷却装置1のファン13の動作」が制御されるのであるから、被制御物である「ファン13」とその制御内容を受信する「通信手段」とが近接するのが合理的な配置である。
したがって、「通信手段」は、「ファン13」を備える服内環境冷却装置1に収容されるのが合理的であって、服内環境冷却装置1とは別体の電池ユニット6の筐体に収容されるものではないと解される。
ウ 甲1発明の「電池ユニット6」は、「電源」である(構成a)。
通常、電源は電力を安全に安定して供給するために必要な機能のみを備え、スマートフォンとの通信機能のような、電源供給とは異なる機能を有しない。そして、甲1の全体を参照しても、「電源である電池ユニット6」に電源以外の機能を持たせることについて、記載も示唆もない。加えて、服内環境冷却装置の技術分野において、電源がスマートフォンなどと通信するための通信手段を備えることは、技術常識であるとも認められない。
そうすると、甲1発明の「スマートフォンSPなどの通信端末と通信するための通信手段」(構成g)が電池ユニット6の筐体に収容されると解するのは、不自然である。
(2)相違点1、4及び6に係る構成の容易想到性について
前記(1)のとおり、甲1発明の「通信手段」の収容位置は、服内環境冷却装置1であり、電池ユニット6の筐体ではないことが示唆されている。そして、前記(1)ウで触れたように、服内環境冷却装置の技術分野において、電源がスマートフォンなどと通信するための通信手段を備えることは、技術常識であるとは認められない。甲号証の全てを参照しても、服内環境冷却装置の技術分野において、電源がスマートフォンなどと通信するための通信手段を備える技術を開示するものはない。
他方、服内環境冷却装置の技術分野ではないが、甲9には、電動工具の技術分野でバッテリパック3が無線IDチップ313を備え(図5等)、携帯端末と近接通信をする(【0013】等)技術が開示されている。(他に、電池ユニットに通信手段を収容する技術を開示する証拠は存在しない。)
そこで、甲9に記載の技術(以下「甲9技術」という。)を甲1発明に適用することで、相違点1、4及び6に係る構成に想到し得るかについて、以下、検討する。
甲9技術は、「操作性の点で有利な電子キーの手法で盗難抑止を図るとともに、電子キーを忘れたり紛失したりしにくく、バッテリと本体の種々の組み合わせに対応でき、粗悪バッテリによる事故を有効に防止し、少ない部品点数かつ低価格で実現すること」を目的として(【0012】)、「携帯端末との近接通信により、接続される機器の組み合わせの認証を経て使用許可フラグが書き込まれ」「使用許可フラグがオンとなっている場合に通電を許可する」(【0013】)ものであり、「携帯端末4は、近接無線機能により電動工具本体2のロック解除要求を行ない」「本体情報の使用許可フラグをONとし」(【0075】)、「使用許可フラグがONとされることで、電動工具本体2は使用が可能になる」(【0076】)ものである。
すなわち、甲9技術における携帯端末は、電動工具のロック解除を行うための電子キーでしかなく、携帯端末によって電動工具を操作することは想定されていない。このことは、甲9の次の記載からも明らかである。
「【0080】
図9において、(a)で携帯端末4のアプリケーションを起動し、(b)で電動工具1の電源をスイッチ204(図4、図5)によりONにする。これにより、(c)のようにバッテリパック3のセキュリティLED316が点滅してセキュリティで保護されていることを示す。
【0081】
この状態で、(d)のように携帯端末4を画面表示の指示に従ってバッテリパック3にかざし、正常に認証されると、バッテリパック3のセキュリティLED316がグリーンに点灯してセキュリティが解除され、今度は電動工具本体2のセキュリティLED214が点滅してセキュリティで保護されていることを示す。
【0082】
この状態で、(e)のように携帯端末4を画面表示の指示に従って電動工具本体2にかざし、正常に認証されると、電動工具本体2のセキュリティLED214がグリーンに点灯してセキュリティが解除され、電動工具1は使用可能となる。また、(f)のように携帯端末4には認証結果や電動工具本体2やバッテリパック3の機器状態が画面表示される。」
以上の記載のとおり、甲9技術における携帯端末は、バッテリパックや電動工具本体を認証するものでしかなく、甲9の全ての記載を参照しても、携帯端末によって電動工具本体やバッテリパックの動作を変更することについては開示がない。このことから、甲9技術において携帯端末と通信する無線IDチップ313は、認証のための通信を行うものであって、甲1発明の通信手段のように機器の動作を変更するためのものとはいえない。
そうすると、仮に甲1発明に対して甲9技術を適用する動機付けがあったとしても、甲1発明に甲9技術を適用した結果、甲1発明の電池ユニット6の筐体に認証のための無線IDチップが収容されるに留まり、甲1発明の服内環境冷却装置1に収容されていた通信手段を電池ユニット6の筐体に収容する(相違点1)構成へと変更する必然性は存在しないし、さらには、前記無線IDチップの通信により電圧を変更する(相違点4、6)ような構成に当業者が想到し得たとは認められない。
以上によれば、相違点1、4及び6に係る構成は、当業者といえども、甲1~甲15から容易に想到し得たとは認められない。
5 本件発明1の進歩性についての小括
前記4のとおりであるから、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、当業者が甲1発明及び甲2~甲15に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
6 本件発明2~17の進歩性について
本件発明2~17は、いずれも、本件発明1の発明特定事項を全て備えるものであるから、本件発明2~17と甲1発明との相違点には、相違点1~6が少なくとも含まれる。
よって、本件発明1と同様の理由により、本件発明2~17は、当業者が甲1発明及び甲2~甲15に記載された技術に基づいて容易に発明をすることができたものとは認められない。
7 申立理由についての総括
以上のとおりであるから、申立人が主張する申立理由(前記第3、2)には理由がない。
第5 むすび
前記第4によれば、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2026-700188