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特許異議申立

2026-700027

固体電池

審判番号
2026-700027
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-534049
登録番号
7704144
請求日
2026年01月07日
審決日
2026年03月13日
公報発行日
2026年04月24日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社村田製作所
  • 【権利者代理人】山尾 憲人
  • 【権利者代理人】村石 桂一
  • 【異議申立人】中村 絵美
審判長/審判官
  • 審判長 梶尾 誠哉
  • 審判官 涌井 智則
  • 審判官 ▲吉▼澤 雅博
分類
P1651.121-Y (H01M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第113条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7704144号発明「固体電池」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7704144号の請求項1~14に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7704144号(以下「本件特許」という。)の請求項1~14に係る特許についての出願は、2021年6月29日(優先権主張2020年7月1日、日本国)を国際出願日とする出願であって、令和7年6月30日にその特許権の設定登録がされ、同年7月8日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対し、令和8年1月7日に特許異議申立人 中村絵美(以下、「申立人」という。)により、請求項1~14に係る特許に対する特許異議の申立てがされた。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~14の特許に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明14」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~14に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 正極層、負極層および該正極層と該負極層との間に介在する固体電解質層が積層された積層部を有して成る固体電池積層体を備えた、表面実装されるようにパッケージ化された固体電池であって、 前記固体電池における基本的構成である、前記固体電池積層体に対する外部端子、前記積層部内に有する非活性物質部、前記積層部の絶縁最外層、前記固体電池積層体を被覆する被覆絶縁膜、前記固体電池積層体を支持する支持基板のうち、少なくとも一つまたは複数に吸湿材が混ぜ込まれている、固体電池。 【請求項2】 前記積層部は、前記積層の方向と交差する方向に位置する側面の一部を成している非活性物質部を更に有して成り、該非活性物質部に、前記吸湿材が混ぜ込まれている、請求項1に記載の固体電池。 【請求項3】 前記固体電池積層体は、前記積層の方向と交差する方向に位置する前記積層部の側面に外部端子を更に有して成り、該外部端子に、前記吸湿材が混ぜ込まれている、請求項1または2に記載の固体電池。 【請求項4】 前記固体電池積層体が支持されるように設けられた支持基板をさらに含み、 前記支持基板の支持面と前記固体電池積層体の積層方向とが平行となっている、請求項1~3のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項5】 前記支持基板は、該基板の最外面を電気的に結線する配線を備えており、前記固体電池の外部端子のための端子基板となっている、請求項1~4のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項6】 前記支持基板は、インナービアホールを有する配線板から成る、請求項1~5のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項7】 前記積層の方向と交差する方向に位置する前記積層部の側面の一部を成している非活性物質部、 前記積層の方向と交差する方向に位置する前記積層部の側面に設けられた外部端子、 前記積層部の絶縁最外層、 前記固体電池積層体を被覆する被覆絶縁膜、および、 前記固体電池積層体が支持されるように設けられた支持基板、のうちのいずれか2つ以上または全てに前記吸湿材が混ぜ込まれている、請求項1~6のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項8】 前記吸湿材は、合成ゼオライト、シリカゲル、五酸化リン、酸化バリウム、酸化カルシウムおよび有機金属構造体から成る群から選択される少なくとも一種を含んで成る、請求項1~7のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項9】 前記積層の方向と交差する方向に位置する前記固体電池積層体の側面を成している非活性物質部および/または前記積層部の絶縁最外層のうち、少なくとも一つの合成ゼオライトおよび/またはシリカゲルの含有量は、非活性物質部全体基準および/または絶縁最外層全体基準で1体積%以上80体積%以下である、請求項8に記載の固体電池。 【請求項10】 前記含有量は、前記非活性物質部全体基準および/または前記絶縁最外層全体基準で20体積%以上40体積%以下である、請求項9に記載の固体電池。 【請求項11】 前記積層の方向と交差する方向に位置する前記固体電池積層体の側面に設けられた外部端子の合成ゼオライトおよび/またはシリカゲルの含有量は、外部端子全体基準で1体積%以上25体積%以下である、請求項8に記載の固体電池。 【請求項12】 前記固体電池積層体を被覆する被覆絶縁膜および/または前記固体電池積層体が支持されるように設けられた支持基板の合成ゼオライトおよび/またはシリカゲルの含有量は、被覆絶縁膜全体基準および/または支持基板全体基準で1体積%以上45体積%以下である、請求項8に記載の固体電池。 【請求項13】 前記固体電池積層体が焼結体から構成されている、請求項1~12のいずれか1項に記載の固体電池。 【請求項14】 前記正極層および前記負極層は、リチウムイオンを吸蔵放出可能な層となっている、請求項1~13のいずれか1項に記載の固体電池。」 第3 特許異議の申立ての理由の概要 申立人が主張する特許異議の申立ての理由の概要は、次のとおりである。 本件特許の請求項1~14に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された以下の甲第1~7号証に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件特許の請求項1~14に係る特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 [証拠] 甲第1号証:国際公開第2020/031424号 甲第2号証:特開2020-4528号公報 甲第3号証:国際公開第2020/090736号 甲第4号証:国際公開第2020/100682号 甲第5号証:特開2003-109429号公報 甲第6号証:特開2006-344775号公報 甲第7号証:特開2019-106372号公報 第4 主な各甲号証の記載等 1 甲第1号証について (1)甲第1号証の記載 甲第1号証には、「固体電池」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下同じ。)。 「[0006] 固体電池は、他の電子部品と共にプリント配線板などの基板上に実装されて使用されることが考えられ、その場合には実装に適したものが求められる。その一方、固体電池は、空気中の水蒸気に対して必要な措置を確実に講じておく必要がある。固体電池の内部に水分が進入すると、電池特性の劣化が引き起こされたりする虞があるからである。」 「[0009] 本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、基板への実装特性を有しつつも水蒸気透過防止性がより優れた固体電池の技術を提供することである。」 「[0020][固体電池の基本的構成] 固体電池は、正極・負極の電極層と固体電解質とを少なくとも有して成る。具体的には図1に示すように、固体電池100は、正極層110、負極層120、およびそれらの間に少なくとも介在する固体電解質130から成る電池構成単位を含んだ固体電池積層体を有して成る。 [0021] 固体電池は、それを構成する各層が焼成によって形成されるところ、正極層、負極層および固体電解質などが焼結層を成している。好ましくは、正極層、負極層および固体電解質は、それぞれが互いに一体焼成されており、それゆえ固体電池積層体が一体焼結体を成している。」 「[0031](端面電極) 固体電池には、一般に端面電極150が設けられている。特に、固体電池の側面に端面電極が設けられている。より具体的には、正極層110と接続された正極側の端面電極150Aと、負極層120と接続された負極側の端面電極150Bとが設けられている(図1参照)。そのような端面電極は、導電率が大きい材料を含んで成ることが好ましい。端面電極の具体的な材質としては、特に制限されるわけではないが、銀、金、プラチナ、アルミニウム、銅、スズおよびニッケルから成る群から選択される少なくとも一種を挙げることができる。」 「[0033] 具体的には、本発明の固体電池100は、図2に示すように、支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50を備えたパッケージ構造を有している。このような電池パッケージ品200では、固体電池100が全体として包囲されるように(固体電池を成す全ての面が外部に露出することなく)、その周囲に支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50が設けられている。 [0034] 支持基板10は、固体電池100が支持されるように設けられた基板である。“支持”に供すべく固体電池の主面を成す一方の側に支持基板が位置付けられている。また、“基板”ゆえ全体として薄板状の形態を好ましくは有している。 [0035] 支持基板10は、樹脂基板であってよく、あるいは、セラミック基板であってもよい。ある好適な態様では支持基板10が、セラミック基板となっている。つまり、支持基板10はセラミックを含んで成り、それが基板の母材成分を占めるようになっている。セラミックから成る支持基板は、水蒸気透過防止に資するところ、基板実装における耐熱性などの点でも好ましい基板である。このようなセラミラック基板は、焼成を通じて得ることができ、例えばグリーンシート積層体の焼成によって得ることができる。これにつき、セラミック基板は、例えばLTCC基板(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)であってよく、あるいは、HTCC基板(HTCC:High Temperature Co-fired Ceramic)であってもよい。あくまでも例示にすぎないが、支持基板の厚さは、20μm以上1000μm以下であってよく、例えば100μm以上300μm以下である。 [0036] 被覆絶縁層30は、固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bを少なくとも覆うように設けられた層である。図2に示されるように、支持基板10上に設けられた固体電池100は被覆絶縁層30によって全体として大きく包み込まれるようになっている。ある好適な態様では、固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bにおける全電池面領域(少なくとも電池“頂面”領域および電池“側面”領域についていえば全て)に被覆絶縁層30が設けられている。」 「[0038] 被覆絶縁層30は樹脂層に相当することが好ましい。つまり、被覆絶縁層30は樹脂材を含んで成り、それが当該層の母材を成すようになっていることが好ましい。図示される態様から分かるように、これは支持基板10上に設けられた固体電池が被覆絶縁層30の樹脂材で封止されていることを意味している。このような樹脂材から成る被覆絶縁層30は、被覆無機膜50と相俟って好適な水蒸気バリアに資する。 [0039] 被覆絶縁層の材質は、絶縁性を呈するものであればいずれの種類であってよい。例えば被覆絶縁層が樹脂を含んで成る場合、その樹脂は熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。特に制限されるわけではないが、被覆絶縁層の具体的な樹脂材としては、例えばエポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂および/または液晶ポリマーなどを挙げることができる。あくまでも例示にすぎないが、被覆絶縁層の厚さは、30μm以上1000μm以下であってよく、例えば50μm以上300μm以下である。 [0040] 被覆無機膜50は、被覆絶縁層30を覆うように設けられている。図示されるように、被覆無機膜50は、被覆絶縁層30上に位置付けられているので、被覆絶縁層30とともに、支持基板10上の固体電池100を全体として大きく包み込む形態を有している。」 「[0044] 本発明では、支持基板上において固体電池を包み込むように設けられた被覆絶縁層および被覆無機膜によって固体電池がパッケージ化されている。特に、固体電池は表面実装に適するようにパッケージ化されている。この点、本発明では支持基板が好ましくは端子基板となっている。換言すれば、ある好適な態様に従った支持基板は、パッケージ化された固体電池の外部端子のための端子基板、すなわち外部端子基板となっている。 [0045] 端子基板として支持基板を備える固体電池は、基板が介在するような形態で固体電池をプリント配線板などの別の2次基板上に実装することができる。例えば、半田リフローなどを通じで、支持基板を介して固体電池を表面実装できる。このようなことから、本発明のパッケージ化された固体電池は、SMD(SMD:Surface Mount Device)タイプの電池であるといえる。特に端子基板がセラミック基板から成る場合、本発明の固体電池は、耐熱性が高く、半田実装可能なSMDタイプの電池となり得る。 [0046] 端子基板ゆえ、配線を有していることが好ましく、特に、上下表面又は上下表層を電気的に結線する配線を備えていることが好ましい。つまり、ある好適な態様の支持基板は、当該基板の上下面を電気的に結線する配線を備え、パッケージ化された固体電池の外部端子のための端子基板となっている。かかる態様では、固体電池からの外部端子への取り出しに支持基板の配線を使用できるので、金属タグで水蒸気バリア層でパッキングしながらパッケージ外部に取り出すといった必要がなく、外部端子の設計自由度が高くなっている。 [0047] 端子基板における配線は、特に制限されず、当該基板の上面と下面との間の電気的接続に資するものであれば、いずれの形態を有していてもよい。電気的接続に資するがゆえ、端子基板における配線は、基板の導電性部分であるともいえる。そのような基板の導電性部分は、配線層、ビアおよび/またはランドなどの形態を有していてよい。例えば、図2に示す態様では、支持基板10にビア14および/またはランド16が設けられている。ここでいう「ビア」は、支持基板の上下方向、すなわち基板厚み方向を電気的に接続するための部材を指しており、例えばフィルドビアなどが好ましく、また、インナービアの形態などであってもよい。また、本明細書でいう「ランド」は、支持基板の上側主面および/または下側主面に設けられた電気的接続のための端子部分・接続部分(好ましくはビアと接続されている端子部分・接続部分)を指しており、例えば角ランドであってよいし、あるいは、丸ランドなどであってもよい。」 「[0075](フィラー含有の態様) かかる態様では、被覆絶縁層30がフィラー35を含んでいる(図11参照)。被覆絶縁層30が樹脂材から成る場合、そのような樹脂材中に無機フィラー35が好ましくは分散している。 [0076] フィラーは、好ましくは、被覆絶縁層中に混ぜ込まれて被覆絶縁層の母材材質(例えば樹脂材)と複合一体化している。フィラーの形状は、特に制限されず、粒状、球状、針状、板状、繊維状および/または不定型などであってよい。フィラーの大きさも、特に制限されず、10nm以上100μm以下であってよく、例えば10nm以上100nm未満のナノフィラー、100nm以上10um未満のミクロフィラー、あるいは、10μm以上100μm以下のマクロフィラーなどであってよい。フィラーの材質としては、シリカ、アルミナ、酸化チタンおよび/または酸化ジルコニウム等の金属酸化物、マイカ等の鉱物、ガラス等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。 [0077] フィラーは水蒸気透過防止フィラーとなっていることが好ましい。ある好適な態様では、被覆絶縁層は、その樹脂材質中に水蒸気透過防止フィラーを含んで成る。これにより、被覆絶縁層が、被覆無機膜とともにより好適な水蒸気透過バリアとして供され易くなる。 [0078] 水蒸気透過防止フィラーは、特に限定するわけではないが、板状のフィラーなどであってよい。また、水蒸気透過防止フィラーは、シリカもしくはアルミナなどの材質を有するものであってよい。更には、合成マイカなどのマイカ系などの材質を有するものであってもよい。樹脂材質中に含まれる水蒸気透過防止フィラーは、より好適な水蒸気透過防止に資するべく、被覆絶縁層の全体基準で含有量が50重量%以上95重量%以下となっていることが好ましく、例えば60重量%以上95重量%以下あるいは70重量%以上95重量%以下などとなっていてよい。」 「[0093][固体電池の製造方法] 本発明の対象物は、正極層、負極層、およびそれらの電極間に固体電解質を有する電池構成単位を含んだ固体電池を調製し、次いで、その固体電池をパッケージ化するプロセスを経ることで得ることができる。 ・・・中略・・・ [0097](積層体ブロック形成) ・固体電解質、有機バインダー、溶剤および任意の添加剤を混合してスラリーを調製する。次いで、調製されたスラリーからシート成形によって、焼成後の厚みが約10μmのシートを得る。 ・正極活物質、固体電解質、導電助剤、有機バインダー、溶剤および任意の添加剤を混合して正極用ペーストを作成する。同様にして、負極活物質、固体電解質、導電助剤、有機バインダー、溶剤および任意の添加剤を混合して負極用ペーストを作成する。 ・シート上に正極用ペーストを印刷し、また、必要に応じて集電層および/またはネガ層を印刷する。同様にして、シート上に負極用ペーストを印刷し、また、必要に応じて集電層および/またはネガ層を印刷する。 ・正極用ペーストを印刷したシートと、負極用ペーストを印刷したシートとを交互に積層して積層体を得る。なお、積層体の最外層(最上層および/または最下層)についていえば、それが電解質層でも絶縁層でもよく、あるいは、電極層であってもよい。」 「[0115] さらには、上記説明では、基板上の固体電池は、それを構成する各層の積層方向が基板の主面の法線方向に沿った形態となっていることを前提としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、固体電池の積層方向が基板の主面の法線方向と直交するような向きで固体電池が基板に設けられてもよい。かかる場合、固体電池の膨張収縮(特に固体電池の積層方向の膨張収縮)に起因して電池が基板に接触するといった不都合な事象はより生じにくくなる。」 「[図1] [図:0001434207000001.jpg] [図2] [図:0001434207000002.jpg] 」 (2)甲第1号証に記載された技術事項 上記(1)によれば、甲第1号証には次の技術事項が記載されているといえる。 ア 図2及び[0033]の「図2に示すように、支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50を備えたパッケージ構造を有し」、「電池パッケージ品200では、固体電池100が全体として包囲されるように」「その周囲に支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50が設けられている」との記載、[0045]の「パッケージ化された固体電池は、SMD(SMD:Surface Mount Device)タイプの電池である」との記載によれば、甲第1号証には、固体電池100が全体として包囲されるように、その周囲に支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50が設けられたパッケージ構造を有している、SMD(SMD:Surface Mount Device)タイプの電池である電池パッケージ品200が記載されているといえる。 イ 図1及び[0020]の「固体電池100は、正極層110、負極層120、およびそれらの間に少なくとも介在する固体電解質130から成る電池構成単位を含んだ固体電池積層体を有し」との記載、[0021]の「正極層、負極層および固体電解質などが焼結層を成し」、「固体電池積層体が一体焼結体を成している」との記載によれば、固体電池100は、正極層110、負極層120、およびそれらの間に少なくとも介在する固体電解質130から成る電池構成単位を含んだ、一体焼結体を成している固体電池積層体を有するといえる。 また、[0097]の「積層体の最外層(最上層および/または最下層)」は「絶縁層でもよ」いとの記載によれば、固体電池積層体の最外層(最上層および/または最下層)は絶縁層でもよいといえる。 ウ 図1及び[0031]の「固体電池の側面に端面電極が設けられている」、「正極層110と接続された正極側の端面電極150Aと、負極層120と接続された負極側の端面電極150Bとが設けられている」との記載によれば、固体電池100の側面には、正極層110と接続された正極側の端面電極150Aと、負極層120と接続された負極側の端面電極150Bとが設けられているといえる。 エ [0035]の「支持基板10が、セラミック基板となっている」、「セラミックから成る支持基板は、水蒸気透過防止に資する」、[0044]の「支持基板が好ましくは端子基板となっている」、[0046]の「端子基板ゆえ、」「上下表面又は上下表層を電気的に結線する配線を備えている」、[0047]の「支持基板10にビア14および/またはランド16が設けられている」との記載によれば、支持基板10は、水蒸気透過防止に資するセラミック基板となっており、好ましくは端子基板となっており、上下表面又は上下表層を電気的に結線するビア14および/またはランド16が設けられているといえる。 オ [0036]の「被覆絶縁層30は、固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bを少なくとも覆うように設けられ」、[0038]の「樹脂材から成る被覆絶縁層30は、被覆無機膜50と相俟って好適な水蒸気バリアに資する」、[0075]の「被覆絶縁層30がフィラー35を含んでいる」、[0076]の「フィラーの材質としては、シリカ」「を挙げることができる」、[0077]の「フィラーは水蒸気透過防止フィラーとなっている」「これにより、被覆絶縁層が、被覆無機膜とともにより好適な水蒸気透過バリアとして供され易くなる」、[0078]の「樹脂材質中に含まれる水蒸気透過防止フィラーは、」「被覆絶縁層の全体基準で含有量が50重量%以上95重量%以下となっている」との記載によれば、被覆絶縁層30は、固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bを少なくとも覆うように設けられ、樹脂材から成り水蒸気透過防止フィラーであるシリカを含んでおり、被覆無機膜50とともにより好適な水蒸気透過バリアとして供され、樹脂材質中に含まれる水蒸気透過防止フィラーは、被覆絶縁層30の全体基準で含有量が50重量%以上95重量%以下であるといえる。 カ [0040]の記載によれば、「被覆無機膜50は、被覆絶縁層30を覆うように設けられている」。 キ [0115]の記載によれば、「基板上の固体電池は、それを構成する各層の積層方向が基板の主面の法線方向に沿った形態となっている」。 (3)甲1発明 上記(2)によれば、甲第1号証には、電池パッケージ品200として、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「固体電池100が全体として包囲されるように、その周囲に支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50が設けられたパッケージ構造を有している、SMD(SMD:Surface Mount Device)タイプの電池である電池パッケージ品200において、 固体電池100は、正極層110、負極層120、およびそれらの間に少なくとも介在する固体電解質130から成る電池構成単位を含んだ、一体焼結体を成している固体電池積層体を有し、固体電池積層体の最外層(最上層および/または最下層)は絶縁層でもよく、固体電池100の側面には、正極層110と接続された正極側の端面電極150Aと、負極層120と接続された負極側の端面電極150Bとが設けられており、 支持基板10は、水蒸気透過防止に資するセラミック基板となっており、好ましくは端子基板となっており、上下表面又は上下表層を電気的に結線するビア14および/またはランド16が設けられており、 被覆絶縁層30は、固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bを少なくとも覆うように設けられ、樹脂材から成り水蒸気透過防止フィラーであるシリカを含んでおり、被覆無機膜50とともにより好適な水蒸気透過バリアとして供され、樹脂材質中に含まれる水蒸気透過防止フィラーは、被覆絶縁層30の全体基準で含有量が50重量%以上95重量%以下であり、 被覆無機膜50は、被覆絶縁層30を覆うように設けられており、 基板上の固体電池は、それを構成する各層の積層方向が基板の主面の法線方向に沿った形態となっている、 電池パッケージ品200。」 2 甲第2号証について (1)甲第2号証の記載 甲第2号証には、「全固体電池の製造方法」に関して、図面とともに以下の事項が記載されている。 「【請求項1】 下記の工程を含む全固体電池の製造方法: (a)正極集電体層、正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層、及び負極集電体層を、この順で積層してなる単位電池を2以上含む電池積層体を準備すること、ここで、前記正極集電体層、前記正極活物質層、前記固体電解質層、前記負極活物質層、及び前記負極集電体層のうちの少なくとも1層が、前記電池積層体の側面において、他の層よりも外方に延出している延出部を有し、かつ前記延出部間に隙間が形成されている; (b)減圧を用いるキャピラリーアンダーフィル法によって、前記隙間に第1の樹脂を充填し、そして、前記第1の樹脂を硬化させて、第1の樹脂層を形成すること;並びに (c)射出成形法、トランスファー成形法、又はディッピング成形法によって、前記第1の樹脂層の側面及び前記電池積層体の側面を第2の樹脂で覆い、そして前記第2の樹脂を硬化させて、第2の樹脂層を形成すること。」 「【0008】 したがって、本開示は、上記事情を鑑みてなされたものであり、延出部間の隙間まで樹脂層で確実に被覆しながら、電池積層体の側面に形成される樹脂層の寸法のバラツキを抑制することができる全固体電池の製造方法を提供することを目的とする。」 「【0046】 例えば、図2は、本開示の全固体電池の一例を示す概略断面図である。本開示の全固体電池100は、単位電池6a、6b、6c、及び6dを含む電池積層体10を有する。図2に示されているように、固体電解質層3b及び固体電解質層3cはそれぞれ、電池積層体10の側面において、他の層(例えば、正極活物質層2b、正極集電体層1b(1c)、及び正極活物質層2c)よりも外方に延出している延出部30b及び30cを有し、かつ延出部30b及び30cの間に隙間が形成されており、隙間に充填されている第1の樹脂層、並びに第1の樹脂層11及び電池積層体の側面を覆っている第2の樹脂層12を有する。」 「【0083】 また、第1の樹脂層及び第2の樹脂層には、樹脂材料以外にも、例えば無機フィラー等の添加剤を含有されていてもよい。なお、第1の樹脂層に含まれる添加剤と第2の樹脂層に含まれる添加剤とは、同じであってもよく、異なっていてもよい。 【0084】 無機フィラーに用いられる材料は、全固体電池内で安定に存在できるものであれば、特に限定されない。例えば、酸化物(アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、その他CeO2、Y2O3、La2O3、LiAlO2、Li2O、BeO、B2O3、Na2O、MgO、P2O5、CaO、Cr2O3、Fe2O3、ZnO等)、多孔質複合セラミックス(ゼオライト、セピオライト、パリゴルスカイト等)、窒化物(Si3N4、BN、AIN、TiN、Ba3N2等)、炭化物(SiC、ZrC、B4C)、炭酸塩(MgCO3、CaCO3等)、又は硫酸塩(CaSO4、BaSO4等)等が無機フィラーとして用いられるが、これらに限定されない。また、これらの無機フィラーに用いられる材料は単一であってもよく、2種類以上混合したものであってもよい。」 「【図2】 [図:0001434207000003.jpg] 」 「【0088】 1a、1b、1c、1d 正極集電体層 1e、1f、1g、1h、1j、1k、1l 正極集電体層 2a、2b、2c、2d 正極活物質層 2e、2f、2g、2h、2j、2k、2l 正極活物質層 3a、3b、3c、3d、 固体電解質層 3e、3f、3g、3h、3j、3k、3l 固体電解質層 4a、4b、4c、4d 負極活物質層 4e、4f、4g、4h、4j、4k、4l 負極活物質層 5a、5b、5c、5d 負極集電体層 5e、5f、5g、5h、5j、5k、5l 負極集電体層 6a、6b、6c、6d、6e、6f、6g、6h、6j、6k、6l 単位電池 10、20 電池積層体 11、21 第1の樹脂層 12、22 第2の樹脂層 30b 固体電解質層3bの延出部 30c 固体電解質層3cの延出部 100 全固体電池」 (2)甲第2号証に記載された技術 上記(1)によれば、甲第2号証には次の技術事項が記載されているといえる。 ア 【請求項1】、【0046】及び図2によれば、甲第2号証には、「前記正極集電体層、前記正極活物質層、前記固体電解質層、前記負極活物質層、及び前記負極集電体層のうちの少なくとも1層が、前記電池積層体の側面において、他の層よりも外方に延出している延出部を有し、かつ前記延出部間に隙間が形成され」、「前記隙間に第1の樹脂を充填し、そして、前記第1の樹脂を硬化させて、第1の樹脂層を形成する」ことが記載されている。 そうすると、甲第2号証には、全固体電池の電池積層体に形成された隙間に第1の樹脂層を形成することが記載されているといえる。 イ 【0083】、【0084】には、「第1の樹脂層には、」「酸化物(アルミナ(Al2O3)、シリカ(SiO2)、チタニア(TiO2)、ジルコニア(ZrO2)、その他CeO2、Y2O3、La2O3、LiAlO2、Li2O、BeO、B2O3、Na2O、MgO、P2O5、CaO、Cr2O3、Fe2O3、ZnO等)、多孔質複合セラミックス(ゼオライト、セピオライト、パリゴルスカイト等)、窒化物(Si3N4、BN、AIN、TiN、Ba3N2等)、炭化物(SiC、ZrC、B4C)、炭酸塩(MgCO3、CaCO3等)、又は硫酸塩(CaSO4、BaSO4等)等」の「無機フィラー等の添加剤を含有」することが記載されている。 そうすると、甲第2号証には、第1の樹脂層には、無機フィラー等の添加剤として、シリカ、P2O5、CaO、等の酸化物やゼオライト等の多孔質複合セラミックを含有することが記載されている。 ウ 上記ア及びイによれば、甲第2号証には、次の技術(以下「甲2記載の技術」という。)が記載されている。 「全固体電池の電池積層体に形成された隙間に、無機フィラー等の添加剤としてシリカ、P2O5、CaO、等の酸化物やゼオライト等の多孔質複合セラミックを含有する第1の樹脂層を形成する」技術。 3 甲第5号証について (1)甲第5号証の記載 甲第5号証には、「導電性ペースト」に関して、以下の事項が記載されている。 「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、IC,LSI等の半導体素子をリードフレーム等の基板に接続するのに適した導電性ペースト、それを用いた回路接続方法及び多層回路基板に関する。」 「【0003】 【発明が解決しようとする課題】電子部品の小型、軽量化及び薄型化に伴い、多層回路基板の各層の電気回路間の接続材料には導電性に優れ接続信頼性の高いペースト材料が要求されている。従来、ペースト材料は目的の導電性を得るために高価な銀粉等のフィラーを多量に配合する必要があり、コスト低減の障害となっていた。即ち、従来のペースト材料では導電性フィラーの配合量を低減すると、優れた導電特性及び接着特性の付与が難しかった。本発明は、導電性及び接続信頼性に優れ、コスト低減の効果の大きい導電性ペーストを提供する。また、該導電性ペーストを用いた回路接続方法及び多層回路基板を提供する。」 「【0022】本発明の導電性ペーストには、必要に応じて酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の接着力向上剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤、シリコン油等の消泡剤、無機イオン交換体等のイオントラップ剤等を適宜添加することができる。 【0023】更に、本発明の導電ペーストに用いられるフィラーとしては、例えば金、銀、銅、ニッケル、鉄、アルミニウム、ステンレス、酸化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ酸アルミ等の他表面に金属(層)を有する粉体、更には、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄等を本発明の効果を損なわない範囲で添加することもできる。フィラーの配合量は、導電性ペースト組成物総量に対して1~85重量%が好ましい。これらのフィラーは単独又は2種以上混合して使用することができる。」 (2)甲第5号証に記載された技術 上記(1)によれば、甲第5号証には次の技術事項が記載されているといえる。 ア 【0001】、【0003】の記載によれば、甲第5号証には、「IC,LSI等の半導体素子をリードフレーム等の基板に接続するのに適した」「導電性及び接続信頼性に優れ、コスト低減の効果の大きい導電性ペースト」が記載されている。 イ 【0022】、【0023】には、「導電性ペーストには、」「酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤」を「添加」し、「更に、」「導電ペーストに用いられるフィラーとして」「シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄等を」「添加すること」が記載されている。 ウ 上記ア及びイによれば、甲第5号証には、次の技術(以下「甲5記載の技術」という。)が記載されている。 「IC,LSI等の半導体素子をリードフレーム等の基板に接続するのに適した、導電性及び接続信頼性に優れ、コスト低減の効果の大きい導電性ペーストにおいて、導電性ペーストには、酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤を添加し、更に、導電ペーストに用いられるフィラーとして、シリカ、アルミナ、チタニア、ガラス、酸化鉄等を添加する」技術。 第5 当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「固体電池100」における「正極層110」、「負極層120」、「固体電解質130」はそれぞれ、本件発明1の「正極層」、「負極層」、「固体電解質層」に相当する。 また、甲1発明の「正極層110、負極層120、およびそれらの間に少なくとも介在する固体電解質130から成る電池構成単位を含んだ、一体焼結体を成している固体電池積層体」は、本件発明1の「正極層、負極層および該正極層と該負極層との間に介在する固体電解質層が積層された積層部を有して成る固体電池積層体」に相当する。 イ 甲1発明の「固体電池100」は「固体電池積層体」を有している。 甲1発明は、「固体電池100が全体として包囲されるように、その周囲に支持基板10、被覆絶縁層30および被覆無機膜50が設けられたパッケージ構造を有している、SMD(SMD:Surface Mount Device)タイプの電池である電池パッケージ品200」であるところ、「SMD(SMD:Surface Mount Device)」は、表面実装部品のことであるから、甲1発明の「電池パッケージ品200」は、本件発明1の「固体電池積層体を備えた、表面実装されるようにパッケージ化された固体電池」に相当する。 ウ 以上によれば、本件発明1と甲1発明とは、 「正極層、負極層および該正極層と該負極層との間に介在する固体電解質層が積層された積層部を有して成る固体電池積層体を備えた、表面実装されるようにパッケージ化された固体電池。」 である点で一致し、次の点で相違する。 〈相違点〉 本件発明1は、「前記固体電池における基本的構成である、前記固体電池積層体に対する外部端子、前記積層部内に有する非活性物質部、前記積層部の絶縁最外層、前記固体電池積層体を被覆する被覆絶縁膜、前記固体電池積層体を支持する支持基板のうち、少なくとも一つまたは複数に吸湿材が混ぜ込まれている」構成であるのに対して、甲1発明は、そのような構成ではない点。 (2)判断 ア 相違点について 甲1発明の「被覆絶縁層30」は「固体電池100の頂面100Aおよび側面100Bを少なくとも覆うように設けられ、樹脂材から成る被覆絶縁層30が水蒸気透過防止フィラーであるシリカを含んでおり、被覆無機膜50とともにより好適な水蒸気透過バリアとして供され」るものの、本件発明1のように、吸湿材が混ぜ込まれている構成ではないし、甲第1号証にも、そのように構成することを示唆する記載もない。 そして、甲第1号証の[0039]には、「被覆絶縁層の材質は、絶縁性を呈するものであればいずれの種類であってよい。」(上記第4の1(1))と記載されているように、甲1発明の「被覆絶縁層30」は、絶縁性を呈するものであればよいのであるから、吸湿材が混ぜ込まれているように構成することの動機付けもない。 また、申立人が主張する甲第2号証や甲第5号証をみても、上記第4の2(2)ウの甲2記載の技術や上記第4の3(2)ウの甲5記載の技術が認定できるだけであって、相違点に係る構成は記載も示唆もされていない。 さらに、申立人が主張する甲第3、4、6、7号証のいずれをみても、相違点に係る構成は記載も示唆もされていない。 したがって、甲1発明及び甲第2~7号証に記載された発明に基づいて本件発明1の相違点に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たとはいえない。 そして、本件特許の明細書の段落【0014】に「より具体的には、本発明のパッケージ化された固体電池では、固体電池の構成要素に、吸湿材を混ぜ込ませているため、水分を吸湿するための部材を別途に設けることがなく、固体電池内の水分を吸湿することができる。したがって、固体電池内部に水分が侵入することを低減することが可能である。」、段落【0015】に「また、固体電池の構成要素に、吸湿材を混ぜ込ませているため、固体電池積層体の体積増加を抑えることができる。したがって、固体電池の体積当たりのエネルギー密度を低下させずにパッケージの小型化を実現できる。」と記載されているように、本件発明1は、顕著な効果を奏するものである。 イ 申立人の主張について 申立人は、甲第1号証自体が水蒸気透過防止の必要性を強調している以上、当業者は、甲1発明において、甲第2号証の構成や、甲第5号証の構成を適宜採用する動機付けを有するから、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証や甲第5号証の記載に基づいて当業者が容易に想到し得る旨主張する。 しかしながら、上記アのとおり、甲第2号証や甲第5号証には、相違点に係る構成は記載も示唆もされていないし、甲1発明において、相違点の構成を採用する動機付けもない(なお、甲第2号証には、申立人が主張する吸湿性無機フィラーは記載されていないし、甲第5号証は固体電池の発明ではない。)。 したがって、申立人の主張は採用できない。 (3)まとめ 以上によれば、本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1~7号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本件特許の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 2 本件発明2~14について 本件特許の請求項2~14は、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項であって、本件発明2~14は、本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記1と同様の理由により、本件特許の請求項2~14に係る発明は、甲第1~7号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 したがって、本件特許の請求項2~14に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 第6 むすび 以上のとおり、申立人が主張する特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1~14に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~14に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2026-700027

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