特許異議申立
2025-701002
アイスクリーム保形用組成物
- 審判番号
- 2025-701002
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-070738
- 登録番号
- 7664582
- 請求日
- 2025年10月16日
- 審決日
- 2026年03月16日
- 公報発行日
- 2026年04月24日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】松谷化学工業株式会社
- 【異議申立人】高橋 良和
- 審判長/審判官
- 審判長 天野 宏樹
- 審判官 松田 成正
- 審判官 加藤 友也
- 分類
- P1651.113-Y (A23G) / P1651.121-Y (A23G)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条1項3号特許法29条2項特許法113条2号
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7664582号発明「アイスクリーム保形用組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7664582号の請求項1ないし10に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7664582号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし10に係る特許についての出願は、令和3年4月20日の出願であって、令和7年4月10日にその特許権の設定登録(請求項の数10)がされ、同年同月18日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年10月16日に特許異議申立人 高橋 良和(以下、「特許異議申立人」という。)から特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし10)がされたものである。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1ないし10に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。)は、それぞれ、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉を含んでなる、アイスクリームに対して酸化澱粉を3~5%(w/w)添加するための、アイスクリーム保形用組成物。
【請求項2】
酸化澱粉が、15%(w/v)糊液で10mPa・s以上、かつ、10%(w/v)糊液で6100mPa・s以下である、請求項1記載のアイスクリーム保形用組成物。
【請求項3】
保形が、溶け落ちの抑制である、請求項1又は2記載のアイスクリーム保形用組成物。
【請求項4】
エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉を3~5%(w/w)含むアイスクリームミックス。
【請求項5】
酸化澱粉が、15%(w/v)糊液で10mPa・s以上、かつ、10%(w/v)糊液で6100mPa・s以下である、請求項4記載のアイスクリームミックス。
【請求項6】
エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉を3~5%(w/w)含むアイスクリーム。
【請求項7】
酸化澱粉が、15%(w/v)糊液で10mPa・s以上、かつ、10%(w/v)糊液で6100mPa・s以下である、請求項6記載のアイスクリーム。
【請求項8】
エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉をアイスクリームの原料中に3~5%(w/w)添加し、65℃以上の加熱工程をとることを特徴とする、アイスクリームの製造方法。
【請求項9】
エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉を、アイスクリームの原料中に3~5%(w/w)となるよう添加し加熱してから冷却する、アイスクリームの保形方法。
【請求項10】
保形が、溶け落ちの抑制である、請求項9記載のアイスクリームの保形方法。」
第3 特許異議申立書に記載された特許異議申立ての理由の概要等
令和7年10月16日に特許異議申立人から提出された特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載された特許異議申立ての理由の概要及び証拠方法は次のとおりである。
1 申立理由1(甲第1号証に基づく新規性)
本件特許発明1、3、4、6及び10は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1、3、4、6及び10に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 申立理由2(甲第1ないし4号証に基づく進歩性)
本件特許発明1ないし10は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1ないし4号証に記載された発明に基づいてその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、同法同条の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
なお、特許異議申立人は、特許異議申立書において、甲第2ないし4号証に記載された発明を認定して、独立請求項に係る発明である本件特許発明1、4、6、8及び9との対比・判断を行っていないことから、申立理由2は実質的には甲第1号証に基づく進歩性、すなわち甲第1号証を主引用文献とする進歩性であると当審は判断する。
3 証拠方法
甲第1号証:特開2005-95170号公報
甲第2号証:特開2014-236669号公報
甲第3号証:特開2006-42727号公報
甲第4号証:特開平11-155490号公報
証拠の表記は、特許異議申立書の記載におおむね従った。以下、順に「甲1」のようにいう。
第4 申立理由1(甲1に基づく新規性)及び申立理由2(甲1ないし4に基づく進歩性)について
1 甲1に記載された事項等
(1)甲1に記載された事項
甲1には、「冷凍デザート用澱粉」に関しておおむね次の事項が記載されている。下線は予め付されたものと当審で付したものである。
・「【特許請求の範囲】
【請求項1】
凍結状態の間にゲル化し得る機能性澱粉を含む冷凍デザートであって、約1.0以下のtanδを有する、冷凍デザート。
・・・(略)・・・
【請求項7】
アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される、請求項1に記載の冷凍デザート。
・・・(略)・・・
【請求項9】
冷凍糖菓を調整するためのプロセスであって、該プロセスが、
凍結状態の間にゲル化し得る機能性澱粉を含む、該冷凍糖菓のための配合剤の混合物を調整する工程、但し該混合物が約1.0以下のtanδを有する、
及び該混合物を約-2℃~約-8℃の温度範囲内で凍結する工程を含み、
そこでは、該凍結工程が該澱粉のゲル化を引起こすものであり、そして
該冷凍糖菓が、配合剤として該澱粉を有さない冷凍糖菓に比べてメルトダウンにおいて向上したものである、
プロセス。
【請求項10】
冷凍デザート類に使用するための機能性澱粉であって、該澱粉が、該冷凍デザートに配合されたときに、約1.0以下のtanδを該冷凍デザートに提供するものであり、
そこでは、該機能性澱粉が凍結状態の間にゲル化し得るものであり、そして
該機能性澱粉が、該機能性澱粉無しで調整された冷凍デザートに対して、該冷凍デザートの改善されたメルトダウン、低減された冷たさ及び/又は低減された膨張/収縮を提供するものである、
機能性澱粉。」
・「【0001】
本発明は、冷凍食品製品に用いるための澱粉に関するものである。更に詳細には、本発明は、高度又は圧力の変化による、デザートの、遅いメルトダウン、優れた形状保持性、低減された冷たさ、より大きな熱衝撃安定性、及び低減された膨張及び収縮を含む、改善された構造特性を得るために、冷凍デザート(dessert)に使用するための機能性の澱粉又は澱粉誘導体に向けられている。」
・「【0003】
ここで使用されるように、冷凍デザート、冷凍糖菓又は冷凍製品は、その中に水が液体状態と冷凍状態の両方の状態で存在する製品を言う。冷凍デザート類の例は、アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類を含む。ここで使用されるように、冷凍ノベルティ(novelties)は、棒上、サンドイッチ又はコーン中で得られるような冷凍デザート類を言う。」
・「【0020】
本発明は、冷凍デザート類において、温度サイクル中のメルトダウンの低減、改良された形状保持性及び/又は氷晶成長の危険性の減少を含む改良された構造的特長を有するのに有用な機能性の澱粉及び/又は澱粉誘導体類に向けられている。本発明は、またそれらの機能性澱粉及び/又は澱粉誘導体類を含む冷凍デザートにも向けられている。冷凍デザートは、脂肪、甘味料類、無脂乳固形分類、安定剤類、水及び澱粉を含み得る。本発明の機能性の澱粉及び/又は澱粉誘導体類は、いかなる他の固形分の少なくとも一部を置き換えるためにも使用されることが出来、あるいはそれらの固形分の上に追加されることも出来る。」
・「【0029】
本発明のために用いられる澱粉をベースとした材料は、シリアル(cereal)又は根澱粉類を含むいかなる入手源から得られても良い。その澱粉の代表的な入手源は、シリアル類、塊茎澱粉類、根澱粉類、豆科植物類及び果物類である。天然の澱粉源は、例えばいかなる種類のコーン(とうもろこし)、えんどう(pea)、じゃがいも、さつまいも、バナナ、大麦(barley)、小麦(wheat)、米、オート(oat)、サゴ(sago)、アマランス(amaranth)、タピオカ(tapioca)、アロールート(arrowroot)、カンナ、モロコシ(sorghum)及びワキシー(waxy)並びにそれらの高アミロース変種を含む。ここで使用されるように、「ワキシー」(waxy)は、約10重量%以下のアミロースを含有する澱粉類を含む。ここで使用されるように、「高アミロース」(high amylose)は、少なくとも約40重量%のアミロースを含有する澱粉類を含む。ここで使用されるように、「アミロース含有」(amylose-containing)は、少なくとも約10重量%のアミロースを含有する澱粉類を含む。好ましくは、澱粉をベースとした材料は、ワキシーコーンスターチ又はアミロース含有澱粉のようなアミロペクチン澱粉である。
【0030】
粒状澱粉ベースは、約0~約80の水流動性(WF)までに軽く転化又は加水分解されているものであり得る。「水流動性」(water fluidity(WF))の語は、更に以下に記載されるように非常に特別な意味を有する。澱粉は、ここで定義される化工澱粉(modified starch)をもたらす減成の妥当な方法を用いて、その流動性又はさらさらした沸騰性(thin-boiling)の形に転化される。そのような減成は、例えば、硫酸又は塩酸のような酸で緩和な酸加水分解、過酸化水素での転化、あるいは酵素転化を含む。転化された澱粉生成物は、種々の技術によって転化された異なる澱粉類の混合物、加えて未転化の澱粉(類)と混合された転化澱粉(類)を含む。商業的には、澱粉は、通常酸又は酵素での転化技術によって転化される。過酸化水素も、単独で、又は金属触媒と共に、澱粉を転化又は細分化するために使用され得る。」
・「【0040】
澱粉は、特定の最終用途のために望まれる特性を達成するのに必要ないかなる量で使用されても良い。一般に澱粉は、製品の少なくとも約4重量%までの量で使用される。」
・「【0044】
澱粉に加えて、冷凍デザートを作るために使用される配合剤は、ミルク脂肪、無脂乳固形分、甘味料類、安定剤類、乳化剤類および水を含む。脂肪成分は、植物又は動物の脂肪、水素化物その他であり得る。植物脂肪は、やし科植物、ココナッツ、パーム核油のような脂肪の混合物であり得る。ミルク無脂乳固形分は、粉末ミルク又は濃縮スキムミルク、加えて粉末ホエー又は濃縮脱脂スイートホエーを含み得る。」
・「【0048】
冷凍デザートの調整プロセスは、以下の通りである。配合剤の混合物が、気泡形成を避けて適正な水和を確保するように充分長い間ブレンドされた混合物の形で、準備される。その混合物は、次いでその分野の標準的な技術によって、殺菌され、そして均質化される。均質化は、1工程又は2工程で行われる。その混合物は、次いで通常約2℃~約8℃の冷蔵温度に冷却され、そして通常約4時間~約24時間の間必要に応じて熟成される。殺菌、均質化及び冷却の工程は、回分工程で又は連続的に実施され得る。熟成後、その混合物は、約30%~約120%の製品オーバーランまで、通常約-2℃~約-18℃で早急に冷凍される。凍結及び実質的な温度サイクルの間に、澱粉のゲル化が生じ得る。この冷凍された混合物は、次いで通常約12時間~約48時間の間、約-20℃~約-40℃の温度にされて固められる。」
・「【0050】
実験の手順
A.評価された澱粉
多くの澱粉が、低脂肪(5%)の対照アイスクリーム、及び通常(regular)脂肪のアイスクリーム、又はフル(full)脂肪(10%)の商業的に入手可能なアイスクリームに関して、アイスクリーム中での形状保持性(即ちメルトダウン)、低減された冷たさ(即ち氷晶の最小化成長)、及び気圧の変化による低減された膨張/収縮(例えば高い高度での輸送)に対する有効性について評価された。澱粉類は、またアイスクリームが高い高度で輸送される場合の気圧の変化によるアイスクリームの膨張及び収縮の防止に関するそれらの有効性についても評価された。17個の異なる実例としての澱粉サンプルが、下記表1に特定される。
【0051】
【表1】
[図:0001434189000001.jpg]
【0052】
B.アイスクリームの調整
3個の異なる低脂肪(5%)アイスクリーム配合物が、以下に特定される配合と手順に従って調整された。
【0053】
【表2】
[図:0001434189000002.jpg]
【0054】
全蔗糖の40%及び乳化剤/安定剤のブレンド物が、スキムミルク中に分散され、5分間混合された。NFDMの乾燥ブレンド物、残りの蔗糖、固形コーンシロップ及び評価されるべき澱粉製品(要求に応じて)が、添加され、10分間混合された。重いクリームが次いでその混合物に添加され、そしてその混合物が泡立ちを避けるようにやさしくブレンドされた。共にブレンドされるべき全ての配合剤と共に、その混合物が次いで殺菌され、均質化され、そして4℃に冷却された。殺菌は、82℃で30秒間実施され、均質化は、最初に17MPaで、次いで3.4MPaの2段階で実施された。香料が次いでそのアイスクリームに添加された。そのアイスクリーム混合物は、4℃で一晩熟成された。この混合物は、次いで連続冷凍庫(Waukesha Cherry-Burrell(ウィスコンシン州 Delavan)から入手可能なTechnogel 100)中で、流量を一定に保ち空気に供給を調節しながら、オーバーラン100%に冷凍された。その混合物は、8オンス(237ml)のサンプル用カップ中に充填され、-20℃に冷却され、次いで-30℃で24時間固められた。得られたアイスクリームは、標準的な栄養上のデータを使用してなされた計算に基づいて、約5%のバター脂肪、10%の無脂乳固形分(MSNF)、及び37%の固形分を含有する。各サンプルカップは、更なる評価の前に、次のCセクションで記載されるような熱衝撃処理がなされた。」
(2)甲1に記載された発明
甲1に記載された事項を、特に【請求項1】、【請求項7】、【請求項9】、【請求項10】、【0029】、【0030】、【0040】及び【0044】に関して整理すると、甲1には次の発明(以下、順に「甲1-1発明」、「甲1-2発明」、「甲1-3発明」、「甲1-4発明」及び「甲1-5発明」という。)が記載されていると認める。
<甲1-1発明>
「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉を含んでなる、アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートに少なくとも約4重量%までの量で使用するための、冷凍デザートにおいて、改良された形状保持性に有用な機能性澱粉。」
なお、特許異議申立人は、特許異議申立書において、「以上より、甲第1号証には以下の甲1-1発明が記載されている。
A)エンドウ豆澱粉を原料とする、
B)酸化澱粉を含んでなる、
C)製品に対して酸化澱粉を4重量%(w/w)以下までの量で添加するための、
D)アイスクリーム保形用組成物。」(特許異議申立書第11ページ)旨主張するが、甲1の【0029】には、「えんどう(pea)」は他の多くの澱粉源と並んで例示されているに留まり、「えんどう(pea)」が実施例として記載されている訳でも、他の澱粉源よりも好ましい例として挙げられている訳でもないし、澱粉の転化技術が酸による転化、すなわち酸化に限られている訳でもないから、上記のような甲1-1発明を認定することはできない。また、特許異議申立人が、特許異議申立書において、甲1に記載されていると主張する甲1-2ないし甲1-5発明についても同様である。
<甲1-2発明>
「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉を少なくとも約4重量%までの量で使用するアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートを作るために使用される混合物。」
<甲1-3発明>
「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉を少なくとも約4重量%までの量で使用するアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザート。」
<甲1-4発明>
「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉をアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの少なくとも約4重量%までの量で使用するアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの調整プロセス。」
<甲1-5発明>
「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉をアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの少なくとも約4重量%までの量で使用するアイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの形状保持性の改良方法。」
2 本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と甲1-1発明を対比する。
甲1-1発明における「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」は本件特許発明1における「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と、「澱粉」という限りにおいて一致する。
甲1-1発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートに少なくとも約4重量%までの量で使用する」は本件特許発明1における「アイスクリームに対して酸化澱粉を3~5%(w/w)添加する」と、「冷凍デザートに対して添加する」という限りにおいて一致する。
甲1-1発明における「冷凍デザートにおいて、改良された形状保持性に有用な機能性澱粉」は本件特許発明1における「アイスクリーム保形用組成物」と、「冷凍デザート保形用組成物」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「澱粉を含んでなる、冷凍デザートに対して添加するための、冷凍デザート保形用組成物。」
そして、両者は次の点で相違又は一応相違する。
<相違点1a>
「澱粉」に関して、本件特許発明1においては「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と特定されているのに対し、甲1-1発明においては「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」と特定されている点。
<相違点1b>
「冷凍デザートに対して添加する」に関して、本件特許発明1においては「アイスクリームに対して酸化澱粉を3~5%(w/w)添加する」と特定されているのに対し、甲1-1発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートに少なくとも約4重量%までの量で使用する」と特定されている点。
<相違点1c>
「冷凍デザート保形用組成物」に関して、本件特許発明1においては「アイスクリーム保形用組成物」と特定されているのに対し、甲1-1発明においては「冷凍デザートにおいて、改良された形状保持性に有用な機能性澱粉」と特定されている点。
(2)判断
相違点1aについて検討する。
甲1の【0029】に「天然の澱粉源は、例えばいかなる種類のコーン(とうもろこし)、えんどう(pea)、じゃがいも、さつまいも、バナナ、大麦(barley)、小麦(wheat)、米、オート(oat)、サゴ(sago)、アマランス(amaranth)、タピオカ(tapioca)、アロールート(arrowroot)、カンナ、モロコシ(sorghum)及びワキシー(waxy)並びにそれらの高アミロース変種を含む」という記載があるものの、「えんどう(pea)」は他の多くの澱粉源と並んで例示されているに留まり、「えんどう(pea)」が実施例として記載されている訳でも、他の澱粉源よりも好ましい例として挙げられている訳でもない。
また、甲1-1発明において、澱粉の転化技術が酸による転化、すなわち酸化に限られている訳でもない。
そうすると、相違点1aが実質的な相違点であることは当業者に明らかである。
そして、甲1には、甲1-1発明において、「天然の澱粉源」として「エンドウ豆澱粉」を採用し、「転化技術」として「酸」での「転化技術」、すなわち「酸化」を採用して、相違点1aに係る本件特許発明1の発明特定事項を採用する動機付けとなる記載はないし、他の証拠にもない。
したがって、甲1-1発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点1aに係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明1は、「エンドウ豆の酸化澱粉」を「アイスクリーム」に対して「3~5%(w/w)添加する」という条件を満たさない場合と比べて、「口どけがよく、室温以上の空気に曝されても溶け落ちにくいアイスクリーム類を提供できる」(本件特許の発明の詳細な説明の【0010】、【0023】、【0024】、【0026】、【0027】、【0030】及び【0031】)という本件特許発明1の構成から当業者が予測することのできた範囲の効果を超える顕著な効果を奏するものである。
(3)本件特許発明1についてのまとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は甲1-1発明であるとはいえないし、甲1-1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
3 本件特許発明2について
本件特許発明2は、請求項1の記載を引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1-1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本件特許発明3について
本件特許発明3は、請求項1の記載を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明1と同様に、甲1-1発明であるとはいえないし、甲1-1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
5 本件特許発明4について
(1)対比
本件特許発明4と甲1-2発明を対比する。
甲1-2発明における「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」は本件特許発明4における「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と、「澱粉」という限りにおいて一致する。
甲1-2発明における「少なくとも約4重量%までの量で使用する」は本件特許発明4における「3~5%(w/w)含む」と、「含む」という限りにおいて一致する。
甲1-2発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートを作るために使用される混合物」は本件特許発明4における「アイスクリームミックス」と、「冷凍デザートを作るために使用される混合物」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「澱粉を含む冷凍デザートを作るために使用される混合物。」
そして、両者は次の点で相違又は一応相違する。
<相違点4a>
「澱粉」に関して、本件特許発明4においては「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と特定されているのに対し、甲1-2発明においては「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」と特定されている点。
<相違点4b>
「含む」に関して、本件特許発明4においては「3~5%(w/w)含む」と特定されているのに対し、甲1-2発明においては「少なくとも約4重量%までの量で使用する」と特定されている点。
<相違点4c>
「冷凍デザートを作るために使用される混合物」に関して、本件特許発明4においては「アイスクリームミックス」と特定されているのに対し、甲1-2発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートを作るために使用される混合物」と特定されている点。
(2)判断
相違点4aについて検討する。
相違点4aは相違点1aと実質的に同じであるから、それについての判断も同じである。
すなわち、相違点4aは実質的な相違点であることは当業者に明らかであり、甲1-2発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点4aに係る本件特許発明4の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明4は、本件特許発明1と同様に、本件特許発明4の構成から当業者が予測することのできた範囲の効果を超える顕著な効果を奏するものである。
(3)本件特許発明4についてのまとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明4は甲1-2発明であるとはいえないし、甲1-2発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
6 本件特許発明5について
本件特許発明5は、請求項4の記載を引用して特定するものであり、本件特許発明4の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明4と同様に、甲1-2発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
7 本件特許発明6について
(1)対比
本件特許発明6と甲1-3発明を対比する。
両者の間には、本件特許発明4と甲1-2発明の間と同様の相当関係が成り立つ。
甲1-3発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザート」は本件特許発明6における「アイスクリーム」と、「冷凍デザート」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「澱粉を含む冷凍デザート。」
そして、両者は次の点で相違又は一応相違する。
<相違点6a>
「澱粉」に関して、本件特許発明6においては「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と特定されているのに対し、甲1-3発明においては「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」と特定されている点。
<相違点6b>
「含む」に関して、本件特許発明6においては「3~5%(w/w)含む」と特定されているのに対し、甲1-3発明においては「少なくとも約4重量%までの量で使用する」と特定されている点。
<相違点6c>
「冷凍デザート」に関して、本件特許発明6においては「アイスクリーム」と特定されているのに対し、甲1-3発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザート」と特定されている点。
(2)判断
相違点6aについて検討する。
相違点6aは相違点1aと実質的に同じであるから、それについての判断も同じである。
すなわち、相違点6aは実質的な相違点であることは当業者に明らかであり、甲1-3発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点6aに係る本件特許発明6の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明6は、本件特許発明1と同様に、本件特許発明6の構成から当業者が予測することのできた範囲の効果を超える顕著な効果を奏するものである。
(3)本件特許発明6についてのまとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明6は甲1-3発明であるとはいえないし、甲1-3発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
8 本件特許発明7について
本件特許発明7は、請求項6の記載を引用して特定するものであり、本件特許発明6の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明6と同様に、甲1-3発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
9 本件特許発明8について
(1)対比
本件特許発明8と甲1-4発明を対比する。
甲1-4発明における「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」は本件特許発明8における「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と、「澱粉」という限りにおいて一致する。
甲1-4発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの少なくとも約4重量%までの量で使用する」は本件特許発明8における「アイスクリームの原料中に3~5%(w/w)添加し」と、「冷凍デザートの原料中に添加する」という限りにおいて一致する。
甲1-4発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの調整プロセス」は本件特許発明8における「アイスクリームの製造方法」と、「冷凍デザートの製造方法」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「澱粉を冷凍デザートの原料中に添加する、冷凍デザートの製造方法。」
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点8a>
「澱粉」に関して、本件特許発明8においては「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と特定されているのに対し、甲1-4発明においては「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」と特定されている点。
<相違点8b>
「冷凍デザートの原料中に添加する」に関して、本件特許発明8においては「アイスクリームの原料中に酸化澱粉を3~5%(w/w)添加し」と特定されているのに対し、甲1-4発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートに少なくとも約4重量%までの量で使用する」と特定されている点。
<相違点8c>
本件特許発明8においては「65℃以上の加熱工程をとる」と特定されているのに対して、甲1-4発明においてはそのようには特定されていない点。
<相違点8d>
「冷凍デザートの製造方法」に関して、本件特許発明8においては「アイスクリームの製造方法」と特定されているのに対して、甲1-4発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの調整プロセス」と特定されている点。
(2)判断
相違点8aについて検討する。
相違点8aは相違点1aと実質的に同じであるから、それについての判断も同じである。
すなわち、甲1-4発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点8aに係る本件特許発明8の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明8は、本件特許発明1と同様に、本件特許発明8の構成から当業者が予測することのできた範囲の効果を超える顕著な効果を奏するものである。
(3)本件特許発明8についてのまとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明8は甲1-4発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
10 本件特許発明9について
(1)対比
本件特許発明9と甲1-5発明を対比する。
両者の間には、本件特許発明8と甲1-4発明の間と同様の相当関係が成り立つ。
甲1-5発明における「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの少なくとも約4重量%までの量で使用する」は本件特許発明9における「アイスクリームの原料中に3~5%(w/w)となるよう添加し」と、「冷凍デザートの原料中に添加する」という限りにおいて一致する。
甲1-5発明における「冷凍デザートの形状保持性の改良方法」は本件特許発明9における「アイスクリームの保形方法」と、「冷凍デザートの保形方法」という限りにおいて一致する。
そうすると、両者は次の点で一致する。
<一致点>
「澱粉を、冷凍デザートの原料中に添加する、冷凍デザートの保形方法。」
そして、両者は次の点で相違する。
<相違点9a>
「澱粉」に関して、本件特許発明9においては「エンドウ豆澱粉を原料とする酸化澱粉」と特定されているのに対し、甲1-5発明においては「天然の澱粉源をベースとし、酸又は酵素での転化技術によって転化される澱粉」と特定されている点。
<相違点9b>
「冷凍デザートの原料中に添加する」に関して、本件特許発明9においては「アイスクリームの原料中に酸化澱粉を3~5%(w/w)となるよう添加し」と特定されているのに対し、甲1-5発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートに少なくとも約4重量%までの量で使用する」と特定されている点。
<相違点9c>
本件特許発明9においては「加熱してから冷却する」と特定されているのに対して、甲1-5発明においてはそのようには特定されていない点。
<相違点9d>
「冷凍デザートの保形方法」に関して、本件特許発明9においては「アイスクリームの保形方法」と特定されているのに対して、甲1-5発明においては「アイスクリーム、アイスミルク、ウオーターアイス及びパフェー類から成る群から選択される冷凍デザートの形状保持性の改良方法」と特定されている点。
(2)判断
相違点9aについて検討する。
相違点9aは相違点1aと実質的に同じであるから、それについての判断も同じである。
すなわち、甲1-5発明において、甲1及び他の証拠に記載された事項を考慮しても、相違点9aに係る本件特許発明9の発明特定事項を採用することは、当業者が容易に想到し得たことであるとはいえない。
そして、本件特許発明9は、本件特許発明1と同様に、本件特許発明9の構成から当業者が予測することのできた範囲の効果を超える顕著な効果を奏するものである。
(3)本件特許発明9についてのまとめ
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明9は甲1-5発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
11 本件特許発明10について
本件特許発明10は、請求項9の記載を引用して特定するものであり、本件特許発明9の発明特定事項を全て有するものであるから、本件特許発明9と同様に、甲1-5発明との間に相違点があり、甲1-5発明であるとはいえない。
また、本件特許発明10は、本件特許発明9と同様に、甲1-5発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
12 特許異議申立人の主張について
(1)特許異議申立書第20ないし35ページの[4]における主張について
特許異議申立人の特許異議申立書第20ないし35ページの[4]における主張は、甲1-1発明ないし甲1-5発明のいずれもが「エンドウ豆を原料とする酸化澱粉」という発明特定事項を有していることを前提とする主張であるところ、上記1(2)のとおり、甲1-1発明ないし甲1-5発明のいずれも「エンドウ豆を原料とする酸化澱粉」という発明特定事項を有しているとは認められない。
したがって、特許異議申立人の特許異議申立書第20ないし35ページの[4]における主張は採用できない。
(2)特許異議申立書第35ページの[5]における主張について
特許異議申立人の特許異議申立書第35ページの[5]に、「本件特許発明1~10は、甲第1~4号証のいずれかに記載された発明に基づいて容易想到であり、進歩性を有さない。」と記載されていることから、特許異議申立人は、甲1に記載された事項から認定した発明からだけでなく、甲2ないし4のいずれかに記載された事項から認定した発明に基づいても容易想到である旨主張しているとも解される。
そこで、念のため、検討する。
甲1に記載された事項から認定した発明に基づく進歩性については、上記1ないし11のとおりである。
また、甲2ないし4のいずれかに記載された事項から認定した発明に基づく進歩性については、甲2ないし4のいずれに記載された事項からも「エンドウ豆を原料とする酸化澱粉」という発明特定事項を有する発明を認定することはできないから、甲2ないし4のいずれに記載された事項から発明を認定したとしても、本件特許発明1ないし10は容易想到とはいえない。
したがって、特許異議申立人の特許異議申立書第35ページの[5]における上記主張も採用できない。
13 申立理由1及び2についてのむすび
したがって、本件特許発明1、3、4、6及び10は特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるとはいえないし、本件特許発明1ないし10は同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるともいえないから、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は同法同条の規定に違反してされたものであるとはいえず、同法第113条第2号に該当せず、申立理由1及び2によっては取り消すことはできない。
第5 結語
以上のとおり、本件特許の請求項1ないし10に係る特許は、特許異議申立書に記載された特許異議申立ての理由によっては取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2025-701002