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特許異議申立

2025-700184

レバースイッチ及びオートライト制御装置

審判番号
2025-700184
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-195047
登録番号
7534068
請求日
2025年02月13日
審決日
2026年02月02日
公報発行日
2026年05月29日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】トヨタ自動車株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人小笠原特許事務所
  • 【異議申立人】田中 理紗
審判長/審判官
  • 審判長 倉橋 紀夫
  • 審判官 草野 顕子
  • 審判官 高橋 学
分類
P1651.113-YAA(B60Q) / P1651.121-YAA(B60Q) / P1651.16 -YAA(B60Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第29条の2、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7534068号発明「レバースイッチ及びオートライト制御装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7534068号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、〔4~7〕について訂正することを認める。 特許第7534068号の請求項1及び4~7に係る特許を維持する。 特許第7534068号の請求項2及び3に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7534068号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成30年10月16日に出願され、令和6年8月5日にその特許権の設定登録がされ、同年8月14日に特許掲載公報が発行された。 その後、特許異議申立人田中理紗(以下「申立人」という。)による特許異議の申立てがされた。 本件特許についての申立人による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和7年 2月13日 :特許異議の申立て(全請求項)の受付 同年 3月31日 :手続補正書(方式)の受付 同年 6月26日付け:取消理由通知書 同年 8月28日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年10月 7日 :申立人による意見書の受付 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和7年8月28日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」といい、本件訂正の請求を「本件訂正請求」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、」と記載されているのを、 「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を表す図及び/又は文字と共にその順番で固定的に設けられており、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「前記制御部は、前記ヘッドライトを消灯状態にした後、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続した場合、さらに前記スモールライトを消灯状態にする、請求項3に記載のオートライト制御装置。」と記載されているのを、 「レバー本体と前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子とを備えた、車両が備えるライトを制御するレバースイッチと、車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部と、を備えた、オートライト制御装置であって、前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有し、前記制御部は、前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にし、前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態にし、前記ヘッドライトを消灯状態にした後、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続した場合、さらに前記スモールライトを消灯状態にする、オートライト制御装置。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「請求項2に記載のオートライト制御装置。」と記載されているのを、「請求項4に記載のオートライト制御装置。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「請求項2に記載のオートライト制御装置。」と記載されているのを、「請求項4に記載のオートライト制御装置。」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7に「請求項2に記載のオートライト制御装置。」と記載されているのを、「請求項4に記載のオートライト制御装置。」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1のうち、本件訂正前の請求項1の「前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」との記載を、「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」とする訂正(以下「訂正事項1-1」という。)は、「ライトOFFスイッチ位置」で「指示する」「ヘッドライトの消灯」が「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯」であることを更に特定するものである。 そうすると、訂正事項1-1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 また、訂正事項1のうち、本件訂正前の請求項1の「前記レバー本体には、」「ライトONスイッチ位置、」「オートライトスイッチ位置、及び」「ライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、」との記載を、「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、」「ライトONスイッチ位置、」「オートライトスイッチ位置、及び」「ライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/ 又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、」とする訂正(以下「訂正事項1-2」という。)は、「レバー本体に」「固定的に設けられ」る「回転操作子の操作が可能な回転位置」が、「3つのみ」であって、「各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で」「固定的に設けられる」ことを更に特定するとともに、これに伴って本件訂正前の請求項1の「前記回転操作子の操作が回転可能な固定位置」との記載を、「前記レバー本体には、」の直後に移動して、請求項1の記載の明瞭化を図るものである。 そうすると、訂正事項1-2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 以上から、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 (ア)訂正事項1-1について 本件特許の願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)には、以下の記載がある。 a「図3は、ヘッドライト及びスモールライトが共に点灯(ON)した全灯状態であるときの制御フローチャートである。」(段落【0024】) b「ヘッドライトが点灯(ON)かつスモールライトが点灯(ON)した全灯状態で、回転操作子12がオートライトスイッチ位置(AUTO)にある場合には、次の制御が行われる。」(段落【0026】) c「ステップS34:制御部60は、操作信号に基づいて、回転操作子12のOFF操作が継続して行われている時間が長いか短いかを判断する。・・・OFF操作の継続時間が短い場合には、上記ステップS32のOFF操作に応じて全灯状態から車幅灯状態へ遷移させる(図6に示した[A]→[B]の遷移)。OFF操作の継続時間が長い場合には、上記ステップS32のOFF操作に応じて全灯状態から車幅灯状態を経由して全消状態へ遷移させる(図6に示した[A]→[B]→[C]の遷移)。」(段落【0030】) d「このように、停車時の全灯状態において回転操作子12のOFF操作が長く継続して行われた場合には、まず全灯状態から車幅灯状態へ切り替え(図6の[A]→[B])、さらに車幅灯状態から全消状態へ切り替える(図6の[B]→[C])ことによって、全灯状態から全消状態へ遷移することとなる。」(段落【0031】) そして、これらの記載と図3、6、及び7の記載を踏まえると、本件明細書等には、回転操作子12がライトOFFスイッチ位置に位置する際の消灯の指示が、全灯状態(ヘッドライトが点灯かつスモールライトが点灯)、車幅灯状態(ヘッドライトが消灯しスモールライトが点灯)、全消状態の順番で行われることが記載されているといえるところ、このような消灯の順番は、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯であると認められる。 そうすると、訂正事項1-1は、段落【0024】、【0026】、【0030】、【0031】、並びに図3、6、及び7の記載に基づくものであり、本件特許の明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 (イ)訂正事項1-2について 本件明細書等の段落【0014】には、「・・・回転操作子12は、レバー本体11に設けられた所定の回転位置に基づいて、ヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を操作可能に構成されている。この回転操作子12の回転位置として、図1に示すように、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置(HEAD)、車両周囲の照度に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードを設定するオートライトスイッチ位置(AUTO)、及びヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置(OFF)の各スイッチ位置が、回転方向に沿って順に設けられている。」との記載があり、また、図1には、レバー本体11のライトONスイッチ位置(HEAD)に「HEAD」の文字及び図が設けられ、オートライトスイッチ位置(AUTO)に「AUTO」の文字が設けられ、ライトOFFスイッチ位置(OFF)に「OFF」の文字及び図が設けられることが示されている。 そうすると、本件明細書等には、回転操作子12の回転位置が、ライトONスイッチ位置(HEAD)、オートライトスイッチ位置(AUTO)、及びライトOFFスイッチ位置(OFF)の3つのみであり、それぞれの位置が文字及び図、又は文字によって、回転方向に沿って順にレバー本体11に設けられることが示されているといえる。 そして、本件特許においては、本件明細書等の段落【0005】で示される課題を解決する上では、回転操作子の回転位置がレバー本体に明示的に設けられていれば十分であり、レバー本体における回転操作子の回転位置の明示が本件明細書等の図1に例示されるものに限定されるものでなることは明らかであるところ、ライトスイッチの位置の図のみによる明示も慣用されていることを踏まえれば、図のみによる明示も本件明細書等の記載から当業者の自明な事項であると認められる。 したがって、訂正事項1-2は、段落【0014】及び図1の記載に基づくものであり、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではなく、本件特許の明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 以上から、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項1は、特許請求の範囲の減縮を行うものであり、また、特許請求の範囲の記載の明瞭化を図るものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2は、請求項2を削除するというものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項2は、本件訂正前の請求項2を削除するというものであるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項2は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項3は、請求項3を削除するというものであるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項3は、特許請求の範囲の減縮を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 訂正事項4は、本件訂正前の請求項4が請求項3の記載を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項3の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正である。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に掲げる「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項4は、本件訂正前の請求項4における引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項4は、本件訂正前の請求項4における引用関係を解消し、独立形式請求項へ改めるための訂正であり、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 訂正事項5は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項5に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項5は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項5に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するというものであるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項5は、特許請求の範囲の減縮を行うものであり、また、特許請求の範囲の記載の明瞭化を図るものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 訂正事項6は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項6に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するものである。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項6は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項6に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するというものであるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項6は、特許請求の範囲の減縮を行うものであり、また、特許請求の範囲の記載の明瞭化を図るものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的 訂正事項7は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項7に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するものである。 したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる特許請求の範囲の減縮、及び同項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 新規事項の有無 訂正事項7は、引用先を請求項4に訂正することによって、削除された請求項2の引用という不明瞭な状態を解消するとともに、更に、本件訂正前の請求項7に対して本件訂正前の請求項3及び4に記載された発明特定事項の全てを追加するというものであるから、本件明細書等に記載された事項の範囲内においてするものである。 したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものである。 ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項7は、特許請求の範囲の減縮を行うものであり、また、特許請求の範囲の記載の明瞭化を図るものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、訂正事項7は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものである。 3 一群の請求項 本件訂正前の請求項1~7について、請求項2~7は請求項1を引用しているものであって、訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、本件訂正前の請求項1~7に対応する訂正後の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。また、本件訂正請求において、訂正後の請求項4~7について、当該請求項について訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することの求めがされている。 4 令和7年10月7日受付の意見書(以下「意見書(申立人)」という。)における本件訂正に関する申立人の主張 意見書(申立人)における本件訂正に関する申立人の主張は、概略以下のとおりである。 (1)本件明細書には、「段階的な消灯」という用語は存在せず、本件明細書の段落【0031】には、「全灯状態において回転操作子12のOFF操作が長く継続して行われた場合には」という前提が付けられているから、他の態様も含む訂正は、本件明細書の記載に基づくものではないので、特許請求の範囲を減縮する目的を達成するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張又は変更するものである。 (2)本件明細書には、各位置が「図及び/又は文字」で表示という記載は存在しない。唯一、図1の拡大図において、図及び文字の両方が併記されたものが図示されているだけであって、図又は文字のいずれかとすることは全く記載されていない。したがって、「各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示」との構成を追加する訂正は、特許請求の範囲を減縮する目的を達成するものではなく、また、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものであり、さらに、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項にない場合も含む訂正である。 申立人の主張について検討するに、(1)の主張については、前記2(1)イ(ア)で述べたように、本件明細書等には、回転操作子12をライトOFFスイッチ位置における消灯の指示が、全灯状態(ヘッドライトが点灯かつスモールライトが点灯)、車幅灯状態(ヘッドライトが消灯しスモールライトが点灯)、全消状態の順番で行われることが記載されているといえるところ、このような消灯の順番は、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯であると認められる。 そして、本件特許は、回転操作子12の操作が可能な回転位置をライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置の3つのみとしたことにともない、回転操作子12がライトOFFスイッチ位置にあるときにおいて、全灯状態、車幅灯状態、全消灯状態の順番での消灯を実施する構成したものであるところ、その1つの実施の形態として、本件明細書等には、回転操作子12のライトOFFスイッチ位置でのOFF操作の継続時間を用いた制御が例示されているものの、その実施の形態については、これだけに限定されるものではない。 また、(2)の主張については、前記2(1)イ(イ)で述べたとおり、本件明細書等には、回転操作子12の回転位置が、ライトONスイッチ位置(HEAD)、オートライトスイッチ位置(AUTO)、及びライトOFFスイッチ位置(OFF)の位置が文字及び図、又は文字によって、レバー本体11に設けられることが示されており、更に、ライトスイッチの位置の図のみによる明示も慣用されていることを踏まえれば、図のみによる明示も本件明細書等の記載から当業者の自明な事項であると認められる。 以上から、本件訂正に関する申立人の主張を採用することはできない。 5 小括 以上のとおり、訂正事項1~7に係る本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号、第3号、及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。さらに、訂正事項1に係る本件訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。 そして、訂正後の請求項4~7については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、別の訂正単位とする求めがされている。 したがって、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~3〕、〔4~7〕について訂正することを認める。 第3 本件訂正後の発明 前記第2で説示したように本件訂正は認められるから本件訂正後の請求項1~7に係る発明(以下、「本件発明1」などという。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 車両が備えるライトを制御するレバースイッチであって、 レバー本体と、 前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え、 前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している レバースイッチ。 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】 レバー本体と前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子とを備えた、車両が備えるライトを制御するレバースイッチと、 車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部と、 を備えた、オートライト制御装置であって、 前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有し、 前記制御部は、 前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にし、 前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態にし、 前記ヘッドライトを消灯状態にした後、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続した場合、さらに前記スモールライトを消灯状態にする、 オートライト制御装置。 【請求項5】 前記制御部は、前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライトが消灯状態であるとき、車両が走行状態になるか又は前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続しない前記回転操作子の前記ライトOFFスイッチ位置への回転操作が行われると前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にする、 請求項4に記載のオートライト制御装置。 【請求項6】 前記制御部は、前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライトが消灯状態であるとき、前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続する前記回転操作子の前記ライトOFFスイッチ位置への回転操作が行われると前記スモールライトを消灯状態にする、 請求項4に記載のオートライト制御装置。 【請求項7】 前記制御部は、前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、前記ヘッドライト及び前記スモールライトが消灯状態であるとき、車両が走行状態になるか又は前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にする、 請求項4に記載のオートライト制御装置。」 第4 取消理由通知で通知した取消理由について 本件訂正前の請求項1~7に係る特許に対して、当審において特許権者に通知した取消理由の要旨は、次の取消理由を含むものである。 理由1:(拡大先願)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願の日前の特許出願であって、本件特許出願後に国際公開又は出願公開がされた下記の特許出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、本件特許出願の発明者が本件特許出願前の特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、また本件特許出願の時において、その出願人が上記特許出願の出願人と同一でもないから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである(同法第184条の13参照)。 理由2:(新規性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 理由3:(進歩性)本件特許の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された下記の刊行物に記載された発明若しくは電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、下記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 記 <引用文献一覧> 甲第1号証:特願2018-073643号(国際公開第2019/194212号) 甲第2号証:特願2018-146770号(特開2020-21698号公報) 甲第3号証:特開2005-238940号公報 甲第4号証:特開2002-2370号公報 甲第5号証:" 201l Chevrolet Camaro Owner Manual", P6-1 ~ P6-7, [online], [text], 2011年, General Motors LLC., <URL:https://www.chevrolet.com/support/vehicle/manuals-guides?compIndex=1&year=2011&make=Chevrolet&model=Camaro> 以下、甲第○号証を甲○といい、甲第○号証に記載された発明を甲○発明という。 [理由1] ・請求項1~3及び5~7 引用文献 甲1又は2 [理由2及び3] ・請求項1 引用文献 甲3 [理由3] ・請求項2、3、5、及び7 引用文献 甲3及び4 ・請求項1~3、5、及び6 ・引用文献 甲4及び5 第5 当審の判断 1 理由1(拡大先願) (1)甲1 (1-1)記載事項 甲1には、以下の事項が記載されている。なお、下線は、当審で付したものである(以下同様)。 ア「[0011] ・・・ 図1は、本実施形態に係る車両用ライトシステムの構成を示すブロック図である。この車両用ライトシステム1は、車両に搭載されて使用される。車両用ライトシステム1は、車両の運転席の所定位置に設けられた車両用ライトスイッチ11を備えている。車両用ライトスイッチ11は、回転させることにより、車両から外部を照らすライトのモードを複数に切り換え可能であるコンビネーションスイッチである。すなわち、車両用ライトスイッチ11は、円筒形に近い形状をしている。車両用ライトスイッチ11は、その周方向に手動で回転させることで、複数段階、本例で4段階に前記のライトのモードを切り換えることができる。 [0012] 本車両用ライトシステム1で備えているポジションは、OFF位置12、AUTO(オート)位置13、SMALL(スモール)位置14及びHEAD LIGHT(ヘッドライト)位置15の4種類である。そして、車両用ライトスイッチ11の周面には、このOFF位置12、オート位置13、スモール位置14、ヘッドライト位置15の4種類のポジションを意味する文字又は絵柄が表示されている。この文字又は絵柄は、車両用ライトスイッチ11の周面に周方向に並べて表示されている。すなわち、運転者の手前側から順にヘッドライト位置15、オート位置13、スモール位置14、OFF位置12が表示されている。車両用ライトスイッチ11を周方向に手動で回転し、所定のポジションを基準位置16に合わせれば、その基準位置16に合っているポジションのモードが機能する。・・・ [0013] ここで、各ポジションによるモードの内容について説明する。・・・最初に「OFF」のモードは、車両に搭載されたロービーム21及びポジションライト22を何れも消灯するモードである。」 イ「[0016] 引き続きモードの説明を行う。「オート」のモードでは、車両に設けられて、車両の外部の明るさを検出する光センサ24の検出結果に基づいてライトの制御を行う。すなわち、光センサ24が検出する車外の明るさが第一所定値未満の明るさであるときには、ロービーム21及びポジションライト22を点灯する。・・・また、このモードでは光センサ24が検出する車外の明るさが第二所定値以上の明るさであるときは、ロービーム21及びポジションライト22を消灯する。第二所定値以上の明るさとは、車外がヘッドライト等を点灯する必要がないほど明るい場合である。なお、第一所定値と第二所定値とは異なる値であっても、同じ値であってもよい。 [0017] 「スモール」のモードでは、ロービーム21は消灯し、ポジションライト22を点灯する。 「ヘッドライト」のモードでは、ロービーム21を点灯し、ポジションライト22も点灯する。」 ウ「[0019] 車両用ライトスイッチ11には、モーメンタリー機構36(機構)が設けられている。モーメンタリー機構36はねじりばね等を備えた公知の構成である。モーメンタリー機構36は、運転者が車両用ライトスイッチ11をOFF位置12及びスモール位置14に切り換えたときに、ねじりばねのばね力等によって車両用ライトスイッチ11をオート位置13に戻す。・・・ [0020] 車両用ライトスイッチ11は、そのポジションの切換えによってスイッチングを行うスイッチング回路32を備えている。車両用ライトスイッチ11は、例えば半導体スイッチ又は機械式スイッチを組み合わせて構成されている。スイッチング回路32は、車両用ライトシステム1を集中的に制御する制御部31に接続されている。制御部31は、例えばマイクロコンピュータを中心に構成された制御装置である。制御部31は、スイッチング回路32を介して、現在の車両用ライトスイッチ11のポジションを検知することができる。 [0021] 制御部31には、前記の光センサ24の他、車両の車速を検出する車速センサ33が、それぞれインターフェイスとなるセンサ回路34,35を介して接続されている。・・・」 エ「[0024] 制御部31は、所定の制御プログラムに基づいて、第1乃至第3ライト制御部41~43の機能を実行する。 まず、第3ライト制御部43が実行する処理について説明する。第3ライト制御部43は、車両用ライトスイッチ11のポジションがオート位置13にあるときに動作する。すなわち、第3ライト制御部44は「オート」のモードを実行する。よって、光センサ24が検出する車外の明るさが前記の第一所定値未満の明るさであるときには、ロービーム21及びポジションライト22を点灯する。また、光センサ24が検出する車外の明るさが前記の第二所定値以上の明るさであるときは、ロービーム21及びポジションライト22を消灯する。 [0025] 次に、第1ライト制御部41が実行する処理について説明する。図2は、第1ライト制御部41が実行する処理について説明するフローチャートである。第1ライト制御部41は、車速センサ33が検出した車速が所定速度(停車に近い低速)未満であると判断したときは(S1のYes)、S8に進む。S8では、第1ライト制御部41は、スイッチセンサ38がフットブレーキ、サイドブレーキ、ブレーキホールド及びパーキングレンジのスイッチの中の少なくともひとつがオンであるか否かを判断する。スイッチセンサ38がフットブレーキ、サイドブレーキ、ブレーキホールド及びパーキングレンジのスイッチの中の少なくともひとつがオンであると判断したときは(S8のYes)、S2に進む。第1ライト制御部41は、S2でオート位置13が基準位置16に合っているか否かを判断する。第1ライト制御部41は、オート位置13が基準位置16に合っているときは(S2のYes)、S3に進む。S3では、第1ライト制御部41は、光センサ24が前記所定値未満の明るさを検知したか否か判断する。第1ライト制御部41は、光センサ24が前記所定値未満の明るさを検知したと判断したときは(S3のYes)、S4に進む。S4では、第1ライト制御部41は、車両用ライトスイッチ11のポジションをスモール位置14に移動させる操作があったか否かを判断する。車両用ライトスイッチ11のポジションをスモール位置14に移動させる操作があったときは(S4のYes)、S9に進む。S9では、第一ライト制御部41は車速センサ33及びスイッチセンサ38に故障があったか否かを判断し、故障が無いと判断したときは(S9のYes)、第1ライト制御部41は、次の処理を行う。すなわち、第1ライト制御部41は、ロービーム21を消灯してポジションライト22の点灯を維持する(S5)。なお、車両用ライトスイッチ11のポジションをスモール位置14に移動させる操作があっても(S4のYes)、運転者が手を離せば、車両用ライトスイッチ11はモーメンタリー機構36によってオート位置13に戻る。なお、S1からS4までの第1ライト制御部41が実行する処理の順番は適宜変更してもよい。 また第一ライト制御部41は、S1、S2、S3、S4、S8がNoの場合は、処理をS1の判断に戻す [0026] すなわち、ここでは、オート位置13が基準位置16に合っているときに、光センサ24が前記所定値未満の明るさを検知し且つ何れかのブレーキがオンになったときである。そのため、S4の処理の前までは、ロービーム21が点灯してポジションライト22も点灯している。しかし、車両用ライトスイッチ11のポジションをスモール位置14に移動させたときはロービーム21を消灯するものである。 [0027] しかしながら、その後、車速センサ33の検出した車速が所定速度以上と判断したときは(S6のYes)、第1ライト制御部41は、ロービーム21を再度点灯する(S7)。・・・。 [0028] すなわち、S5でロービームを消灯した後、車速センサ33が所定速度以上の車速を検出するか、又は、スイッチセンサ38がフットブレーキ、サイドブレーキ、ブレーキホールド及びパーキングレンジのスイッチの全てがオフであることを検出するか、のどちらかがあった場合に、ロービーム21を再度点灯する(S7)。」 オ「[0049] また、第1ライト制御部41による前記の制御も、運転者が車両用ライトスイッチ11をスモール位置14に切り換えた場合だけに限定しなくてもよい。すなわち、OFF位置12に車両用ライトスイッチ11を切り換えた場合にも、図2を参照して説明した例と類似の制御を行ってもよい。つまり、車両が停止中でヘッドライトが必要なほど車外が暗いときには、OFF位置12に車両用ライトスイッチ11を切り換えると、ロービーム21及びポジションライト22を消灯する。その後、車両が走行するとロービーム21及びポジションライト22を再度点灯する。」 カ 図1は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000001.jpg] 」 (1-2)認定事項 前記(1-1)から、甲1について、以下のことが認められる。 ア 段落[0011]及び図1から、コンビネーションスイッチは、レバー状であり、車両が備えるライトのモードを切り換えるスイッチである。さらに、段落[0012]及び以下の図1の一部を拡大した参考図から、コンビネーションスイッチは、基準位置16が表示されたレバー本体と、該レバー本体の先端部に回転可能に設けられる車両用ライトスイッチ11を備える。 (参考図) [図:0001435178000002.jpg] イ 段落[0012]、[0013]、[0016]及び[0017]から、車両用ライトスイッチ11の周面には、ロービーム21及びポジションライト22が点灯するモードが機能するヘッドライト位置15、ロービーム21が消灯し、ポジションライト22が点灯するモードが機能するスモール位置14、車外の明るさが所定値未満の明るさであるときに、ロービーム21及びポジションライト22が点灯し、車外の明るさが所定値以上の明るさであるときに、ロービーム21及びポジションライト22が消灯するモードが機能するオート位置13、及びロービーム21及びポジションライト22が消灯するモードが機能するOFF位置12の順番で、各ポジションを意味する文字又は絵柄が表示されている。 ウ 段落[0011]、[0020]、 [0021] 及び[0024]から、車両用ライトシステム1は、コンビネーションスイッチと、車外の明るさを検出する光センサ24及び車両の車速を検出する車速センサ33が接続され、車両用ライトスイッチ11のポジションを検知する制御部31を備える。 エ 段落[0024]~[0028]、及び[0049]から、制御部31は、オート位置13が基準位置16にあり、光センサ24が所定値未満の明るさを検知した場合において、以下の制御を行う。 車両が走行しているときに、ロービーム21及びポジションライト22を点灯する。 車両が停止中で、ロービーム21及びポジションライト22が点灯しているときに、スモール位置14を基準位置16に合わせると、ロービーム21を消灯してポジションライト22の点灯を維持し、その後、車両が走行するとロービーム21を再度点灯する。 車両が停止中で、ロービーム21及びポジションライト22が点灯しているときに、OFF位置12を基準位置16に合わせると、ロービーム21及びポジションライト22を消灯し、その後、車両が走行するとロービーム21及びポジションライト22を再度点灯する。 (1-3)甲1発明 前記(1-1)及び(1-2)から、甲1には、以下の甲1発明1が記載されていると認められる(括弧内に、根拠箇所を示した。以下同様。)。 「車両が備えるライトのモードを切り換えるレバー状のコンビネーションスイッチであって、 前記コンビネーションスイッチは、基準位置16が表示されたレバー本体と、前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる車両用ライトスイッチ11を備え(前記(1-2)ア)、 前記車両用ライトスイッチ11の周面には、 ロービーム21及びポジションライト22が点灯するモードが機能するヘッドライト位置15、 前記ロービーム21が消灯し、前記ポジションライト22が点灯するモードが機能するスモール位置14、 車外の明るさが所定値未満の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が点灯し、車外の明るさが所定値以上の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するオート位置13、及び 前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するOFF位置12の順番で、各ポジションを意味する文字又は絵柄が表示され(前記(1-2)イ)、 前記車両用ライトスイッチ11には、前記車両用ライトスイッチ11を前記OFF位置12及び前記スモール位置14に切り換えたときに、前記車両用ライトスイッチ11を前記オート位置13に戻すモーメンタリー機構36が設けられた(段落[0019]) コンビネーションスイッチ。」 (2)甲2 (2-1)記載事項 甲2には、以下の事項が記載されている。 ア「【0013】 本発明の一実施形態であるスイッチ装置100は、図1に示すように、自動車のステアリングコラム(図示せず)に取り付けられる操作レバー102に設けられ、前照灯及びポジションライトの操作に用いられるものである。 ・・・ 操作レバー102は、スイッチ基部110と、スイッチ基部110に対し回動可能に設けられたスイッチ操作部120とを有している。 スイッチ装置100は、スイッチ操作部120の回動に対し、消灯位置(OFF)、ポジションライト位置(SMALL)、自動点灯位置(AUTO)、点灯位置(ON)を有している。 また、スイッチ基部110及びスイッチ操作部120には節度機構130が設けられ、スイッチ操作部120のそれぞれの回動位置で操作者にクリック感を与えるとともに、消灯位置(OFF)及びポジションライト位置(SMALL)からは、自動点灯位置(AUTO)に自動復帰し、自動点灯位置(AUTO)及び点灯位置(ON)では停止状態を維持するよう構成されている。 【0014】 スイッチ操作部120は、図2に示すように、後述する節度面111に当接する摺動ボール122と、摺動ボール122を節度面111に向けて押圧する押圧スプリング123とを備えた節度部材121を有している。 スイッチ基部110は、図3に示すように、節度部材121が当接する節度面111を有している。 節度機構130の節度面111は、図4に模式的に示すように、自動点灯位置(AUTO)及び点灯位置(ON)の2箇所の停止位置131を形成する2つの停止部112と、2つの停止部112の間でスイッチ操作部120に対していずれかの方向に回転荷重を付与するための非停止領域132を形成する両方向非停止面部118と、一方の停止部112の両方向非停止面部118とは反対側に隣接し、スイッチ操作部120に対して停止部112方向に回転荷重を付与する多段荷重付与領域133である多段非停止面部113とを有している。」 イ「【0017】 以上のように構成された、自動車の前照灯及びポジションライトの操作に用いられるスイッチ装置100の動作について、図5に示す節度機構の動作説明図に基づいて説明する。 スイッチ操作部120を自動点灯位置(AUTO)とすることで、図5(a)に示すように、節度機構によってAUTOの位置に維持され、走行中に周囲の照度に応じて前照灯の自動点灯、消灯が行われる。 自動点灯位置(AUTO)では、夜間の停車中等も前照灯が点灯したままとなるため、図5(b)に示すように、スイッチ操作部120を消灯位置(OFF)まで回すことで、前照灯が消灯する。 なお、スイッチ操作部120自体は、節度機構によってAUTOの位置まで復帰する。 このことで、停車中は消灯可能となり、走行を再開すると、スイッチ操作部120を自動点灯位置(AUTO)に復帰していることから、周囲の照度に応じて前照灯の自動点灯、消灯が行われる。 【0018】 また、夜間の停車中または徐行しながら駐車作業を行っているとき等に、前照灯を消灯しポジションライトのみ点灯を維持したい場合、図5(c)に示すように、スイッチ操作部120を節度機構の中間節度位置に対応したポジションライト位置(SMALL)まで回すことで、ポジションライトのみ点灯する。 なお、スイッチ操作部120自体は、節度機構によってAUTOの位置まで復帰する。 このとき、操作者は節度機構の多段荷重付与領域の中間節度位置でのクリック感を感じることにより、確実にポジションライト位置(SMALL)を知覚して操作することができる。 このことで、停車中は前照灯を消灯しポジションライトを点灯可能となり、走行を再開すると、スイッチ操作部120を自動点灯位置(AUTO)に復帰していることから、周囲の照度に応じて前照灯の自動点灯、消灯が行われる。 【0019】 さらに、前照灯を照度や、走行、停車にかかわらず前照灯を点灯させたい場合、図5(d)に示すように、スイッチ操作部120を点灯位置(ON)まで回すことで、前照灯が点灯するとともに、節度機構によってONの位置に維持される。 このとき、操作者は節度機構の両方向非停止面部118を節度部材121が越えることによる停止部でのクリック感を感じることにより、確実に点灯位置(ON)を知覚して操作することができる。 また、点灯位置(ON)から自動点灯位置(AUTO)に戻す際も、操作者は節度機構の停止部でのクリック感を感じることにより、確実に自動点灯位置(AUTO)を知覚して操作することができる。」 ウ「【0021】 また、本実施形態では、スイッチ基部110に節度面111を設けスイッチ操作部120に節度部材121を設けたが、逆にスイッチ操作部120に節度面111を設けスイッチ基部110に節度部材121を設けてもよい。 また、本実施形態では、節度部材121を摺動ボール122と押圧スプリング123とで構成したが、操作者にクリック感を与えるとともに回転荷重を与えるものであれば、他の構成としてもよい。 さらに、本実施形態の図面では、節度部材121の押圧方向をスイッチ操作部120の回転軸と平行な方向としたが、操作者にクリック感を与えるとともに回転荷重を与えるものであれば、いかなる方向に設定されていてもよい。」 エ 図1は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000003.jpg] 」 オ 図5の記載は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000004.jpg] 」 (2-2)認定事項 前記(2-1)から、甲2について、以下のことが認められる。 ア 段落【0013】から、自動車の前照灯及びポジションライトの操作に用いられる操作レバー102は、スイッチ基部110と、スイッチ基部110に対し回動可能に設けられたスイッチ操作部120を有している。 イ 段落【0013】、図1、図5から、スイッチ操作部120の周面には、点灯位置(ON)、自動点灯位置(AUTO)、ポジションライト位置(SMALL)、及び消灯位置(OFF)の順番で、各位置が図又は文字で表示されている。 ウ 段落【0017】~【0019】の記載から、点灯位置(ON)では、前照灯が点灯し、自動点灯位置(AUTO)では、周囲の照度に応じて前照灯の自動点灯、消灯が行われ、ポジションライト位置(SMALL)では、ポジションライトのみ点灯し、消灯位置(OFF)では、前照灯が消灯する。 エ 段落【0013】から、スイッチ操作部120は、消灯位置(OFF)及びポジションライト位置(SMALL)からは、自動点灯位置(AUTO)に自動復帰する。 オ 段落【0013】、【0017】~【0019】の記載及び技術常識から、スイッチ装置100は、操作レバー102を備え、スイッチ操作部120が自動点灯位置(AUTO)である場合において、夜間の走行中には、前照灯を点灯し、夜間の停車中に、前照灯が点灯しているときに、スイッチ操作部120をポジションライト位置(SMALL)まで回すと、ポジションライトのみを点灯し、走行を再開すると、前照灯を点灯し、また、夜間の停車中に、前照灯が点灯しているときに、スイッチ操作部120を消灯位置(OFF)まで回わすと、前照灯を消灯し、走行を再開すると、前照灯を点灯する。 カ 段落【0013】、【0014】、【0021】及び図5から、スイッチ操作部120には、消灯位置(OFF)及びポジションライト位置(SMALL)から、自動点灯位置(AUTO)に自動復帰するための節度面111が設けられている。 (2-3)甲2発明 前記(2-1)及び(2-2)から、甲2には、以下の甲2発明1が記載されていると認められる。 「自動車の前照灯及びポジションライトの操作に用いられる操作レバー102であって(前記(2-2)ア)、 スイッチ基部110と、前記スイッチ基部110に対し回動可能に設けられたスイッチ操作部120を有し(前記(2-2)ア)、 前記スイッチ操作部120の周面には、 前記前照灯が点灯する点灯位置(ON)、 周囲の照度に応じて前記前照灯の自動点灯、消灯が行われる自動点灯位置(AUTO)、 前記ポジションライトのみ点灯するポジションライト位置(SMALL)、及び 前記前照灯が消灯する消灯位置(OFF)の順番で、各位置が図又は文字で表示され(前記(2-2)イ、ウ)、 前記スイッチ操作部120には、前記消灯位置(OFF)及び前記ポジションライト位置(SMALL)からは、前記自動点灯位置(AUTO)に自動復帰するための節度面111が設けられている(前記(2-2)エ、カ)、 操作レバー102。」 (3)甲1に基づく判断 (3-1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明1を対比する。 (ア)後者の「車両が備えるライト」が前者の「車両が備えるライト」に相当し、以下同様に、後者の「レバー状のコンビネーションスイッチ」が前者の「レバースイッチ」に、後者の「基準位置16が表示されたレバー本体」が前者の「レバー本体」に、後者の「車両用ライトスイッチ11」が前者の「回転操作子」に、後者の「ロービーム21」が前者の「ヘッドライト」に、後者の「ポジションライト22」が前者の「スモールライト」に、後者の「車外の明るさ」が前者の「車両周囲の照度」に、後者の「各ポジション」が前者の「前記回転操作子の操作が可能な回転位置」に、後者の「モーメンタリー機構36」が前者の「モーメンタリ機構」に、それぞれ相当する。 そして、以上の相当関係から、以下のことがいえる。 (イ)後者の「車両が備えるライトのモードを切り換えるレバー状のコンビネーションスイッチ」は、前者の「車両が備えるライトを制御するレバースイッチ」に相当する。 (ウ)後者の「前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる車両用ライトスイッチ11」は、前者の「前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子」に相当する。 (エ)後者の「基準位置16が表示されたレバー本体と、前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる車両用ライトスイッチ11を備え」た「前記コンビネーションスイッチ」は、前者の「レバー本体と、前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え」た「レバースイッチ」に相当する。 (オ)後者の「ロービーム21及びポジションライト22が点灯するモードが機能するヘッドライト位置15」は、前者の「ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」に相当する。 (カ)後者の「車外の明るさが所定値未満の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が点灯し、車外の明るさが所定値以上の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯する」ことは、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御する」ことに相当するので、後者の「車外の明るさが所定値未満の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が点灯し、車外の明るさが所定値以上の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するオート位置13」は、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」に相当する。 (キ)後者の「前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するOFF位置12」と、前者の「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」は、「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」で共通する。 (ク)前記(オ)~(キ)から、後者の「前記車両用ライトスイッチ11の周面には、ロービーム21及びポジションライト22が点灯するモードが機能するヘッドライト位置15、前記ロービーム21が消灯し、前記ポジションライト22が点灯するモードが機能するスモール位置14、車外の明るさが所定値未満の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が点灯し、車外の明るさが所定値以上の明るさであるときに、前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するオート位置13、及び前記ロービーム21及び前記ポジションライト22が消灯するモードが機能するOFF位置12の順番で、各ポジションを意味する文字又は絵柄が表示され」ることと、前者の「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることは、「レバースイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることで共通する。 (ケ)後者の「前記車両用ライトスイッチ11には、前記車両用ライトスイッチ11を前記スイッチOFF位置12及び前記スモール位置14に切り換えたときに、前記車両用ライトスイッチ11を前記オート位置13に戻すモーメンタリー機構36」は、「前記車両用ライトスイッチ11を前記スイッチOFF位置12及び前記スモール位置14に切り換えたとき」が「車両用スイッチ11」が「オート位置13」と「スイッチOFF位置12」の間の位置で回転操作力が無くなるときであるといえるので、前者の「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明1とは、 「車両が備えるライトを制御するレバースイッチであって、 レバー本体と、 前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え、 前記レバースイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している、 レバースイッチ。」 である点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点1-1] 回転操作子の操作が可能な回転位置に関して、本件発明1は、「レバー本体に」ライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置「の3つのみ」がその順番で固定的に設けられるのに対して、甲1発明1は、「車両用ライトスイッチ11の周面に」ヘッドライト位置15、「スモール位置14」、オート位置13、及びOFF位置12のポジジョンがその順番で表示される点。 [相違点1-2] ライトOFFスイッチ位置で指示されるヘッドライトの消灯に関して、本件発明1は、ヘッドライト及びスモールライトの「段階的な」消灯であるのに対して、甲1発明1は、ロービーム21及びポジションライト22の消灯である点。 イ 相違点についての検討 相違点1-1及び1-2は互いに関連する相違点であるところ、両者は、実質的な相違点であるので、本件発明1は、甲1発明1と同一ではない。 また、甲1発明1において、スモール位置14を省略し、OFF位置12でロービーム21とポジションライト22の段階的な消灯を指示するように構成し、相違点1-1及び1-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることが、周知技術、慣用技術の付加、削除、転換等であって、新たな効果を奏するものとはいえず、すなわち、課題解決のための具体化手段における微差であるとは認められないので、本件発明1は、甲1発明1と実質同一でもない。 (3-2)本件発明5~7について 本件発明5~7は、理由1に係る異議申立てされていない請求項4のみを引用しているので、請求項5~7に係る特許は、理由1によって取り消すことはできない。 (4)甲2に基づく判断 (4-1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲2発明1を対比する。 (ア)後者の「自動車の前照灯及びポジションライト」が前者の「車両が備えるライト」に相当し、以下同様に、後者の「操作レバー102」が前者の「レバースイッチ」に、後者の「スイッチ基部110」が前者の「レバー本体」に、後者の「スイッチ操作部120」が前者の「回転操作子」に、後者の「有し」が前者の「備え」に、後者の「前照灯」が前者の「ヘッドライト」に、後者の「ポジションライト」が前者の「スモールライト」に、後者の「周囲の照度」が前者の「車両周囲の照度」に、後者の「各位置」が前者の「前記回転操作子の操作が可能な回転位置」に、後者の「節度面111」が前者の「モーメンタリ機構」に、それぞれ相当する。 そして、以上の相当関係から、以下のことがいえる。 (イ)後者の「自動車の前照灯及びポジションライトの操作に用いられる操作レバー102」は、前者の「車両が備えるライトを制御するレバースイッチ」に相当する。 (ウ)後者の「前記スイッチ基部110に対し回動可能に設けられたスイッチ操作部120」は、前者の「前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子」に相当する。 (エ)後者の「前記前照灯が点灯する点灯位置(ON)」と、前者の「ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」は、「ヘッドライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」で共通する。 (オ)後者の「周囲の照度に応じて前記前照灯の自動点灯、消灯が行われる自動点灯位置(AUTO)」と、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」は、「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」で共通する。 (カ)後者の「前記前照灯が消灯する消灯位置(OFF)」と、前者の「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」は、「前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」で共通する。 (キ)前記(エ)~(カ)から、後者の「前記スイッチ操作部120の周面には、前記前照灯が点灯する点灯位置(ON)、周囲の照度に応じて前記前照灯の自動点灯、消灯が行われる自動点灯位置(AUTO)、前記ポジションライトのみ点灯するポジションライト位置(SMALL)、及び前記前照灯が消灯する消灯位置(OFF)の順番で、各位置が図又は文字で表示され」ることと、前者の「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることは、「前記レバースイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることで共通する。 (ク)後者の「前記スイッチ操作部120には、前記消灯位置(OFF)及び前記ポジションライト位置(SMALL)から、前記自動点灯位置(AUTO)に自動復帰するための節度面111が設けられている」ことは、前記1(2)(2-1)エの図5の記載から、「自動点灯位置(AUTO)」から「消灯位置(OFF)」までの間で回転操作力がなくなると、「スイッチ操作部120」が「自動点灯位置(AUTO)に自動復帰する」ことが明らかであるので、前者の「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している」ことに相当する。 そうすると、本件発明1と甲2発明1とは、 「車両が備えるライトを制御するレバースイッチであって、 レバー本体と、 前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え、 前記レバースイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している レバースイッチ。」 との点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点2-1] 回転操作子の操作が可能な回転位置に関して、本件発明1は、「レバー本体に」ライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置「の3つのみ」がその順番で固定的に設けられるのに対して、甲2発明1は、「スイッチ操作部120の周面に」、点灯位置(ON)、自動点灯位置(AUTO)、「ポジションライト位置(SMALL)」、「スモール位置14」、消灯位置(OFF)の各位置がその順番で表示される点。 [相違点2-2] ライトONスイッチ位置での点灯状態となるライト及びオートライトスイッチ位置で点灯制御されるライトに関して、本件発明1は、ヘッドライト「及びスモールライト」であるのに対して、甲2発明1は、前照灯である点。 [相違点2-3] ライトOFFスイッチ位置で指示されるヘッドライトの消灯に関して、本件発明1は、「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な」消灯であるのに対して、甲2発明1は、「前照灯」の消灯である点。 イ 相違点についての検討 事案に鑑み、互いに関連する相違点2-1及び2-3について検討するところ、相違点2-1及び2-3は、実質的な相違点であるので、本件発明1は、甲2発明1と同一ではない。 また、甲2発明1において、ポジションライト位置(SMALL)を省略し、消灯位置(OFF)で前照灯とポジションライトの段階的な消灯を指示するように構成し、相違点2-1及び2-3に係る本件発明1の発明特定事項とすることが、周知技術、慣用技術の付加、削除、転換等であって、新たな効果を奏するとはいえず、すなわち、課題解決のための具体化手段における微差であるとは認められないので、本件発明1は、甲2発明1と実質同一でもない。 (4-2)本件発明5~7について 本件発明5~7は、理由1に係る異議申立てされていない請求項4のみを引用しているので、請求項5~7に係る特許は、理由1によって取り消すことはできない。 (5)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲1発明1と同一でも、実質同一でもないから、請求項1に係る特許は、特許法第29条の2の規定(同法第184条の13参照)に違反してされたものではない。 また、本件発明1は、甲2発明1と同一でも、実質同一でもないから、請求項1に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものではない。 そして、本件発明5~7は、理由1に係る異議申立てされていない請求項4のみを引用しているので、請求項5~7に係る特許は、理由1によって取り消すことはできない。 したがって、取消理由1(拡大先願)によって、請求項1及び5~7に係る特許を取り消すことはできない。 2 理由2(新規性)及び理由3(進歩性) (1)甲3 (1-1)記載事項 甲3には、以下の事項が記載されている。 ア「【0022】 [従来の構成] 一般的に自動車のライトを制御するスイッチ類は、図9に示すように運転席の近傍に配置されている。マニュアルライトスイッチ41は、手動でヘッドライト、スモールライトなどの点灯消灯を行うスイッチで、図9乃至図11に示したようにコンビネーションスイッチ12に設けられている。コンビネーションスイッチ12の先端に設けられた回転部19を摺動回転し、消灯位置13、スモールライト位置14、ヘッドライト位置15に合わせることにより、手動でスモールライト、ヘッドライトを点灯消灯させる。 【0023】 オートライト制御スイッチ43は、周囲の照度に合わせて自動的にヘッドライト、スモールライトなどの点灯消灯を行うオートライト制御を起動するスイッチである。コンビネーションスイッチ12に設けられた場合は、図10のようにコンビネーションスイッチ12の先端にある回転部19を摺動回転し、オートライト制御位置16に合わせることで、オートライト制御状態にする。」 イ「【0027】 [本発明の実施の形態] 次に、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係るランプ制御装置を自動車のオートライト制御システムに適用した場合の全体のシステム構成を示す概略図である。図2、図3は、図1に記載の各スイッチ類の好適な配置例である。まず、図1乃至図3を利用して、全体のシステム構成について説明する。 【0028】 制御部1は、第一入力部4のマニュアルライトスイッチ41、イグニッションスイッチ42、オートライト制御スイッチ43の設定状態によって入力される信号に基づいて、駆動信号出力部7に駆動信号を出力し、ランプ6の点灯・消灯を制御する。ランプ6の点灯消灯が自動的に行われるように制御(以下、オートライト制御)されているときには、さらに、照度検出手段3からの照度情報と、記憶部2に記憶された基準照度によって、ランプ6の点灯消灯を制御する。電源回路8は、バッテリー81からの電圧を定電圧に安定化する安定化回路である。電源回路8で安定化された電源電圧は、制御部1、記憶部2、照度検出手段3に供給される。第二入力部5は、オートライト制御が実施されているときに、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6を点灯・消灯させるための切替指示スイッチ51(切替指示入力部)を備えている。」 【0029】 ・・・なお、ライトには、スモールライト、ヘッドライトがあるが、本発明を説明する上では、特に区別する必要はない。よって、本例では、両ライトを一括して単にライトまたはランプと称し、区別なく扱う。」 ウ「【0032】 第二入力部5に設けられたスイッチは、オートライト制御が実施されているときに、例えば、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6を点灯消灯させるための切替指示スイッチ51である。制御部1とは別の、高度な判断機能を持つ制御部装置などから指示を出しても良いが、ここではより分かり易く説明するために、人が操作するスイッチとして説明する。このスイッチは、運転中など、注意を逸らすことができない時に操作される可能性が高いので、操作し易い場所に配置されることが望ましい。好適な配置例としては、図2、図3に示すようなものがある。図2に示したものは、コンビネーションスイッチ12のオートライト制御スイッチ43に連接して設けた例であり、回転部19を回転して切替指示位置17に合わせることで切替指示スイッチ51をオンにする。・・・」 エ「【0038】 続いて図4のフローチャートに基づいて、オートライト制御の動作を説明する。制御部1は、このフローチャートに示す処理を繰り返し実行している。・・・ まず初めに、マニュアルライトスイッチ41の状態を確認する(ステップS1)。マニュアルライトスイッチ41が、スモールライト位置14、あるいはヘッドライト位置15に設定されていた場合には、そのスイッチ位置に従って、ランプ6を点灯し、自動制御による点灯消灯処理は行わずにフローチャートの処理を終了する。」 オ「【0040】 イグニッションスイッチ42がオン位置に設定されていた場合は、オートライト制御スイッチ43の状態を確認する(ステップS3)。すなわち、図10に示すオートライト制御位置16に設定されているかどうかを確認する。オートライト制御スイッチ43がオン位置に設定されていなければ、ステップS2と同様に消灯処理を行って処理を終了する。オートライト制御スイッチ43がオン位置に設定されていれば、オートライト制御を作動させる条件が全て整っていることになる。従って、作動条件確認フロー20を抜けて、オートライト制御の本処理へと移行する。 【0041】 作動条件確認フロー20を抜けると、次に照度センサ3の出力D31を読み込み、制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に照度情報として照度Lを記憶する(ステップS4)。なお、照度Lは、好適には、デジタルデータで記憶され、本例では、数値が小さい場合が暗く、数値が大きい場合が明るい状態を示すこととする。このデジタルデータは、照度センサ3において、アナログ-デジタル変換(A/D変換)されたものでも良く、不図示のA/D変換回路を経由して制御部1に入力されたものでも良い。また、制御部1内部にA/D変換手段を持ち、制御部1にはアナログデータで出力D31を入力し、制御部1内でデジタル化して、一時記憶手段に格納しても良い。 【0042】 ステップS4を終えると、点灯消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)に移行する。点灯消灯切り替えしきい値設定フロー(ステップS5)では、制御部1内の不図示の一時記憶手段(レジスタ等)に基準照度(点灯消灯のしきい値)THを格納する。基準照度THは、記憶部2より読み出された記憶済しきい値データD21である場合と、第二入力部5の切り替え指示に基づいて、新たに設定されたしきい値データである場合とがある。基準照度THの設定方法を含めたステップS5の詳細については後述し、まず、図4に沿って、点灯・消灯条件確認フロー30を先に説明する。 なお、本例では、照度L(感度情報)と同様にこのしきい値(基準照度)もデジタルデータであり、デジタルデータの大小と明暗の関係も照度Lと同様である。 【0043】 点灯・消灯条件確認フロー30では、まず、初めに、ランプ6の点灯状態を確認する(ステップS6)。これは、制御部1自身が出力しているランプ6点灯信号の状態によって判断できる。すなわち、抵抗75を介してFET71のゲート端子へ入力される信号が、Highレベルであれば、オンの状態でランプは点灯中、Lowレベルであれば、オフの状態でランプは消灯中である。 【0044】 ランプ6が消灯中であれば、ステップS7aに進む。すなわち、すでに制御部1内部の一時記憶手段(レジスタ等)に記憶された照度Lと記憶部2から読み込んだしきい値THとの間に下記判断条件1の関係が成り立つか否かを確認する。 照度L≦しきい値TH・・・(判断条件1) 周囲の照度がしきい値以下であること、すなわち、基準照度以下の暗さであることを確認する。そして、判断条件1が成り立つ時には、周囲が暗いので、ランプ6の点灯信号をオンにするように制御し(ステップS8a)、ランプ6を点灯させる。・・・ 【0045】 ランプ6が点灯中であれば、ステップS7bに進む。すなわち、照度Lとしきい値THとの間に下記判断条件2の関係が成り立つか否かを確認する。 照度L≧しきい値TH・・・(判断条件2) 周囲の照度がしきい値以上であること、すなわち、基準照度以上の明るさであることを確認する。そして、判断条件2が成り立つ時には、周囲が明るいので、ランプ6の点灯信号をオフにするように制御し(ステップS8b)、ランプ6を消灯させる。・・・」 カ「【0053】 ・・・つまり、ランプ6が消灯しているときに、運転者が切替指示スイッチ51を操作することで、ランプ6を点灯させることができる。・・・ 【0054】 ・・・つまり、ランプ6が点灯しているときに、運転者が切替指示スイッチ51を操作することで、ランプ6を消灯させることができる。」 キ「【0061】 従って、図2のようにコンビネーションスイッチ12に他のスイッチと連接して、切替指示スイッチ51を設ける場合でも、手を離すとすぐにオートライト制御位置16に復帰するようなスイッチであることが望ましい。また、図3のようにコンビネーションスイッチ12の回転部19に押しボタンスイッチ51を設けるような場合でも、スイッチを押下したときに押下位置で固定されず、元の位置に復帰するようなスイッチであることが望ましい。」 ク 図2は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000005.jpg] 」 (1-2)認定事項 前記(1-1)から、甲3について、以下のことが認められる。 ア 段落【0022】【0029】、及び図2から、コンビネーションスイッチ12と、コンビネーションスイッチ12の先端に回転可能に設けられる回転部19を備えた、レバー状のスイッチが自動車のライトを制御する。 イ 段落【0022】、【0023】、【0028】、【0032】、【0038】、【0053】、【0054】、及び図2から、コンビネーションスイッチ12には、ランプ6を点灯するヘッドライト位置15、その上側に、照度検出手段3からの照度情報に基づいてランプ6の点灯消灯を制御するオートライト制御位置16、及びランプ6が点灯しているときはランプ6を消灯し、ランプ6が消灯中であればランプ6を点灯する、任意のタイミングでランプ6を点灯消灯する切替指示位置17の順番で、回転部19の操作位置が図又は文字により表示され、前記ヘッドライト位置15から下側に、スモールライト位置14、消灯位置13の順番で前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示される。 ウ 段落【0032】、【0061】及び図2から、回転部19は、切替指示位置17から手を離すとすぐにオートライト制御位置16に復帰する。 エ 段落【0023】、【0027】、【0028】、【0038】、【0040】~【0044】、及び前記アから、自動車のオートライト制御システムは、自動車のライトを制御するレバー状のスイッチと、回転部19が設定された位置及び照度検出手段3からの照度情報に基づいて、ランプ6の点灯・消灯を制御する制御部1を備え、制御部1は、回転部19がオートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であると、ランプ6を点灯する。 (1-3)甲3発明 ア 甲3発明1 前記(1-1)、(1-2)から、甲3には、以下の甲3発明1が記載されていると認められる。 「自動車のライトを制御するレバー状のスイッチであって(前記(1-2)ア)、 コンビネーションスイッチ12と、前記コンビネーションスイッチ12の先端に回転可能に設けられる回転部19を備え(前記(1-2)ア)、 前記コンビネーションスイッチ12には、 ランプ6を点灯するヘッドライト位置15、その上側に、 照度検出手段3からの照度情報に基づいて前記ランプ6の点灯消灯を制御するオートライト制御位置16、及び 前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する切替指示位置17の順番で、前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示され、 前記ヘッドライト位置15から下側に、スモールライト位置14、消灯位置13の順番で前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示され(前記(1-2)イ)、 前記回転部19は、前記切替指示位置17から手を離すとすぐに前記オートライト制御位置16に復帰する(前記(1-2)ウ)、 レバー状のスイッチ。」 イ 甲3発明4 甲3には、甲3発明1を含み、更に、次の事項を含む甲3発明4も記載されていると認められる。 「前記レバー状のスイッチと、前記回転部19が設定された位置及び前記照度検出手段3からの照度情報に基づいて、前記ランプ6の点灯・消灯を制御する制御部1を備え、 前記制御部1は、前記回転部19が前記オートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であると、前記ランプ6を点灯する(前記(1-2)エ)、 自動車のオートライト制御システム。」 (2)甲4 (2-1)記載事項 甲4には、以下の事項が記載されている。 ア「【0008】 【発明の実施の形態】図1、図2には本発明の一実施形態としてのへッドランプ制御装置を示し、このへッドランプ制御装置1は図示しない自動車の車体前部の左右一対のヘッドランプ2と車体前後左右のスモールランプ3の点灯及び消灯を切換え制御するもので、マニュアル操作用のライトスイッチ4と、ヘッドランプ2のオン、オフ優先切換え用のマニュアルスイッチであるプッシュスイッチ5と、自動制御用のヘッドランプコントローラ6と,車速Vc信号(図2参照)を検出する走行状態検出手段としての車速センサ16を備える。 【0009】左右一対のヘッドランプ2は第1リレー回路11を介し電源9に接続され、前後左右のスモールランプ3は第2リレー回路12を介し電源9に接続される。各リレー回路11、12はそれぞれに各ランプ対応の図示しないパワートランジスタから成るスイッチ素子を備え、これら各スイッチ素子にヘッドランプコントローラ6より後述のハイ、ロー(開閉)信号RH,RLを入力可能に形成される。ライトスイッチ4とプッシュスイッチ5はランプレバー8をスイッチハウジングとして共用した状態で互いに接近して取り付けられている。・・・ 【0010】ライトスイッチ4はロータリースイッチであり、回転子14を回転方向r1に順次切り換えることにより、ヘッドランプ2が点灯するヘッド位置と、スモールランプ3が点灯するスモール位置と、後述のオートランプ制御機能をオンさせるオートライト位置(図1にはAUTOと記す)と、オフ位置(図1にはOFFと記す)とに切り換え可能に形成されている。・・・」 イ「【0012】ヘッドランプコントローラ6は、その要部がマイクロコンピュータで構成され、その入出力回路601の入力側ポートにはライトスイッチ4よりヘッド位置、スモール位置、オートライト位置、オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFF(図2参照)が入力され、プッシュスイッチ5よりヘッドランプオン、オフ信号HON,HOFFが入力され、日射センサ7より光量信号が入力され、イグニッションキースイッチ(以後単にIGスイッチ)10よりオンオフ信号が入力され、図示しない車両の回転伝達系に装着される車速センサ16より車速Vc信号が入力される。出力側ポートは第1リレー回路11あるいは第2リレー回路12と接続され、各リレー回路に適時にハイ、ロー信号RH,RLを出力するように形成される。しかも、ブザー17の駆動回路18とも接続され、同駆動回路に適時にオン信号Sbを出力するように形成される。なお、ヘッドランプコントローラ6の電源回路604はIGスイッチ10に連動する図示しないリレーを介し電源9に接続される。」 ウ「【0019】主ランプ制御部a-1では、まず、ライトスイッチ4よりオフ位置信号MOFFが入力されていると、第1、第2リレー回路11、12へロー信号RLを出力し、ヘッドランプ2及びスモールランプ4(合議体注:スモールランプ3の誤記と認める。以下同様。)を消灯する。スモール位置信号MSMが入力されていると、第2リレー回路12へのみハイ信号RHを出力し、前後左右のスモールランプ3を点灯させる。ヘッド位置信号MHが入力されていると、第2リレー回路12へハイ信号RHを,点灯忘れ防止制御部a-2を介し第1リレー回路11へもハイ信号RHを出力し、左右のヘッドランプ2及び前後左右のスモールランプ3を点灯させる。 【0020】ライトスイッチ4より、オートライト位置信号MAUTが入力されていると、オートランプ制御部a-3の制御に入り、ここでは、日照センサ7(合議体注:日射センサ7の誤記と認める。)の日射強度SUNを取り込み、これと複数のしきい値とを比較して、その日射強度レベルを判定し、同判定値が消灯指令時にあると、第1、第2リレー回路11、12へロー信号RLを出力し、ヘッドランプ2及びスモールランプ4を消灯する。スモールランプ3の点灯指令時にあると、第2リレー回路12へのみハイ信号RHを出力し、前後左右のスモールランプ3を点灯させる。ヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にあると、第2リレー回路12へハイ信号RHを,点灯忘れ防止制御部a-2を介し第1リレー回路11へハイ信号RHを出力し、左右のヘッドランプ2及び前後左右のスモールランプ3を点灯させる。 【0021】更に、ヘッドランプコントローラ6はこのような図示しないメインルーチンの途中で、図3に示したヘッドランプ優先制御ルーチンに入り、点灯忘れ防止制御部a-2の機能を実行する。 【0022】ここで、ステップs1において、IGスイッチ10がオンか否か判定し、Yesでないと今回制御を終了し、図示しないメインルーチンに戻る。Yesではステップs2に達し、車速Vcが停車判定値Vα以下か否か判定し、停車でないとステップs6に進み、第1リレー回路11へハイ信号RHを出力(ヘッドランプ点灯中)の状態をそのまま保持することとなる。一方、停車でステップs3に達すると、ここでは第1リレー回路11へハイ信号RHを出力(ヘッドランプ点灯中)か否か判定し、Noではステップs4に、Yesでステップs5に進む。 【0023】ヘッドランプ消灯中(オフ)でステップs4に達すると、運転者の意志でプッシュスイッチ5が切り換え操作され、ヘッドランプオン信号HONに切り換えられると、ステップs6に進み、第1リレー回路11へハイ信号RHを出力(ヘッドランプ点灯中)として今回制御を終了する。ここでプッシュスイッチ5が切り換えられないと、ヘッドランプ消灯中(オフ)のまま今回制御を終了し、メインルーチンに戻る。 【0024】第1リレー回路11へハイ信号RHを出力(ヘッドランプ点灯中)でステップs5に達すると、ここでは、運転者の意志でプッシュスイッチ5が押圧操作され、第1リレー回路11へロー信号RLを出力(ヘッドランプ消灯信号を出力)したか否か判断し、Noでは今回制御を終了し、Yesでステップs7に達する。ここでは、ロー信号RL(ヘッドランプ消灯信号)を出力したことより,駆動回路18にオン信号Sbを出力し、ブザー17を駆動し、確認音を発生させる。次いで、ステップs8に達っし、ここでは、第1リレー回路11へロー信号RLを出力し、ヘッドランプ2が消灯に保持され、今回制御を終了し、図示しないメインルーチンにリターンする。なお、ヘッドランプ2が消灯時に車速Vcが停車判定値Vαを上回ると、ステップs2、s6において、第1リレー回路11へのハイ信号RHの出力を復活させ、ヘッドランプ2を点灯させる。」 エ 図1は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000006.jpg] 」 (2-2)認定事項 前記(2-1)から、甲4について、以下のことが認められる。 ア 段落【0008】~【0010】、【0012】、及び図1から、車両のヘッドランプ2とスモールランプ3の点灯及び消灯を切換え制御するスイッチがレバー状のスイッチであり、該レバー状のスイッチは、ライトスイッチ4を収容するランプレバー8、ランプレバー8の先端に回転可能に設けられる回転子14、及びヘッドランプ2のオン、オフ優先切換え用のプッシュスイッチ5を備える。 イ 段落【0010】、【0012】、【0019】、【0020】及び図1から、ランプレバー8には、ヘッドランプ2及びスモールランプ3が点灯するヘッド位置、スモールランプ3が点灯するスモール位置と、オートランプ制御機能をオンさせ、日射強度レベルに基づいてヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯及び消灯を制御するオートライト位置、及びヘッドランプ2及びスモールランプ3が消灯するオフ位置の順で、回転子14の切換位置が文字により表示されている。 ウ 段落【0008】、【0012】、【0020】~【0024】、図1、及び前記アから、へッドランプ制御装置1は、ライトスイッチ4を収容するランプレバー8と、ランプレバー8の先端に回転可能に設けられる回転子14、及びヘッドランプ2のオン、オフ優先切換え用のプッシュスイッチ5を備えたレバー状のスイッチと、ヘッドランプコントローラ6を備え、ヘッドランプコントローラ6には、ライトスイッチ4よりヘッド位置、スモール位置、オートライト位置、オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFFが、日射センサ7より光量信号が、車速センサ16より車速Vc信号が入力され、ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、日射センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が走行中の時に、ヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯を保持する。 エ 段落【0016】及び【0019】の記載から、ヘッドランプコントローラ6に、ライトスイッチ4よりオフ位置信号MOFFが入力されると、ヘッドランプ2及びスモールランプ3が消灯するといえる。 そうすると、前記ウも踏まえると、ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、日射センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合において、オフ位置信号MOFFが入力されると、ヘッドランプ2及びスモールランプ3を消灯する。 オ 段落【0008】、【0012】、及び【0020】~【0024】から、ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、日射センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が停車状態の時に、プッシュスイッチ5が押圧操作されてヘッドランプ2が消灯した後、車両が走行状態になると、ヘッドランプ2を点灯する。 そうすると、前記エも踏まえると、ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、日射センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が停車状態の時に、プッシュスイッチ5が押圧操作されてヘッドランプ2が消灯した後、 オフ位置信号MOFFが入力されるとスモールランプ3を消灯し、 車両が走行状態になるとヘッドランプ2を点灯する。 (2-3)甲4発明 ア 甲4発明1 前記(2-1)、(2-2)から、甲4には、以下の甲4発明1が記載されていると認められる。 「車両のヘッドランプ2とスモールランプ3の点灯及び消灯を切換え制御するレバー状のスイッチであって(前記(2-2)ア)、 ライトスイッチ4を収容するランプレバー8、前記ランプレバー8の先端に回転可能に設けられる回転子14、及び前記ヘッドランプ2のオン、オフ優先切換え用のプッシュスイッチ5を備え(前記(2-2)ア)、 前記ランプレバー8には、 前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が点灯するヘッド位置、 前記スモールランプ3が点灯するスモール位置、 オートランプ制御機能をオンさせ、日射強度レベルに基づいて前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯及び消灯を制御するオートライト位置、及び 前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が消灯するオフ位置の順で、前記回転子14の切換位置が文字により表示される(前記(2-2)イ)、 レバー状のスイッチ。」 イ 甲4発明4 甲4には、甲4発明1を含み、更に、次の事項を含む甲4発明4も記載されていると認められる。 「前記レバー状のスイッチと、ヘッドランプコントローラ6を備えるへッドランプ制御装置1であって(前記(2-2)ウ)、 前記ヘッドランプコントローラ6には、前記ライトスイッチ4より前記ヘッド位置、前記スモール位置、前記オートライト位置、前記オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFFが、日射センサ7より光量信号が、車速センサ16より車速Vc信号が入力され(前記(2-2)ウ)、 前記ヘッドランプコントローラ6は、 オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が走行中の時に、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯を保持し(前記(2-2)ウ)、 前記オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、前記オフ位置信号MOFFが入力されると、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3を消灯し(前記(2-2)エ)、 前記オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が停車状態の時に、前記プッシュスイッチ5が押圧操作されて前記ヘッドランプ2が消灯した後、 オフ位置信号MOFFが入力されると前記スモールランプ3を消灯し、 車両が走行状態になると前記ヘッドランプ2を点灯する(前記(2-2)オ)、 へッドランプ制御装置1。」 ウ 甲4記載事項 前記(2-1)、(2-2)から、甲4には、以下の事項(以下「甲4記載事項」が記載されていると認められる。 「ヘッドランプコントローラ6を備えたへッドランプ制御装置1において、前記ヘッドランプコントローラ6には、ライトスイッチ4からの位置信号、日射センサ7からの光量信号、及び車速センサ16からの車速Vc信号が入力され、前記ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射照センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合で、車両が停車状態でヘッドランプ2が消灯した後、車両が走行状態になると、前記ヘッドランプ2を点灯し、点灯忘れを防止する」こと。 (3)甲5 (3-1)記載事項 甲5には、以下の事項が記載されている。なお、甲5の記載事項は、申立人が提出した抄訳で示す。 ア 「外部照明 外部ランプコントロール 外部ランプコントロールは,ステアリングホイールの外側のインストルメントパネル上にあります。 下記のシステムを制御します。 ・ヘッドランプ ・サイドマーカーランプ ・パーキングランプ ・テールランプ ・ライセンスプレートランプ ・インストルメントパネルライト ・フォグランプ ・デイタイムランニングランプ(DRL)」 イ 「外部ランプコントロールには4つのポジションがあります。 (オフ):一旦この位置に回して,自動ライトコントロールをオフ又は再びオンにします。離すと,コントロールはオート位置に戻ります。」 ウ 「オート(自動):下記と共に,ヘッドランプを通常の明るさで自動的に点灯します。」 エ 「パーキングランプ):下記と共に,パーキングランプを点灯します。」 オ 「(ヘッドランプ):以下のランプと共に, ヘッドランプを点灯します。」 カ 甲5の第6-1ページの図は、以下に示すとおりである。 「 [図:0001435178000007.jpg] 」 (3-2)甲5記載事項 前記(3-1)から、甲5には、以下の事項(以下「甲5記載事項」が記載されていると認められる。 「車両のヘッドランプ及びサイドマーカーランプなどを制御する外部ランプコントロールにおいて、外部ランプコントロールは、オフ位置、オート位置、パーキングランプ位置、ヘッドランプ位置の4つのポジションがあり、オフ位置で手を離すとオート位置に戻る」こと。 (4)甲3を主引用文献とした場合(理由2及び理由3) (4-1)本件発明1について(理由2及び理由3) ア 対比 本件発明1と甲3発明1を対比する。 (ア)後者の「自動車」が前者の「車両」に相当し、以下同様に、後者の「レバー状のスイッチ」が前者の「レバースイッチ」に、後者の「コンビネーションスイッチ12」が前者の「レバー本体」に、後者の「回転部19」が前者の「回転操作子」に、後者の「照度検出手段3からの照度情報」が前者の「車両周囲の照度」に、後者の「前記回転部19の操作位置」が前者の「前記回転操作子の操作が可能な回転位置」に、それぞれ相当する。 以上の相当関係から、以下のことがいえる。 (イ)後者の「自動車のライトを制御するレバー状のスイッチ」は、前者の「車両が備えるライトを制御するレバースイッチ」に相当する。 (ウ)後者の「前記コンビネーションスイッチ12の先端に回転可能に設けられる回転部19」は、前者の「前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子」に相当する。 (エ)甲3の段落【0029】の記載から、後者の「ランプ6」は前者の「ヘッドライト及びスモールライト」に相当するといえる。 そうすると、後者の「ランプ6を点灯するヘッドライト位置15」は、前者の「ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」に相当する。 (オ)前記(エ)から、後者の「照度検出手段3からの照度情報に基づいて前記ランプ6の点灯消灯を制御するオートライト制御位置16」は、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」に相当する。 (カ)前記(エ)から、後者の「前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングでランプ6を点灯消灯する切替指示位置17」は、「ランプ6を消灯」する位置であるといえるので、前者の「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」とは、「前記ヘッドライト及びスモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」で共通する。 (キ)前記(エ)~(カ)から、後者の「前記コンビネーションスイッチ12には、ランプ6を点灯するヘッドライト位置15、その上側に、照度検出手段3からの照度情報に基づいて前記ランプ6の点灯消灯を制御するオートライト制御位置16、及び前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する切替指示位置17の順番で、前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示され、前記ヘッドライト位置15から下側に、スモールライト位置14、消灯位置13の順番で前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示され」ることと、前者の「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」ることは、「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることで共通する。 (ク)後者の「回転操作部19は、切替指示位置17から手を離すとすぐにオートライト制御位置16に復帰する」ことは、「切替指示位置17」と「オートライト制御位置16」の間で、「回転操作部19」への操作力をなくすと「回転操作部19」が「オートライト制御位置16に復帰する」構造を有しているといえるので、前記(カ)も踏まえると、前者の「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している」ことに相当する。 したがって、本件発明1と甲3発明1とは、 「車両が備えるライトを制御するレバースイッチであって、 レバー本体と、 前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え、 前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している、 レバースイッチ。」 との点で、一致し、以下の点で相違する。 [相違点3-1] 回転操作子の操作が可能な回転位置に関して、本件発明1は、ライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置「の3つのみ」がその順番で固定的に設けられるのに対して、甲3発明1は、ヘッドライト位置15、その上側に、オートライト制御位置16、切替指示位置17の順番で表示され、「ヘッドライト位置15から下側に、スモールライト位置14、消灯位置13の順番で」表示される点。 [相違点3-2] ライトOFFスイッチ位置で指示されるヘッドライトの消灯に関して、本件発明1は、ヘッドライト及びスモールライトの「段階的な」消灯であるのに対して、甲3発明1は、ランプ6(ヘッドライト及びスモールライト)の消灯である点。 イ 相違点についての検討 相違点3-1は、実質的な相違点であるので、本件発明1は、甲3発明1と同一ではない。 そして、甲3発明1において、切替指示位置17は、オートライト制御が実施されているときに、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6を点灯消灯させるための切替指示スイッチ51を操作させるための操作位置であり(甲3の段落【0032】参照)、スモールライト位置14及び消灯位置13とは、その技術的役割が大きく異なるものであり、切替指示位置17が、スモールライト位置14及び消灯位置13の代用の位置となるものではない。 そうすると、甲3発明1において、スモールライト位置14及び消灯位置13を省略し、操作位置をヘッドライト位置15、オートライト制御位置16、及び切替指示位置17の3つだけとすることの動機はない。 また、相違点3-1に係る本件発明1の発明特定事項が本件特許の出願前に公知であることを示す証拠もない。 したがって、甲3発明1において、相違点3-1に係る本件発明1の発明特定事項等することは、当業者が容易に想到し得たことではない。 よって、本件発明1は、甲3発明1ではない。また、本件発明1は、他の相違点について検討するまでもなく、甲3発明1に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4-2)本件発明4について(理由3) 本件発明4は、理由3の対象とはなっていないが、本件発明5~7の検討のために、ここで検討する。 ア 対比 本件発明4と甲3発明4を対比する。 (ア)前記(4-1)ア(ア)~(オ)の対比(相当関係)については、本件発明4と甲3発明4との対比においても同様である。 (イ)後者の「前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングでランプ6を点灯消灯する切替指示位置17」は、「ランプ6を消灯」する位置であるといえるので、前者の「前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」に相当する。 (ウ)前記(ア)及び(イ)から、後者の「前記コンビネーションスイッチ12には、ランプ6を点灯するヘッドライト位置15、その上側に、照度検出手段3からの照度情報に基づいて前記ランプ6の点灯消灯を制御するオートライト制御位置16、及び前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する切替指示位置17の順番で、前記回転部19の操作位置が図又は文字により表示され」ることは、前者の「レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられて」いることに相当する。 (エ)後者の「回転操作部19は、切替指示位置17から手を離すとすぐにオートライト制御位置16に復帰する」ことは、「切替指示位置17」と「オートライト制御位置16」の間で、「回転操作部19」への操作力をなくすと「回転操作部19」が「オートライト制御位置16に復帰する」構造を有しているといえるので、前記(イ)も踏まえると、前者の「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している」ことに相当する。 (オ)後者の「制御部1」が前者の「制御部」に相当し、以下同様に、後者の「回転部19が設定された位置」が前者の「前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置」に、後者の「周囲の照度」が前者の「車両周囲の照度」に、後者の「しきい値」が前者の「所定値」に、後者の「自動車のオートライト制御システム」が「オートライト制御装置」に、それぞれ相当する。 (カ)前記(オ)から、後者の「前記回転部19が設定された位置及び前記照度検出手段3からの照度情報に基づいて、前記ランプ6の点灯・消灯を制御する制御部1」と、前者の「車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部」は、「車両周囲の照度、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部」で共通する。 (キ)後者の「前記制御部1は、前記回転部19が前記オートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であると、前記ランプ6を点灯する」ことは、自動車が走行している場合も「ランプ6」は点灯しているので、前者の「前記制御部は、前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にする」ことに相当する。 (ク)後者の「任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する切替指示位置17」で「前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する」こと、及び「前記制御部1は、前記回転部19が前記オートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であると、前記ランプ6を点灯する」ことにおいて、「前記回転部19が前記オートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であ」り、「ランプ6」が「点灯」している状態において、「回転部19」を「切替指示位置17」にすると、自動車が走行状態の時も停車状態の時も「ランプ6」を「消灯」するといえる。 そうすると、後者の「任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する切替指示位置17」で「前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する」こと、及び「前記制御部1は、前記回転部19が前記オートライト制御位置16にあり、周囲の照度がしきい値以下であると、前記ランプ6を点灯する」ことは、前者の「前記制御部は、」「前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態にする」ことに相当する。 そうすると、本件発明4と甲3発明4は、 「レバー本体と前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子とを備えた、車両が備えるライトを制御するレバースイッチと、 車両周囲の照度、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部と、 を備えた、オートライト制御装置であって、 前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有し、 前記制御部は、 前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にし、 前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態にする、 オートライト制御装置。」 との点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点3-3] 制御部が取得する情報に関して、本件発明4は、「車両の走行状態」の情報も取得するのに対して、甲3発明4は、「車両の走行状態」の情報の取得について特定されていない点。 [相違点3-4] 本件発明4は、「前記ヘッドライトを消灯状態にした後、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続した場合、さらに前記スモールライトを消灯状態にする」のに対して、甲3発明4は、「切替指示位置17」では、「前記ランプ6が点灯しているときは前記ランプ6を消灯し、前記ランプ6が消灯中であれば前記ランプ6を点灯する、任意のタイミングで前記ランプ6を点灯消灯する」ものである点。 イ 相違点についての検討 事案に鑑み、相違点3-4について検討する。 甲3発明4において、切替指示位置17は、オートライト制御が実施されているときに、操作者(運転者)が任意のタイミングでランプ6(ヘッドライト及びスモールライト)を点灯消灯させるための切替指示スイッチ51を操作させるための操作位置であるところ(甲3の段落【0032】参照)、甲3には、切替指示位置17における、ランプ6の消灯に関して、回転部19を切替指示位置17の位置に操作した場合において、ヘッドライトを消灯状態にした後、回転部19の切替指示位置17の位置での保持状態が所定時間継続した場合に、スモールライトを消灯することについては、記載も示唆もされていない。 また、甲4記載事項も、車両のライトを制御するレバースイッチにおいて、レバースイッチの操作部をライトOFFスイッチ位置に操作したときに、ヘッドライトを消灯状態にするとともに、その後、操作部のライトOFFスイッチ位置での保持状態が所定時間以上になるとスモールライトを消灯状態にすることを示すものではない。 そうすると、甲3発明4において、甲4記載事項を踏まえ、相違点3-4に係る本件発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 また、相違点3-4に係る本件発明4の発明特定事項が本件特許の出願前に公知であることを示す証拠もない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、甲3発明4及び甲4記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4-3)本件発明5~7について(理由3) 本件発明5~7は、本件発明4の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである。 そうすると、前記(4-2)イと同様の理由により、本件発明5~7は、甲3発明4及び甲4記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4-4)意見書(申立人)における甲3を主引用文献とした取消理由3(進歩性)に関する申立人の主張についての検討 意見書(申立人)において、申立人は、本件発明1に対する甲3を主引用文献とした本件発明1に関する取消理由3に対して、新たに甲8(特開2001-233493号公報)を提出して、以下の点を主張する。 特許異議申立書54ページの「(9)甲第6号証及び甲第7号証に記載された技術常識」において述べたとおり、自動車の外部ライトを制御する際に、1つのスイッチ位置に異なったスイッチ機能を持たせることは技術常識であり、また、甲8には、建造物の照明ではあるが、1つのスイッチで複数の照明器具を段階的に消灯するように制御することは公知である。そして、甲3発明においても、スイッチ位置を削減することで使用者の利便性を改善させるために、ヘッドライトとスモールライトを同一のスイッチ位置で機能制御する動機づけは十分に存在する。 しかしながら、甲3発明1において、スモールライト位置14及び消灯位置13を省略し、操作位置をヘッドライト位置15、オートライト制御位置16、及び切替指示位置17の3つだけとすることの動機はないことは、前記(4-1)イで述べたとおりである。 そして、前記技術常識及び甲8に記載された事項によって、車両のライトを制御するレバースイッチにおいて、レバースイッチの操作部の操作位置をライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置の3つのみとし、ライトOFFスイッチ位置において、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示するように構成することが想起できるとも認められない。 したがって、申立人の主張を採用することはできない。 (5)甲4を主引用文献とした場合(理由3) (5-1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲4発明1を対比する。 (ア)後者の「ヘッドランプ2とスモールランプ3」が前者の「ライト」に、以下同様に、後者の「レバー状のスイッチ」が前者の「レバースイッチ」に、後者の「ライトスイッチ4を収容するランプレバー8」が前者の「レバー本体」に、後者の「回転子14」が前者の「回転操作子」に、後者の「ヘッドランプ2」が前者の「ヘッドライト」に、後者の「スモールランプ3」が前者の「スモールライト」に、後者の「日射強度レベル」が前者の「車両周囲の照度」に、後者の「前記回転子14の切換位置」が前者の「前記回転操作子の操作が可能な回転位置」に、それぞれ相当する。 以上の相当関係から、以下のことがいえる。 (イ)後者の「車両のヘッドランプ2とスモールランプ3の点灯及び消灯を切換え制御するレバー状のスイッチ」は、前者の「車両が備えるライトを制御するレバースイッチ」に相当する。 (ウ)後者の「ライトスイッチ4を収容するランプレバー8、前記ランプレバー8の先端に回転可能に設けられる回転子14」「を備え」ることは、前者の「レバー本体と、前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え」ることに相当する。 (エ)後者の「前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が点灯するヘッド位置」は、前者の「ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」に相当する。 (オ)後者の「オートランプ制御機能をオンさせ、日射強度レベルに基づいて前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯及び消灯を制御するオートライト位置」は、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」に相当する。 (カ)後者の「前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が消灯するオフ位置」と、前者の「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ」は、「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ」で共通する。 (キ)前記(エ)~(カ)から、後者の「前記ランプレバー8には、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が点灯するヘッド位置、前記スモールランプ3が点灯するスモール位置、オートランプ制御機能をオンさせ、日射強度レベルに基づいて前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯及び消灯を制御するオートライト位置、及び前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が消灯するオフ位置の順で、前記回転子14の切換位置が文字により表示される」ことと、前者の「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることは、「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることで共通する。 そうすると、本件発明1と甲4発明1は、 「車両が備えるライトを制御するレバースイッチであって、 レバー本体と、 前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子と、を備え、 前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す文字の表示と共にその順番で固定的に設けられている レバースイッチ。」 との点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点4-1] 回転操作子の操作が可能な回転位置に関して、本件発明1は、ライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置「の3つのみ」がその順番で固定的に設けられるのに対して、甲4発明1は、ヘッド位置、「スモール位置」、オートライト位置、及びオフ位置の切換位置がその順番で表示される点。 [相違点4-2] ライトOFFスイッチ位置で指示されるヘッドライト及びスモールライトの消灯に関して、本件発明1は、ヘッドライト及びスモールライトの「段階的な」消灯であるのに対して、甲4発明1は、ヘッドランプ2及びスモールランプ3の消灯である点。 [相違点4-3] 本件発明1は、「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有」するのに対して、甲4発明1は、回転子14は、かかる「モーメンタリ機構」を有していない点。 イ 相違点についての検討 事案に鑑み、関連する相違点4-1及び4-2について、まとめて検討する。 甲4には、ライトスイッチ4に関して、スモール位置を省略し、オフ位置において、ヘッドランプ2及びスモールランプ3の段階的な消灯を行うように構成することについては、記載も示唆もされていない。 また、甲5記載事項も、車両のライトを制御するレバースイッチにおいて、レバースイッチの操作部の操作位置をライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置の3つのみとし、ライトOFFスイッチ位置において、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示するように構成することを示すものではない。 そうすると、甲4発明1において、甲5記載事項を踏まえ、相違点4-1及び4-2に係る本件発明1の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得ないことである。 また、相違点4-1及び4-2に係る本件発明1の発明特定事項が本件特許の出願前に公知であることを示す証拠もない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲4発明1及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。 (5-2)本件発明4について 本件発明4は、理由3の対象とはなっていないが、本件発明5~7の検討のために、ここで検討する。 ア 対比 本件発明4と甲4発明4を対比する。 (ア)前記(4-1)ア(ア)~(オ)の対比(相当関係)については、本件発明4と甲4発明4との対比においても同様である。 (イ)後者の「前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が消灯するオフ位置」は、前者の「前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」に相当する。 (ウ)前記(ア)及び(イ)から、後者の「前記ランプレバー8には、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が点灯するヘッド位置、前記スモール位置、オートランプ制御機能をオンさせ、日射強度レベルに基づいて前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯及び消灯を制御するオートライト位置、及び前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3が消灯するオフ位置の順で、前記回転子14の切換位置が文字により表示される」ことは、前者の「前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられて」いることに相当する。 (エ)後者の「日射センサ7」による「光量信号」及び「前記日射センサ7の日射強度レベル」が前者の「車両周囲の照度」に相当し、以下同様に、「車速センサ16」からの「車速Vc信号」が前者の「車両の走行状態」に、後者の「前記ライトスイッチ4」からの「前記ヘッド位置、前記スモール位置、前記オートライト位置、前記オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFF」が前者の「前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報」に、後者の「ヘッドランプコントローラ6」が前者の「制御部」に、後者の「へッドランプ制御装置1」が前者の「オートライト制御装置」に、それぞれ相当する。 (オ)後者の「前記ヘッドランプコントローラ6には、前記ライトスイッチ4より前記ヘッド位置、前記スモール位置、前記オートライト位置、前記オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFFが、日射センサ7より光量信号が、車速センサ16より車速Vc信号が入力され」ることは、前者の「制御部」が「車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得」することに相当する。 そうすると、後者の「前記ヘッドランプコントローラ6には、前記ライトスイッチ4より前記ヘッド位置、前記スモール位置、前記オートライト位置、前記オフ位置の各位置信号MH,MSM,MAUT,MOFFが、日射センサ7より光量信号が、車速センサ16より車速Vc信号が入力され、前記ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が走行中の時に、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3を点灯を保持し、前記オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、前記オフ位置信号MOFFが入力されると、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3を消灯し、前記オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が停車状態の時に、前記プッシュスイッチ5が押圧操作されて前記ヘッドランプ2が消灯した後、オフ位置信号MOFFが入力されると前記スモールランプ3を消灯し、前記車両が走行状態になると、前記ヘッドランプ2を点灯する」ことは、前者の「制御部」が「車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する」ことに相当する。 (カ)後者の「前記ヘッドランプコントローラ6は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、車両が走行中の時に、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯を保持」することは、前者の「前記制御部は、前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態に」することに相当する。 (キ)後者の「前記ヘッドランプコントローラ6は、」「前記オートライト位置信号MAUTが入力されていて、前記日射センサ7の日射強度レベルが前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3の点灯指令時にある場合において、前記オフ位置信号MOFFが入力されると、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3を消灯」することは、車両が停車状態の時も消灯することは明らかなので、前者の「前記制御部は、前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態に」することに相当する。 そうすると、本件発明4と甲4発明4は、 「レバー本体と前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子とを備えた、車両が備えるライトを制御するレバースイッチと、 車両周囲の照度、車両の走行状態、及び前記レバースイッチの前記回転操作子のスイッチ位置の情報を取得し、当該取得した情報に基づいてヘッドライト及びスモールライトの点灯及び消灯を制御する制御部と、 を備えた、オートライト制御装置であって、 前記レバー本体には、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の順番で、前記回転操作子の操作が可能な回転位置が固定的に設けられており、 記制御部は、 前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって車両が走行している場合、前記車両周囲の照度が所定値以下になれば前記ヘッドライト及び前記スモールライトを点灯状態にし、 前記車両周囲の照度が前記所定値以下であり、かつ前記回転操作子が前記オートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつ前記ヘッドライト及び前記スモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されると前記ヘッドライトを消灯状態にする、 オートライト制御装置。」 との点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点4-4] 本件発明4は、「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有」するのに対して、甲4発明4は、回転子14は、かかる「モーメンタリ機構」を有していない点。 [相違点4-5] 本件発明4は、車両周囲の照度が所定値以下であり、かつ回転操作子がオートライトスイッチ位置にあって、車両が停車状態かつヘッドライト及びスモールライトが点灯状態にあるとき、前記回転操作子が記ライトOFFスイッチ位置へ回転操作されて「前記ヘッドライトを消灯状態にした後、前記回転操作子が前記ライトOFFスイッチ位置に保持された状態が所定時間継続した場合、さらに前記スモールライトを消灯状態にする」のに対して、甲4発明4は、オートライト位置信号MAUTが入力されていて、日射センサ7の日射強度レベルがヘッドランプ2及びスモールランプ3の点灯指令時にある場合において、「前記オフ位置信号MOFFが入力されると、前記ヘッドランプ2及び前記スモールランプ3を消灯」する点。 イ 相違点についての検討 事案に鑑み相違点4-5について検討する。 甲4には、回転子14をオフ位置に位置させて、ヘッドランプコントローラ6に対してオフ位置信号MOFFが入力された場合において、ヘッドランプ2を消灯させた後、回転子14のオフ位置での保持状態が所定時間継続した場合に、スモールランプ3を消灯することについては、記載も示唆もされていない。 また、甲5記載事項も、車両のライトを制御するレバースイッチにおいて、レバースイッチの操作部をライトOFFスイッチ位置に操作したときに、ヘッドライトを消灯状態にするとともに、その後、操作部のライトOFFスイッチ位置での保持状態が所定時間以上になるとスモールライトを消灯状態にすることを示すものではない。 また、相違点4-5に係る本件発明4の発明特定事項が本件特許の出願前に公知であることを示す証拠もない。 そうすると、甲4発明4において、甲5記載事項を踏まえ、相違点4-5に係る本件発明4の発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、甲4発明4及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (5-3)本件発明5~7について(理由3) 本件発明5~7は、本件発明4の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである。 そうすると、前記(5-2)イと同様の理由により、本件発明5~7は、甲4発明4及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (6)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲3発明ではなく、特許法第29条第1項第3号に該当せず、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではない。 また、本件発明1は、甲3発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないので、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 更に、本件発明5~7は、甲3発明4及び甲4記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、請求項5~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 そして、本件発明1及び5~7は、甲4発明4及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項1及び5~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 したがって、取消理由2(新規性)及び取消理由3(進歩性)によって、本件特許の請求項1及び5~7に係る特許を取り消すことはできない。 3 意見書(申立人)における申立人のその他の主張についての検討 意見書(申立人)において、申立人は、本件訂正及び取消理由2及び3以外についても主張するところ、その概要は以下のとおりである。 (1)「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯」がどのような構成を意味しているのかが不明であるので、本件発明1は、明確性要件違反である。 (2)「レバースイッチ」は、単なるスイッチであり、それ自体は、「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯」を行う機能は備えていないので、本件発明1の「レバースイッチ」の構成において、「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示する」とは、どのような構成を意味するのかが不明であるので、本件発明1は、明確性要件違反である。 (3)また、「レバースイッチ」の構成として、どのようにして「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯」をするのかが本件明細書に具体的に記載されておらず、本件発明1は、実施可能要件違反である。 上記主張について検討するに、(1)についてであるが、前記2(1)イ(ア)で述べたように、本件明細書等には、回転操作子12をライトOFFスイッチ位置における消灯の指示が、全灯状態(ヘッドライトが点灯かつスモールライトが点灯)、車幅灯状態(ヘッドライトが消灯しスモールライトが点灯)、全消状態の順番で行われることが記載されているといえるところ、このような消灯の順番は、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯であると認められる。 そうすると、本件明細書等の記載を踏まえれば、「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯」が全灯状態、車幅灯状態、全消灯状態の順番で消灯させることの意味であることは明確であるといえる。 また、(2)についてであるが、本件発明1における「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」との記載は、「レバースイッチ」の構成において、回転操作子の操作が可能な回転位置として「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示する」ための位置が「ライトOFFスイッチ位置」であることを示していることは明らかであり、したがって、本件発明1は、明確である。 そして、(3)についてであるが、前述したように、本件発明1における「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」との記載は、「ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示する」ための位置が「ライトOFFスイッチ位置」であることを示したものにすぎない。また、本件明細書等の段落【0024】、【0026】、【0030】、【0031】、並びに図6及び7には、回転操作子12をライトOFFスイッチ位置において、消灯の指示が、全灯状態(ヘッドライトが点灯かつスモールライトが点灯)、車幅灯状態(ヘッドライトが消灯しスモールライトが点灯)、全消状態の順番で消灯が行われることが記載されており、このような消灯の順番は、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯であると認められるところ、このような指示をするためのライトOFF位置がレバー本体11に設けられることが本件明細書等の段落【0014】及び【図1】に記載されているので、本件明細書等の記載は、当業者が本件発明1を実施できる程度に明確かつ十分に記載されているといえる。 以上のとおりであるから、申立人の主張を採用することはできない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 申立人は、特許異議申立書において、前記第4の引用文献一覧で示した証拠以外に、次の証拠を提出し、以下の特許異議申立理由(以下「申立理由」という。)を主張している。 甲6:実願平5-20913号(実開平6-74489号)のCD-ROM 甲7:米国特許出願公開第2015/035435号明細書 1 申立理由の概要 (1)本件発明4は、甲3に記載された発明、甲4、6、及び7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)本件発明6は、甲3に記載された発明、甲4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (3)本件発明4は、甲4に記載された発明、甲3及び5~7に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (4)本件発明7は、甲4に記載された発明、甲3及び5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 (5)本件発明1及び2は、甲5に記載された発明、甲3及び4に記載された事項に基いて当業者が容易に発明することができたものであるから、請求項1及び2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 2 申立理由についての検討 (1)申立理由(1)及び(2)について (1-1)甲6の認定事項 甲6の段落【0001】、【0016】、【0017】、及び【0019】から、甲6には、以下の事項(以下「甲6記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「車両のヘッドライトを自動的に点消灯する機能を有した車両用ヘッドライト制御装置における操作スイッチ8であって、前記操作スイッチ8は、運転席近傍に設けた例えばレバー操作方式で操作時のみON作動する構造のスイッチであり、前記操作スイッチ8から操作信号を入力する毎にメインランプ3とディマーランプ4を交互に切り換えると共に、前記操作スイッチ8を所定時間以上操作したときに、オートモードからマニュアメモードに、又はマニュアルモードからオートモードに切り換わること。」 (1-2)甲7の認定事項 甲7の段落[0039]、[0042]から、甲7には、以下の事項(以下「甲7記載事項」という。)が記載されていると認められる。 「ヘッドライト制御システムで使用するためのライトスイッチユニット10であって、ホーム位置16(中心位置)、前記ホーム位置16の左側に位置し、ヘッドライトがオフになっている自動車の状態に対応する「ヘッドライトオフ」を形成する第1の偏向位置12、及び前記ホーム位置16の右側に位置し、ヘッドライトの点灯モードに対応する「オン位置」である第2の偏向位置14の3つの異なる回転位置を有する回転アクチュエータ11を有し、 自動照明モードは、前記回転アクチュエータ11を前記第2の偏向位置14に回転させ、ヘッドライトオンモードをアクティブにするために必要な時間よりも長い時間、前記回転アクチュエータ11を前記第2の偏向位置14に保持することでアクティブになり、前記第2の偏向位置14での前記回転アクチュエータ11の保持される時間に応じて、ヘッドライトオンモード又は自動照明モードのいずれかが選択されること。」 (1-3)本件発明4について ア 対比 第5の(4)(4-2)で述べたとおり、本件発明4と甲3発明4とは、少なくとも相違点3-4で相違し、当該相違点3-4に係る本件発明4の発明特定事項は、甲4、6及び7にも記載されていない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、甲3発明4、6、及び7記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。 (1-4)本件発明6について 本件発明6は、本件発明4の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである。 そうすると、前記(4-2)イと同様の理由により、本件発明6は、甲3発明4、甲4、6、及び7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (1-5)小括 以上のとおり、本件発明4及び6は、甲3発明4、甲4、6、及び7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、請求項4及び6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 したがって、申立理由(1)及び(2)によって、本件特許の請求項4及び6に係る特許を取り消すことはできない。 (2)申立理由(3)及び(4)について (2-1)本件発明4について ア 対比 前記第5の(5)(5-2)で述べたとおり、本件発明4と甲4発明4とは、少なくとも相違点4-5で相違し、当該相違点4-5に係る本件発明4の発明特定事項は、甲4発明4、甲3及び5~7にも記載されていない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、甲4発明4、甲3及び5~7記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものではない。 (2-2)本件発明7について 本件発明7は、本件発明4の発明特定事項を全て含み、さらに限定を付加したものである。 そうすると、前記(2-2)イと同様の理由により、本件発明6は、甲4発明4、甲3及び5~7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2-3)小括 以上のとおり、本件発明4及び7は、甲4発明4、甲3及び5~7記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、請求項4及び7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 したがって、申立理由(3)及び(4)によって、本件特許の請求項4及び7に係る特許を取り消すことはできない。 (3)申立理由(5)について (3-1)甲5の認定事項 前記第5の2(3)(3-1)で示した記載事項、及び甲5の6-3ページ右欄8行~6-4ページ中欄26行の記載から、甲5について、以下の事項が認められる。 ア 外部ランプコントロールは、ステアリングホイールの外側のインストルメントパネル上に設けられ、ヘッドランプ、及びパーキングランプなどを制御する。 イ 外部ランプコントロールには、パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、ヘッドランプを点灯するヘッドランプ位置、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、パーキングライトを点灯するパーキングランプ位置、パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、ヘッドランプを通常の明るさで自動的に点灯するオート位置、自動ライトコントロールをオフ又は再びオンするオフ位置の4つのポジジョンが、この順番で図又は文字で表示されている。 ウ 前記第5の2(3)(3-1)カで示した図におけるヘッドランプ位置、パーキングランプ位置、オート位置、オフ位置の4つのポジジョンの配置を踏まえると、外部ランプコントロールは、ヘッドランプ位置、パーキングランプ位置、オート位置、オフ位置の4つのポジジョンに回転操作される回転操作子を備えている。 エ 外部ランプコントロールの回転操作子は、オフ位置で手を離すとオート位置に戻る。 エ 外が十分に暗く、外部ランプコントロールがオート位置の場合、自動ヘッドライトシステムは、パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、通常の明るさでヘッドランプをオンにし、外部ランプコントロールをオフ位置に回してから離すと自動ヘッドライトシステムがオフとなる。 (3-2)甲5発明 前記(3-1)から、甲5には、以下の発明(以下「甲5」)が記載されていると認められる。 「ステアリングホイールの外側のインストルメントパネル上に設けられ、ヘッドランプ、及びパーキングランプなどを制御する外部ランプコントロールであって、 前記外部ランプコントロールには、 前記パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを点灯するヘッドランプ位置、 前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、前記パーキングライトを点灯するパーキングランプ位置、 前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを通常の明るさで自動的に点灯するオート位置、 自動ライトコントロールをオフ又は再びオンするオフ位置の4つのポジジョンが、この順番で図又は文字で表示されており、 前記外部ランプコントロールは、前記4つのポジジョンに回転操作される回転操作子を備え、 前記回転操作子は、前記オフ位置で手を離すと前記オート位置に戻り、 外が十分に暗く、前記外部ランプコントロールが前記オート位置の場合、自動ヘッドライトシステムは、前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、通常の明るさで前記ヘッドランプをオンにし、前記外部ランプコントロールをオフ位置に回してから離すと前記自動ヘッドライトシステムがオフとなる、 外部ランプコントロール。」 (3-3)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲5発明とを対比する。 (ア)後者の「ヘッドランプ、及びパーキングランプなど」は、前者の「車両が備えるライト」に相当するので、後者の「ヘッドランプ、及びパーキングランプなどを制御する外部ランプコントロール」と、前者の「車両が備えるライトを制御するレバースイッチ」は、「車両が備えるライトを制御するスイッチ」で共通する。 (イ)後者の「ヘッドランプ」は、前者の「ヘッドライト」に相当し、後者の「パーキングランプ」は、前者の「スモールライト」に相当する。 (ウ)前記(イ)から、後者の「パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを点灯するヘッドランプ位置」は、前者の「ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置」に相当する。 (エ)前記(イ)から、後者の「外が十分に暗く、前記外部ランプコントロールが前記オート位置の場合、自動ヘッドライトシステムは、前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、通常の明るさで前記ヘッドランプをオンに」することは、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御する」ことに相当するので、後者の「前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを通常の明るさで自動的に点灯するオート位置」であって、「外が十分に暗く、前記外部ランプコントロールが前記オート位置の場合、自動ヘッドライトシステム」が「前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、通常の明るさで前記ヘッドランプをオンに」する「オート位置」は、前者の「車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置」に相当する。 (オ)後者の「自動ライトコントロールをオフ又は再びオンするオフ位置」は、「前記外部ランプコントロールをオフ位置に回してから離すと前記自動ヘッドランプシステムがオフとな」る位置であるところ、「自動ライトコントロール」が「オフ」となれば、「自動ヘッドライトシステム」が「オン」にしていた「前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、」「前記インストルメントパネルライト」、及び「前記ヘッドランプ」を消灯すると認められるので、前者の「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」とは、「前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置」で共通する。 (カ)後者の「前記外部ランプコントロールは、」「回転操作子を備え」ることと、前者の「レバースイッチ」が「前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる回転操作子」「を備え」ることは、「スイッチ」が「回転操作子を備える」ことで共通し、この限りにおいて、後者の「前記外部ランプコントロール」の「回転操作子」が「回転操作される」「ポジジョン」は、前者の「前記回転操作子の操作が可能な回転位置」に相当する。 (キ)前記(ア)~(カ)から、後者の「前記外部ランプコントロールには、前記パーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを点灯するヘッドランプ位置、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、前記パーキングライトを点灯するパーキングランプ位置、前記パーキングランプ、前記テールランプ、前記サイドマーカーランプ、前記ライセンスプレートランプ、及び前記インストルメントパネルライトと共に、前記ヘッドランプを通常の明るさで自動的に点灯するオート位置、自動ライトコントロールをオフ又は再びオンするオフ位置の4つのポジジョンが、この順番で図又は文字で表示されて」いることと、前者の「前記レバー本体には、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの段階的な消灯を指示するライトOFFスイッチ位置の3つのみが、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることは、「前記スイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられて」いることで共通する。 (ク)後者の「前記回転操作子は、オフ位置で手を離すとオート位置に戻る」ことは、「オフ位置」と「オート位置」との間で、「外部ランプコントロール」の「回転操作子」への回転操作力をなくすと、「回転操作子」が「オート位置に戻る」構造を有しているといえるので、前記(カ)の限りにおいて、前者の「前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している」ことに相当する。 そうすると、本件発明1と甲5発明は、 「車両が備えるライトを制御するスイッチであって、 回転可能に設けられる回転操作子を備え、 前記スイッチには、前記回転操作子の操作が可能な回転位置として、 ヘッドライト及びスモールライトの常時点灯を指示するライトONスイッチ位置、 車両周囲の照度に基づいて前記ヘッドライト及び前記スモールライトの点灯状態を制御するオートライトモードの設定を指示するオートライトスイッチ位置、及び 前記ヘッドライト及び前記スモールライトの消灯を指示するライトOFFスイッチ位置が、各位置の機能を示す図及び/又は文字の表示と共にその順番で固定的に設けられており、 前記回転操作子は、前記オートライトスイッチ位置から前記ライトOFFスイッチ位置までの間の位置で回転操作力が無くなると、前記オートライトスイッチ位置に自動的に復帰するモーメンタリ機構を有している レバースイッチ。」 との点で一致し、以下の点で相違する。 [相違点5-1] スイッチに関して、本件発明1は、「レバー本体と、前記レバー本体の先端部に回転可能に設けられる」回転操作子と、を備えた「レバー」スイッチであるのに対して、甲5発明は、「ステアリングホイールの外側のインストルメントパネル上に設けられ」た外部ランプコントロールであり、4つのポジジョンに回転操作される回転操作子を備えるものである点。 [相違点5-2] 回転操作子の操作が可能な回転位置に関して、本件発明1は、ライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置「の3つのみ」がその順番で固定的に設けられるのに対して、甲5発明は、ヘッドランプ位置、「パーキングランプ位置、」オート位置、及びオフ位置「の4つのポジジョン」が表示される点。 [相違点5-3] ライトOFFスイッチ位置で指示されるヘッドライトの消灯に関して、本件発明1は、ヘッドライト及びスモールライトの「段階的な」消灯であるのに対して、甲5発明は、自動ライトコントロールをオフするものであり、自動ヘッドライトシステムがオフとなるものである点。 イ 相違点についての検討 事案に鑑み、関連する相違点5-2及び5-3についてまとめて検討する。 甲5発明において、パーキングランプ位置は、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、及びインストルメントパネルライトと共に、パーキングライトを点灯する位置であり、また、オフ位置は、前記ア(オ)で述べたように、自動ヘッドライトシステムがオンにしていたパーキングランプ、テールランプ、サイドマーカーランプ、ライセンスプレートランプ、インストルメントパネルライト、及びヘッドランプを消灯する位置であると認められるところ、甲5には、パーキング位置を省略し、オフ位置において、ヘッドランプ及びパーキングランプを段階的に消灯するように構成することについては、記載も示唆もされていない。 また、甲3及び4の記載においても、車両のライトを制御するスイッチにおいて、スイッチの操作部の操作位置をライトONスイッチ位置、オートライトスイッチ位置、及びライトOFFスイッチ位置の3つのみとし、ライトOFFスイッチ位置において、ヘッドライト及びスモールライトの段階的な消灯を指示することについては、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲5発明において、甲3及び4に記載された事項を踏まえ、相違点5-2及び5-3に係る本件発明特定事項とすることは、当業者が容易に想到し得たことではない。 したがって、本件発明1は、甲5発明、甲3及び4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3-4)小括 以上のとおり、本件発明1は、甲5発明、甲3及び4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないので、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 したがって、申立理由(5)によって、本件特許の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 また、本件訂正によって、請求項2は削除されている。 第7 むすび 以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1及び4~7に係る特許を取り消すことはできない。 そして、他に本件特許の請求項1及び4~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、請求項2及び3に係る特許に対する特許異議の申立ては、本件訂正により請求項2及び3が削除されたことにより、特許異議の申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700184

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