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特許異議申立

2025-700168

ハードコート形成用硬化性組成物及び積層体

審判番号
2025-700168
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-122097
登録番号
7534880
請求日
2025年02月06日
審決日
2025年05月30日
公報発行日
2025年06月27日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社ネオス
  • 【権利者代理人】藤井 淳
  • 【異議申立人】林 法子
審判長/審判官
  • 審判長 柴田 昌弘
  • 審判官 中村 和正
  • 審判官 植前 充司
分類
P1651.121-Y (C08J) / P1651.537-Y (C08J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7534880号発明「ハードコート形成用硬化性組成物及び積層体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7534880号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7534880号(以下、この通知において「本件特許」という。)の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、令和2年7月16日の出願であって、令和6年8月6日にその特許権の設定登録(請求項の数5)がされ、同年同月15日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対して、令和7年2月6日に特許異議申立人 林 法子(以下、「特許異議申立人」という。)により、特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし5)がされた。 第2 本件特許発明 本件特許の請求項1ないし5に係る発明(以下、「本件特許発明1」ないし「本件特許発明5」という。)は、願書に添付された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物であって、 (1)a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物及びb)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)の少なくとも1種、 (2)ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物 (3)光重合開始剤及び (4)有機溶剤 を含み、かつ、 前記有機溶剤が、ハンセンの三次元空間において、下記式(a): 6.5≧{4(δ1d-δ2d)2+(δ1p-δ2p)2+(δ1h-δ2h)2}1/2・・・(a) (ただし、δ1dは有機樹脂基材の分散成分、δ2dは有機溶剤の分散成分、δ1pは有機樹脂基材の極性成分、δ2pは有機溶剤の極性成分、δ1hは有機樹脂基材の水素結合成分、δ2hは有機溶剤の水素結合成分を示す。) を満たす、 ことを特徴とする前記硬化性組成物が硬化してなるハードコートが有機樹脂基材表面上に形成されている積層体であって、前記有機樹脂基材とハードコートとの層間に両層に由来する厚み0.3~20μmの拡散層が形成されていることを特徴とする積層体。 【請求項2】 前記有機樹脂基材は、分散成分δ1dが10~30であり、極性成分δ1pが0~20であり、水素結合成分δ1hが0~20である、請求項1に記載の積層体。 【請求項3】 前記硬化性組成物中における前記(2)の化合物の含有量が固形分中5~20重量%である、請求項1又は2に記載の積層体。 【請求項4】 インサート成形又はインモールド成形に用いられる、請求項1に記載の積層体。 【請求項5】 請求項4に記載の積層体を成形してなる成形品。」 第3 特許異議申立人が主張する特許異議申立理由について 特許異議申立人が特許異議申立書において、請求項1ないし5に係る特許に対して申し立てた特許異議申立理由の要旨(下記1ないし3)は、次のとおりである。 1 申立理由1(明確性要件) 本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 申立理由1の具体的理由は、おおむね次のとおりである。 (1) 申立理由1-1(プロダクト・バイ・プロセス・クレームについて) 本件特許発明1は「積層体」という「物の発明」であるにも関わらず、請求項1で特定されるように、「(1)~(4)の成分を含む「硬化組成物」が硬化して形成された」というような、その物の製造方法によって規定されている。 本件特許発明1の「積層体」は、物の発明として、「有機樹脂基材」および「ハードコート」の材質、「有機樹脂基材」と「ハードコート」の層間に形成される「拡散層」の厚み等の形状・構造で十分に表現できる(いわゆる「不可能・非実際的事情」が無い)にも関わらず、その物の製造方法によって規定されており、特許を受けようとする発明が明確でない。 (2) 申立理由1-2(パラメータについて) 本件特許発明1の「積層体」の「ハードコート」を形成するために用いられる「硬化性組成物」では、「有機樹脂基材」の材料・材質については何ら規定されておらず、「有機溶剤」の材料・材質については「有機樹脂基材」の分散成分δ1d、極性成分δ1p、水素結合成分δ1hを用いた式(a)を満たす物として規定されている。 このように、本件特許発明1の「積層体」では、「有機樹脂基材」および「有機溶剤」の材料・材質について、当業者は何ら具体的なものを想定できないことから、特許を受けようとする発明が明確ではない。 2 申立理由2(甲第2号証を主たる証拠とする進歩性) 本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第2号証に記載された発明に基いて、本件特許の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、それらの発明に係る特許は、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 3 申立理由3(サポート要件) 本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであるから、同法第113条第4号に該当し、取り消すべきものである。 申立理由3の具体的理由は、おおむね次のとおりである。 本件特許発明1の「積層体」に係る発明は、高い硬度及び耐薬品性とともに、高い伸度を兼ね備えたハードコートを形成できる硬化性組成物を提供することを発明が解決しようとする課題(以下、「発明の課題」という。)とするものである(【0010】)。 そして、本件特許発明1の「積層体」の有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物の「(2)ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物」(本件特許明細書では、単に「拡散成分」ともいわれているので、以下では同様に「拡散成分」という。)は、「これにより、所望の拡散層を形成することが可能となる。」(【0048】)、「拡散層の形成の促進によって、高い伸度をより確実に得ることができる。」(【0052】)というように、発明の課題を解決するために重要な役割を果たすものである。 しかしながら、本件特許明細書に記載された実施例1~6では、拡散成分として、「M-306」が、硬化性組成物の固形分中に5重量%含有された場合だけしか、発明の課題が解決されることが具体的に確認できない。 4 証拠方法 ・甲第1号証:「プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する審査の取扱いについて」、特許庁、平成28年9月28日、(出力日:2024年12月19日)、URL:https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/tukujitu_kijun/product_process/index.html ・甲第2号証:特開2018-172638号公報 ・甲第3号証:片野未咲子、梅澤 史人、木山 修一、吉成 伸一、前田 秀一、「ハンセン溶解度パラメーターと浸漬仕事を指標としたカポック繊維への機能性材料内包方法の最適化」、日本画像学会誌、2017年、第56巻、第5号、第497頁ないし第501頁 ・甲第4号証:特開2017-78139号公報 ・甲第5号証:山本 秀樹、「Hansen溶解度パラメータを用いた相溶性の評価およびHansen溶解球法の適用事例」、日本エネルギー学会機関誌 えねるみくす、2019年、第98巻、第6号、第665頁ないし第669頁 ・甲第6号証:特開2019-210357号公報 ・甲第7号証:特開2019-65193号公報 ・甲第8号証:特開2019-65192号公報 ・甲第9号証:特開2017-19215号公報 なお、証拠の表記については、特許異議申立書の記載におおむね従った。 第4 当審の判断 以下に検討するとおり、当審はいずれの申立理由による理由によっても、本件特許発明1ないし5に係る特許を取り消すことはできないものと判断する。 1 申立理由1(明確性要件)について (1) 明確性要件の判断基準 特許を受けようとする発明が明確であるかは、特許請求の範囲の記載だけではなく、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮し、また、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるか否かという観点から判断されるべきである。 (2) 特許請求の範囲の記載 特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。 (3) 明確性要件についての判断 本件特許発明1は、「有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物」であって、「(1)a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物及びb)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)の少なくとも1種」、「(2)ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物」、「(3)光重合開始剤」及び「(4)有機溶剤」を含み、かつ、「前記有機溶剤が、ハンセンの三次元空間において、下記式(a): 6.5≧{4(δ1d-δ2d)2+(δ1p-δ2p)2+(δ1h-δ2h)2}1/2・・・(a) (ただし、δ1dは有機樹脂基材の分散成分、δ2dは有機溶剤の分散成分、δ1pは有機樹脂基材の極性成分、δ2pは有機溶剤の極性成分、δ1hは有機樹脂基材の水素結合成分、δ2hは有機溶剤の水素結合成分を示す。) を満たす」「前記硬化性組成物が硬化してなるハードコートが有機樹脂基材表面上に形成されている積層体」であって、「前記有機樹脂基材とハードコートとの層間に両層に由来する厚み0.3~20μmの拡散層が形成されている」「積層体」であり、その特定事項は当業者において明確であって、当業者の出願時における技術常識を基礎として、特許請求の範囲の記載が、第三者の利益が不当に害されるほどに不明確であるとはいえない。 本件特許発明2ないし5についても、それぞれの特定事項も含め、同様に判断される。 (4) 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、上記第3 1において、いわゆるプロダクト・バイ・プロセスクレームであること(申立理由1-1)、ハンセンのパラメータからは具体的なものを想起できないこと(申立理由1-2)を主張する。 そこで検討するに、硬化性組成物が硬化してなるハードコートが有機樹脂基材表面上に形成されることは、「有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物」の用途からみて当然のことであって、具体的な製法を特定するものではない。また、ハンセンのパラメータについては、特許異議申立人が提出する甲第3号証や甲第5号証にあるように、当該技術分野においてよく知られたパラメータであって、各材料についてのデータも広く公開されていること、さらには、本件特許の明細書の【0059】(一般的な有機樹脂基材についての説明)、【0060】(ハンセンのパラメータについては、公知の方法、例えば市販のHSP計算ソフトのデータベースを利用、あるいは溶解性試験による方法などによること)、【0061】、【0062】(使用可能な有機溶剤の例)の記載を踏まえると、具体的なものを想起することができないというものではない。 よって、特許異議申立人の上記主張はいずれも採用できない。 (5) 申立理由1についてのまとめ 上記(3)、(4)のとおりであるから、申立理由1の理由では、本件特許発明1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立理由2(甲第2号証を主たる証拠とする進歩性)について (1) 甲第2号証の記載事項等 ア 甲第2号証の記載事項 甲第2号証には、「硬化性組成物及びこれを用いたフィルム、およびフィルムを用いた成形品」に関し、次の記載がある。 「【請求項1】 重量平均分子量が3000~50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000~50000であり、ラジカル重合性基当量が600~3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物であって、該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物: (a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物; (a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する持つ化合物;および (a3)ジイソシアネート化合物 の反応生成物である、前記硬化性組成物。 【請求項2】 該ポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物: (a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物; (a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する持つ化合物; (a3)ジイソシアネート化合物;および (a4)分子内に2個の水酸基を有し、かつラジカル重合性基を有しない化合物 の反応生成物である、請求項1に記載の硬化性組成物。 【請求項3】 該重合開始剤(C)が、光重合開始剤である、請求項1または2に記載の硬化性組成物。 【請求項4】 さらに、分子内に1個以上のラジカル性重合性基を有するエチレン性不飽和化合物(D)を含む、請求項1~3のいずれかに記載の硬化性組成物。 【請求項5】 さらに、平均一次粒子径1~300nmの無機微粒子(E)を含む、請求項1~4のいずれかに記載の硬化性組成物。 【請求項6】 請求項1~5のいずれかに記載の硬化性組成物の硬化皮膜と、基材とを有する、成形フィルム。 【請求項7】 請求項6に記載の成形フィルムを表面に有する成形品。」 「【技術分野】 【0001】 本発明は、硬化性組成物に関する。さらに本発明は、硬化性組成物を硬化させることにより得られる硬化皮膜を用いた成形フィルムならびに成形品に関する。」 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 従来技術に係る硬化性組成物は、硬化後の塗膜の伸びが不十分であり、さらに成形品に貼り付けた硬化皮膜が剥離しやすいという問題があった。そこで本発明は、射出成形に支障を生じない伸びを有し、成形品の表面に密着し、表面を効果的に保護することができる硬化皮膜を形成する硬化性組成物を提供することを目的とする。」 「【課題を解決するための手段】 【0006】 本発明の実施形態における硬化性組成物は、重量平均分子量が3000~50000であり、側鎖ラジカル重合性基当量が1000g/mol以下であるポリウレタン化合物(A)と、重量平均分子量5000~50000であり、ラジカル重合性基当量が600~3500g/molであるアクリルポリマー化合物(B)と、重合開始剤(C)と、からなる硬化性組成物である。ここでポリウレタン化合物(A)が、以下の化合物:(a1)分子内に2個の水酸基と1個のラジカル重合性基とを有する化合物;(a2)分子内に1個の水酸基と1個以上のラジカル重合性基とを有する化合物;および(a3)ジイソシアネート化合物の反応生成物であることを特徴とする。 本発明の他の実施形態は、硬化性組成物を硬化させてなる硬化皮膜と、基材と有する、成形フィルムである。 本発明のさらに他の実施形態は、硬化性組成物を硬化させてなる硬化皮膜と、基材とを有する、成形フィルムを表面に有する成形品である。」 「【0025】 このように実施形態の硬化性組成物をプラスチック基材上で硬化させて硬化皮膜を形成し、得られた成形フィルムを、プラスチック等の成形品の表面を加工するためのフィルムとして用いることができる。実施形態の成形フィルムは、模様、図柄、パターン、色彩等を有していてもよく、透明であってもよい。模様等を有する成形フィルムは加飾フィルムと呼ばれ、成形品の表面に模様等を施すために用いられる。実施形態の成形フィルムを射出成形金型内に装填し、射出成形と同時に硬化皮膜を成形品に貼付することができる(インサート成形法)。また実施形態の成形フィルムを成形品の表面に貼付し、基材を剥離して模様や図柄が施された硬化皮膜を転写させることができる(転写法)。実施形態の硬化性組成物を硬化して得られた硬化皮膜は、射出成形法に対する耐熱性と、成形品表面に沿うことができる充分な伸び性を有し、かつ成形品表面に密着して、強固な皮膜を形成することができる。」 「【実施例】 【0026】 (1)硬化性組成物の作製 (A1)ポリウレタン化合物(A-1)の合成 500mLのナス型フラスコに、(a1)成分としてグリセリンモノメタクリレート(日油株式会社製、商品名:ブレンマーGLM)50.1重量部と、(a3)成分としてイソホロンジイソシアネート77.4重量部と、反応溶剤である酢酸エチル150.0重量部と、触媒であるジブチル錫ジラウネート0.004重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後(a2)成分として、ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名:アロニックスM-306)30.0重量部を加え、60℃で6時間反応させ、ポリウレタン化合物(A-1)(不揮発成分40%と反応溶剤である酢酸エチル60%と含む混合物))を得た。 重量平均分子量=4200、側鎖ラジカル重合性基当量(計算)=475g/mol」 「【0031】 (B1)アクリルポリマー化合物(B-1)の合成 500mLの4つ口フラスコに、ジメチルアクリルアミド46.2重量部と、テトラヒドロフルフリルアクリレート23.1重量部と、重合開始剤としてジメチル-2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオネート)0.7重量部と、重合調整剤としてチオグリセロール1.7重量部と、反応溶剤であるメチルエチルケトン140.0重量部とを仕込み、攪拌しながら60℃で6時間反応した。反応終了後、2-イソシアナトメチルアクリレート(昭和電工株式会社製、商品名:カレンズAOI)3.3重量部を加え、60℃で6時間反応させ、アクリルポリマー化合物(B-1)(不揮発成分33%と反応溶剤であるメチルエチルケトン67%とを含む混合物)を得た。 重量平均分子量=10000、ラジカル重合性基当量(計算)=3333g/mol」 「【0035】 上記の(A-1)~(A-5)と、(B-1)~(B-4)と、重合開始剤(C)としてIrgacure907(BASF株式会社製)と、エチレン性不飽和モノマー(D)としてヒドロキシプロピルアクリレート(HPA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)もしくはジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)と、無機微粒子としてNANOBYK-3610(ビックケミー・ジャパン株式会社製)と、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)とを、表1および2に記載する重量割合で配合して、硬化性組成物1~11を作製した。」 「【0037】 (2)成形フィルムの作製 硬化皮膜を形成する基材として、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルムを用いた。硬化後の膜厚が5μmとなるようにバーコート法によって上記の各硬化性組成物を基材に塗布した。そして硬化性組成物が塗布された基材を100℃で1分間乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射することにより、硬化性組成物を硬化させた。これにより成形フィルムAを得た。 同様に硬化皮膜を形成する基材として易接着処理ポリエチレンテレフタラートフィルムを用いたこと以外は成形フィルムAと同様にして、成形フィルムBを得た。成形フィルムAを用いて、外観、密着性、加熱後密着性、鉛筆硬度、耐擦傷性の評価を行い、成形フィルムBを用いて延伸性(破断点伸度)の評価を行った。」 「【0044】 【表1】 [図:0001423539000001.jpg] 」 「【0046】 なお、表中の略号の意味は、以下の通りである: SMP250AP:ラジカル重合性基当量が250g/molのアクリルポリマー化合物(共栄社化学株式会社製) Irgacure907:2-メチル-1-(4-メチルチオフェニル)-2-モルフォリノプロパン-1-オン(BASF株式会社製) HPA:ヒドロキシプロピルアクリレート THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート NANOBYK-3610:表面処理アルミナナノ粒子ディスパージョン(粒径D50=20μm、ビックケミー・ジャパン株式会社製) MEK:メチルエチルケトン」 イ 甲第2号証に記載された発明 上記アの記載、特に実施例2に関する記載に着目して整理すると、甲第2号証には次の発明が記載されていると認める。 「1)不揮発成分(合計100.0質量部)として、 1a)側鎖ラジカル重合性基当量が475g/molである、ポリウレタン化合物(A-1) 37.3重量部、 1b)ラジカル重合性基当量が3333g/molである、アクリルポリマー化合物(B-1) 46.6重量部、 1c)重合開始剤(C):Irgacure907(BASF株式会社製) 3.7重量部、 1d)エチレン性不飽和モノマー(D):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA) 9.3重量部 1e)無機微粒子:NANOBYK-3610(ビックケミ-・ジャパン株式会社製) 3.1重量部、 2)有機溶剤(合計210.4重量部)として、 2a)メチルエチルケトン(MEK) 59.9重量部、 2b)(A-1)由来の溶剤である酢酸エチル(Ethyl acetate) 55.9重量部、 2c)(B-1)由来の溶剤であるメチルエチルケトン(MEK) 94.6重量部、 を配合して硬化性組成物2を作製し、 前記硬化性組成物2を、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材に、硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、 前記硬化性組成物が塗布された基材を100℃で1分間乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記硬化性組成物を硬化させて得られる成形フィルムA。」(以下、「甲2発明」という。) (2) 対比・判断 ア 本件特許発明1について 本件特許発明1と甲2発明とを対比する。 甲2発明の「硬化性組成物2」は、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材に、硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、前記硬化性組成物が塗布された基材を100℃で1分間乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記硬化性組成物を硬化させて成形フィルムAを得るためのものであるから、本件特許発明1の「有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物」に相当する。 そして、甲2発明の「1a)側鎖ラジカル重合性基当量が475g/molである、ポリウレタン化合物(A-1)」、「1b)ラジカル重合性基当量が3333g/molである、アクリルポリマー化合物(B-1)」及び「1c)重合開始剤(C):Irgacure907(BASF株式会社製)」は、本件特許発明1の「a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物」、「b)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)」及び「光重合開始剤」に相当する。 また、甲2発明の「成形フィルムA」は、最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材に、硬化後の膜厚が5μmとなるように塗布し、前記硬化性組成物が塗布された基材を100℃で1分間乾燥し、活性エネルギー線として紫外線を照射して前記硬化性組成物を硬化させて得たものであるから、本件特許発明1の「前記硬化性組成物が硬化してなるハードコートが有機樹脂基材表面上に形成されている積層体」に相当する。 してみると、両者の間の一致点、相違点は次のとおりである。 (一致点) 「有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物であって、 (1)a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物及びb)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)の少なくとも1種、 (3)光重合開始剤及び (4)有機溶剤 を含む前記硬化性組成物が硬化してなるハードコートが有機樹脂基材表面上に形成されている積層体。」 (相違点) ・相違点1 硬化性組成物に関し、本件特許発明1は「(2)ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物」を含むことを特定するのに対し、甲2発明にはそのような特定がない点。 ・相違点2 有機溶剤に関し、本件特許発明1はハンセンの三次元空間において式(a)(合議体注:式(a)の記載は省略する。以下同様。))を満たすものであることを特定するのに対し、甲2発明にはそのような特定がない点 ・相違点3 本件特許発明1は「有機樹脂基材とハードコートとの層間に両層に由来する厚み0.3~20μmの拡散層が形成されている」ことを特定するのに対し、甲2発明にはそのような特定がない点。 事案に鑑み、相違点2について検討する。 甲2発明において硬化性組成物を塗布する基材は「最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材」であるところ、どのようなアクリル樹脂であるか明らかではないから、有機樹脂基材の分散成分、極性成分、水素結合成分の値を導くことができない。 また、「最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材」であれば、分散成分、極性成分、水素結合成分の値が特定のものとなるとする技術常識があるものでもない。 してみれば、有機樹脂基材の分散成分、極性成分、水素結合成分の値を導くことができない以上、有機溶剤が式(a)を満たすか否か明らかではない。 また、甲第2号証及び他の全ての証拠の記載をみても、甲2発明において、有機樹脂及び有機溶媒の分散成分、極性成分、水素結合成分に着目し、式(a)の条件を満たすものとする動機付けがない。 そして、本件特許発明1は、相違点2に係る発明特定事項を満たすことにより、「優れた硬度及び耐薬品性とともに、高い伸度を兼ね備えたハードコートを形成できる硬化性組成物を提供することができる」(【0013】)との、格別の効果を奏するものである。 よって、甲2発明において、相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項を満たすものとすることは、当業者が容易になし得たこととはいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (特許異議申立人の主張について) 特許異議申立人は特許異議申立書において、「積層体」には有機溶剤は残存していないことから、本件特許発明1において「有機溶剤」は発明特定事項として考慮しないことが妥当である(主張1)、甲2発明の基材である「最表層がアクリル樹脂で覆われたポリカーボネートフィルム基材」は、本件特許の明細書の実施例1の基材の「ポリカーボネート(PC)/ポリメチルメタクリレート(PMMA)からなる複層フィルム」と、その表面において格段の差異はないから、甲2発明の基材におけるHSP値は、本件特許の明細書の実施例1の基材と同程度である(主張2)旨主張(特許異議申立書第25頁ないし第26頁)する。 そこで上記主張について検討する。 本件特許の明細書の実施例、比較例にあるように、有機溶剤の組成によって塗膜物性が変わることが明らかである以上、「有機溶剤」は作製された「積層体」の物性に影響するものであるから、本件特許発明1において「有機溶剤」を発明特定事項として考慮すべきでないとする特許異議申立人の主張1は到底採用できない。 次に、甲2発明の基材の最表層である「アクリル樹脂」と本件特許の明細書の実施例1の基材表面である「ポリメチルメタクリレート(PMMA)」は、同じであるということがいえない以上、甲2発明の基材におけるHSP値は、本件特許の明細書の実施例1の基材と同程度であるとする特許異議申立人の主張2も採用することができない。 イ 本件特許発明2ないし5について 本件特許発明2ないし5は、本件特許発明1の発明特定事項の全てを有し、さらに特定するものである。 そして、上記アのとおり、本件特許発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、本件特許発明2ないし5も甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3) 申立理由2についてのまとめ 上記(2)のとおりであるから、申立理由2の理由では、本件特許発明1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。 3 申立理由3(サポート要件)について (1) サポート要件の判断基準 特許請求の範囲の記載が、サポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきものである。 (2) 特許請求の範囲の記載 特許請求の範囲の記載は、上記第2のとおりである。 (3) サポート要件についての判断 本件特許の発明の課題(以下、「発明の課題」という。)は、「高い硬度及び耐薬品性とともに、高い伸度を兼ね備えたハードコートを形成できる硬化性組成物を提供すること」(【0010】)である。 そして、本件特許の明細書の発明の詳細な説明には、「特定の組成からなる組成物を採用することにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った」(【0011】)との記載、 「本発明のハードコート形成用硬化性組成物(本発明組成物)は、有機樹脂基材上にハードコートを形成するための硬化性組成物であって、 (1)a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「ウレタン(メタ)アクリレート化合物」ともいう。)及びb)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)(以下、単に「(メタ)アクリレート化合物」ともいう。)の少なくとも1種、 (2)ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物(以下、単に「拡散成分」ともいう。) (3)光重合開始剤及び (4)有機溶剤 を含み、かつ、 前記有機溶剤が、ハンセンの三次元空間において、下記式(a): 6.5≧{4(δ1d-δ2d)2+(δ1p-δ2p)2+(δ1h-δ2h)2}1/2・・・(a) (ただし、δ1dは有機樹脂基材の分散成分、δ2dは有機溶剤の分散成分、δ1pは有機樹脂基材の極性成分、δ2pは有機溶剤の極性成分、δ1hは有機樹脂基材の水素結合成分、δ2hは有機溶剤の水素結合成分を示す。) を満たす、 ことを特徴とする」(【0016】)との記載、 「(1)ウレタン(メタ)アクリレート化合物又は(メタ)アクリレート化合物 本発明組成物では、上記(1)の成分として、a)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物及びb)ラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)の少なくとも1種を用いる。 これらの化合物は、ラジカル重合性基当量が300g/mol以上(好ましくは350g/mol以上)のものを用いる。これにより、高い伸度とともに、高い硬度、高い耐薬品性等を有するハードコートを形成することができる。なお、ラジカル重合性基当量の上限値は、特に限定されないが、例えば10000g/mol程度とすることができる」(【0020】、【0021】)との記載、 「拡散成分である(メタ)アクリレート化合物は、ラジカル重合性基当量が160g/mol以下(好ましくは100g/mol以下)のものを用いる。これにより、所望の拡散層を形成することが可能となる。この場合のラジカル重合性基当量の下限値は、特に制限されないが、例えば80g/mol程度とすることができる」(【0048】)との記載、 「光重合開始剤として、例えばa)光の照射によりラジカル活性種を発生する光ラジカル重合開始剤(例えばアセチルベンゼン、ジメトキシベンジル、ジベンゾイル、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、クロロチオキサトン、エチルアントラキノン等)、b)カチオン活性種を発生する光カチオン重合開始剤(例えばビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロホスファート、ビス(4-フルオロフェニル)ヨードニウムトリフラート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスファート、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-[2-(フラン-2-イル)ビニル]-1,3,5-トリアジン、4-ニトロベンゼンジアゾニウムテトラフルオロボラート等)、c)アニオン活性種を発生される光アニオン重合開始剤(アセトフェノン-O-ベンゾイルオキシム、シクロヘキシルカルバミン酸1,2-ビス(4-メトキシフェニル)-2-オキソエチル、ニフェジピン等)等を用いることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して使用しても良い」(【0053】)との記載、 「有機溶剤は、ハンセンの三次元空間において、下記式(a): 6.5≧{4(δ1d-δ2d)2+(δ1p-δ2p)2+(δ1h-δ2h)2}1/2・・・(a) (ただし、δ1dは有機樹脂基材の分散成分、δ2dは有機溶剤の分散成分、δ1pは有機樹脂基材の極性成分、δ2pは有機溶剤の極性成分、δ1hは有機樹脂基材の水素結合成分、δ2hは有機溶剤の水素結合成分を示す。) を満たすものを用いる。このような有機溶剤を用いることによって、拡散成分の作用も相まって、より確実に所望の拡散層を形成することができる」(【0056】)との記載、 「図2に示すようなハンセンの三次元空間において、有機樹脂基材及び有機溶剤のそれぞれの分散成分(δd)、極性成分(δp)及び水素結合成分(δh)をプロットすることによって有機樹脂基材のベクトルA、有機溶剤のベクトルBを示すことができる。これら各ベクトルの長さLA,LBが有機樹脂基材及び有機溶剤及びにおけるHildebrandの溶解度パラメータとなる。上記式(a)は、両ベクトルA,Bの先端(矢印部)どうしの距離D(以下「HSP距離」ともいう。)であり、その距離Dが短いほど一般に溶解性が高くなる。本発明では、そのようなHSP距離を6.5以下(好ましくは6以下)に制御することによって、所定の拡散層を積層体中に効果的に形成することができる」(【0057】)との記載があり、具体的な実施例、比較例を通じた検討結果も示されている(【0100】ないし【0114】)。 上記の記載に接した当業者であれば、硬化性組成物において「ラジカル重合性基当量が300g/mol以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物及びラジカル重合性基当量が300g/mol以上の(メタ)アクリレート化合物(ただし、ウレタン(メタ)アクリレート化合物を除く。)の少なくとも1種」、「ラジカル重合性基当量が160g/mol以下の(メタ)アクリレート化合物」、「光重合開始剤」及び「有機溶剤」を含み、かつ、有機溶剤が、「ハンセンの三次元空間において、下記式(a)を満たす」との特定事項を満たすことにより、発明の課題を解決できると認識できる。 そして、本件特許発明1ないし5はいずれも、上記の発明の課題を解決できると認識できる特定事項の全てを有し、さらに限定するものであるから、当然発明の課題を解決できると認識できる。 したがって、本件特許発明1ないし5は、本件特許の明細書の発明の詳細な説明の記載からみて、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たすものである。 (4) 特許異議申立人の主張について 特許異議申立人は、上記第3 3において、本件特許明細書に記載された実施例1ないし6では、拡散成分として、「M-306」が、硬化性組成物の固形分中に5重量%含有された場合だけしか、発明の課題が解決されることが具体的に確認できない点をあげ、実施例1ないし6以外の場合も含む本件特許発明1ないし5は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない旨主張する。 しかしながら、特許異議申立人は、具体的に確認されている例が特定のものでしかないというだけであって、本件特許発明1ないし5に含まれるものにおいて、具体的に発明の課題を解決し得ないことを示す証拠を提示し主張するものではない。 よって、特許異議申立人の主張は上記(3)の判断に何ら影響しない。 (5) 申立理由3についてのまとめ 上記(3)、(4)のとおりであるから、申立理由3の理由では、本件特許発明1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。 第5 結語 以上のとおりであるから、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許の請求項1ないし5に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1ないし5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700168

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