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特許異議申立

2025-700095

作業機械用周辺監視システム

審判番号
2025-700095
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-097649
登録番号
7522792
請求日
2025年01月22日
審決日
2026年03月26日
公報発行日
2026年09月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】住友重機械工業株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人ITOH
  • 【権利者代理人】伊東 忠重
  • 【異議申立人】須田 元也
審判長/審判官
  • 審判長 八木 誠
  • 審判官 河端 賢
  • 審判官 西山 智宏
分類
P1651.113-YAA(E02F) / P1651.121-YAA(E02F) / P1651.537-YAA(E02F)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第7項、特許法第29条第1項第3号、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7522792号発明「作業機械用周辺監視システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7522792号の特許請求の範囲を、令和7年10月27日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、4〕、〔2、5〕、3について訂正することを認める。 特許第7522792号の請求項1、3、4に係る特許を維持する。 特許第7522792号の請求項2、5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7522792号の請求項1ないし5に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)2月16日(優先権主張 平成29年2月17日、平成29年3月27日)を国際出願日とする特願2018-568644号の一部を令和4年6月16日に新たな特許出願とした出願であり、令和6年7月17日にその特許権の設定登録がされ、令和6年7月25日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和7年 1月22日 :特許異議申立人 須田 元也(以下、「申立 人」という。)による請求項1ないし5に係る 特許に対する特許異議の申立て 令和7年 8月26日付け:取消理由通知書(発送日:同年8月28日) 令和7年10月27日 :特許権者による意見書及び訂正請求書(以下、 「本件訂正請求」という。)の提出 令和7年12月19日 :申立人による意見書の提出 第2 本件訂正請求による訂正の適否についての判断 1 請求項1ないし5係る訂正 (1) 訂正の内容 ア 訂正事項1 特許権者は、特許請求の範囲の請求項1に 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の目印及び前記第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており、 前記表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、前記第2の目印よりも前記第1の目印の方が大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 と記載されているのを 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、前記第1の目印及び前記第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、前記表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、前記第2の目印よりも前記第1の目印の方が大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 に訂正し、請求項1の記載を引用する請求項4も同様に訂正することを請求する(下線は、本件訂正請求に係る訂正請求書において特許権者が記載したとおりである。以下同様。)。 イ 訂正事項2 特許権者は、特許請求の範囲の請求項2を削除することを請求する。 ウ 訂正事項3 特許権者は、特許請求の範囲の請求項3に 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の目印に対応する図形の内側の面積は、前記第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 と記載されているのを 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、前記第1の目印に対応する図形の内側の面積は、前記第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 に訂正することを請求する。 エ 訂正事項4 特許権者は、特許請求の範囲の請求項5を削除することを請求する。 オ 訂正前の請求項1、4は、請求項4が請求項1の記載を引用する関係にあり、訂正前の請求項2、5は、請求項5が請求項2の記載を引用する関係にあるから、本件訂正請求は、一群の請求項〔1、4〕〔2、5〕、3に対して請求されたものである。 (2) 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否及び独立特許要件 ア 訂正事項1 (ア) 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る特許発明の「前記第1の目印及び前記第2の目印は、形状の観点で種類が異なって」いることについて「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず」という限定を付加し、訂正前の請求項1に係る特許発明の「前記表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、前記第2の目印よりも前記第1の目印の方が大きい」ことについて「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず」という限定を付加することにより、その内容を限定するものである。 同様に、訂正後の請求項4に係る特許発明は、訂正後の請求項1に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項4に係る特許発明の内容を限定するものである。 よって、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ) 新規事項の有無 a 本件明細書の段落【0110】には「ステップS406Aにて、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像がスルー画像であるか否かを判定する。目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像がスルー画像である場合、ステップS407Aに進み、スルー画像でない(つまり、周辺画像である)場合、ステップS414Aに進む。」と記載されている。 b 同段落【0111】には「ステップS407Aにて、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されているスルー画像が、後方カメラ40B、左側方カメラ40L、及び右側方カメラ40Rのうちの一台だけのカメラの撮像画像であるかを判定する。目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されているスルー画像が、一台だけのカメラの撮像画像である場合、ステップS408Aに進み、それ以外の場合(つまり、二台のカメラの撮像画像である場合)、ステップS412Aに進む。」と記載されている。 c 同段落【0112】には「ステップS408Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類としてM角形を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印図形の構成点の数(選択数)をM(5以上の整数)に決定する。」と記載されている。 d 同段落【0113】には「一方、ステップS412Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類として四角形を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印画像の構成点の数(選択数)を4に決定する。」と記載されている。 e 同段落【0114】には「また、ステップS414Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類として線分を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印画像の構成点の数(選択数)を2に決定する。」と記載されている。 f 同段落【0115】には「このように、本例では、上述した図10等の場合と同様、目印画像表示処理部303Aは、表示装置50に表示されている監視画像上の監視対象の位置を表す目印を2種類以上の異なる表示態様で表示する。具体的には、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像の種類(つまり、スルー画像であるか、周辺画像であるか)に応じて、表示装置50に表示されている監視画像上における監視対象の位置を表す目印画像の種類を変更する。」と記載されている。 g 上記aないしfからみて、訂正事項1は、願書に添付した明細書及び図面に記載したこれらの各事項に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。 よって、訂正事項1は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(ア)のとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る特許発明の内容を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 同様に、訂正後の請求項4に係る特許発明は、訂正後の請求項1に係る特許発明の発明特定事項の記載を引用することにより、訂正前の請求項4に係る特許発明の内容を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 イ 訂正事項2について (ア) 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものである。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ) 新規事項の有無 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項2は、訂正前の請求項2を削除するものであることから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件特許異議申立ては、訂正前の請求項1ないし5に対してされたものであるから、訂正前の請求項2に係る訂正事項2において、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 ウ 訂正事項3 (ア) 訂正の目的について 訂正事項3は、訂正前の請求項3に係る特許発明の「前記第1の目印に対応する図形の内側の面積は、前記第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい」ことについて「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず」という限定を付加することにより、その内容を限定するものである。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ) 新規事項の有無 a 本件明細書の段落【0110】には「ステップS406Aにて、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像がスルー画像であるか否かを判定する。目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像がスルー画像である場合、ステップS407Aに進み、スルー画像でない(つまり、周辺画像である)場合、ステップS414Aに進む。」と記載されている。 b 同段落【0111】には「ステップS407Aにて、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されているスルー画像が、後方カメラ40B、左側方カメラ40L、及び右側方カメラ40Rのうちの一台だけのカメラの撮像画像であるかを判定する。目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されているスルー画像が、一台だけのカメラの撮像画像である場合、ステップS408Aに進み、それ以外の場合(つまり、二台のカメラの撮像画像である場合)、ステップS412Aに進む。」と記載されている。 c 同段落【0112】には「ステップS408Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類としてM角形を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印図形の構成点の数(選択数)をM(5以上の整数)に決定する。」と記載されている。 d 同段落【0113】には「一方、ステップS412Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類として四角形を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印画像の構成点の数(選択数)を4に決定する。」と記載されている。 e 同段落【0114】には「また、ステップS414Aにて、目印画像選択部3032Aは、目印図形の種類として線分を選択する。即ち、目印画像選択部3032Aは、候補点生成部3031Aにより生成された候補点群の中から選択する目印画像の構成点の数(選択数)を2に決定する。」と記載されている。 f 同段落【0115】には「このように、本例では、上述した図10等の場合と同様、目印画像表示処理部303Aは、表示装置50に表示されている監視画像上の監視対象の位置を表す目印を2種類以上の異なる表示態様で表示する。具体的には、目印画像選択部3032Aは、表示装置50に表示されている監視画像の種類(つまり、スルー画像であるか、周辺画像であるか)に応じて、表示装置50に表示されている監視画像上における監視対象の位置を表す目印画像の種類を変更する。」と記載されている。 g 上記aないしfからみて、訂正事項3は、願書に添付した明細書及び図面に記載したこれらの各事項に基づくものであり、新たな技術的事項を導入するものではない。 よって、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記(ア)のとおり、訂正事項3は、訂正前の請求項3に係る特許発明の内容を限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件特許異議申立ては、訂正前の請求項1ないし5に対してされたものであるから、訂正前の請求項3に係る訂正事項3において、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 エ 訂正事項4について (ア) 訂正の目的について 訂正事項4は、訂正前の請求項5を削除するものである。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ) 新規事項の有無 訂正事項4は、訂正前の請求項5を削除するものであることから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合するものである。 (ウ) 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項4は、訂正前の請求項5を削除するものであることから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正には該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (エ) 特許出願の際に独立して特許を受けることができること 本件特許異議申立ては、訂正前の請求項1ないし5に対してされたものであるから、訂正前の請求項5に係る訂正事項4において、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 2 小括 上記のとおり、訂正事項1ないし訂正事項4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定並びに同条第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、4〕、〔2、5〕、3について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件特許発明 本件訂正請求により訂正された請求項1ないし5に係る発明(以下、各請求項に係る発明を「本件発明1」などといい、本件発明1ないし5をまとめて「本件特許発明」という。)は、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。(なお、下線部は、訂正箇所について特許権者が付したものである。) 「【請求項1】 作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、前記第1の目印及び前記第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、前記表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、前記第2の目印よりも前記第1の目印の方が大きい、 作業機械用周辺監視システム。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 前記撮像手段により取得される第1の画像と、前記第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、前記第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、前記複数の前記撮像手段の前記第1の画像に基づき生成される、前記撮像手段とは異なる視点から前記作業機械の周辺を見た第2の画像と、前記第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、前記第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、前記第1の目印に対応する図形の内側の面積は、前記第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい、 作業機械用周辺監視システム。 【請求項4】 前記第1の目印及び前記第2の目印は、大きさの観点で種類が異なっており、 前記第1の目印の大きさは、前記第2の目印の大きさよりも大きい、 請求項1に記載の作業機械用周辺監視システム。 【請求項5】 (削除)」 第4 当審が令和7年8月26日付けで特許権者に通知した取消理由の概要 訂正前の請求項1ないし5に係る特許に対して、当審が令和7年8月26日付けの取消理由通知書において特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 1 (新規性)請求項1ないし5に係る発明(「本件発明1」ないし「本件発明5」という。)は、本件特許の現実の出願前又は原出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に該当するものであるから、請求項1ないし5に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものである。 2 (進歩性)請求項1ないし5に係る発明は、本件特許の現実の出願前又は原出願の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許の現実の出願前又は原出願の出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。 3 (サポート要件)請求項2及び5に係る特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 <引用する文献> 甲第1号証:国際公開第2018/151280号 甲第2号証:特開2015-210602号公報 第5 当審の判断 1 本件発明1、3及び4について 本件発明1、3及び4は、上記第3において示したとおりのものである。 2 甲号証に記載された発明について (1) 甲第1号証に記載された発明 本件特許出願の現実の出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲第1号証は、本件特許出願の原出願である特願2018-568644号の国際公開であり、本件特許の明細書及び図面と同様な発明ないし技術的事項が記載されていると認められる。 (2) 甲第2号証に記載された発明 ア 甲第2号証の記載事項 本件特許出願の原出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲第2号証には、以下のような記載がある(なお、下線は理解を容易にするために当審で付したものである。以下同様。)。 (ア) 「【技術分野】 【0001】 本発明は、作業機械の周囲に存在する障害物を単眼カメラ画像を利用して監視する作業機械の周囲監視装置に関する。」 (イ) 「【0019】 以下、本発明を用いた作業機械の周囲監視装置の例を、図面を用いて説明する。ここでは作業機械としてダンプトラックを適用した例について説明するが、作業機械はダンプトラックのみに限定されない。つまり、本発明は、油圧ショベルを含む、所定の作業(運搬や掘削等)を行う任意の作業機械に適用することができる。」 (ウ) 「【0021】 撮像装置である単眼カメラ6は、ダンプトラック1の任意の位置に設置することができる。本実施の形態では、合計4台のカメラ6a,6b,6c,6dが搭載されており、カメラ6aは、その視野範囲11(図1の破線11の範囲)に車両前方15aが含まれるように、ダンプトラック1の前方上部に斜め下方を俯瞰する格好で設置されている。これと同様に、カメラ6bは、視野範囲12に車両右側方15bが含まれるように車両右側方上部に設置されており、カメラ6cは、視野範囲13に車両後方15cが含まれるように車両後方上部に設置されており、カメラ6dは、視野範囲14に車両左側方15dが含まれるように車両左側方上部に設置されている。」 (エ) 「【0025】 運転室7はオペレータが搭乗してダンプトラック1を操作するためのステアリングハンドル、アクセルペダルおよびブレーキペダルを含む各種の操作手段が設けられている。その他の操作手段としては、例えば、ダンプトラック1を前進または後進させるシフトレバーがある。運転室7には画像処理装置10と表示装置100とが設けられており、カメラ6a及びカメラ6b及びカメラ6c及びカメラ6dにより撮影・生成される画像データは画像処理装置10で所定の画像処理が行なわれる。画像処理が行なわれた画像データは表示装置100に表示される。基本的に表示装置100にはカメラ6a及びカメラ6b及びカメラ6c及びカメラ6dが撮影する映像が表示されている。」 (オ) 「【0031】 本発明の作業機械の周囲監視装置の画像合成部35で実行される処理手順の一例を図4に示す。まず、ステップ35aで、画像合成部35は、4台のカメラ6a,6b,6c,6dのうちどのカメラの画像であるか判定する。そして、前方カメラ6aの場合には画像処理画面の左上に配置する処理を行ない(ステップ35b)、右側方カメラ6bの場合には画像処理画面の右上に配置する処理を行ない(ステップ35c)、後方カメラ6cの場合には画像処理画面の右下に配置する処理を行ない(ステップ35d)、左側方カメラ6dの場合には画像処理画面の左下に配置する処理を行う(ステップ35e)。この手順により4台のカメラ6a、6b、6c、6dの画像を1フレームとする合成画像が生成される(ステップ35f)。」 (カ) 「【0077】 図24は、影輪郭特徴パターン領域マスク部60でマスクされる領域を表示装置100に俯瞰画像110で表示した画面の一例を示す図である。この図の例では、ダンプトラック1の周囲から比較的近距離(約5m程度)の範囲に表示領域を限定して表示装置100に表示している。この図では、入力画像6bbの俯瞰画像20bb内の自車影90bに黒い車が進入しており、俯瞰画像20bbの処理対象から除外されるコーナー点51ee、51AA、51BB、51CC、51DD、51EE、51FF、51GG、51HHが表示されている。これにより、黒い車の残りの特徴パターンに基づいて物体検知部180が当該黒い車を障害物として検出し、ダンプトラック1に障害物が接近していることを示す警告表示190が表示画面110上に表示される。 【0078】 図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であり、表示装置100の画面上に表示された警告表示190により運転員は障害物の接近を容易に認知できる。警告表示190の形状は、矩形以外の図形でも良く、図形に色を付しても良いし、時間とともに形状や色を変化させても良い。なお、本実施の形態では、物体検知部180によって障害物が検知されたことを報知する報知装置の役割を表示装置100が果たしているが、障害物報知の方法としては音声を発生する音声装置や警告灯を利用しても良い。 【0079】 図25は表示装置100の表示画面の一例を示す図である。この図の例は、画像合成部35で合成された俯瞰画像110と、後方カメラ6cで撮影されたそのままの画像(スルー画像)111とを並列して表示した例であり、俯瞰画像110ではダンプトラック1の前部が上側に表示されており、運転室7がダンプトラック1の左上に表示されている。後方カメラ6cによるスルー画像111を表示することにより、運転員は見慣れたカメラ画像に基づいて違和感なく後方の障害物(車両105)を判別できる。図示した例では俯瞰画像110とスルー画像111の双方に警告表示190が表示されており、運転員は車両105の接近を容易に把握できる。」 (キ) 「 [図:0001439183000001.jpg] 」(【図1】) (ク) 「 [図:0001439183000002.jpg] 」(【図2】) (ケ) 「 [図:0001439183000003.jpg] 」(【図25】) イ 甲第2号証の認定事項 (ア) 上記ア(ア)ないし(オ)の記載及び上記ア(キ)ないし(ケ)の図示内容からみて、ダンプトラック1の周囲に存在する障害物を監視する撮像装置である4台の単眼カメラ6(前方カメラ6a、右側方カメラ6b、後方カメラ6c及び左側方カメラ6d)を備えるものであると認められる。 (イ) 上記ア(ア)ないし(カ)の記載及び上記ア(ケ)の図示内容からみて、後方カメラ6cで撮影されたそのままの画像であるスルー画像111と、スルー画像111上の障害物である車両105を囲む警告表示190とを、スルー画像111上の車両105が視認可能なように表示すると共に、4台のカメラ6a、6b、6c、6dの画像を1フレームとする合成画像を生成する、画像合成部35で合成された俯瞰画像110と、俯瞰画像110上の障害物である車両105を囲む警告表示190とを、俯瞰画像110上の車両105を視認可能なように表示する表示装置100を備えるものであると認められる。 (ウ) 上記ア(カ)及び上記ア(キ)の図示内容からみて、表示装置100は、スルー画像111と俯瞰画像110とを並列して表示し、スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であると認められる。 (エ) 上記ア(カ)及び上記ア(キ)の図示内容からみて、スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度であると認められる。 ウ 甲第2号証に記載された発明 上記アの記載事項及び上記イの認定事項からみて、甲第2号証には、以下の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「ダンプトラック1の周囲に存在する障害物を監視する撮像装置である4台の単眼カメラ6(前方カメラ6a、右側方カメラ6b、後方カメラ6c及び左側方カメラ6d)と、 後方カメラ6cで撮影されたそのままの画像であるスルー画像111と、スルー画像111上の障害物である車両105を囲む警告表示190とを、スルー画像111上の車両105が視認可能なように表示すると共に、4台のカメラ6a、6b、6c、6dの画像を1フレームとする合成画像を生成する、画像合成部35で合成された俯瞰画像110と、俯瞰画像110上の障害物である車両105を囲む警告表示190とを、俯瞰画像110上の車両105を視認可能なように表示する表示装置100と、を備え、 表示装置100は、スルー画像111と俯瞰画像110とを並列して表示し、 スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であり、 スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度である、 ダンプトラック1の周辺監視装置。」 3 上記第4の取消理由1及び2(甲第1号証に基づく新規性及び進歩性欠如)について (1) 本件発明1、3及び4についての新規性及び進歩性の判断基準時について 本件訂正請求により訂正前の請求項2及び5が削除されたことにより、本件特許出願は、原出願に対して新規事項を追加するものではなく、分割要件を満たすものであることから、本件発明1、3及び4についての新規性及び進歩性の判断基準時は、本件特許の原出願の優先日(平成29年2月17日及び同年3月27日)である。 (2) 本件発明1、3及び4について 甲第1号証は、上記2(1)のとおり、本件特許の原出願である特願2018-568644号の国際公開であることから、本件特許の原出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物ではないため、甲第1号証に基づく新規性及び進歩性の取消理由は存在しない。 (3) まとめ よって、本件発明1、3及び4において、甲第1号証に基づく新規性及び進歩性の取消理由は存在しない。 4 上記第4の取消理由1及び2(甲第2号証に基づく新規性及び進歩性欠如)について (1) 本件発明1について ア 対比・判断 (ア) 対比 本件発明1と甲2発明とを対比する。 a 撮像手段について 甲2発明における「ダンプトラック1」は本件発明1における「作業機械」に相当する。 そして、甲2発明における「ダンプトラック1の周囲に存在する障害物を監視する撮像装置である4台の単眼カメラ6(前方カメラ6a、右側方カメラ6b、後方カメラ6c及び左側方カメラ6d)」はダンプトラック1の周辺を撮像するものであるといえることから本件発明1における「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段」に相当する。 b 表示手段について 甲2発明における「後方カメラ6cで撮影されたそのままの画像であるスルー画像111」は本件発明1における「撮像手段により取得される第1の画像」に相当し、甲2発明における「スルー画像111上の障害物である車両105を囲む警告表示190」は本件発明1における「第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印」に相当する。そして、甲2発明における「スルー画像111上の車両105が視認可能なように表示する」ことは本件発明1における「第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する」ことに相当することから、甲2発明における「後方カメラ6cで撮影されたそのままの画像であるスルー画像111と、スルー画像111上の障害物である車両105を囲む警告表示190とを、スルー画像111上の車両105が視認可能なように表示する」ことは本件発明1における「撮像手段により取得される第1の画像と、第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する」ことに相当する。 また、甲2発明における「4台のカメラ6a、6b、6c、6dの画像を1フレームとする合成画像を生成する、画像合成部35で合成された俯瞰画像110」は本件発明1における「複数の撮像手段の第1の画像に基づき生成される、撮像手段とは異なる視点から作業機械の周辺を見た第2の画像」に相当し、甲2発明における「俯瞰画像110上の障害物である車両105を囲む警告表示190」は本件発明1における「第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印」に相当する。そして、甲2発明における「俯瞰画像110上の車両105を視認可能なように表示する」ことは本件発明1における「第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する」ことに相当する。 そうすると、甲2発明における「表示装置100」は本件発明1における「表示手段」に相当する。 c 第1の目印及び第2の目印について 甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190」は本件発明1における「第1の目印」に相当し、同様に、「俯瞰画像110上の警告表示190」は「第2の目印」に相当する。 そして、甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190」は長方形の枠状であり、「俯瞰画像110上の警告表示190」は略正方形の枠状であることから、これらは形状の観点で種類が異なるものであるといえる。 そうすると、甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であ」ることは本件発明1における「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なって」いることと「第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なって」いることの限りにおいて一致する。 d 表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量について 甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190」と「俯瞰画像110上の警告表示190」は「枠の太さは同程度であり」、「スルー画像111上の警告表示190」は「俯瞰画像110上の警告表示190」よりも大きいものである。 そして、枠状の図形を表示させるための仕様情報は、枠の太さが同程度である場合、枠のデータをピクセルで構成するデータ形式にもみられるように、枠状の図形が大きく枠線の総長さが長い方が枠状の図形が小さく枠線の総長さが短い方よりもデータ量が大きいことが通常である。 そうすると、甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度である」ことは本件発明1における「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい」ことと「表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい」ことの限りにおいて一致するといえる。 以上より、本件発明1は甲2発明と以下の点で一致し相違している。 <一致点> 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 撮像手段により取得される第1の画像と、第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、複数の撮像手段の第1の画像に基づき生成される、撮像手段とは異なる視点から作業機械の周辺を見た第2の画像と、第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており、 表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 <相違点1> 第1の目印及び第2の目印に関して、本件発明1は、「第1の画像及び第2の画像における監視対象の形状によらず、」第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており、「第1の画像及び第2の画像における監視対象の形状によらず、」表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きいものであるのに対し、甲2発明は、スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であり(第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており)、スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度である(表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい)ものではあるものの、これらがスルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の形状によらないものであるとの明示的な特定がない点。 (イ) 判断 相違点1について検討する。 甲第2号証の段落【0078】には「図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であ」る旨の記載があり、これは、段落【0077】における【図24】に図示された俯瞰画像110で表示した画面の一例を示す図に係る説明に続けて記載されたものではあるものの、同段落【0078】に続いて記載された段落【0079】において説明され同様に俯瞰画像110を(スルー画像111と並列して)表示した【図25】に表示された警告表示190においても同様であると理解することができる。 そして、【図25】の図示内容をみても、警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として、「スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であり」(第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており)、「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度である」(表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい)ものとして表示されていると認めることができる。 そうすると、これらのスルー画像111(第1の画像)上の警告表示190及び俯瞰画像110(第2の画像)上の警告表示190は、スルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の形状によらないものであるとはいえず、また、これを改変して該形状によらないものとする示唆ないし動機となるものがあるとは認められず、さらには、そのような改変をすることは、「警告表示190」を「障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として」表示するという甲第2号証に記載された発明における「警告表示190」の表示に関する考え方を損なうこととなるため、阻害要因があるともいえる。 そうすると、本件発明1は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。 イ 小括 したがって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明ではない。 また、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2) 本件発明3について ア 対比・判断 (ア) 対比 本件発明3と甲2発明とを対比すると、上記(1)ア(ア)に加えて、以下のとおりである。 a 第1の目印及び第2の目印について 甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190」は「長方形の枠状」であり、「俯瞰画像110上の警告表示190」は「略正方形の枠状」であることから、両者は警告表示190の内側に面積を有するものであり、前者は後者よりも「大きい」ものであることから、甲2発明における「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大き」いことは本件発明3における「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい」ことと「第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい」ことの限りにおいて一致するといえる。 以上より、本件発明3は甲2発明と以下の点で一致し相違している。 <一致点> 「作業機械の周辺を撮像する複数の撮像手段と、 撮像手段により取得される第1の画像と、第1の画像上の監視対象の位置を表す第1の目印とを、第1の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示すると共に、複数の撮像手段の第1の画像に基づき生成される、撮像手段とは異なる視点から作業機械の周辺を見た第2の画像と、第2の画像上の監視対象の位置を表す第2の目印とを、第2の画像上の監視対象自体を視認可能なように表示する表示手段と、を備え、 第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい、 作業機械用周辺監視システム。」 <相違点2> 第1の目印及び第2の目印に関して、本件発明3は、「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、」第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きいものであるのに対し、甲2発明は、スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きい(第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい)ものではあるものの、これらがスルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の大きさによらないものであるとの明示的な特定がない点。 (イ) 判断 相違点2について検討する。 甲第2号証の段落【0078】には「図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であ」る旨の記載があり、これは、段落【0077】における【図24】に図示された俯瞰画像110で表示した画面の一例を示す図に係る説明に続けて記載されたものではあるものの、同段落【0078】に続いて記載された段落【0079】において説明され同様に俯瞰画像110を(スルー画像111と並列して)表示した【図25】に表示された警告表示190においても同様であると理解することができる。 そして、【図25】の図示内容をみても、警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として、「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きい」(第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい)ものとして表示されていると認めることができる。 そうすると、これらのスルー画像111(第1の画像)上の警告表示190及び俯瞰画像110(第2の画像)上の警告表示190は、スルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の大きさによらないものであるとはいえず、また、これを改変して該大きさによらないものとする示唆ないし動機となるものがあるとは認められず、さらには、そのような改変をすることは、「警告表示190」を「障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として」表示するという甲第2号証に記載された発明における「警告表示190」の表示に関する考え方を損なうこととなるため、阻害要因があるともいえる。 そうすると、本件発明3は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明3は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできない。 イ 小括 したがって、本件発明3は、甲第2号証に記載された発明ではない。 また、本件発明3は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3) 本件発明4について 本件発明4は、本件発明1の全ての発明特定事項を含むものであり、上記(1)のとおり、本件発明1は甲2発明ではなく、また、本件発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないことから、本件発明4についても、甲第2号証に記載された発明ではなく、また、本件発明4は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (4) 令和7年12月19日に提出された意見書における申立人の主張について ア 同意見書における申立人の主張 同意見書において、申立人は、本件発明1、3及び4について、上記意見書において、以下のように主張する(下線は当審において付した。以下同様。)。 (ア) 本件発明1及び4について a 記載不備について(同意見書の4(1)欄) 本件発明1の「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、」なる事項について、このうち「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状」について本件明細書に記載がなく該形状が明確に把握できないため、上記事項の意味するところが明確でない。 b 新規性または進歩性について(同意見書の4(2)欄及び6欄) (a) 同意見書の4(2)欄における主張 「甲2号証の段落【0078】には、「図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であり、表示装置100の画面上に表示された警告表示190により運転員は障害物の接近を容易に認知できる。」と記載されている。これに甲2号証の図25を併せて見れば、甲2号証の警告表示190の形状(例えば略正方形なのか長方形なのか)は、車両105の形状に依っているのではなく、車両105の縦方向の長さ及び横方向の長さの関係に依っていることがわかる。 また、甲2号証の警告表示190の大きさについても、車両105の形状に依っているのではない。すなわち、特許異議申立書の13頁(5-2-2(2))に記載したとおり、スルー画像111上の警告表示190を俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きくすることは、スルー画像111及び俯瞰画像110の役割からみて当然のことであって、このことは車両105の形状に依って決まるのではない。なお、枠の大きさが同程度であれば、警告表示190のより大きい方がデータ量もより大きいことは自明である。 したがって、甲2号証には、車両105の形状に依らず、スルー画像111の警告表示190(第1の目印)と俯瞰画像110の警告表示190(第2の目印)とで形状の種類を異なるものとすること、及び、車両105の形状に依らず、データ量は俯瞰画像110の警告表示190(第2の目印)よりもスルー画像111の警告表示190(第1の目印)の方を大きくすることがいずれも開示されているといえる。」(同意見書の4(2)欄) したがって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明であり、また、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (b) 同意見書の6欄における主張 「甲2号証の図25及び関連する説明によれば、俯瞰画像110ではスルー画像111が縮小表示(合成)されること、俯瞰画像110ではスルー画像111上の物体は縦横比が変更表示(合成)されること、及び、俯瞰画像110ではスルー画像111がトリミング表示(合成)されることが理解できる。 これより、甲2号証の俯瞰画像110では、スルー画像111上の物体が小さく表示されるとともにその縦横比が変更されて表示されるから、結果的に、俯瞰画像110上の警告表示190よりもスルー画像111上の警告表示190の方が大きく表示され、かつ、俯瞰画像110上の警告表示1190とスルー画像111上の警告表示とは縦横比が異なるものとして表示されることになる。 そうすると、甲2号証には、監視対象の物体が何であれ、スルー画像111上の警告表示190(第1の目的)の縦横比と俯瞰画像110上の警告表示190(第2の目印)の縦横比とを異なるものとすること、及び、監視対象の物体が何であれ、俯瞰画像110上の警告表示(第2の目的)よりもスルー画像111上の警告表示(第1の目印)の方を大きくすることが開示されているといえる。なお、警告表示190の縦横比が異なれば矩形状は異なり、また、警告表示190の大きさがより大きければ仕様情報のデータ量はより大きくなりかつ図形の内側の面積もより大きくなることは自明である。 そして、甲2号証の上記「監視対象の物体が何であれ」は、追加事項1の「監視対象の形状によらず」や追加事項2の「監視対象の大きさによらず」と技術思想を異にするものではなく、後者は前者の具体的な態様を特定したにすぎない」(同意見書の6欄)。 したがって、本件発明1は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (イ) 本件発明3について a 記載不備について(同意見書の5(1)欄) 本件発明3の「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、」なる事項について、このうち「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさ」について本件明細書に記載がなく該大きさが明確に把握できないため、上記事項の意味するところが明確でない。 b 新規性または進歩性について(同意見書の5(2)欄及び6欄) (a) 同意見書の5(2)欄における主張 「甲2号証の警告表示190の大きさは、車両105の大きさに依っているのではない。すなわち、特許異議申立書の13頁(5-2-2(2))に記載したとおり、スルー画像111上の警告表示190を俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きくすることは、所定撮像範囲を監視するためのスルー画像111及び当該範囲を含む全体範囲を監視するための俯瞰画像110の役割からみて当然のことであって、このことは車両105の大きさに依って決まるのではない。 したがって、甲2号証には、車両105の大きさに依らず、スルー画像111の警告表示190(第1の目印)の内側の面積を俯瞰画像110の警告表示190(第2の目印)の内側の面積よりも大きくすることが開示されているといえる。」(同意見書の5(2)欄) したがって、本件発明3は、甲第2号証に記載された発明であり、また、本件発明3は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (b) 同意見書の6欄における主張 上記(ア)bと同様である。 イ 当審の見解 (ア) 上記ア(ア)の主張について a 上記ア(ア)aの主張について 本件明細書に「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状」について記載がなくとも、その字句から一般的な概念として把握することは可能であり、本件発明1の「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の形状によらず、」なる事項は、該形状によらないことを特定するものであることから、上記一般的な概念として把握することが可能であることとあわせて、殊更に本件発明1の明確性を損なわせしめるものとはいえない。 そうすると、本件発明1は明確であり、上記ア(ア)aの主張は採用することができない。 b 上記ア(ア)bの主張について (a) 上記ア(ア)b(a)の主張について 上記(1)ア(イ)のとおり、甲第2号証の段落【0078】の記載及び【図25】の図示内容からみて、警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として、「スルー画像111上の警告表示190は長方形の枠状であり、俯瞰画像110上の警告表示190は略正方形の枠状であり」(第1の目印及び第2の目印は、形状の観点で種類が異なっており)、「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きく、両警告表示190の枠の太さは同程度である」(表示手段に表示させるための仕様情報のデータ量は、第2の目印よりも第1の目印の方が大きい)ものとして表示されていると認めることができ、これらのスルー画像111(第1の画像)上の警告表示190及び俯瞰画像110(第2の画像)上の警告表示190は、スルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の形状によらないものであるとはいえず、また、これを改変して該形状によらないものとする示唆ないし動機となるものがあるとは認められず、さらには、そのような改変をすることは、「警告表示190」を「障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として」表示するという甲第2号証に記載された発明における「警告表示190」の表示に関する考え方を損なうこととなるため、阻害要因があるともいえる。 また、同主張にある「車両105の縦方向の長さ及び横方向の長さの関係に依っている」と解したとしても、実質的には車両105の形状の要素である「縦方向の長さ及び横方向の長さの関係に依っている」ものといえ、同形状によらないものであるとはいえない。さらに、同主張にある「スルー画像111上の警告表示190を俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きくすることは、スルー画像111及び俯瞰画像110の役割からみて当然のこと」については、甲第2号証に記載された発明において当然のこととする根拠は見当たらず、技術常識からみても、表示のレイアウトの具現化次第では該役割に依存してその大小が必ずしも必然的に決定されるものともいえない。 そうすると、本件発明1は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできないことから、上記ア(ア)b(a)の主張は採用することができない。 (b) 上記ア(ア)b(b)の主張について 甲第2号証の段落【0077】における【図24】に図示された俯瞰画像110で表示した画面の一例を示す図に係る説明に続けて段落【0078】に「図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であ」る旨の記載があることから、同主張において合成された表示としている俯瞰画像110上の警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として表示されていると認めることができ、【図25】に図示された俯瞰画像110上の警告表示190及びスルー画像111上の警告表示190についても同様に障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として表示されていると認めることができる。 そして、上記(a)と同様に、上記(1)ア(イ)のとおりである。 そうすると、本件発明1は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明1は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできないことから、上記ア(ア)b(b)の主張は採用することができない。 (イ) 上記ア(イ)の主張について a 上記ア(イ)aの主張について 本件明細書に「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさ」について記載がなくとも、その字句から一般的な概念として把握することは可能であり、本件発明3の「前記第1の画像及び前記第2の画像における前記監視対象の大きさによらず、」なる事項は、該大きさによらないことを特定するものであることから、上記一般的な概念として把握することが可能であることとあわせて、殊更に本件発明3の明確性を損なわせしめるものとはいえない。 そうすると、本件発明3は明確であり、上記ア(ア)aの主張は採用することができない。 b 上記ア(イ)bの主張について (a) 上記ア(イ)b(a)の主張について 上記(2)ア(イ)のとおり、甲第2号証の段落【0078】の記載及び【図25】の図示内容からみて、警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として、「スルー画像111上の警告表示190は俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きい」(第1の目印に対応する図形の内側の面積は、第2の目印に対応する図形の内側の面積よりも大きい)ものとして表示されていると認めることができ、これらのスルー画像111(第1の画像)上の警告表示190及び俯瞰画像110(第2の画像)上の警告表示190は、スルー画像111(第1の画像)及び俯瞰画像110(第2の画像)におけるスルー画像111上の障害物である車両105(監視対象)の大きさによらないものであるとはいえず、また、これを改変して該大きさによらないものとする示唆ないし動機となるものがあるとは認められず、さらには、そのような改変をすることは、「警告表示190」を「障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として」表示するという甲第2号証に記載された発明における「警告表示190」の表示に関する考え方を損なうこととなるため、阻害要因があるともいえる。 また、同主張にある「スルー画像111上の警告表示190を俯瞰画像110上の警告表示190よりも大きくすることは、所定撮像範囲を監視するためのスルー画像111及び当該範囲を含む全体範囲を監視するための俯瞰画像110の役割からみて当然のこと」については、甲第2号証に記載された発明において当然のこととする根拠は見当たらず、技術常識からみても、表示のレイアウトの具現化次第では該役割に依存してその大小が必ずしも必然的に決定されるものともいえない。 そうすると、本件発明3は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明3は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできないことから、上記ア(イ)b(a)の主張は採用することができない。 (b) 上記ア(イ)b(b)の主張について 甲第2号証の段落【0077】における【図24】に図示された俯瞰画像110で表示した画面の一例を示す図に係る説明に続けて段落【0078】に「図示した警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形であ」る旨の記載があることから、同主張において合成された表示としている俯瞰画像110上の警告表示190は、障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として表示されていると認めることができ、【図25】に図示された俯瞰画像110上の警告表示190及びスルー画像111上の警告表示190についても同様に障害物の特徴パターンの外形に略接するように規定された矩形として表示されていると認めることができる。 そして、上記(a)と同様に、上記(2)ア(イ)のとおりである。 そうすると、本件発明3は甲2発明と同一であるとはいえず、また、本件発明3は甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるということもできないことから、上記ア(イ)b(b)の主張は採用することができない。 (5) まとめ よって、本件発明1、3及び4は、甲第2号証に記載された発明ではない。 また、本件発明1、3及び4は、甲第2号証に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 5 上記第4の取消理由3(サポート要件)について 本件訂正請求により訂正前の請求項2及び5が削除されたことにより、同訂正前の請求項2及び5に係る特許についての取消理由3(サポート要件)は解消した。 そして、本件発明1、3及び4は、発明の詳細な説明に記載されたものである。 第6 むすび したがって、当審において通知した取消理由並びに特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、3及び4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、3及び4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 さらに、請求項2及び5に係る特許は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項2及び5に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700095

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