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特許異議申立

2025-700076

焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム、及びそれを用いた方向性電磁鋼板の製造方法

審判番号
2025-700076
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2024-068546
登録番号
7534570
請求日
2025年01月16日
審決日
2025年10月24日
公報発行日
2025年11月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】セトラスホールディングス株式会社
  • 【権利者代理人】青木 篤
  • 【権利者代理人】三橋 真二
  • 【権利者代理人】小野田 浩之
  • 【権利者代理人】奥野 剛規
  • 【権利者代理人】藤本 健治
  • 【異議申立人】小松 一枝
  • 【異議申立人】前田 知子
審判長/審判官
  • 審判長 粟野 正明
  • 審判官 井上 猛
  • 審判官 阿川 寛樹
分類
P1651.113-Y (C23C) / P1651.121-Y (C23C) / P1651.537-Y (C23C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条、特許法第36条、特許法第113条
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7534570号発明「焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム、及びそれを用いた方向性電磁鋼板の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7534570号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7534570号(請求項の数8。以下、「本件特許」という。)は、令和6年4月19日を出願日とする特許出願(特願2024-68546号)に係るものであって、令和6年8月5日に設定登録されたものである(特許掲載公報の発行日は、令和6年8月14日である。)。 その後、令和7年1月16日に、本件特許の請求項1~8に係る特許に対して、特許異議申立人である合同会社SAS(以下、「申立人A」という。)により、特許異議の申立て(以下、「申立てA」という。)がされたが、同年2月28日に当該申立てAは取り下げられた。 また、令和7年2月13日に、本件特許の請求項1~8に係る特許に対して、特許異議申立人である小松一枝及び前田知子(以下、まとめて「申立人B」という。)により、特許異議の申立て(以下、「申立てB」という。)がされた。 本件特許異議の申立てにおける手続の経緯は、以下のとおりである。 令和7年1月16日提出 特許異議申立書(申立人A) 2月13日提出 特許異議申立書(申立人B) 2月28日提出 異議取下書(申立人A) 3月21日提出 手続補正書(方式)(申立人B) 5月30日付け 取消理由通知書 7月31日提出 意見書 8月29日提出 上申書(申立人B) 第2 本件発明 本件特許の請求項1~8に係る発明は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される以下のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」等という。また、本件特許の願書に添付した明細書を「本件明細書」という。)。 【請求項1】 焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムであって、 前記酸化マグネシウムは、 表面に複数の窪みを有する網状粒子と、 板状粒子と、 を含み、 前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率は、1:99~20:80である、 焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項2】 前記網状粒子は、 前記網状粒子の粒子径は、0.05~5μmであり、 前記複数の窪みの各々の大きさは、0.005~0.2μmである、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項3】 前記板状粒子の粒子径は、0.05~5μmである、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項4】 前記酸化マグネシウムは、銅を含み、 前記銅の含有量は、3~200ppmである、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項5】 前記酸化マグネシウムの粒度分布において、 D10は、0.65~1.7μmであり、 D50が、1.5~3.6μmであり、 D90は、2.0~14μmであり、 体積平均径は、1.55~6.4μmである、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項6】 前記酸化マグネシウムは、前記板状粒子及び前記網状粒子よりも大きい塊状粒子を更に含む、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項7】 水を溶媒として、前記酸化マグネシウムを5~30質量%含むスラリーを形成したとき、 5℃における前記スラリーの粘度は、2.2~5.2mPa・sである、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。 【請求項8】 方向性電磁鋼板の製造方法であって、 請求項1に記載の焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムを含むスラリーを、脱炭焼鈍された鋼板に塗布する塗布工程と、 前記スラリーを塗布された前記鋼板を焼鈍する高温焼鈍工程と、 を備える、 製造方法。 第3 特許異議の申立て(申立てB)の理由及び取消理由の概要 1 特許異議申立書(申立てB)に記載した特許異議の申立ての理由 本件特許の請求項1~8に係る特許は、下記(1)~(6)のとおり、特許法113条2号及び4号に該当する(証拠方法は下記(7)を参照。以下、甲第1号証等を単に「甲1」等という。)。 (1)申立理由1-1(新規性) 本件発明1~3、8は、甲1に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~3、8に係る特許は、同法113条2号に該当する。 (2)申立理由1-2(新規性) 本件発明1は、甲5に記載された発明であり、特許法29条1項3号に該当し、特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、同法113条2号に該当する。 (3)申立理由2-1(進歩性) 本件発明1~3、6、8は、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~3、6、8に係る特許は、同法113条2号に該当する。 (4)申立理由2-2(進歩性) 本件発明1は、甲5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1に係る特許は、同法113条2号に該当する。 (5)申立理由3(サポート要件) 本件発明1~8については、特許請求の範囲の記載が特許法36条6項1号に適合するものではないから、本件特許の請求項1~8に係る特許は、同法113条4号に該当する。 (6)申立理由4(明確性要件) 本件発明1~8については、特許請求の範囲の記載が特許法36条6項2号に適合するものではないから、本件特許の請求項1~8に係る特許は、同法113条4号に該当する。 (7)証拠方法 ・甲1 特開2001-303258号公報 ・甲2 Tomoaki Ebinaga et al., "Influence of MgO powder addition on formation of MgO from Mg(OH)2 by thermal decomposition", Transactions of the Materials Research Society of Japan, 2010, 35[2], p.373-376 ・甲3 浜野健也、「水酸化マグネシウムの分解と,生成するマグネシアの焼結性状」、窯業協会誌、1966年、74[5]、p.144-152 ・甲4 特公昭52-31296号公報 ・甲5 特開2004-176144号公報 2 取消理由通知書に記載した取消理由 (1)取消理由1(明確性要件) 上記1の申立理由4(明確性要件)と同旨 第4 当合議体の判断 以下に述べるように、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書(申立てB)に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 1 取消理由1(明確性要件)、申立理由4(明確性要件) (1)取消理由通知書では、請求項1の「前記酸化マグネシウムは、表面に複数の窪みを有する網状粒子と、板状粒子と、を含み、」との記載における「網状粒子」、「板状粒子」のそれぞれの意味については、必ずしも明らかであるとはいえないところ、本件明細書の記載及び図面(【0019】~【0022】、【0085】、図1(a)、(b)、図2(a)、(b))を参酌すれば、網状粒子は、表面に複数の窪みを有する粒子であって、網の部分を形成している骨格部分と網目の部分を形成している窪み部分とを備える網状の粒子であり、骨格部分は平坦な板状であってもよく、窪みの一部又は全部は骨格部分を貫通する貫通孔を含んでもよいもの、と一応理解でき、また、板状粒子は、表面に目立った窪みを有さない平坦な粒子であり、網状粒子に見られる窪み程ではないが少量の浅い窪みを有していてもよいもの、と一応理解できるものの、以下の図2(a)、(b)において丸で囲った各粒子(いずれも、平坦な粒子であって、複数の窪み(少量の窪み)を有するもの)が、網状粒子に該当するものであるのか、あるいは、板状粒子に該当するものであるのか、いずれであるか明らかであるとはいえないため、「網状粒子」、「板状粒子」との記載を含む請求項1における上記記載は、第三者に不測の不利益を及ぼすほどに不明確であるといえるから、請求項1に係る発明、請求項1を引用する請求項2~8に係る発明は、明確であるとはいえない旨、指摘した。 [図:0001429026000001.jpg] (2)これに対して、特許権者は、意見書において、網状粒子は、特定の粒子を20000倍のSEM写真で観察した際に、その粒子に、平坦な形状の骨格部分(一部又は全部が、任意の方向に曲がったり、歪んだりした形状であってもよい)及び複数の窪み(一部又は全部が、酸化マグネシウム粒子(骨格部分)を貫通する貫通孔を含んでもよい)が看取できるものと定義でき、また、板状粒子は、特定の粒子を20000倍のSEM写真で観察した際に、平坦な粒子であって、窪みが観察されない、又は、窪みが観察されたとしても、その窪みが浅い(貫通孔を含まない)ものと定義できるところ、図2(a)及び(b)において丸で囲った各粒子については、いずれも、平坦な骨格部分を有しており、複数の窪みが存在し、複数の窪みの一部は、酸化マグネシウム粒子(骨格部分)を貫通する貫通孔を含んでいるとの特徴が看取できるから、網状粒子に該当するものであると主張した。 (3)上記(1)の網状粒子及び板状粒子についての理解を前提として、図2(a)及び(b)において丸で囲った各粒子がいずれも網状粒子に該当する旨の主張を含む上記(2)の主張も考慮すれば、網状粒子は、20000倍のSEM写真で観察した際に、骨格部分と当該骨格部分の表面に複数の窪み(貫通孔を含む。)が観察される粒子であり、骨格部分よりも相対的にコントラストが濃い部分が窪みであると理解できる。 一方、板状粒子は、20000倍のSEM写真で観察した際に、表面に目立った窪み(相対的にコントラストが濃い部分)が観察されない平坦な粒子であって、少量の浅い窪みは、本件明細書の記載(【0085】)を踏まえると、平坦な粒子の表面に(平坦とはいえ)不可避的に形成されると考えられる凹凸であると理解できる。 以上によれば、請求項1の「前記酸化マグネシウムは、表面に複数の窪みを有する網状粒子と、板状粒子と、を含み、」との記載における「網状粒子」、「板状粒子」のそれぞれの意味は明確であり、本件発明1~8は明確であるといえる。 (4)ア 申立人Bは、網状粒子は複数の窪みを有するものであり、板状粒子も少量の浅い窪みを有するものであるところ、「浅い」の程度については本件明細書に何ら記載されていないから、網状粒子と板状粒子を明確に区別する基準は不明であると主張する。 また、申立人Bは、SEM写真という二次元的な情報(コントラスト)から、窪みに見える箇所について、どの程度のコントラスト(濃淡の暗さ)で窪みの浅い深いが区別されるのか、本件明細書には具体的な記載がないとも主張する。 しかしながら、網状粒子と板状粒子の区別については、上記(3)のとおりであるから、申立人Bの主張はいずれも採用できない。 イ 申立人Bは、甲1には、水酸化マグネシウムを焼成すると、焼成温度により、穴が多数空いたような網状粒子から、焼結により多面体構造となるような板状粒子へ、連続的に遷移していくことが示唆されており(【0035】)、図2においても、どちらとも判断がつかない粒子が少なからず存在しているから、このように形状が連続的に遷移(変化)していく粒子を客観的に2つに分類することは、そもそも無理があると主張する。 しかしながら、本件発明1~8においては、酸化マグネシウムの全てが網状粒子と板状粒子で構成されている必要はなく、これら以外に分類される粒子が含まれてもよいことは、請求項1の「前記酸化マグネシウムは、表面に複数の窪みを有する網状粒子と、板状粒子と、を含み、」との記載、請求項6の「前記酸化マグネシウムは、前記板状粒子及び前記網状粒子よりも大きい塊状粒子を更に含む」との記載、本件明細書の記載(【0027】)から明らかである。このようなことを踏まえると、水酸化マグネシウムを焼成することにより形状が連続的に遷移(変化)していく粒子の全てが、必ず、網状粒子と板状粒子のいずれかに該当するわけではなく、ある条件を満たすものが網状粒子や板状粒子に該当するにすぎないことも明らかである。 この点、申立人Bは、深い(浅くない)窪みが1つのみの場合は、網状粒子なのか、板状粒子なのか不明であるとも主張するが、いずれにも該当しないことは、上記(3)から明らかである。 よって、いずれにしろ、申立人Bの主張は採用できない。 (5)したがって、取消理由1(明確性要件)、申立理由2(明確性要件)によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 2 申立理由1-1(新規性)、申立理由2-1(進歩性) (1)甲1に記載された発明 甲1の記載(請求項1、【0001】、【0010】、【0017】~【0022】、【0029】~【0037】、【0048】~【0054】、表1~4)によれば、特に、請求項1、【0035】、【0037】の記載を前提として、表1の粉体No.14、15にそれぞれ着目すると、甲1には、以下の発明が記載されていると認められる。 「クエン酸活性度が40%CAAで68s、BET法による比表面積が23m2/gおよび強熱減量による水和量が2.2mass%で、母塩の形骸を含む粉体であって、 該粉体は、母塩の形骸が継承され、母塩の形骸が残存した割合が100mass%である粉体No.1を87mass%と、母塩の形骸が消失し、母塩の形骸が残存した割合が0mass%である粉体No.6を13mass%と、をブレンドすることにより得られた、母塩の形骸が残存した割合が87mass%である粉体であり、 該粉体は、粒度0.2~0.8μmの含有率が89mass%、粒度2.5~5μmの含有率が7mass%、かつ、粒度0.2~0.8μmの含有率と粒度2.5~5μmの含有率との合計が96mass%である、方向性電磁鋼の焼鈍分離剤用マグネシア。」(以下、「甲1発明1」という。) 「クエン酸活性度が40%CAAで78s、BET法による比表面積が20m2/gおよび強熱減量による水和量が1.7mass%で、母塩の形骸を含む粉体であって、 該粉体は、母塩の形骸が継承され、母塩の形骸が残存した割合が100mass%である粉体No.2を20mass%と、同粉体No.3を40mass%と、同粉体No.5を20mass%と、母塩の形骸が消失し、母塩の形骸が残存した割合が0mass%である粉体No.6を20mass%と、をブレンドすることにより得られた、母塩の形骸が残存した割合が80mass%である粉体であり、 該粉体は、粒度0.2~0.8μmの含有率が28mass%、粒度2.5~5μmの含有率が24mass%、かつ、粒度0.2~0.8μmの含有率と粒度2.5~5μmの含有率との合計が52mass%である、方向性電磁鋼の焼鈍分離剤用マグネシア。」(以下、「甲1発明2」という。) (2)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明1、2とを対比する。 (ア)甲1発明1、2における「方向性電磁鋼の焼鈍分離剤用マグネシア」は、マグネシアが酸化マグネシウムであることが明らかであるから、本件発明1における「焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム」に相当する。 (イ)甲1発明1、2における「マグネシア」が「粉体」、すなわち、粒子で構成されることは、上記(ア)を踏まえると、本件発明1における「酸化マグネシウム」が「粒子」「を含」むことに相当する。 (ウ)以上によれば、本件発明1と甲1発明1、2とは、 「焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムであって、前記酸化マグネシウムは粒子を含む、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点1-1 酸化マグネシウムが、本件発明1では、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含み、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」が「1:99~20:80」であるのに対して、甲1発明1、2では、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むかどうか不明であり、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」も不明である点。 イ 相違点1-1の検討 (ア)まず、相違点1-1が実質的な相違点であるか否かについて検討する。 a 甲1には、マグネシアが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことについては、何ら記載されていない。また、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアであれば、必ず、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことが技術常識であるともいえない。 そうすると、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むかどうかは、不明である。また、そうである以上、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアにおいて、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」が「1:99~20:80」であるかどうかも、不明である。 b この点、申立人Bは、(a)甲1の記載(【0035】)によれば、「母塩の形骸」を有する粉体は、多面体構造になる前の段階である、穴が多数空いた状態であったり、それに由来する窪み(多面体構造となる過程で穴が塞がったような窪み)を有するものであること、(b)水酸化マグネシウムを焼成して酸化マグネシウムを製造する過程において、穴が多数空いた状態になることは、従来から知られていること(甲2、3)、(c)本件発明1における網状粒子の窪みは、貫通孔を含んでよいこと、を根拠として、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した」「粉体」は、本件発明1における「表面に複数の窪みを有する網状粒子」に相当すると主張する。 しかしながら、甲1の記載(【0035】)によれば、「母塩の形骸とは、このような多面体構造になる前の段階を指す」ものではあるものの、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した」「粉体」が、多面体構造になる前の段階のうち、具体的にどの段階のものであるのかは不明であるから、実際に、申立人Bが主張するような、穴が多数空いた状態であるのか、それに由来する窪み(多面体構造となる過程で穴が塞がったような窪み)を有するものであるのか、これら以外の状態のものであるのかは、不明というほかない。 以上によれば、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した」「粉体」が、実際に、本件発明1における「表面に複数の窪みを有する網状粒子」に相当するといえるかどうかは、不明である。 よって、申立人Bの主張は採用できない。 c また、申立人Bは、甲1の記載(【0035】)によれば、(a)母塩の形骸の状態から焼結の程度が進むと、母塩の形骸が消失した構造(例えば多面体構造)となること、(b)本件明細書には、焼成温度(保持温度)が高くなったり、焼成時間(昇温時間、保持時間、降温時間)が長くなったりすると、焼結が進んで「網状粒子」から「板状粒子」へと遷移することが記載されていること(【0042】、【0045】)、を根拠として、甲1発明1、2における「母塩の形骸が消失し」た「粉体」は、本件発明1における「板状粒子」に相当すると主張する。 しかしながら、甲1における上記「多面体構造」が具体的にどのような状態のものであるのか明らかではないから、甲1発明1、2における「母塩の形骸が消失し」た「粉体」が、実際に、本件発明1における「板状粒子」に相当するといえるかどうかは、不明である。 よって、申立人Bの主張は採用できない。 d さらに、申立人Bは、上記b、cの主張を前提として、甲1の表1の粉体No.14、15において、母塩の形骸が残存した粉体の割合が87%、80%であり、母塩の形骸が消失した粉体の割合は13%、20%であるから、甲1発明1、2において、母塩の形骸が残存した粉体の割合が87%、80%であることは、本件発明1において、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率は、1:99~20:80である」ことを満たすと主張する。 しかしながら、上記b、cで述べたとおり、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した」「粉体」、「母塩の形骸が消失し」た「粉体」が、それぞれ、実際に、本件発明1における「表面に複数の窪みを有する網状粒子」、「板状粒子」に相当するといえるかどうかは不明である以上、甲1発明1、2における「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」も不明というほかない。 仮に、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した」「粉体」、「母塩の形骸が消失し」た「粉体」が、それぞれ、本件発明1における「表面に複数の窪みを有する網状粒子」、「板状粒子」に相当すると解したとしても、甲1発明1、2における「母塩の形骸が残存した割合」は、mass基準で87%、80%というものであって、数基準で87%、80%というものではない(mass基準での割合と数基準での割合との関係も不明である。)から、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアにおいて、「母塩の形骸が消失し」た「粉体」の数と、「母塩の形骸が残存した」「粉体」の数の比率が「1:99~20:80」であるかどうかは、不明である。 よって、いずれにしろ、申立人Bの主張は採用できない。 e 以上によれば、相違点1-1は実質的な相違点である。 したがって、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとはいえない。 (イ)次に、相違点1-1の容易想到性について検討する。 上記(ア)aで述べたとおり、甲1には、マグネシアが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことについては、何ら記載されていないから、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアにおいて、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むようにする動機付けがあるとはいえない。また、そうである以上、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアにおいて、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」を「1:99~20:80」とする動機付けがあるとはいえない。また、これらのことは、甲2~4の記載を考慮しても変わるものではない。 以上によれば、甲1発明1、2に係る焼鈍分離剤用マグネシアにおいて、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むようにするとともに、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」を「1:99~20:80」とすることは、当業者が容易に想到することができたとはいえない。 したがって、本件発明1は、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲1に記載された発明であるとはいえず、また、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)本件発明2~8について 本件発明2~8は、本件発明1を直接引用するものであり、本件発明1の発明特定事項を全て備えるものであるが、上記(2)で述べたとおり、本件発明1が、甲1に記載された発明であるとはいえず、また、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない以上、本件発明2~8についても同様に、甲1に記載された発明であるとはいえず、また、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (4)まとめ 以上のとおり、本件発明1~3、8は、甲1に記載された発明であるとはいえない。 また、本件発明1~3、6、8は、甲1に記載された発明及び甲2~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、申立理由1-1(新規性)、申立理由2-1(進歩性)によっては、本件特許の請求項1~3、6、8に係る特許を取り消すことはできない。 3 申立理由1-2(新規性)、申立理由2-2(進歩性) (1)甲5に記載された発明 甲5の記載(請求項1~4、【0001】、【0009】、【0010】、【0013】、【0020】~【0030】、【0035】~【0050】、表1~6、図1、2)によれば、特に、請求項3の記載を前提として、表1~3の試料8に着目すると、甲5には、以下の発明が記載されていると認められる。 「水酸化マグネシウムを1073K(800℃)、10800秒(3時間)の焼成条件で焼成した、ホウ素を0.080質量%含有し、三配位ホウ素の比率が47%である酸化マグネシウムである焼成品A、 水酸化マグネシウムを1273K(1000℃)、1800秒(0.5時間)の焼成条件で焼成した、ホウ素を0.079質量%含有し、三配位ホウ素の比率が52%である酸化マグネシウムである焼成品D、 水酸化マグネシウムを1373K(1100℃)、3600秒(1時間)の焼成条件で焼成した、ホウ素を0.081質量%含有し、三配位ホウ素の比率が70%である酸化マグネシウムである焼成品L、 を準備し、次いで、焼成品Aを40質量%、焼成品Dを40質量%、焼成品Lを20質量%の配合で混合して得た、ホウ素を0.083質量%含有し、三配位ホウ素の比率が54%である、焼鈍分離剤用酸化マグネシウム。」(以下、「甲5発明」という。) (2)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲5発明とを対比する。 (ア)甲5発明における「焼鈍分離剤用酸化マグネシウム」は、本件発明1における「焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム」に相当する。 (イ)甲5発明における「酸化マグネシウム」は、甲5の記載(【0028】)及び技術常識によれば、粒子で構成されていることは明らかであるから、本件発明1における「酸化マグネシウム」が「粒子」「を含」むことに相当する。 (ウ)以上によれば、本件発明1と甲5発明とは、 「焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムであって、前記酸化マグネシウムは粒子を含む、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウム。」 の点で一致し、以下の点で相違する。 ・相違点5-1 酸化マグネシウムが、本件発明1では、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含み、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」が「1:99~20:80」であるのに対して、甲5発明では、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むかどうか不明であり、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」も不明である点。 イ 相違点5-1の検討 (ア)まず、相違点5-1が実質的な相違点であるか否かについて検討する。 a 甲5には、酸化マグネシウムが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことについては、何ら記載されていない。また、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムであれば、必ず、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことが技術常識であるともいえない。 そうすると、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むかどうかは、不明である。また、そうである以上、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムにおいて、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」が「1:99~20:80」であるかどうかも、不明である。 b この点、申立人Bは、本件明細書の記載(【0042】~【0045】)によれば、板状粒子は、焼成温度400~700℃か1000~1300℃、焼成時間0.1~15時間の焼成条件で、網状粒子は、焼成温度700~1000℃、焼成時間0.1~24時間の焼成条件で、両者を作り分けているところ、甲5発明における各焼成品は、各焼成条件によれば、焼成品A(1073K(800℃)、10800秒(3時間))及び焼成品D(1273K(1000℃)、1800秒(0.5時間))は、網状粒子に相当し、焼成品L(1373K(1100℃)、3600秒(1時間))は、板状粒子に相当すること、また、焼成品Aを40質量%、焼成品Dを40質量%、焼成品Lを20質量%の配合で混合しているから、板状粒子(焼成品L)の数と網状粒子(焼成品A及び焼成品D)の数の比率(20:80)は、「1:99~20:80」に相当すると主張する。 しかしながら、本件明細書の記載(【0041】~【0045】、【0048】~【0050】)によれば、網状粒子、板状粒子の形状は、焼成条件のうち、昇温時間や降温時間にも影響を受けるものであり、また、焼成に供される前駆体中の微量元素の種類や含有量にも影響を受けるものと解される。 そうすると、申立人Bが主張するように、焼成条件のうち、焼成温度と焼成時間のみから、甲5発明における「焼成品A」及び「焼成品D」が当然に本件発明1における「網状粒子」に相当し、甲5発明における「焼成品L」が当然に本件発明1における「板状粒子」に相当するとまではいえない(いずれにも該当しない可能性がある。)。また、そうである以上、甲5発明における「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」も不明というほかない。 仮に、甲5発明における「焼成品A」及び「焼成品D」が本件発明1における「網状粒子」に相当し、甲5発明における「焼成品L」が本件発明1における「板状粒子」に相当すると解したとしても、甲5発明における各焼成品の配合割合は、質量基準であって、数基準ではない(質量基準での割合と数基準との割合との関係も不明である。)から、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムにおいて、「焼成品A」及び「焼成品D」の数と、「焼成品L」の数の比率が「1:99~20:80」であるかどうかは、不明である。 よって、いずれにしろ、申立人Bの主張は採用できない。 c 以上によれば、相違点5-1は実質的な相違点である。 したがって、本件発明1は、甲5に記載された発明であるとはいえない。 (イ)次に、相違点5-1の容易想到性について検討する。 上記(ア)aで述べたとおり、甲5には、酸化マグネシウムが「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むことについては、何ら記載されていないから、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムにおいて、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むようにする動機付けがあるとはいえない。また、そうである以上、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムにおいて、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」を「1:99~20:80」とする動機付けがあるとはいえない。 以上によれば、甲5発明に係る焼鈍分離剤用酸化マグネシウムにおいて、「表面に複数の窪みを有する網状粒子」と「板状粒子」とを含むようにするとともに、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」を「1:99~20:80」とすることは、当業者が容易に想到することができたとはいえない。 したがって、本件発明1は、甲5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 ウ 小括 以上のとおり、本件発明1は、甲5に記載された発明であるとはいえず、また、甲5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 (3)まとめ 以上のとおり、本件発明1は、甲5に記載された発明であるとはいえない。 また、本件発明1は、甲5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、申立理由1-2(新規性)、申立理由2-2(進歩性)によっては、本件特許の請求項1に係る特許を取り消すことはできない。 4 申立理由3(サポート要件) (1)本件発明1~7について ア 本件明細書の記載(【0002】~【0006】)によれば、本件発明1~7が解決しようとする課題は、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムのスラリーを鋼板上に均一に塗布することが可能な焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムを提供することであると認められる。 イ 本件明細書の記載及び図面(【0008】~【0014】、【0016】、【0019】~【0062】、【0071】~【0125】、表1、図1~18)によれば、上記アの課題は、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムにおいて、「表面に複数の窪みを有する網状粒子と、板状粒子と、を含」むものとし、「前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率」を「1:99~20:80」とする、との各要件を備えることによって、解決できることが理解できる。 ウ 以上のとおり、本件明細書の記載を総合すれば、上記イの各要件を備えた本件発明1~7は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであって、当業者が出願時の技術常識に照らして発明の詳細な説明の記載により上記アの課題を解決できると認識できる範囲のものということができる。 したがって、本件発明1~7については、特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものである。 (2)本件発明8について ア 本件明細書の記載(【0002】~【0006】)によれば、本件発明8が解決しようとする課題は、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムのスラリーを鋼板上に均一に塗布することが可能な焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムを用いた方向性電磁鋼板の製造方法を提供することであると認められる。 イ 本件明細書の記載及び図面(【0008】、【0015】、【0016】、【0019】~【0125】、表1、図1~18)によれば、上記アの課題は、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムを含むスラリーを、脱炭焼鈍された鋼板に塗布する塗布工程と、前記スラリーを塗布された前記鋼板を焼鈍する高温焼鈍工程と、を備える、方向性電磁鋼板の製造方法において、焼鈍分離剤用の酸化マグネシウムとして、上記(1)イと同様に、「表面に複数の窪みを有する網状粒子と、板状粒子と、を含み、前記板状粒子の数と前記網状粒子の数の比率は、1:99~20:80である」ものを用いる、との各要件を備えることによって、解決できることが理解できる。 ウ 以上のとおり、本件明細書の記載を総合すれば、上記イの各要件を備えた本件発明8は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載されたものであって、当業者が出願時の技術常識に照らして発明の詳細な説明の記載により上記アの課題を解決できると認識できる範囲のものということができる。 したがって、本件発明8については、特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものである。 (3)申立人Bの主張について ア 申立人Bは、本件発明では、「酸化マグネシウム全体に対する網状粒子と板状粒子の合計の割合」が非常に低い場合でも(例えば、酸化マグネシウム全体に対する割合が1%に満たない場合など)も許容されているが、このような場合には、本件発明の効果を奏さない蓋然性が高いと主張する。 しかしながら、酸化マグネシウム全体に対する網状粒子と板状粒子の合計の割合にかかわらず、上記(1)イの各要件を備えた本件発明1~8については、特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものであることは、上記(1)、(2)のとおりである。そして、申立人Bが指摘するように、酸化マグネシウム全体に対する網状粒子と板状粒子の合計の割合によって程度に差はあるとしても、上記(1)イの各要件を備えたものは、同要件を備えないものと比較して、一定程度は酸化マグネシウムのスラリーを鋼板上に均一に塗布できることが理解できる。 また、酸化マグネシウム全体に対する網状粒子と板状粒子の合計の割合が非常に低い場合に、実際に、酸化マグネシウムのスラリーを鋼板上に均一に塗布することができないことを示す具体的な根拠は見当たらない。 よって、申立人Bの主張は採用できない。 イ 申立人Bは、本件明細書の記載(【0024】、【0026】、【0033】)によれば、板状粒子の粒子径、網状粒子の粒子径、酸化マグネシウムの粒度分布は、本件発明の主たる効果である、酸化マグネシウムの凝集の防止、分散性の向上と密接に結びついているところ、そのような効果が得られる粒子径、粒度分布を外れた場合には、本件発明の効果が奏されない蓋然性が高いと主張する。 しかしながら、板状粒子の粒子径、網状粒子の粒子径、酸化マグネシウムの粒度分布にかかわらず、上記(1)イの各要件を備えた本件発明1~8については、特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するものであることは、上記(1)、(2)のとおりである。そして、申立人Bが指摘するように、板状粒子の粒子径、網状粒子の粒子径、酸化マグネシウムの粒度分布によって程度に差はあるとしても、上記(1)イの各要件を備えたものは、同要件を備えないものと比較して、一定程度は酸化マグネシウムの凝集を防止し、分散性を向上できることが理解できる。 また、板状粒子の粒子径、網状粒子の粒子径、酸化マグネシウムの粒度分布が、所定の範囲を外れた場合に、実際に、酸化マグネシウムの凝集の防止、分散性の向上が図られないことを示す具体的な根拠は見当たらない。 よって、申立人Bの主張は採用できない。 (4)まとめ したがって、申立理由3(サポート要件)によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 第5 むすび 以上のとおり、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書(申立てB)に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2025-700076

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