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特許異議申立

2024-700839

調剤支援システム

審判番号
2024-700839
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-006282
登録番号
7442056
請求日
2024年09月04日
審決日
2025年02月20日
公報発行日
2025年04月25日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社湯山製作所
  • 【権利者代理人】藤田 隆
  • 【異議申立人】松本 保
審判長/審判官
  • 審判長 平瀬 知明
  • 審判官 井上 哲男
  • 審判官 安井 寿儀
分類
P1651.113-Y (A61J) / P1651.121-Y (A61J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第113条第2号、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7442056号発明「調剤支援システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7442056号の請求項1~10に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7442056号(以下「本件特許」という。)の請求項1~10に係る特許についての出願は、令和2年1月17日(優先権主張 令和 元年10月28日)に特許出願され、令和6年2月22日にその特許権の設定登録がされ(特許公報掲載日:令和6年3月4日)、その後、令和6年9月4日に特許異議申立人松本保(以下「申立人」という。)より、請求項1~10に係る特許について特許異議の申立てがされたものである。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~10に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明10」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~10に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 「【請求項1】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 前記散薬分包手段は、自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段からなり、 散薬が処方されている場合に、前記自動散薬分包機と前記手動散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであり、 振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、 前記第一出力動作は、前記振り分け動作による割り当て先を示す情報を出力する動作であり、 前記振り分け動作の結果は、前記分包処理の実行前に変更可能であり、 前記第一出力動作では、指示箋が出力される、調剤支援システム。 【請求項2】 複数の前記散薬分包手段の少なくとも一つは、前記振り分け動作の実行後、自己に割り当てられた前記分包処理を他の前記散薬分包手段に振り替える振替機能を有し、 前記振り分け動作は、前記分包処理を実行する前記散薬分包手段を永続的又は一時的に決定する動作であり、前記分包処理の振り替えが行われた場合に前記振り分け動作の決定が切り替えられる、請求項1に記載の調剤支援システム。 【請求項3】 前記第一出力動作の実行後に第二出力動作が実行されるものであり、 前記第二出力動作は、前記振り分け動作で一つの前記散薬分包手段に割り当てた前記分包処理がいずれかの前記散薬分包手段で実行され、その実行が完了されたことを条件として、実際に前記分包処理を行った前記散薬分包手段を特定する情報をユーザが確認可能な状態で出力する動作である、請求項2に記載の調剤支援システム。 【請求項4】 前記第二出力動作では、前記振り分け動作の後に前記分包処理の振り替えが行われた場合に、振り替え履歴に関する情報を出力する、請求項3に記載の調剤支援システム。 【請求項5】 前記第一出力動作と前記第二出力動作では、処方された薬剤の薬剤名を示す情報を含む薬剤の鑑査に必要な情報と共に、前記分包処理の振り分けに関する情報を出力する、請求項3又は4に記載の調剤支援システム。 【請求項6】 前記散薬分包手段の少なくとも一つは、自動散薬分包機であり、 前記散薬分包手段の少なくとも他の一つは、それぞれ別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段であり、 前記自動散薬分包機は、散薬が収容された複数の薬剤容器を保管する容器保管部と、分配皿と、散薬包装装置とを内部に有し、且つ、前記容器保管部に保管された前記薬剤容器から散薬を計量しつつ排出させ、排出させた散薬を直接又は他の容器に一時収容させた後に他の容器から前記分配皿に投入し、前記分配皿から散薬を一包分ずつ前記散薬包装装置に投入して個別包装する動作を自動で実行可能であり、 前記薬剤秤量装置は、対象薬剤を秤量するものであり、 前記散薬分包機は、導入された秤量済みの散薬を一服用分ずつ包装して排出するものであり、 前記振り分け動作では、前記手動散薬分包手段よりも前記自動散薬分包機に優先的に前記分包処理を割り当てる、請求項1乃至5のいずれかに記載の調剤支援システム。 【請求項7】 前記振り分け動作では、前記振り分け動作の実行時に前記容器保管部に保管されている前記薬剤容器に収容された散薬の情報に基づいて前記分包処理を割り当てる、請求項6に記載の調剤支援システム。 【請求項8】 前記自動散薬分包機は、自己に割り振られた前記分包処理を他の前記散薬分包手段に振り替える振替機能を有する、請求項6又は7に記載の調剤支援システム。 【請求項9】 前記第一出力動作は、前記振り分け動作の結果を示す情報を紙媒体に印刷して出力する、又は、外部携帯端末の表示画面に出力する、請求項1乃至8のいずれかに記載の調剤支援システム。 【請求項10】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであり、 振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、一の前記振り分け動作でどの前記散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であって将来変更される可能性がある情報を出力する動作であり、一の前記振り分け動作が完了した直後に実行される動作である、調剤支援システム。」 第3 特許異議申立理由の概要 申立人が主張する特許異議申立理由は、概略以下のとおりである。 なお、申立人の主張する理由1及び理由2はいずれも同じ証拠に基づく新規性及び進歩性欠如の主張であるから、以下両者を合わせて検討する。 1 理由1、2 (1)甲第1号証に基づく新規性欠如 本件発明1、2、6~8は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の甲第1号証に記載された発明であり、本件発明1、2、6~8に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであるから、その特許は特許法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。 (2)甲第1号証に基づく進歩性欠如 本件発明1~10は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の甲第1号証~甲第5号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1~10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、その特許は特許法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。 2 理由3 (1)甲第5号証に基づく進歩性欠如 本件発明1~10は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において頒布された下記の甲第5号証及び甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基いて、本件特許の優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1~10に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、その特許は特許法第113条第2号に該当し取り消されるべきものである。 甲号証一覧: 甲第1号証:特開2016-130972号公報 甲第2号証:特開2006-247150号公報 甲第3号証:特開2017-139025号公報 甲第4号証:特開2001-187114号公報 甲第5号証:特開平7-24035号公報 以下、甲第1号証~甲第5号証を、それぞれ「甲1」~「甲5」という。 第4 当審の判断 1 甲号証の記載等 (1)甲1の記載 甲1には、以下の事項が記載されている(下線は当審で付した。)。 ア「【0029】 本実施形態の散薬調剤業務支援システム1は、図1で示されるように、制御装置2(調剤機器用制御装置)と、薬剤秤量装置3と、薬剤分包機4と、完全自動散薬分包機5(自動散薬分包装置)とを備えており、制御装置2と他の調剤機器(薬剤秤量装置3、薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5)とが構内通信網(LAN)等の通信網を介して互いにデータ(信号)を送受信可能な状態に接続されている。 また、制御装置2は、医師が使用する外部PC6とも互いにデータを送受信可能な状態で接続されている。そして、医師が外部PC6に処方に関する情報を入力することで、散薬調剤業務支援システム1を構成する各機器で使用される処方データが作成されることとなる。」 イ「【0047】 薬剤分包機4は、公知のそれと同様のものであり、薬剤を一服用分ずつ分包することが可能な装置である。 より具体的には、薬剤師が秤量した所定量の薬剤を専用の容器に導入し、その容器を薬剤分包機4の所定位置に固定して所定の操作を実行することにより、薬剤を一服用分ずつ分包された状態で出力する手動分包動作を実施可能となっている。 【0048】 完全自動散薬分包機5は、上記した手動分包動作に加え、内蔵された容器を使用して散薬の秤量と分包とを実施する完全自動分包動作と、外部の管理棚に収納された容器を使用して散薬の秤量と分包とを実施する準自動分包動作等動作が可能な構成となっている(完全自動散薬分包機5が実行可能な動作については、詳しくは後述する)。 【0049】 完全自動散薬分包機5は、図5で示されるように、自動式薬剤容器46(図5では図示しない、図6等参照)を内蔵する装置本体45と手動式薬剤容器47を備えた構造となっている。 この完全自動散薬分包機5は、制御装置2から信号を受信することで、自動式薬剤容器46(詳しくは後述する)に収容された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する動作が可能となっている。また、使用者が装置本体45に一体に取り付けられた操作表示部48を操作することでも、薬剤容器(自動式薬剤容器46又は手動式薬剤容器47)に収納された散薬を自動的に取り出して計量し、所定数に分割して分包する動作が可能となっている。」 ウ「【0122】 具体的に説明すると、完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できない処方には、処方で提供される薬剤に自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤と、自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤が混在する場合(以下、単に混在状態とも称す)と、処方で提供される全ての薬剤が自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤である場合(以下、単に未収容状態とも称す)がある。 そこで、完全自動散薬分包機5では、処方で提供される1以上の薬剤が自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤であるか否かの判別を実施することにより、対象となる処方が混在状態であるのか、又は、未収容状態であるのかを判別可能となっている。 【0123】 上記した判別動作(STEP2)の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であると判別された場合(STEP3でYes)について説明する。 【0124】 判別動作(STEP2)の結果、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であり(STEP3でYes)、さらに完全自動分包動作が対応可能である(STEP4でYes)場合には、そのまま完全自動散薬分包機5で完全自動分包動作が実施される(STEP5)。そして、処方データに含まれる処方で提供される薬剤が分包されていく。 【0125】 対して、処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できる処方であるが(STEP3でYes)、完全自動分包動作が実施できない場合(STEP4でNo)には、準自動分包動作を実施する(STEP6)。 完全自動分包動作実施される場合と、準自動分包動作を実施される場合のいずれにしても、処方データに含まれる処方で提供される薬剤が完全自動散薬分包機5のみで分包されることとなる。すなわち、他機(本実施形態では薬剤秤量装置3)による秤量を実行することなく、分包が可能となる。 【0126】 続いて、判別動作(STEP2)の結果、完全自動散薬分包機5だけで自動的に処理できない処方と判別された場合(STEP3でNo)について説明する。 【0127】 この場合、完全自動散薬分包機5は、処方データと判別結果に基づいて再送データを作成し、制御装置2に再送データを送信する(STEP7)。 【0128】 この再送データは、処方で提供される薬剤が混在状態であるのか、未収容状態であるのかを判別する判別結果に関する情報を付加したデータであり、処方で提供される各薬剤が容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されているか否かを制御装置2や各調剤機器で識別可能なデータとなっている。 【0129】 つまり、受信した処方データに含まれる処方が完全自動散薬分包機5だけで自動的に分包することが不可能な処方であった場合、完全自動散薬分包機5は、その処方に関するデータに基づいて再送データを作成して送信する。この再送データには、処方で提供される(包装される)薬剤のそれぞれが、自動式薬剤容器46に収容されているか否かを示す情報を付加されている。 【0130】 そして、制御装置2が再送データを受信すると、制御装置2は、秤量準備動作を実施する(STEP8)。 この秤量準備動作は、制御装置2が再送データに基づいて薬剤秤量装置3での秤量動作に使用するデータ(以下、秤量用データとも称す)を作成し、この秤量用データを薬剤秤量装置3に送信する動作となっている。この秤量準備動作が実施されることにより、薬剤秤量装置3を使用した秤量の実施が可能な状態となる。 【0131】 ここで、上記したように、完全自動散薬分包機5が実施する判別動作(STEP2)では、完全自動散薬分包機5だけでは処理できない処方が混在状態であるのか、又は、未収容状態であるのかを判別可能となっている。 また、完全自動散薬分包機5が制御装置2にデータ(再送データ)を送信し、制御装置2が薬剤秤量装置3にデータ(秤量用データ)を送信することから、制御装置2と薬剤秤量装置3では、自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤とそうでない薬剤を識別可能となっている。 【0132】 このことにより、薬剤秤量装置3は、対象となる処方が混在状態である場合と未収用状態である場合とで異なる表示動作を実施することが可能となる。 【0133】 まず、対象となる処方が混在状態である場合(STEP9でYes)、操作表示部17に表示される選択画面では、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤だけが選択可能な状態で表示され、自動式薬剤容器46に収容された薬剤は、グレイアウトで表示されて、使用者が選択できない状態で表示される(STEP10)。 すなわち、処方で提供される薬剤を全て表示し、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤と、収容されている薬剤とを異なる表示形態で表示する。このことにより、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤と、収容されている薬剤とを識別可能な状態とする。 【0134】 このとき、自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤は、秤量の必要な薬剤として、使用者が選択可能な状態となっている。 対して、自動式薬剤容器46に収容された薬剤は、グレイアウトで表示されて、使用者が選択できない状態となっている。言い換えると、容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されている薬剤は、容器保管部57の自動式薬剤容器46に収容されていない薬剤とは異なる色で表示され、且つ、使用者が選択できない状態となっている。 なお、このグレイアウトで表示される薬剤は、完全自動散薬分包機5のどちらの分配ユニット68を使用して分包を実施するのかを示す情報と共に表示された状態となっている。 【0135】 なお、薬剤秤量装置3では、対象となる処方が混在状態である場合であっても、グレイアウトで表示された薬剤を選択可能な状態で表示するように変更する選択変更操作を実施可能となっている。すなわち、使用者が選択変更操作を実施することで、所定の処方で提供される薬剤を全て選択可能な状態とし、所定の処方で提供される全ての薬剤を薬剤秤量装置3で秤量するように変更することが可能な構成となっている。 【0136】 ここで、選択変更操作を実施しなかった場合(STEP11でYes)、薬剤秤量装置3で表示されている選択可能な薬剤を選択し、薬剤秤量装置3の情報読込装置27で薬瓶や薬剤容器の情報を読み取って照合動作を実施した後、秤量部16を使用して秤量を実施する(STEP12)。このとき、秤量の終わった薬剤を上記した手動式薬剤容器47に導入する。 【0137】 秤量が完了すると、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP13)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、完全自動散薬分包機5での分包で使用する送信するデータを作成し、完全自動散薬分包機5に送信する(STEP14)。 【0138】 そして、秤量後の薬剤を導入した手動式薬剤容器47を、完全自動散薬分包機5の容器保持台69に設置する。この状態で、完全自動散薬分包機5の操作表示部48で所定の操作を実施することにより、半自動分包動作が実施される(STEP15)。すなわち、使用者が容器保持台69に設置した手動式薬剤容器47と、アーム部61によって容器保持台69に設置された自動式薬剤容器46から分配ユニット68に薬剤が排出され、分包動作が実施される。 【0139】 以上のように、対象となる処方が混在状態である場合(STEP9でYesの場合)、選択変更操作が実施されない限り(STEP11でYesである限り)、半自動分包動作で分包が実施される。言い換えると、対象となる処方で提供される薬剤に、自動式薬剤容器46に現在収容されている薬剤と、自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤が混在する場合には、原則として半自動分包動作が実行される構成となっている。 【0140】 対して、対象となる処方で提供される薬剤が未収用状態である場合(STEP9でNoの場合)や、選択変更操作が実施された場合(STEP11でNoの場合)には、原則として薬剤分包機4を使用した分包動作で処方を処理している。つまり、対象となる処方で提供される薬剤が全て自動式薬剤容器46に現在収容されていない薬剤である場合には、原則として薬剤分包機4による分包動作が実行される構成となっている。 なお、薬剤分包機4を使用した分包動作に替わって、完全自動散薬分包機5で手動分包動作を実施することも可能となっている。 【0141】 すなわち、秤量準備動作(STEP8)が実施されたとき、対象となる処方で提供される薬剤が未収用状態である場合(STEP9でNoの場合)には、処方で提供される全ての薬剤が全て選択可能な状態で薬剤秤量装置3の操作表示部17に表示される。 また、上記した選択変更操作が実施された場合(STEP11でNoの場合)にも、処方で提供される全ての薬剤が全て選択可能な状態で薬剤秤量装置3の操作表示部17に表示される。つまり、処方で提供される薬剤の全てが、秤量が可能な薬剤として表示される。 【0142】 この状態で、使用者は、選択可能な薬剤を選択し、薬剤秤量装置3の情報読込装置27で薬瓶や薬剤容器の情報を読み取って照合動作を実施した後、手動で秤量を実施する(STEP17)。 【0143】 このとき、薬剤分包機4で分包する場合(STEP18でYesの場合)には、秤量の終わった薬剤を薬剤分包機4で使用する容器へと導入する。 そして、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP19)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、薬剤分包機4での分包で使用する送信するデータを作成し、薬剤分包機4に送信する(STEP20)。そして、薬剤を導入したそれぞれの容器を、薬剤分包機4の所定位置に設置し、分包動作を実施する(STEP21)。 【0144】 対して、薬剤分包機4で分包せず、完全自動散薬分包機5で手動分包動作を実施する場合(STEP18でNoの場合)には、秤量の終わった薬剤を上記した手動式薬剤容器47に導入する。 そして、実施した秤量結果に関するデータが薬剤秤量装置3から制御装置2へと送信される(STEP22)。そして、制御装置2は、受信した秤量結果に関するデータに基づいて、完全自動散薬分包機5での手動分包動作で使用する送信するデータを作成し、完全自動散薬分包機5に送信する(STEP23)。そして、完全自動散薬分包機5で上記した手動分包動作を実施する(STEP24)。」 エ「【図1】 [図:0001421369000001.jpg] 」 オ「【図10】 [図:0001421369000002.jpg] 」 カ 上記イの下線部の記載からすれば、薬剤分包機4は薬剤師が秤量した所定量の薬剤に所定の操作を実行することにより手動分包動作を実施しているのであるから、薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で手動分包動作が行われるものである。 (2)甲1記載の発明 上記(1)ア、イの特に下線部の記載、エの図面の記載及びカの認定からすれば、甲1には次の二つの発明(以下、それぞれ「甲1発明1」及び「甲1発明2」という。)が記載されている。 ア 甲1発明1 「医師が外部PCに入力した処方に関する情報により処方データを作成する制御装置2が、薬剤を一服用分ずつ分包する調剤機器に接続され、 前記調剤機器は、薬剤秤量装置3、薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5からなり、 散薬が処方される場合に、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で分包動作が実行されるものである、散剤調剤業務支援システム1。」 イ 甲1発明2 「医師が外部PCに入力した処方に関する情報により処方データを作成する制御装置2が、薬剤を一服用分ずつ分包する調剤機器に接続され、 散薬が処方される場合に、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で分包動作が実行されるものである、散剤調剤業務支援システム1。」 (3)甲4について 甲4には、以下の事項が記載されている。 ア「【0049】続いて、設定された管理対象を列項目として、調剤実行管理端末装置6bに、図6に示す「調剤実行状況モニタ」画面を表示する(ステップS2)。「調剤実行状況モニタ」画面は、調剤実行管理対象設定ファイル(図2)に基づいて、設定された管理対象である「処方受信」、「処方監査入力」、及び調剤機器2の各号機を列項目とし、処方データを行項目として、列項目における各調剤の実行状況として「待ち」「実行中」「HH:MM(終了時刻)」等を表示したものである。「処方受信」には「待ち」と「実行中」の状態はない。図6中、処方データ欄の「処方データNo.」「患者番号」「患者名」「ホスト指令(処方データ区分)」「処方箋(区分)」「診療科」「引/棟(引換番号/病棟)」には、処方箋ファイル(図4)内の処方データから読み出して表示する。診療科名等の名称は各種マスタファイルから読み出す。「引/棟」欄は、処方箋区分が外来の場合は引換番号(「おくすり引換券」の番号)を表示し、入院の場合は病棟名を表示する。処方データNo.は、処方データを識別するための連続番号を示す。ホスト指令は、ホストコンピュータ12からの処方データに対する指令を示し、「通常」「削除」「修正」の区分がある。ここでは、「通常」を0、「削除」を1、「修正」を2としている。なお、管理対象が多くて画面の横幅内に収まらない場合、横スクロールバーを表示し、列項目を横スクロール表示することができる。また、画面の表示直後は行項目である処方データが無い空の状態である。このステップS2以後は「調剤実行状況モニタ」画面(図6)での表示・操作で処理が進み、調剤機器2等を集中して監視操作する。 【0050】次いで、「調剤実行状況モニタ」画面(図6)での表示範囲における内容を最新のデータ内容に更新し(ステップS3)、列項目である処方受信、処方監査入力、各調剤機器の各管理データ(図7,図8,図9,図10,図11,図12)の内容を画面に表示する。 【0051】処方受信管理データ(図7)は、「処方受信」の実行を管理するためのデータである。処方受信管理データ(図7)中、処方データNo.は、処方データを識別するための連続番号を示す。実行状況は、管理対象である「処方受信」の実行状況を示す。ここでは、処方データの受信の終了時刻をHHMMSS(時分秒が各2桁の形式)、「なし」を90000としている。ホスト指令は、ホストコンピュータ12からの処方データに対する指令を示す。ここでは、「通常」を0、「削除」を1、「修正」を2としている。 【0052】処方監査管理データ(図8)は、「処方監査入力」の実行を管理するためのデータである。処方監査管理データ(図8)中、処方データNo.は、処方データを識別するための連続番号を示す。実行状況は、管理対象である「処方監査入力」の実行状況を示す。ここでは、処方監査入力の終了時刻をHHMMSS、「待ち」を600000、「実行中」を700000、「取消」を800000としている。監査結果は、処方データの監査結果を示す。ここでは、「OK」を0、「NG」を1としている。 【0053】調剤機器実行管理データ(図9ないし図12)は調剤機器2の実行を管理するためのデータである。調剤機器実行管理データ(図9ないし図12)中、処方データNo.は、処方データを識別するための連続番号を示す。実行状況は、管理対象である調剤機器2の実行状況を示す。ここでは、実行の終了時刻をHHMMSS、「待ち」を600000、「実行中」を700000、「取消」を800000、「なし」を900000としている。再発行フラグは、調剤機器出力の再発行の要否を示す。ここでは、「ON」を1、「OFF」を0としている。なお、前記各実行管理データの内容は調剤実行状況モニタの画面(図6)において調剤機器2の各列に表示される。」 イ「【0062】図6に示す各処方データの調剤実行状況を参照して、具体的に、どのような操作が行われたかについて説明する。処方データNo.「0006」では、処方データを受信した後、「処方監査入力」が「待ち」状態のときにホストコンピュータ12から削除指令を受信し、自動的に「処方監査入力」以降の調剤処理が取り消されたことが示されている。処方データNo.「0007」では、処方データNo.「0006」の修正データとして受信され、「MM:HH]表示の各時刻に調剤機器2での各調剤処理が終了したことが示されている。処方データNo.「0009」では、「処方監査入力」でNGが入力され、それ以降の調剤処理が実行されなかったことが示されている。なお、監査NGはホストコンピュータ12に送信されて、その後、同じ患者番号「93027561」の修正データとして処方データNo.「0012」を受信している。処方データNo.「0010」では、「未」印により未処理であることと、「★」印により監視時間10分を超過していることがそれぞれ示されている。各調剤処理では錠剤分包1号機が「実行中」で「★」印が有り、その原因はエラーNo.02「分包紙切れ」による停止であることが分かる。なお、エラー情報は調剤機器2から受信するステータスで取得する。 【0063】ところで、前記ステップS1に於ける実行管理データの生成は具体的に次のようにして行う。 【0064】まず、調剤実行管理対象設定ファイルの一例(図3)中、管理対象1「処方受信」に基づいて、「処方受信」の実行を管理するためのデータである処方受信管理データ(図7)を生成する。処方受信管理データの記憶内容は図6に示す「調剤実行状況モニタ」画面の「処方受信」の列に表示する。 【0065】また、管理対象2「処方監査入力」に基づいて、「処方監査入力」の実行を管理するためのデータである処方監査管理データ(図8)を生成し、「調剤実行状況モニタ」画面(図6)の「処方監査」の列に表示する。 【0066】さらに、管理対象3「薬袋印刷機」(1台)に基づいて薬袋印刷1号機実行管理データ(図9)を生成し、管理対象4「錠剤分包機」(2台)に基づいて錠剤分包1号機実行管理データ(図10)と錠剤分包2号機実行管理データ(図11)を生成し、管理対象5「散剤分包機」(1台)に基づいて散剤分包1号機実行管理データ(図12)を生成する。なお、生成直後の各実行管理データには行データが全く無い空の状態となっている。 【0067】また、前記ステップS1に於ける実行プロセスの生成は、前記実行管理データの生成と同様、管理対象1「処方受信」、管理対象2「処方監査入力」、並びに、管理対象3「薬袋印刷機」(1台)、管理対象4「錠剤分包機」(2台)、及び管理対象5「散剤分包機」(1台)に基づいて行う。そして、以下に示す「処方受信」、「処方監査入力」、「調剤機器実行」の各処理を開始する。」 ウ「【0077】一方、前記ステップS302で、錠剤分包機がないと判断すれば(管理対象4「錠剤分包機」が1台も設定されていない場合)、散剤分包機が有るか否かを判断する(ステップS304)。調剤実行管理対象設定ファイル(図2)に管理対象5「散剤分包機」が1台以上設定されていれば、散剤分包機が有ると判断し、散剤分包機実行管理データに追加する(ステップS305)。管理対象5「散剤分包機」が1台も設定されていなければ、前記ステップS305を行うことなく、ステップS100に復帰する。前記散剤分包機実行管理データへの追加では、処方データの薬剤の中に散剤分包機で分包するデータが有る場合(薬剤の形態コードが「散剤で分包」かで判断)は、散剤分包機が複数台あるときは処理負荷が均等になるように、しかも「停止中」状態にある号機を避けて号機を決定し、その号機に対応した散剤分包機実行管理データ(図12)の最終に、「実行状況」を「待ち」に設定した行データ(例えば、図12中、処方データNo.「0011」参照)を追加する。処方データの薬剤の中に該当するデータが無い場合や、処方監査入力の監査NGの処理から呼び出された場合、散剤分包機実行管理データ(図12)の最終に、「実行状況」を「なし」に設定した行データを追加する。」 エ「【図6】 [図:0001421369000003.jpg] 」 (4)甲5の記載 甲5には、以下の事項が記載されている。 ア「【0008】 【実施例】図1はこの発明による調剤制御方法の一実施例を示したものであり、1は社会保険診療報酬等の診療会計用のホストコンピュータであって、ホストコンピュータ1には、医師が行う診療行為に基づいて処方箋2、注射箋3の他、各種の処置伝票4、検査伝票5等がもたらされてその内容がデータとして入力され、これらのデータを使用して診療会計用の所定の計算を行い、その結果を適宜のメモリ媒体6に記録するとともに、必要に応じて請求伝票7を出力するようになっている。 【0009】8、8、…は錠剤分包機等の調剤機であって、各調剤機たとえば錠剤分包機8は、詳細に図示してないが、多数の錠剤フィーダ9、9、…と、これらの錠剤フィーダ9、9、…から排出された錠剤を包装する包装装置10とを具え、各錠剤分包機8に付随した適宜の入力装置11を使って分包すべき錠剤の薬品名、1日量、各回別服用量および服用日数等を入力するだけで、所望の錠剤を各服用回分ずつ自動的に分包するようになっている。各入力装置11は、それに対応した錠剤分包機8を作動させるデータを一時蓄える待行列バッファ12を具え、また対応した錠剤分包機8の種々の作動状態を確認する管理モニタとして利用できるようになっている。 【0010】13はホストコンピュータ1と調剤機8、8、…とを結ぶ調剤制御装置であって、調剤制御装置13は、ホストコンピュータ1で取り扱うデータのうち調剤すべき薬剤に関するデータをその調剤の種類(すなわち錠剤、散剤,水剤等の薬剤の区別、またはいずれの錠剤分包機で分包すべきか等の調剤機8、8、…の区別)に応じて分類する適宜の分類部材14と、分類部材14で分類されたデータをその調剤の種類に適合した調剤機8に割り当てる適宜の割当部材15とを具えている。」 イ「【0015】調剤制御装置13は、ホストコンピュータ1から伝送された調剤すべき薬剤に関するデータを、メモリ媒体18に記録された投薬マスタのデータを参照したり、メモリ媒体19に記録された前回処方マスタのデータを利用したりしながら、その調剤の種類に応じて分類部材14が分類し、続いてこの分類されたデータを割当部材15がその調剤の種類に適合した調剤機8、8、…にそれぞれ割り当てる一方、調剤機8、8、…では調剤できない種類の調剤データは調剤指示書17として出力する。 【0016】調剤データが割り当てられた調剤機たとえば錠剤分包機8は、その調剤データに含まれた薬品名、1日量、各回別服用量および服用日数等にしたがって所定の錠剤を各服用回分ずつ自動的に分包する。このとき調剤機8、8、…による調剤作業には一定の時間がかかるため、各調剤機8に付随した入力装置11の待行列バッファ12と、割当部材15の待行列バッファ16とを利用して、調剤時間の管理が行われることとなる。 【0017】また調剤制御装置13は、調剤データの割り当てと併行して、適宜の薬袋プリンタにデータを送って調剤された薬剤を入れるべき所定の薬袋表示がなされた薬袋20を作成させ、また適宜の表示部材を具えた監査ターミル21にデータを送って薬剤監査に必要なデータを表示させ、さらに外来患者用の適宜の投薬表示盤22にデータを送って投薬作業の進行状況を患者に知らせる。そのため、これらの薬袋作成、監査ターミナル21のデータ表示、および投薬表示盤22の表示等によって、調剤作業全体の管理が行われることとなる。 【0018】なお、上記実施例では、ホストコンピュータ1を診療会計用のコンピュータとしたが、これに限定するものでなく、また上記実施例では調剤機8、8、…をいずれも錠剤分包機としたが、たとえば錠剤分包機以外に少なくとも1台の適宜の散剤分包機を設けてもよいし、薬剤分包機以外の適宜の調剤機としてもよく、また上記実施例では分類部材14または割当部材15のいずれか一方がホストコンピュータ1で取り扱うデータの形式を調剤機8、8、…に入力するのに適した形式に変換するようにしたが、これに限定するものでなく、さらに上記実施例では割当部材15に待行列バッファ16を設けたが、割当部材15とは別に待行列バッファ16を設けてもよく、その他この発明は上記実施例の種々の変更、修正が可能であることはいうまでもない。」 ウ「【図1】 [図:0001421369000004.jpg] 」 エ 上記イの段落【0018】の記載からすれば、甲5には、散剤が処方されている場合に、少なくとも1台の散剤分包機で分包処理が実行されることが記載されている。 (5)甲5記載の発明 上記(4)ア、イの特に下線部の記載、ウの図面の記載及びエの認定からすれば、甲5には次の二つの発明(以下、それぞれ「甲5発明1」及び「甲5発明2」という。)が記載されている。 ア 甲5発明1 「各服用回分ずつ自動的に分包する調剤機8が接続され、 前記調剤機8は、複数の散剤分包機からなり、 散剤が処方されている場合に、複数の散剤分包機で分包処理が実行されるものであり、 割り当てが実行され、分包処理が複数の散剤分包機のいずれかに割り当てる一方、調剤機8では調剤できない種類の調剤データを調剤指示書として出力し、適宜の表示部材を具えた監査ターミル21にデータを送って薬剤監査に必要なデータを表示させる、調剤制御システム。」 イ 甲5発明2 「各服用回分ずつ自動的に分包する散剤分包機である調剤機8が接続され、 散剤が処方されている場合に、複数の散剤分包機である調剤機8で分包処理が実行されるものであり、 割り当てが実行され、分包処理が複数の散剤分包機である調剤機8のいずれかに割り当てる一方、調剤機8では調剤できない種類の調剤データを調剤指示書として出力する、調剤制御システム。」 2 対比・判断 (1)理由1、2について ア 本件発明1について (ア)本件発明1と甲1発明1の対比 A 甲1発明1の「完全自動散薬分包機5」は、機能及び構成上、本件発明1の「自動散薬分包機」に相当し、同様に「薬剤秤量装置3」及び「薬剤分包機4」は、それぞれ「薬剤秤量装置」及び「散薬分包機」に相当する。そして、甲1発明1の「薬剤秤量装置3」及び「薬剤分包機4」は、両者で「手動散薬分包手段」を構成するものといえる。 そして、甲1発明1の「調剤機器」は、「完全自動散薬分包機5」、「薬剤秤量装置3」及び「薬剤分包機4」からなるものであるから、本件発明1の「散薬分包手段」に相当する。 また、甲1発明1の「医師が外部PCに入力した処方に関する情報により処方データを作成する制御装置2が、薬剤を一服用分ずつ分包する調剤機器に接続され」ている点は、上記のとおり調剤機器は散剤分包手段に相当するから、機能上、本件発明1の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され」ていることに相当する。 してみれば、甲1発明1の「医師が外部PCに入力した処方に関する情報により処方データを作成する制御装置2が、薬剤を一服用分ずつ分包する調剤機器に接続され、前記調剤機器は、薬剤秤量装置3、薬剤分包機4、完全自動散薬分包機5からな」る点は、本件発明1の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、前記散薬分包手段は、自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段からな」る点に相当する。 B 甲1発明1の「散薬が処方される場合に、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で分包動作が実行されるものである」点は、機能上、本件発明1の「散薬が処方されている場合に、前記自動散薬分包機と前記手動散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであ」る点に相当する。 C 甲1発明1の「散剤調剤業務支援システム1」は、機能及び構成上、本件発明1の「調剤支援システム」に相当する。 してみれば、本件発明1と甲1発明1は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 前記散薬分包手段は、自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段からなり、 散薬が処方されている場合に、前記自動散薬分包機と前記手動散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものである、調剤支援システム。 【相違点】 本件発明1は、「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、前記振り分け動作による割り当て先を示す情報を出力する動作であり、前記振り分け動作の結果は、前記分包処理の実行前に変更可能であり、前記第一出力動作では、指示箋が出力される」のに対し、甲1発明1は、そのように特定されていない点。 (イ)判断 本件発明1は、「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するもの」であるのに対し、甲1発明1は甲1の図10記載のフローチャートの手順に沿って順次完全自動散薬分包機5あるいは薬剤分包機4等で分包動作を行うことにより、調剤業務の効率化を実現する(段落【0007】参照。)ものであり、あらかじめ分包動作の割り当てを行うものではないから、「振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作」についての記載はない。 そして、振り分けた後の作業を実行するために振り分けた結果を表示することが甲4に記載されているとしても、上記のとおり、甲1発明1は、甲1の図10記載のフローチャートの手順に沿って順次完全自動散薬分包機5あるいは薬剤分包機4等で分包動作を行うことにより、調剤業務の効率化を実現するものであるから、あらかじめ分包動作の割り当てた結果を出力するような構成を採用することは予定されておらず、甲1発明1に上記甲4の記載事項を適用する動機付けはない。 よって、本件発明1は甲1発明1ではないし、甲1発明1及び甲1、甲4の記載事項から当業者が容易に発明できたものではない。 なお、申立人は、STEP2~5での分包動作とSTEP2、3、9、21での分包動作での「分包動作の割り当て」を「振り分け動作」とし、STEP16での表示動作を「第1の出力動作」に対応する旨(異議申立書54頁下から5行~55頁4行)主張している。 しかし、当該STEP16での表示動作は、当該STEP2~5での分包動作とSTEP2、3、9、21での分包動作での「分包動作の割り当て」を表示するものではないから、上記「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行する」点については、甲1に記載されているとはいえない。 また、申立人は、STEP16における表示について、「表示する」か「表示しない」かによって、完全自動散薬分包機5と、薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4とのどちらで分包動作するか把握できる。つまりこれは、「分包動作が実行される前に、割り当て先を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する」ことである旨(異議申立書59頁12行~19行)主張している。 しかし、STEP16での表示は、「処方で提供される薬剤を選択可能で表示」するのであり、STEP16の表示により、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4のどちらで分包動作するか把握できるものではない。 さらに、申立人は、STEP2、3、9、11、15での分包動作とSTEP2、3、9、21での分包動作での「分包動作の割り当て」を「振り分け動作」とし、STEP10、16での表示動作を「第1の出力動作」に対応する旨(異議申立書55頁下から9行~最終行)主張している。 しかし、当該STEP10、16での表示動作は、当該STEP2、3、9、11、15での分包動作とSTEP2、3、9、21での分包動作での「分包動作の割り当て」を表示するものではないから、上記「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ、前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行する」点については、甲1に記載されているとはいえない。 また、申立人は、STEP10、16での表示動作は、「選択可能又は選択不可能」か「全て選択可能」かによって、完全自動散薬分包機5と、薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4と、のどちらで分包動作するか把握できるが、これは、「分包動作が実行される前に、割り当て先を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する」ことである旨(異議申立書66頁12行~22行)主張している。 しかし、STEP10での表示は、「処方で提供される薬剤の一部のみを選択可能で表示」するものであり、STEP16での表示は、「処方で提供される薬剤の全てを選択可能で表示」するのであり、STEP10及びSTEP16の表示から、完全自動散薬分包機5と、薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4とのどちらで分包動作するか把握できるものではない。 イ 本件発明2、6~8について 本件発明2、6~8は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、本件発明2、6~8は、甲1発明1ではなく、甲1発明1及び甲1、甲4の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 本件発明3~5について 本件発明3~5は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、請求項3~5で特定された構成に係る証拠である甲2については検討するまでもなく、本件発明3~5は、甲1発明1並びに甲1、甲2及び甲4の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ 本件発明9について 本件発明9は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、請求項9で特定された構成に係る証拠である甲2及び甲3については検討するまでもなく、本件発明9は、甲1発明1及び甲1~甲4の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ 本件発明10について (ア)本件発明10と甲1発明2との対比 A 甲1発明2の「調剤機器」は、散薬の分包を行うものであるから、機能及び構成上、本件発明10の「散薬分包手段」に相当する。 そして、甲1発明2の「医師が外部PCに入力した処方に関する情報により処方データを作成する制御装置2が、薬剤を一服用分ずつ分包する調剤機器に接続され」ている点は、当該制御装置2は、散剤調剤業務支援システム1の一部を構成するものであるから、機能上、本件発明10の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され」ていることに相当する。 B 甲1発明2の「散薬が処方される場合に、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で分包動作が実行されるものである」点は、機能上、本件発明10の「散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであ」る点に相当する。 C 甲1発明2の「散剤調剤業務支援システム1」は、機能及び構成上、本件発明10の「調剤支援システム」に相当する。 してみれば、本件発明10と甲1発明2は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものである、調剤支援システム。 【相違点】 本件発明10は、「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、一の前記振り分け動作でどの前記散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であって将来変更される可能性がある情報を出力する動作であり、一の前記振り分け動作が完了した直後に実行される動作である」のに対し、甲1発明2は、そのように特定されていない点。 (イ)判断 本件発明10は、「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ、一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであ」るところ、本件発明1について示した理由と同様に、甲1には、振り分け動作で一つの前記散薬分包手段に割り当てた結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作についての記載がない。 そして、振り分けた後の作業を実行するために振り分けた結果を表示することが甲4に記載されているとしても、本件発明1について示した理由と同様に、甲1発明2において、振り分け動作で割り当てた分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するような構成を当業者が容易に想到できるとはいえない。 また、甲2、3には、振り分け結果を示す情報を携帯端末に表示することについて記載されており、「持ち運び可能な状態で出力する」出力動作についての記載があるにすぎない。 よって、甲4及び甲2、3に記載された構成を甲1発明2に適用する動機付けは存在せず、甲1発明2に甲4及び甲2、3に記載された構成を適用することが容易であるとはいえない。 よって、本件発明10は甲1発明2及び甲1~甲4の記載事項から当業者が容易に発明できたものではない。 カ 小括 以上のとおり、理由1、2には理由がなく、本件発明1、2、6~8は、甲1発明(甲1発明1)であるとはいえないから、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 また、本件発明1~9は、甲1発明(甲1発明1)及び甲1~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないし、本件発明10は、甲1発明(甲1発明2)及び甲1~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 (2)理由3について ア 本件発明1について (ア)本件発明1と甲5発明1の対比 A 甲5発明1の「各服用回分ずつ自動的に分包する」ことと、本件発明1の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な」ことは、機能上、同内容であり、甲5発明1の「調剤機8」は、本件発明1の「散薬分包手段」に相当するから、甲5発明1の「各服用回分ずつ自動的に分包する調剤機8が接続され」る点は、本件発明1の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され」る点に相当する。 B 甲5発明1の「散剤分包機」と本件発明1の「自動散薬分包機」と「別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段」は、いずれも機能及び構成上、「散薬分包機」に相当するから、甲5発明1の「前記調剤機8は、複数の散剤分包機からなり、散剤が処方されている場合に、複数の散剤分包機で分包処理が実行されるものであり、割り当てが実行され、分包処理が複数の散剤分包機のいずれかに割り当てる」点と、本件発明1の「前記散薬分包手段は、自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段からなり、散薬が処方されている場合に、前記自動散薬分包機と前記手動散薬分包手段のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであり、振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記自動散薬分包機と、前記手動散薬分包手段のいずれかに割り当てられ」る点は、「散薬分包手段は、複数の散剤分包機からなり、散薬が処方されている場合に、前記複数の散剤分包機のうちの一つで分包処理が実行されるものであり、振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記複数の散剤分包機のいずれかに割り当てられ」に限り一致する。 C 甲5発明1の「調剤制御システム」は、機能及び構成上、本件発明1の「調剤支援システム」に相当する。 してみれば、本件発明1と甲5発明1は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 前記散薬分包手段は、複数の散剤分包機からなり、 散薬が処方されている場合に、前記複数の散剤分包機のうちの一つで前記分包処理が実行されるものであり、 振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が前記複数の散剤分包機のいずれかに割り当てられる、調剤支援システム。 【相違点】 1.本件発明1は、「散剤分包機」が「自動散薬分包機と、別体の薬剤秤量装置と散薬分包機によって構成された手動散薬分包手段」であるのに対し、甲5発明1は「複数の散剤分包機」である点。 2.本件発明1は、「振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、前記振り分け動作による割り当て先を示す情報を出力する動作であり、前記振り分け動作の結果は、前記分包処理の実行前に変更可能であり、前記第一出力動作では、指示箋が出力される」のに対して、甲5発明1は、割り当てが実行され、分包処理を複数の散剤分包機のいずれかに割り当てる一方、調剤機8では調剤できない種類の調剤データを調剤指示書として出力し、適宜の表示部材を具えた監査ターミル21にデータを送って薬剤監査に必要なデータを表示させる点。 (イ)判断 事案に鑑み、相違点2について検討する。 甲5発明1は、割り当てが実行され、分包処理を複数の散剤分包機のいずれかに割り当てる一方、調剤機8では調剤できない種類の調剤データを調剤指示書として出力し、適宜の表示部材を具えた監査ターミル21にデータを送って薬剤監査に必要なデータを表示させるが、甲5には、そのような調剤指示書及び薬剤監査に必要な情報に「振り分け動作の結果」が含まれるかについては記載がない。 さらに、甲5には、そのような出力動作を行う時点が、「分包処理が実行される前」であることを示唆する記載はなく、また、振り分け動作の結果を、「前記分包処理の実行前に変更可能であ」る旨の記載もない。 ここで、甲4には、割り当ての結果をモニタに表示し、割り当て先の変更を行うことが、また甲1には、割り当て先の変更を行うことが記載されているが、振り分け動作の結果を分包処理が実行される前に出力し、前記振り分け動作の結果を、前記分包処理の実行前に変更可能にすることは記載されていない。 そして、本件発明1は、振り分け動作の結果を分包処理が実行される前に出力し、前記振り分け動作の結果を、前記分包処理の実行前に変更可能にすることにより、調剤業務の作業効率を向上することができるという作用効果を意図したものであり(本願明細書【0014】参照。)、振り分け動作を行う時点を特定しないことには、そのような作用効果は生じない。 よって、甲5発明1並びに甲4及び甲1の記載に基いて、上記相違点2に係る構成を当業者が容易に想到することができたとはいえない。 したがって、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲5発明1並びに甲4及び甲1の記載に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 イ 本件発明2、6~8について 本件発明2、6~8は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、本件発明2、6~8は、甲5発明1並びに甲1、甲4及び甲5の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 ウ 本件発明3~5について 本件発明3~5は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、請求項3~5で特定された構成に係る証拠である甲2については検討するまでもなく、本件発明3~5は、甲5発明1並びに甲1、甲2、甲4及び甲5の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 エ 本件発明9について 本件発明9は、本件発明1を直接又は間接的に引用するものであり、本件発明1の構成を全て含むものである。 よって、上記アに示したのと同様の理由により、請求項9で特定された構成に係る証拠である甲2及び甲3については検討するまでもなく、本件発明9は、甲5発明1及び甲1~甲4の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 オ 本件発明10について (ア)本件発明10と甲5発明2との対比 A 甲5発明2の「各服用回分ずつ自動的に分包する」ことと、本件発明10の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な」ことは、機能上、同内容であるから、甲5発明2の「散剤分包機である調剤機8」は、本件発明10の「散薬分包手段」に相当するから、甲5発明2の「各服用回分ずつ自動的に分包する散剤分包機である調剤機8が接続され」る点は、本件発明10の「処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され」る点に相当する。 B 甲5発明2の「散剤が処方されている場合に、完全自動散薬分包機5あるいは薬剤秤量装置3及び薬剤分包機4で分包処理が実行されるものであ」る点は、機能及び構成上、本件発明10の「散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであ」る点に相当する。 C 甲5発明2の「割り当てが実行され、分包処理が複数の散剤分包機である調剤機8のいずれかに割り当てる」点は、機能及び構成上、本件発明10の「振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散薬分包手段に割り当てられ」る点に相当する。 D 甲5発明2の「調剤制御システム」は、機能及び構成上、本件発明10の「調剤支援システム」に相当する。 してみれば、本件発明10と甲5発明2は、次の一致点及び相違点を有する。 【一致点】 処方データに基づいて散薬を一服用分ずつ包装して排出する分包処理を実行可能な散薬分包手段が接続され、 散薬が処方されている場合に、複数の前記散薬分包手段のうちの一つの前記散薬分包手段で前記分包処理が実行されるものであり、 振り分け動作が実行されることで、前記分包処理が一つの前記散剤分包手段に割り当てられる、調剤支援システム。 【相違点】 本件発明10は、「一の前記振り分け動作で割り当てた前記分包処理が実行される前に、一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態、且つ、持ち運び可能な状態で出力する第一出力動作を実行するものであり、前記第一出力動作は、一の前記振り分け動作でどの前記散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であって将来変更される可能性がある情報を出力する動作であり、一の前記振り分け動作が完了した直後に実行される動作である」のに対し、甲5発明2は、「調剤機8では調剤できない種類の調剤データを調剤指示書として出力する」点。 (イ)判断 本件発明10の「第1の出力動作」は、「一の前記振り分け動作の結果を示す情報をユーザが確認可能な状態」で出力するものであるところ、甲5発明2の「調剤指示書」は「調剤機8では調剤できない種類の調剤データ」であるから、振り分け動作の結果を示す情報であるとはいえないし、一の振り分け動作でどの散薬分包手段に分包処理が割り当てられたかについての結果を示す情報であるともいえない。 また、甲5発明2では、一の前記振り分け動作で割り当てた分包処理が実行される前に、第一出力動作を出力する点についても記載はない。 そして、甲4の記載を参照しても、甲4は振り分けた後の作業を実行するために振り分けた結果を表示することを示唆するにとどまり、甲5発明2は調剤できない種類の調剤データを示す調剤指示書の内容を出力するものであるから、これを甲4に係る振り分けた結果という内容の異なる情報に置き換える動機付けはないし、また、甲1及び甲4に割り当てた情報を変更することが記載されているとしても、甲5発明2には調剤指示書は調剤できない種類の調剤データを変更する必要性はないから、そのような構成を採用する動機付けはない。 よって、本件発明10は甲5発明2及び甲1、甲4及び甲5の記載事項から当業者が容易に発明をすることができたものではない。 カ 小括 以上のとおり、理由3には理由がなく、本件発明1~9は、甲5発明(甲5発明1)及び甲1~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、また、本件発明10は、甲5発明(甲5発明2)及び甲1~4に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとすることはできない。 第5 むすび 以上のとおり、上記理由1~3によっては、本件特許の請求項1~10に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許の請求項1~10に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700839

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