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特許異議申立

2024-700660

エレベータ制御システムおよびエレベータ制御方法

審判番号
2024-700660
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-117460
登録番号
7420172
請求日
2024年07月16日
審決日
2025年02月17日
公報発行日
2025年06月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】フジテック株式会社
  • 【権利者代理人】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
  • 【異議申立人】角田 朗
審判長/審判官
  • 審判長 平城 俊雅
  • 審判官 小川 恭司
  • 審判官 横山 幸弘
分類
P1651.113-YAA(B66B) / P1651.121-YAA(B66B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

結論

結 論 特許第7420172号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを認める。 特許第7420172号の請求項2~8に係る特許を維持する。 特許第7420172号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯の概略 特許第7420172号の請求項1~8に係る特許(以下「本件特許」という。)についての手続の経緯は、概ね、次のとおりである。 令和 4年 7月22日 出願 令和 6年 1月15日 特許権の設定登録 令和 6年 1月23日 特許掲載公報 令和 6年 7月16日 特許異議申立人角田朗(以下「特許異議申立人」という。)による特許異議の申立て 令和 6年 9月27日付け 取消理由通知書 令和 6年11月19日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 以下、令和6年11月19日に提出された訂正請求書に係る訂正を「本件訂正」という。 また、令和6年12月6日付けで特許法120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知を特許異議申立人に対して行ったところ、特許異議申立人から何ら応答がなかった。 第2 本件訂正の適否 1 本件訂正の内容 本件訂正の請求は、特許第7420172号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は次のとおりである(下線は訂正箇所を示す。)。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (訂正事項2) 特許請求の範囲の請求項2に、 「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御し、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項3) 特許請求の範囲の請求項3に 「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項4) 特許請求の範囲の請求項4に 「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御し、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項5) 特許請求の範囲の請求項5に 「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御し、 前記主制御部は、 前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、 当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項6) 特許請求の範囲の請求項6に 「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間、前記乗り場呼び登録を受け付けないように、前記呼び登録受付部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御し、 前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間、前記乗り場呼び登録を受け付けないように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項7) 特許請求の範囲の請求項7に 「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する、請求項1に記載のエレベータ制御システム。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。」に訂正する。 (訂正事項8) 特許請求の範囲の請求項8に、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップと、前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップと、を含み、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップをさらに含む、エレベータ制御方法。」と記載されているのを、 「自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップと、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップと、を含み、 前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップをさらに含み、 前記エレベータを制御するステップにおいて、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記呼び登録受付ステップにおいて受け付けた、受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記エレベータを制御する、 エレベータ制御方法。」に訂正する。 2 本件訂正の適否について (1)訂正事項1について ア 訂正の目的 訂正事項1に係る本件訂正は、請求項1を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 訂正事項1に係る本件訂正は、請求項1を削除するものであって、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 訂正事項1に係る本件訂正は、請求項1を削除するものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的 訂正事項2に係る本件訂正は、訂正前の請求項2が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに、主制御部による制御についてさらに限定するものである。 よって、訂正事項2に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 また、本件特許明細書の【0032】には、「主制御部123は、利用要求受付部121が受け付けた利用要求に含まれる同乗可否情報が同乗不可を示す場合、呼び登録受付部122が受け付け済みのすべての乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、呼び登録受付部122を制御してもよい。具体的には、同乗可否情報が同乗不可を示す場合、主制御部123は、呼び登録受付部122にキャンセル指示を出力する。」と記載されているから、本件特許明細書等には、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項2に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。また、エレベータ制御システムの主制御部による制御についてさらに限定する訂正は、訂正前の請求項2に記載されていた発明特定事項を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項2に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)訂正事項3について ア 訂正の目的 訂正事項3に係る本件訂正は、訂正前の請求項3が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるものである。 よって、訂正事項3に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 そうすると、訂正事項3に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 したがって、訂正事項3に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (4)訂正事項4について ア 訂正の目的 訂正事項4に係る本件訂正は、訂正前の請求項4が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに、主制御部による制御についてさらに限定するものである。 よって、訂正事項4に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 また、本件特許明細書の【0037】には、「さらに、主制御部123は、利用要求受付部121が受け付けた利用要求に含まれる同乗可否情報が同乗可を示す場合、エレベータ3のかご33の戸開時間を延長するように、動作制御部124を制御してもよい。同乗可否情報が同乗可を示す場合、主制御部123は、動作制御部124に、かご33の戸開時間を延長する延長指示を出力する。」と記載されているから、本件特許明細書等には、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項4に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。また、エレベータ制御システムの主制御部による制御についてさらに限定する訂正は、訂正前の請求項4に記載されていた発明特定事項を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項4に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (5)訂正事項5について ア 訂正の目的 訂正事項5に係る本件訂正は、訂正前の請求項5が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに、主制御部による制御についてさらに限定するものである。 よって、訂正事項5に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 また、本件特許明細書の【0032】には、「主制御部123は、利用要求受付部121が受け付けた利用要求に含まれる同乗可否情報が同乗不可を示す場合、呼び登録受付部122が受け付け済みのすべての乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、呼び登録受付部122を制御してもよい。具体的には、同乗可否情報が同乗不可を示す場合、主制御部123は、呼び登録受付部122にキャンセル指示を出力する。」と記載されているから、本件特許明細書等には、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項5に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。また、エレベータ制御システムの主制御部による制御についてさらに限定する訂正は、訂正前の請求項5に記載されていた発明特定事項を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項5に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (6)訂正事項6について ア 訂正の目的 訂正事項6に係る本件訂正は、訂正前の請求項6が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるとともに、主制御部による制御についてさらに限定するものである。 よって、訂正事項6に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 また、本件特許明細書の【0032】には、「主制御部123は、利用要求受付部121が受け付けた利用要求に含まれる同乗可否情報が同乗不可を示す場合、呼び登録受付部122が受け付け済みのすべての乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、呼び登録受付部122を制御してもよい。具体的には、同乗可否情報が同乗不可を示す場合、主制御部123は、呼び登録受付部122にキャンセル指示を出力する。」と記載されているから、本件特許明細書等には、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項6に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。また、エレベータ制御システムの主制御部による制御についてさらに限定する訂正は、訂正前の請求項5に記載されていた発明特定事項を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項6に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (7)訂正事項7について ア 訂正の目的 訂正事項7に係る本件訂正は、訂正前の請求項3が請求項1の記載を引用する記載であるところ、請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改めるものである。 よって、訂正事項3に係る本件訂正は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 請求項間の引用関係を解消して独立形式の請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 そうすると、訂正事項7に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 請求項間の引用関係を解消して独立形式請求項へ改める訂正は、実質的な内容の変更を伴うものではない。 したがって、訂正事項7に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (8)訂正事項8について ア 訂正の目的 訂正事項8に係る本件訂正は、エレベータを制御するステップについてさらに限定するものである。 よって、訂正事項8に係る本件訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 新規事項の追加の有無 本件特許明細書の【0032】には、「主制御部123は、利用要求受付部121が受け付けた利用要求に含まれる同乗可否情報が同乗不可を示す場合、呼び登録受付部122が受け付け済みのすべての乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、呼び登録受付部122を制御してもよい。具体的には、同乗可否情報が同乗不可を示す場合、主制御部123は、呼び登録受付部122にキャンセル指示を出力する。」と記載されているから、本件特許明細書等には、「前記エレベータを制御するステップにおいて、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記呼び登録受付ステップにおいて受け付けた、受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記エレベータを制御する」ことが記載されていると認められる。 そうすると、訂正事項8に係る本件訂正は、本件特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものであって、新規事項を追加するものではないから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと エレベータ制御方法のエレベータを制御するステップについてさらに限定する訂正は、訂正前の請求項8に記載されていた発明特定事項を減縮するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項8に係る本件訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (9)一群の請求項について 訂正前の請求項1~7について、請求項2~7は請求項1を直接的に引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 したがって、訂正前の請求項1~7は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 また、特許権者は、請求項2~7について訂正が認められるときは、一群の請求項の他の請求項とは別の訂正単位として扱うよう求めている。 (4)まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであって、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~8について訂正することを認める。 第3 本件発明 前記第2のとおり本件訂正は認められるから、本件特許の請求項1~8に係る発明(以下「本件発明1」「本件発明2」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりである。 【請求項1】(削除) 【請求項2】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御し、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項3】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項4】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御し、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項5】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御し、 前記主制御部は、 前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、 当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項6】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御し、 前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間、前記乗り場呼び登録を受け付けないように、前記呼び登録受付部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項7】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 【請求項8】 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップと、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップと、を含み、 前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップをさらに含み、 前記エレベータを制御するステップにおいて、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記呼び登録受付ステップにおいて受け付けた、受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記エレベータを制御する、 エレベータ制御方法。 第4 取消理由の概要 1 本件訂正前の本件特許に対し通知した取消理由は、概ね、次のとおりである。 (1)請求項1、2、4、5、8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、2、4、5、8に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 (2)請求項1、2、4~6、8に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において頒布された甲第1号証~甲第4号証に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、2、4~6、8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 証拠方法 特許異議申立人提出の証拠方法は以下のとおりである。 甲第1号証:特許第7036246号公報 甲第2号証:国際公開第2021/210166号 甲第3号証:特開2009-51617号公報 甲第4号証:特開2020-11805号公報 甲第5号証:特開2020-109039号公報 甲第6号証:特開2014-172719号公報 甲第7号証:特開2010-58859号公報 以下証拠番号に従い「甲1」などという。 第5 取消理由通知に記載した取消理由について 1 各証拠について (1)甲1について ア 甲1の記載事項 「【0005】 本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、移動体がエレベーターを利用する際に移動体の移動効率が低下することを抑制することができるエレベーターの制御装置および移動体の管理装置を提供することである。」 「【0011】 実施の形態1. 図1は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が適用されるエレベーターの乗場の上面図である。」 「【0016】 複数の移動体7は、建築物の内部に配置される。複数の移動体7の各々は、建築物の各階において床面を自律して移動し得るよう設けられる。複数の移動体7の各々は、制御装置6と任意のタイミングで通信し得るよう設けられる。 【0017】 管理装置8は、機械室に設けられる。管理装置8は、複数の移動体7の各々と任意のタイミングで通信し得るよう設けられる。管理装置8は、複数の移動体7の各々を制御し得るよう設けられる。 【0018】 例えば、乗場3において、エレベーターの利用者は、IDカードを登録装置5にかざすことでかご4の呼び登録を行う。この際、登録装置5は、IDカードから当該利用者の属性を示す利用者属性情報と当該利用者の行先階の情報とを取得する。登録装置5は、行先階の情報を含む呼び登録の情報と当該呼び登録の情報に対応付けられた利用者属性情報とを制御装置6に送信する。制御装置6は、複数のかご4のうちいずれかのかご4を当該利用者からの呼び登録に割り当てる。制御装置6は、当該かご4を当該乗場3に配車する。その後、当該利用者が行先階に到着した場合、制御装置6は、当該かご4が当該利用者からの呼び登録に割り当てられている状態を解除する。 【0019】 管理装置8は、移動体7に対して現在いる階とは別の行先階へ移動する指令を送信する。この場合、移動体7は、乗場3へ移動する。移動体7は、乗場3に到着した場合、制御装置6に対してかご4の呼び登録を行う。この際、制御装置6は、移動体7から移動体属性情報を取得する。制御装置6は、移動体属性情報を用いて複数のかご4のうちいずれかのかご4を当該移動体からの呼び登録に割り当てる。具体的には、利用者および他の移動体7と同乗することが許可されていない移動体属性を当該移動体7が持つ場合、制御装置6は、利用者および他の移動体7からの呼び登録に割り当てられていないかご4を当該移動体7からの呼び登録に割り当てる。制御装置6は、当該かご4を当該乗場3に配車する。当該移動体7が行先階に到着した場合、制御装置6は、当該かご4が当該移動体7からの呼び登録に割り当てられている状態を解除する。」 「【0022】 第1移動体属性記憶部9は、かご4の内部において移動体7が他の物体である利用者または他の移動体7と同乗することが許可されているか否かを示す移動体属性情報を記憶する。第1移動体属性記憶部9は、複数の移動体7にそれぞれ対応する複数の移動体属性情報を記憶する。 【0023】 第1移動体属性取得部10は、複数の移動体7のうちいずれかの移動体7から呼び登録があった場合、当該移動体7から移動体属性情報を取得する。第1移動体属性取得部10は、移動体属性情報を取得した場合、第1移動体属性記憶部9に記憶された当該移動体7に対応する移動体属性情報を最新の移動体属性情報に更新する。 【0024】 第1利用者属性記憶部11は、かご4の内部において利用者が移動体7と同乗することができるか否かを示す利用者属性情報を記憶する。 【0025】 第1利用者属性取得部12は、登録装置5から利用者の呼び登録の情報に対応する利用者属性情報を取得する。第1利用者属性取得部12は、利用者属性情報を取得した場合、利用者属性情報を第1利用者属性記憶部11に記憶させる。 【0026】 第1かご情報記憶部13は、複数の乗場3の各々における複数のかご4の水平方向の配置の情報と複数のかご4が移動体7を乗車可能な設定であるか否かとを示す情報とが対応付けられたかご情報を記憶する。 【0027】 制御情報記憶部14は、複数のかご4の各々について、当該かご4が割り当てられた呼び登録の情報と当該かご4が現在存在する階の情報とが対応付けられた制御情報を記憶する。各々の呼び登録の情報には、当該呼び登録を行った利用者または移動体7の識別情報と、当該呼び登録の出発階および行先階の情報とが含まれる。行先階が不明の場合、例えば、制御装置6は、当該呼び登録の方向の終端階を行先階とする。 【0028】 割当部15は、登録装置5から行先階の情報を含む利用者からの呼び登録の情報を受信する。割当部15は、複数のかご4のうちいずれかのかご4を利用者からの呼び登録に割り当てる。割当部15は、制御情報記憶部14が記憶する制御情報を、当該かご4が当該利用者からの呼び登録に割り当てられた制御情報に更新する。」 「【0031】 割当部15は、移動体属性情報を用いて、呼び登録を送信した移動体7が利用者と同乗することが許可されているか否かを判定する。 【0032】 割当部15は、移動体7が利用者と同乗することが許可されていると判定した場合、制御情報記憶部14が記憶する制御情報と第1利用者属性記憶部11が記憶する利用者属性情報とを用いて、移動体7と同乗することができない利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外する。割当部15は、移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、制御情報を用いていずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外する。」 「【0038】 割当部15は、割当候補のかご4の数が0である場合、規定の時間が経過した後に、再び割当候補のかご4を設定する動作を行う。 【0039】 第1モード設定部16は、割当部15が移動体7からの呼び登録にかご4を割り当てた場合、当該かご4の運転モードを設定する。具体的には、例えば、利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録にかご4が割り当てられた場合、第1モード設定部16は、当該かご4の運転モードを移動体7だけが乗車できる移動体専用運転モードに設定する。例えば、利用者と同乗することが許可された移動体7からの呼び登録にかご4が割り当てられた場合、第1モード設定部16は、当該かご4の運転モードを移動体7と利用者とが乗車できる移動体同乗運転モードに設定する。 【0040】 制御部17は、制御情報記憶部14に記憶された制御情報と第1モード設定部16が決定した運転モードに基づいて、かご4の運行を制御する。具体的には、制御部17は、複数のかご4の各々を対応する呼び登録を行った利用者または移動体7が存在する乗場3に配車する。この際、制御部17は、当該かご4を第1モード設定部16が設定した運転モードで制御する。制御部17は、かご4の運行の制御に基づいて制御情報記憶部14に記憶された複数のかご4の各々が現在存在する階の情報を更新する。 【0041】 到着検知部18は、制御情報記憶部14が記憶する制御情報を用いて、かご4に乗車する利用者または移動体7が行先階に到着したことを検知する。到着検知部18は、利用者または移動体7が行先階に到着したことを検知した場合、当該かご4が当該利用者または移動体7からの呼び登録に割り当てられている状態を解除する。具体的には、到着検知部18は、制御情報記憶部14が記憶する制御情報において当該かご4が割り当てられた呼び登録の情報から当該利用者または移動体7からの呼び登録の情報を削除する。この際、到着検知部18は、当該かご4の運転モードを当該かご4に割り当てられた残りの呼び登録の情報に基づいて設定する。具体的には、例えば、残りの呼び登録に、利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録が含まれる場合、到着検知部18は、当該かご4の運転モードを移動体7だけが乗車できる移動体専用運転モードに設定する。例えば、残りの呼び登録に、利用者と同乗することが許可された移動体7からの呼び登録が含まれる場合、到着検知部18は、当該かご4の運転モードを移動体同乗運転モードに設定する。例えば、残りの呼び登録に、いずれの移動体7からの呼び登録も含まれない場合、到着検知部18は、当該かご4の運転モードを移動体7が乗車していない通常運転モードに設定する。」 「【0052】 制御装置6は、移動体7から呼び登録の情報を受信した場合、ステップS101の動作を行う。」 「【0057】 次に、図6を用いて、制御装置6が移動体7からの呼び登録にかご4を割り当てる動作を説明する。 図6は実施の形態1におけるエレベーターの制御装置が行う移動体からの呼び登録にかごを割り当てる動作を説明するフローチャートである。」 「【0061】 ステップS202で、当該移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、制御装置6は、ステップS204の動作を行う。ステップS204において、制御装置6は、いずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外する。」 「【0069】 ステップS210で、割当候補のかご4が1でないと判定した場合、すなわち割当候補のかご4の数が0であると判定した場合、制御装置6は、ステップS212の動作を行う。ステップS212において、制御装置6は、規定の時間が経過するのを待つ。その後、制御装置6は、ステップS201以降の動作を行う。」 「【0071】 また、制御装置6は、移動体属性情報に基づいて運転モードを設定する。このため、利用者との同乗が許可されていない移動体7がかご4に乗車している際に、当該かご4が利用者の呼び登録に割り当てられることを抑制できる。その結果、かご4の利用効率を向上することができる。」 「図2 図6 [図:0001423511000001.jpg] 」 イ 甲1の【0061】【0069】及び図6から、制御装置6の第1移動体属性取得部10が取得した移動体7の呼び登録に含まれる移動体属性情報から移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合(S202でNO)、制御装置6の割当部15は、いずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかごを割当候補から除外し(S204)、割当候補のかごが0であると判定した場合(S210でNO)は規定の時間が経過するのを待ち(S212)、その後、これらの動作を繰り返すと理解される。 ウ 甲1の【0039】には利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録にかご4が割り当てられた場合、第1モード設定部16は、当該かご4の運転モードを移動体7だけが乗車できる移動体専用運転モードに設定することが記載され、【0040】には決定した運転モードに基づいてかご4の運行を制御することが記載され、【0041】には「利用者または移動体7が行先階に到着したことを検知した場合、当該かご4が当該利用者または移動体7からの呼び登録に割り当てられている状態を解除する。」「この際、到着検知部18は、当該かご4の運転モードを当該かご4に割り当てられた残りの呼び登録の情報に基づいて設定する。」と記載されていることから、移動体専用運転モードで運行されている間も、利用者からの呼び登録を受け付けていると理解される。 エ 甲1の【0052】における「制御装置6は、移動体7から呼び登録の情報を受信した場合」との記載から、移動体の呼び登録を受信する、移動体の呼び登録受信ステップがあり、【0018】における「登録装置5は、行先階の情報を含む呼び登録の情報と当該呼び登録の情報に対応付けられた利用者属性情報とを制御装置6に送信する。」との記載から、制御装置6が利用者の呼び登録を受信する利用者の呼び登録受信ステップがあり、【0040】における「制御部17は、制御情報記憶部14に記憶された制御情報と第1モード設定部16が決定した運転モードに基づいて、かご4の運行を制御する。」「制御部17は、当該かご4を第1モード設定部16が設定した運転モードで制御する。」との記載から、制御部17が移動体7の呼び登録、および、前記利用者の呼び登録に応じて、かご4の運行を制御する運行制御ステップがあると理解される。 オ 甲1発明 上記アを総合すると、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-1発明) 「自律して移動し得る移動体7から、出発階および行先階の情報と、該移動体7が利用者と同乗することが許可されているか否かを示す移動体属性情報とを含む、移動体7の呼び登録を取得する第1移動体属性取得部10と、 乗場3においてIDカードを登録装置5にかざすことで送信される、出発階および行先階の情報を含む前記利用者の呼び登録を受信する第1利用者属性取得部12と、 前記移動体7の呼び登録、および、前記利用者の呼び登録に応じて、前記かご4の運行を制御する第1モード設定部16及び制御部17と、 移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外する割当部15と、 を備える、 エレベータの制御装置。」 上記ア、イを総合すると、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-2発明) 「前記第1移動体属性取得部10が取得した前記移動体7の呼び登録に含まれる前記移動体属性情報から移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合(S202でNO)、前記割当部15は、いずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかごを割当候補から除外し(S204)、割当候補のかごが0であると判定した場合(S210でNO)は規定の時間が経過するのを待ち(S212)、その後、これらの動作を繰り返し、前記移動体7からの呼び登録にかご4を割り当てた場合は制御部17がかご4の運行を制御する、 甲1-1発明のエレベータの制御装置。」 上記ア、ウを総合すると、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-3発明) 「前記制御装置6は、 前記第1移動体属性取得部10が利用者と同乗することが許可されていない前記移動体属性情報を含む移動体7の呼び登録を取得してから、当該移動体7の呼び登録を送信した前記移動体7が行先階に到着したことを検知するまでの期間中に、前記利用者の呼び登録を受け付けるように、前記前記第1移動体属性取得部10を制御し、 当該移動体7が行先階に到着したことを検知した場合、残りの呼び登録情報に基づいて前記かご4の運転モードを設定してかご4の運行を制御する、 甲1-1発明のエレベータの制御装置。」 上記ア、エを総合すると、甲1には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲1-4発明) 「自律して移動し得る移動体7から、出発階および行先階の情報と、該移動体7が利用者と同乗することが許可されているか否かを示す移動体属性情報とを含む、移動体7の呼び登録を受信する移動体の呼び登録受信ステップと、 乗場3においてIDカードを登録装置5にかざすことで送信される、行先階の情報を含む前記利用者の呼び登録を受信する利用者の呼び登録受信ステップと、 前記移動体7の呼び登録、および、前記利用者の呼び登録に応じて、前記かご4の運行を制御する運行制御ステップとを含み、 移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外するステップ(S201~S212)を含む エレベータの制御方法。」 (2)甲2について ア 甲2の記載事項 「[0004] しかしながら、特許文献1のシステムにおいて、自律走行ロボットなどの複数の移動体がかごを利用して移動する場合に、エレベーターの輸送容量が複数の移動体によって占有されうる。これに対して、移動体によるエレベーターの利用に利用料金を課すことで、人である乗客によるエレベーターの利用を妨げにくいように輸送容量が調整できる。一方、このとき課される利用料金が移動体によるエレベーターの利用の需要を反映しないことがある。 [0005] 本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、移動体による利用の需要を反映した利用料金を課すことができるエレベーターの課金システム、管理サーバ、移動体、移動体サーバ、課金方法、課金プログラム、利用プログラム、および利用要求のデータ構造を提供する。」 「[0016] 本開示に係るエレベーターの課金システム、管理サーバ、移動体、移動体サーバ、課金方法、課金プログラム、利用プログラム、または利用要求もしくは利用履歴のデータ構造によれば、移動体による利用の需要を反映した利用料金を課すことができる。」 「[0023] 各々のエレベーターユニット3は、かご5と、制御盤6と、を備える。かご5は、複数の階床の間を走行することで乗客などを輸送する機器である。かご5は、かごドアを備える。かごドアは、かご5がいずれかの階床に停止しているときに、乗場との間で乗客などが乗降しうるように乗場ドアを連動させて開閉する機器である。制御盤6は、かご5の動作を制御する装置である。かご5の動作は、例えば、昇降路の走行、およびかごドアの開閉などを含む。」 「[0030] 移動体11において、例えば自律的に移動する機能が搭載される。例えば自律的に移動する移動体11は、通信部7bと、記憶部9bと、要求生成部12bと、を備える。 [0031] 通信部7bは、移動体11の外部の機器または装置などとの通信を行う部分である。通信部7bは、ネットワーク10aに接続される。 [0032] 記憶部9bは、情報を記憶する部分である。移動体11の情報は、記憶部9bに記憶される。移動体11の情報は、例えば移動体11を識別する移動体ID(IDentification)、および移動体11の属性などの情報を含む。移動体11の属性は、例えば移動体11の利用種別、移動体11のスケール、移動体11の機能の有無などの情報を含む。移動体11の利用種別は、例えば「救急」、「警備」、または「宅配」などのように、移動体11が提供するサービスの分類を表す。移動体11のスケールは、例えば移動体11の大きさまたは重量などを含む。移動体11の機能は、例えばかご5において人である乗客と同乗する機能などを含む。」 「[0039] 利用要求は、対応する移動体11を識別する情報と、呼びの情報と、利用料金の希望額の情報と、対応する移動体11の属性の情報と、を含む。呼びの情報は、いずれかのエレベーターユニット3のかご5への割当を割当部8に要求する当該移動体11の呼びの情報である。移動体11の呼びの情報は、例えば当該移動体11の出発階および行先階の情報を含む。利用料金の希望額は、例えば移動体11が提供するサービスなどに応じて設定される。利用料金の希望額に例えば初期値および上限値などの値が設定される場合に、これらの値は、例えば移動体11を利用したサービスの提供者によって予め設定される。あるいは、これらの値は、例えば移動体11を利用したサービスを受ける利用者によって予め設定されてもよい。利用要求に含まれる移動体11の属性の情報は、当該移動体11の属性の情報の一部であってもよい。 [0040] 利用要求は、例えば対応する移動体11がエレベーター2の乗場に進入するときに生成される。あるいは、利用要求は、対応する移動体11がエレベーター2の乗場に進入する前に生成されてもよい。このとき、利用要求は、移動体11の乗場への進入時刻の予測値を含んでもよい。移動体11の要求生成部12bによって生成された利用要求は、例えば当該移動体11の通信部7bによってネットワーク10aを通じて管理サーバ4に送信される。移動体サーバ13の要求生成部12cによって生成された利用要求は、例えば移動体11の通信部7cによってネットワーク10aを通じて管理サーバ4に送信される。」 「[0046] 管理サーバ4は、例えば予め設定された周期ごとに利用要求の受付を開始する。管理サーバ4は、利用要求の受付を開始するときに課金システム1における各々の移動体11、および移動体サーバ13に例えばブロードキャストすることで通知を行う。あるいは、管理サーバ4は、各々の移動体11または移動体サーバ13からの問い合わせに応じて利用要求の受付が開始されていることを通知してもよい。また、管理サーバ4は、いずれかの移動体11から利用要求が送信されたときに、利用要求の受付を開始してもよい。なお、管理サーバ4は、輸送リソースがない場合に利用要求の受付を開始しなくてもよい。すでに受付を開始した後に輸送リソースがなくなった場合に、管理サーバ4は、利用要求の受付を中止してもよい。」 「[0049] 管理サーバ4の通信部7aは、移動体11Aに対応する利用要求、および移動体11Bに対応する利用要求を受け付ける。」 「[0054] 割当部8は、優先度が最も高い利用要求の呼びを、輸送リソースに算入されたいずれかのエレベーターユニット3のかご5に割り当てる。なお、割当部8は、受け付けている利用要求が1つの場合に、当該利用要求の呼びを輸送リソースに算入されたいずれかのエレベーターユニット3のかご5に割り当てる。 [0055] 割当部8は、移動体11の呼びを割り当てたかご5を当該移動体11が利用できるかを判定する。割当部8は、例えば移動体11のスケールに基づいてかご5の利用の可否を判定する。また、割当部8は、例えば人である乗客と同乗する機能を有していない移動体11について、既に乗客が乗車しているかご5の利用を不可と判定する。割当部8は、移動体11の呼びを割り当てたかご5を当該移動体11が利用できないと判定するときに、当該移動体11の次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直す。この例において、割当部8は、移動体11Bの呼びをかご5Cに割り当てる。」 「[0058] その後、割当結果が通知されたエレベーターユニット3Cの制御盤6は、かご5Cを移動体11Bの出発階まで走行させる。 [0059] 対応する利用要求の呼びが割り当てられた移動体11Bは、かご5Cに乗車しうるように出発階の乗場に移動する。あるいは、既に乗場にいる場合に、移動体11Bは、乗場においてかご5Cの到着を待機する。一方、移動体サーバ13の要求生成部12cは、次に利用要求の受付が開始されるときに、呼びが割り当てられなかった移動体11Aに対応する利用要求の生成を再び行う。」 イ 【0039】における「利用要求は、対応する移動体11を識別する情報と、呼びの情報と、利用料金の希望額の情報と、対応する移動体11の属性の情報と、を含む。」「移動体11の呼びの情報は、例えば当該移動体11の出発階および行先階の情報を含む。」との記載、【0032】における「移動体11の属性は、例えば移動体11の利用種別、移動体11のスケール、移動体11の機能の有無などの情報を含む。」「移動体11の機能は、例えばかご5において人である乗客と同乗する機能などを含む。」との記載から、移動体11からの利用要求には、出発階および行先階の情報を含む呼び情報と、該移動体11が乗客と同乗する機能の有無の情報を含む属性の情報とを含むことがわかる。 ウ 甲2発明 上記ア、イを総合すると、甲2には、次の発明が記載されていると認められる。 (甲2-1発明) 「自律的に移動する機能が搭載される移動体11から、出発階および行先階の情報を含む呼び情報と、該移動体11が乗客と同乗する機能の有無の情報を含む属性の情報とを含む利用要求を受け付ける管理サーバ4の通信部7aと、 複数の階床の間を走行することで乗客などを輸送するかご5と、 前記利用要求に応じて、前記かご5の走行を行わせる制御盤6と、 前記通信部7aが受け付けた移動体11からの前記利用要求の呼びをかご5に割り当て、前記利用要求に含まれる属性の情報が乗客と同乗する機能を有していないことを示す場合、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直す割当部8と、を備える エレベータの課金システム。」 (甲2-2発明) 「前記通信部7aが受け付けた前記利用要求に含まれる属性の情報が乗客と同乗する機能を有していないことを示す移動体11からの利用要求である場合、前記割当部8は、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直し、呼びが割り当てられなかった移動体11の要求生成部は次に利用要求の受付が開始されるときに利用要求の生成を再び行う、甲2-1発明のエレベータの課金システム。」 (甲2-3発明) 「自律的に移動する機能が搭載される移動体11から、出発階および行先階の情報を含む呼び情報と、該移動体11が乗客と同乗する機能の有無の情報を含む属性の情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、 前記利用要求に応じて、前記かご5の走行を行わせる制御ステップと、を含み、 前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた移動体11からの前記利用要求の呼びをかご5に割り当て、前記利用要求に含まれる属性の情報が乗客と同乗する機能を有していないことを示す場合、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直す割り当てステップをさらに含む エレベータの課金方法。」 (3)甲3について ア 甲3の記載事項 「【0029】 利用者専用運転モードは、一般の利用者が利用する周知のエレベータ1の運転モードであり、例えば、ある階のエレベータホールで乗り場呼出ボタン14が押圧操作されて乗りかご3が呼び出されると、複数のエレベータ1のうち、いずれか一つのエレベータ1の乗りかご3をその呼出階に移動させてかご扉を開き、乗りかご3内の行き先階指定ボタン11が押圧操作されて所望の行き先階が指定されると当該乗りかご3を指定された行き先階に移動させる運転モードである。 【0030】 ロボット専用運転モードは、清掃ロボット30と連動して清掃ロボット30を所望の清掃階に搬送するための運転モードであり、例えば特開2000-339030号公報に詳細に記載されているように、ある階のエレベータホールで清掃ロボット30のロボット送受信器31からホール送受信器16を介してエレベータ制御装置20に呼出信号が伝送されると、エレベータ1の乗りかご3をその呼出階に移動させてかご扉を開き、清掃ロボット30を乗車させ、そして、乗りかご3内で清掃ロボット30のロボット送受信器31からかご内送受信器15を介してエレベータ制御装置20に、次に移動する階への行き先階指示信号が伝送されると、当該乗りかご3を指定された行き先階に移動させる運転モードである。」 「【0032】 利用者専用運転制御手段は、乗り場呼出ボタン14が押圧操作されると、その呼び出された階の階数を利用者呼出階情報として記憶手段に記憶し、その利用者呼出階情報に基づいて昇降装置を制御し、乗りかご3を利用者呼出階に移動させる処理を行う。そして、乗りかご3が利用者呼出階に到着してかご扉を開くと、その利用者呼出階情報を記憶手段から削除する処理を行う。 【0033】 そして、乗りかご3内の行き先階指定ボタン11が押圧操作されると、その指定された行き先階の階数を利用者行き先階情報として記憶手段に記憶し、その利用者行き先階情報に基づいて昇降装置を制御し、乗りかご3を利用者行き先階に移動させる処理を行う。そして、乗りかご3が利用者行き先階に到着してかご扉を開くと、その利用者行き先階情報を記憶手段から削除する処理を行う。」 「【0041】 エレベータ制御装置20がエレベータ監視センタ21からロボット専用運転モードに切り替える選択信号を受信すると(ステップS1)、運転制御切替手段が対象エレベータ1に対する以降の新規の利用者呼出を拒否する処理を行う(ステップS2)。 【0042】 運転制御切替手段は、利用者専用運転制御手段が記憶手段に記憶された利用者呼出階情報に基づいて乗りかご3を呼出階に移動させる際に対象エレベータ1を除外するように利用者運転制御手段に指示し、乗り場呼出ボタン14による対象エレベータ1の乗りかご3の呼出を拒否する。」 「【0044】 運転制御切替手段は、乗り場呼出ボタン14による対象エレベータ1の乗りかご3の呼出を拒否すると、次に、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者専用運転制御手段によって利用者行き先階に向かって移動中であるか否かを判断し、移動中であると判断した場合は、利用者行き先階に向かって移動させる処理を行う。 【0045】 尚、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者専用運転制御手段によって利用者行き先階に向かって移動中であるとは、記憶手段に記憶された利用者行き先階情報に基づいて利用者行き先階に向かって移動させようとしている場合の他、記憶手段に記憶された利用者呼出階情報に基づいて利用者呼出階に向かって移動させようとしている場合も含まれる。 【0046】 運転制御切替手段は、エレベータ制御装置20が選択信号を受信したときに対象エレベータ1の乗りかご3が利用者呼出中か否かを判断する(ステップS3)。例えば受信時に既に記憶手段に利用者呼出階情報が記憶されている場合や、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者呼出階に向かって実際に移動している場合は、利用者呼出中と判断される。そして、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者呼出中である(ステップS3でYES)と判断した場合は、そのまま乗りかご3の利用者呼出階への移動を継続させ(ステップS4)、ステップS5以降に移行する。また、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者呼出中ではない(ステップS3でNO)と判断した場合は、ステップS5以降に移行する。」 「【0051】 そして、記憶手段に対象エレベータ1の利用者行き先階情報が記憶されていない(ステップS7でNO)と判断されるまで、乗りかご3の利用者行き先階への移動を継続させる。これにより、例えば複数の利用者が対象エレベータ1の乗りかご3に乗っており、複数の行き先階が指定されている場合には、全ての行き先階に乗りかご3を移動させて、利用者全員を所望の利用者行き先階に搬送して乗りかご3から降ろすことができる。」 「【0053】 そして、記憶手段に利用者行き先階情報が記憶されていない(ステップS7でNO)と判断された場合、又は、利用者検知センサ13からの検知信号に基づいて対象エレベータ1の乗りかご3内に利用者が乗っていない(ステップS5でNO)と判断された場合に、対象エレベータ1の運転制御手段を利用者専用運転制御手段からロボット専用運転制御手段に切り替える。」 「【0065】 清掃ロボット30は、全ての清掃階の清掃作業を終了すると、全ての清掃階の清掃作業を終了したことを示す清掃作業完了信号をエレベータ制御装置20に伝送し、清掃ロボット30の保管場所のある階まで移動して保管場所に戻る。 【0066】 エレベータ制御装置20は、清掃作業完了信号の伝送を清掃ロボット30から受けると、エレベータ監視センタ21にその清掃作業完了信号を送信する(ステップS12)。エレベータ監視センタ21は、エレベータ制御装置20から清掃作業完了信号を受信すると、清掃ロボット30による清掃が完了したことをエレベータ監視センタ21のモニターに表示する。 【0067】 そして、エレベータ監視センタ21で選択キースイッチが操作されて、対象エレベータ1の運転モードをロボット専用運転モードから利用者専用運転モードに戻す選択がなされると、その選択信号がエレベータ監視センタ21からエレベータ制御装置20に送信される。エレベータ制御装置20は、その選択信号を受信すると、対象エレベータ1の運転モードを利用者専用運転モードに切り換える(ステップS13)。 【0068】 上記エレベータ制御装置20の運転制御切替手段によれば、エレベータ監視センタ21からロボット専用運転モードを選択する指示を受けると、新規の利用者呼出を拒否すると共に、対象エレベータ1の乗りかご3が利用者行き先階に向かって移動中であるか否かを判断し、移動中であると判断した場合は、乗りかごを利用者行き先階に移動させた後に、運転モードをロボット専用運転モードに切り替える。」 (4)甲4について ア 甲4の記載事項 「【0004】 ロボットと利用客が同乗しない場合では、ロボットがエレベータを利用する際に、エレベータがロボット専用運転に切り替わることで、ロボットのみがエレベータを利用できるようにする。なお、ロボット専用運転とは、ロボットの呼びをエレベータが感知した際にロボットが乗車する号機の呼びを受け付けなくなり、既存の全てのカゴ呼びに応答した後にロボットを運搬することを内容としたエレベータの運転方法である。」 「【0020】 タイマ10は、制御盤7に設けられている。タイマ10は、目的階信号が受信されてからの経過時間を計測する。 【0021】 制御盤7は、目的階信号が受信されてからタイマ10の計測時間が一定時間を超過しても乗車許可信号が送信されない場合に、カゴ6の運転を、自律移動体3と利用客とが同乗可能な通常運転から、自律移動体3のみが利用可能な自律移動体専用運転に切り替える。 【0022】 ここで、自律移動体専用運転とは、より具体的には、自律移動体3の呼びをエレベータ2が感知した際に、自律移動体3が乗車する号機(すなわち、エレベータ2)の呼びを受け付けず、既存の全てのカゴ呼びに応答した後に自律移動体3を運搬するエレベータ2の運転方法である。」 「【0032】 タイマ10の計測時間が一定時間を超過した場合(ステップS7:Yes)、制御盤7は、エレベータ2の運転を通常運転から自律移動体専用運転に切り替える(ステップS8)。 【0033】 タイマ10の計測時間が一定時間を超過していない場合(ステップS7:No)、制御盤7は、エレベータ2の運転を通常運転に維持したまま、自律移動体3の乗車可否の判定を繰り返す(ステップS2)。 【0034】 自律移動体専用運転への切り替え後、自律移動体3が目的階に到着してカゴ6が戸開すると、制御盤7は、エレベータ2の運転を、自律移動体専用運転から通常運転に復帰させる(ステップS9)。」 (5)甲5について ア 甲5の記載事項 「【0014】 第1実施形態のエレベータシステムは、エレベータ1と自律走行ロボット(自律走行体)3とから構成されている。エレベータ1は、ビルの利用者40が主に利用する一般的なエレベータ装置であって、自律走行ロボット3の乗車が可能とされている。即ち、このエレベータシステムでは、乗りかご15内において、自律走行ロボット3の利用者40との同乗が可能とされている。」 「【0022】 呼び情報登録部31は、走行制御部32および自律走行ロボット乗車可否判定部35に接続されており、自律走行ロボット3からのロボット用呼び情報4の登録が行われる。ロボット用呼び情報4とは、現在位置の階を乗車階とする乗場呼び情報と、目的位置の階を行先階(降車階)とするかご呼び情報である。また、呼び情報登録部31は、利用者40による乗場呼び情報およびかご呼び情報を受け付け、応答する乗場呼び情報およびかご呼び情報の登録が行われる。」 「【0038】 自律走行ロボット3がエレベータ1を利用する場合、自律走行ロボット制御部3aは、ロボット側通信部3cからロボット用呼び情報4を送信する。」 「【0047】 自律走行ロボット乗車可否判定部35では、ロボット同乗禁止者乗車数が予め定める閾値以下である場合には(ステップS8のYES)、ロボット同乗禁止者が乗車していないと判断し、ロボット乗車可能状態と判定する(ステップS9)。一方、閾値よりも大きい場合には(ステップS8のNO)、ロボット同乗禁止者が乗車していると判断し、ロボット乗車不可状態と判定する(ステップS10)。そして、処理を終了する。」 「【0069】 エレベータ側通信部36が、ロボット用呼び情報4を受信すると(ステップS51のYES)、自律走行ロボット乗車可否判定部35は、上記したステップS9,S10の結果を参照し、ロボット乗車可能状態であるか否かを判定する(ステップS52)。ロボット乗車不可状態であれば(ステップS52のNO)、自律走行ロボット乗車可否判定部35は、ロボット用呼び情報4をキャンセルし、エレベータ側通信部36より、乗車可否判定情報5として乗車不可情報を送信させる(ステップS54)。そして、処理を終了する。」 (6)甲6について ア 甲6の記載事項 「【0006】 従って、以上のようなエレベータシステムは、エレベータの運行効率を上げるとか、省エネを実現するための運転制御に重点がおかれ、個々の利用者の状態等を考慮した運転制御がなされていない。その結果、例えば、病院施設などでは、予め手術や必要な処置を行う病院の入院患者のようにスケジュール管理されている患者や緊急を要する患者(救急患者)など、時間が決められている患者を長待ちさせてしまう問題がある。 【0007】 本発明が解決しようとする課題は、時間的に急を要する入院患者や救急患者等の入院患者を長待ちさせずに迅速に目的階に運搬するエレベータシステムを提供することにある。」 「【0034】 先ず、病院施設のスケジュール管理担当者は、病院管理装置5を用いて、スケジュールデータベース5B上に図4に示す患者スケジュールテーブル5B1を作成する。患者スケジュールテーブル5B1としては、入院患者のうち、当日に例えば手術や処置を行う患者m1,m2,…のスケジュール,例えば予約患者が予約時間内に乗車予約階から手術室階にエレベータを利用することを登録する。」 「【0037】 すなわち、予約号機割当て手段63Bは、タイマー63Aで刻時される現在時間(例えば時・分)に基づき、患者スケジュールテーブル5B1を照合し、手術等を行う入院患者の予約状況を確認する(S2)。具体的には、患者スケジュールテーブル5B1から予約有りか(S3)、有りの場合には予約時間内かを確認する(S4)。ここで、テーブル5B1には例えば9:10~9:15の予約時間で入院患者m3が登録されており、一方、タイマー63Aが9時10分を刻時したとき、予約時間内に入ったと確認する。 【0038】 引き続き、次のステップS5に進んで号機指定有りかを確認し、号機指定無しの場合には、号機割当てルール62aに基づき、待機中号機有りか(S6)、無しの場合には乗車予約階に一番早く到着する到着号機を割当てる(S7)。なお、ステップS5にてテーブル5B1に号機指定があれば、その指定号機を割り当て(S8)、また、ステップS6にて待機号機があれば、待機号機を割り当てる(S9)。 【0039】 以上のようにして最適な号機エレベータを割当てると、割当て号機の号機制御装置(図示せず)に運転制御指示を出し、該当巻上機11を回転駆動する。」 「【0043】 優先運転制御手段63Dは、乗車予約階に向って運転するが、このとき各階の乗場呼びをキャンセルし、以後のかご呼び及び乗場呼びを制限し、既にかご呼びの登録階だけに順次応答し、利用者を降していく(S12)。」 (7)甲7について ア 甲7の記載事項 「【0009】 本発明は、例えば、混雑している場合でも、利用者がエレベータかごにスムーズに乗降できるようにすることを目的とする。 【課題を解決するための手段】 【0010】 本発明のエレベータ制御装置は、エレベータかごの次の停止階での乗客の人数を特定する乗客人数特定部と、前記乗客人数特定部により特定された乗客の人数に基づいて前記次の停止階での前記エレベータかごの戸開時間を決定する戸開時間決定部と、前記次の停止階に停止した前記エレベータかごを前記戸開時間決定部により決定された戸開時間だけ戸開させる戸開制御部とを備える。」 「【0020】 戸開時間決定部5は、エレベータかご1が到着する階(以下、到着階という)での乗降者の人数(乗降者人数特定部4により特定された人数)に基づいて到着階でのエレベータかご1の戸開時間を決定する。エレベータかご1の戸開時間は、乗降者が多ければ長い時間に決定され、乗降者が少なければ短い時間に決定される。」 2 甲1を主引例とする場合について (1)本件発明1について 本件発明1は、本件訂正により削除された。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と甲1-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 (ア)甲1-1発明との共通部分について 甲1-2発明の「自律して移動し得る」という事項は本件発明2の「自律走行機能を有する」という事項に相当し、以下同様に、「移動体7」は「情報処理装置」に、「出発階および行先階の情報」は「出発階および行先階を示す利用階情報」に、「利用者」は「エレベータの利用者」に、「同乗することが許可されているか否かを示す移動体属性情報」は「該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報」に、「移動体7の呼び登録」は「利用要求」に、「取得する」という事項は「受け付ける」という事項に、「第1移動体属性取得部10」は「利用要求受付部」に、それぞれ相当する。 本件発明2の「乗り場呼び登録」は、乗り場呼び操作が行われた階床、および乗り場呼び操作によって指定されたかご33の移動方向を示す情報(【0030】)からなり、「かご呼び登録」は、かご33の行先階を示す情報(【0021】)からなる。そして、甲1-2発明における「利用者の呼び登録」も出発階および行先階の情報を含むから、甲1-2発明の「乗場3においてIDカードを登録装置5にかざすことで送信される、出発階および行先階の情報を含む前記利用者の呼び登録」は本件発明2の「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録」に相当する。 甲1-2発明の「受信する」という事項は本件発明2の「受け付ける」という事項に相当し、以下同様に、「第1利用者属性取得部12」は「呼び登録受付部」に、「前記かご4の運行を制御する」という事項は「前記エレベータを動作させる」という事項に、「第1モード設定部16及び制御部17」は「動作制御部」に、「移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外する」という事項は「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する」という事項に、「割当部15」は「主制御部」に、「エレベータの制御装置」は「エレベータ制御システム」に、それぞれ相当する。 (イ)甲1-1発明にはない構成について 甲1-2発明において利用者へのかご4の割り当てが制限されるのは、利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録にかご4が割り当てられた場合であるから(【0039】)、図6のS210で割当候補のかごが0であると判定され、S212で規定の時間が経過するまで待機している間、利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録にはかご4が割り当てられず、利用者の呼び登録により、かご4の運行が継続していると理解される。したがって、甲1-2発明の「前記第1移動体属性取得部10が取得した前記移動体7の呼び登録に含まれる前記移動体属性情報から移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合(S202でNO)、前記割当部15は、いずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかごを割当候補から除外し(S204)、割当候補のかごが0であると判定した場合(S210でNO)は規定の時間が経過するのを待ち(S212)、その後、これらの動作を繰り返し、前記移動体7からの呼び登録にかご4を割り当てた場合は制御部17がかご4の運行を制御する」という事項は本件発明2の「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する」という事項に相当する。 したがって、本件発明2と甲1-2発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 (なお、以下の一致点及び相違点の番号は、<主引例の甲号証番号-本件発明の番号-枝番>とする。) <一致点1-2> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 <相違点1-2> 本件発明2では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲1-2発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-2について検討する。 甲6には、従来はエレベータの運行効率を上げることや省エネを実現するための運転制御に重点がおかれていたために、病院の入院患者のようにスケジュール管理されている患者や緊急を要する患者など時間が決められている患者を長待ちさせてしまう課題があったため(【0006】)、患者スケジュールテーブル5B1に登録されている手術や処置を行う患者のスケジュールに基づいて最適な号機エレベータを割り当て(【0034】~【0039】)、その際に各階の乗場呼びをキャンセル(【0043】)する技術的事項が記載されている。そうすると、甲6に記載された技術的事項は、自律して移動する移動体がエレベータのかごにおいて利用者と同乗することを想定していないため、甲1-2発明に甲6に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。むしろ、甲1-2発明はかご4の利用効率向上も課題としているから(【0071】)、エレベータの運行効率を上げることによる弊害を解決しようとしている甲6に記載された技術的事項を、甲1-2発明に適用することには阻害要因があるといえる。 また、その他の各甲号証にも「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」ことは記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。 そして、本件発明2は、相違点1-2に係る発明特定事項を備えることにより、「利用者Pと同乗できない情報処理装置2がエレベータ3を利用するにあたり、エレベータ制御システム100は、情報処理装置2に利用させるエレベータ3を遅滞なく用意することができる。」(【0090】)という格別の効果を奏するものである。 したがって、相違点1-2は実質的な相違点であるので、本件発明2は甲1-2発明ではなく、また、当業者であっても甲1-2発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (3)本件発明4について ア 対比 本件発明4と甲1-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「(2)ア(ア)」における対比は、本件発明4と甲1-2発明との対比においても同様である。 また、上記「(2)ア(ア)」で検討した通り、甲1-2発明の「利用者の呼び登録」は本件発明4における「利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録」に相当し、上記「(2)ア(イ)」で検討した通り、図6のS210で割当候補のかごが0であると判定され、S212で規定の時間が経過するまで待機している間、利用者と同乗することが許可されていない移動体7からの呼び登録にかご4が割り当てらず、利用者の呼び登録により、かご4の運行が継続していると理解されるから、甲1-2発明の「前記第1移動体属性取得部10が取得した前記移動体7の呼び登録に含まれる前記移動体属性情報から移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合(S202でNO)、前記割当部15は、いずれかの利用者からの呼び登録に割り当てられているかごを割当候補から除外し(S204)、割当候補のかごが0であると判定した場合(S210でNO)は規定の時間が経過するのを待ち(S212)、その後、これらの動作を繰り返し、前記移動体7からの呼び登録にかご4を割り当てた場合は制御部17がかご4の運行を制御する」という事項は、本件発明4の「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する」という事項に相当する。 したがって、本件発明4と甲1-2発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-4> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 <相違点1-4> 本件発明4では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」のに対し、甲1-2発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-4について検討する。 甲7には、混雑している場合でも利用者がエレベータかごにスムーズに乗降できるようにすることを目的として(【0009】)、乗降者人数特定部4により特定された乗降者が多ければ長い時間に決定された戸開時間だけ戸開させる(【0010】、【0020】)という技術的事項が記載されている。そうすると、甲7に記載された技術的事項は、混雑時の戸開時間を乗降者人数に基づいて決定するものであって、自律して移動する移動体がエレベータのかごに利用者と同乗することを想定しておらず、甲1-2発明と甲7に記載された技術的事項とではエレベータの使用態様や戸開時間に影響を与える要因が異なるから、甲1-2発明に甲7に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。仮に、甲7に記載された技術的事項を甲1-2発明に適用できたとしても、戸開時間を乗降者人数に基づいて決定することになり、相違点1-4に係る構成とはならない。 また、その他の各甲号証にも「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」ことは記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。 そして、本件発明4は、相違点1-4に係る発明特定事項を備えることにより、「利用者Pと同乗可能な情報処理装置2がエレベータ3を利用するにあたり、エレベータ制御システム100は、情報処理装置2が利用するエレベータのかごの戸開状態を延長させることによって、情報処理装置2を安全に乗降させることができる。」(【0094】)という格別の効果を奏するものである。 したがって、相違点1-4は実質的な相違点であるので、本件発明4は甲1-2発明ではなく、また、当業者であっても甲1-2発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (4)本件発明5について ア 対比 本件発明5と甲1-3発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「(2)ア(ア)」における対比は、本件発明5と甲1-3発明との対比においても同様である。 甲1-3発明の「前記制御装置6は、前記第1移動体属性取得部10が利用者と同乗することが許可されていない前記移動体属性情報を含む移動体7の呼び登録を取得してから、当該移動体7の呼び登録を送信した前記移動体7が行先階に到着したことを検知するまでの期間中に、前記利用者の呼び登録を受け付けるように、前記第1移動体属性取得部10を制御し、当該移動体7が行先階に到着したことを検知した場合、残りの呼び登録情報に基づいて前記かご4の運転モードを設定してかご4の運行を制御する」という事項は、本件発明5の「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する」という事項に相当する。 したがって、本件発明5と甲1-3発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-5> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記主制御部は、 前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、 当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 <相違点1-5> 本件発明5では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲1-3発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-5について検討する。 相違点1-5は、相違点1-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点1-5は実質的な相違点であるので、本件発明5は甲1-3発明ではなく、また、当業者であっても甲1-3発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (5)本件発明6について ア 対比 本件発明6と甲1-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明6と甲1-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-6> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点1-6-1> 本件発明6では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲1-1発明では、そのような制御を行っていない点。 <相違点1-6-2> 本件発明6では「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間、前記乗り場呼び登録を受け付けないように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲1-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-6-1について検討する。 相違点1-6-1は、相違点1-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点1-6-1に係る構成は、当業者であっても、甲1-1発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たこととはいえない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、当業者であっても、甲1-1発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (6)本件発明8について ア 対比 本件発明8と甲1-4発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲1-4発明の「自律して移動し得る」という事項は本件発明8の「自律走行機能を有する」という事項に相当し、以下同様に、「移動体7」は「情報処理装置」に、「出発階および行先階の情報」は「出発階および行先階を示す利用階情報」に、「利用者」は「エレベータの利用者」に、「同乗することが許可されているか否かを示す移動体属性情報」は「該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報」に、「移動体7の呼び登録」は「利用要求」に、「受信する」という事項は「受け付ける」という事項に、「移動体の呼び登録受信ステップ」は「利用要求受付ステップ」に、「乗場3においてIDカードを登録装置5にかざすことで送信される、出発階および行先階の情報を含む前記利用者の呼び登録」は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録」に、「利用者の呼び登録受信ステップ」は「呼び登録受付ステップ」に、「前記かご4の運行を制御する」という事項は「前記エレベータを動作させる」という事項に、「運行制御ステップ」は「動作制御ステップ」に、「移動体7が利用者と同乗することが許可されていないと判定した場合、利用者からの呼び登録に割り当てられているかご4を割当候補から除外するステップ(S201~S212)を含む」という事項は「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御するステップをさらに含む」という事項に、「エレベータの制御方法」は「エレベータ制御方法」に、それぞれ相当する。 したがって、本件発明8と甲1-4発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-8> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップと、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップと、を含み、 前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップをさらに含む、 エレベータ制御方法。 <相違点1-8> 本件発明8では、「前記エレベータを制御するステップにおいて、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記呼び登録受付ステップにおいて受け付けた、受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記エレベータを制御する」のに対し、甲1-4発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-8について検討する。 相違点1-8は、相違点1-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点1-8に係る構成は、当業者であっても、甲1-4発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たこととはいえない。 したがって、相違点1-8は実質的な相違点であるので、本件発明8は、甲1-4発明ではなく、また、当業者であっても、甲1-4発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 3 甲2を主引例とする場合について (1)本件発明1について 本件発明1は、本件訂正により削除された。 (2)本件発明2について ア 対比 本件発明2と甲2-2発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比する。 (ア)甲2-1発明との共通部分について 甲2-2発明の「自律的に移動する機能が搭載される」という事項は「自律走行機能を有する」という事項に相当し、以下同様に、「移動体11」は「情報処理装置」に、「出発階および行先階の情報を含む呼び情報」は「出発階および行先階を示す利用階情報」に、「乗客」は「エレベータの利用者」に、「同乗する機能の有無の情報を含む属性の情報」は「該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報」に、「管理サーバ4の通信部7a」は「利用要求受付部」に、「前記かご5の走行を行わせる」という事項は「前記エレベータを動作させる」という事項に、「制御盤6」は「動作制御部」に、「前記利用要求の呼びをかご5に割り当て、乗客と同乗する機能を有していない前記移動体11について、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直す割当部8」は「前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部」に、「エレベータの課金システム」は「エレベータ制御システム」に、それぞれ相当する。 (イ)甲2-1発明にはない構成について 甲2-2発明は、既に乗客が乗車しているかご5には、乗客と同乗する機能を有していない移動体11の利用要求を割り当てることはないから、乗客が乗車しているかご5は、全ての乗客が降車するように走行した後に、乗客と同乗する機能を有していない移動体11の利用要求が割り当てられることになる。したがって、甲2-2発明の「前記通信部7aが受け付けた前記利用要求に含まれる属性の情報が乗客と同乗する機能を有していないことを示す移動体11からの利用要求である場合、前記割当部8は、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直し、呼びが割り当てられなかった移動体11の要求生成部は次に利用要求の受付が開始されるときに利用要求の生成を再び行う」という事項は本件発明2の「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する」という事項に相当する。 したがって、本件発明2と甲2-2発明とは次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-2> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備え、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御する、 エレベータ制御システム。 <相違点2-2-1> 本件発明2は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-2発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-2-2> 本件発明2では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲2-2発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-2-2について検討する。 甲2発明は、移動体によるエレベーターの利用に利用料金を課すことで、人である乗客によるエレベーターの利用を妨げにくいように輸送容量を調整するエレベータの課金システムにおいて、移動体による利用の需要を反映した利用料金を課すことができるエレベーターの課金システムを提供することを課題としている。一方、甲6には、従来はエレベータの運行効率を上げることや省エネを実現するための運転制御に重点がおかれていたために、病院の入院患者のようにスケジュール管理されている患者や緊急を要する患者など時間が決められている患者を長待ちさせてしまう課題があったため(【0006】)、患者スケジュールテーブル5B1に登録されている手術や処置を行う患者のスケジュールに基づいて最適な号機エレベータを割り当て(【0034】~【0039】)、その際に各階の乗場呼びをキャンセル(【0043】)する技術的事項が記載されており、甲6に記載された技術的事項は、自律して移動する移動体がエレベーターのかごにおいて利用者と同乗することを想定していないこと、甲2発明と甲6に記載された技術的事項が解決しようとする課題は全く異なることから、甲2-2発明に甲6に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。 また、その他の各甲号証にも「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」ことは記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。 そして、本件発明2は、相違点2-2-2に係る発明特定事項を備えることにより、「利用者Pと同乗できない情報処理装置2がエレベータ3を利用するにあたり、エレベータ制御システム100は、情報処理装置2に利用させるエレベータ3を遅滞なく用意することができる。」(【0090】)という格別の効果を奏するものであるから、相違点2-2-2に係る構成は、当業者であっても甲2-2発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明2は、当業者であっても甲2-2発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (3)本件発明6について ア 対比 本件発明6と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明6と甲2-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-6> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点2-6-1> 本件発明2は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-2発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-6-2> 本件発明6では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 <相違点2-6-3> 本件発明6では「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間、前記乗り場呼び登録を受け付けないように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-6-2について検討する。 相違点2-6-2は、上記「(2)ア」における相違点2-2-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点2-6-2に係る構成は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明6は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 (4)本件発明8について ア 対比 本件発明8と甲2-3発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、甲2-3発明の「自律的に移動する機能が搭載される」という事項は「自律走行機能を有する」という事項に相当し、以下同様に、「移動体11」は「情報処理装置」に、「出発階および行先階の情報を含む呼び情報」は「出発階および行先階を示す利用階情報」に、「乗客」は「エレベータの利用者」に、「同乗する機能の有無の情報を含む属性の情報」は「該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報」に、「前記かご5の走行を行わせる」という事項は「前記エレベータを動作させる」という事項に、「制御ステップ」は「動作制御ステップ」に、「前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた移動体11からの前記利用要求の呼びをかご5に割り当て、前記利用要求に含まれる属性の情報が乗客と同乗する機能を有していないことを示す場合、前記移動体11の呼びを割り当てた前記かご5が既に乗客が乗車しているかご5である場合は利用を不可と判定して次に優先度が高い利用要求の呼びを当該かご5に割り当て直す割り当てステップ」は「前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップ」に、「エレベータの課金方法」は「エレベータ制御方法」に、それぞれ相当する。 したがって、本件発明8と甲2-3発明とは次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-8> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付ステップと、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップと、を含み、 前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように前記エレベータを制御するステップをさらに含む、 エレベータ制御方法。 <相違点2-8-1> 本件発明8は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップと、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御ステップとを含むのに対し、甲2-3発明のかご5は乗客も輸送しているものの、前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付ステップを備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-8-2> 本件発明8では、「前記エレベータを制御するステップにおいて、前記利用要求受付ステップにおいて受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記呼び登録受付ステップにおいて受け付けた、受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記エレベータを制御する」のに対し、甲2-3発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-8-2について検討する。 相違点2-8-2は、上記「(2)ア」における相違点2-2-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点2-8-2に係る構成は、当業者であっても甲2-3発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明8は、当業者であっても甲2-3発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立ての理由の概要は次のとおりである。 (1)本件発明3、7は、甲1に記載された発明と甲6又は甲7に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明3、7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2)本件発明3~5、7は、甲2に記載された発明と甲3、甲6又は甲7に記載された技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明3~5、7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 2 上記「1(1)」(甲1を主引例とする場合)について (1)本件発明3について ア 対比 本件発明3と甲1-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 2(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明3と甲1-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-3> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点1-3> 本件発明3では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲1-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-3について検討する。 相違点1-3は、上記「第5 2(2)ア」における相違点1-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「第5 2(2)イ」において検討した通り、本件発明3は、当業者であっても甲1-1発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 (2)本件発明7について ア 対比 本件発明7と甲1-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 2(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明7と甲1-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点1-7> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、 前記利用要求、前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点1-7> 本件発明7では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」のに対し、甲1-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 相違点1-7について検討する。 相違点1-7は、上記「第5 2(3)ア」における相違点1-4と実質的に同じ相違点であるから、上記「第5 2(3)イ」において検討した通り、本件発明7は、当業者であっても甲1-1発明及び甲2~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたものとは認められない。 3 上記「1(2)」(甲2を主引例とする場合)について (1)本件発明3について ア 対比 本件発明3と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 3(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明3と甲2-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-3> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点2-3-1> 本件発明3は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-1発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-3-2> 本件発明3では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-3-2について検討する。 相違点2-3-2は、上記「第5 3(2)ア」における相違点2-2-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「第5 3(2)イ」において検討した通り、相違点2-3-2に係る構成は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件発明3は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 (2)本件発明4について ア 対比 本件発明4と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 3(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明4と甲2-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-4> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点2-4-1> 本件発明4は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-1発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-4-2> 本件発明4は「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記かご呼び登録およびすべての前記乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させた後に、当該利用要求に応じて前記エレベータの動作をさせるように、前記動作制御部を制御し」ているのに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 <相違点2-4-3> 本件発明4では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-4-3について検討する。 甲7には、混雑している場合でも利用者がエレベータかごにスムーズに乗降できるようにすることを目的として(【0009】)、乗降者人数特定部4により特定された乗降者が多ければ長い時間に決定された戸開時間だけ戸開させる(【0010】、【0020】)という技術的事項が記載されている。そうすると、甲7に記載された技術的事項は、混雑時の戸開時間を乗降者人数に基づいて決定するものであって、自律して移動する移動体がエレベータのかごに利用者と同乗することを想定しておらず、甲2-1発明と甲7に記載された技術的事項とではエレベータの使用態様や戸開時間に影響を与える要因が異なるから、甲2-1発明に甲7に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。仮に、甲7に記載された技術的事項を甲2-1発明に適用できたとしても、戸開時間を乗降者人数に基づいて決定することになり、相違点2-4-3に係る構成とはならない。 また、その他の各甲号証にも「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」ことは記載されておらず、本願出願前において周知技術であるともいえない。 そして、本件発明4は、相違点2-4-3に係る発明特定事項を備えることにより、「利用者Pと同乗可能な情報処理装置2がエレベータ3を利用するにあたり、エレベータ制御システム100は、情報処理装置2が利用するエレベータのかごの戸開状態を延長させることによって、情報処理装置2を安全に乗降させることができる。」(【0094】)という格別の効果を奏するものであるから、相違点2-4-3に係る構成は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明4は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 (3)本件発明5について ア 対比 本件発明5と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 3(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明5と甲2-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-5> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点2-5-1> 本件発明5は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-1発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-5-2> 本件発明5では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記主制御部は、前記呼び登録受付部が受け付け済みのすべての前記乗り場呼び登録をキャンセルさせるように、前記呼び登録受付部を制御し」ているのに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 <相違点2-5-3> 本件発明5では、「前記主制御部は、前記利用要求受付部が同乗不可を示す前記同乗可否情報を含む前記利用要求を受け付けてから、当該利用要求を行った前記情報処理装置が前記エレベータの前記かごから降車するまでの期間中に、前記乗り場呼び登録を受け付けるように、前記呼び登録受付部を制御し、当該情報処理装置が前記エレベータから降車した後に、前記期間中に受け付けられた乗り場呼び登録に応じて前記エレベータを動作させるように、前記動作制御部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-5-2について検討する。 相違点2-5-2は、上記「第5 3(2)ア」における相違点2-2-2と実質的に同じ相違点であるから、上記「第5 3(2)イ」において検討した通り、相違点2-5-2に係る構成は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明5は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 (4)本件発明7について ア 対比 本件発明7と甲2-1発明とをその機能、構造又は技術的意義を考慮して対比すると、上記「第5 3(2)ア(ア)」で対比したとおりである。 したがって、本件発明7と甲2-1発明とは、次の一致点及び相違点を有する。 <一致点2-7> 自律走行機能を有する情報処理装置から、出発階および行先階を示す利用階情報と、該情報処理装置がエレベータの利用者と該エレベータのかごに同乗可能か否かを示す同乗可否情報とを含む利用要求を受け付ける利用要求受付部と、 前記利用要求に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部と、 前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗不可を示す場合、前記情報処理装置が前記利用者と前記かごに同乗する状況を排除するように、前記呼び登録受付部または前記動作制御部を制御する主制御部と、 を備える、 エレベータ制御システム。 <相違点2-7-1> 本件発明7は「前記利用者による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部と、」「前記乗り場呼び登録、および前記かご呼び登録」に応じて、前記エレベータを動作させる動作制御部とを備えるのに対し、甲2-1発明のかご5は乗客も輸送しているものの、乗客による乗り場呼び登録およびかご呼び登録を受け付ける呼び登録受付部を備え、当該乗り場呼び登録およびかご呼び登録に応じてかご5の走行を行わせているか明らかではない点。 <相違点2-7-2> 本件発明7では、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」のに対し、甲2-1発明では、そのような制御を行っていない点。 イ 判断 事案に鑑み相違点2-7-2について検討する。 相違点2-7-2は、上記「(2)ア」における相違点2-4-3と実質的に同じ相違点であるから、上記「(2)イ」において検討した通り、相違点2-7-2係る構成は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に想到し得たとはいえない。 したがって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明7は、当業者であっても甲2-1発明及び甲1、3~7に記載された技術的事項に基いて容易に発明をすることができたとは認められない。 4 異議申立人の主張 (1)異議申立人は主に次の主張をしている。 ア 「甲第6号証には、手術等を行う入院患者用に割り当てた号機を乗車予約階に向って優先運転するが、このとき各階の乗場呼びをキャンセルすることが記載されている。このように、優先度の高い運転のために、その前に行われた乗場呼びをキャンセルすることは、普通に考えることであり、甲1発明に甲第6号証を適用、移動体属性情報が利用者と同乗することが許可されていない移動体7を優先し、その前に行われた乗場呼びをキャンセルさせるようにすることは、当業者ならば容易に想到しえたものである。」(異議申立書の37頁28行~34行) イ 「甲第7号証に記載された、乗降者の人数、重量、利用者の状況に応じて、エレベータのかごの戸開時間を延長するように制御することから考えて、状況に応じて戸開時間を延長することは、技術の具体化に応じた設計事項に過ぎず、甲1発明で、移動体同乗運転モード時に、戸開時間を延長するようにすることに何ら困難性はない。」(異議申立書の41頁6行~10行) (2)上記「(1)ア」の主張について 上記「第5 2(2)イ」及び上記「第5 3(2)イ」で検討した通り、甲6には、従来はエレベータの運行効率を上げることや省エネを実現するための運転制御に重点がおかれていたために、病院の入院患者のようにスケジュール管理されている患者や緊急を要する患者など時間が決められている患者を長待ちさせてしまう課題があったため(【0006】)、患者スケジュールテーブル5B1に登録されている手術や処置を行う患者のスケジュールに基づいて最適な号機エレベータを割り当て(【0034】~【0039】)、その際に各階の乗場呼びをキャンセル(【0043】)する技術的事項が記載されている。そうすると、甲6に記載された技術的事項は、自律して移動する移動体がエレベーターのかごにおいて利用者と同乗することを想定していないため、甲1又は甲2に記載されている発明に、甲6に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。 また、甲1に記載されている発明は、かご4の利用効率向上も課題としているから(甲1の【0071】)、エレベータの運行効率を上げることによる弊害を解決しようとしている甲6に記載された技術的事項を適用することには阻害要因があるといえるし、甲2発明と甲6に記載された技術的事項が解決しようとする課題は全くことなることからも、甲2に記載されている発明に甲6に記載された技術的事項を適用する動機付けはないといえる。 したがって、異議申立人の上記アの主張を採用することはできない。 (3)上記「(1)イ」の主張について 上記「第5 2(3)イ」で検討した通り、甲7には、混雑している場合でも利用者がエレベータかごにスムーズに乗降できるようにすることを目的として(【0009】)、乗降者人数特定部4により特定された乗降者が多ければ長い時間に決定された戸開時間だけ戸開させる(【0010】、【0020】)という技術的事項が記載されている。そうすると、甲7に記載された技術的事項は、混雑時の戸開時間を乗降者人数に基づいて決定するものであって、自律して移動する移動体がエレベータのかごに利用者と同乗することを想定しておらず、甲1又は甲2に記載されている発明と甲7に記載された技術的事項とではエレベータの使用態様や戸開時間に影響を与える要因が異なるから、甲1又は甲2に記載されている発明に甲7に記載された技術的事項を適用する動機付けはない。仮に、甲7に記載された技術的事項を甲1又は甲2に記載されている発明に適用できたとしても、戸開時間を乗降者人数に基づいて決定することになり、「前記利用要求受付部が受け付けた前記利用要求に含まれる前記同乗可否情報が同乗可能を示す場合、前記主制御部は、前記エレベータの前記かごの戸開時間を延長するように、前記動作制御部を制御する」構成とはならない。 したがって、異議申立人の上記イの主張を採用することはできない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議の申立ての理由によっては、本件の請求項2~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件の請求項2~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 請求項1に係る特許は、上記のとおり訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、請求項1に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700660

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