特許異議申立
2024-700557
樹脂組成物及び樹脂シート
- 審判番号
- 2024-700557
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2023-005272
- 登録番号
- 7442700
- 請求日
- 2024年06月11日
- 審決日
- 2024年11月18日
- 公報発行日
- 2024年12月27日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】株式会社ユポ・コーポレーション
- 【権利者代理人】高岡 亮一
- 【権利者代理人】小田 直
- 【権利者代理人】芝田 美香
- 【権利者代理人】高橋 香元
- 【権利者代理人】鈴木 満
- 【権利者】住友大阪セメント株式会社
- 【権利者代理人】高岡 亮一
- 【権利者代理人】小田 直
- 【権利者代理人】芝田 美香
- 【権利者代理人】高橋 香元
- 【権利者代理人】鈴木 満
- 【異議申立人】渡辺 陽子
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼澤 英一
- 審判官 岡谷 祐哉
- 審判官 小出 直也
- 分類
- P1651.121-Y (C08L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7442700号発明「樹脂組成物及び樹脂シート」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7442700号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7442700号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願は、令和5年1月17日を出願日とする特願2023-5272号であって、令和6年2月22日にその特許権の設定登録(請求項の数5)がされ、同年3月4日に特許掲載公報が発行され、その後、その特許に対し、同年6月11日に特許異議申立人 渡辺陽子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項1~5)がされたものである。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~5に係る発明(以下、項番に従い「本件特許発明1」のようにいい、本件特許発明1~5を総称して「本件特許発明」という。)は、それぞれ、特許掲載公報に記載された特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される以下のとおりのものと認める。
「【請求項1】
オレフィン系樹脂と、炭酸カルシウムと、を含有する樹脂組成物であって、
前記炭酸カルシウムの粒子が、体積頻度粒度分布測定において、
粒度分布(D90/D10)の値が1~5であり、かつ
平均粒子径(D50)が2~10μmであり、
前記炭酸カルシウムが、副生炭酸カルシウムであり、
前記炭酸カルシウム中のSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの合計含有量が0.1%以下であり、
前記炭酸カルシウム中のNa2Oの含有量が0.1%以上2.0%以下であり、
前記樹脂組成物の白色度が、85以上であることを特徴とする、
樹脂組成物。
【請求項2】
オレフィン系樹脂と、炭酸カルシウムと、を含有する樹脂組成物から成る樹脂シートであって、
前記炭酸カルシウムの粒子が、体積頻度粒度分布測定において、
粒度分布(D90/D10)の値が1~5であり、かつ
平均粒子径(D50)が2~10μmであり、
前記炭酸カルシウムが、副生炭酸カルシウムであり、
前記炭酸カルシウム中のSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの合計含有量が0.1%以下であり、
前記炭酸カルシウム中のNa2Oの含有量が0.1%以上2.0%以下であり、
前記樹脂シートの白色度が、90以上であることを特徴とする、
樹脂シート。
【請求項3】
前記樹脂組成物における、前記オレフィン系樹脂の含有量が50~90質量%であり、かつ
前記炭酸カルシウムの含有量が10~50質量%である、
請求項2に記載の樹脂シート。
【請求項4】
延伸シートである、請求項2に記載の樹脂シート。
【請求項5】
色差ΔEが1.5以下である、請求項2に記載の樹脂シート。」
第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由、証拠方法の概要
1 申立人が提出した特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要及び証拠方法
令和6年6月11日に申立人が提出した特許異議申立書(以下「申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。証拠方法として、下記(2)の甲第1号証~甲第2号証を提出する。
(1)申立理由(甲第1号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項1~5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明並びに甲第1号証及び甲第2号証に記載された事項に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1~5に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
(2)証拠方法
申立書に添付された証拠方法
甲第1号証:特開2021-6612号公報
甲第2号証:特開2007-119767号公報
以下、「甲第1号証」及び「甲第2号証」を「甲1」及び「甲2」という。
第4 当審の判断
1 申立理由について
以下に述べるように、申立書に記載した申立理由によっては、本件特許発明1~5に係る特許は取り消すことはできない。
申立理由(甲1に基づく進歩性)について検討する。
(1)甲1、甲2に記載された事項
ア 甲1に記載された発明
甲1の実施例1に着目すると、甲1には下記の発明が記載されている。
「ポリプロピレン(製品名:FY6、MFR:2.5g/10min、日本ポリプロ社製)50部、ポリプロピレン(製品名:MA3、MFR:11g/10min、日本ポリプロ社製)10部、ポリエチレン(製品名:HJ58N、12g/10min、日本ポリエチレン社製)10部、実施例1の表面処理された副生炭酸カルシウム30部、酸化チタン(製品名:CR-60、石原産業社製)0.5部、酸化防止剤(製品名:BHT、本州化学工業社製)0.2質量部、フェノール系酸化防止剤(製品名:イルガノックス1010、チバガイギー社製)0.1質量部の混合物を、230℃の温度に設定した単軸スクリュー押出機にて混練した混錬物をストランド状に押し出し、カッティングして得たペレット状の樹脂組成物。
ここで、実施例1の表面処理された副生炭酸カルシウムは、レーザー回折式粒度分布計による測定において、平均粒子径(D50)が1.5μmであり、当該副生炭酸カルシウムに含まれる鉄の含有量が44ppm、銅の含有量が2.4ppm、マンガンの含有量が1.8ppmである。」(以下「甲1-1発明」という。)
「甲1-1発明の樹脂組成物から成るシートを同時二軸延伸して得られたフィルム」(以下「甲1-2発明」という。)
イ 甲2に記載された事項
甲2には、以下の事項が記載されている。
「【請求項1】
重質炭酸カルシウムからなる不活性微粒子で、下記(a)、(b)、(c)、式を満足することを特徴とする合成樹脂添加剤。
(a)1≦d50≦20(μm)
(b)0≦α≦2.5
(c)V05≦10 (Vol %)
ただし、
d50:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積50Vol パーセント径(Median径)(μm)
d90:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径(μm)
d10:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積10Vol パーセント径(μm)
α:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90Vol パーセント径と累積10Vol パーセント径の差を累積50Vol パーセント径d50で割った値で、合成樹脂添加剤の粒子径の均一性を意味し、下記式で表される。
α=(d90-d10)/d50
V05:レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA によって求められる合成樹脂添加剤に含まれる0.5μm以下の超微粒子の体積割合。(Vol %)」
「【0011】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、合成樹脂添加剤として幅広く使用でき、且つ特殊な装置を使用することなく、低コストで製造できる無機粒子を提供することを目的とする。」
「【0057】
実施例1
白色結晶質石灰石を定法により、粗・中粉砕し10mmアンダーの微粉砕原料を作成し、スーパーハイブリッドミル(石川島播磨重工業(株)製)でフィード量250kg/ h、セパレータ1250rpm、風量95m3 /min、圧下圧力80kgf/ cm2 の条件で微粉砕し、レーザー解析式粒度分布測定器Microtrac-FRA で測定した累積50Vol パーセント径d50が1.3μmの微粉砕物を得た。この微粉砕物を流体分級機ターボクラシファイアTC-15(日清エンジニアリング社製)を用い、表1に示す分級条件で、微粉側(サイクロン、バグフィルター)と粗粉側に分級し、サイクロンで回収して、更に表1に示す2回目の分級条件で再度分級し、粗粉側を回収して、レーザー回折式粒度分布測定機Microtrac-FRA で求められる累積50Vol パーセント径d50(μm)、累積90Vol パーセント径d90(μm)、累積10Vol パーセント径d10(μm)、d90とd10の差を平均粒子径d50で割った値α、Microtrac-FRA で求められる0.5μm以下の超微粒子の体積割合V05(体積%)である重質炭酸カルシウム粉体を調整し、表1に示す合成樹脂添加剤を得た。」
「
[図:0001417659000001.jpg]
」(【0071】【表1】)
「
[図:0001417659000002.jpg]
」(【0072】【表2】)
(2)本件特許発明の技術的意義について
本件特許発明の解決しようとする課題は、「優れた外観性、及び耐候性を付与した樹脂組成物、及びその樹脂シートを提供する」(【0006】)ものであるところ、本件明細書の【0038】には、「優れた外観性、及び耐候性を付与する観点から、炭酸カルシウムは、D90/D10の値が、上限として、5以下であることが好ましく、3以下であることがより好ましく、2.5以下であることが更に好ましい。なお、下限としては、理論値としての1以上である。」ことが記載され、副生炭酸カルシウムのD90/D10が1~5の範囲内である実施例1~3は、白色度(延伸前及び延伸後)、耐候性(ΔE及びヒビ)の評価がいずれも「◎、○又は△」であるのに対し、副生炭酸カルシウムのD90/D10が1~5の範囲外である比較例1及び2は、白色度(延伸前及び延伸後)、耐候性(ΔE及びヒビ)のいずれかの評価で「×」であり、実施例1~3の樹脂組成物が優れていることが示されているから、本件特許発明において、副生炭酸カルシウムの「粒度分布(D90/D10)の値が1~5」との特定事項を満たすことにより、上記課題を解決することが、本件明細書の記載から理解できる。
(3)対比・判断
ア 本件特許発明1について
本件特許発明1と甲1-1発明とを対比する。
甲1-1発明の「ポリプロピレン(製品名:FY6、MFR:2.5g/10min、日本ポリプロ社製)50部」、「ポリプロピレン(製品名:MA3、MFR:11g/10min、日本ポリプロ社製)10部」及び「ポリエチレン(製品名:HJ58N、12g/10min、日本ポリエチレン社製)10部」はそれぞれ、本件特許発明1の「オレフィン系樹脂」に相当し、甲1-1発明の「樹脂組成物」は、本件特許発明1の「樹脂組成物」に相当する。
甲1-1発明の「実施例1の表面処理された副生炭酸カルシウム30部」は、本件特許発明1の「副生炭酸カルシウム」である「炭酸カルシウム」に相当する。
してみると、両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
<一致点>
「オレフィン系樹脂と、炭酸カルシウムと、を含有する樹脂組成物であって、
前記炭酸カルシウムが、副生炭酸カルシウムである、
樹脂組成物。」
<相違点1>
本件特許発明1は、「前記炭酸カルシウムの粒子が、体積頻度粒度分布測定において、粒度分布(D90/D10)の値が1~5であり、かつ、平均粒子径(D50)が2~10μm」であるのに対し、甲1-1発明は、そのような特定がされていない点
<相違点2>
本件特許発明1は、「前記炭酸カルシウム中のSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの合計含有量が0.1%以下であり、前記炭酸カルシウム中のNa2Oの含有量が0.1%以上2.0%以下」であるのに対し、甲1-1発明は、そのような特定がされていない点
<相違点3>
本件特許発明1は、「樹脂組成物の白色度が、85以上である」のに対し、甲1-1発明は、そのような特定がされていない点
相違点1について、「前記炭酸カルシウムの粒子が、体積頻度粒度分布測定において、粒度分布(D90/D10)の値が1~5」の点が、甲1に記載の事項から動機付けられるかを検討する。
甲1の課題は「硬度低減化処理で副生される炭酸カルシウムペレットの有効利用」(【0007】)である。
また、甲1には「本発明の樹脂組成物に配合する炭酸カルシウムの平均粒子径は、フィルム形成時に空孔の形成が容易になるため、0.3μm以上が好ましく、0.8μm以上がより好ましい。一方、平均粒子径は、フィルムの強度を高める観点から、8μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。」(【0054】)と記載されており、すなわち、平均粒子径を特定の範囲内にすることについて記載されているが、本件特許発明の課題である「優れた外観性、耐候性」について記載も示唆されていないし、副生炭酸カルシウムの「粒度分布(D90/D10)の値」を考慮することも記載されていない。
そうすると、「平均粒子径(D50)が2~10μm」について検討するまでもなく、甲1-1発明において、甲1の記載から、相違点1に係る特定事項とする動機付けはない。
次に、甲2に記載の事項から動機付けられるかを検討する。
甲2には、重質炭酸カルシウムからなる合成樹脂添加剤(請求項1)の発明において、「粒子の均一性を表すシャープネス指数αとして、下記に示すレーザー回析式粒度分布測定機Microtrac-FRAによって求められる合成樹脂添加剤粒子の累積90 Volパーセント径d90と累積10Vol パーセント径d10の差を累積50 Volパーセント径d50で割った値が挙げられる。
α=(d90-d10)/d50」(【0024】)と記載され、当該「α」が「d90」及び「d10」の値を用いて算出されることが記載され、実施例1、7~9、11~13、18に、重質炭酸カルシウムの「d90/d10」が1~5の範囲内の重質炭酸カルシウムが記載されている。
しかしながら、甲2には、副生炭酸カルシウムについての記載もないし、「(粒度分布)D90/D10の値」を考慮することも記載されていない。
さらに、甲2には、実施例2~6、10、14~17に、重質炭酸カルシウムの「d90/d10」が1~5の範囲外のものも記載されており、甲1-1発明に甲2に記載の事項を適用するに際し、甲2に記載される実施例から、あえて「d90/d10」が1~5の範囲内であるものを選択する動機付けがあるとも認められない。
そうすると、「平均粒子径(D50)が2~10μm」について検討するまでもなく、甲1-1発明において、甲2の記載から、相違点1に係る特定事項とする動機付けはない。
また、その効果について検討すると、上記(2)で述べたとおり、本件特許発明1は炭酸カルシウムの粒度分布を「(D90/D10)の値が1~5」としたことにより、「優れた外観性、耐候性」(【0015】)の効果を奏するものであり、当該効果は甲2に記載されておらず、当業者が予測できるものではない。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1に記載された発明、及び甲1、2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
イ 本件特許発明2について
本件特許発明2と甲1-2発明とを対比すると、上記アと同様の相当関係が成り立つ。
してみると、両者は、以下の一致点で一致し、以下の相違点で相違する。
<一致点>
「オレフィン系樹脂と、炭酸カルシウムと、を含有する樹脂組成物から成る樹脂シートであって、
前記炭酸カルシウムが、副生炭酸カルシウムである、
樹脂シート。」
<相違点1’>
本件特許発明1は、「前記炭酸カルシウムの粒子が、体積頻度粒度分布測定において、粒度分布(D90/D10)の値が1~5であり、かつ、平均粒子径(D50)が2~10μm」であるのに対し、甲1-2発明は、そのような特定がされていない点
<相違点2’>
本件特許発明1は、「前記炭酸カルシウム中のSiO2、Al2O3、Fe2O3、MgOの合計含有量が0.1%以下であり、前記炭酸カルシウム中のNa2Oの含有量が0.1%以上2.0%以下」であるのに対し、甲1-2発明は、そのような特定がされていない点
<相違点3’>
本件特許発明1は、「樹脂組成物の白色度が、85以上である」のに対し、甲1-2発明は、そのような特定がされていない点
相違点1’について検討すると、上記アの相違点1と同旨であるから、上記アと同様に判断される。
よって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明2は、甲1に記載された発明、及び甲1、2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件特許発明3~5について
本件特許発明3~5は、本件特許発明2を引用し、本件特許発明2の発明特定事項を全て有するものであるから、上記イと同様の理由により、甲1に記載された発明、及び甲1、2に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ 小括
よって、本件特許発明1~5は、同法第29条2項の規定により特許を受けることができないものであるとはいえないから、本件特許発明1~5に係る特許は、申立理由によっては取り消すことはできない。
2 申立人の主張について
申立人は、申立書の34~35頁の「(ウ)相違点1(炭酸カルシウムの粒子の粒度分布及び平均粒子径)の容易想到性について」において、本件特許発明1の「粒度分布(D90/D10)の値が1~5」について、甲2には、オレフィン系樹脂と重質炭酸カルシウムとを含む合成樹脂組成物において、d90/d10が3.0、4.0、4.3または3.9である重質炭酸カルシウム粒子を配合された合成樹脂組成物が記載されており、上記d90/d10の数値は、相違点1に係る「粒度分布(D90/D10)の値が1~5」の範囲に含まれるから、相違点1に係る炭酸カルシウムの粒子の粒度分布及び平均粒子径の範囲は、本願の出願時における周知事項であり、甲1-1発明及び甲1-2発明において、炭酸カルシウム粒子の粒度分布に関して、相違点1に係る本件特許発明1の「粒度分布(D90/D10)の値が1~5」の範囲で選択することは、甲1及び甲2の記載に基づいて当業者が適宜になし得る程度の設計事項である旨を主張する。
しかしながら、上記1(3)ア、イで説示したとおり、甲1に記載される発明に甲2の記載の事項を適用する動機付けはないから、申立人の上記主張は採用できない。
第5 むすび
上記第4のとおり、本件特許の請求項1~5に係る特許は、特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては取り消すことはできない。
さらに、他に本件特許の請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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