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特許異議申立

2024-700545

遊技機

審判番号
2024-700545
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2019-211755
登録番号
7430519
請求日
2024年06月10日
審決日
2026年01月26日
公報発行日
2026年04月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社三共
  • 【権利者代理人】創和国際特許事務所弁理士法人
  • 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
  • 【異議申立人代理人】黒田 博道
審判長/審判官
  • 審判長 秋田 将行
  • 審判官 澤田 真治
  • 審判官 太田 恒明
分類
P1651.537-YAA(A63F) / P1651.55 -YAA(A63F) / P1651.852-YAA(A63F) / P1651.853-YAA(A63F)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第4項第1号、特許法第17条の2第3項、特許法第120条の5第7項、特許法第126条第7項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7430519号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7430519号の明細書及び特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1及び2について訂正することを認める。 特許第7430519号の請求項1及び2に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7430519号(以下「本件特許」という。)の請求項1及び2に係る特許についての出願は、令和元年11月22日の出願であって、令和6年2月2日に特許権の設定登録がされ、同月13日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その請求項1及び2に係る特許に対し、令和6年6月10日に特許異議申立人 日本電動式遊技機特許株式会社(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。 その後の経緯は、次のとおりである。 令和 6年10月23日付け 取消理由通知書 同年12月19日提出 特許権者による意見書及び訂正請求書 令和 7年 2月13日提出 特許権者による令和6年12月19日付けの訂正請求書及び添付の訂正明細書に対する手続補正書(方式) 同年 4月10日提出 申立人による意見書 同年 5月27日付け 訂正拒絶理由通知書 同年 6月26日提出 特許権者による意見書 同年 8月25日付け 取消理由通知書(決定の予告) 同年10月16日提出 特許権者による意見書及び訂正請求書 同年11月 5日提出 特許権者による令和7年10月16日付けの訂正請求書に対する手続補正書(方式) 同年12月24日提出 申立人による意見書 なお、令和6年12月19日にされた訂正請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和7年10月16日提出の訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)の趣旨は、特許第7430519号の明細書、特許請求の範囲を、本件訂正請求の訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)に添付した訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1、2について訂正することを求めるものであって、その内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に 「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」とあるのを、 「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に 「前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」とあるのを、 「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」に訂正する。 (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落0006に 「請求項1の遊技機は、 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を100倍した100倍値を算出する100倍値算出手段と、 前記100倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記100倍値から前記第1数を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に前記第1数減算手段による減算を終了する ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の100倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の100倍値から第1数を減算し、その減算回数を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数が百分率として採りうる100を超えても第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が100を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の100倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。 請求項2の遊技機は、 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を200倍した200倍値を算出する200倍値算出手段と、 前記200倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記200倍値から前記第1数を減算した第1数減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する第1数減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を1/2倍した値を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に異常処理を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の200倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の200倍値から第1数を減算し、その減算回数を1/2倍した値を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数を1/2倍した値が百分率として採りうる100を超えても第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が200を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の200倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」とあるのを、 「請求項1の遊技機は、 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を100倍した100倍値を算出する100倍値算出手段と、 前記100倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記100倍値から前記第1数を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に前記第1数減算手段による減算を終了する ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の100倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の100倍値から第1数を減算し、その減算回数を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数が百分率として採りうる100を超えても第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が100を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の100倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。 請求項2の遊技機は、 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を200倍した200倍値を算出する200倍値算出手段と、 前記200倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記200倍値から前記第1数を減算した第1数減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する第1数減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を1/2倍した値を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に異常処理を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の200倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の200倍値から第1数を減算し、その減算回数を1/2倍した値を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数を1/2倍した値が百分率として採りうる100を超えても第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が200を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の200倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」に訂正する。 (4)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落0010に 「[形態1] 形態1-1の遊技機は、 遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、 第1数(除数)に対する第2数(被除数)の百分率を算出する百分率算出手段(3バイトデータ割り算処理)と、 数値を格納可能な特定数値格納手段(Aレジスタ)と、 前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納された数値が100を超える特定値(256)となったときに特定フラグ(ゼロフラグON)を設定する特定フラグ設定手段(メイン制御部41)と、 を備え、 前記百分率算出手段は、 前記第2数(被除数)を100倍した100倍値(被除数の100倍値)を算出する100倍値算出手段と、 前記100倍値(被除数の100倍値)から前記第1数(除数)を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記100倍値(被除数の100倍値)から前記第1数(除数)を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納されている減算回数を前記第1数(除数)に対する前記第2数(被除数)の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグ(ゼロフラグON)が設定された場合に異常処理(被除数の100倍値から除数を減算する処理を終了させる処理)を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の100倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の100倍値から第1数を減算し、その減算回数を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数が百分率として採りうる100を超えても第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が100を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の100倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」とあるのを、 「[形態1] 形態1-1の遊技機は、 遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、 第1数(除数)に対する第2数(被除数)の百分率を算出する百分率算出手段(3 バイトデータ割り算処理)と、 数値を格納可能な特定数値格納手段(Aレジスタ)と、 前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される数値が100を超える特定値(256)となったときに特定フラグ(ゼロフラグON)を設定する特定フラグ設定手段(メイン制御部41)と、 を備え、 前記百分率算出手段は、 前記第2数(被除数)を100倍した100倍値(被除数の100倍値)を算出する100倍値算出手段と、 前記100倍値(被除数の100倍値)から前記第1数(除数)を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記100倍値(被除数の100倍値)から前記第1数(除数)を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納されている減算回数を前記第1数(除数)に対する前記第2数(被除数)の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグ(ゼロフラグON)が設定された場合に異常処理(被除数の100倍値から除数を減算する処理を終了させる処理)を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の100倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の100倍値から第1数を減算し、その減算回数を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数が百分率として採りうる100を超えても第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が100を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の100倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の100倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」に訂正する。 (5)訂正事項5 願書に添付した明細書の段落0013に 「形態1-4の遊技機は、 遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、 第1数(除数)に対する第2数(被除数)の百分率を算出する百分率算出手段(3バイトデータ割り算処理)と、 数値を格納可能な特定数値格納手段(Aレジスタ)と、 前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納された数値が200を超える特定値(256)となったときに特定フラグ(ゼロフラグON)を設定する特定フラグ設定手段(メイン制御部41)と、 を備え、 前記百分率算出手段は、 前記第2数(被除数)を200倍した200倍値(被除数の200倍値)を算出する200倍値算出手段と、 前記200倍値(被除数の200倍値)から前記第1数(除数)を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記200倍値(被除数の200倍値)から前記第1数(除数)を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を1/2倍した値を前記第1数(除数)に対する前記第2数(被除数)の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグ(ゼロフラグON)が設定された場合に異常処理(被除数の200倍値から除数を減算する処理を終了させる処理)を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の200倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の200倍値から第1数を減算し、その減算回数を1/2倍した値を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数を1/2倍した値が百分率として採りうる100を超えても第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が200を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の200倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」とあるのを、 「形態1-4の遊技機は、 遊技を行う遊技機(スロットマシン1)において、 第1数(除数)に対する第2数(被除数)の百分率を算出する百分率算出手段(3バイトデータ割り算処理)と、 数値を格納可能な特定数値格納手段(Aレジスタ)と、 前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される数値が200を超える特定値(256)となったときに特定フラグ(ゼロフラグON)を設定する特定フラグ設定手段(メイン制御部41)と、 を備え、 前記百分率算出手段は、 前記第2数(被除数)を200倍した200倍値(被除数の200倍値)を算出する200倍値算出手段と、 前記200倍値(被除数の200倍値)から前記第1数(除数)を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記200倍値(被除数の200倍値)から前記第1数(除数)を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を1/2倍した値を前記第1数(除数)に対する前記第2数(被除数)の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグ(ゼロフラグON)が設定された場合に異常処理(被除数の200倍値から除数を減算する処理を終了させる処理)を行う ことを特徴としている。 この特徴によれば、第1数に対する第2数の百分率を算出する際に、第2数の200倍値を算出し、第1数を下回るまで第2数の200倍値から第1数を減算し、その減算回数を1/2倍した値を第1数に対する第2数の百分率として算出することができる。このような構成において、例えば、第1数が0の場合など、減算回数を1/2倍した値が百分率として採りうる100を超えても第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らないことが起こり得るが、この場合には、減算回数が200を超える特定値となることで異常処理が行われることで、第2数の200倍値から第1数を減算した結果が0を下回らない場合でも第1数の減算を終了させることができる。また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定される特定数値格納手段に減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、第2数の200倍値から第1数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」に訂正する。 (6)訂正事項6 願書に添付した明細書の段落0496に 「また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定されるAレジスタに減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、被除数の100倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」とあるのを、 「また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定されるAレジスタに減算回数が格納されることで、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、被除数の100倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」に訂正する。 (7)訂正事項7 願書に添付した明細書の段落0502に 「また、格納された数値が特定値となったときに特定フラグが設定されるAレジスタに減算回数が格納されるので、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、被除数の200倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」とあるのを、 「また、格納される数値が特定値となったときに特定フラグが設定されるAレジスタに減算回数が格納されるので、特定フラグが設定されているか否かを判定するのみで減算回数が特定値となったことを判断することができるので、被除数の200倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。」に訂正する。 2 訂正の適否についての当審の判断 (1)訂正の目的、特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、及び新規事項追加の有無 ア 訂正事項1について (ア)訂正の目的について 訂正前の請求項1の「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」に関して、設定登録時に願書に添付した明細書(以下、設定登録時の明細書という。)には以下のように記載されている。なお、下線は当審において付した。以下同様。 「【0017】 形態1-8の遊技機は、形態1-1~1-7のいずれかに記載の遊技機であって、 前記特定値は、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される値がオーバーフローした値(256)である ・・・ 【0421】 また、除数を減算した結果が0を下回らずにAレジスタの値がオーバーフローして0となり、ゼロフラグが設定された場合、すなわち被除数の100倍値から除数を減算した回数が256回に到達した場合には、Si20~Si34において被除数の100倍値から除数を減算する処理が終了することとなる。 ・・・ 【0424】 ・・・ 被除数の100倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、・・・ ・・・ 【0425】 また、被除数の100倍値から除数を減算した回数を計数して100を超える特定値に到達したか否かを判断するのではなく、被除数の100倍値から除数を減算した回数が格納されるAレジスタの値が、256回減算することでオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際に設定されるONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定するのみで、100を超える特定値(256)に到達したことを判断するようになっている。このため、被除数の100倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。尚、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にキャリーフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるキャリーフラグがONとなったか否かを判定することで、100を超える特定値(256)に到達したことを判断するようにしても良い。 ・・・ 【0426】 また、被除数の100倍値から除数を減算した後、ゼロフラグがONである場合に、指定したプログラムへジャンプさせるジャンプ命令により、被除数の100倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、異常と判断して被除数の100倍値から除数を減算する処理を終了させるようになっており、一のジャンプ命令によりゼロフラグがONであるか否かの判定及び異常に伴うプログラムへの移動が可能となる。 ・・・ 【0506】 本実施例では、特定値は、メイン制御部41が備えるAレジスタがオーバーフローする256である。このような構成とすることで、Aレジスタに格納された減算回数がオーバーフローすることで特定フラグとしてのゼロフラグまたはキャリーフラグがONとなり、減算回数が特定値に到達したことを特定することができる。」 このように設定登録時の明細書の【0017】、【0421】、【0424】、【0425】、【0426】、【0506】には、被除数の100倍値から除数を減算した回数がAレジスタに格納されるとともに、被除数の100倍値から除数を減算した結果、減算した回数が256回となった場合に、Aレジスタの値がオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定して100を超える特定値(256)に到達したことを判断することが記載されている。 これらの記載から、「特定値」とは、Aレジスタがオーバーフローすることとなる「256」であることが示されているが、本件特許はパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する発明であるところ、これらの遊技機は、一般に8ビットのマイコンを使用しており、Aレジスタは256でオーバーフローするため、Aレジスタに格納可能な数値範囲は0~255までの範囲であり、実際にAレジスタに「格納された数値」が特定値(256)となることはあり得ないことは技術常識から明らかである。 そうすると、請求項1の「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったとき」との記載において、「格納された数値」が特定値(256)となることはないのであるから、「格納された数値」との記載は誤りであることは明らかであって、「格納される数値」と同一の意味を表示するものと当業者が理解することができる。 一方、上記した設定登録時の明細書の【0017】、【0421】、【0424】、【0425】、【0426】、【0506】には、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の100倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成が一貫して記載されており、請求項1の「特定フラグ設定手段」は、設定登録時の明細書の記載との関係において、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の100倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成としか解することはできず、「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」が本来の意であることと整合している。 したがって、訂正事項1は、訂正前の「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」を、本来の意である「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」とする訂正であることから、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記(ア)で説示したとおり、訂正前の請求項1の「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」なる記載は、それ自体で、誤りであることが明らかであり、かつ、「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」は、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が自明な事項として定まるものであり、訂正事項1は、その誤りを正しい記載にする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 願書に最初に添付した明細書の【0017】、【0421】、【0424】、【0425】、【0426】、【0506】の記載は、上記(ア)で摘記した記載と同じ記載であって、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の100倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成が記載されていることから、訂正事項1は、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載されており、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項1は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項1は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 イ 訂正事項2について (ア)訂正の目的について 訂正前の請求項2の「前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」に関して、設定登録時に願書に添付した明細書(以下、設定登録時の明細書という。)には以下のように記載されている。 「【0017】 形態1-8の遊技機は、形態1-1~1-7のいずれかに記載の遊技機であって、 前記特定値は、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される値がオーバーフローした値(256)である ・・・ 【0436】 また、除数を減算した結果が0を下回らずにAレジスタの値がオーバーフローして0となり、ゼロフラグが設定された場合、すなわち被除数の200倍値から除数を減算した回数が256回に到達した場合には、Si20~Si34において被除数の200倍値から除数を減算する処理が終了することとなる。 ・・・ 【0438】 ・・・ 被除数の200倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、・・・ ・・・ 【0439】 また、被除数の200倍値から除数を減算した回数を計数して200を超える特定値に到達したか否かを判断するのではなく、被除数の200倍値から除数を減算した回数が格納されるAレジスタの値が、256回減算することでオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際に設定されるONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定するのみで、200を超える特定値(256)に到達したことを判断するようになっている。このため、被除数の200倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。尚、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にキャリーフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるキャリーフラグのONとなったか否かを判定することで、200を超える特定値(256)に到達したことを判断するようにしても良い。 ・・・ 【0440】 また、被除数の200倍値から除数を減算した後、ゼロフラグがONである場合に、指定したプログラムへジャンプさせるジャンプ命令により、被除数の200倍値から除数を減算した回数が200を超える特定値(256)に到達した場合に、異常と判断して被除数の200倍値から除数を減算する処理を終了させるようになっており、一のジャンプ命令によりゼロフラグがONであるか否かの判定及び異常に伴うプログラムへの移動が可能となる。 ・・・ 【0506】 本実施例では、特定値は、メイン制御部41が備えるAレジスタがオーバーフローする256である。このような構成とすることで、Aレジスタに格納された減算回数がオーバーフローすることで特定フラグとしてのゼロフラグまたはキャリーフラグがONとなり、減算回数が特定値に到達したことを特定することができる。」 このように設定登録時の明細書の【0017】、【0436】、【0438】、【0439】、【0440】、【0506】には、被除数の200倍値から除数を減算した回数がAレジスタに格納されるとともに、被除数の200倍値から除数を減算した結果、減算した回数が256回となった場合に、Aレジスタの値がオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定して200を超える特定値(256)に到達したことを判断することが記載されている。 これらの記載から、「特定値」とは、Aレジスタがオーバーフローすることとなる「256」であることが示されているが、本件特許はパチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機に関する発明であるところ、これらの遊技機は、一般に8ビットのマイコンを使用しており、Aレジスタは256でオーバーフローするため、Aレジスタに格納可能な数値範囲は0~255までの範囲であり、実際にAレジスタに「格納された数値」が特定値(256)となることはあり得ないことは技術常識から明らかである。 そうすると、請求項2の「前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったとき」との記載において、「格納された数値」が特定値(256)となることはないのであるから、「格納された数値」との記載は誤りであることは明らかであって、「格納される数値」と同一の意味を表示するものと当業者が理解することができる。 一方、上記した設定登録時の明細書の【0017】、【0436】、【0438】、【0439】、【0440】、【0506】には、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の200倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成が一貫して記載されており、請求項2の「特定フラグ設定手段」は、設定登録時の明細書の記載との関係において、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の200倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成としか解することはできず、「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラ グを設定する特定フラグ設定手段と、」が本来の意であることと整合している。 したがって、訂正事項2は、訂正前の「前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」を、本来の意である「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」とする訂正であることから、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記(ア)で説示したとおり、訂正前の請求項2の「前記特定数値格納手段に格納された数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」なる記載は、それ自体で、誤りであることが明らかであり、かつ、「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」は、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が自明な事項として定まるものであり、訂正事項2は、その誤りを正しい記載にする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 願書に最初に添付した明細書の【0017】、【0436】、【0438】、【0439】、【0440】、【0506】は、、上記(ア)で摘記した記載と同じ記載であって、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の200倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成が記載されていることから、訂正事項2は、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載されており、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものであるから、訂正事項2は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 ウ 訂正事項3について (ア)訂正の目的について 訂正事項3は、本件特許の特許請求の範囲の訂正に伴い、本件訂正後の特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否、新規事項追加の有無について 訂正事項3は、明細書の記載を特許請求の範囲と整合させるためになされたものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項3は、訂正事項1及び2と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものでなく、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (ウ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 エ 訂正事項4について (ア)訂正の目的について 上記ア(ア)の説示と同様の理由により、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記ア(イ)の説示と同様の理由により、訂正事項4は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 上記ア(ウ)の説示と同様の理由により、訂正事項4は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 オ 訂正事項5について (ア)訂正の目的について 上記イ(ア)の説示と同様の理由により、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記イ(イ)の説示と同様の理由により、訂正事項5は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 上記イ(ウ)の説示と同様の理由により、訂正事項5は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 カ 訂正事項6について (ア)訂正の目的について 上記ア(ア)の説示と同様の理由により、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記ア(イ)の説示と同様の理由により、訂正事項6は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 上記ア(ウ)の説示と同様の理由により、訂正事項6は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 キ 訂正事項7について (ア)訂正の目的について 上記イ(ア)の説示と同様の理由により、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書第2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものである。 (イ)特許請求の範囲の実質上の拡張又は変更の存否について 上記イ(イ)の説示と同様の理由により、訂正事項7は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項に適合するものである。 (ウ)新規事項追加の有無について 上記イ(ウ)の説示と同様の理由により、訂正事項7は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (エ)小括 以上のとおりであるから、訂正事項7は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、同条第9項において準用する同法第126条5項及び6項の規定に適合する。 3 独立特許要件について 訂正前の全請求項について特許異議申立てがされているので、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 4 申立人の主張について (1)申立人の主張 申立人は、令和7年12月24日提出の意見書において、次のとおり主張している。 「訂正事項1) ・・・ ・・・権利者は、「格納された」は誤りであったこと、「格納される(されようとする)」ことが本来の意と言っている。つまり、これは、取消理由を回避するという観点からとらえても、本件訂正発明を「256という数値は特定数値格納手段に格納しない」と解釈させようとしていると考えられる。 しかしながら、実際には格納するしないは明確になっていない。当然に本件訂正発明の全体を見ても、その部分は明確ではない。 ・・・ そもそも、8ビットマイコンは、255までしか特定数値格納手段に格納できないので、255の次は0となる。つまり、除数を減算した回数が、255を超えることでオーバーフローとなり、0が格納されることでゼロフラグが立つことになる。 したがって、本件特許明細書及び技術常識を参酌し解釈すると、特定フラグ(ゼロフラグ)が設定されるのは、0が特定数値格納手段に格納されたときとなる。そうすると「100を超える特定値」という構成との間に矛盾が生じる。 これは明らかに新規事項の追加である。 訂正事項2) ・・・」(1頁20行~2頁下から2行、以下「新規事項の追加の主張」という。) 「訂正事項1、及び訂正事項2) 「格納される」というのは、その言葉通りに解釈すれば、権利者も前記意見書にて主張するように、未だ格納しておらず、これから格納しようとしていることであるが、格納を予定するだけではどのような数値でもよくなり、訂正前の発明よりも訂正後の発明の方が格納対象となる数値が多くなることとなり、明らかに本件訂正発明の請求の範囲が大きくなっている。 すなわち、訂正前は「格納された」数値が 100(200) を超えるか否を判断する発明であったにも関わらず、訂正後の「格納される」数値が100を超えるか否かを判断する発明に変更されている。これは、言い換えると、「格納されていない数値」をも100(200)を超えるか否かを判断する発明に変更されている。 よって、本件訂正発明において、技術的範囲の拡張又は変更が行われている。」(2頁下から1行~3頁12行、以下「拡張又は変更の主張」という。) (2)申立人の主張についての検討 ア 新規事項の追加の主張について 上記「2 ア(ウ)」で検討したとおり、願書に最初に添付した明細書の【0017】、【0421】、【0424】、【0425】、【0426】、【0506】には、これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の100倍値から除数を減算した回数」が、Aレジスタがオーバーフローする特定値(256)となったときにONとなるゼロフラグまたはキャリーフラグを設定する構成が記載されていることから、訂正事項1は、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載されており、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 また、訂正事項2についても訂正事項1と同様である。 よって、上記申立人の主張は採用することができない。 イ 拡張又は変更の主張について 上記「2 ア(イ)」で検討したとおり、訂正前の請求項1の「前記特定数値格納手段に格納された数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」なる記載は、それ自体で、誤りであることが明らかであり、かつ、「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」は、設定登録時の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が自明な事項として定まるものであり、訂正事項1は、その誤りを正しい記載にする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。 また、訂正事項2についても訂正事項1と同様である。 よって、上記申立人の主張は採用することができない。 5 本件訂正についてのまとめ 以上のとおりであるから、訂正事項1、2、4~7に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書2号に掲げる誤記の訂正を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 また、訂正事項3に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に掲げる明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 よって、訂正事項1~7に係る訂正は、訂正の要件を満たしている。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1及び2について訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は認められるから、本件訂正後の請求項1及び2に係る発明(以下、「本件発明1」及び「本件発明2」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「 【請求項1】 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を100倍した100倍値を算出する100倍値算出手段と、 前記100倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記100倍値から前記第1数を減算した減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に前記第1数減算手段による減算を終了する、遊技機。 【請求項2】 遊技を行う遊技機において、 第1数に対する第2数の百分率を算出する百分率算出手段と、 数値を格納可能な特定数値格納手段と、 前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、 を備え、 前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、 前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、 前記百分率算出手段は、 前記第2数を200倍した200倍値を算出する200倍値算出手段と、 前記200倍値から前記第1数を減算する第1数減算手段と、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らない場合に、前記200倍値から前記第1数を減算した第1数減算回数を計数し、前記特定数値格納手段に格納する第1数減算回数計数手段と、 を含み、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回るときに、前記特定数値格納手段に格納されている減算回数を1/2倍した値を前記第1数に対する前記第2数の百分率として算出し、 前記第1数減算手段による減算結果が0を下回らずに前記特定フラグが設定された場合に異常処理を行う、遊技機。」 第4 令和6年10月23日付け取消理由通知書及び令和7年8月25日付け取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の概要 本件特許に対し通知した令和6年10月23日付け取消理由通知書に記載した取消理由は、概ね、下記1のとおりであり、令和7年8月25日付け通知書に記載した取消理由は、概ね、下記1及び2のとおりである。 1 本件特許の請求項1及び2に係る発明は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「理由1」という。)。 2 本件特許の請求項1及び2は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「理由2」という。)。 第5 通知した取消理由についての当審の判断 以下に述べるとおり、令和6年10月23日付けで通知した取消理由及び令和7年8月25日付けで通知した取消理由(決定の予告)のいずれによっても、本件訂正後の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできないと判断する。 1 理由1について (1)本件発明1について 本件発明1は、「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」と記載されており、この構成に関連して、発明の詳細な説明には以下の記載がある。 「【0017】 形態1-8の遊技機は、形態1-1~1-7のいずれかに記載の遊技機であって、 前記特定値は、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される値がオーバーフローした値(256)である ・・・ 【0421】 また、除数を減算した結果が0を下回らずにAレジスタの値がオーバーフローして0となり、ゼロフラグが設定された場合、すなわち被除数の100倍値から除数を減算した回数が256回に到達した場合には、Si20~Si34において被除数の100倍値から除数を減算する処理が終了することとなる。 ・・・ 【0424】 ・・・ 被除数の100倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、・・・ ・・・ 【0425】 また、被除数の100倍値から除数を減算した回数を計数して100を超える特定値に到達したか否かを判断するのではなく、被除数の100倍値から除数を減算した回数が格納されるAレジスタの値が、256回減算することでオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際に設定されるONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定するのみで、100を超える特定値(256)に到達したことを判断するようになっている。このため、被除数の100倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。尚、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にキャリーフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるキャリーフラグがONとなったか否かを判定することで、100を超える特定値(256)に到達したことを判断するようにしても良い。 ・・・ 【0426】 また、被除数の100倍値から除数を減算した後、ゼロフラグがONである場合に、指定したプログラムへジャンプさせるジャンプ命令により、被除数の100倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、異常と判断して被除数の100倍値から除数を減算する処理を終了させるようになっており、一のジャンプ命令によりゼロフラグがONであるか否かの判定及び異常に伴うプログラムへの移動が可能となる。 ・・・ 【0506】 本実施例では、特定値は、メイン制御部41が備えるAレジスタがオーバーフローする256である。このような構成とすることで、Aレジスタに格納された減算回数がオーバーフローすることで特定フラグとしてのゼロフラグまたはキャリーフラグがONとなり、減算回数が特定値に到達したことを特定することができる。」 このように設定登録時の明細書の【0017】、【0421】、【0424】、【0425】、【0426】、【0506】には、被除数の100倍値から除数を減算した回数がAレジスタに格納されるとともに、被除数の100倍値から除数を減算した結果、減算した回数が256回となった場合に、Aレジスタの値がオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定して100を超える特定値(256)に到達したことを判断することが記載されている。 よって、本件発明1における「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」の発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載されている。 したがって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載したものである。 (2)本件発明2について 本件発明2は、「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」と記載されており、この構成に関連して、発明の詳細な説明には以下の記載がある。 「【0017】 形態1-8の遊技機は、形態1-1~1-7のいずれかに記載の遊技機であって、 前記特定値は、前記特定数値格納手段(Aレジスタ)に格納される値がオーバーフローした値(256)である ・・・ 【0436】 また、除数を減算した結果が0を下回らずにAレジスタの値がオーバーフローして0となり、ゼロフラグが設定された場合、すなわち被除数の200倍値から除数を減算した回数が256回に到達した場合には、Si20~Si34において被除数の200倍値から除数を減算する処理が終了することとなる。 ・・・ 【0438】 ・・・ 被除数の200倍値から除数を減算した回数が100を超える特定値(256)に到達した場合に、・・・ ・・・ 【0439】 また、被除数の200倍値から除数を減算した回数を計数して200を超える特定値に到達したか否かを判断するのではなく、被除数の200倍値から除数を減算した回数が格納されるAレジスタの値が、256回減算することでオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際に設定されるONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定するのみで、200を超える特定値(256)に到達したことを判断するようになっている。このため、被除数の200倍値から除数を減算する毎に特定値を初期値とする数値を減算し、当該数値が0となることで減算回数が特定値となったことを判断するものや、減算回数と特定値を比較し、比較結果が一致することで減算回数が特定値となったことを判断するものに比較してプログラム容量を減らすことができる。尚、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にキャリーフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるキャリーフラグのONとなったか否かを判定することで、200を超える特定値(256)に到達したことを判断するようにしても良い。 ・・・ 【0440】 また、被除数の200倍値から除数を減算した後、ゼロフラグがONである場合に、指定したプログラムへジャンプさせるジャンプ命令により、被除数の200倍値から除数を減算した回数が200を超える特定値(256)に到達した場合に、異常と判断して被除数の200倍値から除数を減算する処理を終了させるようになっており、一のジャンプ命令によりゼロフラグがONであるか否かの判定及び異常に伴うプログラムへの移動が可能となる。 ・・・ 【0506】 本実施例では、特定値は、メイン制御部41が備えるAレジスタがオーバーフローする256である。このような構成とすることで、Aレジスタに格納された減算回数がオーバーフローすることで特定フラグとしてのゼロフラグまたはキャリーフラグがONとなり、減算回数が特定値に到達したことを特定することができる。」 このように設定登録時の明細書の【0017】、【0436】、【0438】、【0439】、【0440】、【0506】には、被除数の200倍値から除数を減算した回数がAレジスタに格納されるとともに、被除数の200倍値から除数を減算した結果、減算した回数が256回となった場合に、Aレジスタの値がオーバーフローするとともに、Aレジスタの値が演算の結果、オーバーフローした場合にゼロフラグがONとなることを利用し、減算の結果、Aレジスタがオーバーフローした際にONとなるゼロフラグがONとなったか否かを判定して200を超える特定値(256)に到達したことを判断することが記載されている。 よって、本件発明2における「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段と、」の発明特定事項は、発明の詳細な説明に記載されている。 したがって、本件発明2は、発明の詳細な説明に記載したものである。 2 理由2について (1)本件発明1について 本件発明1の「前記特定数値格納手段に格納される数値が100を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段」における「特定フラグ設定手段」は、Aレジスタに対応する特定数値格納手段に「格納される数値」(これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の100倍値から除数を減算した回数」)が、特定値(256)となったときに特定フラグを設定する構成であることが明確である。 したがって、本件発明1は、明確である。 (2)本件発明2について 本件発明2の「前記特定数値格納手段に格納される数値が200を超える特定値となったときに特定フラグを設定する特定フラグ設定手段」における「特定フラグ設定手段」は、Aレジスタに対応する特定数値格納手段に「格納される数値」(これからAレジスタに「格納される(されようとする)数値」である「被除数の200倍値から除数を減算した回数」)が、特定値(256)となったときに特定フラグを設定する構成であることが明確である。 したがって、本件発明2は、明確である。 3 申立人の主張について (1)申立人の主張 申立人は、令和7年12月24日提出の意見書において、次のとおり主張している。 「4-2.明確でないこと 特定フラグの成立条件として、「特定数値格納手段に格納される数値が100(200)を超える特定値となったときに特定フラグを設定する」と記載されているが、遊技機の分野で用いられる8ビットのマイコンに係る技術常識においては、「特定数値格納手段に格納される数値が特定値(0)となったときに特定フラグ(ゼロフラグ)を設定する」こととされている。 しかし、本件特許発明は、特定フラグの成立条件が遊技機の分野で用いられる8ビットのマイコンに係る技術常識とは異なるのか、同一なのかが明確でない。 よって、遊技機の分野で用いられる8ビットのマイコンに係る技術常識と同一であるならば、本件特許の明細書において、特定フラグの設定に関する記載に誤りが見受けられるので、特許請求の範囲に記載された発明が不明確となっている。 4-3 本件訂正発明は、取消理由を有すること。 仮に訂正が認められたとしても、依然として取消理由は有していると考える。 2025年8月27日付取消理由通知書(決定の予告)9頁に次の記載がある。 「また、遊技機の分野で用いられる8ビットのマイコンに係る技術常識を勘案しても、Aレジスタには、オーバーフローしない範囲で数値が格納可能であり、Aレジスタがオーバーフローしてしまう数値(256) が格納されることがないことは明らかである。」 以上を踏まえ、本件訂正発明を検討すると、 訂正前)格納された(256を既に格納されている) 訂正後)格納された(256が格納されようとする) 訂正前と訂正後では、格納のタイミングが違うだけで、遅かれ早かれ格納することには違いがないのであるから、依然として取消理由を有していると考えられる。」(3頁13行~34行) (2)申立人の主張の検討 上記「第2 2(1)ア(ウ)」及び「第2 2(1)イ(ウ)」で検討したとおり、本件特許の明細書において、特定フラグの設定に関する記載に何ら誤りはなく、また、上記「第5 1」及び「第5 2」で検討したとおり、取消理由は解消しているため、上記申立人の主張は採用することができない。 4 小括 以上のとおり、令和6年10月23日付け取消理由通知書及び令和7年8月25日付け取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由には理由がない。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 以下に述べるとおり、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由のいずれによっても、本件訂正後の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできないと判断する。 1 申立理由について 申立人は、特許異議申立書において、以下の申立理由があることを主張している。 (1)申立理由1 本件特許の請求項1及び2に係る発明における「所定期間」及び「特定期間」は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に違反するため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「申立理由1」という。)。 (2)申立理由2 本件特許の請求項1及び2に係る発明における「所定期間」は、発明の詳細な説明において統一して使用されていないため、特許法第36条第4項第1号に違反するため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「申立理由2」という。)。 (3)申立理由3 本件特許の請求項1及び2に係る発明における「所定期間」及び「特定期間」は、具体例の特定ができず、特許を受けようとする発明が明確でないので、特許法第36条第6項第2号に違反するため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「申立理由3」という。)。 (4)申立理由4 本件特許の請求項1及び2に係る発明における「特定期間」は、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に違反するため、特許法17条の2第3項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである(以下「申立理由4」という。)。 2 証拠方法 (1)甲第1号証:公開公報(特開2019-79026号公報) (2)甲第2号証:令和5年7月4日送付の拒絶理由通知書 (3)甲第3号証:令和5年8月31日提出の手続補正書 (4)甲第4号証:令和5年8月31日提出の意見書 (5)甲第5号証:令和5年11月21日送付の拒絶理由通知書 (6)甲第6号証:令和6年1月15日提出の手続補正書 (7)甲第7号証:令和6年1月15日提出の意見書 (8)甲第8号証:特許公報(特許第730519号) 3 当審の判断 (1)申立理由1について 本件発明1の「所定期間」及び「特定期間」について検討すると、「所定期間」及び「特定期間」という用語は一般的な用語であって、「所定」とは、「決められていること。決まっていること。」(デジタル大辞泉、小学館)を、「特定」とは、「特にそれと指定すること。また、特にそれと定まっていること。」(デジタル大辞泉、小学館)を、「期間」とは、「ある期日または日時から、他の期日または日時に至るまでの間。」(デジタル大辞泉、小学館)を、それぞれ意味している。 そうすると、「所定期間」は、「決められたある期日または日時から、他の期日または日時に至るまでの間」を意味しており、「特定期間」は、「特にそれと定まっているある期日または日時から、他の期日または日時に至るまでの間」を意味していると理解できる。 ここで、本件発明1及び2の「前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、」について検討すると、「所定期間」の間に「特定期間」があること、「所定期間」及び「特定期間」は、遊技価値が付与される期間であることが理解できる。 そして、設定登録時の明細書の【0295】、【0298】、【0309】、【0312】、【0319】及び【0322】の記載を参酌すると、「所定期間」は、連続役物遊技中ではないゲームの期間であって、「特定期間」は、連続役物中のゲームの期間であることが理解できる。 以上のとおり、本件発明1及び2における「所定期間」及び「特定期間」は、発明の詳細な説明に記載したものである。 (2)申立理由2について 上記(1)で検討したとおり、本件発明1及び2の「前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、」について検討すると、「所定期間」の間に「特定期間」があること、「所定期間」及び「特定期間」は、遊技価値が付与される期間であることが理解できる。 そして、設定登録時の明細書の【0295】、【0298】、【0309】、【0312】、【0319】及び【0322】の記載を参酌すると、「所定期間」は、連続役物遊技中ではないゲームの期間であることが理解できる。 以上のとおり、明細書の発明の詳細な説明の記載は、当業者が本件発明1及び2の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。 (3)申立理由3について 上記(1)で検討したとおり、本件発明1及び2の「前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、」について検討すると、「所定期間」の間に「特定期間」があること、「所定期間」及び「特定期間」は、遊技価値が付与される期間であることが理解できる。 よって、本件発明1及び2は明確である。 (4)申立理由4について 上記(1)で検討したとおり、本件発明1及び2の「前記第1数は、所定期間において特定期間であるか否かに関わらず付与された遊技用価値の数であり、前記第2数は、前記所定期間のうち前記特定期間において付与された遊技用価値の数であり、」について検討すると、「所定期間」の間に「特定期間」があること、「所定期間」及び「特定期間」は、遊技価値が付与される期間であることが理解できる。 そして、設定登録時の明細書の【0295】、【0298】、【0309】、【0312】、【0319】及び【0322】の記載を参酌すると、「所定期間」は、連続役物遊技中ではないゲームの期間であって、「特定期間」は、連続役物中のゲームの期間であることが理解できる。 以上のとおり、「特定期間」との記載は、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載されており、本件特許の願書に最初に添付した明細書に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入しないものである。 (5)小括 以上のとおり、取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由には理由がない。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議の申立ての理由によっては、本件特許の請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700545

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