特許異議申立
2024-700448
遊技機
- 審判番号
- 2024-700448
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-154276
- 登録番号
- 7423582
- 請求日
- 2024年05月13日
- 審決日
- 2025年09月03日
- 公報発行日
- 2025年12月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】重信 和男
- 【権利者代理人】石川 好文
- 【権利者代理人】林 修身
- 【権利者代理人】大久保 岳彦
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
- 【異議申立人代理人】弁理士法人武和国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 秋田 将行
- 審判官 酒井 保
- 審判官 ▲高▼橋 祐介
- 分類
- P1651.14 -YAA(A63F) / P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第2条
- データ出所
- 審決公報(XML)
結論
結 論
特許第7423582号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。
特許第7423582号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7423582号の請求項1に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和3年9月22日に特許出願されたものであって、その後の手続の概要は、以下のとおりである。
令和6年 1月19日 :特許権の設定登録
同月29日 :特許掲載公報発行
同年 5月13日 :特許異議の申立て(特許異議申立人 日本電動式遊技機特許株式会社(以下、単に「申立人」という。))
同年 9月30日付け:取消理由通知書
同年11月27日 :意見書、訂正請求書
同年12月10日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知)
令和7年 1月14日 :意見書(申立人)
同年 3月 5日付け:取消理由通知書(予告の決定)
同年 4月30日 :意見書、訂正請求書
同年 5月27日付け:通知書(訂正請求があった旨の通知)
なお、令和7年5月27日付けの通知書による通知に対し、申立人からの応答はなかった。
また、令和6年11月27日提出の訂正請求は、特許法120条の5第7項の規定により、取下げられたものとみなす。
第2 本件訂正請求について
1 訂正請求の内容
令和7年4月30日に提出された訂正請求書によりなされた訂正請求(以下「本件訂正請求」といい、本件訂正請求によりなされた訂正を「本件訂正」という。)は、本件特許の明細書、特許請求の範囲を本件訂正請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正することを求めるものであって、その内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「 表示手段を備え、」とあるのを、
「 遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、」に訂正する。
(2)訂正事項2
上記訂正事項1の「 遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、」の後に、
「 遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、」を加える。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1に、
「 電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示する」とあるのを、
「 電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、」に訂正する。
(4)訂正事項4
上記訂正事項3の「 電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、」の後に、
「 遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、
前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、
前記発光制御手段は、
前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」を加える。
(5)訂正事項5
上記訂正事項4の「 遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、
前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、
前記発光制御手段は、
前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」の後に、
「 遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」を加える。
(6)訂正事項6
上記訂正事項5の「 遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」の後に、
「 前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」を加える。
(7)訂正事項7
願書に添付した明細書の【0006】に、
「 請求項1に記載の遊技機は、
遊技可能な遊技機であって、
表示手段を備え、
前記表示手段は、
電源断が発生し、電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、
電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示する(図44、図45)
ことを特徴としている。
・・・」とあるのを、
「 請求項1に記載の遊技機は、
遊技可能な遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、
前記表示手段は、
電源断が発生し、電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、
電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し(図44、図45)、
遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、
前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、
前記発光制御手段は、
前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、
前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い
ことを特徴としている。
・・・」に訂正する。
2 一群の請求項
本件訂正請求は、二以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をするものではないから、一群の請求項に係る特許法120条の5第4項の規定に適合するか否かの検討を要しない。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
訂正事項1に係る訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1にあった「表示手段を備え、」を「遊技媒体を払い出す払出部と、前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、表示手段と、発光手段と、発光制御手段と、を備え、」とし、訂正前の「表示手段」に加え、「払出部」、「検出手段」、「発光手段」及び「発光制御手段」をさらに備えることを限定する訂正である。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号に適合する。
訂正事項1に係る訂正は、特許請求の範囲の記載を、本件特許の願書に添付した明細書(以下「本件特許明細書」という。)の【0010】、【0076】、【0105】~【0106】、【0140】、【0150】、【0169】、【0171】等の記載に基づいて、訂正前の請求項1の「表示手段を備え、」を「遊技媒体を払い出す払出部と、前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、表示手段と、発光手段と、発光制御手段と、を備え、」とする訂正は、訂正前の「表示手段」に加え、「払出部」、「検出手段」、「発光手段」及び「発光制御手段」をさらに備えることを限定するものであるから、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という。)に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項1に係る訂正は、訂正前の「表示手段」に加え、「払出部」、「検出手段」、「発光手段」及び「発光制御手段」をさらに備えることを限定する訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(2)訂正事項2
訂正事項2に係る訂正は、上記訂正事項1に係る訂正により加えられる「検出手段」に関し、さらに「遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、」なる特定事項を加えるものである。
よって、訂正事項2に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書1号に適合する。
訂正事項2に係る訂正は、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0076】、【0760】等の記載に基づいて、「遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、」なる特定事項を加える訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項2に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項2に係る訂正は、「遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、」なる特定事項を加える訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項2に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(3)訂正事項3
訂正事項3に係る訂正は、上記訂正事項4に係る訂正を行うために記載を整えるための訂正であるから、同法120条の5第2項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
よって、訂正事項3に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書3号に適合する。
訂正事項3に係る訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項3に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項3に係る訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項3に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(4)訂正事項4
訂正事項4に係る訂正は、訂正前の特許請求の範囲の請求項1にあった「背景表示」、「デモンストレーション表示」に関し、新たに「遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、」なる特定事項を加え、上記訂正事項1に係る訂正により加えられる「発光制御手段」に関し、さらに「前記発光制御手段は、前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加えものである。
よって、訂正事項4に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書1号に適合する。
訂正事項4に係る訂正は、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0010】、【0565】、【0569】等の記載に基づいて、「遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、」、「前記発光制御手段は、前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加える訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項4に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項4に係る訂正は、「遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、」、「前記発光制御手段は、前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加える訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項4に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(5)訂正事項5
訂正事項5に係る訂正は、上記訂正事項1に係る訂正により加えられる「発光手段」に関し、さらに「遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加える訂正である。
よって、訂正事項5に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書1号に適合する。
訂正事項5に係る訂正は、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0076】、【0762】~【0765】等の記載に基づいて、「遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加える訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項5に係る訂正は、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項5に係る訂正は、「遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」なる特定事項を加える訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項5に係る訂正は、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(6)訂正事項6
訂正事項6に係る訂正は、上記訂正事項1に係る訂正により加えられる「発光手段」に関し、さらに「前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」なる特定事項を加える訂正である。
よって、訂正事項6に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書1号に適合する。
訂正事項6に係る訂正は、特許請求の範囲の記載を、本件特許明細書の【0762】~【0765】等の記載に基づいて、「前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」なる特定事項を加える訂正であるから、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項6に係る訂正は、特許法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項6に係る訂正は、「前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」なる特定事項を加える訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項6に係る訂正は、特許法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(7)訂正事項7
訂正事項7に係る訂正は、訂正事項1~6に係る訂正により、本件特許明細書の【0006】の記載を訂正後の請求項1の記載に整合させるための訂正であるから、訂正事項7に係る訂正は、同法120条の5第2項ただし書3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
訂正事項7に係る訂正は、訂正事項1~6について検討した上記(1)~(6)と同様の理由により、本件特許明細書等に記載した事項の全ての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものではない。
よって、訂正事項7に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条5項に適合する。
訂正事項7に係る訂正は、訂正事項1~6について検討した上記(1)~(6)と同様の理由により、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項7に係る訂正は、同法120条の5第9項で準用する同法126条6項に適合する。
(8)小括
上記(1)~(7)のとおりであるから、訂正事項1~7に係る訂正は、特許法120条の5第2項ただし書1号又は3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合する。
また、訂正事項1~2、4~6に係る訂正については、同法120条の5第2項ただし書1号に掲げる事項を目的とするものであるが、訂正事項1~2、4~6は、特許異議の申立てがされている請求項1に係る訂正であり、訂正事項1~2、4~6による特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正後の請求項1に係る発明について、同条9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
したがって、本件特許の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正が認められるから、請求項1に係る特許は、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(以下、本件特許の請求項1に係る発明を「本件発明」という。)。なお、符号A等は、分説するために合議体が付した(以下、符号A等を付した構成を「構成A」等という。)。
「【請求項1】
A 遊技可能な遊技機であって、
B 遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
B1 遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり、
C 前記表示手段は、
D 電源断が発生し、電源投入がされた場合、
E 電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
F その後、デモンストレーション表示を表示し、
G その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、
H 電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
I 電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
J その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
K その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、
L 遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、
M 前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、
N 前記発光制御手段は、
N1 前記第1期間において、背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
N2 前記第2期間において、デモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
O 遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
P 前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
Q 前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
R 前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、
S 前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い
K ことを特徴とする遊技機。」
第4 令和7年3月5日付け取消理由通知の概要
・請求項1
・甲第1号証~甲第4号証
本件発明は、甲1発明、甲2発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、本件発明の特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
第5 取消理由(特許法29条2項)についての合議体の判断
1 各甲号証の記載事項及び認定事項
(1)甲第1号証
本件特許の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、上記取消理由通知で引用された甲第1号証(特開2020-44248号公報;以下「甲1」という。)には、次の事項が記載されている。なお、下線は合議体が付した。
ア 記載事項
「【0008】
以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図37は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1~図3において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
・・・
【0082】
図12(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図12(a)において、主制御基板85aは遊技制御動作を統括するもので、上述したRAMクリアスイッチ95、設定変更操作手段96、性能情報表示手段97等の他、遊技盤16上の遊技情報表示手段59、普通図柄始動手段53、第1特別図柄始動手段54、第2特別図柄始動手段55、第1大入賞手段56、第2大入賞手段57、普通入賞手段58等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板85aからの制御コマンドに基づいて音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行う演出制御基板86a、この演出制御基板86aからの制御コマンドに基づいて液晶表示手段70を制御する液晶制御基板87a、主制御基板85aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御する払出制御基板93a、この払出制御基板93aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板100等のサブ制御手段が接続されている。
【0083】
演出制御基板86a及び液晶制御基板87aは、図12(a)に示すように主制御基板85aに接続された演出インターフェイス基板86bに接続されており、主制御基板85aから演出制御基板86aへの制御コマンド、演出制御基板86aから液晶制御基板87aへの制御コマンドは共に演出インターフェイス基板86bを経由して送信されるようになっている。また、演出制御基板86aの制御対象である各種演出手段、例えばスピーカ18,25、電飾手段38、可動演出手段71等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン34、十字操作手段35、音量操作手段36、光量操作手段37等は例えば演出インターフェイス基板86bを介して演出制御基板86aに接続されている。
【0084】
続いて、電源投入時に主制御基板85aにおいて実行される電源投入処理(図13)について説明する。この電源投入処理(図13)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定し(S2)、サブ基板の起動待ち処理(S3~S5)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S3)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S4)を繰り返し実行する。また、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S6)を実行すると共に、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S7)。
・・・
【0086】
続いて図14に示すS12~S22の処理に移行する。このS12~S22の処理は、設定変更処理(S14)及びRAMクリア処理(S15)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S14)を実行することなくRAMクリア処理(S15)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S20)及びバックアップ復帰処理(S21)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S20)を実行することなくバックアップ復帰処理(S21)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S17)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
・・・
【0099】
以上の設定変更処理(図14のS14)が終了すると、RAMクリア処理(S15)を実行し、後述する共通処理(S22)に移行する。このRAMクリア処理(S15)では、例えば領域内RAMにおける設定値ワーク領域とスタック領域とを除く領域を0クリアすると共に、バックアップフラグ、所定タイマ、特図停止図柄番号等に初期値を設定する。
・・・
【0110】
上述したRAMクリア処理(S15)又はバックアップ復帰処理(S21)に続いては共通処理(S22)を実行する。この共通処理(S22)では、まず処理態様に応じて、例えば「設定変更」、「RAMクリア」の場合にはイニシャライズコマンド(BA01H)、RAMクリアコマンド(BA02H)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、第1,第2客待ち中コマンド(BA14H,BA24H)等を順次送信し、「設定確認」、「バックアップ復帰」の場合には、イニシャライズコマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH~FDxxH)及び客待ち中の場合には第1,第2客待ち中コマンド(BA14H,BA24H)を順次送信する。そして、各種内部機能レジスタに初期値を設定すると共に作業領域の初期設定を行う。
・・・
【0144】
続いて、演出制御基板86aの制御動作について説明する。演出制御基板86aは、液晶表示手段70、電飾手段38、スピーカ18,25、可動演出手段71等の各種演出手段による演出を制御するもので、図12(b)に示すように、電源投入時演出実行手段101、特別保留個数表示実行手段102、図柄変動演出実行手段103、客待ち制御手段104等を備えている。
・・・
【0152】
客待ち制御手段104は、主制御基板85aから客待ち中コマンド(BA14H,BA24H)を受信してから第1,第2特別図柄表示手段63,64による図柄変動が開始されるまでの客待ち状態中における演出の実行、その他の制御を行うもので、デモタイマ更新処理手段104a、客待ち演出処理手段104b等を備えている。
・・・
【0161】
S211で客待ち中フラグがONでないと判定された場合には(S211:No)、客待ち中コマンド(BA14H又はBA24H)を受信したか否かを判定する(S212)。そして、客待ち中コマンド(BA14H又はBA24H)を受信していないと判定された場合(S212:No)にはそのまま客待ち演出処理を終了するが、受信したと判定された場合には(S212:Yes)、客待ち開始条件が成立したか否かを判定する(S213)。
・・・
【0164】
S213で客待ち開始条件不成立と判定された場合(S213:No)にはそのまま客待ち演出処理を終了するが、客待ち開始条件成立と判定された場合(S213:Yes)には、客待ち中フラグをONに設定し(S214)、客待ち前演出を開始する(S215)と共に、デモカウンタをクリアし(S216)、BGMタイマに初期値(ここでは30秒に対応する値)をセットして(S217)、客待ち演出処理を終了する。
【0165】
ここで、客待ち前演出では、例えば図29(a)に示すように液晶表示手段70にその前の図柄変動で停止した状態の演出図柄83の画像を引き続き表示すると共に、電飾手段38は所定の客待ち発光態様で発光し、スピーカ18,25からは所定のBGMを引き続き出力する。またデモカウンタは、客待ち状態中におけるデモタイマの初期化回数を計数するものである。
・・・
【0171】
デモ演出開始前処理(S221)では、例えば図27に示すように、まず客待ち前演出中であるか否かを判定し(S251)、客待ち前演出中であれば(S251:Yes)、BGMタイマを1減算し(S252)、その減算後のBGMタイマの値が0であるか否か(S253)、即ち客待ち前演出の開始から例えば30秒経過したか否かを判定する。そして、BGMタイマの値が0であれば(S253:Yes)、BGMをフェードアウトする(S254)と共に、客待ち前演出から客待ち演出に切り替えるが(S255)、BGMタイマの値が未だ0でなければ(S253:No)、S254,S255はスキップする。なお、S251で客待ち前演出中でないと判定された場合にはS252~S255の処理は実行されない。
【0172】
客待ち前演出から客待ち演出に切り替えられることにより、BGMがフェードアウトされる他、図29(b)に示すように、液晶表示手段70には、停止した状態の演出図柄83の画像が引き続き表示されると共に、メニュー画面を表示するための操作方法を報知するメニュー表示操作報知画像114、音量調整のための操作方法を報知する音量調整操作報知画像115、光量調整のための操作方法を報知する光量調整操作報知画像116の表示が開始される。このように、客待ち前演出の実行中、即ち客待ち状態の開始から例えば30秒経過するまでの期間中は、メニュー表示操作可能期間、及び音量・光量調整操作可能期間であるにも拘わらず、それを報知するためのメニュー表示操作報知画像114、音量調整操作報知画像115及び光量調整操作報知画像116は表示されない。
・・・
【0174】
デモタイマの周期(初期化タイミング)が到来し(S256:Yes)、且つ操作中フラグがONでなければ(S257:No)、デモカウンタを1加算し(S258)、その加算後のデモカウンタの値が所定値、例えば2であるか否か(デモ開始条件が成立したが否か)を判定する(S259)。そして、加算後のデモカウンタの値が2であれば(S259:Yes)、即ちデモ開始条件が成立した場合にはデモ演出開始後フラグをONに切り替える(S260)と共に、客待ち演出を終了してデモ演出を開始し(S261)、デモ演出開始前処理を終了する。加算後のデモカウンタの値が未だ2でなければS260,S261はスキップする。演出制御基板86aは、このデモ演出実行処理(S256~S261)を実行することにより、デモ演出実行手段として機能する。
・・・
【0176】
本実施形態のデモ演出は、図29(c)~(f)に示すように、その機種のイメージムービー等よりなる「機種イメージデモ」、その機種のロゴ画像等よりなる「機種ロゴ」、メーカーのロゴ画像等よりなる「企業ロゴ」、のめり込み防止表示画像等よりなる「のめり込み防止表示」をその順序で実行するように構成されている。また、それら「機種イメージデモ」、「機種ロゴ」、「企業ロゴ」、「のめり込み防止表示」の各実行時間は例えば70秒、10秒、5秒、5秒で、デモ演出全体の実行時間は、デモタイマの周期(ここでは120秒)よりも短い90秒となっている。
・・・
【0182】
デモ演出開始後処理(S222)では、例えば図28に示すように、まずデモ演出の実行中であるか否かを判定し(S271)、デモ演出の実行中であれば(S271:Yes)、デモ演出の終了タイミングであるか否かを判定する(S272)。そして、デモ演出の終了タイミングであれば(S272:Yes)、客待ち演出の実行を開始し(S273)、デモ演出開始後処理を終了するが、未だデモ演出の終了タイミングでなければ(S272:No)、S273をスキップしてデモ演出を継続する。」
イ 甲1発明
上記アより、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているといえる。なお、符号a等は、分説するために合議体が付した。また、引用箇所の段落番号を併記した。
(甲1発明)
「a 主制御基板85aは遊技制御動作を統括するもので、その下位には、主制御基板85aからの制御コマンドに基づいて電飾発光等の演出制御を行う演出制御基板86a、主制御基板85aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段28を制御する払出制御基板93a等のサブ制御手段が接続され(【0082】)、演出制御基板86aの制御対象である電飾手段38等は演出制御基板86aに接続され(【0083】)、
a1 電源投入時に主制御基板85aにおいて実行される電源投入処理では(【0084】)、RAMクリア処理を実行する「RAMクリア」、バックアップ復帰処理を実行する「バックアップ復帰」等が行われ(【0086】)、RAMクリア処理では、領域内RAMを0クリアし(【0099】)、RAMクリア処理又はバックアップ復帰処理に続いて実行する共通処理では、「RAMクリア」の場合には、客待ち中コマンドを送信し、「バックアップ復帰」の場合には、客待ち中の場合には客待ち中コマンドを送信し(【0110】)、
b 演出制御基板86aは、液晶表示手段70による演出を制御するもので、客待ち制御手段104等を備えており(【0144】)、客待ち制御手段104は、主制御基板85aから客待ち中コマンドを受信して、客待ち状態中における演出を行うものであって(【0152】)、
b1 客待ち中コマンドを受信し(【0161】)、客待ち開始条件成立と判定された場合には、客待ち前演出を開始し(【0164】)、客待ち前演出では、液晶表示手段70にその前の図柄変動で停止した状態の演出図柄83の画像を引き続き表示すると共に、電飾手段38は所定の客待ち発光態様で発光し(【0165】)、客待ち前演出の実行中、メニュー画面を表示するための操作方法を報知するメニュー表示操作報知画像114、音量調整のための操作方法を報知する音量調整操作報知画像115、光量調整のための操作方法を報知する光量調整操作報知画像116は表示されず(【0172】)、
b2 客待ち前演出の開始から30秒経過したら、客待ち前演出から客待ち演出に切り替え(【0171】)、客待ち前演出から客待ち演出に切り替えられることにより、液晶表示手段70には、停止した状態の演出図柄83の画像が引き続き表示されると共に、メニュー画面を表示するための操作方法を報知するメニュー表示操作報知画像114、音量調整のための操作方法を報知する音量調整操作報知画像115、光量調整のための操作方法を報知する光量調整操作報知画像116の表示が開始され(【0172】)、
b3 デモタイマの周期が到来し、デモ開始条件が成立した場合には、客待ち演出を終了してデモ演出を開始し(【0174】)、デモ演出は、その機種のイメージムービー等よりなる「機種イメージデモ」、その機種のロゴ画像等よりなる「機種ロゴ」、メーカーのロゴ画像等よりなる「企業ロゴ」、のめり込み防止表示画像等よりなる「のめり込み防止表示」をその順序で実行するように構成され(【0176】)、
b4 デモ演出の終了タイミングであるか否かを判定し、デモ演出の終了タイミングであれば、客待ち演出の実行を開始する(【0182】)、
c パチンコ機(【0008】)。」
(2)甲第2号証
ア 開示事項
本件特許の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、申立人が追加証拠として令和7年1月14日提出の意見書に添付して提出した甲第2号証「【新台】P牙狼月虹ノ旅人/ナツ美が新台試打解説」,APチャンネル,YouTube [online] [video],2021年06月04日,https://www.youtube.com/watch?v=Ww9wP1E5tQw,[2025年2月5日検索](以下「甲2」という。)には、次の事項が開示されている。ここで、例えば、「0:02」は、再生開始からの経過時間を示すものであり、以下の同様の「分秒」に係る記載も同じである。
(ア)0:02
a 甲2において、動画にかかる画像(以下「動画像」という。)の左上には「Youtube」と表示されており、動画像の4行下には「2021/06/04」と表示されていることが、見て取れる。
また、0:02の動画像では、動画像の左下には「【新台】P牙狼月虹ノ旅人/ナツ美が新台試打解説」と表示されており、動画像の出演者における右側と左側(動画像視聴者から見た右側と左側。以下同様。)には、いずれも、「P牙狼月虹ノ旅人」という機種のパチンコ機(以下「パチンコ機牙狼」という。)が表示されていることが、見て取れる。
b 0:02の動画像では、パチンコ機牙狼は、青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示する表示部と、左右方向の両側端部付近における上方から下方にかけて細長く発光する発光部と、を備えることが、見て取れる。
c なお、参考のために、甲2の0:02における画像を引用する(以下同様。)。
「0:02の画像
[図:0001429984000001.jpg]
」
(イ)0:07~0:09
0:07ごろの動画像では、動画像の出演者における右側に表示されたパチンコ機牙狼(以下「右側のパチンコ機牙狼」という。)において、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光することが、見て取れる。
0:08の動画像では、右側のパチンコ機牙狼において、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
0:09ごろの動画像では、右側のパチンコ機牙狼において、表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
「0:07の画像
[図:0001429984000002.jpg]
」
「0:08の画像
[図:0001429984000003.jpg]
」
「0:09の画像
[図:0001429984000004.jpg]
」
(ウ)0:30~0:32
0:30ごろの動画像では、動画像の出演者における左側に表示されたパチンコ機牙狼(以下「左側のパチンコ機牙狼」という。)において、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光することが、見て取れる。
0:31の動画像では、左側のパチンコ機牙狼において、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
0:32ごろの動画像では、左側のパチンコ機牙狼において、表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
「0:30の画像
[図:0001429984000005.jpg]
」
「0:31の画像
[図:0001429984000006.jpg]
」
「0:32の画像
[図:0001429984000007.jpg]
」
(エ)18:33~19:52
18:33の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
18:52の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は青色系の背景や青色系の「新規登録方法」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光することが、見て取れる。
19:18の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は白色系の背景や水色系の小さな文字を含む白色系の画像を表示し、発光部は白色で発光することが、見て取れる。
19:23の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は黒色系の背景に示される黄色系の文字や黄色系の背景を含む黄色系の画像を表示し、発光部は黄色で発光することが、見て取れる。
19:45の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は水色系の背景や水色系の文字、キャラクタ等を含む水色系の画像を表示し、発光部は青色で発光することが、見て取れる。
19:52の動画像では、パチンコ機牙狼において、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光することが、見て取れる。
「18:33の画像
[図:0001429984000008.jpg]
」
「18:52の画像
[図:0001429984000009.jpg]
」
「19:18の画像
[図:0001429984000010.jpg]
」
「19:23の画像
[図:0001429984000011.jpg]
」
「19:45の画像
[図:0001429984000012.jpg]
」
「19:52の画像
[図:0001429984000013.jpg]
」
イ 認定事項
(ア)認定事項1
上記ア(ア)aによれば、甲2は、「2021/06/04」すなわち令和3年6月4日に公開されたと認められる。
(イ)認定事項2
上記ア(ア)bによれば、
「パチンコ機牙狼は、画像が表示可能な表示部と、左右方向の両側端部付近における上方から下方にかけて細長く発光する発光部と、を備える」
(以下「認定事項2」という。)といえる。
(ウ)認定事項3
上記ア(イ)~(ウ)によれば、
「パチンコ機牙狼は、
表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光し、
その後、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光する」
(以下「認定事項3」という。)といえる。
(エ)認定事項4
上記ア(エ)によれば、
「パチンコ機牙狼は、
表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は青色系の背景や青色系の「新規登録方法」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は白色系の背景や水色系の小さな文字を含む白色系の画像を表示し、発光部は白色で発光し、
その後、表示部は黒色系の背景に示される黄色系の文字や黄色系の背景を含む黄色系の画像を表示し、発光部は黄色で発光し、
その後、表示部は水色系の背景や水色系の文字、キャラクタ等を含む水色系の画像を表示し、発光部は青色で発光し、
その後、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光する」
(以下「認定事項4」という。)といえる。
ウ 甲2発明
上記ア~イより、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が開示されているものと認められる。
(甲2発明)
「パチンコ機牙狼であって(認定事項2)、
画像が表示可能な表示部と(認定事項2)、
左右方向の両側端部付近における上方から下方にかけて細長く発光する発光部と、を備え(認定事項2)、
表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光し、
その後、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光し(認定事項3)、
表示部は青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は青色系の背景や青色系の「新規登録方法」等の文字を含む青色系の画像を表示し、発光部は水色で発光し、
その後、表示部は白色系の背景や水色系の小さな文字を含む白色系の画像を表示し、発光部は白色で発光し、
その後、表示部は黒色系の背景に示される黄色系の文字や黄色系の背景を含む黄色系の画像を表示し、発光部は黄色で発光し、
その後、表示部は水色系の背景や水色系の文字、キャラクタ等を含む水色系の画像を表示し、発光部は青色で発光し、
その後、表示部は青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示し、発光部は水色や青色で発光する(認定事項4)、
パチンコ機牙狼(認定事項2)。」
(3)甲第3号証
本件特許の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、申立人が追加証拠として令和7年1月14日提出の意見書に添付して提出した甲第3号証(特開2010-178800号公報;以下「甲3」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
「【0001】
この発明は、ぱちんこ遊技機などの遊技機の遊技盤面に設けられて演出等を行うランプを点灯制御するランプ制御装置と、このランプ制御装置を備えた遊技機、ランプ制御方法およびプログラムに関する。
・・・
【0023】
図1は、本発明のランプ制御装置の構成を示すブロック図である。ランプ制御装置100は、入力部101と、制御部102と、タイマ103と、データ格納部104と、出力部105とを備えている。入力部101には、ランプ点灯制御を要求するデータがコマンド等で入力され、このコマンドは制御部102に出力される。制御部102は、CPU、ROM、RAM等からなり、この要求されたコマンドを解析し、コマンドに対応したランプ制御データを出力部105を介してランプ108に出力する。
【0024】
制御部102は、このコマンド解析時に、タイマ103の計時情報と、データ格納部104に格納されているランプテーブル111を参照して、コマンドに対応したランプ制御データを生成し、出力部105に出力する。この制御部102には階調制御部102aが設けられており、階調制御部102aは、輝度を変化させる階調制御時に、実際の明るさを感明度に基づいて一定に変化するランプ制御データを生成する。ランプ108は、フルカラーLEDからなり、任意の発光色で発光可能である。
【0025】
図2は、ランプテーブルの一例を示す図である。このランプテーブル111は、255段階の明るさを有し、各段階の明るさに対応した輝度がそれぞれ設定されている。図2には、便宜上、255段階の途中の段階について記載してある。段階の値が大きいほど輝度が高く明るい。そして、このランプテーブル111には、各段階の輝度に対応した感明度についても設定されている。
・・・【0050】
そして、遊技盤601の遊技領域603および枠部材610には、複数のランプが設けられる。ランプとしては、たとえば、多色発光可能なフルカラーLEDが用いられ、図示のように複数のエリアに区分けされ、各エリア毎に複数のLEDを有するランプ108を構成している。ランプ108に設けられた複数のLEDは、上述したランプ制御により、点灯色制御されるとともに、階調制御によりON時の輝度制御が行われる。たとえば、リーチ時には、あるランプ108に対してON/OFFを繰り返す点灯制御がなされるとともに、階調制御により輝度が変更され、リーチ時の演出効果を高めることができるようになっている。」
イ 甲3発明
上記アより、甲3には、次の発明(以下「甲3発明」という。)が記載されているといえる。
(甲3発明)
「ぱちんこ遊技機などの遊技機の遊技盤面に設けられて演出等を行うランプを点灯制御するランプ制御装置において、ランプ制御装置100は、入力部101と、制御部102と、タイマ103と、データ格納部104と、出力部105とを備え、制御部102は、ランプテーブル111を参照して、コマンドに対応したランプ制御データを生成し、出力部105に出力し、ランプテーブル111は、255段階の明るさを有し、各段階の明るさに対応した輝度がそれぞれ設定され、ランプ108に設けられた複数のLEDは、階調制御によりON時の輝度制御が行われ、リーチ時には、ランプ108に対して点灯制御がなされるとともに、階調制御により輝度が変更されること。」
(4)甲第4号証
本件特許の出願前に頒布され又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となり、申立人が追加証拠として令和7年1月14日提出の意見書に添付して提出した甲第4号証(特開2013-74946号公報;以下「甲4」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
「【0078】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332~335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
・・・
【0081】
従って、本実施形態の遊技機は、演出のための発光が可能な発光装置(枠装飾装置18や盤装飾装置42)と、前記発光装置の発光量を変更可能な輝度設定手段(入力操作部25や輝度設定器47)と、遊技の進行を管理する遊技制御手段としての遊技制御装置100からの制御指令信号に基づいて、前記発光装置における発光制御を行う演出制御手段としての演出制御装置300とを備えることとなる。
・・・
【0127】
次に、上記演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される制御について説明する。
主制御用マイコン311による制御処理は、図14に示す1stメイン処理と、所定時間ごと(例えば2msecごと)に行われるコマンド受信割込み処理とからなる。1stメイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。
先ず、1stメイン処理について図14に示すフローチャートを用いて説明する。
図14に示すように、1stメイン処理においては、先ず、割込みを禁止する処理(ステップB1)を行ってから、1stCPU311の初期化処理(ステップB2)を行う。
・・・
【0130】
続いて、テストモード処理(ステップB14)を行った後、特図変動表示ゲームに関する処理を行うシーン制御処理(ステップB15)を行う。
次いで、前面枠(内枠)12やガラス枠15の開放などのエラー発生の監視を行う遊技機エラー監視処理(ステップB16)、特図変動表示ゲームにおける演出に関する演出コマンド編集処理(ステップB17)、音声の出力に関する処理(スピーカ19a、19bの駆動処理)であるサウンド制御処理(ステップB18)、前面枠12に設けられた枠装飾装置18や盤装飾装置42の発光を制御する装飾制御処理(ステップB19)、センターケース40に設けられた役物等を駆動させる盤演出モータ/SOL制御回路334の制御に関するモータ/SOL制御処理(ステップB20)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)等の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB21)を行い、ウォッチドッグタイマをクリアする処理(ステップB11)に戻る。
【0136】
図17には、装飾制御処理(ステップB19)の具体的な手順の一例が示されている。
図17に示すように、この装飾制御処理では、先ず、表示装置41のフレーム更新タイミングであるか否か判定する(ステップB161)。ここで、フレーム更新タイミングでない(No)と判定した場合は、何もせずに当該装飾制御処理から抜ける。一方、ステップB161において、フレーム更新タイミングである(Yes)と判定した場合は、ステップB162へ進み、予め用意されている変動表示ゲームの際の変動パターンや大当りのシーンなど複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブル(図18参照)をROMより取得する。
・・・
【0140】
図19には、図17の装飾制御処理を実行することにより、輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データに従って、発光ダイオードを点灯制御する場合のタイミングチャートが示されている。
なお、図19において、(A)は図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更される前の輝度データテーブルのデータを使用した場合のタイミングチャートを、(B)は図17に示す装飾制御処理により輝度の設定が変更された後の輝度データテーブルのデータを使用した場合のタイミングチャートを示している。図19(B)において、符号aが付されている輝度範囲は特許請求の範囲における第1の範囲に相当し、符号bが付されている輝度範囲は第2の範囲に相当する。本実施例においては、輝度調整操作がなされても第1の範囲では輝度調整をせずに元の輝度のままとし第2の範囲でのみ輝度調整をしているが、例えば第2の範囲では調整値を大きくし、第1の範囲では調整値を小さくするなど、第1の範囲と第2の範囲とで輝度調整の量を変えるようにしても良い。
また、第1の範囲に比べて第2の範囲を広くすることで、遊技者によって調整可能な輝度の範囲を広くすることができ、遊技者はより自分の好みにあった輝度を選択することができる。」
イ 甲4発明
上記アより、甲4には、次の発明(以下「甲4発明」という。)が記載されているといえる。
(甲4発明)
「演出のための発光が可能な発光装置と、発光装置の発光量を変更可能な輝度設定手段と、遊技の進行を管理する遊技制御手段としての遊技制御装置100からの制御指令信号に基づいて、発光装置における発光制御を行う演出制御手段としての演出制御装置300とを備えた遊技機において、演出制御装置300には、遊技盤30に設けられている発光ダイオードを有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられている発光ダイオードを有する枠装飾装置を駆動制御する枠装飾LED制御回路333等が設けられ、演出制御装置300によって実行される装飾制御処理では、予め用意されている変動表示ゲームの際の変動パターンや大当りのシーンなど複数の演出パターンにそれぞれ付与されている演出番号のうち今回の演出に対応した演出番号に基づいて、現在の輝度データテーブルを取得し、装飾制御処理を実行することにより、輝度データテーブルの各フレームの輝度設定データと点灯データに従って、発光ダイオードを点灯制御すること。」
(5)甲3発明~甲4発明より認定できる周知技術について
上記(3)イ~(4)イからみて、以下の技術事項が周知であると認められる。
「演出パターンごとに輝度データテーブルを用意しておき、当該演出パターンに対応する輝度データテーブルの情報に基づいて当該演出パターンに対応した発光手段の制御をすること。」(以下「周知技術」という。)
2 甲1発明との対比
(1) 本件発明と甲1発明の対比
ア 本件発明の構成Aについて
甲1発明の構成cの「パチンコ機」は、本件発明の「遊技機」に相当する。
ここで、パチンコ機が「遊技可能」であることは自明である。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Aに相当する構成を備える。
イ 本件発明の構成B、Cについて
甲1発明の構成bの「液晶表示手段70」は、本件発明の「表示手段」に相当する。
甲1発明の構成aの「払い出し手段28」、「電飾手段38」、「演出制御基板86a」は、それぞれ、本件発明の「払出部」、「発光手段」、「発光制御手段」に相当する。
ここで、払い出し手段28に遊技球を検出する検出手段を設けることは、技術常識である。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成B、Cに相当する構成を備える。
ウ 本件発明の構成Dについて
甲1発明の構成a1の「電源投入処理」において、「バックアップ復帰」の処理態様が行われた場合は、本件発明の「電源投入がされた場合」に相当する。
ここで、電源投入の前に、「電源断が発生」していることは自明である。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Dに相当する構成を備える。
エ 本件発明の構成Eについて
甲1発明の構成b1、b2の「メニュー画面を表示するための操作方法を報知するメニュー表示操作報知画像114、音量調整のための操作方法を報知する音量調整操作報知画像115、光量調整のための操作方法を報知する光量調整操作報知画像116」(以下「メニュー表示操作報知画像114等」という。)は、本件発明の「演出調整に関する案内表示」に相当する。
また、甲1発明の構成b1、b2の「停止した状態の演出図柄83の画像」は、本件発明の「背景表示」に相当する。
ここで、甲1発明は、「停止した状態の演出図柄83の画像」を「引き続き表示」する客待ち前演出を実行するものであるから(甲1発明の構成b1)、当該客待ち前演出の開始タイミングよりも前に、「停止した状態の演出図柄83の画像」の表示開始タイミング(本件発明の「背景表示の表示開始タイミング」に相当。)が到来するといえる。または、甲1発明は、客待ち前演出の開始タイミングで、「停止した状態の演出図柄83の画像」を表示する制御を(改めて)開始するものであるといえ、当該客待ち前演出の開始タイミングは、「停止した状態の演出図柄83の画像」の表示開始タイミング(本件発明の「背景表示の表示開始タイミング」に相当。)であるといえる。
そして、甲1発明は、客待ち前演出から客待ち演出に切り替えられることにより、「メニュー表示操作報知画像114等」の表示が開始されるから(甲1発明の構成b1、b2)、上記「停止した状態の演出図柄83の画像」の表示開始タイミングでは、「メニュー表示操作報知画像114等」は表示せずに「停止した状態の演出図柄83の画像」を表示することとなり、これは、本件発明の「電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示」することに相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Eに相当する構成を備える。
オ 本件発明の構成Fについて
甲1発明の構成b3の「デモ演出」は、本件発明の「デモンストレーション表示」に相当する。
そして、甲1発明は、客待ち前演出から客待ち演出に切り替え(甲1発明の構成b2)、さらに、客待ち演出を終了してデモ演出を開始するものであって(甲1発明の構成b3)、上記エの検討も踏まえれば、「停止した状態の演出図柄83の画像」の表示開始タイミングよりも後に(本件発明の「その後」に相当。)、「デモ演出」を開始しており、これは、本件発明の「その後、デモンストレーション表示を表示」することに相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Fに相当する構成を備える。
カ 本件発明の構成Gについて
甲1発明は、「デモ演出」の終了タイミングであれば(本件発明の「その後」に相当。)、客待ち演出の実行を開始し(甲1発明の構成b4)、液晶表示手段70には、「停止した状態の演出図柄83の画像」が表示されると共に、「メニュー表示操作報知画像114等」の表示が開始されるものであり(甲1発明の構成b2)、これは、本件発明の「その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示」することに相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Gに相当する構成を備える。
キ 本件発明の構成Hについて
甲1発明の構成a1の「電源投入処理」において、「領域内RAMを0クリア」する「RAMクリア」の処理態様が行われた場合は、本件発明の「初期化を伴う電源投入がされた場合」に相当する。
ここで、電源投入の前に、「電源断が発生」していることは自明である。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Hに相当する構成を備える。
ク 本件発明の構成I、J、Kについて
上記エ~カにおける検討と同様で、甲1発明は、本件発明の構成I、J、Kに相当する構成を備える。
ケ 本件発明の構成L、Mについて
甲1発明は、「停止した状態の演出図柄83の画像」を「引き続き表示」する「客待ち前演出」を実行し(甲1発明の構成b1)、客待ち前演出から客待ち演出に切り替えられることにより、「停止した状態の演出図柄83の画像」が「引き続き表示される」ことから、甲1発明の構成b1の「客待ち前演出」と「客待ち演出」の期間は、本件発明の構成Lの「第1期間」に相当し、甲1発明において、「客待ち前演出」と「客待ち演出」において、「停止した状態の演出図柄83の画像」を「引き続き表示」ことは、本件発明の「遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示」することに相当する。
また、甲1発明は、「デモ開始条件が成立した場合には、客待ち演出を終了してデモ演出を開始し」、「デモ演出は、「機種イメージデモ」、「機種ロゴ」、「企業ロゴ」、「のめり込み防止表示」をその順序で実行するように構成され」ることから(甲1発明の構成b3)、これは、本件発明の「前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示」することに相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成L、Mに相当する構成を備える。
コ 本件発明の構成N、N1、N2について
上記イ、ケで検討したとおり、甲1発明の構成aの「電飾手段38」、「演出制御基板86a」、甲1発明の構成b1の「客待ち前演出」と「客待ち演出」の期間は、それぞれ、本件発明の構成N、N1、N2の「発光手段」、「発光制御手段」、「第1期間」に相当し、甲1発明の構成b1の「客待ち前演出では、液晶表示手段70にその前の図柄変動で停止した状態の演出図柄83の画像を引き続き表示すると共に、電飾手段38は所定の客待ち発光態様で発光」することは、本件発明の構成N1に対応することから、甲1発明と本件発明の構成N、N1は、「前記第1期間において、前記発光手段を制御」する点で共通する。
サ 本件発明の構成Kについて
甲1発明の構成cの「パチンコ機」は、本件発明の「遊技機」に相当する。
したがって、甲1発明は、本件発明の構成Kに相当する構成を備える。
(2)甲1発明との一致点及び相違点
上記(1)における検討を踏まえると、本件発明と甲1発明は、
<一致点>
「A 遊技可能な遊技機であって、
B 遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
C 前記表示手段は、
D 電源断が発生し、電源投入がされた場合、
E 電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
F その後、デモンストレーション表示を表示し、
G その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示し、
H 電源断が発生し、初期化を伴う電源投入がされた場合、
I 電源投入がされた後、演出調整に関する案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示せずに該背景表示を表示し、
J その後、前記デモンストレーション表示を表示し、
K その後、前記案内表示を前記背景表示の表示開始タイミングにおいて表示しつつ、該背景表示を表示する
L 遊技が終了した後の第1期間において、前記背景表示を表示し、
M 前記第1期間が終了した後の第2期間において、前記デモンストレーション表示を表示し、
N 前記発光制御手段は、
N1’ 前記第1期間において、前記発光手段を制御する、
K 遊技機。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>(構成B1)
本件発明では、「遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、球切れエラーが発生可能であり」と特定されているのに対し、
甲1発明では、主制御基板85aからの制御コマンドに基づいて、払出制御基板93aが払い出し手段28を制御するものの、払い出し手段28に設けられた検出手段が遊技球を検出せず、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するか不明である点。
<相違点2>(構成N、N1、N2)
「発光制御手段」に関し、
本件発明では、「前記発光制御手段は、前記第1期間において、前記背景表示に対応する背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第2期間において、前記デモンストレーション表示に対応するデモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、」と特定されているのに対し、
甲1発明では、「客待ち前演出では、電飾手段38は所定の客待ち発光態様で発光」するものの、客待ち演出やデモ演出において、電飾手段38の発光態様の制御が不明であり、電飾手段38の制御に輝度データテーブルを用いるかも不明である点。
<相違点3>(構成O、P、Q)
本件発明では、「遊技中に、前記球切れエラーが発生した場合、エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、前記第1期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第1期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、前記第2期間以前に前記球切れエラーが発生し、前記第2期間中においても前記球切れエラーが解消されていない場合、前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、」と特定されているのに対し、
甲1発明では、上記相違点2で述べたとおり、球切れエラーが発生するか不明であることから、球切れエラーが発生し、球切れエラーが解消されない場合の電飾手段38の制御についても不明である点。
<相違点4>(構成R、S)
本件発明では、「前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」と特定されているのに対し、
甲1発明では、上記相違点2で述べたとおり、球切れエラーが発生するか不明であることから、球切れエラーが発生し、遊技球が配給された場合の電飾手段38の制御についても不明である点。
3 相違点についての判断
(1)相違点1について
甲1発明では、払い出し手段28に設けられた検出手段が遊技球を検出せず、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するか不明であるが、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するように構成することは慣用技術であるから、甲1発明において、慣用技術を適用し、払い出し手段28に設けられた検出手段が遊技球を検出せず、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するように構成することは、当業者が容易に想起できたことである。
したがって、相違点1に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(2)相違点2について
甲2発明において、「表示部」が「青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示」する期間は、本件発明の「前記第1期間」に相当し、甲2発明の「青空と雲からなる背景画像」は、本件発明の「前記背景表示」に相当する。
また、甲2発明において、「表示部」が「青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示」する期間は、本件発明の「前記第2期間」に相当し、甲2発明の「青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像」は、本件発明の「前記デモンストレーション表示」に相当する。
また、甲2発明の「発光部」は、本件発明の「前記発光手段」に相当する。
また、甲2発明では、「表示部」が「青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示」する期間において、「発光部」が「水色や青色で発光」するから、本件発明のように、「前記第1期間において、」「前記発光手段を制御」するといえる。
また、甲2発明では、「表示部」が「青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示」する期間において、「発光部」が「水色で発光」するから、本件発明のように、「前記第2期間において、」「前記発光手段を制御」するといえる。
ここで、甲2発明では、
「表示部」が「青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示」するときには、「発光部」が「水色や青色で発光」し、
「表示部」が「青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示」するときや、「表示部」が「青色系の背景や青色系の「新規登録方法」等の文字を含む青色系の画像を表示」するときには、「発光部」が「水色で発光」し、
「表示部」が「白色系の背景や水色系の小さな文字を含む白色系の画像を表示」するときには、「発光部」が「白色で発光」し、
「表示部」が「黒色系の背景に示される黄色系の文字や黄色系の背景を含む黄色系の画像を表示」するときには、「発光部」が「黄色で発光」し、
「表示部」が「水色系の背景や水色系の文字、キャラクタ等を含む水色系の画像を表示」するときには、「発光部」が「青色で発光」する。
そうすると、甲2発明は、「表示部」で「表示」される「画像」の色に対応して、「発光部」で「発光」される色を制御しているといえる。
したがって、甲2発明は、「表示部」が「青空と雲からなる背景画像やキャラクタを含むカラフルな画像を表示」する期間や、「表示部」が「青色系の背景や青色系の「Sansei」等の文字を含む青色系の画像を表示」する期間において、「表示部」で「表示」される「画像」に対応して、「発光部」を制御しているといえる。
よって、甲2発明は、本件発明の構成N1、N2における「前記第1期間において、前記背景表示に対応」して「前記発光手段を制御」する点、「前記第2期間において、前記デモンストレーション表示に対応」して「前記発光手段を制御」することに相当する構成を備えている。
そして、甲1発明と甲2発明は、客待ち状態の演出と、その後のデモ演出を行うパチンコ遊技機である点で技術分野が共通し、演出状態に対応して発光部を発光制御するという課題も共通するから、甲1発明において、デモ演出について甲2発明の「前記第2期間において、前記デモンストレーション表示に対応」して「前記発光手段を制御」することを採用し、デモ演出に対応して電飾手段38の発光態様を制御することは当業者が容易に想起できたことである。
また、上記1(5)に記載したとおり、「演出パターンごとに輝度データテーブルを用意しておき、当該演出パターンに対応する輝度データテーブルの情報に基づいて当該演出パターンに対応した発光手段の制御をすること」は周知技術であり、甲1発明、甲2発明と周知技術は、発光部を発光制御するパチンコ遊技機である点で技術分野が共通し、演出状態に対応して発光部を発光制御するという課題も共通するから、甲2発明を採用した甲1発明において、周知技術を適用し、客待ち前演出、客待ち演出、及び、デモ演出に対応する輝度データテーブルの情報に基づいて、演出パターンに対応して電飾手段38の発光を制御するように構成することは、当業者が容易に想起できたことである。
したがって、相違点2に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(3)相違点3について
甲1発明において、球切れエラーが発生した場合に、エラー用輝度データテーブルを用いて電飾手段38を制御することは記載されていないものの、上記(1)で述べたとおり、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するように構成することは慣用技術であり、また、エラーが発生したときに発光手段をエラー報知の発光態様とすること、エラー報知を遊技機の状態に応じた演出よりも優先する制御とすることも慣用技術であることを鑑みると、甲1発明において、これらの慣用技術を適用し、球切れエラーが発生した場合に、エラー用輝度データテーブルを用いて電飾手段38を制御するようにし、球切れエラーが解消されていない状態では、エラー用輝度データテーブルを用いた電飾手段38の制御を継続させるように構成することは、当業者が容易に想起できたことである。
したがって、相違点3に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことである。
(4)相違点4について
甲1発明において、球切れエラーが発生した場合に、エラー用輝度データテーブルを用いて電飾手段38を制御することは記載されておらず、上記(1)、(3)で述べたとおり、未払出の遊技球が発生した場合に、球切れエラーが発生するように構成すること、エラーが発生したときに発光手段をエラー報知の発光態様とすること、エラー報知を遊技機の状態に応じた演出よりも優先するように制御することは慣用技術であるものの、甲1には、デモ演出の期間中に球切れエラーが発生しているときの電飾手段38によるエラー報知に関して、配給された最初の遊技球を検出したことに関連するタイミングで、デモ演出の期間中の発光態様に切り替えることや、球切れ状態となってから球切れエラーを報知する電飾手段38の制御を開始するまでの期間より、配給された最初の遊技球を検出してから球切れエラーを報知する電飾手段38の制御を終了するまでの期間を短くすることは、記載も示唆もされておらず、そのようにすることについての動機が存在するとは、認められない。
また、上記相違点4に係る本件発明の構成R、Sについて、甲2には、デモ演出の開始に関連して発光部の発光状態が切り替えられることについて開示されているものの、発光部の発光状態を切り替えることについて、本件発明の球切れエラーが発生したときの発光手段の制御に関する事項は開示も示唆もされておらず、甲3~甲4には、演出パターンに対応する輝度データテーブルの情報に基づいて発光手段を制御することが記載されているものの、輝度データテーブルの情報に基づいて発光手段を制御することについて、本件発明の球切れエラーが発生したときの発光手段の制御に関する事項は記載も示唆もされていない。
さらに、遊技機の分野において、構成R、Sが周知技術であるとも認められない。
そして、本件発明は、構成R、Sを備えることにより、「このように、払出装置004SG031に配給された遊技球がいずれの球数であろうと、遊技球検出センサ004SG032が1個目の遊技球を検出したタイミングで、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をデモムービー表示に対応する発光態様に切り替えることで、デモムービー表示を違和感なく見せることができ、かつ処理を共通化することができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0823】)、「このように、遊技球検出センサ004SG032が検出していない状態は、球切れエラーの可能性があるが、球遅れ等の可能性もあるため、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をすぐには切り替えず、遊技球を検出した場合は、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をデモムービー表示に対応する発光態様にすぐに切り替えることで、デモムービー表示を違和感なく見せることができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0827】)という作用効果を奏するものである。
したがって、甲1~甲4及び周知の技術事項に基づいて、上記相違点4に係る本件発明の構成とすることは、当業者が容易になし得たことではない。
4 小括
以上のとおり、本件発明は、甲第1号証~甲第2号証及び周知の技術事項(甲第3号証~甲第4号証)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立ての理由の概要
申立人は、申立書において、本件特許に対し、取消理由通知において採用しなかった、次の理由を申し立てている。
(1)理由1(新規性)について
本件発明は、甲第1号証記載の発明と同一のものである。
(2)理由3(発明該当性)について
・『自然法則を利用した技術的思想の創作』の観点について
本件発明は、「電源断が発生し、電源投入がされた場合、表示手段に、背景表示、デモンストレーション表示、案内表示および背景表示の順に表示する」ことに特徴を有するもので、ここに発明の本質がある。これは、本件発明の課題、効果とも符合するものである。しかし、遊技機において、電源投入後の表示内容の順序を単に取り決めたものにすぎず、そこに技術的意義があるとは言えない。
特許庁の審査基準「第III部第1章」には、情報の提示(提示それ自体、提示手段や提示方法)に技術的特徴を有しないような、情報の単なる提示(提示される情報の内容にのみ特徴を有するものであって、情報の提示を主たる目的とするもの)は「発明」に該当しないことが示されている(2.1.5技術的思想でないもの)。
そうすると、本件発明は、提示される情報の内容にのみ特徴を有するものであって、情報の提示を主たる目的とするものであるから、上記基準にしたがって「発明」に該当しないと言える。また、表示内容の順序を単に取り決めること自体、人為的に行うものであるから、その観点からも「発明」に該当しないと言える。
・『コンピータソフトウェア関連発明』の観点について
本件発明は、ハードウェア資源として、遊技機の表示手段を備えている。そして、表示手段は、背景表示、デモンストレーション表示、案内表示等の表示を実行可能であり、それらの表示がコンピータによるソフトウェアの情報処理に相当する。
そして、本件発明の解決しようとする技術的課題は、客待ち制御を好適に実行することにあり、このような技術的課題を解決するための構成として、本件発明では、表示手段が背景表示、デモンストレーション表示、案内表示および背景表示の順に表示可能であると特定されている。
しかし、本件発明には、好適な客待ち制御を実行するという使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段や具体的手順は全く記載されておらず、特に、ハードウェア資源として記載された表示手段と、表示手段により表示されるデモンストレーション表示等を含むソフトウェアの情報処理との関係が何ら特定されていない。
したがって、本件発明は、ソフトウェアとハードウェア資源と協働することによって、課題解決に向けた特有の情報処理装置又はその動作方法が構築されていると言える事項が記載されているとは言えないから、このような観点から見ても「自然法則を利用した技術的思想の創作」とは言えず、「発明」に該当しない(特許・実用新案審査ハンドブック附属書B第1章コンピュータソフトウェア関連発明〔事例2-6〕〔事例2-10〕参照)。
2 異議申立ての理由の検討
当審における取消理由通知において採用されなかった、上記新規性(異議申立理由の理由1)及び発明該当性(特許異議申立の理由3)について、以下検討する。
(1)新規性について
上記 第3のとおり、本件発明は、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものであるところ、上記 第5 2(2)のとおり、本件発明と甲1発明は、相違点1~4で相違することから、本件発明は甲1発明でない。
したがって、本件発明に係る特許は、特許法29条1項3号の規定に違反してされたものではない。
(2)発明該当性について
1 申立ての理由1(特許法29条1項柱書)
(1)特許法29条1項柱書にいう「発明」の該当性について
特許法29条1項柱書(以下「同法29条1項柱書」と略す。)は「産業上利用することができる発明をした者は、次に掲げる発明を除き、その発明について特許を受けることができる。」と定め、その前提となる「発明」については同法2条1項(以下「同法2条1項」と略す。)が「この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。」と定めている。
そうすると、本件発明が、ア 産業上利用できる発明ではない場合、イ 自然法則を利用した発明でない場合、ウ 技術的思想の創作となる発明でない場合、エ 技術的思想の創作のうち高度なものでない場合、のいずれかに該当するときは、同法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないことになるところ、上記 1(2)によれば、申立人は、前記イ又はウの場合に該当することを理由に、本件発明は、同法29条1項柱書にいう「発明」に該当しないという旨申し立てているから、以下、この点について検討する。
請求項に記載された特許を受けようとする発明が、同法2条1項に規定する「発明」といえるか否かは、それが、特許請求の範囲の記載や願書に添付した明細書の記載及び図面に開示された、「特許を受けようとする発明」が前提とする技術的課題、その課題を解決するための技術的手段の構成及びその構成から導かれる効果等の技術的意義に照らし、全体として「自然法則を利用した技術的思想の創作」に該当するか否かによって判断すべきものである(知財高裁令和2年6月18日判決、令和元年(行ケ)第10110号参照)。
そして、本件発明が、可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機に関するものであることからみて、そこにおいて生じる一定の技術的課題を解決しようとしたものであり、それが全体として一定の技術的意義を有するのであれば、同発明は自然法則を利用した発明であり、かつ技術的思想の創作となる発明であると解することができる(知財高裁平成21年6月16日判決、平成20年(行ケ)第10279号参照)。
そこで、以下において、本件発明の技術的課題及び技術的意義の観点から、本件発明の発明該当性について検討する。
ア 本件発明の技術的課題について
本件発明が解決しようとする技術的課題について、本件特許の明細書に以下のとおり記載されている。
「【背景技術】
【0002】
遊技機に代表されるパチンコ遊技機として、図柄の可変表示が終了した後の第1客待ち期間において通常背景表示を表示し、該第1客待ち期間が終了した後の第2客待ち期間において、デモンストレーション表示を表示する制御を実行するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
・・・
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の遊技機にあっては、第1客待ち期間が終了して第2客待ち期間になるとデモンストレーション表示が開始されるだけであったため、客待ち制御に関して改良の余地があった。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、好適な客待ち制御を行うことができる遊技機を提供することを目的とする。」
そうすると、本件発明は、パチンコ遊技機において、「図柄の可変表示が終了した後の第1客待ち期間において通常背景表示を表示し、該第1客待ち期間が終了した後の第2客待ち期間において、デモンストレーション表示を表示する」(【0002】)という背景技術を前提として、「第1客待ち期間が終了して第2客待ち期間になるとデモンストレーション表示が開始されるだけであったため、客待ち制御に関して改良の余地があった」(【0004】)ために、「好適な客待ち制御を行うことができる遊技機を提供する」(【0005】)という技術的課題を解決しようとするものであるといえる。
イ 本件発明の技術的意義について
本件特許の明細書において、上記 アの技術的課題を解決するための特定事項が【0076】、【0078】に記載され、その技術的意義については【0822】~【0823】、【0826】~【0827】に記載されている。
「【0076】
[形態55]
形態55-1の遊技機は、
遊技可能な遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、特定エラーとなり、
前記表示手段は、
遊技が終了した後の第1期間において、背景表示を表示し、
前記第1期間が終了した後の第2期間において、デモンストレーション表示を表示し、
前記発光制御手段は、
前記第1期間において、前記特定エラーが発生していない場合、前記背景表示に対応する背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間において、前記特定エラーが発生していない場合、前記デモンストレーション表示に対応するデモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
遊技中に、前記特定エラーが発生した場合、該特定エラーに対応する特定エラー用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
その後、前記第1期間中において、前記特定エラーが解消されていない場合、前記特定エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
その後、前記第2期間中において、前記特定エラーが解消されていない場合、前記特定エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御を継続し、
前記第2期間中に前記特定エラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記特定エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御する(図35、図64、図65、図78~図89、図110~図112等)
ことを特徴としている。
・・・」
「【0078】
[形態57]
形態57-1の遊技機は、
遊技可能な遊技機であって、
遊技媒体を払い出す払出部と、
前記払出部に設けられ、遊技媒体を検出する検出手段と、
表示手段と、
発光手段と、
発光制御手段と、を備え、
遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出せず、未払出の遊技媒体が発生した場合、特定エラーとなり、
前記表示手段は、
遊技が終了した後の第1期間において、背景表示を表示し、
前記第1期間が終了した後の第2期間において、デモンストレーション表示を表示し、
前記発光制御手段は、
前記第1期間において、前記特定エラーが発生していない場合、前記背景表示に対応する背景表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間において、前記特定エラーが発生していない場合、前記デモンストレーション表示に対応するデモンストレーション表示用輝度データテーブルを用いて前記発光手段を制御し、
前記第2期間中において、遊技媒体の払出条件が成立し、前記検出手段が遊技媒体を検出していない期間が所定期間継続した場合、前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルから前記特定エラーに対応する特定エラー用輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御し、
前記第2期間中に前記特定エラーが発生しているときに、前記検出手段が遊技媒体を検出してから前記所定期間より短い特定期間が経過したときに、前記特定エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて前記発光手段を制御する(図35、図64、図65、図78~図89、図110~図112等)
ことを特徴としている。
・・・」
「【0822】
また、遊技球の払出条件が成立し、遊技球検出センサ004SG032が遊技球を検出せず、未払出の遊技球が発生した場合に球切れエラーとなり、演出制御用CPU120は、第2客待ち期間中に球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技球が払出装置004SG031(払出部)に配給された場合および未払出数を超えない遊技球が該払出装置004SG031に配給された場合のいずれの場合であっても、遊技球検出センサ004SG032が配給された最初(1個目)の遊技球を検出したことに関連するタイミングで、エラー用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:エラー)から客待ちデモ用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:客待ちデモ)に切り替えて盤ランプ及び枠ランプを制御する。
【0823】
このように、払出装置004SG031に配給された遊技球がいずれの球数であろうと、遊技球検出センサ004SG032が1個目の遊技球を検出したタイミングで、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をデモムービー表示に対応する発光態様に切り替えることで、デモムービー表示を違和感なく見せることができ、かつ処理を共通化することができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」
「【0826】
また、第2客待ち期間中において、遊技球の払出条件が成立し、遊技球検出センサ004SG032が遊技球を検出していない期間が第2判定期間tm(または第1判定期間tl)継続した場合、客待ちデモ用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:客待ちデモ)からエラー用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:エラー)に切り替えて盤ランプ及び枠ランプを制御し、第2客待ち期間中に球切れエラーが発生しているときに、遊技球検出センサ004SG032が遊技球を検出してから第2判定期間tm(または第1判定期間tl)より短い特定期間(例えば、1秒)が経過したときに、エラー用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:エラー)から客待ちデモ用輝度データテーブル(ランプデータテーブル:客待ちデモ)に切り替えて盤ランプ及び枠ランプを制御する。
【0827】
このように、遊技球検出センサ004SG032が検出していない状態は、球切れエラーの可能性があるが、球遅れ等の可能性もあるため、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をすぐには切り替えず、遊技球を検出した場合は、盤ランプ及び枠ランプの発光態様をデモムービー表示に対応する発光態様にすぐに切り替えることで、デモムービー表示を違和感なく見せることができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」
以上によれば、本件発明は、
「前記第2期間中に前記球切れエラーが発生しているときに、未払出数を超える遊技媒体が前記払出部に配給された場合および未払出数を超えない遊技媒体が該払出部に配給された場合のいずれの場合であっても、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出したことに関連するタイミングで、前記エラー用輝度データテーブルから前記デモンストレーション表示用輝度データテーブルに切り替えて、前記発光手段を制御し、」(構成R)という構成を採用することにより、「デモムービー表示を違和感なく見せることができ、かつ処理を共通化することができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0823】)という技術的意義を有する。
また、本件発明は、「前記未払出の遊技媒体が存在し、前記検出手段が遊技媒体を検出しない状態となってから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が開始するまでの期間よりも、前記検出手段が配給された最初の遊技媒体を検出してから前記エラー用輝度データテーブルを用いた前記発光手段の制御が終了するまでの期間の方が短い」(構成S)という構成を採用することにより、「デモムービー表示を違和感なく見せることができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0827】)という技術的意義も有している。
ウ 本件発明の発明該当性について
上記 アで説示したとおり、本件発明は、パチンコ遊技機において、「図柄の可変表示が終了した後の第1客待ち期間において通常背景表示を表示し、該第1客待ち期間が終了した後の第2客待ち期間において、デモンストレーション表示を表示する」(【0002】)という背景技術を前提として、「第1客待ち期間が終了して第2客待ち期間になるとデモンストレーション表示が開始されるだけであったため、客待ち制御に関して改良の余地があった」(【0004】)ために、「好適な客待ち制御を行うことができる遊技機を提供する」(【0005】)という技術的課題を解決しようとするものであって、上記 イで説示したとおり、構成R~Sに係る技術的手段を採用することで、全体として、「デモムービー表示を違和感なく見せることができ、かつ処理を共通化することができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0823】)、及び、「デモムービー表示を違和感なく見せることができ、結果として好適な客待ち制御を行うことができる。」(【0827】)という効果が得られるという技術的意義を有するものである。
したがって、本件発明は、特許法2条1項でいう「発明」に該当し、同法29条1項柱書に違反してなされたものとはいえない。
エ コンピュータソフトウェア関連発明に係る観点からの申立人の主張について
申立人は、本件発明に対して、コンピュータソフトウェア関連発明に係る観点から、「本件発明には、好適な客待ち制御を実行するという使用目的に応じた特有の情報の演算又は加工を実現するための具体的手段や具体的手順は全く記載されておらず、特に、ハードウェア資源として記載された表示手段と、表示手段により表示されるデモンストレーション表示等を含むソフトウェアの情報処理との関係が何ら特定されていない。」と主張している。(上記「1(2)」参照。)
しかしながら、上記 ア~ウでの検討を踏まえると、本件発明は、コンピュータソフトウェア関連発明の観点、すなわち、特許・実用新案審査ハンドブック「付属書B」「「特許・実用新案審査基準」の特定技術分野への適用例」「第1章 コンピュータソフトウエア関連発明」に照らすまでもなく、自然法則を利用した発明であり、かつ技術的思想の創作となる発明である。
よって、申立人の上記主張は採用することができない。
第7 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2024-700448