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特許異議申立

2024-700329

ガイド延長カテーテル

審判番号
2024-700329
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-547856
登録番号
7362753
請求日
2024年04月10日
審決日
2026年01月21日
公報発行日
2026年04月24日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】テレフレックス ライフ サイエンシズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
  • 【権利者代理人】▲吉▼田 和彦
  • 【権利者代理人】須田 洋之
  • 【権利者代理人】山崎 一夫
  • 【権利者代理人】山本 泰史
  • 【権利者代理人】鈴木 博子
  • 【権利者代理人】深田 孝徳
  • 【異議申立人】神田 紀子
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 正章
  • 審判官 栗山 卓也
  • 審判官 佐々木 佳祐
分類
P1651.113-YAA(A61M) / P1651.121-YAA(A61M) / P1651.537-YAA(A61M)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7362753号発明「ガイド延長カテーテル」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7362753号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-9〕について訂正することを認める。 特許第7362753号の請求項1、3~9に係る特許を維持する。 特許第7362753号の請求項2に係る特許についての異議申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7362753号の請求項1~9に係る特許についての出願は、2019年(令和 元年)12月12日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2019年 2月19日 (US)アメリカ合衆国)を国際出願日とする出願であって、令和 5年10月 6日にその特許権の設定登録がされ、同年10月17日に特許掲載公報が発行されたところ、令和 6年 4月10日に特許異議申立人神田紀子(以下「申立人」という。)より全請求項に係る特許に対して特許異議の申立てがされた。 その後の手続の経緯は以下のとおりである。 令和 6年 8月29日付け:取消理由通知 同年12月12日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 7年 2月 3日 :異議申立人による意見書の提出 同年 3月13日付け:取消理由通知(決定の予告) 同年 6月16日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 7月 8日付け:訂正請求があった旨の通知書(特許法第12 0条の5第5項) 令和 7年 7月 8日付けで申立人に、令和 7年 6月16日提出の特許権者の意見書及び訂正請求書の副本を送付し、意見書を提出する機会を与えたが、申立人から意見書は提出されなかった。 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和 7年 6月16日提出の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線部は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、「該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さを形成するような長さを有する前記プッシュ部材」及び「前記プッシュ部材と、を含む」と記載されているのを、「前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さであって該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する前記プッシュ部材」及び「前記プッシュ部材と、を含み、前記細長チューブ部材の近位部分は、前記ガイドカテーテルの遠位部分上に受け入れられ、前記細長チューブ部材の前記遠位端が前記ガイドカテーテルの前記遠位端を越えて延びると前記細長チューブ部材の遠位部分の直径が縮小するように前記細長チューブ部材の遠位部分が収縮する」にそれぞれ訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「請求項1又は請求項2」と記載されているのを、「請求項1」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「請求項1から請求項3のいずれか1項」と記載されているのを、「請求項1又は請求項3」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項8に「請求項1から請求項7のいずれか1項」と記載されているのを、「請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項9に「請求項1から請求項7のいずれか1項」と記載されているのを、「請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項」に訂正する。 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1~9について、請求項2~9は、本件訂正により訂正される請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項1~9について請求されている。 3 訂正の適否 (1)訂正事項1について 訂正事項1は、訂正前の請求項1の「ガイド延長カテーテル長さ」がどこからどこまでの長さであるのか不明確であるのを、「前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端まで」と明確にするとともに、当該長さがガイドカテーテルのどこの長さよりも長いのか不明確であるのを、「該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さ」と明確にし、さらに、訂正前の請求項1に記載の「細長チューブ部材」について、「前記細長チューブ部材の近位部分は、前記ガイドカテーテルの遠位部分上に受け入れられ、前記細長チューブ部材の前記遠位端が前記ガイドカテーテルの前記遠位端を越えて延びると前記細長チューブ部材の前記遠位部分の直径が縮小するように前記細長チューブ部材の前記遠位部分が収縮する」と具体的な形状を限定するものであるので、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明及び同項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項1は、願書に添付した明細書の段落0019、0020、0023、0024、0027、0033、0034及び図2、図3A、図3Bの記載に基づくものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項1は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2について 訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 よって、訂正事項2は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項2は、請求項2を削除するものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3について 訂正事項3は、訂正前の請求項3が「請求項1又は請求項2」の記載を引用するものであるところ、「請求項1」の記載を引用するものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 よって、訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項3は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項3は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4について 訂正事項4は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 よって、訂正事項4は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項4は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項4は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項5について 訂正事項5は、訂正前の請求項8が「請求項1から請求項7のいずれか1項」の記載を引用するものであるところ、「請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項」の記載を引用するものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 よって、訂正事項5は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項5は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項5は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 (6)訂正事項6について 訂正事項6は、訂正前の請求項9が「請求項1から請求項7のいずれか1項」の記載を引用するものであるところ、「請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項」の記載を引用するものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 よって、訂正事項6は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 そして、訂正事項6は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではないことは明らかである。 したがって、訂正事項6は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するものである。 4 小括 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項並びに同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~9〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件特許の請求項1~9に係る発明(以下、各請求項に係る発明を「本件発明1」~「本件発明9」という。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~9に記載された、以下の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルであって、 前記ガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材と、 前記細長チューブ部材が前記ガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に剛性であるプッシュ部材であって、該細長チューブ部材の近位であり、該細長チューブ部材と作動可能に接続され、かつ該細長チューブ部材よりも長手軸線に沿ってより剛性であり、該細長チューブ部材の断面外径よりも小さい最大断面寸法を有し、かつ前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さであって該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する前記プッシュ部材と、 を含み、 前記細長チューブ部材の近位部分は、前記ガイドカテーテルの遠位部分上に受け入れられ、前記細長チューブ部材の前記遠位端が前記ガイドカテーテルの前記遠位端を越えて延びると前記細長チューブ部材の遠位部分の直径が縮小するように前記細長チューブ部材の遠位部分が収縮することを特徴とするガイド延長カテーテル。 【請求項2】 (削除) 【請求項3】 前記細長チューブ部材は、該細長チューブ部材の長さに沿って、閉鎖位置に向けて付勢された長手方向スリットを含むことを特徴とする請求項1に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項4】 前記細長チューブ部材の前記断面内径は、調節可能であることを特徴とする請求項1又は請求項3に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項5】 前記細長チューブ部材は、形状記憶ブレイズを含むことを特徴とする請求項4に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項6】 前記形状記憶ブレイズは、ニチノールを含むことを特徴とする請求項5に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項7】 前記細長チューブ部材の前記断面内径は、該断面内径が前記ガイドカテーテルの断面外径にほぼ等しくなるまで減少するように構成されることを特徴とする請求項4に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項8】 前記細長チューブ部材及び前記プッシュ部材は、該細長チューブ部材及び該プッシュ部材の長さに沿って少なくとも1つの長手方向溝を含むことを特徴とする請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。 【請求項9】 前記細長チューブ部材は、該細長チューブ部材の遠位端が前記ガイドカテーテルの遠位端の遠位に延ばされる時にステント、ステントカテーテル、又はバルーンカテーテルの形態にある非観血心臓病デバイスの送出のための支持を提供することを特徴とする請求項1、又は請求項3から請求項7のいずれか1項に記載のガイド延長カテーテル。」 第4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について 1 取消理由通知(決定の予告)の概要 請求項1~9に係る特許に対して、当審が令和 7年 3月13日付けで特許権者に通知した取消理由通知(決定の予告)の概要は、次のとおりである。 (1)取消理由(明確性) 請求項1に係る発明及び当該請求項1の記載を引用する請求項3~9に係る発明は、請求項1の「プッシュ部材」についての「該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する」との記載において、「ガイドカテーテルよりも長い」とは、ガイドカテーテルのどこの長さと比較しているのか不明であって、「ガイド延長カテーテル長さ」がどの程度の長さなのか不明であるから、「プッシュ部材」が不明確である。 第5 当審の判断 1 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由についての判断 (1)取消理由(明確性)について 本件訂正により、請求項1において「ガイドカテーテルの長さ」及び「ガイド延長カテーテル長さ」が明確になったから、「前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さであって該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する前記プッシュ部材」は明確となった。 よって、本件訂正により、取消理由は解消した。 (2)小括 よって、本件発明1、3~9は、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由によっては、取り消すことはできない。 2 取消理由に採用しなかった異議申立理由について (1)取消理由に採用しなかった異議申立理由は、次のとおりである。 ア 異議申立理由1(明確性) 本件発明1は、発明外のガイドカテーテルをもって、「前記ガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材」、「前記細長チューブ部材が前記ガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に剛性であるプッシュ部材」とそれぞれ特定するものであるから、本件発明1に係るガイド延長カテーテルの細長チューブ部材の管腔の断面内径のサイズや、プッシュ部材の剛性がどの範囲のものであるのか明確でない。 よって、本件発明1及びこれを含む本件発明3~9に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。 イ 異議申立理由2(新規性) 本件発明1、3、4、9は、甲第2号証(以下「甲2」という。)に記載された発明であるから、請求項1、3、4、9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 ウ 異議申立理由3(進歩性) 本件発明1~9は、甲第1号証(以下「甲1」という。)に記載された発明及び甲第2~4号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 [証拠方法] 甲第1号証:特表2009-524490号公報 甲第2号証:米国特許出願公開第2017/0028170号明細書 甲第3号証:国際公開第2018/030075号(以下「甲3」とい う。) 甲第4号証:特表2015-509030号公報(以下「甲4」という。) (2)取消理由に採用しなかった異議申立理由についての判断 ア 異議申立理由1(明確性) 本件発明1のガイド延長カテーテルは、「予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するための」ものであって、外形上、その細長チューブ部材の管腔サイズとプッシュ部材の剛性が、ガイドカテーテル使用できるものであることを特定している。 具体的には、ガイド延長カテーテルが、その細長チューブ部材がガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔サイズを有しており、かつ、そのプッシュ部材が、細長チューブ部材がガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に剛性となっていること、すなわち、ガイドカテーテルと共に問題なく使用することができるような範囲の細長チューブ部材の管腔サイズとプッシュ部材の剛性を有していることが特定されているのであって、ガイド延長カテーテルの管腔サイズや剛性の範囲を、発明外のガイドカテーテルを比較対象として具体的に特定しようとするものでないことは明らかである。 したがって、本件発明1において、「前記ガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材」及び「前記細長チューブ部材が前記ガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に剛性であるプッシュ部材」は明確である。 以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1、3~9に係る特許は、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではなく、異議申立理由1は理由がない。 イ 異議申立理由2(新規性) (ア)甲2の記載事項 甲2には、次の事項が記載されている。 a「[0013] In accordance with one embodiment of the present disclosure, there is contemplated a guide catheter extension device for use with a standard guide catheter.」(本開示の一実施形態によれば、標準的なガイドカテーテルとともに使用するためのガイドカテーテル延長装置が企図される。) b「[0049] …The extension catheter 12 defines a lumen 28 extending though the distal tip 14, along a body portion 15 of the extension catheter 12, and toward a proximal opening 16 at the other end of the extension catheter 12. The guide catheter extension device 10 further includes a push rod 18 attached to the extension catheter 12 at, or near, the proximal opening 16.」(延長カテーテル12は、遠位先端14を通り、延長カテーテル12の本体部分15に沿って、延長カテーテル12の他端の近位開口部16に向かって延びる内腔28を画定する。ガイドカテーテル延長装置10はさらに、近位開口部16又はその近くで延長カテーテル12に取り付けられるプッシュロッド18を含む。) c「[0050] The extension catheter 12 is preferably formed from a soft, flexible springlike material, such as metal, plastic, or composite structures known to the art.」(延長カテーテル12は、好ましくは、金属、プラスチック、又は当技術分野に公知の複合構造などの、軟らかく、柔軟なバネ状材料から形成される。) d「[0053] The push rod 18 is relatively rigid to allow the surgeon utilizing the device to maneuver the guide catheter extension device to the desired surgical site.」(プッシュロッド18は、装置を利用する外科医がガイドカテーテル延長装置を所望の手術部位まで操作することを可能にするために、比較的剛性が高い。) e「[0054] The guide catheter extension device 10 is formed to an overall length appropriate for its use,….」(ガイドカテーテル延長装置10は、その使用に適した全長に形成される…。) f「[0054] …The guide catheter extension device 10 is, importantly, longer than the guide catheter 20.」(重要なことに、ガイドカテーテル延長装置10はガイドカテーテル20よりも長い。) g 図1A 「 [図:0001434099000001.jpg] 」 図1Aから、本体部分15の断面外径よりも小さい断面寸法のプッシュロッド18が看取される。 (イ)甲2発明 上記a~gから、甲2には次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されている。 「標準的なガイドカテーテル20とともに使用するためのガイドカテーテル延長装置10であって、 内腔28を有する本体部分15を有する延長カテーテル12と、 プッシュロッド18であって、 延長カテーテル12の近位開口部16近くにて延長カテーテル12と接続され、 延長カテーテル12の本体部分15の断面外形よりも小さい断面寸法を有するプッシュロッド18と、 を備え、 ガイドカテーテル延長装置10はガイドカテーテル20よりも長い、 ガイドカテーテル延長装置10。」 (ウ)本件発明1について a 対比・判断 本件発明1と甲2発明とを対比する。 (a)甲2発明の「標準的なガイドカテーテル20」は、標準としてその長さや径などが予め定められていると解されるから、本件発明の「予め定められた長さのガイドカテーテル」に相当する。また、甲2発明の「ガイドカテーテル延長装置10」は、その機能及び構造から、本件発明1の「ガイド延長カテーテル」に相当する。 そうすると、甲2発明の「標準的なガイドカテーテル20とともに使用するためのガイドカテーテル延長装置10」は、本件発明1の「予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテル」に相当する。 (b)甲2発明の「内腔28を有する本体部分15を有する延長カテーテル12」は、本件発明1の「断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材」に相当する。 (c)甲2発明の「延長カテーテル12の近位開口部16近くにて延長カテーテル12と接続され、延長カテーテル12の本体部分15の断面外形よりも小さい断面寸法を有するプッシュロッド18」は、当該「接続」は延長カテーテル12と作動可能であるようにされるものであることは明らかであるから、本件発明1の「該細長チューブ部材の近位であり、該細長チューブ部材と作動可能に接続され、」「該細長チューブ部材の断面外径よりも小さい最大断面寸法を有」する「プッシュ部材」に相当する。 (d)甲2発明の「延長カテーテル12と、」「プッシュロッド18と、を備え」る「ガイドカテーテル延長装置10」の長さは、本件発明1の「前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さ」に相当する。 そして、甲2発明の「ガイドカテーテル延長装置10はガイドカテーテル20よりも長い」ことは、本件発明1の「該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを」「前記プッシュ部材」が「有する」ことに相当する。 (e)そうすると、両者は、 「予め定められた長さのガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルであって、 断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材と、 プッシュ部材であって、該細長チューブ部材の近位であり、該細長チューブ部材と作動可能に接続され、該細長チューブ部材の断面外径よりも小さい最大断面寸法を有し、かつ前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さであって該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する前記プッシュ部材と、 を含む、 ガイド延長カテーテル。」 である点で一致し、次の各点で相違する。 [相違点1] 本件発明1は、細長チューブ部材が「前記ガイドカテーテルを挿入可能である」のに対し、甲2発明は、延長カテーテル12がそのように特定されていない点。 [相違点2] 本件発明1は、プッシュ部材が「前記細長チューブ部材が前記ガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に剛性であ」り、「該細長チューブ部材よりも長手軸線に沿ってより剛性であ」るのに対し、甲2発明は、プッシュロッド18がそのように特定されていない点。 [相違点3] 本件発明1は、「前記細長チューブ部材の近位部分は、前記ガイドカテーテルの遠位部分上に受け入れられ、前記細長チューブ部材の前記遠位端が前記ガイドカテーテルの前記遠位端を越えて延びると前記細長チューブ部材の遠位部分の直径が縮小するように前記細長チューブ部材の遠位部分が収縮する」のに対し、甲2発明は、そのように特定されていない点。 (f)上記(e)のとおり、本件発明1と甲2発明とは相違点1~3を有する。そして、上記相違点1~3に係る事項は、本件特許の出願時における技術常識であって、甲2に記載されているに等しい事項であるということもできない。 したがって、本件発明1は、甲2に記載された発明ではない。 b 小括 よって、本件訂正後の請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものではない。 (エ)本件発明3、4、9について a 対比・判断 本件発明3、4、9は、請求項1の記載を引用するものであるから、上記(ウ)と同様の理由により、甲2に記載された発明ではない。 b 小括 よって、本件訂正後の請求項3、4、9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものではない。 (オ)異議申立理由2についてのむすび 以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1、3、4、9に係る特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものではなく、異議申立理由2は理由がない。 ウ 異議申立理由3(進歩性) (ア)甲1の記載事項 甲1には、次の事項が記載されている。 a「【請求項9】 長形装置用の医療用搬送器具であって、可撓性ロッドと、該ロッドに作動式に連結された管状要素とを含んでおり、該管状要素は先方開口部と、手前開口部と、該先方開口部と該手前開口部とを連結する開口ルーメンとを有しており、該管状要素は長形医療要素上にフィットする迅速交換要素を形成し、該管状要素はサイドポートを有していることを特徴とする医療用搬送器具。」 b「【0001】 本発明は枝状血管網内でのガイドワイヤ、ガイドカテーテルまたは他の介在装置の搬送を提供するカテーテルに関する。本発明はさらに体内の枝状脈管に沿ったガイドワイヤ、ガイドカテーテルまたは他の介在装置の搬送方法にも関する。」 c「【0019】 別実施例ではサポートカテーテルはバルーンまたはステント利用器具のごとき別な介在装置のサポートに使用される。この実施形態はサポートカテーテルと呼称される。サポートカテーテルは一般的に迅速交換形態を有する。サポートカテーテルの管状要素は選択された径を有するガイドカテーテルの通路のために十分な大きさの内部ルーメンを有している。手前セクションは迅速交換セグメントから手前方向に延びている。この手前セクションは十分な剛性を有して、サポートカテーテルをガイドカテーテルに着載させ、そこから外したりするように前進および後退をさせなければならない。この迅速交換セグメントはスリット構造体を有し、迅速交換セグメントをガイドカテーテルまたは介在装置に着載させ、そこから外す。なぜならガイドカテーテルまたは他の介在装置は一般的にガイドカテーテルの端部を越えてサポートカテーテルを前進させることが困難または不可能にしている手前端部に取り付けられたハンドルおよび他の構造物を有するからである。スリットとはガイドカテーテル周辺で迅速交換セグメントを延び出させる一般的に筒状であるルーメンの開口部を提供する構造部のことである。例えばスリットは重なる部分、ロッキング部分等を有することができ、その幾つかの代表的実施例を後述する。」 d「【0023】 医療装置搬送システムは長形医療装置と、ワイヤ上または迅速交換形態にてその長形医療装置に着載されるように設計されている変向・サポートカテーテルとを含む。図1で示すように医療装置搬送システム100は長形医療装置102と、医療用搬送器具104、例えば変向カテーテル/サポートカテーテルとを含む。長形医療装置102は一般的に知られているガイドワイヤ、ガイドカテーテル、バルーンカテーテル、ステント搬送カテーテルまたは他の経皮医療器具でよい。図1で示すように長形医療装置102は曲先端部106を有している。ここで使用するガイドワイヤは固体構造体または中空ルーメンのごとき内部構造あるいはコアワイヤ等の有することができる。図1で示すように医療用搬送器具104はオプションでサイドポート108とハンドル110を有する。」 e「【0024】 迅速交換セグメントまたは単軌道セグメントを備えた経皮医療器具は着載が容易である点で望ましい。図2で示すように医療装置搬送システム116は長形医療装置118と医療用搬送器具120とを含む。長形医療装置118は長形医療装置102に関して解説した医療装置でよい。医療用搬送器具120は迅速交換セグメント122と手前延長部124とを有している。迅速交換セグメント122は迅速交換セグメント内で長形医療装置を通過させる先方ポート126と手前ポート128とを含む。図2で示すように迅速交換セグメント122はオプションでサイドポート130を有する。手前延長部124は長形要素132とオプションであるハンドル134とを含むことができる。長形要素132は管状要素、固体ロッドあるいは他の長形セグメントを含むことができる。固体でフレキシブルなロッドまたはワイヤは選択医療特性のために他の構造物よりも細いために便利である。細いと使用中に血管内で障害に遭遇する可能性が低くなり、細いガイドカテーテルの通路の通過に有利である。使用中に長形要素132は患者外部と患者内の迅速交換セグメント122を連結する。」 f「【0038】 一般的に変向・サポートカテーテルは、例えばステンレス鋼のごとき金属や、ニチノールのごとき合金、あるいはポリエーテルアミドブロック共重合体(PEBAX)、ナイロン(ポリアミド)、ポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネートのごときポリマーあるいは他の生物適合ポリマーを含む生物適合性材料で製造することができる。放射線不透過性はプラチナ・イリジウムまたはプラチナ・タングステンのごときマーカの追加、あるいはポリマー樹脂に硫酸バリウム、三酸化ビスマス、次炭酸ビスマス、粉末タングステン、粉末タンタラム等の放射線防御材料によって達成できる。一般的に変向・吸引カテーテルの異なるセクションは他のセクションとは異なる材料で形成でき、カテーテルのセクションは異なる場所及び/又は特定位置で異なる複数材料で製造することができる。例えば手前延伸ロッド/ワイヤはステンレス鋼のごとき金属で製造できる。迅速交換セグメントに関しては特に重要な1つの材料は金属ワイヤを埋め込んだ熱可塑性ポリマーである。適したポリマーには、例えばポリアミドすなわちナイロンが含まれる。ワイヤは編み込み状、コイル状またはそれらとは異なる方法でいくらかの緊張度を持ってポリマー管体裏材料上に提供することができる。その後にポリマージャケットが載せられる。ポリマーの軟化温度以上で加熱し、続いて冷却するとワイヤはポリマー内に埋め込まれる。裏地とジャケットは同一または異なる材料で提供できる。ポリマーに埋め込むのに適したワイヤは例えば平型ステンレス鋼ワイヤである。このようなワイヤは追加の強度を提供し、併せて柔軟性を維持する。」 g「 [図:0001434099000002.jpg] 」 h「 [図:0001434099000003.jpg] 」 i「 [図:0001434099000004.jpg] 」 j「 [図:0001434099000005.jpg] 」 k「 [図:0001434099000006.jpg] 」 l「 [図:0001434099000007.jpg] 」 (イ)甲1発明 上記a~lから、甲1には次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されている。 「長形医療装置に着載されるように設計されている変向・サポートカテーテルであって、 長形医療装置を通過させる十分な大きさの内部ルーメンと、先方ポート126と手前ポート128とを含む迅速交換セグメント122と、 迅速交換セグメント122から手前方向に延び、他の構造物よりも細い、固体でフレキシブルなロッドまたはワイヤである長形要素132と を備え、 使用中に長形要素132は患者外部と患者内の迅速交換セグメント122を連結する、 変向・サポートカテーテル。」 (ウ)甲3の記載事項 a「【請求項1】 治療用カテーテルが挿入され且つ血管内において前記治療用カテーテルを案内するためのガイディングカテーテルと共に使用され、前記ガイディングカテーテルの基端側開口から挿入されて前記ガイディングカテーテルの先端開口から突出する長さを有し、前記治療用カテーテルの先端部分を治療部位まで案内するサポートカテーテルであって、 前記治療用カテーテルを挿入可能なチューブ状に形成され、前記サポートカテーテルの先端側部分を構成するディスタルシャフトと、 前記サポートカテーテルの基端側部分を構成するプロキシマルシャフトとを備え、 前記プロキシマルシャフトは、前記ディスタルシャフトの基端側部分に変性ポリオレフィン系接着剤によって接続されている、サポートカテーテル。」 b「[0012] <ガイディングカテーテルについて> ガイディングカテーテル4は、血管内においてバルーンカテーテル5及びサポートカテーテル1を案内するためのカテーテルであり、後述するシース7を用いて例えば橈骨動脈8や大腿動脈(図示せず)に挿入される。ガイディングカテーテル4は、ガイディングカテーテル本体11と、Y型コネクタ12とを有している。ガイディングカテーテル本体11は、長尺のチューブ形状になっており、ガイディングカテーテル本体11の中にバルーンカテーテル5及びサポートカテーテル1を挿入できるように構成されている。また、ガイディングカテーテル本体11は、湾曲可能な円筒状の可撓性チューブから成り、湾曲する血管内を押し進めることができるようになっている。更に、ガイディングカテーテル本体11の基端部には、Y型コネクタ12が設けられている。Y型コネクタ12は、本体部分12a及びサイドアーム12bを有しており、サイドアーム12bから薬液や造影剤が注入できるようになっている。また、本体部分12aの先端部分は、ガイディングカテーテル本体11の基端部に取付けられている。更に、本体部分12aは、その基端に基端側開口12cを有しており、その基端側開口12cからバルーンカテーテル5及びサポートカテーテル1を挿入できるようになっている。」 c「[0022] <サポートカテーテルの使用方法について> 以下では、PCIにおいて橈骨動脈からアプローチする方法について図1を参照しながら説明する。この方法では、前述するサポートカテーテル1、ガイディングカテーテル4、バルーンカテーテル5及びガイドワイヤ25が用いられる。PCIでは、まず施術者が橈骨動脈8を図示しない針で穿刺し、穿刺箇所にシース7を挿入する。その後、シース7を通じてガイディングカテーテル4が橈骨動脈8に挿入される。挿入した後、ガイディングカテーテル4は、その先端側開口4aが大動脈弓9を通って冠動脈2の入口2aに達するまで推し進められ、先端側開口4aが入口2aに達するとガイドワイヤ25を挿入して、ガイディングカテーテル4の基端側開口4bからサポートカテーテル1が挿入される。サポートカテーテル1は、施術者によって押し引きされながら、その先端側部分1aが先端側開口4aから突出するまで、ガイドワイヤ25に案内されながらガイディングカテーテル4内を押し進められる。これにより、サポートカテーテル1の先端側部分1aが冠動脈2内に挿入され、更に狭窄部3に達する。」 d「 [図:0001434099000008.jpg] 」 (エ)甲4の記載事項 a「【0001】 本発明は医療装置及びその医療装置を製造する方法に関する。特に、本発明は延長型のガイドカテーテルを有する長尺状の体内式医療装置に関する。」 b「【0017】 図3は延長型のガイドカテーテル14の側面の断面図を示す。図3を参考すると、ガイドカテーテル14はプッシュメンバー16を有する。プッシュメンバー16は近位部18、遠位もしくはリボン部20を有する。近位部18は、ここで定義された管腔22を有する。いくつの実施形態において、管腔22は近位部18の全長に沿って延びる。他の実施形態において、管腔22は単に近位部18の長さの一部に沿って延びる。更に、近位部18は、近位及び遠位の開口部(例えば、近位部18の近位端及び遠位端に設置される)を有するため、管腔22は両端において開口している。又、近位部18の一端もしくは両端は閉じていてもよいし、あるいは封止されていてもよい。例えば、近位部18の遠位端は閉じてもよい。いくつかの実施例及び他の実施例において、近位部18は、近位部18の壁面内に形成し、近位部18の近位端及び/もしくは遠位端から離れた位置に形成した開口部もしくはポート(図示せず)を有してもよい。ポートは管腔22と流体的に連絡していてもよいし、連絡していなくてもよい。ハブ24は近位部18に取付けてもよい。 … 【0019】 遠位シース26はプッシュメンバー16のリボン部20に接合されている。リボン部20及び遠位シース26の間の取り付け部の配置及び/もしくは構造は変更してもよい。例えば、遠位シース26はそれのチューブ壁内に形成した開口部もしくは管腔を有し、リボン部20は、開口部内に配置される。これはリボン部20を局部的に絞りもしくは全体的に絞り、局部的に絞られた部分を開口部に挿入することを含む。いくつの実施例において、リボン部20を開口部に挿入することは機械的結合によって、プッシュメンバー16を遠位シース26に挿入することを確保する。いくつの実施例及び他の実施例において、医療装置に一般的に用いられるそれらの結合機構(例えば、接着結合、溶接、熱結合、鑞付けなど)を含む付加結合及び/もしくは代替結合は利用されてもよい。プッシュメンバー16を遠位シース26に接合する他の取付け機構も考えられる。その他の取付け機構は直接結合(例えば、接着結合、熱結合、溶接、鑞付けなど)を含み、結合は第三要素(例えば、リボン部20及び遠位シース26の間に接合される金属もしくはポリマーカラー)等によって容易になる。」 c「【0043】 図19は本明細書に記載された延長型のガイドカテーテルのうち何れかを用いる他の配置を示す。本実施例によれば、移動可能なプッシュメンバー1046は、ここに形成したチャンネルもしくは管腔1052を有するチューブの形式を採用する。管腔1052は、リボンメンバー1016を収容するように構成される。ジップシーム1058は、移動可能なプッシュメンバー1046内に形成される。移動可能なプッシュメンバー1046は、ユーザがリボンメンバー1016をチャンネル1052へ移入し、そしてチャンネル1052から移出することを許容するために、上方へ開口するように構成される。例えば、ジップシーム1058は、プッシュメンバー1046に対して、リボンメンバー1016がより容易に離間されるために(例えば、から取り除かれる)、広げるように構成され、もしくは、開口するように構成される。いくつの実施例において、ジップシーム1058の近傍の周縁部は互いに接触している。他の実施例において、ジップシーム1058の周縁部の間において、隙間を形成してもよい。」 d「 [図:0001434099000009.jpg] 」 e「 [図:0001434099000010.jpg] 」 f「 [図:0001434099000011.jpg] 」 g「 [図:0001434099000012.jpg] 」 h「 [図:0001434099000013.jpg] 」 (オ)本件発明1について a 対比・判断 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (a)甲1発明の「長形医療装置」は、その機能及び構造から、本件発明1の「ガイドカテーテル」に相当し、以下同様に、 「迅速交換セグメント122」は「細長チューブ部材」に、 「長形要素132」は「プッシュ部材」に、 「変向・サポートカテーテル」は「ガイド延長カテーテル」に、 それぞれ相当する。 (b)甲1発明の「長形医療装置に着載されるように設計されている変向・サポートカテーテル」は、変向・サポートカテーテルが長形医療装置と共に使用されるから、本件発明1の「ガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテル」に相当する。 (c)甲1発明の「長形医療装置を通過させる十分な大きさの内部ルーメン」「を含む迅速交換セグメント122」は、本件発明1の「前記ガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材」に相当する。 (d)甲1発明の「長形要素132」が「迅速交換セグメント122から手前方向に延び」る態様は、本件発明1の「プッシュ部材」が「該細長チューブ部材の近位であ」る態様に相当する。 よって、甲1発明の「迅速交換セグメントから手前方向に延び、他の構造物よりも細い、固体でフレキシブルなロッドまたはワイヤであ」り、「使用中に」「患者外部と患者内の迅速交換セグメント122を連結する」「長形要素132」は、固体である長形要素132が所定の剛性を有することは技術常識であることを踏まえれば、本件発明1の「剛性であるプッシュ部材であって、該細長チューブ部材の近位であり、該細長チューブ部材と作動可能に接続され、」「該細長チューブ部材の断面外径よりも小さい最大断面寸法を有」する」「前記プッシュ部材」に相当する。 (e)そうすると、両者は、 「ガイドカテーテルと共に使用するためのガイド延長カテーテルであって、 前記ガイドカテーテルを挿入可能である断面内径を有する管腔を定める細長チューブ部材と、 剛性であるプッシュ部材であって、該細長チューブ部材の近位であり、該細長チューブ部材と作動可能に接続され、該細長チューブ部材の断面外径よりも小さい最大断面寸法を有する、前記プッシュ部材と、 を含む、 ガイド延長カテーテル。」 である点で一致し、次の各点で相違する。 [相違点4] 本件発明1は、ガイドカテーテルが「予め定められた長さ」を有するのに対し、甲1発明は、長形医療装置がそのように特定されていない点。 [相違点5] 本件発明1は、プッシュ部材が、「前記細長チューブ部材が前記ガイドカテーテルの上で押圧されることを可能にするほど十分に」、「かつ該細長チューブ部材よりも長手軸線に沿ってより剛性であり、」「前記プッシュ部材の近位端から前記細長チューブ部材の遠位端までのガイド延長カテーテル長さであって該細長チューブ部材の長さと組み合わせた時に該ガイドカテーテルの近位端から遠位端までの長さよりも長い該長手軸線に沿ったガイド延長カテーテル長さ、を形成するような長さを有する」のに対し、甲1発明は、長形要素132がそのように特定されていない点。 [相違点6] 本件発明1は、「前記細長チューブ部材の近位部分は、前記ガイドカテーテルの遠位部分上に受け入れられ、前記細長チューブ部材の前記遠位端が前記ガイドカテーテルの前記遠位端を越えて延びると前記細長チューブ部材の遠位部分の直径が縮小するように前記細長チューブ部材の遠位部分が収縮する」のに対し、甲1発明は、そのように特定されていない点。 (f)事案に鑑み、まず相違点6について検討する。 甲1発明は、長形医療装置と共に使用される、迅速交換セグメント122と長形要素132とを備えた変向・サポートカテーテルであるところ、上記相違点6に係る本件発明1の事項を備えるものではない。 そして、甲2~4のいずれにも当該事項は記載されておらず、また、甲2~4の記載から当業者が容易に当該事項を想到し得たということもできない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2~4の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 b 小括 よって、本件訂正後の請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 (カ)本件発明3~9について a 対比・判断 本件発明3~9は、本件発明1の発明特定事項をすべて含む発明であるから、上記(オ)と同様の理由により、甲1発明及び甲2~4の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。 b 小括 よって、本件訂正後の請求項3~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 (キ)異議申立理由3についてのむすび 以上のとおりであるから、本件訂正後の請求項1、3~9に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではなく、異議申立理由3は理由がない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件発明1、3~9に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明1、3~9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、本件訂正前の請求項2は本件訂正により削除されたため、請求項2についての特許異議の申立ては、不適法なものであり、その補正をすることができないから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700329

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