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特許異議申立

2024-700292

ブース

審判番号
2024-700292
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-195813
登録番号
7355101
請求日
2024年04月01日
審決日
2025年04月28日
公報発行日
2025年09月26日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】コクヨ株式会社
  • 【権利者代理人】赤澤 一博
  • 【権利者代理人】宮澤 岳志
  • 【異議申立人】木村 嘉弘
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 西田 秀彦
  • 審判官 有家 秀郎
分類
P1651.121-YAA(E04H)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第4項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7355101号発明「ブース」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7355101号の特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。 特許第7355101号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7355101号の請求項1ないし6に係る特許についての出願(以下、「本件出願」という。)は、平成29年2月23日に出願された特願2017-32026号(以下、「最初の原出願」という。)の一部を、令和3年1月13日に新たな特許出願とした特願2021-3300号(以下、「本件原出願」という。)の一部を、令和3年12月2日に新たな特許出願としたものであり、令和5年9月25日にその特許権の設定登録がされ、同年10月3日に特許掲載公報が発行された。 その後、令和6年4月1日に、特許異議申立人 木村 嘉弘(以下、「申立人」という。)より特許異議申立書(以下、「申立書」という。)が提出され、請求項1ないし6に係る特許に対して、特許異議の申立てがされた。 本件特許異議の申立て以降の経緯の概要は、次のとおりである。 令和6年 4月 1日 特許異議の申立て 同年 7月18日付け 取消理由通知書 同年 9月20日 特許権者より意見書及び訂正請求書の提出 同年10月11日付け 訂正拒絶理由通知書 同年11月13日 特許権者より意見書及び手続補正書の提出 同月25日付け 取消理由通知書(決定の予告) 令和7年 1月24日 特許権者より意見書及び訂正請求書の提出 なお、令和6年9月20日にされた訂正の請求は、令和7年1月24日に新たな訂正の請求がされたことにより、取り下げられたものとみなす(特許法120条の5第7項)。 また、当審から令和7年2月6日付けで、申立人に対して意見書提出の期間を指定して、同年1月24日の訂正請求があった旨の通知(特許法第120条の5第5項)を行ったが、当該期間内に申立人から意見書の提出はなかった。 第2 訂正の適否 1 訂正請求の趣旨と訂正の内容 令和7年1月24日付け訂正請求書(以下、「本件訂正請求書」という。)による訂正請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、特許第7355101号の特許請求の範囲及び明細書を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、」と記載されているのを、「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、」に訂正する。(請求項1を引用する訂正後の請求項2-4及び6も、同様に訂正する。) (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項5に「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、」と記載されているのを、「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、」に訂正する。(請求項5を引用する訂正後の請求項6も、同様に訂正する。) (3)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落0009に「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、」と記載されているのを、「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、」に訂正する。 (4)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落0015に「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、」と記載されているのを、「・・・当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、」に訂正する。 (5)訂正事項5 願書に添付した明細書の段落0057に記載された「上述したブースは、フレームと区画面材とによって構成されたものを示したが、このようなものに限定されるものではない。例えば、ブースを、フレーム機能及び区画面材機能を兼ねたシェル状の部材を主体にして構成したものであってもよい。しかしながら、上述した実施形態に示すものであれば、フレームに対して、種々の区画面材を適用することができるため、電気系装置の取り付けやデザイン変更等の仕様変更に柔軟に対応しやすいものとなっている。」を、「上述したブースは、フレームと区画面材とによって構成されたものである。上述した実施形態に示すものであれば、フレームに対して、種々の区画面材を適用することができるため、電気系装置の取り付けやデザイン変更等の仕様変更に柔軟に対応しやすいものとなっている。」に訂正する。 2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項追加の有無、独立特許要件、及び訂正の単位について (1)訂正事項1について ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明について、フレームの構成、内側パネルの構成及びディスプレイ装置の配設について限定する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アで説示したとおり、訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項追加の有無について 願書に添付された明細書、特許請求の範囲及び図面(以下、「本件明細書等」という。)の段落【0025】及び【0026】には、「フレームH」が「右・左の側フレーム部h1を備えている」こと、「右・左の側フレーム部h1」が「底壁対応部分h11の前端から上方に延びる前壁対応部分h12」を備えていること、「フレームHは、右・左の側フレーム部h1における前壁対応部分h12間に架設された」「上段」「の前面側架設フレーム部」「h2b」を備えていることが、記載されている。 本件明細書等の段落【0031】には、「前面材部i4」の「内側パネルi42」は「上段、中段の前面側架設フレーム部h2b、h2cを挟むようにして外側パネルi41の内面側に設けられている」ことが、記載されている。 本件明細書等の段落【0044】には、「前壁1の内面における天板Kよりも上の位置には、タッチパネル式のディスプレイ装置Lが配設されている」ことが、記載されている。 本件明細書の【図5】及び【図7】の図示より、「ディスプレイ装置L」は「上段」の「前面側架設フレーム部h2b」に取り付けられると理解される。 したがって、訂正事項1により限定された内容は、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項である。 エ 独立特許要件について 本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし6について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項1において、請求項1、及び請求項1を引用する請求項2~4及び6について、特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項1~4及び6に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。 (2)訂正事項2について ア 訂正の目的について 訂正事項2は、訂正前の請求項5に係る発明について、訂正事項1と同様の限定を行う訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 上記アで説示したとおり、訂正事項2は、訂正前の請求項5に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項追加の有無について 訂正事項2により限定された内容と同じ内容である、訂正事項1により限定された内容は、上記(1)ウに示したとおり、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項であるから、訂正事項5により限定された内容は、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項である。 エ 独立特許要件について 本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし6について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項2において、請求項5、及び請求項5を引用する請求項6について、特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項5及び6に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。 (3)訂正事項3及び訂正事項4について ア 訂正の目的について 訂正事項3及び訂正事項4は、明細書の段落【0009】及び【0015】の記載を、訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の請求項1の及び請求項5の記載に整合させるものであるから、特許法120条の5第2項ただし書3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項3及び訂正事項4は、上記アで説示したとおり、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させる、明瞭でない記載の釈明を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項追加の有無について 訂正事項3及び訂正事項4は、上記アで説示したとおり、明細書の段落【0009】及び【0015】の記載を、訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の請求項1の及び請求項5の記載に整合させるものであるところ、上記(1)ウ及び上記(2)ウで説示したとおり、訂正事項1及び訂正事項2に係る訂正内容が、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項であるから、訂正事項3及び訂正事項4に係る訂正内容は、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項である。 (4)訂正事項5について ア 訂正の目的について 訂正事項5は、明細書の段落【0057】の記載のうち、訂正事項1及び訂正事項2により訂正された特許請求の範囲の請求項1の及び請求項5の記載と整合しないこととなる変更例の記載を削除して、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、特許法120条の5第2項ただし書3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否について 訂正事項5は、上記アで説示したとおり、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させる、明瞭でない記載の釈明を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 ウ 新規事項追加の有無について 訂正事項5は、上記アで説示したとおり、明細書の段落【0057】の記載のうち、訂正事項1及び訂正事項2により訂正された請求項1の及び請求項5の記載と整合しないこととなる変更例の記載を削除するものんであるから訂正事項5に係る訂正内容は、本件明細書等に記載された全ての事項を総合することにより導出される事項である。 (5)訂正の単位について 本件訂正前の請求項1~4及び6について、請求項2~4及び6は、請求項1を直接又は間接的に引用しているから、訂正事項1により訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。 本件訂正前の請求項5及び6について、請求項6は、請求項5を引用しているから、訂正事項2により訂正される請求項5に連動して訂正されるものである。 そして、本件訂正前の請求項1~4及び6と、本件訂正前の請求項5及び6とは、共通する請求項6を介して、一体として連関しているから、本件訂正前の請求項1~6は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。 したがって、訂正事項1~5により、本件訂正前の請求項1~6に係る発明についてする本件訂正は、一群の請求項[1-6]に係る発明について、訂正をするものである。 (6)申立人の主張について 申立人は、本件訂正の適否について、意見を述べる意見書を提出していない。 3 小括 以上のとおり、本件訂正請求による訂正事項1~5は、特許法120条の5第2項ただし書1号または3号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-6〕について、本件訂正を認める。 第3 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は全て認められたので、本件特許の請求項1~6に係る発明(以下、各々を「本件発明1」等といい、請求項1~6に係る発明をまとめて「本件発明」という。)は、令和7年1月24日に提出された訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の、請求項1~6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。 なお、当審において適宜分説を付し、改行を加えた。分説の記号について、各請求項間で同じ構成には同じ記号(構成A等)とし、各請求項間で類似する構成には類似する記号(構成F1、構成F5等)とした。 「【請求項1】 A:内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、 B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、 C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の一側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の他側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、 D:前記ブース空間が、平面視において略正方形状をなしており、 E:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、 F1:前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられており、 G:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、 H:保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、 I:前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、 J:前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、 K:前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、 L:前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、 M:前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、 N::前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものである ブース。 【請求項2】 O:前記天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたものである 請求項1記載のブース。 【請求項3】 P:前記天板の先端縁が、側面視において前記固定面材部よりも後に位置したものである 請求項1又は2記載のブース。 【請求項4】 Q4:前記天板が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものである請求項1、2又は3記載のブース。 【請求項5】 A:内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、 B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、 C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の一側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の他側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、 D:前記ブース空間が、平面視において略正方形状をなしており、 E:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、 F5:前記前壁の内面に天板が設けられており、 R:前記ブース空間における上面側の全部を覆う天壁を備えたものであり、この天壁の内面に照明装置が設けられており、 G:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、 Q5:前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、 H:保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、 I:前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、 J:前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと上下に独立して配された内側パネルとを主体に構成されており、 K:前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたものであり、 L:前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているものであり、 M:前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるものであり、 N:前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものである ブース。 【請求項6】 S:前記天板の前後寸法が、前記ブース空間における前後寸法の半分以下に設定されたものである 請求項1、2、3、4又は5記載のブース。」 第4 証拠方法、特許異議申立理由の要旨、及び先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の要旨 1 証拠方法 申立人が提示する証拠は、以下のとおりである。なお、以下では甲第1号証、甲第2号証等を、それぞれ「甲1」、「甲2」等という。 甲1: 特開昭63-289172号公報 (昭和63年11月25日公開) 甲2: 特開2014-37671号公報 (平成26年2月27日公開) 甲3: 特開2016-89519号公報 (平成28年5月23日公開) 甲4: 米国特許第5802778号公報 (1998年9月8日公開) 2 特許異議申立理由の要旨 申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。 特許異議申立理由:甲1を主たる証拠とした進歩性の欠如 本件特許の請求項1ないし6に係る発明は、甲1に記載された発明、及び、甲2ないし甲4に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 3 先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の要旨 本件特許の請求項1ないし6に係る発明は、甲1に記載された発明、及び、甲2ないし甲4に示される周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 第5 当審の判断 特許異議申立理由、及び先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由は、いずれも甲1を主たる証拠とした進歩性の欠如である。 以下、本件訂正がされた本件発明1~6について、甲1を主たる証拠とした進歩性について判断する。 1 証拠について 甲1には、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。 (ア)発明の詳細な説明 「A.この発明は、勉強に集中出来るカプセル型の小型専用勉強部屋に関する。 B.従来の技術 一般に、勉強部屋といえるものは全んどなく、個室又は共同部屋の一隅に机、椅子を配置しただけで、せいぜいカーテンか間仕切で区分してあるのが現状であって、個別の純勉強部屋がないことを発見した。 ・・・ D.問題を解決するための手段 (1) 室内に独立した勉強部屋として設置する組立式の密閉箱型で、換気装置、照明、机、椅子を内蔵する、ミニサイズのカプセル型勉強部屋を作った。 ・・・・ E.発明の効果 (1) 住宅事情に適合した個室型の超小型専用勉強部屋の発明で、その特長を列記すると ・・・ d. 壁面に囲まれた小部屋なので、安堵感があり、集中力を増す。物理的にも、感覚的にも完全に遮断されて、ガードされた空間で、例えば、家中の室の中で、トイレが一番安堵感があり、雑念の入らない室であると言われるのも納得のゆくところである。」 (イ)図面の図示 a 第1図 「 [図:0001426806000001.jpg] 」 b 第2図 「 [図:0001426806000002.jpg] 」 イ 図面の図示より看取される事項 上記ア(イ)の図示より、組立式でミニサイズの小部屋に関し、次の事項が看取される。 ・個室型のガードされた空間は、略直方体である。 ・個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3を有する。 ・前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されている。 ・個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され、扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる面状部(以下、「右壁面前部領域面状部」という。)と、を有する。 ・扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、扉10には右外側に向かう引き手が設けられているから、扉10は外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない。 ・前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられている。 ・板状の机8の手前側縁は、前面壁3と略並行をなしており、手前側縁の左右方向の全体が右壁面前部領域面状部より後に位置している。 ・板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長い。 ・板状の机8の前後寸法は、個室型のガードされた空間の前後寸法の略半分である。 ・個室型のガードされた空間の上面側に、全面を覆い排気口5を有する覆う天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている。 ウ 記載された発明 上記ア及びイより、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「室内に独立して設置する組立式でミニサイズの小部屋であって、 壁面に囲まれた個室型のガードされた空間を形成し、 個室型のガードされた空間は、略直方体であり、個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3を有し、 前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されており、 個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し、 扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、扉10は右外側に向かう引き手が設けられ外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しないものであり、 前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられており、 板状の机8の手前側縁は、前面壁3と略並行をなしており、手前側縁の左右方向の全体が右壁面前部領域面状部より後に位置し、 板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、 板状の机8の前後寸法は、個室型のガードされた空間の前後寸法の略半分であり、 個室型のガードされた空間の上面側に、全面を覆い排気口5を有する天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている、 組立式でミニサイズの小部屋。」 (2)甲2 ア 記載事項 甲2には、次の記載がある。 (ア)明細書 a 「【0002】 オフィスやショールーム、展示会場等において、室内の空間を天井より低い高さのブース装置で仕切ってその内部で執務やミーティング、商談等を行うことは広く行われている。このブース装置の態様は様々であり、例えば高さで見ると、一般成人の身長より低い壁で仕切った低いタイプと、一般成人の身長よりも高い壁で仕切った高いタイプとに大別され、外部との遮蔽性で見ると、ドアを備えていないオープン方式とドアを備えた密閉方式(クローズド方式)とに大別される。低いタイプはオープン方式になっていることが多く、高いタイプは部屋や個室に近くなるため密閉方式になっていることが多い(例えば特許文献1)。」 b 「【0009】 本願発明は、屋内又は屋外に設置されるブース装置とこれに使用する天井部ユニットとを含んでいる。このうちブース装置は、請求項1のとおり、床に設置されて上向き開放の内部空間を形成する周壁と、前記内部空間から上向きに放散する音を減衰させる吸音性天井部とを有しており、前記周壁には出入り口を設けている一方、前記天井部は安定した姿勢の吸音材を主要材として構成されていて上下に開口した空隙が存在するように平面視で格子状その他の多孔状の形態を成しており、平面視での空隙の総和を前記内部空間の平面積の半分以上に設定している。」 c 「【0023】 (1).第1実施形態の構造 次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態から説明する。本願実施形態のブース装置は、内部に人が1人又は数人入ることができる程度の大きさであり、建物の広いスペースに設置して商談やミーティング、通常の執務、web会議、仮眠などの各種の用途に使用できる。スモールオフィスとしても好適である。 【0024】 ブース装置は、4つの側面を有して上向きに開放された平面視四角形の周壁1と、周壁1の上端部に取り付けた天井部2とを有しており、周壁1の内部空間3は天井部2で上から覆われている。周壁1を構成する1つの壁に出入り口4を設けており、出入り口4には水平回動式のドア5を配置している。なお、周壁1は本体部と呼ぶことも可能である。図1に示すように、周壁1を構成する各面のうち一部又は全部にガラス窓6を設けることも可能である。 【0025】 図3及び図7(A)に示すように、周壁1は骨組みを有しており、骨組みは、4本のコーナー支柱7とこれに固定されたエンド支柱8、隣り合ったエンド支柱8の間に背中合わせに配置された中間支柱9、エンド支柱8と中間支柱9との上端に連結された水平姿勢の天枠体(笠木)10とを有している。従って、周壁1の上面は天枠体10で構成されている。コーナー支柱7とエンド支柱8と中間支柱9との下端を下枠体で連結することも可能である。 【0026】 コーナー支柱7は四角形の角管構造になっている一方、エンド支柱8と中間支柱9とは幅広部8a,9aと幅狭部とを有する平面視略T形になっており、エンド支柱8の幅広部8aはコーナー支柱7に外面に溶接で固定されており、2本の中間支柱9はその幅広部9aが重なるように背中合わせに配置されていて、両者は溶接で固定されている。 【0027】 周壁1は壁パネル(壁体)11を有していくる。壁パネル11は、鋼板等の金属板より成る表面板12の間に心材13を挟んだ構造になっている。心材13は、ロックウールや石膏等の無機材、或いはウレタン又はスポンジのような発泡樹脂など各種のものを採用できる。壁パネル11の外側のみを金属製表面板で構成して、その内面に吸音性の高い素材を貼り付けることも可能である。勿論、壁パネル11の外面と内面との両方をスポンジ材等の吸音材で構成することも可能である。ドア5は、ヒンジ(図示せず)を介して中間支柱9に取り付けられている。 【0028】 図7(C)に示すように、天枠体10は中空の押し出し品を採用しており、その両端部はエンド支柱8及び中間支柱9に嵌まるように部分的に切除されている。天枠体10のうち内部空間3の側と外部空間の側とには、上向き開口溝14を形成している。 【0029】 図1及び図6から理解できるように、天井部2は平面視長方形の2つの天井部ユニット16で構成されている。図4,5から容易に理解できるように、天井部ユニット16は、上下に開口した平面視長方形の外枠17と、外枠17の内部に縦横に整列して交叉姿勢に配置した第1芯板18及び第2芯板19の群と、第1芯板18に上から嵌め込まれた第1吸音シート20の群と、第1吸音シート20及び第1芯板18に上から嵌め込まれた第2吸音シート21の群とから成っている。」 (イ)図面の図示 a 【図1】 「 [図:0001426806000003.jpg] 」 b 【図3】 「 [図:0001426806000004.jpg] 」 c 【図7】(A) 「 [図:0001426806000005.jpg] 」 イ 図面の図示より看取される事項 上記ア(ア)の記載を踏まえると、上記ア(イ)の【図1】、【図3】及び【図7】(A)の図示より、コーナー支柱7等からなる骨組みに取り付けられた壁パネル11は、外側の表面板12及び内側の表面板12を有することが、看取される。 また、上記ア(ア)の記載を踏まえると、上記ア(イ)の【図3】より、ドア5がない面の周壁1の壁パネル11は、各面について、エンド支柱8と中間支柱9の間の2枚で構成される様子が、看取される。 (3)甲3 甲3には、次の記載がある。 ア 明細書 (ア)「【発明を実施するための形態】 【0015】 以下、本発明の浴室ユニットの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る浴室ユニット1を示す側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る浴室ユニット1において、内壁材16及び外壁材18を取り外した状態を示す側面図である。 【0016】 浴室ユニット1の主に壁の構成について説明する。なお、浴室ユニット1に用いられる浴槽等の他の構成については、一般的な構成と同様であるため、説明を省略している。 図1及び図2に示すように、第1実施形態の浴室ユニット1は、床材11と、床材11の上面に配置されるフレーム体12と、フレーム体12の上部に取り付けられる天井材13と、フレーム体12の内側に取り付けられる内壁材16と、内壁材隙間埋め部材としての内壁材側モール17と、フレーム体12の外側に取り付けられる外壁材18と、外壁材隙間埋め部材としての外壁材側モール19と、を備える。なお、フレーム体12の内側とは、フレーム体12における床材11とフレーム体12とで囲まれた空間側を意味する。」 (イ)「【0018】 フレーム体12は、外形が全体として直方体形状の枠体で構成される。フレーム体12は、床材11の外周における上面側に床材11の各角部それぞれから立設される全部で4本の縦フレーム(フレーム部材)121と、4本の縦フレーム121における隣り合うフレーム同士を縦フレーム121の上端部において繋ぐように配置された4本の横フレーム122と、複数のバー部材15と、を有する。 縦フレーム121及び横フレーム122は、断面が方形の管状に構成される。床材11と4本の縦フレーム121とは、接続部材(不図示)を介して接続され又は溶接により接続される。4本の縦フレーム及び4本の横フレームは、接続部材(不図示)を介して接続される又は溶接により接続される。」 (ウ)「【0021】 内壁材16は、床材11と天井材13との間において、フレーム体12の内側に取り付けられる。内壁材16は、板状に形成され、上下方向に延びる。内壁材16の上端部は、天井材13の下方側において、天井材13から離間して配置される。内壁材16は、浴室ユニット1の内壁を構成する。内壁材16は、バー部材15に着脱可能に取り付けられることにより、フレーム体12に対して着脱可能である。」 (エ)「【0028】 外壁材18は、フレーム体12の外側に取り付けられる。外壁材18は、板状に形成され、上下方向に延びる。外壁材18の上端部は、浴室ユニット1に隣接する部屋30の天井材31の下方側において、隣接する部屋30の天井材31から離間して配置される。浴室ユニット1に隣接する部屋30の天井材31は、例えば、浴室ユニット1と反対側の端部において、接続板材322を介して、ネジ部材321により、家の構造物に取り付けられている(固定されている)。外壁材18は、浴室ユニット1に隣接する部屋30の内壁を構成する。見方を変えると、浴室ユニット1に隣接する部屋30の内壁は、外壁材18により構成され、浴室ユニット1の外壁とみなすこともできる。外壁材18は、バー部材15に着脱可能に取り付けられることにより、フレーム体12に対して着脱可能である。」 イ 図面の図示 【図2】 「 [図:0001426806000006.jpg] 」 (4)甲4 甲4には、次の記載がある。なお、英文の後に括弧書きで当審が作成した日本語訳を付した。また、明細書の記載箇所について、第1欄の行数は上から数え、第2欄以降については各欄の横に5行毎に付された行番号に依拠した。 ア 明細書 (ア)第1欄第2行-第12行 「 FIELD OF THE INVENTION This invention relates to a self-contained workstation and, more particularly, to a transportable workstation which includes a multi-panel wall structure defining a workstation area that is enclosed by a door assembly and a flexible overhead canopy. BACKGROUND OF THE INVENTION Conventional wall panels are frequently used to subdivide large open office areas into a plurality of individual workstations which are then provided with office components such as work surfaces, shelves and the like.」 ( 発明の分野 本発明は、内蔵型ワークステーションに関し、より詳細には、ドアアセンブリおよび柔軟な頭上の天蓋によって囲まれたワークステーション領域を区画する複数パネルの壁構造を含む可搬型ワークステーションに関する。 発明の分野従来の壁パネルは、広く開放されたオフィスエリアを複数の個別のワークステーションに区画するために頻繁に使用され、その後に個別のワークステーションには、デスクや棚などのオフィス用品が設けられる。) (イ)第2欄第65行-第3欄第3行 「Referring to FIGS. 1 and 2, the invention relates to a self-contained workstation or work nest 10 having a multi-panel divider wall or screen 12 which defines a workstation area 13 and includes a multi-panel door assembly 14 hingedly connected along one vertical edge to the divider wall 12.」 (図1及び図2を参照して、本発明は、自己完結型ワークステーション10に関する。自己完結型ワークステーション10は、複数パネルの区画壁(または区画スクリーン)12を含む。区画壁12は、ワークステーション領域13を規定し、また複数パネルのドアアセンブリ14を含む。 ドアアセンブリ14は、区画壁12のうち上下方向に沿う端部に沿ってヒンジ式で接続されている。) (ウ)第3欄第19行-第24行 「More particularly, the divider wall 12 of this workstation arrangement 10, includes three separate and substantially identical upright wall panels 17 (FIG. 2) disposed with adjacent side edges substantially abutting one another so that the panels 17 are effectively joined in series as generally illustrated in FIG. 2.」 (より具体的には、このワークステーション10の区画壁12は、互いに分離され且つ実質的に同一の三枚の直立パネル17を含む(図2)。直立パネル17は、端部同士が互いに隣接し、図2の通り連続した状態で効果的に接続されている。) (エ)第3欄第41行-第48行 「Each divider wall panel 17 of this invention effectively defines three distinct and unique panel sections, namely a lower panel section 21 which extends upwardly from adjacent the floor, an intermediate panel section 22 which extends generally vertically upwardly from an upper edge of the lower panel section 21, and an upper panel section 23 which extends vertically upwardly from an upper edge of the intermediate section 22.」 (本発明の区画壁パネル17の各々は、互いに区別可能な固有の三つのパネルセクションを規定する。すなわち、床から上方に延在する下部パネルセクション21と、下部パネルセクション21の上端から垂直上向きに延在する中間パネルセクション22と、中間セクション22の上端から垂直上向きに延在する上部パネルセクション23とが規定される。) (オ)第3欄第58行-第63行 「The lower panel section 21 is dimensioned so that the upper edge thereof extends to an elevation which is approximately considered to be worksurface or desk height as can be seen with respect to the hanging worksurface 25 (FIG. 10), which is for example disposed at a height of about 28 inches above the floor.」 (下部パネルセクション21は、吊り下げ型の作業面25(図10)に関して見られるように、その上端がほぼ作業面又はデスクの高さ、例えば床から28インチの高さとなるように、延在している。) イ 図面の図示 (ア)第2図 「 [図:0001426806000007.jpg] 」 (イ)第10図 「 [図:0001426806000008.jpg] 」 2 対比・判断 (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 甲1発明における「室内に独立して設置する組立式でミニサイズの小部屋」は、本件発明1における「ブース」に相当する。 甲1発明において、「組立式でミニサイズの小部屋」が「壁面に囲まれた個室型のガードされた空間を形成」する構成は、本件発明1において、「ブース」が「内部に使用者を収容可能なブース空間を有」する構成Aの前半部、及び、「単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成」する構成Bに、相当する。 甲1発明において、「個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3」を有する構成は、本件発明1において、「前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の一側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の他側面側を覆う第二の側壁とを具備」する構成Cの前半部分に相当する。 甲1発明において、「前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されて」いる構成は、本件発明1において、「前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成された」構成Cの後半部分に相当する。 甲1発明において、「個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し」ており、「扉10は右外側に向かう引き手が設けられ外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない」構成は、本件発明1において、「前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えた」構成Eに相当する。 甲1発明において、「前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられて」いる構成は、本件発明1において、「前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられて」いる構成F1に相当する。 甲1発明において、「扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長」い構成は、本件発明1において、「前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたもの」である構成Gに相当する。 整理すると、本件発明1と甲1発明とは、次の点で一致する。 <一致点> A’:内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、 B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、 C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の一側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の他側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、 E:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、 F1:前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられており、 G:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものである、 ブース。 そして、本件発明1と甲1発明とは、次の点で相違する。 <相違点1> 「ブース」の設置に関し、 本件発明1においては、構成Aより、「オフィスや公共的なスペースに設置される」と特定されているのに対し、 甲1発明においては、そのように特定されていない点。 <相違点2> 「ブース空間」の形状に関し、 本件発明1においては、構成Dより、「平面視において略正方形状をなして」いると特定されているのに対し、 甲1発明においては、略直方体である点。 <相違点3> 「ブース」の基本構造、「前壁」の基本構造、及び「背壁」の基本構造に関し、 本件発明1においては、構成Hないし構成J及び構成Nより、ブースが「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」であり(構成H)、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」であり(構成I)、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと」「内側パネルとを主体に構成されて」おり(構成J)、「前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成され」る(構成N)と特定されているのに対し、 甲1発明においては、そのように特定されていない点。 <相違点4> 「フレーム」の細部構造、「前壁」の細部構造、及び「ディスプレイ装置」の配設に関し、 本件発明1においては、構成J、構成K、構成L及び構成Mより、「前面材部」の「内側パネル」が、「上下に独立して配され」ており(構成J)、「前記フレームが、上下方向に延びる前壁対応部分を備えた右・左の側フレーム部と、これら右・左の側フレーム部における前記前壁対応部分間に架設された上段の前面側架設フレーム部とを備えたものであり、上の前記内側パネルは、前記上段の前面側架設フレーム部を挟むようにして前記外側パネルの内面側に設けられたもの」であり(構成K)、「前記前壁の内面における天板よりも上の位置にはディスプレイ装置が配設されているもの」であり(構成L)、「前記ディスプレイ装置が、前記上段の前面側架設フレーム部に取り付けられるもの」である(構成M)ことが特定されているのに対し、 甲1発明においては、そのように特定されていない点。 イ 相違点についての判断 事案に鑑み、上記相違点3及び上記相違点4について判断する。 (ア)相違点3について 上記相違点3について判断する。 上記1(2)に摘記した甲2に記載される「ブース装置」が、「骨組み」となる「コーナー支柱7」、「エンド支柱8」、「中間支柱9」を有し、「周壁1」となる」「壁パネル11」を有したうえで、「壁パネル11」が外側の「表面板12」及び内側の「表面板12」を有するように、また、上記1(3)に摘記した甲3に記載される「浴室ユニット1」が、「複数のバー部材15」を備える「フレーム体12」を有したうえで、「フレーム体12の内側に取り付けられる内壁材16」及び「フレーム体12の外側に取り付けられる外壁材18」を有するように、空間を区切るブース装置あるいは室ユニットを、適宜の骨組みまたはフレーム体と、外側及び内側の壁材とを有する構造とすることは、周知技術(以下、「周知技術1」という。)である。 したがって、甲1発明に係る「ミニサイズの小部屋」の構造について、骨組みと壁材とを有するものとし、壁材については「前面壁2」及び「背面壁11」のいずれについても、主な部分は外側及び内側の壁材を有する構造とし、もって上記相違点3に係る本件発明1の構成のうち、「保形性を確保するためのフレームを備え」る構成Hに相当する構成、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと」「内側パネルとを主体に構成されて」いる構成Jの一部に相当する構成、及び、「前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成され」る構成Nに相当する構成を、有するものとすることは、上記周知技術1に基いて、当業者であれば容易に想到できた事項である。 その際、甲1発明に係る「ミニサイズの小部屋」が「組立式」であることからすれば、骨組み又はフレーム体に対して、組立てによって取り付ける壁材を、分解及び再組立てによって付け替えることができるものとし、もって上記相違点3に係る本件発明1の構成のうち、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができ」る構成Iに相当する構成を備えるものとすることは、当業者が適宜になし得た設計事項程度である。 そして、そうしたことによる効果も、甲1発明及び周知技術1から、事前に予測される範囲を超える格別のものではない。 よって、甲1発明において、上記相違点3に係る本件発明1の構成に至ることは、当業者であれば想到容易である。 (イ)相違点4について 上記相違点4について判断する。 上記相違点4に係る本件発明1の構成は、甲2及び甲3に開示されていない。 上記1(4)に摘記した甲4には、「可搬型ワークステーション」の「区画壁12」が有する「区画壁パネル17の各々」について、「下部パネルセクション21」、「中間パネルセクション22」及び「上部パネルセクション23」という「互いに区別可能な固有の三つのパネルセクション」を備えることが記載されているが、上記相違点4に係る本件発明1の構成を開示するものでは」ない。 そして、甲1発明において、上記相違点4に係る本件発明1の構成に至るには、上記相違点3に係る「ブース」の基本構造、及び「前壁」の基本構造を採用したうえで、さらに「フレーム」の細部構造、「前壁」の細部構造、及び「ディスプレイ装置」の配設について構成の変更を重ねる必要があるところ、甲1発明を出発点として、そこまでの変更を重ねて具体的に相違点4に係る本件発明1の構成とすることは、甲2~甲4の記載を考慮しても、示唆されていたということはできない。 したがって、甲1発明において、上記相違点4に係る本件発明1の構成に至ることは、甲2~甲4の記載を考慮しても、想到容易であったとはいえない。 ウ 進歩性の小括 したがって、上記相違点1及び相違点2について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (2)本件発明2~4について 本件発明2~4は、本件発明1の構成を有し、さらに構成を付加したものである。 上記(1)に対比・判断したとおり、本件発明1は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえないから、本件発明2~4において付加された構成について検討するまでもなく、本件発明2~4は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (3)本件発明5について 本件発明5は、本件発明1が有する構成AないしE及び構成GないしNを有し、本件発明1が有する構成F1に代えて構成F5を有し、さらに、構成R及び構成Q5を具備するものである。 ア 対比 本件発明5が有する構成AないしE、及び構成GないしNについては、上記(1)アに対比したとおりである。 本件発明5における構成F5、構成R及び構成Q5について、対比する。 甲1発明において、「前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられて」いる構成は、本件発明5において、「前記前壁の内面に天板が設けられて」いる構成F5に相当する。 甲1発明において、「個室型のガードされた空間の上面側に、排気口5を有する天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている」構成は、本件発明5において、「前記ブース空間における上面側の全部を覆う天壁を備えたものであり、この天壁の内面に照明装置が設けられて」いる構成Rに相当する。 甲1発明において、「個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し」ており、「扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない」ことから、甲1発明における「右壁面前部領域面状部」が、本件発明5における構成Eの「固定面材部」に相当することを踏まえると、甲1発明において、「板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長」い構成は、本件発明5において、「前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたもの」である構成Q5に相当する。 すなわち、本件発明5における構成F5、構成R及び構成Q5は、甲1発明に対して、新たな相違点を生じる構成ではない。 そうすると、本件発明5と甲1発明とは、上記(1)アに示した本件発明1と甲1発明との相違点1ないし4において相違し、その余の点で一致する。 イ 相違点についての判断 本件発明5と甲1発明との相違点1ないし4のうち、相違点3及び相違点4については、上記(1)イに判断したとおりである。 ウ 進歩性の小括 したがって、本件発明5は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 (4)本件発明6について 本件発明6は、本件発明1ないし本件発明5のいずれかの構成を有し、さらに構成Sを付加したものである。 上記(1)~(3)に対比・判断したとおり、本件発明1~5は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえないから、本件発明6において付加された構成について検討するまでもなく、本件発明6は、甲1発明、及び甲2~甲4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明できたものとはいえない。 第6 むすび 以上のとおり、本件発明1ないし6に係る特許は、特許異議申立理由、及び先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由によっては、取り消すことができない。 また、他に本件発明1ないし6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700292

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