特許異議申立
2022-700665
ブース
- 審判番号
- 2022-700665
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-003300
- 登録番号
- 7010394
- 請求日
- 2022年07月15日
- 審決日
- 2023年07月28日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】コクヨ株式会社
- 【権利者代理人】赤澤 一博
- 【権利者代理人】宮澤 岳志
- 【異議申立人】木村 嘉弘
- 審判長/審判官
- 審判長 居島 一仁
- 審判官 有家 秀郎
- 審判官 土屋 真理子
- 分類
- P1651.841-YAA(E04H) / P1651.851-YAA(E04H) / P1651.853-YAA(E04H) / P1651.854-YAA(E04H) / P1651.113-YAA(E04H) / P1651.121-YAA(E04H) / P1651.537-YAA(E04H)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第36条、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第9項、特許法第44条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7010394号発明「ブース」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7010394号の特許請求の範囲及び明細書を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕,〔6-9〕について訂正することを認める。
特許第7010394号の請求項1ないし9に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7010394号の請求項1ないし9に係る特許についての出願(以下、「本件出願」という。)は、平成29年2月23日に出願された特願2017-32026号(以下、「本件原出願」という。)の一部を、令和3年1月13日に新たな特許出願としたものであり、令和4年1月17日にその特許権の設定登録がされ、同年同月26日に特許掲載公報が発行された。
その後、同年7月15日に、特許異議申立人 木村 嘉弘(以下、「申立人」という。)より特許異議申立書(以下、「申立書」という。)が提出され、請求項1ないし9に係る特許に対して、特許異議の申立てがされた。
その後の経緯は、次のとおりである。
令和4年10月 3日付け: 取消理由通知書
同年11月21日: 特許権者による意見書及び訂正請求書の
提出
令和5年 1月12日: 申立人による意見書の提出
同年 2月13日付け: 取消理由通知書(決定の予告)
同年 4月14日: 特許権者による意見書及び訂正請求書の
提出
同年 6月13日: 申立人による意見書の提出
なお、令和4年11月21日にされた訂正の請求は、令和5年4月14日に新たな訂正の請求がされたことにより、取り下げられたものとみなす(特許法120条の5第7項)。
第2 訂正の適否
1 訂正請求の趣旨と訂正の内容
令和5年4月14日付け訂正請求書による訂正請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、特許第7010394号の特許請求の範囲及び明細書を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1-5〕,〔6-9〕について訂正することを求めるものであって、その訂正の内容は以下のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、「内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、」と記載されているのを、「内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、」に訂正する(請求項1の記載を引用する訂正後の請求項2ないし5も、同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に、「・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであるブース。」と記載されているのを、「・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものであるブース。」に訂正する(請求項1の記載を引用する訂正後の請求項2ないし5も、同様に訂正する。)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に、「内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、」と記載されているのを、「内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、」に訂正する(請求項6の記載を引用する訂正後の請求項7ないし9も、同様に訂正する。)。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項6に、「・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであるブース。」と記載されているのを、「・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものであるブース。」に訂正する(請求項6の記載を引用する訂正後の請求項7ないし9も、同様に訂正する。)。
(5)訂正事項5
願書に添付した明細書の段落【0009】に、「請求項1に記載の発明は、内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであるブース。」と記載されているのを、「請求項1に記載の発明は、内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものであるブースである。」に訂正する。
(6)訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0015】に、「請求項6に記載の発明は、内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであるブース。」と記載されているのを、「請求項6に記載の発明は、内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、・・・前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものであるブースである。」に訂正する。
(7)訂正事項7
願書に添付した明細書の段落【0031】に、「なお、ブース空間spに面する内側パネルi42の内面には、必要に応じて、吸音機能を有した内張り材(図示せず)が取り付けられる。」と記載されているのを、「なお、ブース空間spに面する内側パネルi42の内面には、吸音機能を有した内張り材(図示せず)が取り付けられる。」に訂正する。
(8)訂正事項8
願書に添付した明細書の段落【0057】に、「上述したブースは、フレームと区画面材とによって構成されたものを示したが、このようなものに限定されるものではない。例えば、ブースを、フレーム機能及び区画面材機能を兼ねたシェル状の部材を主体にして構成したものであってもよい。しかしながら、上述した実施形態に示すものであれば、フレームに対して、種々の区画面材を適用することができるため、電気系装置の取り付けやデザイン変更等の仕様変更に柔軟に対応しやすいものとなっている。」と記載されているのを、「上述したブースは、フレームと区画面材とによって構成されたものである。上述した実施形態に示すものであれば、フレームに対して、種々の区画面材を適用することができるため、電気系装置の取り付けやデザイン変更等の仕様変更に柔軟に対応しやすいものとなっている。」に訂正する。
2 訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無、訂正の単位、及び独立特許要件について
(1)訂正の目的について
ア 訂正事項1及び2について
訂正事項1及び2は、訂正前の請求項1に係る発明について、「ブース」が設置される箇所、及び「ブース」の構造に関する特定を付加する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 訂正事項3及び4について
訂正事項3及び4は、訂正前の請求項6に係る発明について、「ブース」が設置される箇所、及び「ブース」の構造に関する特定を付加する訂正であるから、特許法120条の5第2項ただし書第1号に規定する、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
ウ 訂正事項5ないし8について
訂正事項5ないし8は、訂正事項1ないし4により訂正された特許請求の範囲の記載に、明細書の記載を整合させるものであるから、特許法120条の5第2項ただし書第3号に規定する、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
(2)特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
ア 訂正事項1及び2について
上記(1)アで説示したとおり、訂正事項1及び2は、訂正前の請求項1に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
イ 訂正事項3及び4について
上記(1)イで説示したとおり、訂正事項3及び4は、訂正前の請求項6に係る発明について限定を行うものであり、発明のカテゴリーや対象又は目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
ウ 訂正事項5ないし8について
上記(1)ウで説示したとおり、訂正事項5ないし8は、明細書の記載を特許請求の範囲の記載に整合させる、明瞭でない記載の釈明を行うものであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)新規事項の有無について
ア 訂正事項1について
願書に添付した明細書の段落【0021】には、「この実施形態は、本発明を、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースGに適用したものである。」と記載されているから、訂正事項1により付加する構成は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「願書に添付した明細書等」という。)に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
イ 訂正事項2について
(ア)願書に添付した明細書の段落【0024】には、「ブースGは、保形性を確保するためのフレームHと、フレームH間に配設されブース空間spと外部空間とを区画する区画面材Iとを備えている。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、ブースを「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」とする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
願書に添付した明細書の段落【0051】には、「区画面材IをフレームHに対して付け替えることにより、設置場所等に対応した仕様変更に柔軟に対応し得るものとなっている。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」とする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
願書に添付した明細書の段落【0036】には、「ブースGの前壁1は、区画面材Iにおける前面材部i4を主体に構成されている。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されて」いるとする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
願書に添付した明細書の段落【0031】には、「前面材部i4は、図1、図4~6、及び、図11~13に示すように、例えば、板金製の外側パネルi41と内側パネルi42とを主体に構成されている。外側パネルi41は、最上段の前面側架設フレーム部h2a、及び、下段の前面側架設フレーム部h2dに取り付けられている。内側パネルi42は、上段、中段の前面側架設フレーム部h2b、h2cを挟むようにして外側パネルi41の内面側に設けられている。内側パネルi42は、ネジvを用いて外側パネルi41に止着されている。なお、ブース空間spに面する内側パネルi42の内面には、必要に応じて、吸音機能を有した内張り材(図示せず)が取り付けられる。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「当該前面材部は外側パネル」と「内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されて」いるとする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
(イ)願書に添付した図面の【図12】には、次の図面が図示されている。
「
[図:0001403631000001.jpg]
」
また、願書に添付した明細書の段落【0043】には、「天板Kは、前壁1の内面における上下方向中間位置に設けられたものである。」と記載されている。
上記明細書の段落【0031】及び【0043】の記載を踏まえると、上記【図12】の図示より、「前面材部i4」を構成し「外側パネルi41」に止着される「内側パネルi42」は、「天板K」を隔てて、上下に独立している様子が、看取される。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「前面材部」の「内側パネル」が「前記天板を隔てて上下に独立して配設され」る構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
(ウ)願書に添付した明細書の段落【0036】には、「ブースGの背壁2は、区画面材Iにおける上の背面材部i5、及び、下の背面材部i6を主体に構成されている。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されて」いるとする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
願書に添付した明細書の段落【0032】には、「上の背面材部i5は、図1、図3~6、及び、図8~10に示すように、例えば、板金製の外側パネルi51と内側パネルi52とを主体に構成されている。」と記載され、段落【0033】には、「下の背面材部i6は、図1、図3~5、及び、図10に示すように、例えば、板金製の外側パネルi61と使用者の荷重に耐え得る厚み寸法を有した合成樹脂製の内側パネルi62とを主体に構成されている。」と記載されている。そのため、訂正事項2により付加する構成のうち、「当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたもの」とする構成は、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
(エ)したがって、訂正事項2に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
ウ 訂正事項3について
訂正事項3により付加する構成は、訂正事項1により付加する構成と同様であり、訂正事項1により付加する構成については、上記アに指摘したとおり、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項3に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
エ 訂正事項4について
訂正事項4により付加する構成は、訂正事項2により付加する構成と同様であり、訂正事項2により付加する構成については、上記イに指摘したとおり、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項4に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
オ 訂正事項5について
訂正事項5は、明細書の段落【0009】の記載を、訂正事項1及び2により構成を付加した、特許請求の範囲における請求項1の記載に整合させるものであるところ、訂正事項1及び2により付加する構成については、上記ア及びイに指摘したとおり、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項5に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
カ 訂正事項6について
訂正事項6は、明細書の段落【0015】の記載を、訂正事項3及び4により構成を付加した、特許請求の範囲における請求項6の記載に整合させるものであるところ、訂正事項3及び4により付加する構成については、上記ウ及びエに指摘したとおり、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
キ 訂正事項7について
訂正事項7は、明細書の段落【0031】の記載のうち、訂正事項2または訂正事項4により付加された構成と整合しない任意的な記載を、削除するものであるから、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項7に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
ク 訂正事項8について
訂正事項8は、明細書の段落【0057】の記載のうち、訂正事項2または訂正事項4により付加された構成と整合しない例示の記載を、削除するものであるから、願書に添付した明細書等に記載されたすべての事項に対して、新たな技術的事項を追加するものではない。
したがって、訂正事項8に係る訂正は、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。
(4)独立特許要件について
本件においては、訂正前の全ての請求項1ないし9について、特許異議の申立てがされているので、訂正事項1ないし4において、請求項1ないし9について、特許請求の範囲の減縮が行われていても、訂正の適否の要件として、訂正後の請求項1ないし9に係る発明について、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法126条7項の独立特許要件は課されない。
(5)訂正の単位について
本件訂正前の請求項1ないし5について、請求項2ないし5は請求項1を直接又は間接的に引用しているから、本件訂正前の請求項1ないし5は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
本件訂正前の請求項6ないし9について、請求項7ないし9は請求項6を直接又は間接的に引用しているから、本件訂正前の請求項6ないし9は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。
したがって、訂正事項1ないし8により、本件訂正前の請求項1ないし5に係る発明、及び、請求項6ないし9に係る発明についてする本件訂正は、一群の請求項1ないし5に係る発明、及び一群の請求項6ないし9に係る発明について、訂正をするものである。
(6)申立人の意見書における主張について
申立人は、令和5年6月13日付け意見書において、本件訂正の適否について、特に意見を述べていない。
3 小括
以上のとおり、本件訂正請求による訂正事項1ないし8は、特許法120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであって、かつ、同条9項で準用する同法126条5項及び第6項の規定に適合するので、訂正後の請求項〔1-5〕,〔6-9〕について、本件訂正を認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり、本件訂正請求による訂正は全て認められたので、本件特許の請求項1ないし9に係る発明(以下、各々を「本件発明1」等といい、請求項1ないし9に係る発明をまとめて「本件発明」という。)は、令和5年4月14日付け訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の、請求項1ないし9に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
なお、各構成の分説は、請求項1及び6について、申立人が令和5年6月13日付け意見書において付した分説(同意見書第2頁ないし第4頁)を踏まえて、改行も含めて、当審において付した。
「【請求項1】
A:内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、
B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、
C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の右側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の左側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、
D:前記ブース空間が、平面視において略正方形状をなしており、
E1:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、
F1:前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられており、当該天板の先端縁の全体が側面視において前記固定面材部よりも後に位置し、且つ、前記前壁と略平行をなしたものであり、
G1:前記天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたものであり、
H:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、
I:前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、
J:保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、
K:前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、
L:前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、
M:前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものである
N:ブース。
【請求項2】
O:前記ブース空間における上面側の一部を開放しつつ前記ブース空間の上面を覆う天壁を備えたものであり、この天壁の内面に照明装置が設けられている
請求項1記載のブース。
【請求項3】
P:前記照明装置が、前記天板の上方に配置されている
請求項2記載のブース。
【請求項4】
Q:前記ブース空間の上面を覆う天壁を備えたものであり、この天壁がすだれ状または網状の部材を適用したものである
請求項1、2又は3記載のブース。
【請求項5】
R:前記可動面材部に用いられたパネルは、使用者の足元に対応する下部分が透明であり、使用者の足元よりも上の部分に対応する上部分が不透明又は擦りガラス状に構成されている
請求項1、2、3又は4記載のブース。
【請求項6】
A:内部に使用者を収容可能なブース空間を有し、オフィスや公共的なスペースに設置されるブースであって、
B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、
C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の右側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の左側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、
D:前記ブース空間が、平面視において略正方形状をなしており、
E6:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、
F6:前記前壁の内面に天板が設けられており、この天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたものであり、
G6:前記ブース空間における上面側の一部を開放しつつ前記ブース空間の上面を覆う天壁を備えたものであり、この天壁の内面に照明装置が設けられており、
H:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、
I:前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、
J:保形性を確保するためのフレームを備えたものであり、
K:前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるものであり、
L:前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネルとを主体に構成されており、
M:前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成されたものである
N:ブース。
【請求項7】
P:前記照明装置が、前記天板の上方に配置されている
請求項6記載のブース。
【請求項8】
S:前記天壁がすだれ状または網状の部材を適用したものである
請求項6又は7記載のブース。
【請求項9】
T:前記扉に用いられたパネルは、使用者の足元に対応する下部分が透明であり、使用者の足元よりも上の部分に対応する上部分が不透明又は擦りガラス状に構成されている
請求項6、7又は8記載のブース。」
第4 証拠方法、特許異議申立理由の要旨、及び先の取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由の要旨
1 証拠方法
申立人が提示する証拠は、以下のとおりである。なお、以下では甲第1号証、甲第2号証等を、それぞれ「甲1」、「甲2」等という。
(1)申立書に添付して提出された証拠
甲1:特開2018-135722号公報
(平成30年8月30日公開)
甲2:特開昭63-289172号公報
(昭和63年11月25日公開)
甲3:特開2014-37671号公報
(平成26年2月27日公開)
甲4:特開2002-364253号公報
(平成14年12月18日公開)
甲5:特開2012-87546号公報
(平成24年5月10日公開)
甲6:実願平5-49053号(実開平7-10265号)
のCD-ROM
(平成7年2月14日公開)
(2)令和5年1月12日付け意見書に添付して提出された証拠
参考資料1:特開2016-89519号公報
(平成28年5月23日公開)
参考資料2:特開2016-89520号公報
(平成28年5月23日公開)
参考資料3:実願平5-3124号(実開平6-56381号)の
CD-ROM
(平成6年8月5日公開)
参考資料4:特開2009-128722号公報
(平成21年6月11日公開)
参考資料5:特開2005-207078号公報
(平成17年8月4日公開)
参考資料6:実願昭57-166601号(実開昭59-69307号
)のマイクロフィルム
(昭和59年5月11日公開)
参考資料7:特開2015-113642号公報
(平成27年6月22日公開)
(3)令和5年6月13日付け意見書に添付して提出された証拠
参考資料8:実願平5-6188号(実開平6-65563号)の
CD-ROM
(平成6年9月16日公開)
参考資料9:特開平6-209874号公報
(平成6年8月2日公開)
参考資料10:特開平7-102798号公報
(平成7年4月18日公開)
参考資料11:実願平5-57515号(実開平7-26580号)の
CD-ROM
(平成7年5月19日公開)
参考資料12:特開2001-115669号公報
(平成13年4月24日公開)
参考資料13:特開2008-2981号公報
(平成20年1月10日公開)
2 特許異議申立理由の要旨
申立人が申立書において主張する特許異議申立理由の要旨は、次のとおりである。
(1)分割要件違反に依拠した、甲1を主たる証拠とした新規性・進歩性の欠如
本件特許に係る出願は、本件原出願に対する分割要件を満たしておらず、本件特許に係る出願の出願日は、現実の出願日となる。
本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、本件特許に係る出願の現実の出願日より前に公開された、本件原出願の公開公報である甲1に記載された発明と同一であり、特許法29条1項3号に該当するから、これらの発明に係る特許は、同法同条同項の規定に違反してされたものである。
また、本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、本件特許に係る出願の現実の出願日より前に公開された、本件原出願の公開公報である甲1に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
したがって、これらの発明に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
(2)甲2を主たる証拠とした進歩性の欠如
本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、甲2に記載された発明、及び、甲3ないし甲6に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、これらの発明に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであって、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
(3)サポート要件違反
本件特許の請求項1ないし9に係る発明は、発明の課題を解決し効果を奏する構成である「臀部当て」を発明特定事項として含んでおらず、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えているため、特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない。
したがって、これらの発明に係る特許は、同法113条4号に該当し、取り消されるべきものである。
3 先の取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由の要旨
本件訂正前(当審注;令和4年11月21日にされた訂正の請求後)の請求項1ないし9に係る特許に対して、当審が令和5年2月13日付けの取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由(以下、単に「取消理由通知に記載した取消理由」という。)の概要は、次のとおりである。
・甲2を主たる証拠とした進歩性の欠如
本件訂正前(当審注;令和4年11月21日にされた訂正の請求後)の請求項1ないし4及び6ないし8に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された甲2に記載された発明、甲3に記載された周知技術、及び参考資料1に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
本件訂正前(当審注;令和4年11月21日にされた訂正の請求後)の請求項5及び9に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された甲2に記載された発明、甲3に記載された周知技術、甲4に記載された周知技術、及び参考資料1に記載された周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、本件訂正前(当審注;令和4年11月21日にされた訂正の請求後)の請求項1ないし9に係る発明は、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、それらの発明に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
第5 当審の判断
1 取消理由通知に記載した取消理由において引用した証拠の記載
(1)甲2
ア 記載事項
甲2には、次の記載がある(下線は、当審で付した。以下、同様。)。
(ア)発明の詳細な説明
「A.この発明は、勉強に集中出来るカプセル型の小型専用勉強部屋に関する。
B.従来の技術
一般に、勉強部屋といえるものは全んどなく、個室又は共同部屋の一隅に机、椅子を配置しただけで、せいぜいカーテンか間仕切で区分してあるのが現状であって、個別の純勉強部屋がないことを発見した。
・・・
D.問題を解決するための手段
(1) 室内に独立した勉強部屋として設置する組立式の密閉箱型で、換気装置、照明、机、椅子を内蔵する、ミニサイズのカプセル型勉強部屋を作った。
・・・・
E.発明の効果
(1) 住宅事情に適合した個室型の超小型専用勉強部屋の発明で、その特長を列記すると
・・・・
d. 壁面に囲まれた小部屋なので、安堵感があり、集中力を増す。物理的にも、感覚的にも完全に遮断されて、ガードされた空間で、例えば、家中の室の中で、トイレが一番安堵感があり、雑念の入らない室であると言われるのも納得のゆくところである。」
(イ)図面の図示
a 第1図
「
[図:0001403631000002.jpg]
」
b 第2図
「
[図:0001403631000003.jpg]
」
イ 図面の図示より看取される事項
上記ア(イ)の図示より、組立式でミニサイズの小部屋に関し、次の事項が看取される。
・個室型のガードされた空間は、略直方体である。
・個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3を有する。
・前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されている。
・個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され、扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる面状部(以下、「右壁面前部領域面状部」という。)と、を有する。
・扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、扉10には右外側に向かう引き手が設けられているから、扉10は外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない。
・前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられている。
・板状の机8の手前側縁は、前面壁3と略並行をなしており、手前側縁の左右方向の全体が右壁面前部領域面状部より後に位置している。
・板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長い。
・個室型のガードされた空間の上面側に、排気口5を有する天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている。
ウ 記載された発明
上記ア及びイより、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されている。
「室内に独立して設置する組立式でミニサイズの小部屋であって、
壁面に囲まれた個室型のガードされた空間を形成し、
個室型のガードされた空間は、略直方体であり、個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3を有し、
前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されており、
個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し、
扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、扉10は右外側に向かう引き手が設けられ外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しないものであり、
前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられており、
板状の机8の手前側縁は、前面壁3と略並行をなしており、手前側縁の左右方向の全体が右壁面前部領域面状部より後に位置し、
板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長く、
個室型のガードされた空間の上面側に、排気口5を有する天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている、
組立式でミニサイズの小部屋。」
(2)甲3
ア 記載事項
甲3には、次の記載がある。
(ア)明細書
a 「【0002】
オフィスやショールーム、展示会場等において、室内の空間を天井より低い高さのブース装置で仕切ってその内部で執務やミーティング、商談等を行うことは広く行われている。このブース装置の態様は様々であり、例えば高さで見ると、一般成人の身長より低い壁で仕切った低いタイプと、一般成人の身長よりも高い壁で仕切った高いタイプとに大別され、外部との遮蔽性で見ると、ドアを備えていないオープン方式とドアを備えた密閉方式(クローズド方式)とに大別される。低いタイプはオープン方式になっていることが多く、高いタイプは部屋や個室に近くなるため密閉方式になっていることが多い(例えば特許文献1)。」
b 「【0009】
本願発明は、屋内又は屋外に設置されるブース装置とこれに使用する天井部ユニットとを含んでいる。このうちブース装置は、請求項1のとおり、床に設置されて上向き開放の内部空間を形成する周壁と、前記内部空間から上向きに放散する音を減衰させる吸音性天井部とを有しており、前記周壁には出入り口を設けている一方、前記天井部は安定した姿勢の吸音材を主要材として構成されていて上下に開口した空隙が存在するように平面視で格子状その他の多孔状の形態を成しており、平面視での空隙の総和を前記内部空間の平面積の半分以上に設定している。」
c 「【0023】
(1).第1実施形態の構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態から説明する。本願実施形態のブース装置は、内部に人が1人又は数人入ることができる程度の大きさであり、建物の広いスペースに設置して商談やミーティング、通常の執務、web会議、仮眠などの各種の用途に使用できる。スモールオフィスとしても好適である。
【0024】
ブース装置は、4つの側面を有して上向きに開放された平面視四角形の周壁1と、周壁1の上端部に取り付けた天井部2とを有しており、周壁1の内部空間3は天井部2で上から覆われている。周壁1を構成する1つの壁に出入り口4を設けており、出入り口4には水平回動式のドア5を配置している。なお、周壁1は本体部と呼ぶことも可能である。図1に示すように、周壁1を構成する各面のうち一部又は全部にガラス窓6を設けることも可能である。
【0025】
図3及び図7(A)に示すように、周壁1は骨組みを有しており、骨組みは、4本のコーナー支柱7とこれに固定されたエンド支柱8、隣り合ったエンド支柱8の間に背中合わせに配置された中間支柱9、エンド支柱8と中間支柱9との上端に連結された水平姿勢の天枠体(笠木)10とを有している。従って、周壁1の上面は天枠体10で構成されている。コーナー支柱7とエンド支柱8と中間支柱9との下端を下枠体で連結することも可能である。
【0026】
コーナー支柱7は四角形の角管構造になっている一方、エンド支柱8と中間支柱9とは幅広部8a,9aと幅狭部とを有する平面視略T形になっており、エンド支柱8の幅広部8aはコーナー支柱7に外面に溶接で固定されており、2本の中間支柱9はその幅広部9aが重なるように背中合わせに配置されていて、両者は溶接で固定されている。
【0027】
周壁1は壁パネル(壁体)11を有していくる。壁パネル11は、鋼板等の金属板より成る表面板12の間に心材13を挟んだ構造になっている。心材13は、ロックウールや石膏等の無機材、或いはウレタン又はスポンジのような発泡樹脂など各種のものを採用できる。壁パネル11の外側のみを金属製表面板で構成して、その内面に吸音性の高い素材を貼り付けることも可能である。勿論、壁パネル11の外面と内面との両方をスポンジ材等の吸音材で構成することも可能である。ドア5は、ヒンジ(図示せず)を介して中間支柱9に取り付けられている。」
(イ)図面の図示
a 【図1】
「
[図:0001403631000004.jpg]
」
b 【図3】
「
[図:0001403631000005.jpg]
」
c 【図7】(A)
「
[図:0001403631000006.jpg]
」
イ 図面の図示より看取される事項
上記ア(ア)の記載を踏まえると、上記ア(イ)の【図1】、【図2】及び【図7】(A)の図示より、コーナー支柱7等からなる骨組みに取り付けられた壁パネル11は、外側の表面板12及び内側の表面板12を有することが、看取される。
(3)甲4
甲4には、次の記載がある。
「【0003】ATM機は、たとえば顧客用のブース内に設置されている。ブースは、壁面に接して設置するATM機の前方と左右の側面とが透明パネルを介して仕切られており、1枚の透明パネルは、扉形式に開閉することができる。なお、各透明パネルには、所定高さにシールなどの不透明な遮蔽材が帯状に貼着されている。透明パネル上の遮蔽材は、ブース内に立ち入る顧客の手元やATM機の操作部などを外部から見えなくし、顧客の暗証番号や、顧客が持ち歩く現金や財布などの収納場所が外部から簡単に盗み見られることがなく、ブース外に立ち去る顧客が思わぬ犯罪の被害者になることを防止する。」
(4)参考資料1
参考資料1には、次の記載がある。
ア 明細書
(ア)「【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の浴室ユニットの好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る浴室ユニット1を示す側面図である。図2は、本発明の第1実施形態に係る浴室ユニット1において、内壁材16及び外壁材18を取り外した状態を示す側面図である。
【0016】
浴室ユニット1の主に壁の構成について説明する。なお、浴室ユニット1に用いられる浴槽等の他の構成については、一般的な構成と同様であるため、説明を省略している。
図1及び図2に示すように、第1実施形態の浴室ユニット1は、床材11と、床材11の上面に配置されるフレーム体12と、フレーム体12の上部に取り付けられる天井材13と、フレーム体12の内側に取り付けられる内壁材16と、内壁材隙間埋め部材としての内壁材側モール17と、フレーム体12の外側に取り付けられる外壁材18と、外壁材隙間埋め部材としての外壁材側モール19と、を備える。なお、フレーム体12の内側とは、フレーム体12における床材11とフレーム体12とで囲まれた空間側を意味する。」
(イ)「【0018】
フレーム体12は、外形が全体として直方体形状の枠体で構成される。フレーム体12は、床材11の外周における上面側に床材11の各角部それぞれから立設される全部で4本の縦フレーム(フレーム部材)121と、4本の縦フレーム121における隣り合うフレーム同士を縦フレーム121の上端部において繋ぐように配置された4本の横フレーム122と、複数のバー部材15と、を有する。
縦フレーム121及び横フレーム122は、断面が方形の管状に構成される。床材11と4本の縦フレーム121とは、接続部材(不図示)を介して接続され又は溶接により接続される。4本の縦フレーム及び4本の横フレームは、接続部材(不図示)を介して接続される又は溶接により接続される。」
(ウ)「【0021】
内壁材16は、床材11と天井材13との間において、フレーム体12の内側に取り付けられる。内壁材16は、板状に形成され、上下方向に延びる。内壁材16の上端部は、天井材13の下方側において、天井材13から離間して配置される。内壁材16は、浴室ユニット1の内壁を構成する。内壁材16は、バー部材15に着脱可能に取り付けられることにより、フレーム体12に対して着脱可能である。」
(エ)「【0028】
外壁材18は、フレーム体12の外側に取り付けられる。外壁材18は、板状に形成され、上下方向に延びる。外壁材18の上端部は、浴室ユニット1に隣接する部屋30の天井材31の下方側において、隣接する部屋30の天井材31から離間して配置される。浴室ユニット1に隣接する部屋30の天井材31は、例えば、浴室ユニット1と反対側の端部において、接続板材322を介して、ネジ部材321により、家の構造物に取り付けられている(固定されている)。外壁材18は、浴室ユニット1に隣接する部屋30の内壁を構成する。見方を変えると、浴室ユニット1に隣接する部屋30の内壁は、外壁材18により構成され、浴室ユニット1の外壁とみなすこともできる。外壁材18は、バー部材15に着脱可能に取り付けられることにより、フレーム体12に対して着脱可能である。」
イ 図面の図示
【図2】
「
[図:0001403631000007.jpg]
」
2 取消理由通知に記載した取消理由について
取消理由通知に記載した取消理由は、本件訂正前(令和4年11月21日にされた訂正の請求後)の請求項1ないし9に係る発明について、甲2に記載された発明及び周知技術に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから、それらの発明に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべきものである、というものである(上記第4の3)。
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明における「室内に独立して設置する組立式でミニサイズの小部屋」は、本件発明1における「ブース」に相当する。
甲2発明において、「組立式でミニサイズの小部屋」が「壁面に囲まれた個室型のガードされた空間を形成」する構成は、本件発明1において、「ブース」が「内部に使用者を収容可能なブース空間を有」する構成Aの前半部、及び、「単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成」する構成Bに、相当する。
甲2発明において、「個室型のガードされた空間を囲む壁面として、前面側を覆う前面壁2、前面壁2と略平行をなし底板13から天井1に亘って底板13に対して略直交するように起立し背面側を覆う背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3」を有する構成は、本件発明1において、「前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の右側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の左側面側を覆う第二の側壁とを具備」する構成Cの前半部分に相当する。
甲2発明において、「前面壁2、背面壁11、右側を覆う壁面及び左側を覆う側壁3は、個室型のガードされた空間を外部から区画する面状の部材を主体に構成されて」いる構成は、本件発明1において、「前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成された」構成Cの後半部分に相当する。
甲2発明において、「個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し」ており、「扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない」構成は、本件発明1において、「前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えた」構成E1に相当する。
甲2発明において、「前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられており、板状の机8の手前側縁は、前面壁3と略並行をなしており、手前側縁の左右方向の全体が右壁面前部領域面状部より後に位置」する構成は、本件発明1において、「前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられており、当該天板の先端縁の全体が側面視において前記固定面材部よりも後に位置し、且つ、前記前壁と略平行をなしたもの」である構成F1、及び「前記天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたもの」である構成G1に相当する。
甲2発明において、「扉10の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長」い構成は、本件発明1において、「前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたもの」である構成Hに相当する。
甲2発明において、「板状の机8の前後寸法は、右壁面前部領域面状部の前後寸法より長」い構成は、本件発明1において、「前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものである」構成Iに相当する。
整理すると、本件発明1と甲2発明とは、次の点で一致する。
<一致点>
A’:内部に使用者を収容可能なブース空間を有するブースであって、
B:単一の使用者が使用し得る前記ブース空間を形成したものであり、
C:前記ブース空間の前面側を覆う前壁と、この前壁と略平行をなし上端部から下端部の略全域に亘って床面に対して略直交するように起立し前記ブース空間の背面側を覆う背壁と、前記ブース空間の右側面側を覆う第一の側壁と、前記ブース空間の左側面側を覆う第二の側壁とを具備してなり、前記前壁、前記背壁、及び、前記第一、第二の側壁は、前記ブース空間と外部空間とを区画する区画面材を主体に構成されたものであり、
E1:前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたものであり、
F1:前記前壁の内面における上下方向中間位置に天板が設けられており、当該天板の先端縁の全体が側面視において前記固定面材部よりも後に位置し、且つ、前記前壁と略平行をなしたものであり、
G1:前記天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたものであり、
H:前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、
I:前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものである、
N:ブース。
そして、本件発明1と甲2発明とは、次の点で相違する。
<相違点1>
「ブース」の設置に関し、
本件発明1においては、構成Aより、「オフィスや公共的なスペースに設置される」と特定されているのに対し、
甲2発明においては、そのように特定されていない点。
<相違点2>
「ブース空間」の形状に関し、
本件発明1においては、構成Dより、「平面視において略正方形状をなして」いると特定されているのに対し、
甲2発明においては、略直方体である点。
<相違点3>
「ブース」の基本構造及び「前壁」の構造に関し、
本件発明1においては、構成JないしL及びNより、ブースが「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」であり、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」であり、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され」た「内側パネルとを主体に構成されて」いることが、特定されているのに対し、
甲2発明においては、そのように特定されていない点。
<相違点4>
「前壁」の「内側パネル」に関し、
本件発明1においては、構成Lより、「内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた」と特定されているのに対し、
甲2発明においては、そのように特定されていない点。
<相違点5>
「背壁」の構造に関し、
本件発明1においては、構成Mより、「前記背壁の区画面材が背面材部を主体に構成されており、当該背面材部は外側パネルと内側パネルとを主体に構成され」ると特定されているのに対し、
甲2発明においては、そのように特定されていない点。
イ 相違点についての判断
(ア)相違点3について
事案に鑑み、上記相違点3から、判断する。
a 取消理由通知に記載した証拠に基づく判断
上記1(2)に摘記した甲3に記載される「ブース装置」が、「骨組み」及び「壁パネル11」を有し、「壁パネル11」が外側の「表面板12」及び内側の「表面板12」を有するように、また、上記1(4)に摘記した参考資料1に記載される「浴室ユニット1」が、「フレーム体12」、「フレーム体12の内側に取り付けられる内壁材16」及び「フレーム体12の外側に取り付けられる外壁材18」を有するように、空間を区切るブース装置あるいは室ユニットを、骨組みまたはフレーム体と、外側及び内側の壁材とを有する構造とすることは、周知技術である。
しかしながら、上記相違点3に係る本件発明1の構成のように、「ブース」を「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」とし、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」としたうえで、さらに、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され」た「内側パネルとを主体に構成」することは、甲3及び参考資料1、及び上記1(3)に摘記した甲4にも示されておらず、当該構成は周知技術ということができない。
したがって、甲2発明において、上記相違点3に係る本件発明1の構成に至ることは、甲3、甲4及び参考資料1の記載を考慮しても、当業者が容易に想到できたものではない。
b 申立人による意見書における主張
上記相違点3に関し、申立人は令和5年6月13日付け意見書において、上記相違点3に係る構成のうち、内側パネルが「天板を隔てて上下に独立して配設」される構成は、参考資料8ないし10に示されるように周知技術であり、その余の構成については、先の取消理由通知において容易と判断された構成であるから、上記相違点3に係る本件発明1の構成は、想到容易である旨を主張している(同意見書第5頁下から9行~第21頁最終行)。
c 上記申立人による主張についての判断
(a)参考資料8の記載
参考資料8には、次の記載がある。
「【0007】
また、トイレルーム1の壁16は、図2及び図3に示すように、例えばケイカルボードから成る上壁16aと、例えばネオセライトから成る下壁16bとに上下2分割されている。上壁16aには例えばコルクボード、絵、カレンダー、タペストリー等が掛けられる掛合部17が設けられている。また、下壁16bは、その上縁部16b’と上壁16aの下縁部16a’との間にT型支持ブラケット18が嵌め込まれており、このT型支持ブラケット18によって吸水口21とボウル52とを備えたカウンタ19が下壁16bの上縁部16b’に沿って支持されている。」
(b)参考資料9の記載
参考資料9には、次の記載がある。
「【0010】そして、トイレルームの縦壁1は上縦壁部分2と下縦壁部分3とに上下に分割されている。これら上下縦壁部分2,3の接続個所の背面に各々リップ付チャンネル状の補強フレーム4,4が取付けられている。・・・(後略)・・・。」
「【0013】このように、上下に分割した上下縦壁部分2,3間にカウンター接続金具5を挟持し、このカウンター接続金具5にカウンター6を取付けることで、トイレルーム内には従来のようなL字型のカウンター支持体やキャビネットを付設する必要がなく、外観を低下させたり狭くなりがちなトイレルーム内スペースを狭くするようなことがなく、それでいて、カウンター6はカウンター接続金具5に取付けられていて、カウンター6の取付け強度を高めるのである。・・・(後略)・・・。」
(c)参考資料10の記載
参考資料10には、次の記載がある。
「【0014】そして、トイレルームの縦壁1は上縦壁部2と下縦壁部3とに上下に分割されている。これ等上縦壁部2、下縦壁部3の接続個所の背面に各々リップ付チャンネル状の補強フレーム4、4が取り付けられている。」
「【0018】したがって、該実施例のユニットルームのカウンター取付構造においては、縦壁1が上縦壁部2と下縦壁部3とに上下に分割され、該上縦壁部2と下縦壁部3との間にカウンター6の後端部5が挟持して取り付けられているため、ユニットルーム内には従来のようなL字型のカウンター支持体やキャビネットを付設する必要がなく、外観を低下させたり、狭くなりがちなトイレルームのようなユニットルーム内スペースを狭くするようなことがなく、それでいて、カウンター6はその後端部5が上縦壁部2と下縦壁部3との間に挟持されて簡単且つ確実に取り付けられて、該カウンター6の取付強度が高められている。」
(d)参考資料8ないし10を考慮しての判断
参考資料8の開示は、「トイレルーム」の「縦壁」について、「上壁16a」と「下壁16b」とに「上下2分割」し、「下壁16b」と「上壁16a」との間に「T型支持ブラケット18」を「嵌め込」んで「カウンタ19」を「支持」するものであるが、間に「T字型ブラケット18」を「嵌め込」んで「カウンタ19」を「支持」する「下壁16b」と「上壁16a」について、上記相違点3に係る本件発明1の構成のように、「保形性を確保するためのフレーム」に対して「付け替えることができるもの」であることや、「外側パネル」と「内側パネル」であることは、示されていない。
参考資料9及び10の開示は、「トイレルーム」の「縦壁」について、「上縦壁部(分)」と「下縦壁部(分)」とに「上下に分割」し、「上縦壁(部)」と「下縦壁(部)」の「接続箇所の背面」に「補強フレーム」を取り付けたうえで、「上縦壁(部)と下縦壁(部)との間」に「カウンター」を「挟持」するものであるが、「間」に「カウンター」を「挟持」させるために「補強フレーム」を取り付けた「上縦壁(部)」と「下縦壁(部)」について、上記相違点3に係る本件発明1の構成のように、「保形性を確保するためのフレーム」に対して「付け替えることができるもの」であることや、「外側パネル」と「内側パネル」であることは、示されていない。
そうすると、参考資料8ないし10の記載を参照しても、上記相違点3に係る本件発明1の構成のように、「ブース」を「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」とし、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」としたうえで、さらに、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され」た「内側パネルとを主体に構成」することは、周知技術ということができない。
そして、甲2発明において、「トイレルーム」の「壁」と「カウンタ」とに関して参考資料8ないし10に記載される構成を採用する動機付けはなく、たとえ採用したとしても、上記相違点3に係る本件発明1の構成のように、「ブース」を「保形性を確保するためのフレームを備えたもの」とし、「前記区画面材を前記フレームに対して付け替えることができるもの」としたうえで、さらに、「前記前壁の区画面材が前面材部を主体に構成されており、当該前面材部は外側パネルと前記天板を隔てて上下に独立して配設され」た「内側パネルとを主体に構成」する構成に至るものではない。
また、甲2発明において、空間を区切るブース装置あるいは室ユニットを、骨組みまたはフレーム体と、外側及び内側の壁材とを有する構造とする部分については、甲3または参考資料1に示される周知技術を採用し、さらに、当該周知技術を採用した内側の壁材について、参考資料8ないし10に示される、「トイレルーム」において「カウンター」を挟持する上下壁の構造を採用することについて、動機付けがあるとは言えない。
したがって、甲2発明において、上記相違点3に係る本件発明1の構成に至ることは、甲3、甲4及び参考資料1の記載、並びに、申立人が上記bの主張において言及する参考資料8ないし10の記載を考慮しても、当業者が容易に想到できたものではない。
d その余の証拠について
摘記は省略するが、本件原出願の公開公報である甲1を別としたその余の証拠である、甲5、甲6、参考資料2ないし7、及び参考資料11ないし13においても、甲2発明において、上記相違点3に係る本件発明1の構成をとることは、記載も示唆もされていない。
したがって、甲2発明において、上記相違点3に係る本件発明1の構成に至ることは、甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に想到できたものではない。
(イ)小括
上記(ア)のとおり、甲2発明を出発点として、上記相違点3に係る本件発明1の構成をとることは、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に想到できたものではない。
したがって、その余の相違点1、相違点2、相違点4及び相違点5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2ないし5について
本件発明2ないし5は、本件発明1の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、上記(1)に示したとおり、本件発明1は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明2ないし5における付加的構成について検討するまでもなく、本件発明2ないし5は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件発明6について
本件発明6は、本件発明1が有する構成AないしD及び構成HないしNを有し、本件発明1が有する構成E1、構成F1及び構成G1に代えて、構成E6、構成F6及び構成G6を具備するものである。
ア 対比
本件発明6が有する構成AないしD、及び構成HないしNについては、上記(1)アに対比したとおりである。
本件発明6における構成E6、構成F6及び構成G6について、対比する。
甲2発明において、「個室型のガードされた空間の右側を覆う壁面は、後部領域に配置された扉10と、扉10より前部領域に配置され扉10の前端が上下2箇所で取り付けられる右壁面前部領域面状部とを有し、・・・・扉10は右外側に向かう引き手が設けられ外に向かって開く開き戸であり、扉10を右壁面前部領域面状部に取り付ける上下2箇所の部材は蝶番であって、扉10が取り付けられる右壁面前部領域面状部は扉10と異なり開閉しない」構成は、本件発明6において、「前記第一の側壁の区画面材が、前部領域に固設された固定面材部と、後部領域に蝶番を介して回転することにより開閉動作可能に配された可動面材部たる扉とを備えたもの」である構成E6に相当する。
甲2発明において、「前面壁3の内面における、上下方向において天井1と底板13との間で人が作業をするのに適した位置に、左右方向の全体に亘って板状の机8が設けられて」いる構成は、本件発明6において、「前記前壁の内面に天板が設けられており、この天板が、前記ブース空間における幅方向のすべてに亘って設けられたもの」である構成F6に相当する。
甲2発明において、「個室型のガードされた空間の上面側に、排気口5を有する天井1が備えられ、天井1の内面であって板状の机8の上方に照明12が設けられている」構成は、本件発明6において、「前記ブース空間における上面側の一部を開放しつつ前記ブース空間の上面を覆う天壁を備えたものであり、この天壁の内面に照明装置が設けられて」いる構成G6に相当する。
すなわち、本件発明6における構成E6、構成F6及び構成G6は、甲2発明に対して、新たな相違点を生じる構成ではない。
そうすると、本件発明6と甲2発明とは、上記(1)アに示した本件発明1と甲2発明との相違点1ないし5において相違し、その余の点で一致する。
イ 判断
本件発明6と甲2発明との相違点3については、上記(1)イ(ア)に判断したとおりである。
したがって、その余の相違点1、相違点2、相違点4及び相違点5について判断するまでもなく、本件発明6は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(4)本件発明7ないし9について
本件発明7ないし9は、本件発明6の構成を全て有し、さらに構成を付加したものである。
そして、上記(3)に示したとおり、本件発明6は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件発明7ないし9における付加的構成について検討するまでもなく、本件発明7ないし9は、甲2発明において、たとえ甲3ないし甲6に記載される事項、及び参考資料1ないし13に記載される事項を考慮しても、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(5)取消理由通知に記載した取消理由についてのまとめ
以上のとおりであるから、本件発明1ないし9は、取消理由通知に記載した取消理由によって、取り消されるべきものではない。
3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由は、分割要件違反に依拠した甲1を主たる証拠とする新規性・進歩性の欠如(上記第4の2(1))、及び、サポート要件違反(上記第4の2(3))である。
なお、特許異議申立理由のうち、甲2を主たる証拠とする進歩性欠如(上記第4の2(2))については、取消理由に採用し(上記第4の3)、その判断については、上記2に示したとおりである。
(1)分割要件違反に依拠した、甲1を主たる証拠とする新規性・進歩性の欠如
ア 申立人の具体的主張
申立人は申立書において、本件原出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面には、本件発明1及び6が有する構成H及びI、すなわち、「前記扉の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたものであり、前記天板の前後寸法が、前記固定面材部の前後寸法よりも長く設定されたもの」である構成について、発明として認識している固有の記載や当該構成により奏する固有の効果が記載されていないから、上記構成H及びIを有する本件発明に係る本件出願は、本件原出願の一部を新たな特許出願としたものではなく、本件出願の出願日は、本件原出願がされた日に遡及せず、分割出願がされた令和3年1月13日となる旨を主張している。
そして申立人は、本件原出願の公開公報である甲1は、本件出願前に頒布された刊行物となり、本件発明1ないし9は、甲1に記載された発明と同一であるか、甲1に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1ないし9に係る特許は、特許法29条1項又は2項の規定に違反してされたものであり、これらの発明に係る特許は、同法113条2号に該当し、取り消されるべき旨を主張している(申立書第17頁下から7行~第20頁最終行)。
イ 具体的主張についての当審の判断
(ア)分割不適について
a 本件原出願の公開公報である甲1には、以下の記載及び図示があり、本件原出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件原出願当初明細書等」という。)にも、同様の記載及び図示がある。
「【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、ブース空間に対して使用者が出入りし易い構成をとるための設計の自由度に優れたブースを提供することにある。」
「【0023】
ブースGは、内部に起立姿勢の使用者を収容可能なブース空間spを有している。ブースGは、ブース空間spの前面側を覆う前壁1と、ブース空間spの背面側を覆う背壁2と、ブース空間spの一側面(右側面)側を覆う扉たる可動面材部i2を備えた第一の側壁3と、ブース空間spの他側面(左側面)側を覆う第二の側壁4と、ブース空間spの下面を覆う底壁5と、ブース空間spの上面を覆う天壁6とを具備している。なお、前壁1の内面における上下方向中間位置には、天板Kが設けられている。背壁2の内面における上下方向中間位置には、脚を有しない臀部当てJが背壁2から突出した態様で設けられている。」
「【0027】
区画面材Iは、図1~図6、及び、図8~13に示すように、右の側フレーム部h1の前部領域の外面に固設された固定面材部i1と、右の側フレーム部h1の後部領域の外面に配された扉である可動面材部i2と、左の側フレーム部h1の内側に配設された側面材部i3と、側フレーム部h1の前壁対応部分h12間に配設された前面材部i4と、側フレーム部h1の背壁対応部分h13間に配設された上、下の背面材部i5、i6と、側フレーム部h1の底壁対応部分h11間に配設された底面材部i7と、側フレーム部h1の天壁対応部分h14間に配設された天面材部i8とを備えてなる。」
【図4】「
[図:0001403631000008.jpg]
」
【図6】「
[図:0001403631000009.jpg]
」
b 上記段落【0007】、【0023】及び【0027】の記載を踏まえると、上記【図4】及び【図6】より、「扉たる可動面材部i2」の前後寸法が「固定面材部i1」の前後寸法より長く、「天板K」の前後寸法が「固定面材部i1」の前後寸法より長く設定された設計が、看取される。
c 上記a及びbより、本件発明1及び6が有する構成H及び構成Iは、少なくとも、ブース空間に対して使用者が出入りし易い構成をとるための設計として、本件原出願当初明細書等に記載または図示されたものである。
また、本件発明が有するその余の構成についても、本件原出願当初明細書等に記載または図示されたものでないと判断すべき事情は見いだせない。
そうすると、上記申立人による具体的主張について検討しても、本件発明に係る本件出願は、本件原出願の一部を新たな特許出願としたものと認められ、本件出願は、本件原出願の時にしたものとみなされる(特許法44条1項及び2項)。
(イ)甲1を主たる証拠とした新規性・進歩性の欠如について
上記(ア)cのとおり、本件出願は、本件原出願の時にしたものとみなされるから、本件原出願の公開公報である甲1は、本件発明1ないし9について、特許法29条1項3号にいう、特許出願前に頒布された刊行物に該当しない。
したがって、本件発明1ないし9は、甲1に記載された発明についてさらに検討するまでもなく、甲1を主たる証拠として、特許法29条1項3号の規定に該当するものでなく、同条2項の規定により特許を受けることができないものではない。
(ウ)小括
上記(ア)及び(イ)より、本件発明1ないし9に係る特許は、申立人が申し立てる、分割要件違反に依拠した甲1を主たる証拠とする新規性・進歩性欠如の特許異議申立理由により、取り消されるべきものではない。
(2)サポート要件違反
ア 申立人の具体的主張
申立人は申立書において、本件明細書の段落【0007】の記載より、発明の課題は、使用者が執務を無理なく快適に遂行できるブースを提供することであり、段落【0048】の記載より、上記発明の課題は、使用者の臀部を凭れさせることが可能な臀部当てを備えることで、解決される旨を主張している。
そして申立人は、「臀部当て」を発明特定事項として有さない本件発明1ないし9は、発明の課題が解決できることを当業者が認識できるように記載された範囲を超えているから、特許法36条6項1号の規定を満たしておらず、これらの発明に係る特許は、同法113条4号に該当し、取り消されるべき旨を主張している(申立書第59頁第9行~第60頁最終行)。
イ 具体的主張についての当審の判断
(ア)判断基準
特許請求の範囲の記載がサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載とを対比し、特許請求の範囲に記載された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。
(イ)判断基準に基づく判断
上記(ア)の判断基準に基づいて、判断する。
a 本件明細書の記載
本件明細書の段落【0007】及び【0048】の記載は、次のとおりである。
「【0007】
本発明は、以上のような事情に着目してなされたもので、少なくとも、外部から一定程度遮断されたブース空間内において、使用者が執務を無理なく快適に遂行できるブースを提供することにある。」
「【0048】
しかも、使用者は、臀部を臀部当てJに凭れさせた状態で執務を行うものとなるため、ブースG内に長時間滞在することが好適に抑制され得るものとなる。つまり、本実施形態におけるブースGであれば、外部から一定程度遮断されたブース空間sp内において、使用者がパソコンやスマートフォンを使用して比較的短時間の執務を無理なく快適に遂行できるとともに無用に長時間滞在することが好適に抑制され得るものとなっている。換言すれば、このブースGであれば、使用者のスピーディーな使用を促し、回転率を適正な値に調整し得るものとなっている。」
b 解決しようとする課題
上記aに摘記した段落【0007】の記載より、本件明細書において解決しようとする課題は、外部から一定程度遮断されたブース空間内において、使用者が執務を無理なく快適に遂行できるブースを提供することであると認められる。
c 課題を解決できると認識されるか否か
上記段落【0007】に記載される発明の課題のうち、外部から一定程度遮断されたブース空間を提供する点については、本件発明1及び6が有する、「単一の使用者が使用し得る前記ブース空間」を形成する構成B、及び、「前記ブース空間」を覆う「前壁」、「背壁」、「第一の側壁」及び「第二の側壁」を具備する構成Cにより、合理的に解決されると理解される。
また、上記段落【0007】に記載される発明の課題のうち、使用者が執務を無理なく快適に遂行できるブースを提供する点については、本件発明1及び6が有する、「前後寸法」が「固定面材部の前後寸法よりも長く設定」された「天板」を有する構成I等により、合理的に解決されると理解される。
これに対して、上記aに摘記した段落【0048】に記載される「臀部当てJ」は、「使用者」が「比較的短時間の執務を無理なく快適に遂行できるとともに無用に長時間滞在することが好適に抑制され得る」という効果を奏するうえで、実施形態のブースが備えることができる構成を例示するものと、理解される。そして、使用者が「執務を無理なく快適に遂行できる」という状態を、「比較的短時間」とし、使用者が「長時間滞在」することを「抑制」する効果を奏する「臀部当てJ」について、当該「臀部当てJ」を備えないブースについては、外部から一定程度遮断されたブース空間を提供できないものとなったり、使用者が執務を無理なく快適に遂行できないものとなるような事情はない。
したがって、上記申立人の具体的主張について検討しても、本件発明1ないし9は、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により、当業者が発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであり、特許法36条6項1号に規定するサポート要件を充足する。
(ウ)小括
よって、本件発明1ないし9に係る特許は、申立人が申し立てる、サポート要件違反の特許異議申立理由により、取り消されるべきものではない。
4 申立人の意見書におけるその余の主張について
(1)申立人のその余の主張
申立人は、令和5年6月13日付けの意見書において、本件訂正後の本件発明1及び本件発明6が有する構成Lの一部である、「前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネル」という構成について、「内面に吸音機能を有した内張り材が取り付け」られている「内側パネル」は、「前記天板を隔てて上下に独立して配設」された「内側パネル」の一方であるのか、それとも両方であるのか、不明であるから、本件発明1及び6は、特許法36条6項2号の規定に規定する要件を満たしていない旨を主張している(同意見書第22頁第1行~第24頁第4行)。
(2)上記申立人の主張についての判断
本件発明1及び6において、「前記天板を隔てて上下に独立して配設され内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた内側パネル」という構成は、請求項1及び6の記載より、「内側パネル」が「前記天板を隔てて上下に独立して配設」されていること、及び、「内側パネル」の「内面に吸音機能を有した内張り材が取り付けられた」ことを特定しているものである。
そして、請求項1及び6の記載において、「天板」を隔てて「上下に独立して配設」された「内側パネル」の両方に「内張り材」が取り付けられているのか、「天板」を隔てて「上」に「配設」された「内側パネル」に「内張り材」が取り付けられているのか、それとも、「天板」を隔てて「下」に「配設」された「内側パネル」に「内張り材」が取り付けられているのかは、特定されていない。
そうすると、本件発明1及び6において、「前記天板を隔てて上下に独立して配設」された「内側パネル」について、「内張り材」が取り付けられるのは、天板の上の内側パネル、天板の下の内側パネル、及び天板の上下両方の内側パネルの、いずれであってもよいことは、請求項1及び6の記載から明らかであり、その点について第三者に不測の不利益を生じさせる程に、発明が不明確なものではない。
したがって、上記申立人の主張について検討しても、本件発明1及び6は、本件訂正で追加された構成により、特許法36条6項2号の規定を満たさないものとなっているものではない。本件発明1又は6を引用する、本件発明2ないし5、及び本件発明7ないし9についても、同様である。
よって、本件発明1ないし9に係る特許は、上記申立人が主張する点で、取り消されるべき新たな理由を有するものではない。
第7 むすび
以上のとおり、本件訂正は全て認められるとともに、本件発明1ないし9に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に本件発明1ないし9に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700665