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特許異議申立

2024-700199

積層鉄心の製造装置および積層鉄心の製造方法

審判番号
2024-700199
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2023-023208
登録番号
7338086
請求日
2024年03月04日
審決日
2024年10月18日
公報発行日
2025年02月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社エフ・シー・シー
  • 【権利者代理人】山根 広昭
  • 【権利者代理人】古市 昭博
  • 【異議申立人】木村 嘉弘
審判長/審判官
  • 審判長 小宮 慎司
  • 審判官 河本 充雄
  • 審判官 棚田 一也
分類
P1651.537-YAA(H02K) / P1651.121-YAA(H02K) / P1651.536-YAA(H02K)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7338086号発明「積層鉄心の製造装置および積層鉄心の製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7338086号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2、7~11〕、3、4、5、6、〔12~20〕について訂正することを認める。 特許第7338086号の請求項1~9、11~19に係る特許を維持する。 特許第7338086号の請求項10、20に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7338086号の請求項1~20に係る特許(以下、「本件特許」ともいう。)についての出願は、令和5年2月17日に出願され、同年8月25日にその特許権の設定登録がされ、同年9月4日に特許掲載公報が発行された。 その特許についての特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和6年 3月 4日:特許異議申立人 木村嘉弘(以下、「申立人」という。)による請求項1~20に係る特許に対する特許異議の申立て 同年 5月 7日付け:取消理由通知 同年 6月20日:特許権者による意見書、訂正請求書の提出 同年 8月13日:申立人による意見書の提出 第2 訂正の適否についての判断 1 訂正の内容 令和6年6月20日にされた訂正請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである(当審注:下線は訂正箇所を示すため当審が付与した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる塗布制御部と、を有している、製造装置。」と記載されているのを、 「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有している、製造装置。」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2、7~9も同様に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項1に記載の製造装置。」と記載されているのを、 「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1に記載の製造装置。」に訂正する。 請求項2の記載を引用する請求項7~9も同様に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、製造装置。」と記載されているのを、 「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、製造装置。」と記載されているのを、 「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5に「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、製造装置。」と記載されているのを、 「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6に「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、製造装置。」と記載されているのを、 「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。」に訂正する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7に「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項1または2に記載の製造装置。」と記載されているのを、 「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。」に訂正する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8に「前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項1または2に記載の製造装置。」と記載されているのを、 「前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。」に訂正する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9に「前記接着剤塗布装置は、前記内形打ち抜きステージと前記外形打ち抜きステージとの間に配置され、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項1または2に記載の製造装置。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布装置は、前記内形打ち抜きステージと前記外形打ち抜きステージとの間に配置され、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。」に訂正する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11に「前記ノズルの吐出口は、前記下型の最上面よりも下方に位置する、請求項10に記載の製造装置。」と記載されているのを、 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記ノズルの吐出口は、前記下型の最上面よりも下方に位置する、製造装置。」に訂正する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12に「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記金属板よりも下方に位置する前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、」と記載されているのを、 「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記金属板よりも下方に位置する前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する接着剤塗布工程と、」に訂正する。 請求項12の記載を引用する請求項13~19も同様に訂正する。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項13に「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項12に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。」に訂正する。 請求項13の記載を引用する請求項16~19も同様に訂正する。 (14)訂正事項14 特許請求の範囲の請求項14に「前記接着剤塗布工程において、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる、請求項12に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。」に訂正する。 (15)訂正事項15 特許請求の範囲の請求項15に「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する、請求項12に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。」に訂正する。 (16)訂正事項16 特許請求の範囲の請求項16に「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する、請求項12または13に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。」に訂正する。 (17)訂正事項17 特許請求の範囲の請求項17に「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する、請求項12または13に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。」に訂正する。 (18)訂正事項18 特許請求の範囲の請求項18に「前記接着剤塗布工程において、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する、請求項12または13に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。」に訂正する。 (19)訂正事項19 特許請求の範囲の請求項19に「前記接着剤塗布工程において、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する、請求項12または13に記載の製造方法。」と記載されているのを、 「前記接着剤塗布工程において、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。」に訂正する。 (20)訂正事項20 特許請求の範囲の請求項20を削除する。 2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項1、3~6について 訂正事項1、3~6による訂正は、いずれも、「接着塗布装置」が「前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有」することを限定するとともに、「塗布制御部」が、訂正前では「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる」ものであったのを、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項1、3~6による訂正は、いずれも、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「本件明細書等」という。)の【請求項10】、【0020】、【0047】の記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (2)訂正事項2、7、8について 訂正事項2、7、8による訂正は、いずれも、「前記塗布制御部」が、訂正前では「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる」ものであったのを、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項2、7、8による訂正は、いずれも、本件明細書等の【0020】、【0047】の記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (3)訂正事項9について 訂正事項9による訂正は、「前記塗布制御部」が、訂正前では「前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる」ものであったのを、「前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項9による訂正は、本件明細書等の【0020】、【0047】の記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (4)訂正事項10、20について 訂正事項10による訂正は、請求項10を削除するものであり、訂正事項20による訂正は、請求項20を削除するものであるから、いずれも、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (5)訂正事項11について 訂正事項11による訂正は、訂正前の請求項11の記載が訂正前の請求項10を引用し、訂正前の請求項10の記載が請求項1を引用するものであったのを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1及び10の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるとともに、「前記塗布制御部」が、訂正前では「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる」ものであったのを、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものに限定するものであるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること、及び、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項11による訂正は、本件明細書等の【請求項10】、【0020】、【0047】の記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (6)訂正事項12について 訂正事項12による訂正は、「接着剤塗布工程」が、訂正前では「前記金属板よりも下方に位置する前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を塗布する」ものであったのを、「前記金属板よりも下方に位置する前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項12による訂正は、本件明細書等の【0034】に記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (7)訂正事項13、14について 訂正事項13、14による訂正は、いずれも、「前記接着剤塗布工程」が、訂正前では「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を塗布させる」ものであったのを、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項13、14による訂正は、いずれも、本件明細書等の【0034】に記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (8)訂正事項15~19について 訂正事項15~19による訂正は、いずれも、「前記接着剤塗布工程」が、訂正前では「前記金属板の前記下面に接着剤を塗布する」ものであったのを、「前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する」ものに限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、また、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 そして、訂正事項15~19による訂正は、いずれも本件明細書等の【0034】に記載に基づくものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 3 まとめ 以上によれば、本件訂正請求による訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第4号に規定する事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、訂正後の請求項〔1、2、7~11〕、3、4、5、6、〔12~20〕について訂正を認める。 第3 本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1~20の特許に係る発明(以下、「本件発明1~20」といい、まとめて「本件発明」ともいう。)は、その特許請求の範囲の請求項1~20に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有している、製造装置。 【請求項2】 前記ストリッパプレートは、前記最下降位置まで移動した際に、前記金属板を前記下型に押し付けて前記下型と共に前記金属板を挟持可能に構成されており、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1に記載の製造装置。 【請求項3】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。 【請求項4】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。 【請求項5】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。 【請求項6】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、製造装置。 【請求項7】 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。 【請求項8】 前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。 【請求項9】 前記下型は、 前記金属板が打ち抜かれて前記鉄心部材の内形が形成される内形打ち抜きステージと、 前記金属板が打ち抜かれて前記鉄心部材の外形が形成される外形打ち抜きステージと、を有し、 前記接着剤塗布装置は、前記内形打ち抜きステージと前記外形打ち抜きステージとの間に配置され、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、請求項1または2に記載の製造装置。 【請求項10】(削除) 【請求項11】 複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記ノズルの吐出口は、前記下型の最上面よりも下方に位置する、製造装置。 【請求項12】 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備えた製造装置において、複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心を製造する製造方法であって、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備え、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記金属板よりも下方に位置する前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する接着剤塗布工程と、 前記ストリッパプレートを前記最下降位置に移動させる下降工程と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置するときに、前記金属板を前記パンチによって打ち抜いて、前記鉄心部材の外形を形成する打ち抜き工程と、を包含する、製造方法。 【請求項13】 前記ストリッパプレートは、前記最下降位置まで移動した際に、前記金属板を前記下型に押し付けて前記下型と共に前記金属板を挟持可能に構成されており、 前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板を前記下型に押し付けていないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。 【請求項14】 前記接着剤塗布工程において、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。 【請求項15】 前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12に記載の製造方法。 【請求項16】 前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。 【請求項17】 前記接着剤塗布工程において、前記ストリッパプレートが前記下型に接近する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。 【請求項18】 前記接着剤塗布工程において、前記金属板の搬送が停止しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。 【請求項19】 前記下型は、 前記金属板が打ち抜かれて前記鉄心部材の内形が形成される内形打ち抜きステージと、 前記金属板が打ち抜かれて前記鉄心部材の外形が形成される外形打ち抜きステージと、を有し、 前記接着剤塗布工程において、前記金属板が前記内形打ち抜きステージから前記外形打ち抜きステージに搬送されているときに前記金属板の前記下面に接着剤を噴射する、請求項12または13に記載の製造方法。 【請求項20】(削除)」 第4 申立理由の概要 申立人は、証拠として甲第1号証~甲第7号証(以下、「甲1」~「甲7」という。)を提出し、以下の理由により、請求項1~20に係る特許を取り消すべきものである旨主張している。 (1)申立理由1(進歩性) 本件発明1~5、7、9~17、19、20は、甲1に記載された発明、甲2~甲6に記載された事項及び周知技術(甲2、甲3)に基いて、また、本件発明6、8、18は、甲1に記載された発明、甲2~甲7に記載された事項及び周知技術(甲2、甲3)事項に基いて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~20に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2)申立理由2(サポート要件) 本件発明1~20は、発明の詳細な説明に記載されたものではないから、請求項1~20に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (3)申立理由3(実施可能要件) 請求項1~20に係る特許は、発明の詳細な説明の記載が不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 [証拠方法] 甲1:特許第7130894号公報 甲2:特開2013-34294号公報 甲3:特開2021-168579号公報 甲4:国際公開第2016/071943号 甲5:特開2007-324455号公報 甲6:特許第6675601号公報 甲7:特開2021-93908号公報 第5 取消理由通知に記載した取消理由について 当審において、令和6年5月7日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 1 取消理由1(サポート要件) 請求項1~20に係る特許は、特許請求の範囲の記載が不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 第6 取消理由1(サポート要件)、申立理由2(サポート要件)について 1 本件発明が解決しようとする課題 本件特許に係る願書に添付した明細書の発明の詳細な説明(以下、単に「発明の詳細な説明」という。)の【0002】~【0005】の記載によれば、本件発明が解決しようとする課題は、従来の積層鉄心の製造装置では、吐出孔から吐出されて盛り上がった接着剤に帯状の金属板を接触させることで接着剤を帯状の金属板に転写させるため、ストリッパプレートを下方に移動する際に帯状の金属板と吐出孔との間隔を厳格に管理しなければならならず、また、接着剤に帯状の金属板を接触させるため、吐出孔と帯状の金属板との間隔が非常に狭くなり、接着剤を帯状の金属板の広範囲に塗布することが困難であり、そのため、鉄心部材同士の接着が弱くなり、積層鉄心の剛性が低下してしまう虞があることから、剛性の高い積層鉄心を製造することができる積層鉄心の製造装置および製造方法を提供すること(以下、「本件課題」という。)である。 2(1)発明の詳細な説明の【課題を解決するための手段】の欄の【0007】には、「本発明に係る積層鉄心の製造装置によると、制御装置の塗布制御部は、ストリッパプレートが最下降位置に位置していないときに、接着剤塗布装置から帯状の金属板の下面に接着剤を塗布させる。上記態様によれば、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を塗布するときには、ストリッパプレートが最下降位置に位置していないため、金属板と接着剤塗布装置との間隔が広い。このため、接着剤塗布装置から塗布された接着剤は、金属板の下面の広範囲に亘って付着する。これにより、積層された鉄心部材同士の接着が強くなり、剛性に優れた積層鉄心を製造することができる。」(当審注:下線は当審が付与した。以下、同様である。)と記載されている。 (2)上記(1)の「接着剤塗布装置から塗布された接着剤は、金属板の下面の広範囲に亘って付着する」ことについて、発明の詳細な説明の【発明を実施するための形態】の欄の【0047】には、「本実施形態の積層鉄心の製造装置10では、接着剤塗布装置70は、帯状の金属板Wよりも下方に位置し、かつ、帯状の金属板Wの下面WLに接着剤を噴射するノズル72を有する。上記態様によれば、ノズル72は接着剤を噴射することができるため、帯状の金属板Wの下面WLのより広範囲に接着剤を塗布することができる。」と記載されている。 そうすると、接着剤塗布装置が、金属板の下面に接着剤を噴射するノズルを有することで、当該接着剤を金属板の下面に広範囲に塗布することができるため、積層された鉄心部材同士の接着が強くなり、剛性に優れた積層鉄心を製造することができる、すなわち、上記本件課題を解決できるといえる。 (3)そして、本件訂正によって、本件発明1~9、11は、接着剤塗布装置が、金属板の下面に接着剤を噴射するノズルを有することが特定され、また、本件発明12~19は、接着剤塗布工程において、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を噴出することが特定されているから、いずれも、上記本件課題を解決できるといえる。 3 申立人の主張 申立人は、特許異議申立書の63ページ6~17行において、本件発明は、接着剤を噴射する塗布方式に限定されているが、本件出願時の技術常識に照らしても、甲5に記載されているようなスプレー法、甲6に記載されているようなジェットディスペンス法の塗布装置を適用さえずれば、ストリッパプレートが最下降位置以外の位置にあり金属板がフリーの状態、或いは、金属板が上下方向及び前後方向に移動している状態であっても、目的とする位置に接着剤を精度良く塗布することができ、「剛性の高い積層鉄心を製造することができる」という発明の課題を解決できると、当業者が認識することはできないため、請求項には、発明の課題を解決するための手段が反映されていないから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えるものである旨主張している。 しかし、上記1で示したとおり、本件課題は、従来の積層鉄心の製造装置では、吐出孔から吐出されて盛り上がった接着剤に帯状の金属板を接触させることで接着剤を帯状の金属板に転写させるため、ストリッパプレートを下方に移動する際に帯状の金属板と吐出孔との間隔を厳格に管理しなければならならず、また、接着剤に帯状の金属板を接触させるため、吐出孔と帯状の金属板との間隔が非常に狭くなり、接着剤を帯状の金属板の広範囲に塗布することが困難であり、そのため、鉄心部材同士の接着が弱くなり、積層鉄心の剛性が低下してしまう虞があることから、剛性の高い積層鉄心を製造することができる積層鉄心の製造装置および製造方法を提供することである。 また、上記2(ア)で摘記した、発明の詳細な説明の【課題を解決するための手段】の欄の【0007】の記載によれば、本件発明は、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を塗布するときには、ストリッパプレートが最下降位置に位置していないため、金属板と接着剤塗布装置との間隔が広いので、接着剤塗布装置から塗布された接着剤は、金属板の下面の広範囲に亘って付着し、これにより、積層された鉄心部材同士の接着が強くなり、剛性に優れた積層鉄心を製造することができる、すなわち、本件課題を解決できるものである。 そうすると、本件発明は、申立人が主張するように、目的とする位置に接着剤を精度良く塗布することができ、「剛性の高い積層鉄心を製造することができる」というものではない。 したがって、申立人の上記主張は、発明の詳細な説明の記載に基づくものではないから採用できない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、請求項1~9、11~19に係る特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものではない。 したがって、取消理由1及び申立理由2は、理由がない。 第7 申立理由1(進歩性)について 1 甲号証の記載、甲号証に記載された発明等 (1)甲1(特許第7130894号公報) ア 甲1の記載 甲1には、以下の記載がある。 「【0036】 (第1実施形態) 図1は、第1実施形態に係る順送り金型1の概略構成図である。図2は、図1に示した順送り金型1によって製造される積層鉄心Mを構成する薄板片Wの模式図である。 【0037】 順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材F(帯状薄鋼板)を加工することにより、積層鉄心Mを製造するための装置である。図1に示すように、順送り金型1では、フープ材Fが順送り方向(図1中の矢印参照)に間欠的に搬送されながら、各薄板片Wに対応する部分が順次加工される。順送り金型1には、フープ材Fにおいて各薄板片Wに対応する部分への加工がそれぞれ実施される複数のステージI-VIIが設けられている。薄板片Wは、例えば、モータの固定子に用いられる積層鉄心Mを構成する。なお、順送り金型1による「加工」には、パンチ及びダイによる打ち抜きに限らず、フープ材F(または各薄板片Wに対応する部分)の形状を変更しない加工(例えば、接着剤の塗布)も含まれるものとする。 【0038】 本実施形態では、薄板片Wに対応する部分(以下、薄板片対応部分という。)は、図2に示すように、フープ材Fの幅方向に2列(図2に示す第1ラインL1または第2ラインL2を参照)に配置される。各薄板片対応部分は、フープ材Fから打ち抜かれる各薄板片Wの外形の内側のエリアに概ね対応する部分である。また、フープ材Fの幅方向は、順送り方向に直交する左右方向に相当する。 【0039】 図2では、第1及び第2ラインL1、L2の各々に1つの薄板片対応部分のみが示されているが、各ラインL1、L2における薄板片対応部分はそれぞれ順送り方向に所定の間隔をおいて複数配置される。また、図2では、説明の簡素化のために、薄板片Wは、円環形状に模式化されている。ただし、薄板片Wは、ティースやヨークなどの公知の構成を含み得る。 【0040】 また、薄板片対応部分には、周方向に等間隔に配置された複数箇所に設定された各塗布点Eに接着剤が塗布される。ただし、薄板片Wにおける塗布点Eの数、位置、及びそこに塗布される接着剤のサイズ等は、種々の変更が可能である。 【0041】 再び図1を参照して、順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材Fを上下に挟み込むように配置された上型3及び下型4を備える。 【0042】 上型3は、プレス機械の上部ラム(不図示)の下面に固定される板状の上側ホルダ12を有する。これにより、上型3は、下型4に近接および下型4と離間するように、上下方向に移動することが可能である。上型3において、上側ホルダ12の下部には、バッキングプレート16及びパンチプレート18が取り付けられている。パンチプレート18は、パイロット孔打ち抜き用パンチ20、内形打ち抜き用パンチ22、外形打ち抜き用パンチ24をそれぞれ上側ホルダ12に固定する。バッキングプレート16は、各パンチ20、22、24の加工力が上側ホルダ12に直接かかることを防止する。 【0043】 上型3において、上側ホルダ12の下方には、ストリッパ28が取り付けられている。ストリッパ28は、上側ホルダ12に対して上下方向に相対変位可能である。ストリッパ28は、吊下げボルト(不図示)による吊り下げ支持によって上側ホルダ12に対する最降下位置が設定されている。ストリッパ28は、それぞれ板状をなすストリッパ本体30とストリッパプレート32との接合体として構成される。 【0044】 ストリッパプレート32の下面33は、後述するダイプレート40及び各ダイ42、44、46の上面47に対向する。換言すると、ストリッパプレート32は、ダイプレート40及び各ダイ42、44、46の上面47と平行な下面33を有する。ストリッパプレート32には、各パンチ20、22、24が貫通するパンチ挿通孔34、36、38が形成されている。 【0045】 下型4は、プレス機械の下部テーブル(不図示)の上面に固定される板状の下側ホルダ14を有する。下側ホルダ14は、上側ホルダ12に対向するように配置される。下型4において、下側ホルダ14の上面には板状のダイプレート40が取り付けられている。ダイプレート40には、各打ち抜きステージI、II、VIに対応する位置に、それぞれパイロット孔打ち抜き用ダイ42、内形打ち抜き用ダイ44、外形打ち抜き用ダイ46が取り付けられている。 【0046】 なお、ダイプレート40、各ダイ42、ダイ44、及びダイ46の上面は面一であるので、以降、これらの上面を総称して下型4の上面47と称する。 【0047】 下型4には、接着剤塗布装置50が設けられている。接着剤塗布装置50は、転写式のものであり、塗布台60を有する。塗布台60は下側ホルダ14及びダイプレート40に形成された保持孔56に上下動可能に嵌挿されている。接着剤塗布装置50は、駆動装置54によって駆動されるカム機構52によって上下に移動可能である。接着剤塗布装置50は、上昇位置にある場合に、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する。ただし、接着剤塗布装置50は、積層鉄心の最下層に位置する薄板片W(計量用の薄板片W)に対しては、下降位置に移動することにより接着剤を塗布しない。 【0048】 複数のステージI-VIIは、パイロット孔打ち抜きステージIと、内形打ち抜きステージIIと、アイドルステージIIIと、接着剤塗布ステージIVと、アイドルステージVと、外形打ち抜きステージVIと、アイドルステージVIIと、を含む。順送り金型1において、各ステージI-VIIは、順送り方向(搬送方向)に所定の間隔をおいて配置される。 【0049】 パイロット孔打ち抜きステージI、内形打ち抜きステージII、接着剤塗布ステージIV、及び外形打ち抜きステージVIでは、それぞれ位置決め用のパイロット孔の打ち抜き工程、薄板片Wの内形の打ち抜き工程、接着剤の塗布工程、及び薄板片Wの外形の打ち抜き工程が行われる。アイドルステージIII、V、VIIでは、フープ材Fの空送りが行われる。 【0050】 パイロット孔打ち抜きステージIにおいて、パイロット孔打ち抜き用パンチ20及びパイロット孔打ち抜き用ダイ42は、パイロット孔を打ち抜くための一対の工具を構成する。フープ材Fには、1回のプレス動作毎(すなわち、フープ材Fの1回の間欠移送毎)にパイロット孔が打ち抜かれる。 【0051】 内形打ち抜きステージIIにおいて、内形打ち抜き用パンチ22及び内形打ち抜き用ダイ44は、薄板片Wの内形を打ち抜くための一対の工具を構成する。フープ材Fには、1回のプレス動作毎に内形(例えば、複数のティース、軸孔などを含む)が打ち抜かれる。 【0052】 接着剤塗布ステージIVでは、接着剤塗布装置50によってフープ材Fの下面の塗布点E(図2を参照)に対し、接着剤が点状に塗布される。使用される接着剤としては、特に限定されないが、嫌気性接着剤(接着剤+硬化促進剤)、1液性エポキシ樹脂系接着剤、2液性エポキシ樹脂系接着剤(接着剤第1液+接着剤第2液または主剤+開始剤)、アクリル樹脂系接着剤等の熱硬化性接着剤、湿気硬化性接着剤等が挙げられる。なお、硬化促進剤を用いる場合には、それを順送り金型1で使用されるプレス加工油に添加してもよい。その場合、硬化促進剤はプレス加工油と共にフープ材F(ここでは、上面)に対して塗布される。 【0053】 外形打ち抜きステージVIにおいて、外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成する。外形打ち抜き用ダイ46は略円環状をなす。外形打ち抜き用ダイ46には、外形打ち抜き用パンチ24が挿入される開口46Aが形成されている。フープ材Fには、1回のプレス動作毎に外形が打ち抜かれる。この外形の打ち抜きによって薄板片Wが完成する(すなわち、フープ材Fに対する加工が終了する)。 【0054】 外形打ち抜きステージVIでは、薄板片Wの外形の打ち抜き開始時(すなわち、フープ材Fの停止時)に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降する。これにより、ストリッパプレート32は、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧する。このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態となる。 【0055】 薄板片Wの外形の打ち抜き終了後に上型3が上昇すると、ストリッパプレート32は上型3と共に上昇する。これにより、フープ材Fに対するストリッパプレート32による押圧は解除され、フープ材Fは、下型4の上面47から離間した状態となる。この状態で、フープ材Fは、順送り方向に所定の送り量だけ搬送される。 【0056】 なお、このようなストリッパプレート32の動作は、他のステージI-V、VIIにおいても同様である。 【0057】 図1では省略されているが、後に詳述するように、外形打ち抜きステージVIには、フープ材Fの搬送時にその搬送をガイドしつつフープ材Fを持ち上げるための構造(以下、リフトアップ構造という。)が設けられている(図3-図7を参照)。リフトアップ構造には、フープ材Fの側部をガイドするガイドと、そのガイドに対応して配置され、フープ材Fを持ち上げるリフタと、が含まれる。順送り金型1では、リフトアップ構造により、フープ材Fの剛性の低下に拘わらず、フープ材Fの自重による変位(すなわち、下型4の上面からの離間距離)を制御または調整することができる。その結果、フープ材Fと、順送り金型1における周辺部との干渉(すなわち、意図しない当接や擦れなど)が生じることを抑制することができ、フープ材Fを安定的に搬送することが可能となる。」 ・・・ 【0060】 外形打ち抜きステージVIにおいて、積層状態で互いに接着された所定枚数の薄板片Wは、積層鉄心Mとして、下側ホルダ14に形成された排出孔48の下部から取り出される。なお、取り出された積層鉄心Mに対し、加熱炉(不図示)等を用いて接着剤を硬化させるための加熱工程が施されてもよい。 ・・・ 【0062】 図3及び図4に示すように、外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、外形打ち抜き用ダイ46の上方に位置するフープ材Fの左側部(すなわち、第1ラインL1側の側部)をガイドする一対のサイドガイド61A、61B(第1及び第2のサイドガイド)が設けられる。サイドガイド61A、61Bは、下型4の上面47(ダイプレートの上面)に固定される。 ・・・ 【0064】 また、下型4には、それら一対のサイドガイド61A、61Bに対応して配置され、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B(第1及び第2のリフタ)が設けられる。 ・・・ 【0069】 一方のリフタ63Aは、図4及び図5に示すように、リフタピン75Aと、リフタピン75Aを上向きに常時付勢する圧縮コイルばねからなるリフタ用ばね76Aと、を有する。 【0070】 リフタピン75Aは、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77Aに収容される。ここでは、リフタピン孔77Aは、下型4の上面47からダイプレート40を貫通し、下側ホルダ14まで延在する。リフタピン75Aは、リフタピン孔77Aにおいて、上昇位置(上方に向けて進出する進出位置)と、下降位置(下方に向けて後退する後退位置)との間を移動可能である。 ・・・ 【0076】 他方のリフタ63Bは、リフタ63Aと同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。なお、リフタ63Bにおけるリフタピン75Bの押圧部79B(第2の押圧部)は、対応するサイドガイド61Bの突部70B(第2の当接部)の先端よりも後側(順送り方向の上流側)に位置する。・・・ 【0077】 フープ材Fの搬送時には、フープ材Fに対するストリッパプレート32の押圧は解除されている。そこで、外形打ち抜きステージVIに位置するフープ材Fの左側部は、図5(A)に示すように、リフタ63A、63Bの押圧部79A、79Bによって(すなわち、リフタ用ばね76A、76Bの付勢力によって)上方に持ち上げられる。このとき、サイドガイド61A、61Bの突部70A、70Bの先端は、それぞれ対応するリフタ63A、63Bの押圧部79A、79Bの上昇位置よりも下方に位置する。また、フープ材Fの上面は、突部70A、70Bの先端を除いて、各サイドガイド61A、61Bにおける水平壁66Aの下面68Aからは離間された状態にある。 【0078】 このとき、フープ材Fの左側部には、上向きの力が作用する。より詳細には、フープ材Fの左側部には、押圧部79A、79Bをそれぞれ支点とし、突部70A、70Bをそれぞれ力点とした2つの梃子が存在するかのような力が作用する。その結果、フープ材Fの左側部は、サイドガイド61A、61Bの間において、リフタ63A、63Bによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47(特に、第1ラインL1側の外形打ち抜き用ダイ46の開口46Aの周縁)から、より上方に離間した状態となる。 【0079】 また、フープ材F(電磁鋼板)は、その剛性により、左側部のみならず、第1ラインL1側における外形打ち抜き用ダイ46の上方に位置する部分も下型4の上面47から上方に離間した状態となる。その結果、搬送時のフープ材Fと順送り金型1における周辺部(ここでは、下型4における外形打ち抜き用ダイ46)との干渉が回避される。そのため、順送り金型1では、薄板片Wが打ち抜かれた後のフープ材Fを安定的に搬送することが可能となる。 【0080】 フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧される。これにより、図5(B)に示すように、フープ材Fの下面は、下型4の上面47に当接した状態となる。また、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79Bは、リフタ用ばね76A、76Bの付勢力に抗する力で、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれリフタピン孔77A、77B内に後退する。また、フープ材Fの上面は、突部70A、70Bから離間した状態となる。 【0081】 また、図4に示すように、外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、外形打ち抜き用ダイ46の上方に位置するフープ材Fの右側部(すなわち、第2ラインL2側の側部)をガイドする一対のサイドガイド161A、161B(第3及び第4のサイドガイド)が設けられる。サイドガイド161A、161Bは、下型4の上面47に固定される。サイドガイド161A、161Bは、前後方向において、サイドガイド61A、61Bとは異なる位置(ここでは、順送り方向における下流側)に配置される。 【0082】 また、下型4には、それら一対のサイドガイド161A、161Bに対応して配置され、搬送時にフープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163B(第3及び第4のリフタ)が設けられる。各リフタ163A、163Bは、平面視において、それぞれ対応するサイドガイド161A、161Bと重なる位置に配置される。 ・・・ 【0087】 一方のリフタ163Aは、サイドガイド161Aに対する前後方向の相対位置が、サイドガイド61Aに対するリフタ63Aの前後方向の相対位置と多少異なる(突部170A側に接近している)ことを除けば、それぞれリフタ63Aと同様の構成を有する。 【0088】 他方のリフタ163Bは、リフタ163Aと同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。・・・ 【0089】 フープ材Fの搬送時には、外形打ち抜きステージVIに位置するフープ材Fの右側部は、図6(A)に示すように、リフタ163A、163Bの押圧部179A、179B(第3及び第4の押圧部)によって上方に持ち上げられる。このとき、サイドガイド161A、161Bの突部170A、170Bの先端は、それぞれ対応するリフタ163A、163Bの押圧部179A、179Bの上昇位置よりも下方に位置する。 【0090】 これにより、フープ材Fの右側部には、上向きの力が作用する。より詳細には、フープ材Fの右側部には、押圧部179A、179Bをそれぞれ支点とし、突部170A、170Bをそれぞれ力点とした2つの梃子が存在するかのような力が作用する。その結果、フープ材Fの右側部は、サイドガイド161A、161Bの間において、リフタ163A、163Bによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47(特に、第2ラインL2側の外形打ち抜き用ダイ46の開口46Aの周縁)から、より上方に離間した状態となる。 【0091】 また、フープ材Fは、その剛性により、右側部のみならず、第2ラインL2側における外形打ち抜き用ダイ46の上方に位置する部分も下型4の上面47から上方に離間した状態となる。その結果、搬送時のフープ材Fと順送り金型1における周辺部(ここでは、下型4における外形打ち抜き用ダイ46)との干渉が回避される。そのため、順送り金型1では、薄板片Wが打ち抜かれた後のフープ材Fを安定的に搬送することが可能となる。 【0092】 順送り金型1では、特に、フープ材Fの両側部が、それぞれリフタ63A、63Bおよびリフタ163A、163Bによって持ち上げられることにより、搬送時のフープ材Fと順送り金型1における周辺部との干渉がより確実に回避される。 【0093】 フープ材Fの打ち抜き時には、図6(B)に示すように、リフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれリフタピン孔177A、177B内に後退する。また、フープ材Fの上面は、突部170A、170Bから離間した状態となる。 ・・・ 【0097】 各リフタブロック93は、下型4の上面47に開口する各リフタブロック孔97に収容される。ここでは、各リフタブロック孔97は、下型4の上面47からダイプレート40を貫通し、下側ホルダ14まで延在する。各リフタブロック93は、各リフタブロック孔97において、上昇位置(上方に向けて進出する進出位置)と、下降位置(下方に向けて後退する後退位置)との間を移動可能である。各リフタブロック93の前後方向のサイズは、リフタピン75A、75Bおよびリフタピン175A、175Bよりも大きく設定されている。」 「【0115】 第1実施形態では、フープ材Fに対するリフトアップ構造が外形打ち抜きステージVIに設けられた例を示したが、これに限らず、リフトアップ構造は、必要に応じて1または複数のステージに設けることができる。 【0116】 例えば図10に示すように、順送り金型1では、フープ材Fに対するリフトアップ構造は、接着剤塗布ステージIVに設けられてもよい。各サイドガイド61A、61Bは、図10に示す前後方向において、第1ラインL1における接着剤塗布装置50の中心C2を挟み込むように配置される。接着剤塗布装置50の上面には、薄板片Wに対する接着剤の塗布点E(図2参照)に対応する位置に、接着剤の吐出孔119が開口している。 【0117】 接着剤塗布ステージIVでは、外形打ち抜きステージVIの場合と同様に、フープ材Fの左側部は、リフタ63A、63Bによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47(特に、第1ラインL1側の接着剤塗布装置50を収容するダイプレート40の開口120の周縁)から、より上方に離間した状態となる。 【0118】 なお、フープ材Fの右側部に対するリフトアップ構造については、フープ材Fの左側部の場合と同様である。 」 「【図1】 [図:0001419350000001.jpg] 」 「【図10】 [図:0001419350000002.jpg] 」 イ 甲1に記載された発明 (ア)上記アの【0037】には、「順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材F(帯状薄鋼板)を加工することにより、積層鉄心Mを製造するための装置である。」と記載されている。 また、同【0060】の「積層状態で互いに接着された所定枚数の薄板片Wは、積層鉄心Mとして、下側ホルダ14に形成された排出孔48の下部から取り出される」との記載から、積層鉄心Mは、所定枚数の薄板片Wが互いに接着されたものであるといえる。 そうすると、順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材F(帯状薄鋼板)を加工することにより、所定枚数の薄板片Wが積層状態で互いに接着された積層鉄心Mを製造するための装置であるといえる。 (イ)同【0037】には、「順送り金型1には、フープ材Fにおいて各薄板片Wに対応する部分への加工がそれぞれ実施される複数のステージI-VIIが設けられている」と記載され、同【0048】には、「複数のステージI-VIIは、パイロット孔打ち抜きステージIと、内形打ち抜きステージIIと、アイドルステージIIIと、接着剤塗布ステージIVと、アイドルステージVと、外形打ち抜きステージVIと、アイドルステージVIIと、を含む。」と記載されているから、順送り金型1は、パイロット孔打ち抜きステージIと、内形打ち抜きステージIIと、アイドルステージIIIと、接着剤塗布ステージIVと、アイドルステージVと、外形打ち抜きステージVIと、アイドルステージVIIと、を含むといえる。 (ウ)同【0041】には、「順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材Fを上下に挟み込むように配置された上型3及び下型4を備える。」と記載されている。 また、上型3及び下型4について、同【0042】には、「上型3は、プレス機械の上部ラム(不図示)の下面に固定される板状の上側ホルダ12を有する。これにより、上型3は、下型4に近接および下型4と離間するように、上下方向に移動することが可能である。上型3において、上側ホルダ12の下部には、バッキングプレート16及びパンチプレート18が取り付けられている。パンチプレート18は、パイロット孔打ち抜き用パンチ20、内形打ち抜き用パンチ22、外形打ち抜き用パンチ24をそれぞれ上側ホルダ12に固定する。」と記載され、同【0045】には、「下型4において、下側ホルダ14の上面には板状のダイプレート40が取り付けられている。ダイプレート40には、各打ち抜きステージI、II、VIに対応する位置に、それぞれパイロット孔打ち抜き用ダイ42、内形打ち抜き用ダイ44、外形打ち抜き用ダイ46が取り付けられている。」と記載され、同【0053】には、「外形打ち抜きステージVIにおいて、外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成する。外形打ち抜き用ダイ46は略円環状をなす。外形打ち抜き用ダイ46には、外形打ち抜き用パンチ24が挿入される開口46Aが形成されている。フープ材Fには、1回のプレス動作毎に外形が打ち抜かれる。この外形の打ち抜きによって薄板片Wが完成する」と記載されている。 そうすると、順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材Fを上下に挟み込むように配置された上型3及び下型4を備え、上型3は、板状の上側ホルダ12を有し、上側ホルダ12の下部には、バッキングプレート16及びパンチプレート18が取り付けられており、パンチプレート18は、外形打ち抜き用パンチ24を上側ホルダ12に固定し、外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4は、開口46Aが形成された外形打ち抜き用ダイ46を有し、外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成しており、フープ材Fの外形の打ち抜きによって薄板片Wが完成するといえる。 (エ)同【0043】の「上型3において、上側ホルダ12の下方には、ストリッパ28が取り付けられている。ストリッパ28は、上側ホルダ12に対して上下方向に相対変位可能である。ストリッパ28は、吊下げボルト(不図示)による吊り下げ支持によって上側ホルダ12に対する最降下位置が設定されている。ストリッパ28は、それぞれ板状をなすストリッパ本体30とストリッパプレート32との接合体として構成される」との記載から、上型3の上側ホルダ12の下方にはストリッパ28が取り付けられ、ストリッパ28は、上側ホルダに対する最降下位置が設定されており、かつ、ストリッパ28は、それぞれ板状をなすストリッパ本体30とストリッパプレート32との接合体として構成されているといえる。 (オ)同【0054】には、「外形打ち抜きステージVIでは、薄板片Wの外形の打ち抜き開始時(すなわち、フープ材Fの停止時)に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降する。これにより、ストリッパプレート32は、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧する。このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態となる」と記載されているから、外形打ち抜きステージVIでは、薄板片Wの外形の打ち抜き開始時に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降することにより、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧し、このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態となるといえる。 (カ)同【0047】には、「下型4には、接着剤塗布装置50が設けられている。」及び「接着剤塗布装置50は、上昇位置にある場合に、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する。」と記載され、同【0052】には、「接着剤塗布ステージIVでは、接着剤塗布装置50によってフープ材Fの下面の塗布点E(図2を参照)に対し、接着剤が点状に塗布される」と記載されているから、接着剤塗布ステージIVにおいて、下型4には、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する接着剤塗布装置50が設けられているといえる。 また、同【図1】から、接着剤塗布装置50は、フープ材Fより下方に位置していることが見て取れる。 以上から、接着剤塗布ステージIVにおいて、下型4には、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する接着剤塗布装置50が設けられ、接着剤塗布装置50は、フープ材Fより下方に位置しているといえる。 (キ)同【0062】には、「外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、外形打ち抜き用ダイ46の上方に位置するフープ材Fの左側部(すなわち、第1ラインL1側の側部)をガイドする一対のサイドガイド61A、61B(第1及び第2のサイドガイド)が設けられる。と記載され、同【0064】には、「下型4には、それら一対のサイドガイド61A、61Bに対応して配置され、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B(第1及び第2のリフタ)が設けられる。」と記載され、同【0082】には、「下型4には、それら一対のサイドガイド161A、161Bに対応して配置され、搬送時にフープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163B(第3及び第4のリフタ)が設けられる。」と記載されているから、外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B、及び、フープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163Bが設けられているといえる。 また、同【0069】には、「一方のリフタ63Aは、図4及び図5に示すように、リフタピン75Aと、リフタピン75Aを上向きに常時付勢する圧縮コイルばねからなるリフタ用ばね76Aと、を有する。」と記載され、同【0076】には、「他方のリフタ63Bは、リフタ63Aと同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。」と記載され、同【0087】には、「一方のリフタ163Aは、サイドガイド161Aに対する前後方向の相対位置が、サイドガイド61Aに対するリフタ63Aの前後方向の相対位置と多少異なる(突部170A側に接近している)ことを除けば、それぞれリフタ63Aと同様の構成を有する。」と記載され、同【0088】には、「他方のリフタ163Bは、リフタ163Aと同様の構成を有するため、その詳細な説明は省略する。」と記載され、同【0097】には、「リフタピン75A、75Bおよびリフタピン175A、175B」と記載されているから、リフタ63Aはリフタピン75Aを有し、リフタ63Bはリフタピン75Bを有し、リフタ163Aはリフタピン175Aを有し、リフタ163Bはリフタピン175Bを有しているといえる。 さらに、同【0070】には、「リフタピン75Aは、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77Aに収容される」と記載され、同【0080】には、「フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧される。これにより、図5(B)に示すように、フープ材Fの下面は、下型4の上面47に当接した状態となる。また、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79Bは、リフタ用ばね76A、76Bの付勢力に抗する力で、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれリフタピン孔77A、77B内に後退する」と記載され、同【0093】には、「フープ材Fの打ち抜き時には、図6(B)に示すように、リフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれリフタピン孔177A、177B内に後退する」と記載されているから、フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧されることにより、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79B及びリフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれ、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77A、77B内、及び、リフタピン孔177A、177B内に後退するといえる。 以上から、外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B、及び、フープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163Bが設けられ、 リフタ63Aはリフタピン75Aを有し、リフタ63Bはリフタピン75Bを有し、リフタ163Aはリフタピン175Aを有し、リフタ163Bはリフタピン175Bを有し、 フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧されることにより、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79B及びリフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれ、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77A、77B内、及び、リフタピン孔177A、177B内に後退するといえる。 (ク)同【0057】には、「外形打ち抜きステージVIには、フープ材Fの搬送時にその搬送をガイドしつつフープ材Fを持ち上げるための構造(以下、リフトアップ構造という。)が設けられている(図3-図7を参照)。リフトアップ構造には、フープ材Fの側部をガイドするガイドと、そのガイドに対応して配置され、フープ材Fを持ち上げるリフタと、が含まれる」と記載され、同【0115】には、「第1実施形態では、フープ材Fに対するリフトアップ構造が外形打ち抜きステージVIに設けられた例を示したが、これに限らず、リフトアップ構造は、必要に応じて1または複数のステージに設けることができる」と記載され、同【0116】には、「順送り金型1では、フープ材Fに対するリフトアップ構造は、接着剤塗布ステージIVに設けられてもよい」と記載されているから、接着剤塗布ステージIVには、フープ材Fに対するリフトアップ構造が設けられているといえる。 さらに、同【0117】には、「接着剤塗布ステージIVでは、外形打ち抜きステージVIの場合と同様に、フープ材Fの左側部は、リフタ63A、63Bによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47(特に、第1ラインL1側の接着剤塗布装置50を収容するダイプレート40の開口120の周縁)から、より上方に離間した状態となる。」と記載され、同【0118】には、「フープ材Fの右側部に対するリフトアップ構造については、フープ材Fの左側部の場合と同様である」と記載されているから、フープ材Fの左側部及び右側部は、それぞれ一対のリフタによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47から、より上方に離間した状態となっているといえる。 そうすると、接着剤塗布ステージIVにおいて、順送り金型1には、フープ材Fに対するリフトアップ構造が設けられており、フープ材Fの左側部及び右側部は、それぞれ一対のリフタによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47から、より上方に離間した状態となっているといえる。 (ケ)以上によれば、甲1には、以下の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「電磁鋼板からなるフープ材F(帯状薄鋼板)を加工することにより、所定枚数の薄板片Wが積層状態で互いに接着された積層鉄心Mを製造するための装置である順送り金型1であって、 順送り金型1は、パイロット孔打ち抜きステージIと、内形打ち抜きステージIIと、アイドルステージIIIと、接着剤塗布ステージIVと、アイドルステージVと、外形打ち抜きステージVIと、アイドルステージVIIと、を含み、 順送り金型1は、電磁鋼板からなるフープ材Fを上下に挟み込むように配置された上型3及び下型4を備え、 上型3は、板状の上側ホルダ12を有し、上側ホルダ12の下部には、バッキングプレート16及びパンチプレート18が取り付けられており、パンチプレート18は、外形打ち抜き用パンチ24を上側ホルダ12に固定し、 外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4は、開口46Aが形成された外形打ち抜き用ダイ46を有し、 外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成しており、フープ材Fの外形の打ち抜きによって薄板片Wが完成するものであり、 上型3の上側ホルダ12の下方にはストリッパ28が取り付けられ、ストリッパ28は、上側ホルダに対する最降下位置が設定されており、かつ、ストリッパ28は、それぞれ板状をなすストリッパ本体30とストリッパプレート32との接合体として構成され、 外形打ち抜きステージVIでは、薄板片Wの外形の打ち抜き開始時に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降することにより、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧し、このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態となり、 接着剤塗布ステージIVにおいて、下型4には、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する接着剤塗布装置50が設けられ、接着剤塗布装置50は、フープ材Fより下方に位置しており、 外形打ち抜きステージVIにおいて、下型4には、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B、及び、フープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163Bが設けられ、 リフタ63Aはリフタピン75Aを有し、リフタ63Bはリフタピン75Bを有し、リフタ163Aはリフタピン175Aを有し、リフタ163Bはリフタピン175Bを有し、 フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧されることにより、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79B及びリフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれ、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77A、77B内、及び、リフタピン孔177A、177B内に後退し、 接着剤塗布ステージIVにおいて、順送り金型1には、フープ材Fに対するリフトアップ構造が設けられており、フープ材Fの左側部及び右側部は、それぞれ一対のリフタによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47から、より上方に離間した状態となっている、順送り金型1。」 (2)甲2(特開2013-34294号公報) 甲2には、以下の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、各層が単一又は複数の薄板部材からなる積層鉄心を製造する鉄心製造方法及び装置に関する。」 「【0048】 本実施形態によれば、積層鉄心を製造する際には、装置各部の動作が図示していない装置の制御部及び制御機構により次のように制御される。すなわち、第1送り手段30により、鉄心材10が所定の送りピッチでY方向に送られる。また、第2送り手段31により、鉄心材10が、前述のように第1送り手段30による送りピッチと異なるピッチでY方向に送られる。これにより、鉄心材10上の各加工対象部分が順次、各加工位置に移送される。各加工位置には、上述の工程A,B,C1及びC2が含まれる。各加工位置における正確な位置決めは、パイロット孔11を用いて行われる。 【0049】 各加工対象部分に対しては、図1に示すように、複数の加工工程を経てパイロット孔11、巻き線スロット部分22、及び半抜き穴24が設けられた後、順次加工工程A~Cにおける加工が行われる。加工工程A~Cを行うに際し、ストリッパプレート52は一定周期で上下動する。図2においては、ストリッパプレート52が下降し、鉄心材12をダイプレート51との間で挟んでいるときの様子が示されている。」 (3)甲3(特開2021-168579号公報) 甲3には、以下の記載がある。 「【0011】 以下、例えば車載用モータ用の積層鉄心を構成する鉄心材の製造に適用した実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下述べる実施形態では、フープ材から固定子用の鉄心材、及び、回転子用の鉄心材の双方を製造するものとなっている。尚、複数の実施形態間で共通する部分については、同一の符号を付して、新たな図示や繰り返しの説明を省略する。 ・・・ 【0014】 図1は、上記した鉄心材を、フープ材1の打抜き加工により製造する本実施形態に係る順送加工装置11の全体構成を概略的に示している。この順送加工装置11は、前記フープ材1を、所定ピッチPずつ矢印B方向に直線的に順送りに搬送するための搬送路12を備えている。そして、前記搬送路12の基端側から順に、アンコイラ13、レベラ14、フィーダ15、及びプレス装置16を備えている。また、順送加工装置11全体を制御する制御装置17を備えている。制御装置17は、コンピュータ等から構成されている。」 「【0017】 図2は、プレス装置16の構成を展開状態で示している。また、図3は、プレス装置16により、フープ材1から鉄心材が打抜かれる様子を示している。前記プレス装置16は、図2にも示すように、上型18、下型19、上型18に添付されたストリッパプレート20、下型19に対し上型18を上下駆動する図示しない駆動機構等を備えている。上型18には、下面側に突出する複数のパンチが設けられており、下型19には、それらパンチに対応したダイが設けられており、それらパンチとダイとの協動により、フープ材1に対するプレス加工この場合上記鉄心材の打抜き加工を施すように構成されている。本実施形態では、フープ材1に対し、前後方向にずれた状態で、幅方向の左右2列に鉄心材を打抜くように構成されている。」 (4)甲4(国際公開第2016/071943号) 甲4には、以下の記載がある。 「[0043] 図1に示すように、前半打抜き工程では、フープ材Wに対してパイロット穴Pの打抜き加工(1)、内形下穴d1の打抜き加工(2)、スロット部Sの打抜き加工(3)、内形d2の打抜き加工(4)、内形溝(ティース)mの打抜き加工(5)が順次施され、これにより、外形を除く鉄心薄板2(図2参照)の基本形状が形成される。このとき、フープ材Wは、図3に示す順送り金型装置(積層鉄心の製造装置)1内で間欠移送されながら、上下方向に移動する上金型3に取り付けられたパンチ5~9と、この上金型3と対をなす下金型4にパンチ5~9に対応して設けられた複数のダイ(図示せず)とによって順次打抜き加工される。なお、図3中に示す符号(1)~(9)は、図1に示す各工程(1)~(9)との対応(順送り金型装置1において各工程が実施される部位)を示すものである。」 「[0071] 図6に示すように、保持ブロック45の上面45a(すなわち、吐出孔H1~H3の先端)は、受け台47の上面47aよりも僅かに低くなるように配置され、これにより、受け台47の上面47aと保持ブロック45の上面45aとの間には一定の間隙αが形成される。したがって、上金型3(図3参照)が降下してストリッパープレート10でフープ材Wを下金型4の上面4aに密着させたときには、吐出孔H1~H3を有する保持ブロック45の上面45aとフープ材Wの下面Waとの間に間隙αが構成されることになる。」 「[0074] 再び図4を参照して、接着剤供給部32は、接着剤タンク80に収容された接着剤を接着剤吐出部31に対して供給するための3台のディスペンサ81A~81Cと、これらディスペンサ81A~81Cから接着剤吐出部31に対して供給される接着剤の流量をそれぞれ検出する流量計83A~83Cと、ディスペンサ81A~81Cの供給動作を制御可能な制御装置85とを主として備えている。」 「[0089] 一方、順送り金型装置1では、図10に示すように、フープ材Wにおける対象部位が計量用の鉄心薄板に対応する(積層鉄心19として分離する)場合には、フープ材Wに対する接着剤の塗布を一時的に停止することができる。その場合、制御装置85は、駆動装置112を起動して駆動部材111を図10の矢印方向に移動させる。これにより、駆動部材111のカム面111aとベース体41のカム面41aとが係合状態(互いに噛合した状態)となって、図示しないばねの付勢力等によって接着剤吐出部31が図4に示す上限位置から図10に示す下限位置まで下降するため、フープ材Wの下面Waと保持ブロック45の上面45aとの間隙α(図6参照)が拡がって吐出孔H1~H3からの接着剤の盛り上がり(膨出)高さよりも大きくなる。その結果、計量用の鉄心薄板に対応するフープ材Wの接着剤塗布面(対象領域)には、下金型4の上面4aにフープ材Wが当接した状態においても接着剤が付着することはない。」 「[0097] 第2実施形態では、制御装置85は、ディスペンサ81A~81Cの動作を制御することにより、第1~第3の鉄心薄板2A~2Cの塗布点E21~E23における接着剤の塗布量だけでなく、その塗布(塗布点E21~E23)の有無を切り替えることが可能である。・・・」 「[0109] 第3実施形態では、制御装置85は、第2実施形態の場合と同様に、ディスペンサ81A~81Cの動作を制御することにより、各層の鉄心薄板の塗布点E31~E33における接着剤の塗布量だけでなく、接着剤の塗布(塗布点E31~E33)の有無を切り替えることが可能である。・・・」 (5)甲5(特開2007-324455号公報) ア 甲5には、以下の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、モーターやトランスなどの積層鉄芯の製造装置に関するもので、特に、その積層鉄芯同士を接着剤で接着させるタイプの積層鉄芯の製造装置に関するものである。」 「【実施例1】 【0008】 図1は本発明の第1実施例を示す積層鉄心の製造装置における金型の下型平面図、図2は図1のA-Aの断面図である。 両図において、1は金型の下型、2は内径抜きダイ、4は外径抜きダイ、3は内径抜きダイ2と外径抜きダイ4の中間に位置する接着剤塗布ステージである。なお、Fはフープ材で、ロール状に巻かれた状態で図2の左側に置かれており、その先端が金型の上型(図示なし)と下型の間に搬送され、内径抜きダイ2で内径が打ち抜かれ次の接着剤塗布ステージ3へ搬送され、内径打ち抜きダイ2で打ち抜かれた打ち抜きカスは抜き落とし穴2a(図2)を通り、ボルスタ内へ落下する。 接着剤塗布ステージ3へ搬送されたフープ材Fは接着剤塗布ステージ3でフープ材Fの裏側に接着剤が塗布される。裏側に接着剤が塗布さたフープ材Fは次の外径抜きダイ4で外径が打ち抜かれ、内径抜きダイ2と外径抜きダイ4とで打ち抜かれた単位鉄心はスクイズ5、抜き落とし穴4a(図2)を通り、金型外へ搬出される。残りのフープ材Fは巻き取られて、最終的に廃棄されるか、分断されて廃棄される。 【0009】 図3は接着剤塗布ステージ3の1実施例としてのシャワーノズルを示す縦断面図である。図4および図5は本発明により採用されたシャワーノズル近接離反装置を示し、図4は接着塗布時の近接状態、図5は接着剤非塗布時の離反状態をそれぞれ示している。 シャワーノズル31はノズルユニット34の先端に取り付けられ、フープ材Fの裏側に近傍に配置されている。また、ノズルユニット34の反対側端部にはシリンダ32が取り付けられ、ノズルユニット34の中間位置にピン33が置かれて、シリンダ32の作動でここを支点としてノズルユニット34は上下のシーソー運動をするようになっている。すなわち、シリンダ32の作動ピストンの往運動によりシャワーノズル31は下へ下げられるので離反状態となり、シリンダ32の作動ピストンの復運動によりシャワーノズル31は上昇し近接状態となる。 ・・・」 「【0011】 以上のように、本発明は外径切り放しダイの前工程で、接着剤塗布ステージを組み込んだものであり、また、接着剤はフープ材の下面に設けられたシャワーノズルから塗布する構造となっている。そして、外径を切り放した後は、スクイズにより側圧で加圧接着される。ノズルユニットは、接着剤供給口、エアー供給口、バルブから成り、接着剤塗布時にはディスペンサーコントローラからの信号により、プレスストローク毎に接着剤を供給する。・・・」 「【図3】 [図:0001419350000003.jpg] 」 イ 甲5に記載された事項 上記アによれば、甲5には、積層鉄心の製造装置において、ノズルユニット34の先端に取り付けられているシャワーノズル31が、フープ材Fの裏側に近傍に配置されている状態で、フープ材Fの裏側に接着剤を塗布することが記載されている。 (6)甲6(特許第6675601号公報) ア 甲6には、以下の記載がある。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、モータ、トランス及びリアクトルなどに用いられる積層コアの製造技術に関し、より詳しくは、接着剤を介して所定形状の磁性金属板を複数枚積層して積層コアを製造する方法、この積層コアを製造する際に用いられる接着剤塗布装置及びこの塗布装置を備える積層コアの製造装置に関する。」 「【0062】 図8に示すように、本変形例の積層コアの製造装置13では、上型61と下型62とからなる金型60の下型62に接着剤塗布部30を組み込み、金型60内で帯状磁性金属板1に対する接着剤3の塗布と、所定形状への打ち抜き及び積層を行う。即ち、本変形例の製造装置13は、金型60に帯状磁性金属板1が供給されると、金型60内に設けられた接着剤塗布部30により接着剤3が塗布され、その直後に上型61と打ち抜き治具63により打ち抜き加工及び積層が行われて、未硬化の積層体15が排出される。」 「【図8】 [図:0001419350000004.jpg] 」 イ 甲6に記載された事項 上記アによれば、甲6には、モータ、トランス及びリアクトルなどに用いられる積層コアの製造技術に関し、接着剤を介して所定形状の磁性金属板を複数枚積層して積層コアを製造する際に用いられる接着剤塗布装置を備える積層コアの製造装置において、上型61と下型62とからなる金型60の下型62に接着剤塗布部30を組み込み、金型60内で帯状磁性金属板1に対する接着剤3の塗布と、所定形状への打ち抜き及び積層を行うこと、すなわち、金型60に帯状磁性金属板1が供給されると、金型60内に設けられた接着剤塗布部30により接着剤3が塗布され、その直後に上型61と打ち抜き治具63により打ち抜き加工及び積層が行われて、未硬化の積層体15が排出されることが記載されている。 (7)甲7(特開2021-93908号公報) 甲7には、以下の記載がある。 「【請求項1】 帯状薄鋼板から所定の形状に打抜き形成された鉄心薄板を積層接着してなる積層鉄心の製造装置であって、 上側ホルダ及び下側ホルダと、 前記上側ホルダ及び前記下側ホルダにそれぞれ設けられ、間欠移送される帯状薄鋼板から鉄心薄板を順次打ち抜く複数のパンチ及びダイと、 前記上側ホルダ及び前記下側ホルダの少なくとも何れか一方に設けられ、間欠移送される前記帯状薄鋼板の前記鉄心薄板に対応する部位の接着剤塗布面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、 前記下側ホルダに設けられて前記帯状薄鋼板の間欠移送方向に沿って当該帯状薄鋼板の移送を案内すると共に前記帯状薄鋼板の上方への移動を制限する左右のガイド部材と、 前記上側ホルダに設けられ、前記接着剤塗布装置による接着剤塗布位置における前記帯状薄鋼板の位置決めを行うべく前記帯状薄鋼板に形成されたパイロット孔に嵌挿されるパイロットピンと、 前記上側ホルダに上下方向に変位可能に設けられて前記ダイの上面と対向する下面を有し、前記接着剤塗布装置による接着剤塗布位置にある前記帯状薄鋼板を前記ダイの上面に押し付けるストリッパプレートとを有する積層鉄心の製造装置。 ・・・ 【請求項11】 上側ホルダと下側ホルダとを有するプレス装置を用いて帯状薄鋼板から所定の形状に打抜き形成された鉄心薄板を積層接着してなる積層鉄心の製造方法であって、 前記下側ホルダに設けられた左右のガイド部材によって前記帯状薄鋼板の上方への移動を制限し、上側ホルダが上昇した状態において、前記下側ホルダに上下可能に設けられ且つリフタ用ばねによって上方に向けて付勢されたリフタにより前記帯状薄鋼板を、前記下側ホルダに設けられたダイの上面より離れたリフトアップ状態で、且つ前記帯状薄鋼板の間欠移送方向に沿った移送を案内した状態で、前記帯状薄鋼板を間欠移送する移送工程と、 前記上側ホルダの降下により、前記上側ホルダ及び前記下側ホルダに設けられたパンチ及びダイによって前記鉄心薄板の外形を打ち抜く打抜工程と、 前記打抜工程前に、前記上側ホルダ及び前記下側ホルダの少なくとも何れか一方に設けられた接着剤塗布装置によって前記帯状薄鋼板の接着剤塗布面に接着剤を塗布する塗布工程と、 前記上側ホルダに設けられたパイロットピンを、前記移送工程の完了後の前記上側ホルダの降下途中に、前記帯状薄鋼板に形成されたパイロット孔に挿入するパイロット挿入工程と、 前記上側ホルダにストリッパ用ばねによって吊り下げられたストリッパプレートによって、前記パイロット挿入工程の完了後の前記上側ホルダの降下途中に、前記帯状薄鋼板を前記リフタの降下移動を伴って前記下側ホルダに設けられた前記ダイの上面に押し付ける押付工程とを有し、 前記塗布工程は、前記パイロットピンが前記パイロット孔に挿入され、且つ前記リフタの降下移動を伴って前記ストリッパプレートによって前記帯状薄鋼板が前記ダイの上面に押し付けられる時に或いは押し付けられた状態で接着剤の塗布を行い、接着剤の塗布完了後の前記上側ホルダの上昇により、前記リフタの上昇移動を伴って当該リフタが前記帯状薄鋼板の下面に当接し且つ前記ストリッパプレートが前記帯状薄鋼板の上面に当接した状態で前記帯状薄鋼板を前記リフトアップ状態に戻す積層鉄心の製造方法。」 「【0056】 積層鉄心の製造工程は、フープ材Fの順送り金型装置(積層鉄心の製造装置)における間欠移送のもとに、図2に示されているように、前半打抜き工程1~5、接着剤塗布工程6、外形打抜き工程7、回転積層工程8、及び加熱工程9を順に有する。」 「【0064】 製造装置10は、順送り金型方式によるものであり、図4、図5に示されているように、パイロット孔打抜きステーションIと、内形打抜きステーションIIと、アイドルステーションIIIと、接着剤塗布ステーションIVと、アイドルステーションVと、外形打抜きステーションVIと、アイドルステーションVIIとを順送り方向に順に有し、フープ材Fの順送り方向の間欠移送のもとに、アイドルステーションIII、V、VII以外の各ステーションI、II、IV、VIが各工程を実行する。尚、パイロット孔打抜きステーションI、内形打抜きステーションII、外形打抜きステーションVIの各々で行われる打抜き加工部は斜線によって示されている。アイドルステーションIII、V、VIIでは、フープ材Fの空送りが行われる。」 2 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「所定枚数の薄板片W」は、「積層状態で互いに接着され」て「積層鉄心」となるものであるから、複数の鉄心部材であるといえる。 そうすると、甲1発明の「所定枚数の薄板片W」は、本件発明1の「複数の鉄心部材」に相当し、甲1発明の「所定枚数の薄板片Wが積層状態で互いに接着された積層鉄心Mを製造するための装置である順送り金型1」は、本件発明1の「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置」に相当する。 イ 甲1発明の「下型4」は、「開口46Aが形成された外形打ち抜き用ダイ46を有し」ているところ、「外形打ち抜き用ダイ46」に形成されている「開口46A」は、ダイ穴といえる。 そうすると、甲1発明の「開口46A」、「外形打ち抜き用ダイ46」は、それぞれ、本件発明1の「ダイ穴」、「ダイ」に相当し、甲1発明の「開口46Aが形成された外形打ち抜き用ダイ46を有」する「下型4」は、本件発明1の「ダイ穴が形成されたダイを有する下型」に相当する。 ウ 甲1発明において、「上型3は、板状の上側ホルダ12を有し、上側ホルダ12の下部には、バッキングプレート16及びパンチプレート18が取り付けられており、パンチプレート18は、外形打ち抜き用パンチ24を上側ホルダ12に固定し」ているから、「上型3」は、「外形打ち抜き用パンチ24」を有しているといえる。 また、甲1発明において、「外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成して」いるものであるから、「外形打ち抜き用パンチ24」は、「外形打ち抜き用ダイ46」に対応しているといえる。 そうすると、甲1発明の「外形打ち抜き用パンチ24」は、本件発明1の「前記ダイ穴に対応するパンチ」に相当し、甲1発明の「外形打ち抜き用パンチ24」を有する「上型3」は、本件発明1の「前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型」に相当する。 エ(ア)甲1発明において、「上型3の上側ホルダ12の下方」に取り付けられている「ストリッパ28」は、「上側ホルダに対する最降下位置が設定されており」、かつ、「それぞれ板状をなすストリッパ本体30とストリッパプレート32との接合体として構成され」ている。 そうすると、甲1発明の「ストリッパ28」を構成する「ストリッパプレート32」は、「上型3」に設けられており、最も下方の位置である「最下降位置」まで下方に移動可能であるといえる。 (イ)甲1発明の「電磁鋼板からなるフープ材F(帯状薄鋼板)」は、帯状の金属板であるといえる。 そして、甲1発明において、「外形打ち抜き用パンチ24及び外形打ち抜き用ダイ46は、薄板片Wの外形を打ち抜くための一対の工具を構成しており、フープ材Fの外形の打ち抜きによって薄板片Wが完成するものであ」るから、薄板片Wの外形を打ち抜くことは、外形打ち抜き用パンチ24によってフープ材Fを打ち抜くことであるといえる。 また、甲1発明において、「薄板片Wの外形の打ち抜き開始時に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降することにより、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧し、このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態とな」るものであるから、薄板片Wの外形を打ち抜く際に、すなわち、外形打ち抜き用パンチ24によってフープ材Fを打ち抜く際に、「フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態とな」るものであり、この状態において、「ストリッパプレート32」は、上記(ア)における「最下降位置」にあるといえ、さらに、この「最下降位置」において、「フープ材F」が上下方向に移動することを規制しているといえる。 (ウ)以上から、甲1発明の「ストリッパプレート32」は、本件発明1の「前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレート」に相当する。 オ 甲1発明の「接着剤塗布装置50」は、「下型4」に設けられ、かつ、「フープ材Fより下方に位置し」、かつ、フープ材Fの下面の複数箇所に接着剤を点状に塗布(転写)する」ものであるから、本件発明1の「前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置」に相当する。 カ(ア)甲1発明において、「下型4には、搬送時にフープ材Fの左側部を持ち上げる一対のリフタ63A、63B、及び、フープ材Fの右側部を持ち上げる一対のリフタ163A、163Bが設けられ、リフタ63Aはリフタピン75Aを有し、リフタ63Bはリフタピン75Bを有し、リフタ163Aはリフタピン175Aを有し、リフタ163Bはリフタピン175Bを有し」ているから、「フープ材F」は、「下型4」に設けられている「リフタピン75A」を有する「リフタ63A」、「リフタピン75B」を有する「リフタ63B」、「リフタピン175A」を有する「リフタ163A」、「リフタピン175B」を有する「リフタ163B」によって持ち上げられるものである。 そうすると、甲1発明の「下型4」は、「フープ材F」を上方に押し上げ可能に構成されている「リフタピン75A」、「リフタピン75B」、「リフタピン175A」、「リフタピン175B」を備えているといえる。 (イ)甲1発明において、「フープ材Fの打ち抜き時(停止時)には、その上面がストリッパプレート32の下面33によって下方に向けて押圧されることにより、リフタピン75A、75Bの押圧部79A、79B及びリフタピン175A、175Bの押圧部179A、179Bは、フープ材Fの下面によって下方に押されることにより、それぞれ、下型4の上面47に開口するリフタピン孔77A、77B内、及び、リフタピン孔177A、177B内に後退し」ているから、「下型4」は、「ストリッパプレート32」によって「フープ材F」が下方に押圧されると下方に移動する「リフタピン75A、75B」及び「リフタピン175A、175B」を備えているといえる。 (ウ)以上から、本件発明1の「下型」と、甲1発明の「下型4」とは、「前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている」点で共通する。 キ 以上によれば、本件発明1と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点1:本件発明1は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有している」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点1についての判断 ア(ア)甲1発明は、「接着剤塗布ステージIVにおいて、順送り金型1には、フープ材Fに対するリフトアップ構造が設けられており、フープ材Fの左側部及び右側部は、それぞれ一対のリフタによって押圧されない場合と比べて、下型4の上面47から、より上方に離間した状態となっている」ことから、「接着剤塗布ステージIV」において、「フープ材F」が、「下型4の上面47から、より上方に離間した状態」となり得るといえる。 (イ)甲1発明において、「外形打ち抜きステージVIでは、薄板片Wの外形の打ち抜き開始時に上型3が下降すると、ストリッパプレート32は、上型3と共に下降することにより、その下面33によってフープ材Fの上面を下方に向けて押圧し、このとき、フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態とな」るものであるところ、上記(1)エ(イ)の検討によれば、甲1発明において、外形打ち抜き用パンチ24によってフープ材Fを打ち抜く際に、「フープ材Fは、ストリッパプレート32の下面33と、下型4の上面47との間に挟持された状態とな」るものであり、この状態において、「ストリッパプレート32」は、「最下降位置」にあるといえる。 そうすると、甲1発明において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にあるときは、「フープ材F」は「下型4の上面47」に接しているといえ、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にないときは、「フープ材F」は「下型4の上面47」に接していないといえる。 (ウ)そうすると、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといえる。 イ しかし、甲1には、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」に位置していないときにのみ、「接着剤塗布装置50」から「フープ材F」の下面に接着剤を噴射することは、記載も示唆もされていない。 ウ 上記1(5)イに示したとおり、甲5には、積層鉄心の製造装置において、ノズルユニット34の先端に取り付けられているシャワーノズル31が、フープ材Fの裏側に近傍に配置されている状態で、フープ材Fの裏側に接着剤を塗布することが記載されており、上記1(6)イに示したとおり、甲6には、モータ、トランス及びリアクトルなどに用いられる積層コアの製造技術に関し、接着剤を介して所定形状の磁性金属板を複数枚積層して積層コアを製造する際に用いられる接着剤塗布装置を備える積層コアの製造装置において、上型61と下型62とからなる金型60の下型62に接着剤塗布部30を組み込み、金型60内で帯状磁性金属板1に対する接着剤3の塗布と、所定形状への打ち抜き及び積層を行うこと、すなわち、金型60に帯状磁性金属板1が供給されると、金型60内に設けられた接着剤塗布部30により接着剤3が塗布され、その直後に上型61と打ち抜き治具63により打ち抜き加工及び積層が行われて、未硬化の積層体15が排出されることが記載されている。 しかし、甲5及び甲6のいずれにも、相違点1に係る本件発明1の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 また、甲2~甲4、甲7のいずれにも、相違点1に係る本件発明1の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 エ 以上から、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点1に係る本件発明1の構成は得られない。 したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)申立人の主張について 申立人は、令和6年8月13日提出の意見書4ページ下から6行~5ページ3行において、甲5及び甲6には、ノズルから接着剤を噴射して非接触塗布法により接着剤を塗布する場合に、金属板が下型に当接していないとき、即ち、「ストリッパプレートが最下降位置していないときに、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を噴射して塗布する」点が記載されており、すなわち、本件発明1における「ストリッパプレートが最下降位置に位置していないときにのみ、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を噴射させる塗布制御部」は、甲5及び甲6に記載されている本件出願時において公知の装置の動作を、制御装置の塗布制御部の動作として規定したにすぎない旨主張している。 しかし、甲5及び甲6には、そもそも、ストリッパプレートについて何ら記載されていないから、「ストリッパプレートが最下降位置していないときに、接着剤塗布装置から金属板の下面に接着剤を噴射して塗布する」点が記載されているとはいえない。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 (4)小括 以上によれば、本件発明1は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明2について 本件発明2は、本件発明1の全ての構成を有するものであるから、本件発明1と同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 本件発明3について (1)対比 本件発明3は、本件発明1において、「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部」の「のみ」を削除するとともに、「前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる、」との構成を追加したものである。 そうすると、上記2(1)の検討を参酌すると、本件発明3と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点2:本件発明3は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点2についての判断 上記2(2)アで検討したとおり、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといえる。 しかし、甲1~甲7のいずれにも、相違点2に係る本件発明3の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」こと、及び、「前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点2に係る本件発明3の構成は得られない。 したがって、本件発明3は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明3は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 5 本件発明4について (1)対比 本件発明4は、本件発明3において、「前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成を、「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成に置き換えたものである。 そうすると、上記2(2)及び上記3(2)の検討を参酌すると、本件発明4と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点3:本件発明4は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点3についての判断 上記2(2)アで検討したとおり、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといる。 しかし、甲1~甲7のいずれにも、相違点3に係る本件発明4の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」こと、及び、「前記ストリッパプレートが前記金属板に接触していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点3に係る本件発明4の構成は得られない。 したがって、本件発明4は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明4は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 6 本件発明5について (1)対比 本件発明5は、本件発明3において、「前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成を、「前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成に置き換えたものである。 そうすると、上記2(2)及び上記3(2)の検討を参酌すると、本件発明5と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点4:本件発明5は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点4についての判断 上記2(2)アで検討したとおり、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといえる。 しかし、甲1~甲7のいずれにも、相違点4に係る本件発明5の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」こと、及び、「前記ストリッパプレートが前記下型から離隔する方向に移動しているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点4に係る本件発明5の構成は得られない。 したがって、本件発明5は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明5は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 7 本件発明6について (1)対比 本件発明6は、本件発明3において、「前記塗布制御部は、前記下型と前記金属板との間および前記金属板と前記ストリッパプレートとの間の少なくともいずれか一方の少なくとも一部に隙間が形成されているときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成を、「前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成に置き換えたものである。 そうすると、上記2(2)及び上記3(2)の検討を参酌すると、本件発明6と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点5:本件発明6は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点5についての判断 上記2(2)アで検討したとおり、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといえる。 しかし、甲1~甲7のいずれにも、相違点5に係る本件発明6の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」こと、及び、「前記塗布制御部は、前記金属板の搬送が停止しているときにのみ、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点5に係る本件発明6の構成は得られない。 したがって、本件発明6は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明6は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 8 本件発明7~9について 本件発明7~9は、本件発明1又は2の全ての構成を有するものであるから、本件発明1又は2と同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 9 本件発明11について (1)対比 本件発明11は、本件発明1において、「前記ノズルの吐出口は、前記下型の最上面よりも下方に位置する」との構成を追加したものである。 そうすると、上記2(1)の検討を参酌すると、本件発明11と甲1発明との一致点と相違点は以下のとおりとなる。 <一致点> 「複数の鉄心部材が積層されて相互に接着された積層鉄心の製造装置であって、 ダイ穴が形成されたダイを有する下型と、 前記ダイ穴に対応するパンチを有する上型と、 前記上型に設けられかつ最も下方の位置である最下降位置まで下方に移動可能なストリッパプレートであって、前記パンチによって帯状の金属板を打ち抜く際に、前記最下降位置において前記金属板が上下方向に移動することを規制するストリッパプレートと、 前記下型に設けられ、かつ、前記金属板より下方に位置し、かつ、前記金属板の下面に接着剤を塗布する接着剤塗布装置と、を備え、 前記下型は、前記金属板を上方に押し上げ可能に構成され、かつ、前記ストリッパプレートによって前記金属板が下方に押圧されると下方に移動するリフト部材を備えている、製造装置。」 <相違点> 相違点6:本件発明11は、「前記ストリッパプレートおよび前記接着剤塗布装置を制御する制御装置」を備え、「前記接着剤塗布装置は、前記金属板の前記下面に接着剤を噴射するノズルを有し、 前記制御装置は、 前記ストリッパプレートの上下方向の移動を制御する移動制御部と、 前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる塗布制御部と、を有し、 前記ノズルの吐出口は、前記下型の最上面よりも下方に位置する」ものであるのに対し、甲1発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点6についての判断 上記2(2)アで検討したとおり、甲1発明は、「接着剤塗布ステージIV」において、「ストリッパプレート32」が、「最下降位置」にない状態になり得るといえる。 しかし、甲1~甲7のいずれにも、相違点6に係る本件発11の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」ことは、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点6に係る本件発明11の構成は得られない。 したがって、本件発明11は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明11は、甲1発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 10 本件発明12について (1)対比 本件発明12は、「積層鉄心を製造する製造方法」の発明であるところ、相違点2に係る本件発明3の構成のうち、「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに、前記接着剤塗布装置から前記金属板の前記下面に接着剤を噴射させる」との構成に対応する「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに」、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する接着剤塗布工程」を備えるものである。 そうすると、本件発明12と甲1に記載された発明とは、少なくとも以下の点で相違する。 <相違点> 相違点7:本件発明12は、「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに」、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する接着剤塗布工程」を備えているのに対し、甲1に記載された発明は、そのような構成を有しているか不明である点。 (2)相違点7についての判断 上記4(2)で検討したのと同様に、甲2~甲7のいずれにも、相違点7に係る本件発明12の構成である「前記ストリッパプレートが前記最下降位置に位置していないときに」、「前記接着剤塗布装置から前記金属板の下面に接着剤を噴射する接着剤塗布工程」は、記載も示唆もされていない。 そうすると、甲1に記載された発明において、甲2~甲7に記載された事項を適用したとしても、相違点7に係る本件発明12の構成は得られない。 したがって、本件発明12は、甲1に記載された発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得たものとはいえない。 (3)小括 以上によれば、本件発明12は、甲1に記載された発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 11 本件発明13~19 本件発明13~15は、本件発明12の全ての構成を有するものであるから、本件発明12と同様の理由により、甲1に記載された発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明16~19は、本件発明12又は13の全ての構成を有するものであるから、本件発明12又は13と同様の理由により、甲1に記載された発明及び甲2~甲7に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 12 まとめ 以上のとおりであるから、請求項1~9、11~19に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反されたものではない。 したがって、申立理由1は、理由がない。 第8 申立理由3(実施可能要件)について 申立人は、特許異議申立書の63ページ下から5行~64ページ4行において、本件明細書の記載及び出願時の技術常識等を考慮しても、「ストリッパプレートが最下降位置以外であればどの位置にあっても、あらゆる塗布方式で金属板の下面に接着剤を塗布しても、剛性の高い積層鉄心が製造できる」こと及び「金属板と吐出孔との間隔が広い場合でも、他の工程に支障なく、接触塗布方式により接着剤を金属板に転写し、剛性の高い積層鉄心が製造できる」ことについて、いかにして実施するかを当業者が理解することができないから、発明の詳細な説明は、本件発明1~20に係る発明を当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されていない旨主張している。 しかし、本件発明1~9、11~19は、本件明細書の記載から実施できることは明らかであり、「剛性の高い積層鉄心が製造できる」か否かは、実施可能要件の判断を左右するものではない。 なお、本件訂正によって、本件発明1~9、11~19は、塗布方式が「噴射」であることが特定されている。 したがって、申立人の上記主張は採用できない。 よって、申立理由3は、理由がない。 第9 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~9、11~19に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~9、11~19に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 そして、請求項10、20は、本件訂正により削除されたため、本件特許の請求項10、20に対して、申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しないものとなったから、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2024-700199

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