特許訂正審判
2024-390008
遊技機
- 審判番号
- 2024-390008
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2020-075100
- 登録番号
- 7218929
- 請求日
- 2024年01月04日
- 審決日
- 2024年03月19日
- 公報発行日
- 2024年07月26日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】株式会社 ユニバーサルエンターテインメント
- 【請求人代理人】納谷 洋弘
- 審判長/審判官
- 審判長 ▲吉▼川 康史
- 審判官 蔵野 いづみ
- 審判官 北川 創
- 分類
- P141 .852-Y (A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7218929号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7218929号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件特許第7218929号(以下「本件特許」という。)は、令和2年4月21日に特許出願(特願2020-75100)したものであり、令和5年1月30日に特許権の設定の登録がされ、その後、令和6年1月4日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7218929号の特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものである。
第3 訂正の内容
本件訂正審判請求による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のものである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「第3の演出の演出が行われる」と記載されているのを、「第3の演出が行われる」に訂正する(下線は訂正箇所を表すために合議体が付した。)。
第4 当審における判断
1 特許法第126条第1項ただし書(訂正の目的)について
本件訂正前の請求項1には、
「前記演出実行手段は、前記有利の度合いを示唆する演出とは異なる所定の演出として、同じ系統である第1の演出と第2の演出とを有し、前記第1の演出は、その後に第3の演出の演出が行われることを示唆することが可能であり、前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出が行われることを示唆することが可能であり、」と記載されている(以下「記載A」という。)。
この記載において、「演出」については、「第1の演出」、「第2の演出」、「第3の演出の演出」、「第3の演出」及び「第4の演出」との記載がある。
「第1」~「第4」うち、「第3」についてのみ、「第3の演出」という表現に加え、「第3の演出の演出」という、「演出」という表現を重複させた記載である一方、「第1」、「第2」及び「第4」については「第1の演出」、「第2の演出」及び「第4の演出」と1つの表現しかされていないこと、さらに、「前記第1の演出は、その後に第3の演出の演出が行われることを示唆することが可能であり、」及び「前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出が行われることを示唆することが可能であり、」という同じ構文において、「第1」~「第4」のすべての「演出」について、「演出」という用語の重複がみられない表現を用いていることに照らせば、本件訂正前の請求項1に記載された「第3の演出の演出」は、「第3の演出」の誤記であることは明らかである。
また、本件特許の願書に添付した明細書の段落【0007】には、上記記載Aに対応する記載として、「前記演出実行手段は、前記有利の度合いを示唆する演出とは異なる所定の演出(例えば、第1予告演出)として、同じ系統(例えば、会話演出)である第1の演出(例えば、紫色)と第2の演出(例えば、赤色)とを有し、前記第1の演出は、その後に第3の演出(例えば、擬似連)が行われることを示唆することが可能であり、前記第2の演出は、その後に前記第3の演出とは異なる第4の演出(例えば、スーパーリーチ)が行われることを示唆することが可能であり、」と記載されており(下線は合議体が付した。)、この記載から見ても、本件訂正前の請求項1に記載された「第3の演出の演出」は、「第3の演出」の誤記であるといえる。
よって、訂正事項1による訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものに該当する。
2 特許法第126条第5項(新規事項の有無)について
本件特許の願書に最初に添付された特許請求の範囲、明細書又は図面(以下「当初明細書等」という。)には、以下のように記載されている。
「【1719】
1段目用の会話、2段目用の会話、及び、3段目用の会話としては、それぞれ、複数の会話内容(セリフ)が設けられており、一の会話内容が選択される。各会話内容は、所定の文字色と対応付けられており、対応する文字の色で表示装置7に表示される。文字の色は、大当り期待度と対応付けられている。例えば、擬似連が発生する場合には、擬似連が発生しない場合と比較して大当り期待度が高いところ、会話内容が紫色で表示されることは、擬似連が発生することを示唆している。また、スーパーリーチ(SP)が発生する場合には、スーパーリーチが発生しない場合と比較して大当り期待度が高いところ、会話内容が赤色で表示されることは、スーパーリーチが発生する(紫色よりも期待度が高い)ことを示唆している。また、会話内容が金色で表示されることは、大当りである蓋然性が非常に高い(赤色よりも期待度が高い)ことを示唆している。また、会話内容が虹色で表示されることは、大当りであること(プレミアSPが発生すること)が確定した(金色よりも期待度が高い)ことを示唆している。なお、1段目用の会話としては、デフォルト色、紫色、赤色、及び、金色のうち、何れかの色で会話内容が表示され、2段目用の会話としては、デフォルト色、紫色、赤色、及び、金色のうち、何れかの色で会話内容が表示され、3段目用の会話としては、赤色、金色、及び、虹色のうち、何れかの色で会話内容が表示される。」(下線は合議体が付した。)
段落【1719】の記載における「会話内容が紫色で表示されること」、「会話内容が赤色で表示されること」、「擬似連が発生すること」及び「スーパーリーチが発生する(紫色よりも期待度が高い)こと」は、本件訂正後の請求項1の「第1の演出」、「第2の演出」、「第3の演出」及び「第4の演出」に、それぞれ対応するから、訂正事項1は、当初明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、当初明細書等の記載に基づくものであって、当初明細書等のすべてを総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
3 特許法第126条第6項(特許請求の範囲の拡張又は変更の有無)について
訂正事項1に係る訂正は、上記1で指摘したとおり、誤記の訂正を目的とするものであって、本件特許の特許請求の範囲の請求項1の記載は、それ自体で、及び、本件特許の明細書の記載との関係で、誤りであることが明らかであり、かつ、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面の記載全体から、正しい記載が自明な事項として定まり、その誤りを正しい記載にする訂正であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
4 特許法第126条第7項(独立特許要件)について
上記1で検討したとおり、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる、誤記の訂正を目的とするものであるから、訂正後の請求項1に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならないところ、訂正後の請求項1に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるとする理由を発見しない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。
第3 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ同条第5項~第7項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
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