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特許拒絶査定不服審判

2024-017358

生産システム

審判番号
2024-017358
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-107372外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年10月30日
審決日
2025年07月14日
公報発行日
2025年10月31日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G05B) / P18 .575-Z (G05B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第6項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第4項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-107372「生産システム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 1月11日出願公開、特開2022- 3430〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年6月23日に出願された特願2020-107372号であって、その手続の経緯の概略は、以下のとおりである。 令和6年 1月16日付け 拒絶理由通知書 令和6年 3月18日 意見書及び手続補正書の提出 令和6年 5月21日付け 拒絶理由通知書 令和6年 7月22日 意見書及び手続補正書の提出 令和6年 8月 7日付け 拒絶査定(以下、「原査定」という。) 令和6年10月30日 審判請求書及び手続補正書の提出 第2 令和6年10月30日にされた手続補正の補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年10月30日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について (1)本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明 本件補正は、特許請求の範囲の請求項1についての補正を含むものであり、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである(以下、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明を「本件補正発明」という。なお、下線部は、本件補正により補正された箇所を示す。)。 「【請求項1】 基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置を含む生産システムであって、 少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ラインから前記基板を抜き取る収容装置と、 抜き取られた前記基板を前記生産ラインに再投入する投入装置と、 前記基板に付けられた識別マークを読み取って、前記基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部と、 前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する確認部と、を備え、 前記作業装置は、前記確認部によって作業済みと確認された基板に対して前記作業を行わずに下流へと搬送し、 前記作業履歴情報は、前記生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含み、 前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する、生産システム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された発明 本件補正前の令和6年7月22日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「【請求項1】 基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置を含む生産システムであって、 少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ラインから前記基板を抜き取る収容装置と、 抜き取られた前記基板を前記生産ラインに再投入する投入装置と、 前記基板に付けられた識別マークを読み取って、前記基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部と、 前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する確認部と、を備え、 前記作業装置は、前記確認部によって作業済みと確認された基板に対して前記作業を行わずに下流へと搬送し、 前記作業履歴情報は、前記生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含み、 前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを確認する、生産システム。」 2 補正の適否 上記1のとおり、本件補正は、本件補正前の請求項1の「確認する」について、「前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために」との限定を付加することで、特許請求の範囲を減縮しようとするものであって、本件補正による補正前と補正後における産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。 そうすると、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の限定的減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正が特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(本件補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下検討する。 なお、本件補正は、本願の発明の詳細な説明【0081】、【0083】、【0091】等の記載から、特許法第17条の2第3項の規定(新規事項の追加に関する規定)に適合するものであり、また、特許法第17条の2第4項の規定(発明の特別な技術的特徴の変更に関する規定)に適合することは明らかである。 3 独立特許要件の検討 3-1 明確性(特許法第36条第6項第2号)、サポート要件(特許法第36条第6項第1号)について (1)本件補正後の請求項1の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」ことについて、「判断する」ことと「確認する」こととの技術的な関係が明確でない(明確性要件違反)。 また、本件補正後の請求項1の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」は、文言上、「前記リペア作業を含めて前記基板が作業済み」であることを「確認」し、次いで、「前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」ものであると解釈をして明確であるとしても、発明の詳細な説明に記載したものではない(サポート要件違反)。 すなわち、発明の詳細な説明の記載を参照すると、次のとおりの記載がある。 「再投入された基板Bを受け取った作業装置Mwの作業確認部44(確認部)は、識別情報取得部16によって取得された識別情報と、確認装置4から送信された識別情報に関連付けられた基板Bの作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、その基板Bが作業済みであるかを確認する。」、「作業済みの基板Bの場合、作業装置Mwの作業制御部41(制御部)は作業搬送機構42を制御して、その基板Bを下流へと搬送させる。」(以上、【0079】)、「作業装置Mwの作業確認部44が再投入された基板Bに対する作業の要否を確認している」(【0080】)、「基板Bに対して作業を行う少なくとも1つの作業装置Mwを含む生産システム1は、・・・基板Bに付けられた識別マークを読み取って、基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部16と、識別情報取得部16によって取得された識別情報と、識別情報に関連付けられた基板Bの作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、基板Bが作業済みであるかを確認する確認部(作業確認部44、管理確認部64)と、を備えている。」(【0082】)、「作業装置Mwは、確認部(作業確認部44、管理確認部64)によって作業済みと確認された基板Bに対しては作業を行わずに下流へと搬送する。」(【0083】)、「次いで作業確認部44は、識別情報と作業履歴情報に基づいて対象の再投入基板が部品装着装置M5,M6による作業が済んでいるか否かを判断する(ST34)。・・・作業済みの場合(ST34においてYes)、部品装着作業を実行することなく再投入基板は下流の装置に搬出される(ST36)。」(【0091】) このように、発明の詳細な説明には、確認部は、基板Bが作業済みであるかを確認し、作業済みの場合、再投入基板を下流に搬送することが記載されるのみで、「前記リペア作業を含めて前記基板が作業済み」であることを「確認」し、次いで、「前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」ことは記載されていない(サポート要件違反)。 以上のとおりであるから、本件補正後の請求項1の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」を、「前記リペア作業を含めて前記基板が作業済み」であることを「確認」し、次いで、「前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」と解釈することはできないため、「判断する」ことと「確認する」こととの技術的な関係が明確でない(明確性要件違反)。 (2)したがって、本件補正発明は、特許法第36条第2号及び同第1号の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 (3)なお、本件補正発明の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」について、上記のとおり、「判断する」ことと「確認する」こととの技術的な関係は明確でなく、「前記リペア作業を含めて前記基板が作業済み」であることを「確認」し、次いで、「前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」ことは記載されていないものの、発明の詳細な説明の記載を参照することで、「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」とは、「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを確認することで、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」ことを意味するものとして、進歩性のついての独立特許要件の検討を、次の3-2で念のため行うこととする。 3-2 進歩性(特許法第29条第2項)について (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献に記載されている事項、引用文献に記載された発明 ア 引用文献に記載されている事項 原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願前である令和1年7月18日に出願公開された特開2019-117451号公報(以下、「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付与した。以下同じ。)。 「【技術分野】 【0001】 本明細書に開示する技術は、基板を製造する製造ラインを備えている基板製造システムに関する。特に、製造ラインを流れる製造中の基板を管理するための技術に関する。」 「【発明が解決しようとする課題】 (以下省略)」 「【0005】 本明細書は、製造中の基板が抜き取られた位置に関わらず、製造ラインに再び投入された製造中の基板を管理可能な技術を提供する。」 「【実施例】 【0014】 (基板製造システム2;図1) 図1に示されるように、基板製造システム2は、5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100と、ホストコンピュータ200と、を備える。5個の作業機10A~10Eのそれぞれは、ホストコンピュータ200と通信可能に接続されている。ここで、「作業機」は、例えば、基板にはんだを塗布する印刷機、基板に部品を実装する実装機、はんだを溶かすリフロ機、部品が実装された基板を検査する検査機である。本実施例では、作業機10Aが、印刷機であり、作業機10B、10Cが実装機であり、作業機10Dが、リフロ機であり、作業機10Eが検査機である。製造ライン100の先頭には、基板20を作業機10Aに搬送するための搬送機14が配置されている。製造ライン100の後尾には、作業機10Eから完成した基板を排出するための排出機16が配置されている。なお、製造ライン100が含む作業機の数は、5個に限らず、例えば、製造ライン100が6個以上の作業機を含んでいてもよい。 【0015】 また、各作業機10A~10Eは、各作業機から基板20を抜き取るためのカバー12A~12Eを備えている。例えば、カバー12Aが開くと、作業機10Aの動作が停止して、カバー12Aの開口から作業機10A内の基板20を抜き取ることができる。また、基板20を当該開口から作業機10Aに投入することもできる。 【0016】 また、図示が省略されているが、各作業機10A~10Eは、各作業機内を流れる基板20から、当該基板20を識別するための基板識別情報を読み出す読出装置を備えている。読出装置は、基板20に貼り付けられている(即ち、割り当てられている)バーコード22から基板識別情報を読み出す。読取装置は、前の作業機から基板20が搬送される際に、基板20から基板識別情報を読み出す。また、読取装置は、作業機のカバー(例えば12A)の開口から基板20が投入される際に、基板20から基板識別情報を読み出す。なお、他の例では、基板20には、バーコード22に代えて、基板識別情報をコード化したQRコード(登録商標)が貼り付けられてもよいし、基板識別情報を記憶したICタグが貼り付けられてもよく、読取装置は、これらORコード等から基板識別情報を読み出す装置であってもよい。 【0017】 ホストコンピュータ200(以下、「ホスト200」と呼ぶ)は、製造ライン100を流れる基板20を管理するための装置である。ホスト200は、表示装置202と、メモリ210と、を備えている。表示装置202は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。メモリ210は、基板テーブル220を記憶する。」 「 [図:0001427756000001.jpg] 」(【図1】) 「【0018】 基板テーブル220には、1個以上の完了情報が記憶される。各完了情報は、基板識別情報に対応付けられており、当該基板識別情報によって識別される基板に対して5個の作業機10A~10Eによって実行される5段階の製造工程P1~P5のうち完了済みの製造工程を示す。具体的には、完了情報は、5個の作業機10A~10Eを識別する5個の作業機番号DN1~DN5のそれぞれに対応する工程情報を含む。各工程情報は、(S、C)、(S、N)、(N、N)のいずれかを示す。(S、C)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していることを示す。(S、N)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していないことを示す。(N、N)は、作業機によって実行される製造工程が開始されておらず、かつ、当該製造工程が完了していないことを示す。例えば、基板識別情報ID2に対応付けられている完了情報は、作業機番号DN1~DN3のそれぞれについて、(S、C)を示す工程情報を含み、作業機番号DN4、DN5のそれぞれについて、(N、N)を示す工程情報を含む。即ち、当該完了情報は、基板識別情報ID2によって示される基板に対して作業機番号DN3によって識別される作業機10Cによって実行される製造工程P3まで完了済みであることを示す。」 「【0040】 (製造工程が完了した後に基板が抜き取られるケース;図4) 図4を参照して、製造工程が完了した後に基板が抜き取られ、その後に当該基板が再投入される場合に、図3の処理によって実現される具体的なケースを説明する。」 「【図4】 [図:0001427756000002.jpg] 」(【図4】) 「【0041】 T300~T322は、作業機10Cで製造工程P3が実行される点と、作業機番号DN3が作業機10Cからホスト200に送信される点を除いて、図2のT200~T222と同様である。T324では、T300~T322の処理の結果、基板識別情報ID4と作業機番号DN3の双方に対応付けられている工程情報は、(S、C)となる。 【0042】 本ケースでは、作業員(即ち、ユーザ)は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取る。そして、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査する。作業員は、検査の後に、抜き取った基板20を製造ライン100に再び投入する。 【0043】 (ケースA1) 本ケースでは、作業員は、作業機10Dに基板20を投入する。この場合、作業機10Dは、T400において、基板20から基板識別情報ID4を取得し、T402において、取得済みの基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知をホスト200に供給する。 【0044】 ホスト200は、T402において、基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知を取得すると(図3のS10でYES)、T404において、基板識別情報ID4と作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し(S22でYES)、前の作業機番号DN3の工程情報が(S、C)を示すと判断する(S40でYES)。そして、ホスト200は、T406において、開始指示を作業機10Dに送信する(S42)。この結果、作業機10Dは、T450において、投入された基板20に対して製造工程P4を開始する。 【0045】 本ケースによれば、ホスト200は、基板識別情報ID4に対応付けられている完了情報を利用して、作業機10Dによって実行される製造工程P4の前の製造工程P3まで完了していることを知ることができ、基板20に対して適切な製造工程P4を実行させることができる。 【0046】 (ケースA2) 本ケースでは、作業員は、搬送機14に基板20を投入する。これにより、作業機10Aに基板20が搬送される。T500、T502は、作業機10Aが基板識別情報ID4を取得し、作業機番号DN1を含む情報通知が作業機10Aからホスト200に供給される点を除いて、T400、T402と同様である。 【0047】 ホスト200は、T502において、基板識別情報ID4と作業機番号DN1を含む情報通知を取得すると(図3のS10でYES)、T504において、基板識別情報ID4と作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判断する(S22でNO、S60でYES)。そして、ホスト200は、T506において、基板搬送指示を作業機10Aに送信する(S62)。この結果、作業機10Aは、基板20を次の作業機10Bに搬送する。同様の処理が、作業機10B、10Cとの間でも実行され、基板20は、作業機10C、10Dへと搬送される。そして、作業機10Dとホスト200との間でケースA1と同様の処理が実行され、作業機10Dは、T550において、投入された基板20に対して製造工程P4を開始する。 【0048】 本ケースでは、作業員が基板20を製造ライン100の先頭の搬送機14に投入すれば、基板20に対して適切な製造工程P4が実行される。このため、作業員が基板20を製造ラインの途中の作業機に投入する必要がなく、作業員の利便性が向上する。」 イ 引用文献に記載されているといえる事項 (ア) 上記【0015】の記載から、引用文献1には、各作業機10A~10Eは、各作業機から基板20を抜き取るためのカバー12A~12Eを備え、カバー12Aが開くと、カバー12Aの開口から作業機10A内の基板20を抜き取ることができ、また、基板20を当該開口から作業機10Aに投入することができることが記載されているといえる。 (イ) 上記【0040】~【0048】の記載及び【図4】から、引用文献1には、製造工程が完了した後に基板が抜き取られ、その後に当該基板が再投入される場合であって(【0040】参照)、作業機10Cから、作業工程P3が完了したことを示す完了通知がホスト200に通知されると(【0041】【図4】参照)、基板識別情報ID4と作業機番号DN3の双方に対応付けられている工程情報は、(S、C)となり(【0041】参照)、作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に(【0042】参照)、ケースA1では、作業員は、作業機10Dに基板20を投入し、作業機10Dは、基板20から基板識別情報ID4を取得し、取得済みの基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知をホスト200に供給し(【0043】参照)、ホスト200は、基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し、前の作業機番号の工程情報DN3が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、開始指示を次の製造工程の作業機10Dに送信し、この結果、作業機10Dは、投入された基板20に対して次の製造工程P4を開始し(【0044】参照)、基板20に対して適切な製造工程P4を実行させることができ(【0045】参照)、ケースA2では、作業員は、搬送機14に基板20を投入し、作業機10Aに基板20が搬送され、作業機10Aが基板識別情報ID4を取得し、作業機番号DN1を含む情報通知が作業右記10Aからホスト200に供給され(【0046】参照)、ホスト200が、基板識別情報ID4と作業機番号DN1を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、基板搬送指示を作業機10Aに送信し、作業機10Aは、基板20を次の作業機10Bに搬送し(【0047】参照)、基板20に対して適切な製造工程P4が実行される(【0048】参照)ことが記載されているといえる。 ウ 引用発明1に記載された発明 上記ア、イによれば、引用文献には、以下の発明(「引用発明」という。)が記載されているといえる。 「5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100と、ホストコンピュータ200と、を備え、作業機は、基板にはんだを塗布する印刷機、基板に部品を実装する実装機、はんだを溶かすリフロ機、部品が実装された基板を検査する検査機であり、製造ライン100の先頭には、基板20を作業機10Aに搬送するための搬送機14が配置された、基板製造システム2であって、(【0014】) 各作業機10A~10Eは、各作業機から基板20を抜き取るためのカバー12A~12Eを備え、カバー12Aが開くと、カバー12Aの開口から作業機内10Aの基板20を抜き取ることができ、また、基板20を当該開口から作業機10Aに投入することができ、(上記イ(ア)) 各作業機10A~10Eは、各作業機内を流れる基板20から、当該基板20を識別するための基板識別情報を読み出す読出装置を備え、読出装置は、基板20に貼り付けられているバーコード22から基板識別情報を読み出し、前の作業機から基板20が搬送される際に、基板20から基板識別情報を読み出し、読取装置は、作業機のカバー12の開口から基板20が投入される際に、基板20から基板識別情報を読み出し、(【0016】) ホストコンピュータ200(以下、「ホスト200」と呼ぶ)は、製造ライン100を流れる基板20を管理するための装置であって、メモリ210を備え、(【0017】) メモリ210は、基板テーブル220を記憶し、(【0017】) 基板テーブル220には、1個以上の完了情報が記憶され、各完了情報は、基板識別情報に対応付けられており、完了情報は、作業機10A~10Eを識別する5個の作業機番号DN1~DN5のそれぞれに対応する工程情報を含み、各工程情報は、(S、C)、(S、N)、(N、N)のいずれかを示し、(【0018】) (S、C)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していることを示し、(【0018】) (S、N)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していないことを示し、(【0018】) (N、N)は、作業機によって実行される製造工程が開始されておらず、かつ、当該製造工程が完了していないことを示し、(【0018】) 製造工程が完了した後に基板が抜き取られ、その後に当該基板が再投入される場合であって、作業機10Cから、作業工程P3が完了したことを示す完了通知がホスト200に通知されると、基板識別情報ID4と作業機番号DN3の双方に対応付けられている工程情報は、(S、C)となり、作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に、 ケースA1では、作業員は、作業機10Dに基板20を投入し、作業機10Dは、基板20から基板識別情報ID4を取得し、取得済みの基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知をホスト200に供給し、ホスト200は、基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し、前の作業機番号の工程情報DN3が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、開始指示を次の製造工程の作業機10Dに送信し、この結果、作業機10Dは、投入された基板20に対して次の製造工程P4を開始し、基板20に対して適切な製造工程P4を実行させることができ、 ケースA2では、作業員は、搬送機14に基板20を投入し、作業機10Aに基板20が搬送され、作業機10Aが基板識別情報ID4を取得し、作業機番号DN1を含む情報通知が作業右記10Aからホスト200に供給され、ホスト200が、基板識別情報ID4と作業機番号DN1を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、基板搬送指示を作業機10Aに送信し、作業機10Aは、基板20を次の作業機10Bに搬送し、基板20に対して適切な製造工程P4が実行される、(上記イ(イ))、 基板製造システム2。」 (3)周知文献 ア 周知文献1 原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願前である平成14年5月31日に出願公開された特開2002-158492号公報(以下、「周知文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある(下線は、当審で付与した。以下同じ。)。 「【0010】また、収納領域にプリント基板を送る挿入手段と、収納領域からプリント基板を排出する排出手段と、上流工程からのエラー信号を受信するエラー信号入力端子と、パスモードと不良モードと収納モードと供給モードを有し、パスモードのときは前記挿入手段と前記排出手段を制御することにより上流工程のプリント基板を収納領域経由で下流工程に送り、不良モードのときは前記エラー信号に基づいて前記挿入手段を制御することにより収納領域に上流工程のプリント基板を送り、収納モードのときは前記挿入手段を制御することにより上流工程のプリント基板を収納領域に送り、供給モードのときは前記排出手段を制御することにより収納領域のプリント基板を下流工程に送る制御手段とを備える。 【0011】 【発明の実施の形態】本発明の実施例の形態を図に基づき説明する。図1は本発明の第1の実施例のプリント基板収納装置(4)が2箇所に使用される電子部品装着ラインを示す図である。」 「 [図:0001427756000003.jpg] 」(【図1】) 「【0014】スクリーン印刷の検査装置(3)では、クリーム半田のスクリーン印刷の良否が検査される。スクリーン印刷している部分とそうでない部分の境界は反射のコントラストがはっきりしているために、CCDカメラの撮像により検査を行うことができる(特開平5-123892号公報参照)。不良があるとエラー信号を次の工程のプリント基板収納装置(4)に出力する。 【0015】プリント基板収納装置(4)はパス機能、不良機能、収納機能、供給機能を有し、夫々の機能の動作を行う。詳細は後述する。」 「【0035】ステップS9に於いてパスモードではないとき、切替手段(417)が1に設定されていると、即ち、制御手段(415)が不良モードであると判断すると(S10のY)、制御手段(415)はエラー信号がなければステップS4に進んで、プリント基板(100)をマガジン(200)から排出させる。即ち、プリント基板(100)が良品であれば、パスモードと同様に次の工程に搬送する。ステップS11でエラー信号があれば、制御手段(415)は不良とみなしたプリント基板(100)をマガジン(200)に留め、次の工程には搬送しない。」 「【0051】 不良モードでは、不良の(エラーが発生した)プリント基板を自動的に工程から外して収納するようにしているために、エラー発生時に全工程の動作を中断しなくてもよい。また、収納モードでは工程の途中のプリント基板を自動的に収納することができるために、何らかのトラブルのときに未完成のプリント基板を一時的に収納することができる。そして、供給モードでは一時的に収納した、あるいは不良を修理したプリント基板を再度投入することができる。」 イ 周知文献2 原査定の拒絶の理由に引用された文献であって、本願の出願前である平成24年10月31日に発行された特許第5064812号公報(以下、「周知文献2」という。)には、次の記載がある。 「【請求項3】 素材に対して所定の処理を実行して製品を生産する生産工程における情報収集システムであって、 前記生産工程における前記処理に関するプロセス情報を前記製品を特定する識別符号と対応させて記憶する記憶装置と、 生産された前記製品について行われた検査工程の結果、良品と判定されたものに関する前記プロセス情報を前記記憶装置から削除し、それ以外を保持するとともに、前記検査工程で不良品と判定された製品について、不良部分が修正可能な場合には、修正工程へ移行して修正履歴を前記記憶装置に追加記憶するデータ管理装置とを備えた情報収集システム。」 「【0018】 IOC16には、キーボードやマウス等の入力手段18、CRTモニタやLCDモニタからなる表示手段19が接続されると共に各処理機1,3,5及び検査機2,4,6が接続されており、CPU12は、入力手段18を操作して入力された入力情報や、各処理機1,3,5及び検査機2,4,6からの信号を受けてデータ管理装置8全体の制御を行う。 なお、図示はしないが、各処理機1,3,5及び検査機2,4,6には、基板に例えばバーコードやQRコードによって記録された基板の識別符号を読み取るための基板コード読取装置が付されており、各処理機1,3,5が現に処理の対象としている基板又は各検査機2,4,6が現に検査の対象としている基板を識別符号によって特定することができる(この識別符号を「製品ID」ということがある)。そして、各処理機1,3,5及び各検査機2,4,6が処理又は検査を行う際に、その処理条件や検査結果に関する各種の情報(画像情報を含む)が通信ケーブルを介してデータ管理装置8に伝送され、データ管理装置8の記憶装置10(RAM14,HDD15及び外部記憶装置17のいずれか)に製品IDと対応させて記憶される。 さて、本実施形態では、記憶装置10に記憶される情報は、15年保管義務データ、3ヶ月保管データ、1週間保管データ、品質改善データの4種類に分類される。各データの内容は次の通りである。」 「【0037】 一方、上記の自動判定の結果、良品と判定されない場合には、目視検査工程へ移行して作業者の目視による検査が行われる(S308)。ここで、作業者が良品と判定し、それを判定結果の記録装置(図示せず)に記録すると、その製品の製品IDに関する全ての品質改善データが記憶装置10から削除される。 【0038】 なお、目視検査において不良品と判定された製品について、不良部分が修正可能な場合には、修正工程(S310)へ移行して、図4に示すフローチャートに基づいて修正履歴が15年保管義務データとして記憶装置10に追加記憶されるようになっている。」 ウ 周知文献3 本願の出願前である平成23年7月14日に出願公開された特開2011-138930号公報(以下、「周知文献3」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【背景技術】 【0002】 電子基板(プリント配線基板、以下単に基板ともいう。)は近年実装密度が益々高くなり、電子回路も複雑になっている。そのため製造工程の最後に行う検査は、複数の検査工程に分けて順次段階的に行うようにしている。例えば自動外観検査(AOI)、自動X線検査(AXI)、電子回路の各部の検査(ICT)、製品としての機能検査(FCT)、重点目視検査、出荷検査などである。」 「【0017】 データベース(あるいはサーバ、記憶手段)に蓄積した不具合内容、不具合位置、修理前・後の両方または一方の画像(以下単に修理前・後の画像ともいう。)は、後の工程で修理する際に読出せるようにすることができる(請求項2)。この場合は、後の工程で修理する際に前の工程で行った修理内容を確認することができ、的確な修理方針を決めるのに適する。この時データベースには修理した検査者(修理者)の氏名など(ID)、日時なども入力しておく。 【0018】 またこれらの不具合内容、不具合位置、修理前・後の画像は、検査ラインとは別に設けた検査モニタで読出せるようにしてもよい(請求項3)。この場合には熟練した検査者がこの検査モニタを見て、またこれまでの修理経過(履歴)を確認することによって一層的確な修理のための指示をいずれかの検査工程に出すことができ、修理の信頼性を上げることができる(請求項4)。」 「【実施例1】 【0028】 図1において、符号10は検査ラインであり、異なる検査工程12(12A~12H)を順に配列したものである。製造が完了した電子基板14はこの検査ライン10の一端から導入し、異なる検査工程12(12A~12H)で順次検査を行い、不具合が無い基板14と不具合箇所を修理した基板14が出荷され、不具合が解消してない基板14は検査ライン10の所定の検査工程すなわちICT12Cに戻して順次工程12C~12Hで再度検査と修理を行う。 【0029】 図1で16はデータベース(DB)であり、バス18を介して各検査工程12に接続され、各検査工程12における不具合箇所や不具合内容や修理前・後の画像などのデータを蓄積している。このデータベース16には、BOM20、ガーバーデータ22、CADデータ24が予め蓄積(メモリ)されている。なおこれらはデータベース16に蓄積しておくのに代えてバス18に接続しておき、適宜の検査工程12や後記する検査モニタ50やクレーム処理部52や不良追跡・特定処理部54がバス18を介して直接アクセスして必要なデータを取出せるようにしてもよい。 【0030】 検査工程12AはAOI(自動外観検査)であり、基板14の画像を撮影して予めプログラムした正常な画像と比較することにより不具合の有無を自動判定する(図2、ステップS100)。例えば回路パターンのショート(短絡)やオープン(断線)、部品配置などを外観から検査する。このAOI12Aで撮影した画像Aは、検出した不具合箇所の位置(アドレス、X-Y座標)、基板IDなどと共にデータベース16に蓄積する。このAOI12Aで行う処理内容は図2の「処理内容」欄に記されている。ここに基板IDはこの時点で未だ付されていない場合には自動生成したIDを付し、不具合がある場合は次の目視検査工程12Bで自動生成して付してもよい。」 「【0037】 図3において画像生成部36Dは、例えば図6に示す画面を生成し表示手段30に表示させる。この図6でaは基板名、検査日、検査者名等の表示欄、bは基板14の全体画像、cはこの画像bの中にある不具合箇所、dはこの不具合箇所cの拡大画像、eはこの不具合の原因となる部品名や修理内容や修理履歴などの表示欄である。不具合箇所cは図5の不具合箇所cに対応するものであり、図6の画面上ではこの不具合箇所cがX-Yカーソル線で示される。カーソルに代えて不具合箇所を点滅させたり、他のマーカーを用いてもよい。」 「 [図:0001427756000004.jpg] 」(【図6】) エ 周知文献4 本願の出願前である平成19年5月17日に出願公開された特開2007-123503号公報(以下、「周知文献4」という。)には、次の記載がある。 「【0057】 また不良と判定された不良基板Wは、中間コンベア33の位置まで搬送された後、図3の想像線に示すように中間コンベア33および補助コンベア35が上昇されることにより、補助コンベア35が搬入および搬出コンベア32,34に対応する位置に配置されるとともに、中間コンベア33上の不良基板Wが生産ラインから上方に退避(ストック)されて、そこでオペレータによる不良基板Wのリペア作業が行われる(ステップS7)。ここで本実施形態においては、基板や部品の状態の確認作業のみを行う場合であってもリペア作業に含まれ、さらに確認作業に加えて修正や修復作業を行う場合もリペア作業に含まれるものである。 【0058】 なおバッファコンベア3による不良基板Wの特定は、たとえば各基板毎に設けられる識別子などに基づいて、あるいは検査機2により不良と判定した時点から、中間コンベア位置を通過する基板数などに基づいて特定することができる。また識別子情報の取得や基板通過数は、中間コンベア周辺などに設けられる各種検出手段(センサー)からの出力情報を介して取得することができる。」 「【0063】 不良部品のリペア作業が完了すると(図6ステップS71)、後述するように部品のリペア履歴(確認履歴)を入力する(ステップS72)。」 「【0070】 ここで、リペア作業時における図9の第2モニター画面には、不良部品拡大画像の下側に図6のステップS72に関連したリペア履歴入力手段が設けられている。このリペア履歴入力手段は、「確認」ボタンB1、「修正」ボタンB2、「誤報」ボタンB3によって構成されている。さらに確認ボタンの両側には、「<(繰り下げ)」ボタンB4および「>(繰り上げ)」ボタンB5が設けられている。」 「【0075】 なおリペア履歴入力手段B1~B3を介して入力されたリペア履歴情報は、たとえばリペア履歴記憶手段としての制御装置4の記憶装置49(図4 参照)に記憶されて蓄積される。」 (4)対比 本件補正発明と、引用発明とを対比する。 ア 本件補正発明の「基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置を含む生産システム」について (ア) 引用発明は、「5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100と、ホストコンピュータ200と、を備え、各作業機は、例えば、基板にはんだを塗布する印刷機、基板に部品を実装する実装機、はんだを溶かすリフロ機、部品が実装された基板を検査する検査機であり、製造ライン100の先頭には、基板20を作業機10Aに搬送するための搬送機14が配置された、基板製造システム2」であるとのとおり、「5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100」によって、基板にはんだを塗布する作業、基板に部品を実装する作業、基板のはんだを溶かす作業、基板を検査する作業を行う「基板製造システム2」である。 (イ) そうすると、引用発明の「基板」(基板20)は、本件補正発明の「基板」に相当し、引用発明の「5個の作業機10A~10E」は、本件補正発明の「基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置」に相当する。 (ウ) そして、引用発明の「基板製造システム2」は、上記のとおり基板に対して作業を行うシステムである点で、後述する相違点は別にして、本件補正発明の「基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置を含む生産システム」に相当する。 イ 本件補正発明の「少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ラインから前記基板を抜き取る収容装置」について (ア) 上記ア(ア)のとおり、引用発明の「基板製造システム2」は、「5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100」を備えているものである。 そうすると、引用発明の「5個の作業機10A~10Eを含む製造ライン100」は、本件補正発明の「少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ライン」に相当する。 (イ) また、引用発明は、「各作業機10A~10Eは、各作業機から基板20を抜き取るためのカバー12A~12Eを備え」、「作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取」るものである。 そうすると、引用発明と、本件発明とは、「少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ラインから前記基板を抜き取る」という点で共通する。 他方、基板の抜き取りを、本件補正発明では、「収容装置」が行うのに対して、引用発明では、「作業員」が行う点で、両者は相違する。 ウ 本件補正発明の「抜き取られた前記基板を前記生産ラインに再投入する投入装置」について 引用発明において、「作業員」が「作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に」、「ケースA2では、作業員は、搬送機14に基板20を投入」するものであって、「製造ライン100の先頭には、基板20を作業機10Aに搬送するための搬送機14が配置され」ている。 そうすると、引用発明の、作業員が作業装置10Cから抜き取った基板20を搬送機14に投入することは、本件補正発明の「前記基板」を「再投入」することに相当し、引用発明の、作業員によって作業装置10Cから抜き取った基板20が投入され、当該基板20を作業機10へ搬送する「搬送機14」は、本件補正発明の「抜き取られた前記基板を前記生産ラインに再投入する投入装置」に相当する。 エ 本件補正発明の「前記基板に付けられた識別マークを読み取って、前記基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部」について (ア) 引用発明は、「各作業機10A~10Eは、各作業機内を流れる基板20から、当該基板20を識別するための基板識別情報を読み出す読出装置を備え、読出装置は、基板20に貼り付けられているバーコード22から基板識別情報を読み出し、かつ、前の作業機から基板20が搬送される際に、基板20から基板識別情報を読み出し、さらに、読取装置は、作業機のカバー12の開口から基板20が投入される際に、基板20から基板識別情報を読み出」すものである。 (イ) そうすると、引用発明の「基板20に貼り付けられているバーコード22」は、本件補正発明の「基板に付けられた識別マーク」に相当し、引用発明の「バーコード22」から読み出される「基板識別情報」は、基板20と対応付けられていることは明らかであるから、本件補正発明の「前記基板に対応付けられた識別情報」に相当する。 (ウ) そして、引用発明の基板20に貼り付けられているバーコード22から基板識別情報を読み出す「読出装置」は、本件補正発明の「前記基板に付けられた識別マークを読み取って、前記基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部」に相当する。 オ 本件補正発明の「前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する確認部」について (ア) 引用発明は、「作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に」、「ケースA1では、作業員は、作業機10Dに基板20を投入し、作業機10Dは、基板20から基板識別情報ID4を取得し、取得済みの基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知をホスト200に供給し、ホスト200は、基板識別情報ID4と作業機番号DN4を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し、前の作業機番号の工程情報DN3が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、開始指示を次の製造工程の作業機10Dに送信し、この結果、作業機10Dは、投入された基板20に対して次の製造工程P4を開始し、基板20に対して適切な製造工程P4を実行させることができ」るものである。また、引用発明において、「(S、C)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していることを示し」、「(S、N)は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していないことを示し」、「(N、N)は、作業機によって実行される製造工程が開始されておらず、かつ、当該製造工程が完了していないことを示す」ものである。 (イ) このように、引用発明は、ホスト200が、再投入された「基板20」について、基板20から取得した作業識別情報である作業識別情報ID4と再投入された咲記10Dの作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し、前の作業機番号の工程情報DN3が(S、C)を示すと判定すると、作業機10Dは、投入された基板20に対して次の製造工程P4を開始するものである。 (ウ) そうすると、引用発明は、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していることを示す(S、C)、各作業機によって実行される製造工程が開始され、かつ、当該製造工程が完了していないことを示す(S、N)、作業機によって実行される製造工程が開始されておらず、かつ、当該製造工程が完了していないことを示す(N、N)のいずれかを示す「工程情報」は、本件補正発明の「基板の作業履歴」に相当する。 (エ) また、引用発明は、ホスト200の「基板テーブル220には、1個以上の完了情報が記憶され、各完了情報は、基板識別情報に対応付けられており、完了情報は、作業機10A~10Eを識別する5個の作業機番号DN1~DN5のそれぞれに対応する工程情報を含」むものである。 (オ) そうすると、引用発明の「完了情報」は、工程情報を含む点で、本件補正発明の「前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報」に相当する。 (カ) 以上のとおりであるから、引用発明の、基板20から取得した作業識別情報である作業識別情報ID4と再投入された作業機10Dの作業機番号DN4の双方に対応付けられている工程情報が(N、N)を示し、前の作業機番号の工程情報DN3が(S、C)を示すと判定することは、これにより、基板20が再投入された作業機よりも前の作業機における製造工程が完了し、再投入された作業機での製造工程が完了していないことを判定するものであるから、本件補正発明の「前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する」ことに相当する。 (キ) そして、引用発明のホスト200の上記(ウ)の基板が作業済みであるかを判定する機能を実現する手段は、本件補正発明の「前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する確認部」に相当する。 カ 本件補正発明の「前記作業装置は、前記確認部によって作業済みと確認された基板に対して前記作業を行わずに下流へと搬送し」について (ア) 引用発明は、「作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に」、「ケースA2では、作業員は、搬送機14に基板20を投入し、作業機10Aに基板20が搬送され、作業機10Aが基板識別情報ID4を取得し、作業機番号DN1を含む情報通知が作業右記10Aからホスト200に供給され、ホスト200が、基板識別情報ID4と作業機番号DN1を含む情報通知を取得すると、基板識別情報ID4と作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判断すると、ホスト200は、基板搬送指示を作業機10Aに送信し、作業機10Aは、基板20を次の作業機10Bに搬送し、基板20に対して適切な製造工程P4が実行される」ものである。 (イ) このように、引用発明は、ホスト200が、再投入された「基板20」について、基板20から取得した作業識別情報である作業識別情報ID4と再投入された作業機10Aの作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判定すると、基板20を次の作業機10Bに搬送し、基板20に対して適切な製造工程P4が実行されるものである。 (ウ) そうすると、引用発明の、基板20から取得した作業識別情報である作業識別情報ID4と再投入された作業機10Aの作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判定することは、本件補正発明の「前記確認部によって作業済みと確認された」ことに相当し、このとき、引用発明の「作業機10Aは、基板20を次の作業機10Bに搬送」することは、本件補正発明の「前記作業装置は、前記確認部によって作業済みと確認された基板に対して前記作業を行わずに下流へと搬送し」に相当する。 キ 本件補正発明の「前記作業履歴情報は、前記生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含み」について 本件補正発明では、「前記作業履歴情報は、生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含」むのに対して、引用発明では、「完了情報」が、そのような「リペア作業履歴情報」を含んでいない点で、両者は相違する。 ク 本件補正発明の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」について、 (ア) 上記3-1のとおり、本件補正発明の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」とは、「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを確認することで、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断する」ことを意味するものとして検討する。 (イ) 引用発明は、上記カ(イ)で述べたとおり、ホスト200が、再投入された「基板20」について、基板20から取得した作業識別情報である作業識別情報ID4と再投入された作業機10Aの作業機番号DN1の双方に対応付けられている工程情報が(S、C)を示すと判定すると、基板20を次の作業機10Bに搬送するものであり、また、上記キで述べたとおり、引用発明の「完了情報」は、「リペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報」を含んでいないため、引用発明は、「リペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報」を含んでいない完了情報に基づいて、基板が作業装置によって作業済みであるかを確認し、作業済みであると判断されると、基板製造システム2は、再投入された基板20を下流に搬送しているといえる。 (ウ) また、上記オ(キ)のとおり、引用発明において、ホスト200は、基板が作業済みであるかを判定する機能を実現する手段を備えており、本件補正発明の「確認部」に相当する。 (エ) そうすると、引用発明の、ホスト200が、作業済みであるかを判定することと、本件補正発明の「前記確認部は、前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」こととは、「前記確認部は、前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する」という点で共通する。 他方、作業の確認済みであるかとの確認を、本件補正発明では、「確認部」は、「前記リペア作業を含めて」行うのに対して、引用発明では、ホスト200は、「前記リペア作業を含めて」行っていない点で、両者は相違する。 ケ 一致点、相違点について 上記ア~クのとおりであるから、本件補正発明と引用発明との間には、次の、一致点及び相違点がある。 <一致点> 基板に対して作業を行う少なくとも1つの作業装置を含む生産システムであって、 少なくとも1つの前記作業装置を含む生産ラインから前記基板を抜き取り、 抜き取られた前記基板を前記生産ラインに再投入する投入装置と、 前記基板に付けられた識別マークを読み取って、前記基板に対応付けられた識別情報を取得する識別情報取得部と、 前記識別情報取得部によって取得された前記識別情報と、前記識別情報に関連付けられた前記基板の作業履歴に関する作業履歴情報とに基づいて、前記基板が作業済みであるかを確認する確認部と、を備え、 前記作業装置は、前記確認部によって作業済みと確認された基板に対して前記作業を行わずに下流へと搬送し、 前記確認部は、前記基板が作業済みであるかを、前記作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する、生産システム。 <相違点> (相違点1)基板の抜き取りを、本件補正発明では、「収容装置」が行うのに対して、引用発明では、「作業員」が行っており、「収容装置」が行っていない点。 (相違点2)本件補正発明では、「前記作業履歴情報は、生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含」むのに対して、引用発明では、「完了情報」が、そのような「リペア作業履歴情報」を含んでいない点。 (相違点3)作業の確認済みであるかとの確認を、本件補正発明では、「確認部」が、「前記リペア作業を含めて」行っているのに対して、引用発明では、「前記リペア作業を含めて」行っていない点 (5)相違点の判断 ア 相違点1について (ア) 引用発明は、作業員が、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取るものであって、ケースAでは、作業員が基板20を作業機10Dへ再投入するものであって、このとき、作業員は、作業機10C、10D付近で作業を行っていると解釈され、他方、ケースBでは、作業員が搬送機14を使用して基板20を作業機10Aへ再投入するものである。そして、ケースBでは、作業員は、作業機10Aから離れた場所で作業を行っているといえる。 このように、引用発明では、作業者と作業機との間の位置の関係に基づいて、搬送機14のような機械的な手段を使用するか否かを決定しているものといえる。 そうすると、引用発明において、作業者と作業機との間の位置の関係を考慮して、基板を抜き取る「収容装置」を用いる構成とすることは、当業者が適宜選択設計することのできる事項である。 よって、引用発明において、上記相違点1の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものである。 (イ) また、基板の生産ラインから基板を抜き取るにあたって、何らかの装置を用いて基板を抜き取ることは、上記(3)アの周知文献1に記載のとおり、基板の修理のために、製造ラインから基板を抜き取った基板をマガジンに留める機構は周知技術である。(以下、「周知技術1」という。) そして、引用発明と周知技術1とは、ともに基板に対する製造ライン外での作業のために、製造ラインから基板を抜き取る点で機能を共通にすることから、引用発明において、基板20の抜き取りを、作業員が行うことに代えて、基板を「マガジン」に留める機構を採用することでストックする構成とすることで、相違点1の構成とすることは、当業者が適宜なし得たものである。 イ 相違点2、3について 事例に鑑み、相違点2、3をまとめて検討する。 (ア) 本件補正発明の「リペア作業履歴情報」について、本願の発明の詳細な説明には次のとおりの事項が記載されている。 「【0070】 図10において、管理装置3の管理取得部61は検査装置Miから検査結果を取得して、検査結果を管理記憶部60に記憶させる。記憶された検査結果は、実装基板の品質管理(トレーサビリティ)や、不良基板のリペア作業の参照情報として使用される。」 「【0072】 このように、管理装置3は、検査装置Miから取得した検査結果を記憶する管理記憶部60(記憶部)を含み、確認装置4の確認受付部74(受付部)が良否判定が良好である旨を受け付けると、管理装置3は管理記憶部60に記憶された当該基板Bに係る検査結果を更新する。これにより、品質管理やリペア作業に使用される情報が正しく更新される。 【0073】 このように、基板Bに対して作業を行う作業装置Mwおよび基板Bを含む検査対象物を検査する検査装置Miを含む生産システムは、検査装置Miの下流側に設けられた複数の基板Bを一時的に収容可能な基板供給収容装置Ms(収容装置)と、少なくとも基板供給収容装置Msを管理する管理装置3と、検査装置Miによる検査結果を確認するための確認装置4とを備えている。 【0074】 そして、確認装置4は、少なくとも基板供給収容装置Msに収容された基板Bに係る検査結果を取得する確認取得部71(取得部)と、取得した検査結果を表示する確認表示部73(表示部)と、確認表示部73に表示された検査結果の目視による良否判定を受け付ける確認受付部74(受付部)と、確認受付部74が良否判定が良好である旨を受け付けた基板Bを基板供給収容装置Msの下流へと搬出する指令を送信する確認送信部72と、を含んでいる。これによって、生産ラインLから離れた場所から作業者が目視判定を行い、良品であった基板Bの作業を容易に再開することができる。」 「【0076】 リペア作業エリアAにおいて、作業者は不良の基板Bに対して半田の除去、部品の位置ずれ修正、不良部品の除去などのリペア作業を実行し、リペア作業エリアAに設置されている確認装置4にリペア作業の内容などを入力する。このように、確認装置4の確認記憶部70(記憶部)には、生産ラインLから抜き取られた基板Bに対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含む作業履歴情報が基板Bの識別情報と関連付けて記憶される。また、確認装置4の確認送信部72(送信部)は、作業履歴情報を管理装置3、基板供給収容装置Ms、作業装置Mw、検査装置Miに送信する。」 (イ) 上記【0074】によると、生産ラインから抜き取られた基板を目視により良否判定の結果が良好である場合に、基板は下流へ搬出する指令が確認装置4によって搬出する指令が送信されることから、この場合、基板のリペアは行われないものと解釈される。 そのため、本願の発明の詳細な説明には、リペア作業は、生産ラインから抜き取られた基板を目視により良否判定の結果が「良好でない」場合に行われることが記載されているといえる。 そして、本願の発明の詳細な説明には、「リペア作業履歴情報」は、リペア作業が行われた場合の、生産ラインLから抜き取られた基板Bに対して行われたリペア作業の履歴に関するものであることが記載されているといえる。 (ウ) 上記(3)イ~エの周知例2~4の記載にもあるように、基板の生産ラインから抜き取った基板に対してリペア作業を行い、その作業記録(すなわち、リペア作業履歴)を保存することは、周知技術である(以下、「周知技術2」という。)。なお、基板にID等の識別子が付与されている場合、作業記録はID等の識別子と関連付けられることは技術常識である。 (エ) そして、引用発明は、「製造工程が完了した後に基板が抜き取られ、その後に当該基板が再投入される場合であって」、「作業員は、製造工程P3が完了した後で、作業機10Cが基板20を次の作業機10Dに搬送する前に、カバー12Cを開けて、作業機10Cから基板20を抜き取り、作業員は、抜き取った基板20を目視によって検査し、作業員は、検査の後に」、「ケースA1では、作業員は、作業機10Dに基板20を投入し」、「ケースA2では、作業員は、搬送機14に基板20を投入」するものである。 そして、引用発明において、目視の検査の結果、不合格であって修理が可能な基板の修理をすることは当然に行われている事項である。そのため、引用発明において、基板の修理が行われ、当該基板が生産ラインに再投入される時には、その基板の修理が適切に行われている必要があることは当然の事項である。 (オ) そうすると、引用発明には、抜き取りされた基板の修理が適切に行われていることを管理するために、基板の修理に関する情報を管理しようとする動機付けがあるといえから、引用発明に上記周知技術2を適用することで、引用発明の基板識別情報ID4に修理に関する情報を関連付けて「完了情報」に含ませる構成とすること、すなわち、上記相違点2の構成とすることは、当業者が容易に想到することができたものである。 またこのとき、引用発明の、ホスト200の基板が作業済みであるかを判定する機能を実現する手段は、「完了情報」に基づいて行っていることから、引用発明において、作業の確認済みであるかとの確認を、確認部が、「前記リペア作業を含めて」行う構成となることは当然の事項である(相違点3)。 ウ そして、本件補正発明の上記相違点1~3の構成を採用することによって奏する効果は、引用発明、周知技術1及び周知技術2を組み合わせことで得られる効果から、当業者が予測することができた事項の範囲内のものであり、顕著なものでない。 (6)審判請求人の主張について ア 請求人の主張の概要 審判請求人は、審判請求書において次のように主張する。 「本願発明を構成する確認部は、リペア作業を含めて基板が作業済みであるかを、作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断するために確認する、ことを特徴としている。そして本願発明によれば、再投入されたリペア後の基板の作業を再開可能な生産ラインを柔軟に構成することができるという格別の作用効果が得られるものである。 これに対し、各引用文献にはそれぞれ上記事項が記載されているが、本願発明が有する上記補正後の特徴的構成については開示も示唆もなされていない。特に新たに引用された引用文献6に開示の発明は、不具合箇所が見つかった基板を検査ラインから除外せずに修理できるようにして検査・修理能率を向上し、修理が行われた場合にその修理が適正だったか否かを後で調べることができるようにして修理の信頼性を向上させるために、後の工程で修理する際に前の工程で行った修理内容を確認するようにしたものであって、本願発明とは確認する目的が著しく相違する。 また、本願発明を構成する確認部は、リペア作業を含めて基板が作業済みであるかを確認する。すなわち、再投入された基板に対して行われたリペア作業を含め、その基板が作業済みであるかを確認したうえで下流へ搬送するが、引用文献1,2には何れもリペア作業に関する事項が一切開示されていない。また、引用文献3には上記事項が開示されているものの、不良部分を修正した後の製品を生産ラインに再投入することの示唆や動機付けとなり得る事項は一切開示されていない。」 イ 主張についての検討 請求人の上記主張について検討をする。 (ア) 引用発明は、ケースA2のとおり、作業機10Dに搬送される前の基板20を抜き取り、検査後に、作業機10Aに再投入されるものである。そして、完了情報に基づいて、どの作業機までの作業が完了しているかを判定していることから、引用発明において、「作業装置が作業を行わずに下流へ搬送するか否かを判断」していること明らかである。 (イ) 上記(5)イ(エ)のとおり、引用発明においても、抜き取った基板に対する修理を行うことは当然に行われている事項である。 (ウ) そして、本件の発明の詳細な説明には、段落【0074】に記載されているとおり、確認部は、生産ラインから抜き取られた基板を目視により良否判定の結果が良好である場合に、基板は下流へ搬出する指令が確認装置4によって搬出する指令が送信されることが記載されるのみである。 このため、本件補正発明の「前記リペア作業を含めて前記基板が作業済みであるかを・・・確認する」とは、「前記生産ラインから抜き取られた前記基板に対して行われたリペア作業の履歴に関するリペア作業履歴情報を含」む「作業履歴情報」に基づいて、「前記基板が作業済みであるかを・・・確認する」ことを特定するにとどまるものである。 このため、請求人の「再投入された基板に対して行われたリペア作業を含め、その基板が作業済みであるかを確認したうえで下流へ搬送するが、引用文献1,2には何れもリペア作業に関する事項が一切開示されていない」との主張は、本件補正発明の記載に基づくものではない。 (エ) 以上のとおりであるから、請求人の主張には理由がないため、これを採用することはできない。 (7)小括 したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術(周知技術1及び周知技術2)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。 4 補正の却下の決定のむすび 以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願の特許請求の範囲 1 本願発明の認定 本件補正は、上記「第2」のとおり却下されたので、本件補正前の本願の請求項1に記載された発明(以下「本願発明」という。)は、上記「第2」の[理由]1(2)に記載したとおりのものである。 2 原査定における拒絶の理由 本願発明についての原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。 この出願の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 引用文献等一覧 1.特開2019-117451号公報 2.特開2002-158492号公報 3.特許第5064812号公報 6.特開2011-138930号公報 3 引用文献の記載、引用発明等 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1は、上記「第2」の[理由]における引用文献であり、その記載及び引用発明は、上記「第2」の[理由]3(2)に示したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、上記「第2」の[理由]2に示した限定事項を、本件補正発明から削除したものに相当し、本願発明と引用発明とを対比すると、本願発明と引用発明は、上記「第2」の[理由]3-2(4)ケに示した一致点において一致し、相違点1~3において相違する。 そして、当該相違点1~3の判断は、「第2」の[理由]3-2(5)において相違点1~3について示したとおりであって、引用発明及び周知技術1~2に基づいて、当業者が適宜なし得たものである。 したがって、本願発明は、引用発明及び周知技術(周知技術1~2)に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-017358

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