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特許拒絶査定不服審判

2018-002867

閉ループ構成における認証および追従可能性

審判番号
2018-002867
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2015-005373外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2018年02月28日
審決日
2019年02月12日
公報発行日
2019年08月30日
結論
請求不成立
当事者
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G05B) / P18 .575-Z (G05B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(SGML)

事件の表示

特願2015-5373「閉ループ構成における認証および追従可能性」拒絶査定不服審判事件〔平成27年6月18日出願公開、特開2015-111432〕について、次のとおり審決する。

結論

【結 論】 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

【理 由】 第1 手続の経緯 本願は、2005年(平成17年)4月8日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2004年4月8日(CA)カナダ)を国際出願日とする出願である特願2007-506629号(以下「本願の原出願」という。)の一部を平成27年1月14日に新たな特許出願としたものであって、その主な手続の経緯は以下のとおりである。 平成28年 2月19日付け:拒絶理由通知 平成28年 8月31日  :意見書及び手続補正書の提出 平成29年 1月30日付け:拒絶理由通知 平成29年 8月 7日  :意見書及び手続補正書の提出 平成29年10月24日付け:拒絶査定 平成30年 2月28日  :審判請求書と同時に手続補正書の提出 平成30年 3月 6日  :審判請求書の手続補正書(方式)の提出 第2 平成30年2月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成30年2月28日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は補正箇所を示すため当審で付したものである。以下同じ。) 「製造プロセスにおける所定位置においてレセプタクルの存在を観測するのに使用するための閉ループ型のレセプタクル検出システムであって、 前記レセプタクルが、製造プロセスにおいて使用される構成部材を搬送するためのものであるとともに、製造プロセスに対して前記構成部材を供給するためのものであり、 前記システムが、前記各レセプタクル上における少なくとも1つの検出可能部材と、各位置において前記検出可能部材を検出し得るよう構成された少なくとも1つの読取器と、を具備し、 前記読取器が、各位置において前記レセプタクルの存在を自動的に検出するようになっており、 各位置に、フィーダが設けられ、 各フィーダが、処理に供するため、それぞれ対応するレセプタクルから、構成部材を受領するものとされ、 各フィーダには、各フィーダに固有のアンテナが設けられ、 これらアンテナが、所定のレセプタクルの存在を自動的に検出しており、 前記システムが、RF技術を使用し、 前記読取器が、少なくとも1つのアンテナを備え、 前記検出可能部材が、少なくとも1つのRFタグを備えていることを特徴とするシステム。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の、平成28年8月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。 「製造プロセスにおける所定位置においてレセプタクルの存在を観測するのに使用するための閉ループ型のレセプタクル検出システムであって、 前記レセプタクルが、製造プロセスにおいて使用される構成部材を搬送するためのものであるとともに、製造プロセスに対して前記構成部材を供給するためのものであり、 前記システムが、前記各レセプタクル上における少なくとも1つの検出可能部材と、各位置において前記検出可能部材を検出し得るよう構成された少なくとも1つの読取器と、を具備し、 前記読取器が、各位置において前記レセプタクルの存在を自動的に検出するようになっており、 各位置に、フィーダが設けられ、 各フィーダが、処理に供するため、それぞれ対応するレセプタクルから、構成部材を受領するものとされ、 各フィーダには、各フィーダに固有のアンテナが設けられ、 これらアンテナが、所定のレセプタクルの存在を自動的に検出することを特徴とするシステム。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「システム」、「読取器」及び「検出可能部材」について、各々「RF技術を使用し」、「少なくとも1つのアンテナを備え」及び「少なくとも1つのRFタグを備えている」という限定を付加するものであって、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献1及び2の記載事項 ア 引用文献1 (ア)平成29年1月30日付けの拒絶の理由で引用され、本願の原出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、特開2003-188591号公報(平成15年7月4日出願公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の事項aないしhが記載されている。 a「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、複数の部品供給装置から供給される複数の部品を基板上の所定位置に実装する部品実装方法及び部品実装装置に関し、特に複数の部品を同時に供給する多連式部品供給装置を用いた部品実装技術に関する。」 b「【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、このような部品実装装置において、例えば、部品切れとなった部品供給装置と、新たな部品供給装置とを交換するとき、作業者の錯誤による部品供給装置の装着ミスによって、部品供給時や装着時等にエラーが発生することがある。このようなエラーを未然になくすため、部品供給装置に部品切れ検出器を設け、部品テープを生産中に繋ぐことは可能であるが、品種切替えの多い場合には、このようなリカバリー動作を十分に行える時間的、スペース的な余裕はなく、品種切替作業の軽減が図れなかった。」 c「【0043】 図2に制御部41の主に部品供給装置29の認識に関するブロック構成を示した。制御部41は、部品供給装置29と部品供給部31の相互に設けられ部品供給装置29と部品実装装置100本体との間でデータや指令等の通信を行うための部品供給装置伝達部47、吸着ノズル25、基板搬送レール15a,15b、部品姿勢認識カメラ37、基板認識カメラ27、メモリ49、表示手段43、入力手段45等が接続されており、これら各装置を制御する。」 d「【0045】 図3に部品供給カセット29の外観の概略図を示した。部品供給装置29としては、単位幅の部品テープ51Aにより単一の部品Pを部品供給位置PLに供給する単式部品供給カセット29Aと、生産形態に応じて、基板品種毎に異なる生産部品が発生する場合等に供給パターンの違う部品種を同時に供給するための幅広の部品テープ51Bにより複数(図3においては例えば3個)の部品Pを同時に部品供給位置PLに供給する多連式部品供給カセット29B、不要な部品を回収する部品回収コンベア39(図1参照)が設けられている。なお、多連式部品供給カセット29Bは、複数の大型部品が単列で供給される幅広の部品テープ51Bが装着されることもある。」 e「【0051】 次に、部品供給カセットを説明する。図3に示すように、部品供給カセット29の本体55には、部品テープ51A,51Bを巻回したリール57が回転自在に装着されている。部品テープ51A,51Bには、所定ピッチで部品収納用の凹部59が設けられており、この部品収納用の各凹部59に部品Pが1個ずつ収納されている。そして、部品テープ51A,51Bの表面には部品Pが脱落しないように透明なビニールテープが貼付けられている。また、リール57には、部品テープ51A,51Bに収納されている部品の情報が記録されているICチップ61等の記録媒体が取り付けられており、本体55の内面にはICチップ61からの部品情報を読み取る読み取りセンサ63が取り付けられている。」 f「【0052】 従って、部品テープ51をリール57から引き出すことによりリール57を回転させると、読み取りセンサ63が自動的にICチップ61から上述した部品データを読み取ることができるので、作業者が入力する手間が省けると共に、入力ミスを防止することができる。」 g「【0055】 図5に部品供給カセット29の制御ブロック図を示した。部品供給カセット29には、マイコン85が搭載されており、このマイコン85には、リール57に取り付けているICチップ61から読み取りセンサ63によって読み取る部品情報、部品テープ51を監視して部品Pがなくなったことを検出する部品切れセンサ69からの部品切れ情報が入力される。これらの各種情報は内部メモリ87に記憶され、適宜読み出しと書き込みがなされるようになっている。また、マイコン85は、部品供給カセット29を部品実装装置100本体の部品供給部31に取り付けた際に接続される部品供給装置伝達部47を構成するコネクタ89に接続されており、コネクタ89を介して部品情報等が部品実装装置100の制御部41へ伝達される。さらに、マイコン85には、LED等の状態表示用の表示手段72が接続されている。これらマイコン85、コネクタ89、部品供給部31、部品供給装置伝達部47、制御部41は信号抽出手段を構成している。」 h「【0056】 図6にICチップ61やコネクタ89を介して得られる部品情報の例を示した。部品実装装置100のメモリ49には、部品供給カセット29の部品実装装置100への装着位置を表すZ番号毎に、部品の種類、品番、部品の残り数、及びその部品を供給する部品供給装置が、単式部品供給カセット29Aか多連式部品供給カセット29Bかの区別を示すデータ等が記憶される。」 i 上記記載事項fから、読み取りセンサ63のみにより、自動的にICチップ61から部品データを読み取るものである、すなわち「閉ループ型」のレセプタクル検出システムを構成しているものである、と認められる。 j 上記記載事項gから、引用文献1に記載された「マイコン(85)」は、「リール(57)」が「部品供給カセット(29)」を介して「部品実装装置本体」の装着位置である「部品供給部」に取り付けられたことの検出を行うものであるといえる。さらに、「取り付けられたことの検出」は「存在を観測する」と言い換えることができ、コンピュータである「マイコン(85)」により実行される上記一連の動作を実行するものを「システム」と呼称することができるから、引用文献1には、「部品実装装置(100)の装着位置においてリール(57)の存在を観測するのに使用するためのリール検出システム」が記載されていると認められる。 k 図3から、リール57の中心は部品供給カセット29の本体55に対して回転自在に軸支されているのに対し、リール57の中心以外の部分(外周部)は本体55に接触していないこと、及び、本体55の下部に読み取りセンサ63が、リール57の外周部にICチップ61が、各々設けられていることを看取できるから、読み取りセンサ63は非接触状態でICチップ61の情報を読み取るものであると認められる。 (イ)引用発明 上記(ア)の記載事項aないしe並びに認定事項iないしkを、技術常識を踏まえて整理すると、引用文献1には、以下に示す発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「部品実装装置(100)の装着位置においてリール(57)の存在を観測するのに使用するための閉ループ型のリール検出システムであって、 前記リール(57)が、部品実装装置(100)において使用される部品(P)を搬送するためのものであるとともに、部品実装装置(100)に対して前記部品(P)を供給するためのものであり、 前記システムが、前記各リール(57)上におけるICチップ(61)と、各位置において前記ICチップ(61)を検出し得るよう構成された読み取りセンサ(63)と、 を具備し、 前記読み取りセンサ(63)が、各位置においてリールを回転させると前記リール(57)の存在を自動的に検出するようになっており、 部品実装装置内(100)の各位置に、部品供給カセット(29)が設けられ、 各部品供給カセット(29)が、実装に供するため、それぞれ対応するリール(57)から、部品(P)を受領するものとされ、 各部品供給カセット(29)には、各部品供給カセット(29)に固有の読み取りセンサ(63)が設けられ、 前記読み取りセンサ(63)は非接触状態で前記ICチップ(61)の情報を読み取る、システム。」 イ 引用文献2 (ア)同じく原査定に引用され、本願の原出願の優先日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった特開平11-317595号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面とともに、次の事項aないしeが記載されている。 a「【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、部品供給システム、更に詳細には、電子部品を表面実装機に供給する知的部品供給システムに関する。」 b「【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、これらのフィーダを表面実装機に使用する際、種々の問題がある。・・・他の問題として、フィーダは異なる部品を持っていても同じ外観をしていることがある。作業者が、無意識のうちにフィーダバンクの間違った位置にフィーダをセットすると、基板上に間違った部品が搭載されたり、部品が正常に搭載されなかったりする。フィーダが正しい位置にセットされているかどうかを監視し、また問題があればアラームをだし、時には問題を自動修正するシステムが望ましい。」 c「【0023】 図1は、本発明の一実施形態における知的部品供給システムの部品供給部を示す。フィーダ10は、良く知られている一般的なテープフィーダで、リール12を受けるようになっており、部品が貯えられているリール上のテープが繰り出されて部品が表面実装機に送られる。・・・」 d「【0041】 図7において、フィーダに設けられる記憶部14がフィーダの第1の送受信回路90と接続される。この第1の送受信回路90は、電源回路、変調回路、復調回路、クロック、記憶部制御回路などから構成されている。このフィーダ側の回路はアンテナコイル91、91´を介してフィーダバンク側(一括交換台を含む)の第2の送受信回路92と接続される。第2の送受信回路92は、変調回路と復調回路から構成され、キャリア周波数端子92a、入力データ端子92b、出力データ端子92c、それに電力(電源)端子92を有している。」 e「【0042】 本体側(実装機)から信号が供給され、端子92dを介して電力が第2の送受信回路92に供給される。本体側のアンテナコイル91´とフィーダ側のアンテナコイル91がある程度接近して配置されていれば、本体側から発射される電波によってフィーダ内のアンテナコイル91に電磁誘導によって電流が流れ始める。このアンテナコイル91の両端に電流が流れることによって、フィーダ側の第1の送受信回路90に交流電力が与えられ、そこで電源用の直流電力に変換され、情報の送受信が可能になる。・・・」 f 上記記載事項eから、読み取り側である本体側にはアンテナコイル91´が、被検出側であるフィーダ側にはアンテナコイル91が、各々備えられ、両者が無線通信を行うことにより、「本体側」が「フィーダ」の存在を検出するものであることが理解できる。そして、本願の原出願の優先日前の技術常識を踏まえれば、RF技術とは「Radio Frequency技術」の略称であり、無線通信技術を意味するから、アンテナコイル91´とアンテナコイル91は、RF技術を使用しているということができる。 g 上記記載事項eから、フィーダ側のアンテナコイル91は、本体側のアンテナコイル91´の電波をエネルギー源として作動するものであることが理解できるから、本願の原出願の優先日前の技術常識を踏まえれば、フィーダ側のアンテナコイル91が電池を内蔵する必要のない所謂パッシブ型のRFタグであることは明らかである。 h 上記記載事項cから、「フィーダ」は「リール」を受けるものであるから、「フィーダ」の存在を検出することを介して「リール」の存在を検出できることが理解できる。 (イ) 引用文献2に記載された技術 上記(ア)の記載事項aないしe及び認定事項fないしhから、技術常識を踏まえて整理すると、引用文献2には以下の技術(以下、「引用文献2に記載された技術」という。)が記載されていると認められる。 「フィーダ(10)に受けられたリール(12)上の部品を表面実装機に送る部品供給システムにおいて、読み取り側である本体側がアンテナコイル(91)を備え、被検出側であるフィーダ側がRFタグであるアンテナコイル(91´)を備え、アンテナコイル(91)とアンテナコイル(91´)がRF技術を使用することにより、リール(12)の存在を検出する、システム。」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「部品(P)」は、本件補正発明の「構成部材」に相当する。 以下同様に、引用発明の「ICチップ(61)」は、本件補正発明の「検出可能部材」に、引用発明の「読み取りセンサ(63)」は、本件補正発明の「読取器」に、引用発明の「部品供給カセット(29)」は、本件補正発明の「フィーダ(42)」に、引用発明の「実装」は、本件補正発明の「処理」に、それぞれ相当する。 引用発明は、供給された「部品(P)」が所望の位置に取り付けられた基板を製造するものであることは明らかであるから、引用発明の「部品実装装置(100)」は、本件補正発明の「製造プロセス」に相当する。 引用発明は「リール(57)が、部品実装装置(100)において使用される部品(P)を搬送するためのものであるとともに、部品実装装置(100)に対して前記部品(P)を供給するためのもの」であるから、引用発明の「リール(57)」は、本件補正発明の「レセプタクル」に相当する。 引用発明は「読み取りセンサ(63)」が「ICチップ(61)」を検出することで、「ICチップ(61)」が取り付けられた「リール(57)」を検出可能であることは明らかであるから、引用発明の「リール検出システム」は、本件補正発明の「レセプタクル検出システム(10)」に相当する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点並びに相違点1及び2は、次のとおりである。 【一致点】 「製造プロセスにおける所定位置においてレセプタクルの存在を観測するのに使用するための閉ループ型のレセプタクル検出システムであって、 前記レセプタクルが、製造プロセスにおいて使用される構成部材を搬送するためのものであるとともに、製造プロセスに対して前記構成部材を供給するためのものであり、 前記システムが、前記各レセプタクル上における少なくとも1つの検出可能部材と、各位置において前記検出可能部材を検出し得るよう構成された少なくとも1つの読取器と、を具備し、 前記読取器が、前記レセプタクルの存在を自動的に検出するようになっており、 各位置に、フィーダが設けられ、 各フィーダが、処理に供するため、それぞれ対応するレセプタクルから、構成部材を受領するものとされ、 各フィーダには、各フィーダに固有の検出器が設けられ、これら検出器が、前記読取器として機能し、 これら検出器が、所定のレセプタクルの存在を検出するシステム。」 【相違点1】 本件補正発明は「各フィーダには、各フィーダに固有のアンテナが設けられ」るのに対し、引用発明は「各部品供給カセット(29)には、各部品供給カセット(29)に固有の読み取りセンサ(63)が設けられ」る点。 【相違点2】 本件補正発明は「前記システムが、RF技術を使用」し、本件補正発明の「読取器」は「少なくとも1つのアンテナを備え」、「検出可能部材」は「少なくとも1つのRFタグを備えている」のに対し、引用発明は「前記読み取りセンサ(63)は非接触状態で前記ICチップ(61)の情報を読み取る」ものの、その際にRF技術を用いるか否かは不明であり、引用発明の「読み取りセンサ(63)」がアンテナを備えるか否か、及び「ICチップ61」がRFタグを備えるか否かは不明である点。 (4)判断 以下、相違点1及び2についてまとめて検討する。 ア 相違点1及び2について 引用文献1には、読み取りセンサ(63)が非接触状態でICチップ(61)の情報を読み取る際の具体的な手法については明記されていないが、引用文献2にも記載されているとおり、非接触状態で情報通信を行う手段として、RF技術を用いることは、本願の原出願の優先日から周知技術であったと認められる。 したがって、引用発明を実施するに際し、読み取りセンサ(63)とICチップ(61)との間の情報通信手段として、引用文献2に記載されている技術を適用することにより、RF技術を使用して、読み取り側である、読み取りセンサ(63)にアンテナコイルを設け、被検出側である、ICチップ61をRFタグとすることは、当業者が容易に想到し得た事項である。 そして、引用発明に対して引用文献2に記載されている技術を適用したシステムにおいて、各部品供給カセット(29)に固有のアンテナコイルが設けられていることは明らかである。 イ 審判請求時の出願人の主張について 出願人は平成30年3月6日に提出した審判請求書の手続補正書(方式)において「新請求項1にかかる発明では、RF技術を使用することにより、RFタグに対してアンテナ側から給電することができ、システムの構成を簡略化することができる。また、フィーダではなく、構成部材を供給して消費することによって新たなレセプタクル(リール)と交換されるレセプタクルに給電を必要としないRFタグを設けることにより、レセプタクルにRFタグに対して給電するための構成を設ける必要がなくなり、レセプタクルの構造を簡略化できる。」と主張している。 しかし、上記のとおり、引用文献2には、被検出側であるフィーダ側のアンテナコイル91を電池を必要としないパッシブ型のRFタグとして、読み取り側である本体側のアンテナコイル91´から電波で給電する事項が記載されている以上、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明及び引用文献2に記載された技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものに過ぎず、格別顕著なものということはできない。 ウ したがって、本件補正発明は、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1ないし22に係る発明は、平成28年8月31日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし22に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、本願発明は、本願の原出願の優先権主張の日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2003-188591号公報 引用文献2:特開平11-317595号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1及び2並びにその記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。 4 対比・判断 本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、 「前記システムが、RF技術を使用し、 前記読取器が、少なくとも1つのアンテナを備え、 前記検出可能部材が、少なくとも1つのRFタグを備えている」 という発明特定事項を削除したものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである以上、本願発明も、引用発明及び引用文献2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2018-002867

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