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特許拒絶査定不服審判

2024-016535

情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム

審判番号
2024-016535
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2020-168938外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2024年10月16日
審決日
2025年06月30日
公報発行日
2025年09月26日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-Z (G06Q) / P18 .575-Z (G06Q)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第17条の2第6項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2020-168938「情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年 4月18日出願公開、特開2022- 61140〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和2年10月6日にされた特許出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和6年 4月 9日付け:拒絶理由通知書 同年 6月17日 :意見書、手続補正書の提出 同年 8月20日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。) (同年 8月27日 :原査定の謄本の送達) 同年10月16日 :審判請求書、手続補正書の提出 第2 令和6年10月16日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和6年10月16日にされた手続補正を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 令和6年10月16日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)は、特許請求の範囲についてなされたものであり、本件補正による補正後の請求項19の記載は、次のとおりである。(下線部は、補正箇所である。) 「【請求項19】 コンピュータが実行する情報処理方法であって、 第1利用者によって要求された商品の購入に関する第1要求と、第2利用者によって要求された商品の購入に関する第2要求とを受付ける受付工程と、 前記第1利用者及び前記第2利用者を各利用者の居所において介護する介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前に配送されるように、当該介護者に、前記受付工程によって受付けられた第1要求に対応する第1商品と、前記第2要求に対応する第2商品とを集約して配送するための処理を実行する配送処理工程と を含み、 前記配送処理工程は、 前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報として、配送する前記第1商品若しくは前記第2商品の数、又は、前記第1商品若しくは前記第2商品が梱包された配送ボックスの数に関する情報を前記介護者に通知する ことを特徴とする情報処理方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲の記載 本件補正による補正後の請求項19は、補正前の請求項20(令和6年6月17日にされた手続補正による補正後の請求項20)に対応する。補正前の請求項20の記載は、次のとおりである。 「【請求項20】 コンピュータが実行する情報処理方法であって、 第1利用者によって要求された商品の購入に関する第1要求と、第2利用者によって要求された商品の購入に関する第2要求とを受付ける受付工程と、 前記第1利用者及び前記第2利用者を各利用者の居所において介護する介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前に配送されるように、当該介護者に、前記受付工程によって受付けられた第1要求に対応する第1商品と、前記第2要求に対応する第2商品とを集約して配送するための処理を実行する配送処理工程と を含むことを特徴とする情報処理方法。」 2 補正の適否 本件補正は、本件補正前の請求項20に記載された発明を特定するために必要な事項である「配送処理工程」について、「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報として、配送する前記第1商品若しくは前記第2商品の数、又は、前記第1商品若しくは前記第2商品が梱包された配送ボックスの数に関する情報を前記介護者に通知する」ものである旨の限定を付加するものであり、明細書の段落【0059】、【0111】の記載からみて、本願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてなされた補正であり(特許法第17条の2第3項に規定する要件に適合するものであり)、また、本件補正による補正前の請求項20に記載された発明と補正後の請求項19に記載された発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であり、本件補正は、同条第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項19に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(本件補正が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下、検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は、前記1(1)に記載したとおりのものである。 (2)引用文献の記載事項 ア 引用文献 (ア)原査定の拒絶の理由で引用され、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2005-182136号公報(平成17年7月7日出願公開。以下「引用文献」という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0009】 図1に示すように、本発明の実施の形態に係る送迎/配送システムは、インターネット4等のネットワーク環境を利用して、車両を巡回させて顧客の送迎サービスを行う事業者(介護施設側端末1a、1b、1c、・・・)へ配車/巡回計画作成サービスを提供するとともに、被介護者或いは被介護者の家族(被介護者側端末2a、2b、2c、・・・)が購入を希望する商品の卸売業者への発注及び配送を管理するアプリケーション・サービス・プロバイダ(ASP)30である。すなわち、送迎/配送システム(ASP)30は、インターネット4を介して介護施設側端末1a、1b、1c、・・・と、被介護者側端末2a、2b、2c、・・・と、商品卸売業者端末3とに接続されている。 【0010】 送迎/配送システム(ASP)30は、インターネット4にそれぞれ接続された配車作成システム10及び商品購入システム20と、配車作成システム10及び商品購入システム20にそれぞれ接続された商品情報データベース22、被介護者データベース15、及び受注/納品データベース23とを有する。 【0011】 配車作成システム10は、車両を巡回させて被介護者を送迎する際の車両の送迎ルートを作成する。商品購入システム20は、配車作成システム10と連動して、被介護者或いは被介護者の家族が購入を希望する商品を管理する。送迎/配送システム(ASP)30による管理のもと、介護者は、被介護者を送迎する時に、同時に前記購入を希望する商品を被介護者の自宅へ配送する。」 「【0015】 図3を参照して、図1に示した送迎/配送システム(ASP)の処理動作の流れを説明する。 【0016】 (イ)先ずS01段階において、配車作成システムは、被介護者から送迎サービスの予約を随時受け付ける。これに対して、S02段階において、配車作成システムは、被介護者へ送迎サービスの確定を連絡する。このようにして、被介護者と配車作成システムとの間で、月次のサービス提供予定が作成される。 【0017】 (ロ)S03段階において、商品購入システムは、被介護者からの商品の注文を一定期間中随時受け付ける。そして、商品購入システムは、S04段階において、定期的に商品の注文を集約し、S05段階において、一括して卸売業者に発注する。S06段階において、卸売業者は、発注された商品を介護施設に一括納品する。この納品された商品は介護施設で仕分けされる。S07段階において、商品購入システムは、配達商品を配車作成システムに通知する。 【0018】 (ハ)S08段階において、配車作成システムは、車両を巡回させて被介護者を送迎する際の車両の送迎ルートを作成する。送迎ルートの作成は毎日実施される。S09段階において、配車作成システムは、作成した送迎ルートを介護施設に通知し、S10段階において、介護施設は、送迎ルートの修正及び承認を返送する。最後に、S11段階において、被介護者を送迎する時に、同時に被介護者或いは被介護者の家族が購入を希望する商品を被被介護者の自宅へ配送する。」 「【0021】 (A)S07段階の後に、S801段階に進み、送迎ルートを作成する。送迎ルートは、被介護者の身体特性や、車椅子、ストレッチャー等の使用を考慮した上での最短ルートを検索し、乗車順序と乗車位置が決定される。そして、迎えに行く被介護者の順に、その被介護者宅に配送する商品があるかどうかを、受注/納品データベース23から取得し、商品があれば、その荷量(重量、容積等)を取得する。具体的には、S802段階において、送迎する被介護者のうちn番目に乗せる被介護者に対して配送する商品があるか否かを、受注/納品データベースを参照して判定する。最初のループにおいては、n=1、すなわち最初に乗せる被介護者に対して配送する商品があるか否かを判断する。配送すべき商品がある場合(S802段階でYes)、S803段階へ進み、配送すべき商品がない場合(S802段階でNo)、S805段階へ進む。」 「【0030】 以上説明したように、デイケアあるいはデイサービスと呼ばれる、通所型介護サービスにおいて、被介護者を自宅から施設へ送迎する際の送迎車の走行ルートを作成するための配車作成システム10と、被介護者やその家族が購入を希望する商品を管理する商品購入システム20とが連動し、送迎車が、被介護者宅へ被介護者の送迎と同時に注文された商品を被介護者宅へ配送する。このことにより、被介護者の利便性が大幅に向上すると共に、介護施設の差別化、サービスの質的向上につながる。被介護者の送迎業務及び商品の配送業務の業務効率を向上させることが出来、ひいては介護コスト及び商品コストを削減することが出来る。」 「【0037】 図1に示したネットワーク構成は本発明の送迎/配送システムの一例であり、これに限らない。また、配車作成システム10及び商品購入システム20を一台のサーバ内で運用することも可能である。更に、配車計画システム10、商品購入システム20及び総てのデータベース22、15、23を一台のサーバ内で運用することも可能である。」 「【図3】 [図:0001426674000001.jpg] 」 (イ)前記記載から、引用文献には、次の技術的事項が記載されているものと認められる。 a 引用文献には、「配車作成システム10及び商品購入システム20」を有し(段落【0010】)、「サーバ内で運用」(段落【0037】)される「送迎/配送システム(ASP)の処理動作」(段落【0015】)の方法が記載されている。 b 引用文献には、「商品購入システム」が「被介護者からの商品の注文を一定期間中随時受け付ける」「S03段階」(段落【0017】)が記載されている。そして、【図3】には、「S03」の「商品の注文」について、商品購入システムが複数の被介護者からの商品の注文を受け付ける旨が図示されている。 これらを踏まえると、引用文献には、S03段階において、複数の被介護者からの商品の注文を商品購入システムが一定期間中随時受け付けることが記載されているといえる。 c 引用文献の「介護施設」は、「顧客の送迎サービスを行う事業者」であり(段落【0009】)、ここでいう「送迎サービス」とは、デイケアあるいはデイサービスのような「通所型介護サービス」のために「被介護者を自宅から施設へ送迎する」(段落【0030】)ものである。また、「介護者は、被介護者を送迎する時に、同時に前記購入を希望する商品を被介護者の自宅へ配送する。」(段落【0011】)の記載によれば、この送迎サービスで「被介護者」を送迎する者は「介護者」である。 してみると、引用文献の介護施設は、介護者が被介護者を自宅から施設へ送迎する送迎サービスを伴う通所型介護サービスのための介護施設である。 そして、引用文献の段落【0017】には、「商品購入システム」が「定期的に商品の注文を集約」する「S04段階」、「一括して卸売業者に発注する」「S05段階」、「発注された商品を介護施設に一括納品する」「S06段階」、及び、「商品購入システム」が「配達商品を配車作成システムに通知する」「S07段階」が記載されている。また、「納品された商品は介護施設で仕分けされる」とも記載されている。段落【0018】には、「配車作成システム」が「送迎ルートを作成する」「S08段階」及び「作成した送迎ルートを介護施設に通知」する「S09段階」が記載され、【図3】には、S09段階が「送迎・配送計画の通知」である旨が示されている。 さらに、段落【0018】には、「S11段階において、被介護者を送迎する時に、同時に被介護者或いは被介護者の家族が購入を希望する商品を被被介護者の自宅へ配送する」ことも記載され、【図3】には、S11段階が「送迎・配送」であり、介護施設による送迎及び配送が複数の被介護者に対して行われる旨が図示されている。 ここで、「送迎」は少なくとも迎えに行くという意味を含み、段落【0021】の「迎えに行く被介護者の順に、その被介護者宅に配送する商品があるかどうかを、・・・」との記載からみて、S11段階の「被介護者を送迎する時」とは、少なくとも被介護者を迎えに行く時を含むものであり、つまり、通所型介護サービスによる介護のために介護者が被介護者の自宅に出向いて迎えに行く時を含むものである。 以上を踏まえれば、引用文献には、S11段階において、通所型介護サービスによる介護のために介護者が複数の被介護者の自宅に出向いて迎えに行くと同時に商品をこれらの被介護者の自宅へ配送する旨が記載されており、さらに、そのようにして介護者が被介護者の自宅に出向いて商品を被介護者の自宅へ配送する時以前において、商品が一括して卸売業者に発注され、発注された商品が介護施設に一括納品され、介護施設で仕分けされ、送迎ルートが作成されて作成された送迎ルートが介護施設に通知されており、そのための送迎/配送システム(ASP)の処理動作として、S04段階からS09段階の処理が実行される旨が記載されているといえる。 d 上記cのとおり、引用文献の段落【0018】及び【図3】には、S09段階として「介護施設」に「送迎・配送計画の通知」をすることが記載されている。 (ウ)前記(ア)、(イ)から、引用文献には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 (引用発明) 配車作成システム10及び商品購入システム20を有し、サーバ内で運用される送迎/配送システム(ASP)の処理動作の方法であって、(前記(イ)a) S03段階として、複数の被介護者からの商品の注文を商品購入システムが一定期間中随時受け付ける段階と、(前記(イ)b) 送迎サービスを伴う通所型介護サービスによる介護のために介護者が複数の被介護者の自宅に出向くと同時に商品を被介護者の自宅へ配送する時よりも前に、S04~S09段階として、商品が一括して卸売業者に発注され、発注された商品が介護施設に一括納品されて介護施設で仕分けされ、送迎ルートが作成され、作成した送迎ルートが介護施設に通知されるための処理の段階を実行し(前記(イ)c)、 このうち、S09段階として、送迎・配送計画を介護施設に通知する段階を実行する(前記(イ)d)、 処理動作の方法。 イ 周知例(特開2002-125841号公報) 「【0019】 次に、この実施例が実施する宅配サービスのフローについて説明する。図2を参照すると、宅配業者は、発送人のユーザからの荷物発送依頼により荷物を受け取る(ステップ21)。ユーザから預かった荷物の送付先の電子メールアドレスが宅配業者の顧客リストに登録されているか否かを宅配業者端末20で検索する(ステップ22)。検索した結果顧客登録されていなければ、従来通りの宅配荷物として宛先の住所に配達する。顧客リストに電子メールアドレスが登録されている場合、宅配業者端末20で荷物の受取人のユーザへ配達予定時刻、荷物の発送者、荷物の識別、個数、内容、等の情報を発送通知メールで送信する(ステップ23)。受取人のユーザは宅配業者端末20から送信された発送通知メールをユーザ端末40で受信し、自分宛の荷物が送付されることを知ることができる(ステップ41)。」 ウ 周知例(特開2001-357318号公報) 「【0052】電子商取引支援サーバ30は、コンビニエンスストアのPOS端末50からL/C番号および送り状番号のバーコードを受信すると、図6に例示するような商品受領確認証(以下、B/Lという。)を作成する。図6に例示するB/Lの記載事項のうち運賃と梱包物に関する情報以外は、電子商取引支援サーバ30が既に認識している情報である。運賃、重量、梱包および数量については、例えば、宅配業者のステーション等において入力可能である。 【0053】電子商取引支援サーバ30は、B/Lを作成すると、その情報を電子メールで買い手20Bに通知する(ステップS11)。ここでも、電子メールではB/L番号だけを通知し、買い手20Bが、ユーザ端末22で電子商取引支援サーバ30をアクセスし、B/L番号にもとづいてB/Lをダウンロードするようにしてもよい。なお、B/L番号は、宅配業者にもオンラインで通知される。」 「【図6】 [図:0001426674000002.jpg] 」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明の「サーバ」はコンピュータであり、「送迎/配送システム(ASP)の処理動作」は当該コンピュータ内で運用される情報処理の方法であるから、引用発明の「配車作成システム10及び商品購入システム20を有し、サーバ内で運用される送迎/配送システム(ASP)の処理動作」は、本件補正発明の「コンピュータが実行する情報処理方法」に相当する。 (イ)引用発明の「複数の被介護者」は、本件補正発明の「第1利用者」及び「第2利用者」に相当する。 引用発明の「商品の注文」は、商品の購入に関する要求であるから、引用発明の「複数の被介護者からの商品の注文」は、本件補正発明の「第1利用者によって要求された商品の購入に関する第1要求と、第2利用者によって要求された商品の購入に関する第2要求」に相当する。 してみると、引用発明の「S03段階として、複数の被介護者からの商品の注文を商品購入システムが一定期間中随時受け付ける段階」は、本件補正発明の「第1利用者によって要求された商品の購入に関する第1要求と、第2利用者によって要求された商品の購入に関する第2要求とを受付ける受付工程」に相当する。 (ウ)引用発明の「複数の被介護者の自宅」は、本件補正発明の「各利用者の居所」に相当し、引用発明の「介護者」は、各利用者の居所に出向く介護者であるから、この点において本件補正発明の「介護者」と共通する。そうすると、本件補正発明の「前記第1利用者及び前記第2利用者を各利用者の居所において介護する介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前」と引用発明の「通所型介護サービスによる介護のために介護者が被介護者の自宅に出向く時」は、引用発明の介護が前記第1の利用者及び前記第2の利用者を各利用者の居所において介護するものでなく送迎サービスを伴う通所介護サービスであるものの、「介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前」の時点である点で共通する。 さらに、引用発明の「注文に対応する商品」は、複数の被介護者からの商品の注文によるものであるから、本件補正発明の「第1要求に対応する第1商品と、前記第2要求に対応する第2商品」(以下単に「第1商品及び第2商品」という。)に相当し、引用発明の「商品の注文が卸売業者に発注され、発注された商品が介護施設に一括納品されて介護施設で仕分けされ、送迎ルートが作成され、作成した送迎ルートが介護施設に通知される」ためのS04~S09段階の処理は、各利用者の居所に出向いて迎えに行く介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前の時点で、第1商品と第2商品が各利用者の居所に配送されるようにその前に実行されるとともに、配送を行う介護者が第1商品及び第2商品を集約して配送するための処理として実行される処理であるといえ、これらの点で、本件補正発明の配送工程において実行される処理と共通する。 以上の事項に加えて前記(イ)で検討した点も踏まえると、本件補正発明の配送処理工程と引用発明の「送迎サービスを伴う通所型介護サービスによる介護のために介護者が複数の被介護者の自宅に出向くと同時に商品を被介護者の自宅へ配送する時よりも前」における、「S04段階~S09段階として、商品が一括して卸売業者に発注され、発注された商品が介護施設に一括納品されて介護施設で仕分けされ、送迎ルートが作成され、作成した送迎ルートが介護施設に通知されるための処理の段階」は、「各利用者の居所に出向く介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前に配送されるように、当該介護者に、前記受付工程によって受付けられた第1要求に対応する第1商品と、前記第2要求に対応する第2商品とを集約して配送するための処理を実行する配送処理工程」である点で共通し、下記相違点1において相違する。 (エ)引用発明の「S09段階」は、「送迎・配送計画を」「通知する」ものであり、配送計画とはすなわち、第1商品と第2商品とを集約した配送に関する情報といえるから、引用発明の「S09段階として、送迎・配送計画を介護施設に通知する」点は、本件補正発明と、「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報」を「通知する」点で共通し、下記相違点2及び3において相違する。 イ 以上のことから、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。 <一致点> 「コンピュータが実行する情報処理方法であって、 第1利用者によって要求された商品の購入に関する第1要求と、第2利用者によって要求された商品の購入に関する第2要求とを受付ける受付工程と、 各利用者の居所に出向く介護者が前記第1利用者及び前記第2利用者に対して介護する前に配送されるように、当該介護者に、前記受付工程によって受付けられた第1要求に対応する第1商品と、前記第2要求に対応する第2商品とを集約して配送するための処理を実行する配送処理工程と、 を含み、 前記配送処理工程は、 前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報を通知する ことを特徴とする情報処理方法。」 <相違点1> 本件補正発明の「介護」は、「前記第1利用者及び前記第2利用者を各利用者の居所において介護する」ものであるのに対し、引用発明の介護は、送迎サービスを伴う通所型介護サービスにおける介護である点。 <相違点2> 「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報」として、本件補正発明は、「配送する前記第1商品若しくは前記第2商品の数、又は、前記第1商品若しくは前記第2商品が梱包された配送ボックスの数に関する情報」を通知するのに対し、引用発明は、そのような情報を含むか明らかでない点。 <相違点3> 本件補正発明は、「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報」を、「介護者に通知する」のに対し、引用発明は「介護施設に通知する」点。 (4)判断 以下、相違点について検討する。 ア 相違点1について 本件補正発明のような、各利用者の居所において介護するサービス(いわゆる訪問介護サービス)と、引用発明のような、送迎サービスを伴う通所型介護サービスとは、いずれも介護サービスとしては一般的に知られたものであり、通所型介護サービスを行っている事業者が訪問介護を行う介護施設を併設する等して訪問介護サービスを行うことは、当該事業者が必要に応じて適宜行うことにすぎない。 そして、引用発明における、送迎サービスを伴う通所型介護サービスは、介護者が被介護者の自宅に出向くことを前提としたものであって、介護者による被介護者の自宅への商品の配送が可能な形態の介護である点で訪問介護サービスと共通するものであるから、引用発明における、送迎サービスを行う介護者による被介護者の自宅への商品の配送のための処理は、訪問介護を行う介護者による商品の配送のためのものとして転用できるといえる。 してみると、引用発明における介護として訪問介護サービスを行うとともに、送迎サービスのための処理を訪問介護サービスにおける介護者の送迎のための処理に転用して、引用発明の介護を本件補正発明の介護と同様の「前記第1利用者及び前記第2利用者を各利用者の居所において介護」するものとすることは、当業者が適宜なし得たことである。 イ 相違点2及び相違点3について 商品を配送する際に、商品の個数(前記(2)イの周知例を参照。)や、梱包物の箱数(前記(2)ウの周知例を参照。)を通知する技術は周知である。 引用発明において、送迎・配送計画を介護施設に通知するにあたり、引用文献の段落【0017】にも、納品された商品を受け取った介護施設において、「この納品された商品は介護施設で仕分けされる。」とあるように、商品を受け取った介護施設側で、受け取った後のために商品の情報が必要なのは自明な事項であるから、上記周知技術を採用することは当業者が適宜なし得ることといえ、さらには、送迎・配送計画とともに介護施設に通知された商品の個数や梱包物の箱数は、実際に配送を行う介護者にも知らされるべき情報といえる。 以上を踏まえると、引用発明において、「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報として、配送する前記第1商品若しくは前記第2商品の数、又は、前記第1商品若しくは前記第2商品が梱包された配送ボックスの数に関する情報を前記介護者に通知する」構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。 ウ そして、これらの相違点を総合的に勘案しても、本件補正発明の奏する作用効果は、本件補正発明の構成から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 エ したがって、本件補正発明は、引用発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第 126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 よって、前記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第4 本願発明について 1 本願発明 令和6年10月16日にされた手続補正は、前記のとおり却下されたので、本願の請求項1~20に係る発明は、令和6年6月17日にされた手続補正による補正後の請求項1~21に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項20に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1~21に係る発明は、本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1~3に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。 引用文献1:特開2005-182136号公報 引用文献2:特開2002-236754号公報 引用文献3:特開2001-325365号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項及び引用発明は、前記第2の[理由]2(2)アに記載したとおりである。 4 対比・判断 本件補正前の請求項20に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記第2の[理由]1(2)に記載したとおりのものであって、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、「配送処理工程」に関し、「前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報として、配送する前記第1商品若しくは前記第2商品の数、又は、前記第1商品若しくは前記第2商品が梱包された配送ボックスの数に関する情報を前記介護者に通知する」旨の限定に係る限定事項を削除したものに相当する。 本願発明と引用発明を対比すると、両者は、前記第2の[理由]2(3)イに示した一致点から「前記配送処理工程は、前記第1商品と、前記第2商品とを集約した配送に関する情報を通知する」点を除いた点において一致し、相違点1において相違する。 そして、前記第2の[理由]2(4)アに記載したとおり、相違点1は当業者が容易になし得たものであり、本願発明の奏する作用効果も本願発明の構成から予測される範囲内のものである。 してみると、本願発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 第4 むすび 以上のとおり、本願の請求項20に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

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2024-016535

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  • 2025-002188拒絶査定不服審判 / 2026-08-07 / 原査定取消(特許/登録すべき)吸収性物品
    同じ当事者: ユニ・チャーム株式会社
  • 2024-021056拒絶査定不服審判 / 2026-07-24 / 原査定取消(特許/登録すべき)吸収性物品
    同じ当事者: ユニ・チャーム株式会社
  • 2025-009903拒絶査定不服審判 / 2026-07-06 / 原査定取消(特許/登録すべき)指示装置、指示方法および指示プログラム
    同じ当事者: ユニ・チャーム株式会社
  • 2025-004095拒絶査定不服審判 / 2026-07-03 / 原査定取消(特許/登録すべき)吸収性物品
    同じ当事者: ユニ・チャーム株式会社
  • 2025-003817拒絶査定不服審判 / 2026-07-01 / 請求不成立機能材含有シート、吸収性物品、機能材含有シートの製造方法、及び吸収性物品の製造方…
    同じ当事者: ユニ・チャーム株式会社
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同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2025-002862拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 請求不成立推薦装置、システム、方法及びプログラム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-001082拒絶査定不服審判 / 2026-06-18 / 請求不成立持参収容具利用システム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-012705拒絶査定不服審判 / 2026-04-28 / 請求不成立処理装置、処理方法及びプログラム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2025-001625拒絶査定不服審判 / 2026-01-26 / 請求不成立異常解析システム、異常解析方法及びプログラム
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2024-017760拒絶査定不服審判 / 2025-09-22 / 請求不成立管理システム、管理装置、及び管理プログラム
    共通の条文: 特許法29条2項
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同じ論点・分野の審決(審決分類)2,133件(121・G06Q、575・G06Q)
  • 2025-002862拒絶査定不服審判 / 2026-06-23 / 請求不成立推薦装置、システム、方法及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、575・G06Q
  • 2025-001082拒絶査定不服審判 / 2026-06-18 / 請求不成立持参収容具利用システム
    共通の審決分類: 121・G06Q、575・G06Q
  • 2025-012705拒絶査定不服審判 / 2026-04-28 / 請求不成立処理装置、処理方法及びプログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、575・G06Q
  • 2025-006950拒絶査定不服審判 / 2026-03-23 / 請求不成立情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、575・G06Q
  • 2025-004389拒絶査定不服審判 / 2026-02-16 / 原査定取消(特許/登録すべき)情報処理システム、情報処理方法、情報処理プログラム
    共通の審決分類: 121・G06Q、575・G06Q

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