特許拒絶査定不服審判
2025-004095
吸収性物品
- 審判番号
- 2025-004095
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2023-049477
- 請求日
- 2025年03月14日
- 審決日
- 2026年07月03日
- 公報発行日
- 2026年07月31日
- 結論
- 原査定取消(特許/登録すべき)
- 当事者
- 【請求人】ユニ・チャーム株式会社
- 【請求人代理人】弁理士法人一色国際特許事務所
- 審判長/審判官
- 審判長 川俣 洋史
- 審判官 門 良成
- 審判官 殿川 雅也
- 分類
- P18 .121-WY (A61F) / P18 .575-WY (A61F) / P18 .537-WY (A61F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第17条の2第5項、特許法第36条、特許法第159条
- データ出所
- 審決公報(XML)
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特願2023-49477「吸収性物品」拒絶査定不服審判事件〔令和5年5月16日出願公開、特開2023-68194、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
原査定を取り消す。
本願の発明は、特許すべきものとする。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、令和3年4月20日に出願した特願2021-71324号の一部を令和5年3月27日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯の概略は、次のとおりである。
令和6年 6月12日付け:拒絶理由通知書
同年10月16日 :意見書、手続補正書の提出
同年12月12日付け:拒絶査定(以下「原査定」という。)
(同月17日 :原査定の謄本の送達)
令和7年 3月14日 :審判請求書及び手続補正書の提出
第2 令和7年3月14日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和7年3月14日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[補正の却下の決定の理由]
1 補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲を補正するものであって、次の(1)に示す令和6年10月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載を、後記の(2)に示す本件補正後の請求項1の記載に補正することを含むものである。下線は補正箇所を示す。
(1)本件補正前の請求項1
「 【請求項1】
液吸収性の吸収性コアを備え、
互いに交差する前後方向と幅方向と厚さ方向を有する吸収性物品であって、
展開且つ伸長状態において、
前記吸収性コアは、前記前後方向の一方側の端部より前記幅方向の長さが短い幅狭部を備え、
前記幅狭部は、着用時に着用者の股下に位置する股下部に設けられ、
前記一方側において、前記吸収性コアは、一対の折り誘導部及び一対のスリットを備え、
一対の前記折り誘導部は、それぞれ前記一方側から前記前後方向の他方側に、且つ前記幅方向の中央部から外側に向かって傾斜し、
一対の前記スリットは、それぞれ前記前後方向に延在し、前記幅方向の両側に設けられており、
前記前後方向において、
前記スリットは、前記折り誘導部より前記他方側に位置し、前記幅狭部と前記前後方向において重なる部分を有し、
前記スリットの前記一方側の端は、前記幅狭部の前記一方側の端より前記他方側に位置し、
前記厚さ方向に見て、
前記折り誘導部の前記他方側の端の少なくとも一部と、前記スリットの前記一方側の縁が合致する合致点を有する、
ことを特徴とする吸収性物品。」
(2)本件補正後の請求項1
「 【請求項1】
液吸収性の吸収性コアを備え、
互いに交差する前後方向と幅方向と厚さ方向を有する吸収性物品であって、
展開且つ伸長状態において、
前記吸収性コアは、前記前後方向の一方側の端部より前記幅方向の長さが短い幅狭部を備え、
前記幅狭部は、着用時に着用者の股下に位置する股下部に設けられ、
前記一方側において、前記吸収性コアは、一対の折り誘導部及び一対のスリットを備え、
一対の前記折り誘導部は、それぞれ前記一方側から前記前後方向の他方側に、且つ前記幅方向の中央部から外側に向かって傾斜し、
一対の前記スリットは、それぞれ前記前後方向に延在し、前記幅方向の両側に設けられており、
前記前後方向において、
前記スリットは、前記折り誘導部より前記他方側に位置し、前記幅狭部と前記前後方向において重なる部分を有し、
前記スリットの前記一方側の端は、前記幅狭部の前記一方側の端より前記他方側に位置し、
前記厚さ方向に見て、
前記折り誘導部の前記他方側の端の少なくとも一部と、前記スリットの前記一方側の縁が合致する合致点を有することを特徴とする吸収性物品(但し、前記前後方向に延びる左右両側域における少なくとも股下部に、少なくとも表面シートが該表面シート上面側に向けて折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部において前記表面シートどうしが折り返されて対向当接している折り返し内部を有し、前記折り返し内部において前記表面シートどうしが接合部において接合されているものを除く)。」
2 本件補正の目的
(1)本件補正は、補正前の「吸収性物品」について、「(但し、前記前後方向に延びる左右両側域における少なくとも股下部に、少なくとも表面シートが該表面シート上面側に向けて折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部において前記表面シートどうしが折り返されて対向当接している折り返し内部を有し、前記折り返し内部において前記表面シートどうしが接合部において接合されているものを除く)」と限定する補正事項からなるから、特許請求の範囲の減縮であるといえる。
(2)そして、本件補正前の請求項1に記載された発明と、本件補正後の請求項1に記載される発明は、産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一である。
(3)したがって、本件補正は、特許法17条の2第5項2号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
3 独立特許要件の判断
本件補正は、前記2のとおり、特許法17条の2第5項2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とする補正に該当するから、本件補正後の請求項1に記載されている事項により特定される発明(以下「本件補正発明」という。)が、同法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に適合するか、すなわち、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて、以下検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、再掲すると、令和7年3月14日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「 【請求項1】
液吸収性の吸収性コアを備え、
互いに交差する前後方向と幅方向と厚さ方向を有する吸収性物品であって、
展開且つ伸長状態において、
前記吸収性コアは、前記前後方向の一方側の端部より前記幅方向の長さが短い幅狭部を備え、
前記幅狭部は、着用時に着用者の股下に位置する股下部に設けられ、
前記一方側において、前記吸収性コアは、一対の折り誘導部及び一対のスリットを備え、
一対の前記折り誘導部は、それぞれ前記一方側から前記前後方向の他方側に、且つ前記幅方向の中央部から外側に向かって傾斜し、
一対の前記スリットは、それぞれ前記前後方向に延在し、前記幅方向の両側に設けられており、
前記前後方向において、
前記スリットは、前記折り誘導部より前記他方側に位置し、前記幅狭部と前記前後方向において重なる部分を有し、
前記スリットの前記一方側の端は、前記幅狭部の前記一方側の端より前記他方側に位置し、
前記厚さ方向に見て、
前記折り誘導部の前記他方側の端の少なくとも一部と、前記スリットの前記一方側の縁が合致する合致点を有することを特徴とする吸収性物品(但し、前記前後方向に延びる左右両側域における少なくとも股下部に、少なくとも表面シートが該表面シート上面側に向けて折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部において前記表面シートどうしが折り返されて対向当接している折り返し内部を有し、前記折り返し内部において前記表面シートどうしが接合部において接合されているものを除く)。」
(2)明確性について
ア 本件補正発明の「但し、前記前後方向に延びる左右両側域における少なくとも股下部に、少なくとも表面シートが該表面シート上面側に向けて折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部において前記表面シートどうしが折り返されて対向当接している折り返し内部を有し、前記折り返し内部において前記表面シートどうしが接合部において接合されているものを除く」との記載は、本願の願書に最初に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面には何ら説明がなく、「除く」部分が、少なくとも「表面シート」、「接合部」といった、原査定で引用された文献(特開2014-83132号公報)中の表現を借りて記載されており、出願時の技術常識を考慮しても、実際に当該文献の内容を確認しない限り、当該記載が特定しようとする内容を明確に把握できない。
イ そうすると、「前記前後方向に延びる左右両側域における少なくとも股下部に、少なくとも表面シートが該表面シート上面側に向けて折り返された折り返し部を有し、前記折り返し部において前記表面シートどうしが折り返されて対向当接している折り返し内部を有し、前記折り返し内部において前記表面シートどうしが接合部において接合されているもの」を除いた結果として残された、本件補正発明を明確に把握できない。
ウ よって、本件補正発明は明確でない。
(3)小括
前記(2)のとおり、本件補正発明は、特許法36条6項2号に規定する要件を満たしておらず、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
4 まとめ
以上のとおり、本件補正は特許法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。
よって、前記[補正の却下の決定の結論]のとおり決定する。
第3 本件発明について
本件補正は、前記第2のとおり却下されたので、本願の請求項1~12に係る発明は、令和6年10月16日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~12に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
審決本文(J-PlatPat)
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