特許拒絶査定不服審判
2024-002944
検索プログラム、ユーザ端末および検索装置
- 審判番号
- 2024-002944
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
- 出願番号
- 特願2019-042139外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 請求日
- 2024年02月20日
- 審決日
- 2024年11月12日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 請求不成立
- 分類
- P18 .121-Z (G06F)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法29条2項
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第17条の2第3項、特許法第37条、特許法第17条の2第4項、特許法第17条の2第5項第2号、特許法第17条の2第6項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特願2019- 42139「検索プログラム、ユーザ端末および検索装置」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 9月10日出願公開、特開2020-144728〕について、次のとおり審決する。
結論
結 論
本件審判の請求は、成り立たない。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本願は、平成31年3月8日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和 5年 1月 5日付け:拒絶理由通知書
令和 5年 3月15日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年 6月26日付け:拒絶理由通知書(最後)
令和 5年 9月 1日 :意見書、手続補正書の提出
令和 5年11月14日付け:補正の却下の決定、拒絶査定
令和 6年 2月20日 :審判請求書、手続補正書の提出
第2 令和6年2月20日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和6年2月20日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 本件補正について(補正の内容)
(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線部は、補正箇所である。)
「 【請求項1】
ユーザ端末を、
単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法によってユーザから金額および気分の入力を受け付ける検索条件受付手段と、
受け付けた前記金額および気分のみに基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照することによりレコメンド情報を取得するレコメンド情報取得手段と、
出力インターフェースを介して、前記レコメンド情報をユーザに出力する出力手段と、として機能させる、検索プログラム。」
(2)本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、令和5年3月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「 【請求項1】
ユーザ端末を、
単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法または選択肢をプルダウン表示し前記単独のユーザに選択してもらう方法によってユーザから金額および気分の入力を受け付ける検索条件受付手段と、
受け付けた前記金額および気分に基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照することによりレコメンド情報を取得するレコメンド情報取得手段と、
出力インターフェースを介して、前記レコメンド情報をユーザに出力する出力手段と、として機能させる、検索プログラム。」
2 補正の適否
請求項1に係る本件補正は、補正前の「タッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法または選択肢をプルダウン表示し前記単独のユーザに選択してもらう方法」を、補正後の「タッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法」とすることで、択一的に記載されていた2つの方法の一方を削除する補正(以下、「補正事項1」という。)と、補正前の「前記金額および気分に基づき」との記載を、補正後の「前記金額および気分のみに基づき」と限定する補正(以下、「補正事項2」という。)を含むものであるところ、上記補正事項1及び2は、いずれも、特許請求の範囲を減縮するものである。
上記補正事項1に係る「タッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法」との事項は、当初明細書の段落0030に記載されたものであり、また、上記補正事項2に係る「受け付けた前記金額および気分のみに基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照すること」は、当初明細書の段落0031に記載されたものであるから、本件補正は、特許法第17条の2第3項の規定に適合する。
また、補正前に受けた拒絶理由通知において特許することができないものか否かについて判断が示された発明と、補正後の特許請求の範囲に記載された事項により特定される発明とが、特許法第37条の発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するから、本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に適合する。
そして、本件補正は、特許請求の範囲を減縮する補正に該当する上記補正事項1及び2を含むものであって、本件補正前の請求項1に記載された発明と本件補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題は同一であるから、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について、以下、検討する。
(1)本件補正発明
本件補正発明は、上記1(1)に記載したとおりのものである。
(2)引用文献
ア 引用文献1の記載事項
原査定の拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である、米国特許出願公開第2013/0311270号明細書(2013年11月21日公開。以下「引用文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。(下線は当審で付加したものである。以下、同様。)
(ア)「[0005] In accordance with embodiments, mood-based searching and/or advertising systems, methods, etc. are provided which reflect how users often think of activities in which they wish to participate. Systems of the current embodiment collect from the users certain information in order to perform mood-based searching and/or advertising. The collected information includes the desires of the users to participate in some activity (colloquially, they want to go out), their willingness to spend money to do so, and the reason(s) that they want to participate in some activity. On the latter point, many times the reason that they want to participate in some such activity is that they are in a particular mood to do so. Moreover, due to the nature of the mood-based searches it is often the case that these users want to participate in the activity in the near-term (colloquially,“right now) although that is not always the case.」
(当審訳:[0005] 実施形態に従って、ユーザが参加したいアクティビティをどのように考えることが多いかを反映する、気分に基づく検索および/または広告システム、方法等が提供される。現在の実施形態のシステムは、気分に基づく検索および/または広告を実行するために、ユーザから特定の情報を収集する。収集される情報には、あるアクティビティに参加したいというユーザの願望(口語的に言えば、外出したい)、そうするためにお金を使う意思、およびあるアクティビティに参加したいという理由(複数可)が含まれる。後者については、多くの場合、そのようなアクティビティに参加したい理由は、そうしたい特別な気分だからである。さらに、気分に基づく検索の性質上、これらのユーザーは近いうちに(俗に言う、今すぐ)そのアクティビティに参加したいと思っている場合が多いが、必ずしもそうとは限らない。
(イ)「[0040] FIG. 1 illustrates an overview of a system for mood-based searching and/or advertising. More specifically, FIG. 1 illustrates a system 100, users 102 in various moods (shown schematically), various activities 104, a mood-based search engine 106, a keyword-based search engine 108, certain keyword-based results 110, and a mobile device 112. The moods include a sunny user 114, an energetic user 116, a quirky user 118, a mellow user 120, a sensual user 122, an intense user 124, and a melancholy user 126. Meanwhile, the activities 104 include sunny activities 128, energetic activities 130, quirky activities 132, mellow activities 134, sensual activities 136, intense activities 138, and melancholy activities 140. FIG. 1 also illustrates a mood-based search request 142 and its results 144.
[0041] Often times, a user 102 or group of users 102 will want to find some activity 104 in which to participate. But, they do not know specifically what they want to do. Nor do they even necessarily, have a general idea of what that activity 104 might be. Indeed, all that they might know is that they are in a particular mood“to do something”or in a particular mood“for something”. Accordingly, the user 102 might turn to the Internet to search for a desirable activity 104. With systems previously available the user 102 would use a keyword-based search engine 108 to hopefully find that activity by entering keywords descriptive of the type of activity in which they think they might be interested. But, such approaches stand a high chance of failure when the user 102 has at best only a rough idea of what activity might interest them and/or is unable to articulate it well enough to select proper keywords for the search. Thus, keyword-based search engines rarely return meaningful results 110 in these circumstances. For instance, the Inventor conducted a test of a typical keyword-based search engine 108 using the keywords “Mellow”and“Bar”in an attempt to find a mellow bar. The keyword-based search engine returned a hit for“Mellow Mushroom”, an out of date hit for a restaurant described as being mellow, and a few irrelevant hits. A visit to the purportedly mellow bar revealed it to be the polar opposite of mellow.
[0042] In contrast, systems 100 of the current embodiment allow users 102 to perform mood-based searches. More specifically, system 100 allows users 102 to enter self-indicated moods (instead of or in addition to keywords) and the mood-based search engine 106 returns results related to activities defined and/or characterized by their ambience (or subjective mood). The system 100 operates using a predetermined set of moods (and a corresponding predetermined set of ambiences for the activities) which, for some embodiments, includes sunny, energetic, quirky, mellow, sensual, intense, and melancholy. The mood-based search engine 106 accepts inputs from the various users 102 designating whether they are a sunny user 114, an energetic user 116, a quirky user 118, a mellow user 120, a sensual user 122, an intense user 124, a melancholy user 126, or some combination thereof. Meanwhile, the mood-based search engine 106 classifies, identifies, or marks (hereinafter“marks”) each of the various activities 104 as being sunny activities 128, energetic activities 130, quirky activities 132, mellow activities 134, sensual activities 136, intense activities 138, melancholy activities 140, or a combination of those types of activities 104. Thus, when the mood-based search engine 106 receives a mood-based search request 142 it searches its database for activities with ambiences which match (in whole or in part) the requestor's mood and returns the resulting matches.
[0043] Thus, a mood-based search for activities for an energetic user 116 might return results related to dancing, tennis, football, jogging, hiking, etc. Likewise, a mood-based search for a sensual user 122 might return results related to chocolate shops, florist shops, fine dining establishments, etc.」
(当審訳:[0040] 図1は、気分に基づく検索および/または広告のためのシステムの概要を示す図である。より具体的には、図1は、システム100、様々な気分のユーザ102(概略的に示す)、様々なアクティビティ104、気分に基づく検索エンジン106、キーワードベースの検索エンジン108、特定のキーワードベースの結果110、およびモバイルデバイス112を示す。気分には、陽気なユーザー114、エネルギッシュなユーザー116、風変わりなユーザー118、メロウなユーザー120、官能的なユーザー122、激しいユーザー124、およびメランコリーなユーザー126が含まれる。一方、アクティビティ104には、陽気なアクティビティ128、エネルギッシュなアクティビティ130、風変わりなアクティビティ132、メロウなアクティビティ134、官能的なアクティビティ136、激しいアクティビティ138、およびメランコリーなアクティビティ140が含まれる。図1はまた、気分に基づく検索要求142とその結果144も示している。
[0041] 多くの場合、ユーザー102またはユーザー102のグループは、参加するアクティビティ104を見つけたい。しかし、何をしたいのか具体的にはわからない。また、そのアクティビティ104がどのようなものであるかの一般的な考えも、必ずしも持っていない。実際、彼らが知っているのは、何かをする特別な気分になっている、あるいは何かに対して特別な気分になっているということだけかもしれない。したがって、ユーザー102は、望ましいアクティビティ104を検索するためにインターネットを利用するかもしれない。これまで利用可能であったシステムでは、ユーザー102はキーワードベースの検索エンジン108を使用して、自分が興味を持ちそうなアクティビティの種類を説明するキーワードを入力することで、そのアクティビティをうまくいけば見つけることができた。しかし、このようなアプローチは、ユーザ102がどのようなアクティビティに興味を持つかについて、せいぜい大まかな考えしか持っていない場合、および/または、検索のための適切なキーワードを選択するのに十分なほどうまく表現できない場合、失敗する可能性が高い。したがって、キーワードベースの検索エンジンは、このような状況では意味のある結果110を返すことはほとんどない。例えば、発明者は、メロウなバーを見つけようとして、メロウとバーというキーワードを使って、典型的なキーワードベースの検索エンジン108のテストを行った。このキーワードベースの検索エンジンは、“Mellow Mushroom”をヒットさせ、メロウであると説明されたレストランをヒットさせた。メロウ・バーと称される店を訪れてみると、メロウとは正反対の店であることがわかった。
[0042] 対照的に、本実施形態のシステム100は、ユーザ102が気分に基づく検索を実行することを可能にする。より具体的には、システム100は、ユーザ102が(キーワードの代わりに、またはキーワードに加えて)自分の気分を入力することを可能にし、気分に基づく検索エンジン106は、その雰囲気(または主観的な気分)によって定義および/または特徴付けられるアクティビティに関連する結果を返す。システム100は、いくつかの実施形態では、陽気な、エネルギッシュな、風変わりな、メロウな、官能的な、激しい、およびメランコリーな、を含む、気分の所定のセット(およびアクティビティ用の雰囲気の対応する所定のセット)を使用して動作する。気分に基づく検索エンジン106は、さまざまなユーザー102から、陽気なユーザー114であるか、エネルギッシュなユーザー116であるか、風変わりなユーザー118であるか、メロウなユーザー120であるか、官能的なユーザー122であるか、激しいユーザー124であるか、メランコリーなユーザー126であるか、またはそれらの組み合わせであるかを指定する入力を受け付ける。一方、気分に基づく検索エンジン106は、様々なアクティビティ104のそれぞれを、陽気なアクティビティ128、エネルギッシュなアクティビティ130、風変わりなアクティビティ132、メロウなアクティビティ134、官能的なアクティビティ136、激しいアクティビティ138、メランコリーなアクティビティ140、またはそれらのタイプのアクティビティ104の組み合わせであると分類、識別、またはマーク(以下、マーク)する。したがって、気分に基づく検索エンジン106は、気分に基づく検索要求142を受信すると、要求者の気分に(全体的または部分的に)一致する雰囲気を持つアクティビティをそのデータベースから検索し、その結果得られた一致を返す。
[0043] したがって、エネルギッシュなユーザ116のためのアクティビティに対する気分に基づく検索は、ダンス、テニス、サッカー、ジョギング、ハイキングなどに関連する結果を返すかもしれない。同様に、官能的なユーザー122のための気分に基づく検索は、チョコレートショップ、花屋、高級レストランなどに関連する結果を返すかもしれない。)
(ウ)「[0045] FIG. 2 illustrates a block diagram of a system for mood-based searching and/or advertising. More specifically, FIG. 2 illustrates a system 200, a user 202, an activity website 204, activity-related content (activity content) 205, a search engine 206, a mobile device 212, the Internet 214 (or some other telecommunications network), a mobile application 215, an activity database 216, a user database 218, a geolocation engine 220, a mapping engine 222, a scheduling engine 224, an advertising engine 226, various general websites 228, a web crawler 229, a web scraping engine 230, a semantic analysis engine 232, various variables 234 (of the semantic analysis engine 232), an activity ambience 235 a search request 236, a mood 238, a mood recipe 239, and a result 240. Having listed some components of system 200 it might now be helpful to disclose various aspects of those components.」
(当審訳:[0045] 図2は、気分に基づく検索および/または広告のためのシステムのブロック図を示す。より具体的には、図2は、システム200、ユーザ202、アクティビティウェブサイト204、アクティビティ関連コンテンツ(アクティビティコンテンツ)205、検索エンジン206、モバイルデバイス212、インターネット214(または何らかの他の電気通信ネットワーク)、モバイルアプリケーション215、アクティビティ・データベース216、ユーザデータベース218、ジオロケーションエンジン220、マッピングエンジン222、スケジューリングエンジン224、広告エンジン226、様々な一般ウェブサイト228、ウェブクローラ229、ウェブスクレイピングエンジン230、意味解析エンジン232、(意味解析エンジン232の)様々な変数234、アクティビティの雰囲気235、検索要求236、気分238、気分レシピ239、および結果240を示す。システム200のいくつかの構成要素を列挙したので、これらの構成要素の様々な態様を開示することが今や有用であり得る。)
(エ)「[0066] The system 200 illustrated by FIG. 2 also includes the activity database 216, the user database 218, and the search engine 206. These components work together to process mood-based search requests 236 and to serve the results 240 to the requestors. For instance, the activity database 216 stores the activity content 205 scraped from various websites and the ambiences 235 as initially marked by the semantic analysis engine 232. Note that the system 200 also provides a user interface (not shown) for administrators to override, update, modify, etc. the ambiences 235 as marked by the semantic analysis engine 232 and/or other data. Moreover, the activity database 216 also accepts and stores feedback from the users 202 regarding the ambiences 235 that they perceived while participating in the various activities 104. With continuing reference to FIG. 2, the user database 218 stores information regarding the various users 202, their search requests 236, the results 240 thereof, their self-indicated moods 238, the activities 104 that they might have selected and/or in which they might have participated, their schedules and trips, their demographic data, their account related information, etc.
[0067] The mood-based search engine 206 of the current embodiment receives mood-based search requests 236 from the users 202 and processes them. More specifically, it receives the requests 236 and extracts the moods 238 from these requests 236. Of course those moods 238 can arrive in the form of a mood recipe 239 depending on circumstances. In which case, the search engine 206 can interpret the mood recipe 239 and thereby identify the combination of singular moods 238 contained therein. The search engine 206 of the current embodiment also searches the activity database 216 for activities 104 with ambiences 235 matching or approximating the mood(s) 238 of the requesting user 202. In some cases, the search engine 206 supplements, refines, improves, etc. the results which it finds by comparing it against the user data stored in the user database 218. The search engine 206 of embodiments can also coordinate with other engines, applications, modules, etc. to expand the services it offers to the users 202.」
(当審訳:[0066] 図2が示すシステム200は、アクティビティ・データベース216、ユーザ・データベース218、および検索エンジン206も含む。これらの構成要素は、気分に基づく検索要求236を処理し、要求者に結果240を提供するために協働する。例えば、アクティビティ・データベース216は、様々なウェブサイトからスクレイピングされたアクティビティ・コンテンツ205と、意味解析エンジン232によって最初にマークされた雰囲気235を格納する。システム200は、管理者が意味解析エンジン232および/または他のデータによってマークされた雰囲気235を上書き、更新、修正等するためのユーザーインターフェース(図示せず)も提供することに留意されたい。さらに、アクティビティ・データベース216は、様々なアクティビティ104に参加している間に知覚した雰囲気235に関するユーザ202からのフィードバックも受け付け、保存する。引き続き図2を参照すると、ユーザーデータベース218は、様々なユーザー202、彼らの検索要求236、その結果240、彼らの自己指示気分238、彼らが選択した可能性のあるおよび/または参加した可能性のあるアクティビティ104、彼らのスケジュールおよび旅行、彼らの人口統計データ、彼らのアカウント関連情報などに関する情報を記憶する。
[0067] 本実施形態の気分に基づく検索エンジン206は、ユーザ202から気分に基づく検索要求236を受信し、それらを処理する。より具体的には、リクエスト236を受信し、これらのリクエスト236から気分238を抽出する。もちろん、それらの気分238は、状況に応じて気分レシピ239の形で到着することができる。その場合、検索エンジン206は、気分レシピ239を解釈し、それによって、そこに含まれる特異な気分238の組み合わせを識別することができる。また、現在の実施形態の検索エンジン206は、アクティビティ・データベース216を検索して、要求しているユーザー202の気分238に一致する、または近似する雰囲気235を持つアクティビティ104を探す。場合によっては、検索エンジン206は、ユーザー・データベース218に格納されているユーザー・データと比較することによって、検索した結果を補足、洗練、改善などする。実施形態の検索エンジン206は、ユーザー202に提供するサービスを拡張するために、他のエンジン、アプリケーション、モジュールなどと連携することもできる。)
(オ)「[0084] FIG. 4 illustrates another flowchart of a method associated with mood-based searching and/or advertising. More specifically, FIG. 4 illustrates a method 400 via which users 202 can perform mood-based searches and participate in the activities 104 returned in the results 240. At some point, the user 202 can download the mobile device application to their mobile device 212. See reference 402. With the application installed thereon, the user can then initiate a mood-based search including indicating their mood 238. See reference 404 and 406. Of course, the user 202 need not enter their current mood 238. But, instead, the user 202 can enter a mood 238 which they wish to experience. The system 200 can then return results 240 likely to instill that mood 238 in the user 202 (rather than activities 104 that might be conducive to their current mood 238). In the alternative, or in addition, the user 202 can enter a mood recipe 239 instead of their mood 238. See reference 408. Either way, the user 202 can send the mood-based search request to the search engine 206 via their mobile device 212 at reference 410.
[0085] After the search engine 206 compares their mood 238 to the ambiences 235 for the various activities 104 in the activity database 216, the search engine 206 of the current embodiment returns the results 240 to the user 202. See reference 412. In some case, even with a mood-based search, the user might not be satisfied with the results, in which case the user 202 can alter their request (and or their mood 238 therein) and repeat the search. But, if the results 240 are acceptable (as will probably happen more often with mood-based searches than without), then the user can proceed with method 400 (see reference 414).」
(当審訳:[0084] 図4は、気分に基づく検索および/または広告に関連する方法の別のフローチャートを示す。より具体的には、図4は、ユーザ202が気分に基づく検索を実行し、結果240で返されたアクティビティ104に参加することができる方法400を示す。ある時点で、ユーザ202は、モバイルデバイスアプリケーションをモバイルデバイス212にダウンロードすることができる。402を参照されたい。アプリケーションがインストールされた状態で、ユーザは、自分の気分238を示すことを含む気分に基づく検索を開始することができる。404および406を参照。もちろん、ユーザ202は現在の気分238を入力する必要はない。しかし、その代わりに、ユーザ202は、経験したい気分238を入力することができる。そして、システム200は、(現在の気分238を助長するかもしれないアクティビティ104ではなく)その気分238をユーザー202に植え付ける可能性が高い結果240を返すことができる。その代わりに、またはそれに加えて、ユーザー202は、気分238の代わりに気分レシピ239を入力することができる。408を参照。いずれにせよ、ユーザ202は、410で、モバイルデバイス212を介して、検索エンジン206に気分に基づく検索要求を送信することができる。
[0085] 検索エンジン206が、その気分238をアクティビティ・データベース216の様々なアクティビティ104の雰囲気235と比較した後、本実施形態の検索エンジン206は、結果240をユーザー202に返す。412を参照されたい。場合によっては、気分に基づく検索であっても、ユーザは結果に満足しないかもしれず、その場合、ユーザ202は自分の要求(およびまたはそこにある自分の気分238)を変更し、検索を繰り返すことができる。しかし、結果240が受け入れ可能であれば(気分に基づく検索では、そうでない場合よりもおそらく頻繁に起こる)、ユーザは方法400に進むことができる(414を参照)。)
(カ)「[0092]FIG. 6 illustrates an embodiment of a system 600 that supports user-based searches. The system 600 includes a server 602 that hosts a search engine 606 which can communicate with one or more user devices 612. For example, the server 602 may host a website that computing devices (such as laptop computers, desktop computers, etc.) and mobile devices 612 (such as smartphones, tablet devices, GPS units, etc.) may access via the Internet, cellular networks, and/or other telecommunication networks. The server 602 may also communicate with a mobile application installed on a mobile device 612. Communication between the server 602 and user devices may be secured (via encryption and/or other protocols) if desired.
・・・(中略)・・・
[0097] During operation, a user 202 may initiate a search operation via the search website or the mobile application. The user's device may receive (via user entry and/or retrieval from device cache for instance) and send to the server search information, such as a user name, a user location (for instance, their location as determined by a global positioning system (GPS) module within the user device and/or networking attributes of the user device), browser agent (for instance, whether the user is using a mobile or full-featured browser to access the search website), login information, search variables, or any combination thereof. Search variables may include an identification of an activity (for instance, movie), one or more moods (for instance, quirky), a desired geographic area (for instance, within 3 miles), demographic information (for instance, movies that will most likely be watched by men or women over 30 years of age), genre (for instance, comedy), and/or price (for instance, less than or equal to $10). One or more of the search variables may be populated based on a predetermined mood recipe selected by the user (such as“sunny day of bliss”,“romantic date night”,“hot sweaty dance night”,“girls night out”, etc.). Mood recipes may be defined by the search engine owner and/or by the user in the user data. In one implementation, mood recipes may indicate a mood mix that allocates percentages (summing to 100%) to one or more of seven pre-defined moods: mellow, melancholy, quirky, sunny, energetic, intense, and sensual. Each mood may be associated with a color scheme used in displaying search interfaces (GUIs for queries, results, result details, etc.). For example, the aforementioned moods may be associated with dark blue, lime green, turquoise, yellow, red, orange, and purple, respectively.
・・・(中略)・・・
[0100] Upon receiving the search results, the mobile application or browser at the user device 612 may display the search results. Displaying the search results may include displaying graphics and text associated with the search results. Such graphics and textual descriptions may be retrieved from cloud-based storage (for instance, involving XML/JSON information), as shown. The user may interact with the search results to generate a transaction (for instance, a ticket purchase or a dining reservation). Data regarding the transaction may be transmitted to the transaction module 624, which may complete the transaction. The user data 622 may be updated to reflect the transaction (for instance, to reflect that the user purchased a ticket to a particular activity, made a reservation at a particular restaurant, etc.). If the user is not logged in and doesn't have an account, such information may be cached in a server-side and/or device-side cookie.」
(当審訳:[0092] 図6は、ユーザーベースの検索をサポートするシステム600の一実施形態を示す。システム600は、1つ以上のユーザデバイス612と通信可能な検索エンジン606をホストするサーバ602を含む。例えば、サーバ602は、コンピューティングデバイス(ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなど)やモバイルデバイス612(スマートフォン、タブレットデバイス、GPSユニットなど)がインターネット、セルラーネットワーク、および/または他の通信ネットワークを介してアクセスできるウェブサイトをホストすることができる。サーバ602は、モバイルデバイス612にインストールされたモバイルアプリケーションと通信することもできる。サーバ602とユーザデバイスとの間の通信は、必要に応じて(暗号化および/または他のプロトコルを介して)保護されてもよい。
・・・(中略)・・・
[0097] 操作中、ユーザ202は、検索ウェブサイトまたはモバイルアプリケーションを介して検索操作を開始することができる。ユーザのデバイスは、ユーザ名、ユーザの位置(例えば、ユーザデバイス内の全地球測位システム(GPS)モジュールおよび/またはユーザデバイスのネットワーキング属性によって決定されるユーザの位置)、ブラウザエージェント(例えば、ユーザが検索ウェブサイトにアクセスするためにモバイルブラウザまたはフル機能ブラウザを使用しているかどうか)、ログイン情報、検索変数、またはそれらの任意の組み合わせなどの検索情報を(例えば、ユーザエントリを介して、および/またはデバイスキャッシュからの検索を介して)受信し、サーバに送信することができる。検索変数は、アクティビティ(例えば、映画)、1つ以上の気分(例えば、風変わりな)、所望の地理的領域(例えば、3マイル以内)、人口統計学的情報(例えば、30歳以上の男性または女性が見る可能性が高い映画)、ジャンル(例えば、コメディ)、および/または価格(例えば、10ドル以下)の識別を含むことができる。検索変数の1つ以上は、ユーザによって選択された所定の気分レシピ(至福の晴れの日、ロマンチックなデートの夜、熱い汗をかくダンスの夜、女子会など)に基づいて入力されることがある。気分レシピは、検索エンジンの所有者によって、および/またはユーザーデータ内のユーザーによって定義されるかもしれない。
ある実装では、気分レシピは、あらかじめ定義された7つの気分(メロウな、メランコリーな、風変わりな、陽気な、エネルギッシュな、激しい、官能的な)のうちの1つ以上にパーセンテージ(合計を100%にする)を割り当てる気分ミックスを示すことができる。各気分は、検索インターフェース(クエリ、結果、結果の詳細などのGUI)を表示する際に使用される配色と関連付けることができる。例えば、前述の気分はそれぞれ、ダークブルー、ライムグリーン、ターコイズブルー、イエロー、レッド、オレンジ、パープルと関連付けられることがある。
・・・(中略)・・・
[0100] 検索結果を受信すると、ユーザデバイス612のモバイルアプリケーションまたはブラウザは、検索結果を表示することができる。検索結果を表示することは、検索結果に関連するグラフィックやテキストを表示することを含む場合がある。そのようなグラフィックやテキストの説明は、図示されているように、(例えば、XML/JSON情報を含む)クラウドベースのストレージから取得されてもよい。ユーザーは、検索結果と対話し、トランザクション(例えば、チケット購入や食事の予約)を生成することができる。トランザクションに関するデータはトランザクションモジュール624に送信され、トランザクションモジュール624はトランザクションを完了することができる。ユーザデータ622は、トランザクションを反映するように更新される(例えば、ユーザが特定のアクティビティのチケットを購入したこと、特定のレストランを予約したことなどを反映するように)。ユーザがログインしておらず、アカウントを持っていない場合、そのような情報はサーバ側および/またはデバイス側のクッキーにキャッシュされてもよい。)
(キ)「[0116] More particularly, FIG. 8 illustrates interfaces 802 and 804 associated with initiating a search based on a primary mood 806, a secondary mood 808, a tertiary mood, a date, and a city. One or more of these criteria may be optional.
[0117] With regard to the mood editing GUI 804, it can be resident on a user's mobile (or other) device and can provide a convenient interface for entering/editing a user's mood 238. For instance, each of the mood icons 810 can correspond to one of the moods 238. The GUI 804 can be configured such that the order in which a user taps the mood icons 810 indicates their order of predominance. In addition, the number of times a user taps a given mood icon 810 can indicate the strength with which they feel (or would like to feel) that mood 238.」
(当審訳:[0116] より詳細には、図8は、一次気分806、二次気分808、三次気分、日付、および都市に基づいて検索を開始することに関連するインターフェース802および804を示す。これらの基準の1つ以上は任意であってもよい。
[0117] 気分編集GUI804に関しては、ユーザのモバイル(または他の)デバイス上に常駐させることができ、ユーザの気分238を入力/編集するための便利なインターフェースを提供することができる。例えば、気分アイコン810の各々は、気分238の1つに対応することができる。GUI804は、ユーザが気分アイコン810をタップする順序が、それらの優位性の順序を示すように構成することができる。さらに、ユーザが所定の気分アイコン810をタップする回数は、その気分238を感じる(または感じたい)強さを示すことができる。)
(ク)「図1
[図:0001419094000001.jpg]
」
(ケ)「図2
[図:0001419094000002.jpg]
」
(コ)「図4
[図:0001419094000003.jpg]
」
(サ)「図8
[図:0001419094000004.jpg]
」
イ 引用発明
上記引用文献1の記載について検討する。
(ア)上記ア(イ)の段落0040の「図1は、気分に基づく検索および/または広告のためのシステムの概要を示す図である。」との記載及び図1の記載から、引用文献1には、“気分に基づく検索および/または広告のためのシステム”が記載されていると認められる。
(イ)上記ア(ウ)の段落0045の「図2は、気分に基づく検索および/または広告のためのシステムのブロック図を示す。より具体的には、図2は、・・・モバイルデバイス212・・・を示す。システム200のいくつかの構成要素を列挙したので、これらの構成要素の様々な態様を開示することが今や有用であり得る。」との記載及び図2の記載から、引用文献1には、“気分に基づく検索および/または広告のためのシステムにその構成要素として含まれるモバイルデバイス”が記載されていると認められる。
(ウ)上記ア(オ)の段落0084の「図4は、ユーザ202が気分に基づく検索を実行し、結果240で返されたアクティビティ104に参加することができる方法400を示す。ある時点で、ユーザ202は、モバイルデバイスアプリケーションをモバイルデバイス212にダウンロードすることができる。402を参照されたい。アプリケーションがインストールされた状態で、ユーザは、自分の気分238を示すことを含む気分に基づく検索を開始することができる。404および406を参照。・・・(中略)・・・ユーザ202は、経験したい気分238を入力することができる。・・・(中略)・・・ユーザ202は、410で、モバイルデバイス212を介して、検索エンジン206に気分に基づく検索要求を送信することができる。」との記載から、引用文献1の“モバイルデバイス”にダウンロードされてインストールされた“モバイルデバイスアプリケーション”は、“ユーザが経験したい気分を入力する入力機能と、ユーザがモバイルデバイスを介して、検索エンジンに気分に基づく検索要求を送信する送信機能”を有するといえる。
言い換えると、引用文献1には、
“モバイルデバイス”を、
“ユーザが経験したい気分を入力する入力手段”と、
“ユーザがモバイルデバイスを介して、検索エンジンに気分に基づく検索要求を送信する送信手段”
として機能させる
“モバイルデバイスアプリケーション”が記載されているといえる。
(エ)上記ア(オ)の段落0085の「検索エンジン206が、その気分238をアクティビティ・データベース216の様々なアクティビティ104の雰囲気235と比較した後、本実施形態の検索エンジン206は、結果240をユーザー202に返す。412を参照されたい。」との記載と、図4のステップ412の「気分に基づく検索結果を受信」との記載からすると、引用文献1の“モバイルデバイスアプリケーション”は、“検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信する受信機能”を有するといえる。
言い換えると、引用文献1には、
“モバイルデバイス”を、
“検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信する受信手段”
として機能させる
“モバイルデバイスアプリケーション”が記載されているといえる。
(オ)上記ア(カ)の段落0100の「検索結果を受信すると、ユーザデバイス612のモバイルアプリケーションまたはブラウザは、検索結果を表示することができる。」との記載から、“モバイルアプリケーション”は、ユーザデバイスを、“検索結果を表示する表示手段”として機能させるものといえる。
ここで、上記ア(カ)の段落0092の「システム600は、1つ以上のユーザデバイス612と通信可能な検索エンジン606をホストするサーバ602を含む。例えば、サーバ602は、コンピューティングデバイス(ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータなど)やモバイルデバイス612(スマートフォン、タブレットデバイス、GPSユニットなど)がインターネット、セルラーネットワーク、および/または他の通信ネットワークを介してアクセスできるウェブサイトをホストすることができる。サーバ602は、モバイルデバイス612にインストールされたモバイルアプリケーションと通信することもできる。」との記載を参照すれば、“ユーザデバイス612”は、“モバイルデバイス612”のことでもある。また、“モバイルデバイス612にインストールされたモバイルアプリケーション”は、上記(ウ)で検討した“モバイルデバイスにダウンロードされてインストールされたモバイルデバイスアプリケーション”に他ならない。
そうすると、引用文献1には、
“モバイルデバイス”を、
“検索結果を表示する表示手段”
として機能させる
“モバイルデバイスアプリケーション”が記載されているといえる。
(カ)上記(ア)~(オ)の検討から、引用文献1には、
“気分に基づく検索および/または広告のためのシステムにその構成要素として含まれるモバイルデバイスを、
ユーザが経験したい気分を入力する入力手段と、
ユーザがモバイルデバイスを介して、検索エンジンに気分に基づく検索要求を送信する送信手段と、
検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信する受信手段と、
検索結果を表示する表示手段、
として機能させるモバイルデバイスアプリケーション”
が記載されているといえる。
(キ)上記ア(イ)の段落0042の「本実施形態のシステム100は、ユーザ102が気分に基づく検索を実行することを可能にする。より具体的には、システム100は、ユーザ102が(キーワードの代わりに、またはキーワードに加えて)自分の気分を入力することを可能にし、気分に基づく検索エンジン106は、その雰囲気(または主観的な気分)によって定義および/または特徴付けられるアクティビティに関連する結果を返す。」との記載から、引用文献1には、“気分に基づく検索および/または広告のためのシステムは、ユーザが気分に基づく検索を実行することを可能にするものであり、より具体的には、ユーザが自分の気分を入力することを可能にし、気分に基づく検索エンジンは、その雰囲気または主観的な気分によって定義および/または特徴付けられるアクティビティに関連する結果を返すものであ”ることが記載されていると認められる。
(ク)上記ア(イ)の段落0042の「システム100は、いくつかの実施形態では、陽気な、エネルギッシュな、風変わりな、メロウな、官能的な、激しい、およびメランコリーな、を含む、気分の所定のセット(およびアクティビティ用の雰囲気の対応する所定のセット)を使用して動作する。気分に基づく検索エンジン106は、さまざまなユーザー102から、陽気なユーザー114であるか、エネルギッシュなユーザー116であるか、風変わりなユーザー118であるか、メロウなユーザー120であるか、官能的なユーザー122であるか、激しいユーザー124であるか、メランコリーなユーザー126であるか、またはそれらの組み合わせであるかを指定する入力を受け付ける。一方、気分に基づく検索エンジン106は、様々なアクティビティ104のそれぞれを、陽気なアクティビティ128、エネルギッシュなアクティビティ130、風変わりなアクティビティ132、メロウなアクティビティ134、官能的なアクティビティ136、激しいアクティビティ138、メランコリーなアクティビティ140、またはそれらのタイプのアクティビティ104の組み合わせであると分類、識別、またはマーク(以下、マーク)する。したがって、気分に基づく検索エンジン106は、気分に基づく検索要求142を受信すると、要求者の気分に(全体的または部分的に)一致する雰囲気を持つアクティビティをそのデータベースから検索し、その結果得られた一致を返す。」との記載から、引用文献1には、
“気分に基づく検索および/または広告のためのシステムは、陽気な、エネルギッシュな、風変わりな、メロウな、官能的な、激しい、およびメランコリーな、を含む、気分の所定のセット、およびアクティビティ用の雰囲気の対応する所定のセットを使用して動作し、気分に基づく検索エンジンは、さまざまなユーザーから、陽気なユーザーであるか、エネルギッシュなユーザーであるか、風変わりなユーザーであるか、メロウなユーザーであるか、官能的なユーザーであるか、激しいユーザーであるか、メランコリーなユーザーであるか、またはそれらの組み合わせであるかを指定する入力を受け付ける一方、気分に基づく検索エンジンは、様々なアクティビティのそれぞれを、陽気なアクティビティ、エネルギッシュなアクティビティ、風変わりなアクティビティ、メロウなアクティビティ、官能的なアクティビティ、激しいアクティビティ、メランコリーなアクティビティ、またはそれらのタイプのアクティビティの組み合わせであると分類、識別、またはマークし、したがって、気分に基づく検索エンジンは、気分に基づく検索要求を受信すると、要求者の気分に全体的または部分的に一致する雰囲気を持つアクティビティをそのデータベースから検索し、その結果得られた一致を返す”ことが記載されていると認められる。
(ケ)上記ア(エ)の段落0067の「現在の実施形態の検索エンジン206は、アクティビティ・データベース216を検索して、要求しているユーザー202の気分238に一致する、または近似する雰囲気235を持つアクティビティ104を探す。」との記載から、引用文献1には、“検索エンジンは、アクティビティ・データベースを検索して、要求しているユーザーの気分に一致する、または近似する雰囲気を持つアクティビティを探すものであ”ることが記載されていると認められる。
(コ)上記(オ)の検討から、“ユーザのデバイス”は、“モバイルデバイス”のことであるといえるから、上記ア(カ)の段落0097の「ユーザのデバイスは、ユーザ名、ユーザの位置(例えば、ユーザデバイス内の全地球測位システム(GPS)モジュールおよび/またはユーザデバイスのネットワーキング属性によって決定されるユーザの位置)、ブラウザエージェント(例えば、ユーザが検索ウェブサイトにアクセスするためにモバイルブラウザまたはフル機能ブラウザを使用しているかどうか)、ログイン情報、検索変数、またはそれらの任意の組み合わせなどの検索情報を(例えば、ユーザエントリを介して、および/またはデバイスキャッシュからの検索を介して)受信し、サーバに送信することができる。検索変数は、アクティビティ(例えば、映画)、1つ以上の気分(例えば、風変わりな)、所望の地理的領域(例えば、3マイル以内)、人口統計学的情報(例えば、30歳以上の男性または女性が見る可能性が高い映画)、ジャンル(例えば、コメディ)、および/または価格(例えば、10ドル以下)の識別を含むことができる。」との記載から、引用文献1には、“モバイルデバイスは、ユーザ名、ユーザの位置、ブラウザエージェント、ログイン情報、検索変数、またはそれらの任意の組み合わせなどの検索情報を受信し、サーバに送信することができ、前記検索変数は、アクティビティ、1つ以上の気分、所望の地理的領域、人口統計学的情報、ジャンル、および/または価格の識別を含むことができ”ることが記載されていると認められる。
(サ)上記ア(キ)の段落0117の「ユーザの気分238を入力/編集するための便利なインターフェースを提供することができる。例えば、気分アイコン810の各々は、気分238の1つに対応することができる。GUI804は、ユーザが気分アイコン810をタップする順序が、それらの優位性の順序を示すように構成することができる。」との記載及び図8の記載から、引用文献1には、“ユーザの気分を入力/編集するための便利なインターフェースでは、気分アイコンの各々を、気分の1つに対応させて、ユーザが気分アイコンをタップすることができるように構成した”ことが記載されていると認められる。
上記(ア)~(サ)の検討から、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
気分に基づく検索および/または広告のためのシステムにその構成要素として含まれるモバイルデバイスを、
ユーザが経験したい気分を入力する入力手段と、
ユーザがモバイルデバイスを介して、検索エンジンに気分に基づく検索要求を送信する送信手段と、
検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信する受信手段と、
検索結果を表示する表示手段、
として機能させるモバイルデバイスアプリケーションであって、
前記気分に基づく検索および/または広告のためのシステムは、ユーザが気分に基づく検索を実行することを可能にするものであり、より具体的には、ユーザが自分の気分を入力することを可能にし、気分に基づく検索エンジンは、その雰囲気または主観的な気分によって定義および/または特徴付けられるアクティビティに関連する結果を返すものであり、
前記気分に基づく検索および/または広告のためのシステムは、陽気な、エネルギッシュな、風変わりな、メロウな、官能的な、激しい、およびメランコリーな、を含む、気分の所定のセット、およびアクティビティ用の雰囲気の対応する所定のセットを使用して動作し、気分に基づく検索エンジンは、さまざまなユーザーから、陽気なユーザーであるか、エネルギッシュなユーザーであるか、風変わりなユーザーであるか、メロウなユーザーであるか、官能的なユーザーであるか、激しいユーザーであるか、メランコリーなユーザーであるか、またはそれらの組み合わせであるかを指定する入力を受け付ける一方、気分に基づく検索エンジンは、様々なアクティビティのそれぞれを、陽気なアクティビティ、エネルギッシュなアクティビティ、風変わりなアクティビティ、メロウなアクティビティ、官能的なアクティビティ、激しいアクティビティ、メランコリーなアクティビティ、またはそれらのタイプのアクティビティの組み合わせであると分類、識別、またはマークし、したがって、気分に基づく検索エンジンは、気分に基づく検索要求を受信すると、要求者の気分に全体的または部分的に一致する雰囲気を持つアクティビティをそのデータベースから検索し、その結果得られた一致を返すものであり、
前記検索エンジンは、アクティビティ・データベースを検索して、要求しているユーザーの気分に一致する、または近似する雰囲気を持つアクティビティを探すものであり、
前記モバイルデバイスは、ユーザ名、ユーザの位置、ブラウザエージェント、ログイン情報、検索変数、またはそれらの任意の組み合わせなどの検索情報を受信し、サーバに送信することができ、前記検索変数は、アクティビティ、1つ以上の気分、所望の地理的領域、人口統計学的情報、ジャンル、および/または価格の識別を含むことができ、
ユーザの気分を入力/編集するための便利なインターフェースでは、気分アイコンの各々を、気分の1つに対応させて、ユーザが気分アイコンをタップすることができるように構成した
モバイルデバイスアプリケーション。
ウ 参考文献1
本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2012-205148号公報(2012年10月22日公開。以下「参考文献1」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
(ア)「【0018】
タッチパネル2は、文字、図形、画像等を表示するとともに、指、スタイラス、ペン(ペンの先端、棒状部材の先端)等(以下、単に「指」という)を用いてタッチパネル2に対して行われる各種動作を検出する。例えば、携帯電話端末1は、利用者から文字の入力を受け付けるために、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させる。携帯電話端末1は、タッチパネル2上に仮想キーボードを表示させた状態で、指によってタッチパネル2に入力される各種動作を検出し、仮想キーボードのどのキーが押下されたか、接触されたかを検出し、押下、接触を検出したキーを入力したキーとすることで、文字入力を行うことができる。また、タッチパネル2は、文字の入力によらず、表示させている画像と、指によってタッチパネル2に対して行われる各種動作とに基づいて、各種操作の入力を検出し、入力された操作に基づいて各種制御を行う。」
エ 参考文献2
本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である、特開2018-73056号公報(2018年5月10日公開。以下「参考文献2」という。)には、図面とともに、次の記載がある。
(ア)「【0002】
従来、物資や資材等の商品をウェブサイト上で受発注するシステムが普及している。この種の受発注システムは、一般的に物理キーボードを備えたパーソナルコンピュータによる利用を想定して構築されている。一方、近年、タッチパネルを備えた携帯電話端末やタブレット端末などの電子機器の普及が進んでいる。これらのタッチパネルを備えた電子機器では、従来の物理的に押して数字や文字等を入力する物理キーボード(ハードウェアキーボード)が廃止され、タッチパネル上に表示されるキーボードをタッチすることで数字や文字等を入力する仮想キーボード(ソフトウェアキーボード)が採用されている。
(3)引用発明との対比
本件補正発明と引用発明を対比する。
ア 「ユーザ端末」について
引用発明の「モバイルデバイス」は、ユーザが、経験したい気分を入力し、検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信するために、“ユーザ”が使用する“端末”であるから、本件補正発明の「ユーザ端末」に相当する。
イ 「検索条件受付手段」について
引用発明の「モバイルデバイス」は、「ユーザが経験したい気分を入力する入力手段」を有するものであり、また、前記「モバイルデバイス」は、ユーザ名、ユーザの位置、ブラウザエージェント、ログイン情報、検索変数、またはそれらの任意の組み合わせなどの検索情報を受信し、サーバに送信することができ、前記検索変数は、アクティビティ、1つ以上の気分、所望の地理的領域、人口統計学的情報、ジャンル、および/または価格の識別を含むことができるものであることから、引用発明の「入力手段」は、「気分」に加えて、「ユーザ名」、「ユーザの位置」、「ブラウザエージェント」、「ログイン情報」、「アクティビティ」、「所望の地理的領域」、「人口統計学的情報」、「ジャンル」、「価格」のうちの任意のものを任意の数だけ入力することができるものであり、少なくとも、「気分」と「価格」を入力することができるものである。
ここで、引用発明の「価格」、「気分」は、それぞれ、本件補正発明の「金額」、「気分」に相当し、引用発明の「入力手段」は、「価格」、「気分」を“検索条件”として“受け付け”る“受付手段”であるといえる。
そうすると、引用発明の「入力手段」と本件補正発明の「単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法によってユーザから金額および気分の入力を受け付ける検索条件受付手段」とは、後記する点(相違点1)で相違するものの、“ユーザから金額および気分の入力を受け付ける受付手段”である点で一致する。
ウ 「レコメンド情報取得手段」について
(ア)引用発明の「送信手段」は、ユーザがモバイルデバイスを介して、検索エンジンに「気分に基づく検索要求」を送信するものであるところ、上記イで検討したとおり、引用発明の「気分に基づく検索および/または広告のためのシステム」は、「気分」に加えて「ユーザ名」、「ユーザの位置」、「ブラウザエージェント」、「ログイン情報」、「アクティビティ」、「所望の地理的領域」、「人口統計学的情報」、「ジャンル」、「価格」のうちの任意のものを任意の数だけ入力して検索できるものであるから、上記イで検討した「入力手段(受付手段)」によって、仮に、価格(金額)および気分のみを受け付けたような場合には、結果的に前記「送信手段」は、“価格(金額)および気分のみ”を検索要求として送信する手段となるものである。
(イ)引用発明の「気分に基づく検索および/または広告のためのシステム」は、ユーザが自分の気分を入力することを可能にし、気分に基づく検索エンジンは、その雰囲気または主観的な気分によって定義および/または特徴付けられるアクティビティに関連する結果を返すものであり、また、引用発明の「検索エンジン」は、“アクティビティ・データベース”を用いて、要求しているユーザーの気分に一致する、または近似する雰囲気を持つアクティビティを検索するものである。
そうすると、引用発明において「気分に基づく検索エンジン」が用いる“アクティビティ・データベース”は、少なくとも「気分」と「気分に一致する、または近似する雰囲気」と「アクティビティ」とが関連付けられたものである。
また、上記(ア)で検討したとおり、引用発明の「気分に基づく検索および/または広告のためのシステム」は、「気分」に加えて「価格」でも検索できるものであるから、引用発明の“アクティビティ・データベース”は、「価格」と「アクティビティ」とが関連付けられたものである。
そうすると、引用発明の“アクティビティ・データベース”は、少なくとも「価格」と「気分」と「アクティビティ」とが関連付けられたデータベースであるといえる。
(ウ)引用発明の「アクティビティ」は、「気分に基づく検索および/または広告のためのシステム」においてユーザが経験したい気分を入力すると、気分に基づく検索結果が“おすすめ情報”としてユーザに提供されるものといえるから、本件補正発明の「レコメンド情報」に相当する。
(エ)上記(イ)及び(ウ)の対比を踏まえると、引用発明の“価格と気分とアクティビティとが関連付けられたアクティビティ・データベース”は、本件補正発明の「金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベース」に相当するといえる。
(オ)引用発明は、ユーザが経験したい気分を入力すると、「送信手段」が「検索エンジンに気分に基づく検索要求を送信」し、検索エンジンがアクティビティ・データベースを用いて検索し、「受信手段」が「検索エンジンから気分に基づく検索結果を受信する」ものであるから、引用発明の「送信手段」と「受信手段」を合わせたものは、ユーザによって入力された気分に“基づき”、アクティビティ・データベースを“参照することにより”、気分に基づく検索結果を“取得する”ものといえる。
ここで、上記(ア)で検討したように、「入力手段(受付手段)」で“価格(金額)および気分のみ”を受け付け、「送信手段」で“価格(金額)および気分のみ”を検索要求として送信した場合には、“価格(金額)および気分のみ”に基づき、アクティビティ・データベースを参照することになり、その結果として、「受信手段」は、“価格(金額)および気分のみ”に基づく検索結果を取得するものとなるといえる。
そうすると、引用発明の「送信手段」及び「受信手段」を合わせたものは、少なくとも、“受け付けた“価格(金額)および気分のみ”に基づき、アクティビティ・データベースを参照することにより、“価格(金額)および気分のみ”に基づく検索結果を取得する機能”を有するものといえる。
(カ)上記(ア)~(オ)の検討を踏まえると、引用発明の「送信手段」及び「受信手段」を合わせたものと、本件補正発明の「レコメンド情報取得手段」とは、少なくとも、“受け付けた前記金額および気分のみに基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照することによりレコメンド情報を取得する”という機能を有する点では一致する。
エ 「出力手段」について
上記ウ(ウ)の対比を踏まえると、引用発明の「検索結果を表示する」ことは、本件補正発明の「前記レコメンド情報をユーザに出力する」ことに相当する。
ここで、引用発明において、検索結果を表示(出力)する際に、「出力インターフェースを介して」出力することは自明のことである。
そうすると、引用発明の「検索結果を表示する表示手段」は、本件補正発明の「出力インターフェースを介して、前記レコメンド情報をユーザに出力する出力手段」に相当する。
オ 「検索プログラム」について
上記イ~エの検討を踏まえれば、引用発明の、「モバイルデバイス」を、「入力手段」、「送信手段」、「受信手段」及び「表示手段」として機能させる「モバイルデバイスアプリケーション」は、本件補正発明の「ユーザ端末」を、「検索条件受付手段」、「レコメンド情報取得手段」及び「出力手段」として機能させる「検索プログラム」に対応する。
上記ア~オの検討から、本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。
[一致点]
ユーザ端末を、
ユーザから金額および気分の入力を受け付ける受付手段と、
受け付けた前記金額および気分のみに基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照することによりレコメンド情報を取得するレコメンド情報取得手段と、
出力インターフェースを介して、前記レコメンド情報をユーザに出力する出力手段、
として機能させる、検索プログラム。
[相違点1]
ユーザから金額および気分の入力を受け付ける受付手段が、本件補正発明では、「単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法によって」受け付けるのに対して、引用発明では、入力手段がタッチパネルに表示された仮想キーボードであることは特定されていない点。
(4)判断
上記相違点について検討する。
ア 相違点1について
モバイルデバイスの入力インターフェースとして、「単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法」は、例えば参考文献1(上記(2)ウを参照。)や参考文献2(上記(2)エを参照。)に記載されているように、本願の出願前に当該技術分野における周知技術であったと認められる。
ここで、引用発明は、ユーザから、ユーザ名、ログイン情報等の入力を受け付けるものであり、これらの入力を受け付けるためには、任意の数値・文字を入力する必要があると認められるところ、そのための入力インターフェースとして、上記周知の「単独のユーザがタッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法」を採用し、その際、当該仮想キーボードの数値や文字によって、予め定義された「陽気な気分」、「エネルギッシュな気分」等に対応付けられた数値や文字を選択することで、予め定義された複数の気分の中からいずれかの気分を「選択」させるように構成することは当業者が容易に想到し得たことである。
イ そして、本件補正発明の奏する作用効果は、引用発明の奏する作用効果から予測される範囲内のものに過ぎず、格別顕著なものということはできない。
ウ したがって、本件補正発明は、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
(5)請求人の主張について
ア 請求人は、令和5年9月1日付けの意見書及び審判請求書において、以下の(ア)、(イ)のとおり主張している。
(ア)「上記の相違点1に関し、「任意の数値・文字を入力する方法」は容易想到とはいえません。
すなわち、引用文献1記載の発明は、学術分析やユーザ調査に基づいて決定された、互いに排他的な、気分を表す7つ(または8つ)の単語の中から自己に合致する気分を選択する仕組みになっており、これらの単語が記載された気分アイコンをタップすることによって、気分を入力することが開示されています([0032]、[0048]、[0097]、[0117]、図8)。そして、気分を記述する単語は無数にあるところ、上述の相互に排他的な単語の中から気分を選択することによって、混乱や重複を回避できるという利点がある旨が記載されています([0032])。ユーザに気分を記述するように求めると、自分の気分を表現することが苦手なユーザや、新たな言葉を作り出すユーザがいて検索が困難だが、あらかじめ定義された気分の中から選択させることで分析可能な結果が得られる旨も記載されております([0047])。さらに、引用文献1に記載されたシステムには、「ユーザに、気分を記述することを強制しないようにしながらも、アクティビティを容易に検索できるようにする」旨の特徴があるという記載もあります([0007])。したがって、引用文献1は、ユーザに任意に気分を記述させるのではなく、あらかじめ決められた単語の中から選択させる点に技術的意義があり、引用文献1においては、そのように選択させることは引用文献1における必須の構成であると考えられます。
したがって、そのような必須の構成に代えて、「ユーザが任意の数値・文字を入力する方法」を引用文献1に記載された発明に適用する動機付けはありません。」(令和5年9月1日付けの意見書)
(イ)「以上から、「金額および気分のみ」に基づいてレコメンド情報を取得するという新請求項1に係る発明が有する構成は、引用文献1に記載の発明との相違点となります。
そして、引用文献1においては、むしろ、多様な検索変数が各々の具体例を付して例示され、検索変数以外にもユーザ位置、ブラウザエージェント、ログイン情報等、多くの要素を用いた検索が可能であるとされており、これによって最適な検索結果を表示できることが発明の利点であることが示唆されております。したがって、あえて検索変数の種類を減らし「気分と金額」のみに制限する動機付けはありませんので、相違点2は容易想到とはいえません。」(審判請求書)
イ 請求人の主張について検討する。
(ア)上記ア(ア)について
請求人は、「引用文献1は、ユーザに任意に気分を記述させるのではなく、あらかじめ決められた単語の中から選択させる点に技術的意義があ」る旨を主張しているが、本件補正発明では、「ユーザに任意に気分を記述させる」ことまでは特定されておらず、「タッチパネルに表示された仮想キーボードを用いて任意の数値・文字を入力する方法」によって、予め定義された気分の中からいずれかの気分を、当該気分に対応付けられた数値や文字で指定することによって「選択」する構成も本件補正発明の技術的範囲に含まれるものである。
そして、そのような構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであることは、上記(4)アで判断したとおりである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(イ)上記ア(イ)について
引用発明は「気分に基づく検索および/または広告のためのシステム」に関する発明であるから、検索条件として少なくとも「気分」が入力されることは必須であるが、その他の検索条件としては、「ユーザ名」、「ユーザの位置」、「ブラウザエージェント」、「ログイン情報」、「アクティビティ」、「所望の地理的領域」、「人口統計学的情報」、「ジャンル」、「価格」が任意選択的に記載されており、検索条件として、これらのうちのどの条件をいくつ用いるかはユーザが任意に選択可能なものである。
そして、実際、引用文献1には、「図8は、一次気分806、二次気分808、三次気分、日付、および都市に基づいて検索を開始することに関連するインターフェース802および804を示す。」と記載されており、3つの気分と日付と都市のみに基づいて検索を実行する例が記載されており、加えて、「これらの基準の1つ以上は任意であってもよい。」とも記載されている。
そうすると、引用発明には、「金額および気分のみ」で検索することも当然に含まれているといえるから、そのような検索の機能も包含する引用発明と本件補正発明とを対比すれば、上記(3)ウで判断したとおり、引用発明の「送信手段」及び「受信手段」を合わせたものと、本件補正発明の「レコメンド情報取得手段」とは、少なくとも、“受け付けた前記金額および気分のみに基づき、金額と気分とレコメンド情報とが関連付けられたレコメンド情報データベースを参照することによりレコメンド情報を取得する”という機能を有する点では一致する、と判断される。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
3 本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。
第3 本願発明について
1 本願発明
令和6年2月20日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は、令和5年3月15日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし11に記載された事項により特定されるものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、その請求項1に記載された事項により特定される、前記第2[理由]1(2)に記載のとおりのものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、この出願の請求項1に係る発明は、本願の出願前に頒布された下記の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない、というものである。
引用文献1:米国特許出願公開第2013/0311270号明細書
3 引用文献
原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1の記載事項は、前記第2の[理由]2(2)に記載したとおりである。
4 対比・判断
本願発明は、前記第2の[理由]2で検討した本件補正発明から、補正事項1及び補正事項2に係る限定事項を削除したものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の限定事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
第4 むすび
以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2024-002944