特許異議申立
2023-701389
照明装置、照明システム及び照明制御方法
- 審判番号
- 2023-701389
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-501097
- 登録番号
- 7300691
- 請求日
- 2023年12月27日
- 審決日
- 2024年11月07日
- 公報発行日
- 2025年02月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】京セラ株式会社
- 【権利者代理人】杉村 憲司
- 【権利者代理人】杉村 光嗣
- 【権利者代理人】齋藤 恭一
- 【権利者代理人】坪内 伸
- 【権利者代理人】内海 一成
- 【権利者】公立大学法人奈良県立医科大学
- 【権利者代理人】杉村 憲司
- 【権利者代理人】杉村 光嗣
- 【権利者代理人】齋藤 恭一
- 【権利者代理人】坪内 伸
- 【権利者代理人】内海 一成
- 【異議申立人】柴田 都
- 審判長/審判官
- 審判長 筑波 茂樹
- 審判官 八木 誠
- 審判官 草野 顕子
- 分類
- P1651.113-YAA(H05B) / P1651.121-YAA(H05B) / P1651.851-YAA(H05B) / P1651.857-YAA(H05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7300691号発明「照明装置、照明システム及び照明制御方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7300691号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、〔7~11〕、12、13、14、15について訂正することを認める。
特許第7300691号の請求項1~15に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7300691号の請求項1~15に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、2021年(令和3年)2月19日(優先権主張 2020年2月19日)を国際出願日とする出願であって、令和5年6月22日に特許権の設定登録がされ、同年6月30日に特許掲載公報が発行された。
本件特許についての特許異議申立人柴田都(以下「申立人」という。)による本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年12月27日 特許異議の申立て
令和6年 3月26日付け 取消理由通知
同年 5月28日 特許権者による意見書・訂正請求書の提出
同年 7月23日 申立人による意見書の提出
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和6年5月28日の訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下の(1)~(9)のとおりである(なお、下線は訂正箇所である。)。
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する、照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、照明光を制御する、照明装置。」と訂正する(請求項1の記載を引用する請求項2、4~6も同様に訂正する。)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項14に、
「 サーバと、照明光を出射する照明装置とを備え、
前記サーバは、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する、照明システム。」と記載されているのを、
「 サーバと、照明光を出射する照明装置とを備え、
前記サーバは、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、照明光を制御する、照明システム。」と訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項15に、
「 照明光を出射する発光部を備える照明装置が、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、前記発光部が出射する照明光を制御することを含む、照明制御方法。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部を備える照明装置が、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、前記発光部が出射する照明光を制御することを含む、照明制御方法。」と訂正する。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項3に、「 前記制御部は、前記第1低下率が、夜間点灯時の照明光の色温度の昼間点灯時の照明光の色温度に対する第3低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する、請求項1又は2に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、かつ、前記第1低下率が、夜間点灯時の照明光の色温度の昼間点灯時の照明光の色温度に対する第3低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する、照明装置。」と訂正する。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項7に、「 前記制御部は、メラトニン分泌開始時刻に基づいて前記メラノピック照度を低くするタイミングを決定する、請求項1から6までのいずれか一項に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻に基づいて前記メラノピック照度を低くするタイミングを決定する、照明装置。」と訂正する(請求項7の記載を引用する請求項10、11も同様に訂正する。)。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項8に、「 前記制御部は、メラトニン分泌開始時刻においてメラノピックパワーが所定値以下になるように、照明光を制御する、請求項1から7までのいずれか一項に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻においてメラノピックパワーが所定値以下になるように、照明光を制御する、照明装置。」と訂正する(請求項8の記載を引用する請求項10、11も同様に訂正する。)。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項9に、「 前記制御部は、メラトニン分泌開始時刻から所定時間前に、メラノピックパワーを低下させ始めるように、照明光を制御する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻から所定時間前に、メラノピックパワーを低下させ始めるように、照明光を制御する、照明装置。」と訂正する(請求項9の記載を引用する請求項10、11も同様に訂正する。)。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項12に、「 前記制御部は、メラノピックパワーを所定値以下にするものの、照明光の照度の低下率をメラノピック照度の低下率よりも小さくする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラノピックパワーを所定値以下にするものの、照明光の照度の低下率をメラノピック照度の低下率よりも小さくする、照明装置。」と訂正する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項13に、「 前記制御部は、対象者の就床時刻において、メラノピックパワーを0%にする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の照明装置。」と記載されているのを、
「 照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
対象者の就床時刻において、メラノピックパワーを0%にする、照明装置。」と訂正する。
(10)一群の請求項
本件訂正前の請求項1~15は、請求項2~13が、本件訂正前の請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正の請求は、一群の請求項〔1~13〕について請求されたものであり、請求項14、15それぞれに対して請求されたものである。
2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1~3について
訂正事項1~3は、訂正前の請求項1、14、15の「照明光を制御する」という事項に、「夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように」との限定を付加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
また、願書に添付された明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)の【0028】の「照明装置10は、照明光のパラメータとして照度を維持しつつ、メラノピック照度を低くするように、夜間の照明光のスペクトルを制御してよい。」との事項及び【0024】の「本実施形態において、メラノピック照度は、主に400nmから550nmまでの波長領域に含まれる各波長の放射照度に基づいて算出されるとする。」との事項に接した当業者であれば、メラノピック照度を低くするには、400nmから550nmまでの波長領域に含まれる波長の照度を下げればよいことは明らかであり、照明の照度を維持しつつ、メラノピック照度を低くするためには、、400nmから550nmまでの波長領域に含まれる波長の照度を下げつつ、400nmから550nmまでの波長領域以外の波長の照度をあげればよいことも明らかであるから、訂正事項1~3は新規事項を追加するものではない。
(2)訂正事項4~9について
訂正事項4~9は、それぞれ請求項3、7~9、12、13について、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、新規事項を追加するものではないのは明らかである。
(3)別の訂正単位とする求め
特許権者は訂正が認められる場合、一群の請求項〔1~13〕について別の訂正単位とすることを求めている。
そして、訂正後の引用関係を踏まえると、一群の請求項〔1~13〕は、訂正後の請求項〔1~6〕、〔7~11〕、12、13を訂正単位として扱われる。
(4)小括
以上によれば、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項において準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、本件特許の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、〔7~11〕、12、13、14、15について訂正することを認める。
第3 本件発明
上記第2のとおり本件訂正は認められたから、本件訂正後の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明15」という。)は、令和6年5月28日の訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~15に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
「【請求項1】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、照明光を制御する、照明装置。
【請求項2】
前記制御部は、夜間点灯時の照度が、昼間点灯時の照明光の照度よりも小さくなるように、照明光を制御する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、かつ、前記第1低下率が、夜間点灯時の照明光の色温度の昼間点灯時の照明光の色温度に対する第3低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する、照明装置。
【請求項4】
前記制御部は、夜間点灯時の照明光の色温度が、昼間点灯時の照明光の色温度よりも小さくなるように、照明光を制御する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1低下率が、夜間点灯時の照明光の光子束の昼間点灯時の照明光の光子束に対する第4低下率が大きくなるように、照明光を制御する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記制御部は、夜間点灯時の照明光の光子束を、昼間点灯時の照明光の光子束よりも小さくするように、照明光を制御する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻に基づいて前記メラノピック照度を低くするタイミングを決定する、照明装置。
【請求項8】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻においてメラノピックパワーが所定値以下になるように、照明光を制御する、照明装置。
【請求項9】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラトニン分泌開始時刻から所定時間前に、メラノピックパワーを低下させ始めるように、照明光を制御する、照明装置。
【請求項10】
前記制御部は、メラトニン分泌量が所定値を超えた時刻を、前記メラトニン分泌開始時刻として、照明光を制御する、請求項7から9までのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記制御部は、対象者の就床時刻の所定時間前までに前記対象者のメラトニン分泌量を少なくとも3回の測定それぞれによって得られたデータから算出された前記メラトニン分泌量の標準偏差の2倍の値を超えたときの時刻を、前記メラトニン分泌開始時刻として、照明光を制御する、請求項7から9までのいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項12】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
メラノピックパワーを所定値以下にするものの、照明光の照度の低下率をメラノピック照度の低下率よりも小さくする、照明装置。
【請求項13】
照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、
昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、照明光を制御し、
対象者の就床時刻において、メラノピックパワーを0%にする、照明装置。
【請求項14】
サーバと、照明光を出射する照明装置とを備え、
前記サーバは、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、照明光を制御する、照明システム。
【請求項15】
照明光を出射する発光部を備える照明装置が、昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように、前記発光部が出射する照明光を制御することを含む、照明制御方法。」
第4 取消理由の概要
[取消理由1](新規性)
本件特許の下記請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当するから、下記請求項に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。
[取消理由2](進歩性)
本件特許の下記請求項に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、下記の頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回路を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、この出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、下記請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
以下、特許異議申立人が提出した「甲第○号証」は、「甲○」という。
記
甲2:特開2015-97196号公報
[取消理由と請求項及び引用文献等の関係]
○取消理由1、2
請求項 1、2、4~6、15
引用文献 甲2
○理由2
請求項 14
引用文献 甲2
第5 引用文献の記載事項等
1 記載事項
甲2には、図面とともに以下の事項が記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。
「【技術分野】
【0001】
本開示は、照明製品の分野に関し、より詳細には、概日のフレンドリーなLED光源を提供する装置および方法に関する。」
「【0007】
ヒト概日システムの刺激について、自然界で起こること(1日にわたる日光の作用)と同様の方法、すなわち、朝および日中においては高い青色含有量に起因する明るい照明レベルとし、夜間においてはより低い光レベルであって大幅に低い青色含有量とする方法で概日の光周期を刺激することにより、肯定的な利点を実現することができ、有害なものを回避することができる。」
「【0069】
図2Aは、概日のフレンドリーなLED白色光源の構成に用いられるような多様な波長組み合わせ2A00のスペクトル出力分布(SPD)を示す。
【0070】
図2Aに示すように、朝の概日刺激のために刺激性の青色ピークが放射される(曲線202を参照)。別の曲線は、夜間のための低概日刺激(曲線206を参照)を示し、第3の曲線(204)は、中間選択肢を示す。」
「【0081】
第1および第2のLED発光は、同等なレベルにおいて複合され、受容可能な演色(それぞれ、80、65のRa、R9)によって5000K色ポイントを達成することができる。さらに、この発光スペクトルは、D65基準光源(日光)によって達成されるものと同様の、(上記で定義したような)高い相対的な概日刺激を持ち得る。第2のLED発光が極めて低レベルまで低下され(またはオフにされ)た場合、第1のLED発光が優位に立ち、低概日刺激スペクトルが2500Kにおいて93、65のRa、R9と共に達成される。中間点において、3500K色温度が、85、88のRa、R9および概日システムの中間レベルの刺激と共に得られる。よって、このLED白色光源を用いて、常に受容可能な白色光品質(Ra≧80、R9≧50)を維持しつつ、朝には高刺激の5000Kの光を、午後には3500Kの中程度の刺激の照明を、夜には低刺激の2500Kの光を達成することができる。第1および第2のLEDへの合計出力を調節して、所望の合計照度レベルを提供することができる。」
「【0141】
図7は、概日のフレンドリーなLED光源を用いたLEDランプにおいて用いられる多重トラックドライバ制御システムの模式図である。図7に示すように、複数のLEDストリングの発光を別個に変化させることにより、1つのストリングの出力の別のストリングに対する比を時間ベースの関数に応じて変化させる。例えば、クロック/タイマーは、24時間の期間における日の出および日没のタイミングをモデル化し得、この24時間の期間の間、青色蛍光体を用いた紫色発光LEDを午後および夜間に減衰させることができる。二重トラックシステムにおいて、線形色度曲線502を実行することができる。3つ以上のトラック(例えば、図示の3つのLED群)の場合、非線形色度曲線を有効にすることができる。適切なドライバ制御システムについて、参照することにより本明細書にその全体が援用される2014年6月25日に出願された米国出願第62/026899号に開示がある。
・・・
【0143】
任意の個々の群へ流れる電流は、FETまたはスイッチ(例えば、SW1 710、SW2 712、SW3 714)を用いて個々に増加または減少させることができる。図示の制御回路719は、環境センサーおよびクロック/タイマーを含み、環境センサーおよびクロック/タイマーはそれぞれ、コントローラ721への入力を提供し、コントローラ721は、任意の個々のLED群(例えば、群1LED706、群2LED708、群NLED709など)へ流れる電流を順に調節する働きをする。」
「【図2A】
[図:0001419340000001.jpg]
」
「【図7】
[図:0001419340000002.jpg]
」
2 甲2発明
上記1を総合すると、甲2には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
「3つのLED群706、708、709と、
3つのLED群706、708、709を制御する制御回路719と、を備え、
制御回路719は、朝には5000Kの高刺激で曲線202で示される光を出力し、午後には3500Kの中刺激で曲線204で示される光を出力し、夜には2500Kの低刺激で曲線206で示される光を出力するように、3つのLED群706、708、709からの出力光を制御する、照明製品。」
第6 取消理由についての判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と甲2発明とを対比すると、後者の「3つのLED群706、708、709」は、前者の「照明光を出射する発光部」に相当し、以下同様に、「制御回路719」は「制御部」に、「照明製品」は「照明装置」に、それぞれ相当する。
後者の「3つのLED群706、708、709と、3つのLED群706、708、709を制御する制御回路719と、を備え」ることは、前者の「照明光を出射する発光部と、前記発光部を制御する制御部と、を備え」ることに相当する。
そうすると、本件発明1と甲2発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「照明光を出射する発光部と、
前記発光部を制御する制御部と、を備える、照明装置。」
<相違点1>
制御部について、本件発明1では、「昼間点灯時の照明光のメラノピック照度に対する夜間点灯時の照明光のメラノピック照度の第1低下率が、昼間点灯時の照明光の照度に対する夜間点灯時の照明光の照度の第2低下率よりも大きくなるように、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように」、照明光を制御するのに対し、
甲2発明では、朝には5000Kの高刺激で曲線202で示される光を出力し、午後には3500Kの中刺激で曲線204で示される光を出力し、夜には2500Kの低刺激で曲線206で示される光を出力するように、3つのLED群706、708、709からの出力光を制御する点。
(2)相違点についての判断
相違点1に係る本件発明1の構成のうち、「夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度を低くし、かつ、夜間点灯時の照明光の400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度を高くするように」するとの構成(以下「構成1」という。)は、甲2には記載されておらず、実質的な相違点であるから、本件発明1は甲2発明ではない。
そして、構成1については、甲2だけでなく、申立人が提出したいずれの証拠(下記の甲1、3~5)にも、記載も示唆も見いだせないから、甲2発明において、相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことであるとは認められない。
[証拠一覧]
甲1:特開2015-88241号公報
甲3:特表2019-535129号公報
甲4:特表2017-521835号公報
甲5:Sang-il Leeら、「Melatonin suppression and sleepiness in children exposed to blue-enriched white LED lighting at night」、Physiological Reports、2018年、Vol.6、Iss.24、1~9ページ
(3)申立人の主張について
ア 申立人の主張
申立人は、意見書(4~5ページ)において、400nmから550nmまでの波長領域に含まれる少なくとも一部の波長の放射照度が低く、かつ、400nmから550nmまでの波長領域以外の少なくとも一部の波長の放射照度が高い照明光のスペクトルは、甲5の図1の「L(3000K)」の曲線に示されるように周知慣用技術であり、このようなスペクトルを用いて夜間及び昼間に照明光を照射することも周知慣用技術であるから、本件発明1、14、15は、甲2発明及びこれら周知慣用技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張する。
イ 主張についての検討
甲5の図1で示されるスペクトルは、睡眠実験のために用いたものであり、図1のスペクトルが昼間の照明と比較してどのようなスペクトルであるかについては、甲5では何ら記載を見いだせないから、甲5には、構成1について、記載や示唆があるとは認められない。
したがって、甲2発明に甲5に記載された事項を適用しても、相違点1に係る本件発明1の構成とならないのは明らかであるから、申立人の上記主張は採用できない。
(4)小括
したがって、本件発明1は甲2発明ではなく、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本件発明2及び本件発明1に従属する本件発明4~6について
本件発明2、及び、本件発明1に従属する本件発明4~6は、本件発明1の構成を全て含み、更なる限定を付加するものであるから、上記1(1)及び(2)で説示したように甲2発明ではなく、上記1(2)及び(3)で説示したのと同様の理由により、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本件発明15について
本件発明15は、構成1と実質的に同じ構成を有するから、上記1(1)及び(2)で説示したのと同様に甲2発明ではなく、上記1(2)及び(3)で説示したのと同様の理由により、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 本件発明14について
本件発明14も、構成1と実質的に同じ構成を有するから、上記1(2)及び(3)で説示したのと同様の理由により、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
5 取消理由についてのまとめ
以上によれば、取消理由1、2は本件訂正により解消された。
第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 特許異議申立理由の内容
申立人は、特許異議申立書において、訂正前の特許請求の範囲の請求項1~15に係る発明(以下、それぞれ「本件訂正前発明1」~「本件訂正前発明15」という。)について、上記第6で検討した取消理由のほか、以下の(1)~(4)を主張する。
(1)特許異議申立理由1-1(新規性、進歩性)
本件訂正前発明1~6、15は、甲1に記載された発明(以下「甲1発明」という。)であり、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(2)特許異議申立理由1-2(進歩性)
本件訂正前発明7~14は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(3)特許異議申立理由1-3(進歩性)
本件訂正前発明1~15は、甲1発明及び甲5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(4)特許異議申立理由2-1(新規性、進歩性)
本件訂正前発明3及び本件訂正前発明3に従属する本件訂正前発明4~6は甲2発明であり、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(5)特許異議申立理由2-2(進歩性)
本件訂正前発明7~13は、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(6)特許異議申立理由2-3(進歩性)
本件訂正前発明3及び本件訂正前発明3に従属する本件訂正前発明4~6並びに本件訂正前発明7~13は、甲2発明及び甲5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
2 特許異議申立理由についての判断
(1)特許異議申立理由1-1~1-3について
ア 本件発明1について
上記「第6 1」で説示したように本件発明1は構成1を有し、構成1は甲1には記載されていないから、本件発明1は甲1発明ではない。
そして、上記「第6 1(2)及び(3)」で説示したように、構成1については、申立人が提出したいずれの証拠(甲1~5)にも記載も示唆も見いだせないから、本件発明1は、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
イ 本件発明2について
本件発明2は、本件発明の構成を全て含み、更なる限定を付加するものであるから、上記アで説示したように、甲1発明ではなく、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
ウ 本件発明3について
本件発明3の「前記第1低下率が、夜間点灯時の照明光の色温度の昼間点灯時の照明光の色温度に対する第3低下率よりも大きくなるように、照明光を制御する」との構成(以下「構成2」という。)は甲1には記載されていないから、本件発明3も甲1発明ではない。
そして、構成2については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載も示唆も見いだせないから、本件発明3も、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
エ 本件発明4~6について
本件発明4~6は、本件発明1又は3の全ての構成を含み、更なる限定を付加するものであるから、本件発明4~6も、上記アで説示したように甲1発明ではなく、上記ア又はウに説示したのと同様の理由により、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
オ 本件発明7について
本件発明7は、「メラトニン分泌開始時刻に基づいて前記メラノピック照度を低くするタイミングを決定する」との構成を有するものであるところ、該構成については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載や示唆を見いだせない。
よって、本件発明7は、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
カ 本件発明8について
本件発明8は、「メラトニン分泌開始時刻においてメラノピックパワーが所定値以下になるように、照明光を制御する」との構成を有するものであるところ、該構成については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載や示唆を見いだせない。
よって、本件発明8も、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
キ 本件発明9について
本件発明9は、「メラトニン分泌開始時刻から所定時間前に、メラノピックパワーを低下させ始めるように、照明光を制御する」との構成を有するものであるところ、該構成については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載や示唆を見いだせない。
よって、本件発明9も、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
ク 本件発明10、11について
本件発明10、11は、本件発明7~9のいずれかの全ての構成を含み、更なる限定を付加するものであるから、上記オ、カ又はキに説示したのと同様の理由により、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
ケ 本件発明12について
本件発明12は、「メラノピックパワーを所定値以下にするものの、照明光の照度の低下率をメラノピック照度の低下率よりも小さくする」との構成を有するものであるところ、該構成については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載や示唆を見いだせない。
よって、本件発明12も、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
コ 本件発明13について
本件発明13は、「対象者の就床時刻において、メラノピックパワーを0%にする」との構成を有するものであるところ、該構成については、甲1だけでなく、甲2~5にも記載や示唆を見いだせない。
よって、本件発明7は、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
サ 本件発明14について
本件発明14も、構成1と実質的に同じ構成を有するから、上記アで説示したのと同様の理由により、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
シ 本件発明15について
本件発明15も、構成1と実質的に同じ構成を有するから、上記アで説示したように甲1発明ではなく、上記アで説示したのと同様の理由により、甲1発明、又は、甲1発明及び甲2~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
ス 小括
以上によれば、特許異議申立理由1-1~1-3は成り立たない。
(2)特許異議申立理由2-1~2-3について
ア 本件発明3について
本件発明3の構成2について、甲1~5には記載も示唆も見いだせないから、本件発明3は甲2発明ではなく、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
イ 本件発明3に従属する本件発明4~6について
本件発明3に従属する本件発明4~6は、本件発明3の構成を全て含み、更なる限定を付加するものであるから、上記アで説示したように甲2発明ではなく、上記アで説示したのと同様の理由により、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
ウ 本件発明7~13について
本件発明7~13は、それぞれ上記(1)オ~コで説示したのと同様の理由により、甲2発明、又は、甲2発明及び甲1、3~5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
エ 小括
以上によれば、特許異議申立理由2-1~2-3も成り立たない。
第8 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由並びに特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては、本件請求項1~15に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1~15に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-701389