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特許異議申立

2023-700895

蓄電デバイス包装材用接着剤、蓄電デバイス包装材、蓄電デバイス用容器及び蓄電デバイス

審判番号
2023-700895
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-177759
登録番号
7231105
請求日
2023年08月31日
審決日
2023年12月11日
公報発行日
2024年01月26日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】東洋インキSCホールディングス株式会社
  • 【異議申立人】藤江 桂子
審判長/審判官
  • 審判長 井上 信一
  • 審判官 畑中 博幸
  • 審判官 小池 秀介
分類
P1652.113-Y (H01M) / P1652.121-Y (H01M)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7231105号発明「蓄電デバイス包装材用接着剤、蓄電デバイス包装材、蓄電デバイス用容器及び蓄電デバイス」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7231105号の請求項1ないし7、10ないし12、14ないし16に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7231105号の請求項1ないし16に係る特許についての出願は、令和4年11月7日(優先日 令和4年3月30日 日本国)に出願され、令和5年2月20日にその特許権の設定登録がされ、令和5年3月1日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、令和5年8月31日に特許異議申立人藤江 桂子により、請求項1ないし7、10ないし12、14ないし16に係る特許に対する特許異議の申立てがなされた。 第2 本件特許発明 特許第7231105号の請求項1ないし7、10ないし12、14ないし16の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明7」、「本件発明10」ないし「本件発明12」、「本件発明14」ないし「本件発明16」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1ないし7、10ないし12、14ないし16に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂(C)を含む蓄電デバイス包装材用接着剤であって、 前記ポリオール化合物(A)がエステル結合を有するポリオールを含み、 該蓄電デバイス包装材用接着剤を80℃2週間の条件で硬化させて得られる硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際、下記式を満たすことを特徴とする蓄電デバイス包装材用接着剤。 式: 10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0 【請求項2】 前記エステル結合を有するポリオールは、重量平均分子量が50,000~100,000である、請求項1に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項3】 前記エステル結合を有するポリオールは、エステル結合濃度が8.5~10.5[mmol/g]である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項4】 前記エポキシ樹脂(C)は、エポキシ当量が90~1,200[g/eq]である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項5】 前記エポキシ樹脂(C)は、エポキシ当量が90~1,200[g/eq]である、請求項3に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項6】 前記ポリオール化合物(A)が、ポリエステルポリオールを含み、前記エポキシ樹脂(C)は、エポキシ当量が150~1,000[g/eq]であるエポキシ樹脂を含む、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項7】 前記ポリオール化合物(A)が、ポリエステルポリオールを含み、前記エポキシ樹脂(C)は、エポキシ当量が150~1,000[g/eq]であるエポキシ樹脂を含む、請求項3に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。」 「【請求項10】 前記硬化膜の120℃における貯蔵弾性率が、1.00×105~9.99×107[Pa]である、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項11】 前記硬化膜の120℃における貯蔵弾性率が、1.00×105~9.99×107[Pa]である、請求項3に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。 【請求項12】 前記硬化膜の120℃における貯蔵弾性率が、1.00×105~9.99×107[Pa]である、請求項6に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤。」 「【請求項14】 少なくとも、外層側樹脂フィルム層、外層側接着剤層、金属箔層、内層側接着剤層及びヒートシール層が順次積層されている構成を備えた蓄電デバイス包装材であって、 前記外層側接着剤層が、請求項1又は2に記載の蓄電デバイス包装材用接着剤の硬化物である、蓄電デバイス包装材。 【請求項15】 請求項14に記載の蓄電デバイス包装材から形成されてなる蓄電デバイス用容器であって、外層側樹脂フィルム層が凸面を構成し、ヒートシール層が凹面を構成している、蓄電デバイス用容器。 【請求項16】 請求項15に記載の蓄電デバイス用容器を備えてなる蓄電デバイス。」 第3 申立理由の概要 申立人の特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。 1 申立理由1 特許法第29条第1項第3号(新規性) 本件請求項1、3ないし7、10ないし12、14ないし16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明と同一であり、特許法第29条第1項第3号に該当するものである。 よって、請求項1、3ないし7、10ないし12、14ないし16に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 2 申立理由2 特許法第29条第2項(進歩性) 本件請求項2ないし7、10ないし12、14ないし16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 よって、請求項2ないし7、10ないし12、14ないし16に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 〔提出された証拠〕 甲第1号証:特開2015-22910号公報 甲第2号証:田中良平、「エポキシ樹脂」、色材協会誌、64巻10号、655-665(1991)[online]、色材協会、[2023年8月14日検索]、インターネット <URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/shikizai193 7/64/10/64_655/_pdf/char/ja> 甲第3号証:特開2015-66498号公報 第4 申立理由についての当審の判断 1 甲各号証の記載 (1)甲第1号証 ア 甲第1号証には、次の事項が記載されている(なお、下線は当審で付与した。) 「【0001】 本発明は、リチウムイオン電池などの二次電池用の電池用容器や電池パックを形成するための電池用包装材用のポリウレタン接着剤に関する。」 「【実施例】 【0043】 次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。実施例及び比較例中の%は総て質量%を意味する。 (合成例1) イソフタル酸232.4g、エチレングリコール42.7g、ネオペンチルグリコール71.8g、1,6-ヘキサンジオール108.6gを仕込み、200~230℃で6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、アジピン酸87.6g加え、更に6時間エステル化反応を行った。所定量の水の留出後、テトライソブチルチタネート0.13gを添加し徐々に減圧し、1.3~2.6hPa、230~250℃で3時間エステル交換反応を行い、芳香族多塩基酸成分70モル%、数平均分子量19,000のポリエステルポリオールを得た。 このポリエステルポリオールを酢酸エチルにて不揮発分50%に調整し、水酸基価2.85mgKOH/g、酸価0.1mgKOH/gのポリエステルポリオール溶液(1)を得た。」 「【0054】 [主剤(1)の製造] ポリエステルポリオール溶液(1)200g(固形分100g)と、KBM-403(シランカップリング剤)1gとを配合した後、酢酸エチル136gを加え、不揮発分が30%の主剤(1)を得た。 【0055】 [主剤(2)~(11)の製造] 主剤(1)の場合と同様にして、ポリエステルポリオール溶液(1)~(8)並びに下記に示すカルボキシル基と反応可能な成分(C)、その他の成分を表1に示す割合(g)で配合した後、不揮発分が30%となるように酢酸エチルを加えて、主剤(2)~(11)を得た。 【0056】 <カルボキシル基と反応可能な成分(C)> YD-012:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製) カルボジライトV-07:カルボジイミド化合物(日清紡ケミカル(株)製) <その他の成分> KBM-403:3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製) KBM-903:3-アミノプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン(株)製) 【0057】 (実施例1~14、比較例1~4) 各主剤と以下に示す各硬化剤とを、主剤中に含まれるポリオール(A)由来のヒドロキシル基とカルボキシル基の合計に対する硬化剤中に含まれるイソシアネート基の当量比[NCO]/([OH]+[COOH])が表2に示す値となるように配合した後、不揮発分が30%となるように酢酸エチルを加えて、ポリウレタン接着剤を得た。・・・(中略)・・・ 【0058】 <硬化剤(1)> トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体を酢酸エチルで希釈して固形分50%の樹脂溶液としたものを硬化剤(1)とした。硬化剤(1)のNCO%は8.6%であった。」 「表1 [図:0001405847000001.jpg] 」 「表2 [図:0001405847000002.jpg] 」 イ 甲第1号証の上記記載事項によれば、次のことがいえる。 (ア)段落【0001】によれば、甲第1号証には、「電池用包装材用のポリウレタン接着剤」が記載されている。 (イ)段落【0054】ないし【0057】及び表1、表2に記載された、実施例7であるポリウレタン接着剤に着目すれば、該ポリウレタン接着剤は、ポリエステルポリオール溶液(1)200g(固形分100g)と、KBM-403(シランカップリング剤)1g、YD-012:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製)30gとを配合した後、酢酸エチル206gを加え得られた不揮発分が30%の主剤(2)と、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体を酢酸エチルで希釈して固形分50%の樹脂溶液とした硬化剤(1)とを、主剤中に含まれるポリオール(A)由来のヒドロキシル基とカルボキシル基の合計に対する硬化剤中に含まれるイソシアネート基の当量比[NCO]/([OH]+[COOH])が17.9となるように配合した後、不揮発分が30%となるように酢酸エチルを加えて得られる。 (ウ)段落【0043】によれば、ポリエステルポリオール溶液(1)は、イソフタル酸232.4g、エチレングリコール42.7g、ネオペンチルグリコール71.8g、1,6-ヘキサンジオール108.6gを仕込み、200~230℃で6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、アジピン酸87.6g加え、更に6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、テトライソブチルチタネート0.13gを添加し徐々に減圧し、1.3~2.6hPa、230~250℃で3時間エステル交換反応を行い、芳香族多塩基酸成分70モル%、数平均分子量19,000のポリエステルポリオールを得て、このポリエステルポリオールを酢酸エチルにて不揮発分50%に調整して得られる。 ウ よって、甲第1号証には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。 「電池用包装材用のポリウレタン接着剤であって、 ポリウレタン接着剤は、ポリエステルポリオール溶液(1)200g(固形分100g)と、KBM-403(シランカップリング剤)1g、YD-012:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(新日鐵化学(株)製)30gとを配合した後、酢酸エチル206gを加え得られた不揮発分が30%の主剤(2)と、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体を酢酸エチルで希釈して固形分50%の樹脂溶液とした硬化剤(1)とを、主剤中に含まれるポリオール(A)由来のヒドロキシル基とカルボキシル基の合計に対する硬化剤中に含まれるイソシアネート基の当量比[NCO]/([OH]+[COOH])が17.9となるように配合した後、不揮発分が30%となるように酢酸エチルを加えて得られ、 ポリエステルポリオール溶液(1)は、イソフタル酸232.4g、エチレングリコール42.7g、ネオペンチルグリコール71.8g、1,6-ヘキサンジオール108.6gを仕込み、200~230℃で6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、アジピン酸87.6g加え、更に6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、テトライソブチルチタネート0.13gを添加し徐々に減圧し、1.3~2.6hPa、230~250℃で3時間エステル交換反応を行い、芳香族多塩基酸成分70モル%、数平均分子量19,000のポリエステルポリオールを得て、このポリエステルポリオールを酢酸エチルにて不揮発分50%に調整して得られる、電池用包装材用のポリウレタン接着剤。」 (2)甲第2号証 ア 甲第2号証には、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。) 「2.エポキシ樹脂の種類 エポキシ樹脂の種類を大別すると以下のようになる。 (1)グリシシジルエーテルタイプ ・・・(中略)・・・ この内、一般的に使用されているエポキシ樹脂の大半は(1)のタイプである。このタイプの代表例は下記構造を有するエポキシ樹脂であり、これはビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成される。 [図:0001405847000003.jpg] 」(655頁左欄12行ないし末行) イ 甲第2号証の上記記載によれば、甲第2号証には、次の技術(以下、「甲第2号証に記載された技術」という。)が記載されている。 「一般的に使用されているエポキシ樹脂の大半はグリシシジルエーテルタイプであり、代表例は下記構造を有するエポキシ樹脂であり、これはビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成されること。 [図:0001405847000004.jpg] 」 (3)甲第3号証 ア 甲第3号証には、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。) 「【0026】 本発明に使用できるエポキシ系粉体塗料は、エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ樹脂と、硬化剤としてヒドラジド化合物と、無機充填材とを含む粉体塗料である。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとを一段法または二段法で反応させて得られるエポキシ樹脂である。ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、金属製自動車部品の焼戻しと同時に焼付け硬化を行なうことができる加熱硬化性を有し、塗膜の付着性、耐食性などに優れている。なお、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に、脂環式エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂などのエポキシ樹脂等を併用できる。 ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、商品名エポトートYD-011(エポキシ当量450~500g/eq、軟化点60~70℃、新日鉄化学社製)、同エポトートYD-012(エポキシ当量600~700g/eq、軟化点75~85℃、新日鉄化学社製)、・・・(中略)、・・・(中略)・・・、商品名jERエポキシ樹脂1001(エポキシ当量450~500g/eq、軟化点64℃、三菱化学社製)、同1002(エポキシ当量600~700g/eq、軟化点78℃、三菱化学社製)、・・・(中略)・・・等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。」 イ 甲第3号証の上記記載によれば、甲第3号証には、次の技術(以下、「甲第3号証に記載された技術」という。)が記載されている。 「ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品として、商品名エポトートYD-012(エポキシ当量600~700g/eq、軟化点75~85℃、新日鉄化学社製)、商品名jERエポキシ樹脂1002(エポキシ当量600~700g/eq、軟化点78℃、三菱化学社製)等が挙げられること。」 2 申立理由1(新規性)について (1)本件発明1について ア 対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)本件発明1の「ポリオール化合物」に関し、本件特許明細書の段落【0028】の「ポリオール化合物(A)は、エステル結合を有するポリオールを含むことを特徴とする。上記エステル結合を有するポリオールは、分子中にエステル結合と水酸基とを各々2つ以上含む化合物であればよい。ポリエステルポリオールを含むことで、凝集力に優れ、優れた接着力を発揮する。」、同段落【0037】の「エステル結合を有するポリオールは、好ましくは多塩基酸と多価アルコールとの反応生成物(以下、ポリエステルポリオール)、又はその変性物である。」との各記載から、該「ポリオール化合物(A)」は「ポリエステルポリオール」を含み、甲1発明の「ポリエステルポリオール」も含まれる。 また、本件発明1の「ポリイソシアネート化合物(B)」に関し、本件特許明細書の段落【0062】の「ポリイソシアネート化合物(B)として好ましくは、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体、・・・である。」との記載から、該「ポリイソシアネート化合物(B)」は「トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体」を含み、甲1発明の「トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体」も含まれる。 そして、本件発明1の「エポキシ樹脂(C)」に関し、本件特許明細書の段落【0065】の「エポキシ樹脂(C)としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、・・・が挙げられる。」との記載から、該「エポキシ樹脂(C)」は「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」を含み、甲1発明の「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」も含まれる。 さらに、甲1発明の「電池用包装材」は、本件発明1の「蓄電デバイス包装材」に相当する。 してみると、甲1発明の「ポリエステルポリオール」、「トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体」及び「ビスフェノールA型エポキシ樹脂」を含む「電池用包装材用のポリウレタン接着剤」は、本件発明1の「ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂(C)を含む蓄電デバイス包装材用接着剤」に相当する。 (イ)ポリエステルポリオールがエステル結合を有することは技術常識であるから、甲1発明1が「ポリエステルポリオール」を含むことは、本件発明1の「前記ポリオール化合物(A)がエステル結合を有するポリオールを含」むことに相当する。 (ウ)本件発明1は「該蓄電デバイス包装材用接着剤を80℃2週間の条件で硬化させて得られる硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際」、「式: 10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0」「を満たす」のに対し、甲1発明はその旨特定されていない点で相違する。 上記(ア)ないし(ウ)により、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点、相違点を有しているものと認められる。 (一致点) 「ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂(C)を含む蓄電デバイス包装材用接着剤であって、 前記ポリオール化合物(A)がエステル結合を有するポリオールを含む、蓄電デバイス包装材用接着剤。」 (相違点) 本件発明1は「該蓄電デバイス包装材用接着剤を80℃2週間の条件で硬化させて得られる硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際」、「式: 10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0」「を満たす」のに対し、甲1発明はその旨特定されていない点。 よって、上記のとおり、本件発明1と甲1発明とは相違点を有するものであるから、請求項1に係る発明は、甲第1号証に記載された発明ではない。 イ 特許異議申立人の主張について (ア)特許異議申立人は特許異議申立書において、概略次のように主張している。 a 本件特許明細書の実施例におけるポリエステルポリオールの合成条件(エステル化反応(温度:170~230℃)、エステル交換反応(温度:230~250℃、触媒:テトライソブチルチタネート、減圧:1.3~2.6hPa))と、甲1発明におけるポリエステルポリオールの合成条件(エステル化反応(温度:200~230℃)、エステル交換反応(温度:230~250℃、触媒:テトライソブチルチタネート、減圧:1.32~2.6hPa)は、同様の内容であり、甲1発明におけるポリエステルポリオールのMw/Mnの値は、本件特許明細書の表1のMw/Mnの値(2~2.5)と同程度であると考えて差し支えないから、その重量平均分子量は、38,000~47,500程度であると考えられる。 また、甲1発明におけるポリエステルポリオールのMw/Mnと同様に、甲1発明におけるポリエステルポリオールの収率も、本件特許明細書の表1記載の収率(83.3%~86.4%)と同程度であると考えられるから、甲1発明のイソフタル酸(官能基数2、分子量166.16):232.4g、アジピン酸(官能基数2、分子量146.14):87.6g、エチレングリコール:42.7g、ネオペンチルグリコール:71.8g、1,6ーヘキサンジオール108.6g、全仕込み量:543.1gの組成を踏まえて、エステル結合濃度を算出すると、次のようになる。 (232.4/166.16×2+87.6/146.14×2)/543.1×収率(0.833~0.864)×1000=8.52~8.83(mmol/g) (特許異議申立書56頁2行ないし57頁6行を参照) b 甲1発明と、ポリエステエルポリオールの物性(分子量、エステル結合濃度)が近い本件特許明細書の実施例21(以下、「実施例21」という。)とを対比すると、ポリエステルポリオールについて、重量平均分子量は甲1発明が38,000~47,500であるのに対し、実施例21が61,000、エステル結合濃度は甲1発明が8.52~8.83であるのに対し、実施例21は8.85であり、エポキシ化合物について、配合量は甲1発明がポリオール100質量部に対して30質量部であるのに対し、実施例21は67質量部であり、ポリイソシアネート化合物について、甲1発明が芳香族系ポリイソシアネート、ポリオール100質量部に対して45.9質量部であるのに対し、実施例21は脂肪族系ポリイソシアネート、ポリオール100質量部に対して28質量部である点で相違する。 そして、甲1発明と実施例21の接着剤の組成の異同を踏まえつつ、実施例21の式(S1-S2)/S1×100の値、及び、本件特許明細書の実施例・比較例から、式(S1-S2)/S1×100の値について特に有意な変化があるとされたエステル結合濃度及びイソシアネート化合物の配合量に着目して、甲1発明の式(S1-S2)/S1×100の値を検討する。 まず、「ポリオール化合物(A)のエステル結合濃度の増加に伴い、式イの値は有意に減少する」ことを踏まえると、エステル結合濃度の観点からは、甲1発明の式(S1-S2)/S1×100の値は、「28.6」(本件特許の実施例21の式の値)と等しいかこれよりも大きく、かつ「43.0」(本件特許の比較例43の式イの値)よりは小さい値であると推定され、次に、「ポリイソシアネート化合物(B)(CAT1またはCAT2)の配合量を増やすと、式イの値は、有意に減少する。」ことを踏まえると、甲1発明の式(S1-S2)/S1×100の値は、「28.6」(本件特許の実施例21の式イの値)よりも小さい値であると推定される。 してみると、甲1発明Aの式(S1-S2)/S1×100の値は、「28.6」(本件特許の実施例21の式(S1-S2)/S1×100の値)と大きく異なるものとはならないと考えられ、10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0を充足すると考えられる。 以上を踏まえると、上記相違点1は相違点ではなく、本件特許発明1は、甲1発明と同じであり、新規性を有しない。 (特許異議申立書57頁8行ないし60頁12行を参照) (イ)上記各主張について検討する。 「主張a」について 特許異議申立人が甲1発明とポリエステルポリオールの物性が近いと主張する本件特許明細書に記載された実施例21におけるポリエステルポリオール(表4の「ポリエステル(a)-7」)の合成条件に関し、本件特許明細書の段落【0095】には「(ポリエステル(a)-7) イソフタル酸305.5部、テレフタル酸122.2部、セバシン酸223.0部、エチレングリコール57.9部、ネオペンチルグリコール291.4部を仕込み、170~230℃で10時間エステル化反応を行った。所定量の水の留出後、テトライソブチルチタネート0.05部を添加し徐々に減圧し、1.3~2.6hPa、230~250℃で3時間エステル交換反応を行い、数平均分子量28,000、重量平均分子量61,000、分子量分布2.18、水酸基価3.88mgKOH/g、酸価0.4mgKOH/g、ガラス転移点-12℃のポリエステルポリオールを、収率83.3%で得た。」と記載されている。 一方、甲1発明によれば、甲1発明のポリエステルポリオールの合成条件は、「イソフタル酸232.4g、エチレングリコール42.7g、ネオペンチルグリコール71.8g、1,6-ヘキサンジオール108.6gを仕込み、200~230℃で6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、アジピン酸87.6g加え、更に6時間エステル化反応を行い、所定量の水の留出後、テトライソブチルチタネート0.13gを添加し徐々に減圧し、1.3~2.6hPa、230~250℃で3時間エステル交換反応を行い、芳香族多塩基酸成分70モル%、数平均分子量19,000のポリエステルポリオールを得」るものである。 してみると、ポリエステルポリオールの合成条件であるエステル化反応において、上記実施例21は1回のエステル化反応を10時間かけて行うものであるのに対し、甲1発明は1回目のエステル化反応を6時間行い、その後、さらに2回目のエステル化反応を6時間かけて行うものであり、また、そもそも、甲1発明のポリエステルポリオールの組成と上記実施例21のポリエステルポリオールの組成とは異なることからすれば、上記実施例21のポリエステルポリオールの合成条件と、甲1発明のポリエステルポリオールの合成条件とは、同様であるとはいえない。 また、本件特許明細書には、甲1発明のポリエステルポリオールの合成条件と同様な合成条件から得られるポリエステルポリオールを含む実施例は見当たらない。 したがって、本件特許の実施例におけるポリエステルポリオールの合成条件と、甲1発明におけるポリエステルポリオールの合成条件が同様の内容であることを前提とした、甲1発明におけるポリエステルポリオールの重量平均分子量が、38,000~47,500程度であり、エステル結合濃度が8.52~8.83(mmol/g)であるとする特許異議申立人の主張aは採用できない。 「主張b」について a 仮に、甲1発明におけるポリエスポリオールの重量平均分子量が38,000~47,500程度であるとしても、本件特許明細書に記載された実施例21におけるポリエステルポリオールの重量平均分子量61,000に対して近いとはいえず、また、本件特許明細書の段落【0032】の「エステル結合を有するポリオールの重量平均分子量は、好ましくは50,000~100,000、より好ましくは55,000~85,000である。重量平均分子量が50,000以上であると、樹脂の伸長性が高まり加工性が向上する。重量平均分子量が100,000以下であると、接着剤の粘度が過度に高くならず、外観不良の発生に伴う成型性の低下を抑制できる。」との記載によれば、上記の甲1発明におけるポリエスポリオールの重量平均分子量は、本件特許明細書に記載された好ましいとされるポリオールの重量平均分子量「50,000~100,000」の範囲よりも低いといえる。 そして、本件特許明細書の段落【0005】の「特許文献3には、重量平均分子量が約4万のポエステルウレタンポリオールと、ポリイソシアネートと、特定のエポキシ当量を有するエポキシ樹脂を所定範囲量含むラミネート接着剤が開示され、リチウムイオン電池等の2次電池の外装材等に用いることができることが記載されている。」、及び、同段落【0009】の「特許文献3に記載されたラミネート用接着剤は、ポリオール成分の重量平均分子量が低く柔らかすぎる組成であるため、本願の特徴である式を満たさない。」との記載からすれば、本件特許明細書において好ましいとされるポリオールの重量平均分子量よりも低い重量平均分子量であるポリエステルポリオールを含む甲1発明では、必ずしも「10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0」を満たすとは限らないと解される。 b また、特許異議申立人が主張する甲1発明のエステル結合濃度「8.52~8.83」は、上記実施例21(本件特許明細書の表4の「エステル結合濃度」の「8.84」を参照)と比較して小さく、異議申立人が主張する甲1発明のポリイソシアネートの配合量「45.9質量部」は、上記実施例21(本件特許明細書の表4の「ポリイソシアネート化合物」の「質量部」の「28」を参照)と比較して多いといえる。 ここで、仮に、特許異議申立人が主張するように「ポリオール化合物(A)のエステル結合濃度の増加に伴い、式イの値は有意に減少」し、また、「ポリイソシアネート化合物(B)(CAT1またはCAT2)の配合量を増やすと、式イの値は、有意に減少する」としても、エステル結合濃度及びポリイソシアネート化合物の配合量それぞれに対して式(S1-S2)/S1×100の値がどの程度変動し、また、その際どの程度相殺されるのか不明である。 また、エステル結合濃度及びポリイソシアネート化合物の配合量のみをもって、甲1発明の式(S1-S2)/S1×100の値が推定可能であることを、実験的に裏付ける証拠も提出されていない。 してみれば、必ずしも甲1発明における式(S1-S2)/S1×100の値が、上記実施例21の式(S1-S2)/S1×100の値である「28.6」(本件特許明細書の表4の「式(S1-S2)/S1×100」の「28.6」と大きく異なるものとはならないとまではいえない。 c そして、本件特許明細書の段落【0009】、【0032】の記載、及び【0008】の「特許文献1、2に記載された包装材は、接着剤層に主にポリエステルポリウレタン樹脂を含むが、エポキシ樹脂を含まないために、ポリエステル骨格の加水分解により分子量が減少し」、同段落【0064】の「エポキシ樹脂(C)を含むことで、金属箔等の金属系素材に対する優れた接着強度を発揮する。また、エポキシ樹脂(C)を含むことで、耐湿熱性が一層向上する。一般的に、接着剤がエステル結合を有すると、高温多湿環境において加水分解で酸が生じ、生じた酸は加水分解の触媒となり分子量の低下が加速する。分子量が低下した結果、凝集力が低下し、デラミネーションを引き起こす。しかしながら、エポキシ樹脂を含むことで、エポキシ樹脂が生じた酸と反応してポリエステルと架橋し、分子量の低下を抑えることができる。その結果、耐湿熱性が向上すると推測される。」との記載からすれば、ポリエステルポリオールの重量平均分子量及びエポキシ樹脂の配合量も、式(S1-S2)/S1×100に影響することは明らかであるところ、そもそも、ポリエステルポリオールの重量平均分子量・エステル結合濃度、エポキシ化合物の配合量、及び、ポリイソシアネート化合物の配合量の全てが変化した場合に、式(S1-S2)/S1×100がどの様に変動するのか不明であり、特許異議申立人も技術的に実証していないことから、上記実施例21のポリエステルポリオールの重量平均分子量・エステル結合濃度、エポキシ化合物の配合量、及び、ポリイソシアネート化合物の配合量の全てが異なる甲1発明における式(S1-S2)/S1×100がどの様な値となるのか判断し得ないといえる。 してみれば、特許異議申立人のエステル結合濃度及びポリイソシアネート化合物の配合量のみに着目し、甲1発明における式(S1-S2)/S1×100の値を検討すること自体、妥当なものとはいえない。 d 以上から、特許異議申立人の「主張b」についても採用できない。 (2)本件発明3ないし7、10ないし12、14ないし16について 請求項3ないし7、10ないし12、14ないし16は、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項であり、本件発明3ないし7、10ないし12、14ないし16は、本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、本件発明3ないし7、10ないし12、14ないし16は甲第1号証に記載された発明ではない。 (3)まとめ 以上のとおり、請求項1、3ないし7、10ないし12、14ないし16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明であるということはできないから、特許法第29条第1項第3号に該当しない。 したがって、請求項1、3ないし7、10ないし12、14ないし16に係る特許は特許法第29条第1項の規定に違反してされたものではない。 3 申立理由2(進歩性)について (1)本件発明1について 特許異議申立人は、本件発明2ないし7、10ないし12、14ないし16は、甲第1号証に記載された発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができた旨主張するところ、事案に鑑み、まず、本件発明1について進歩性を判断する。 ア 対比 上記「2(1)ア」に記載したとおり、本件発明1と甲1発明とを対比すると、一致点、相違点は以下のとおりである。 (一致点) 「ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂(C)を含む蓄電デバイス包装材用接着剤であって、 前記ポリオール化合物(A)がエステル結合を有するポリオールを含む、蓄電デバイス包装材用接着剤。」 (相違点) 本件発明1は「該蓄電デバイス包装材用接着剤を80℃2週間の条件で硬化させて得られる硬化膜を、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際」、「式:10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0」「を満たす」のに対し、甲1発明はその旨特定されていない点。 イ 相違点に対する判断 甲第1号証の段落【0009】、【0017】によれば、甲第1号証には、ポリウレタン系接着剤において、ポリオール成分(A)を含有する主剤と、ポリイソシアネート成分(B)を含有する硬化剤とを含有し、硬化後の接着剤層の100%伸び時の引張り応力が100kg/cm2以上、500kg/cm2以下となるように、主剤成分の組成、硬化剤成分の組成、各成分の配合割合などを適宜調整することが記載されている。 しかしながら、甲第1号証には、ポリオール化合物(A)、ポリイソシアネート化合物(B)、及びエポキシ樹脂(C)を含む蓄電デバイス包装材用接着剤を硬化させて得られる硬化膜の応力緩和について記載や示唆はなく、まして、硬化膜の応力緩和の程度を示す、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際、式:10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0を満たすことについて記載や示唆はない。 そして、ポリエステルポリオール、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンとのアダクト体、を含むポリウレタン接着剤である甲1発明において、接着剤を硬化させて得られる硬化膜が、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際、式:10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0を満たすようにする理由も見当たらない。 また、甲第2号証には、「甲第2号証に記載された技術」が記載され(上記「1(2)」を参照)、また、甲第3号証には、「甲第3号証に記載された技術」が記載されている(上記「1(3)」を参照)ものの、甲第2号証は、エポキシ樹脂の種類、合成法、特性並びに用途等を紹介するものであり、甲第3号証は、金属製自動車部品の製造方法に係るものであって、電池用包装材の接着剤について何ら記載されておらず、まして、接着剤を硬化させて得られる硬化膜が、20℃65%RHの環境下、速度6mm/分で2倍の長さに伸長させた時の応力をS1[N/mm2]、伸長させた状態で100秒間保持した時の応力をS2[N/mm2]とした際、式:10.0≦(S1-S2)/S1×100≦40.0を満たすようにする記載も示唆もない。 してみると、甲1発明及び甲第1号証に記載された事項から、上記相違点に係る構成を導き出すことはできず、仮に、甲1発明に甲第2号証に記載された技術及び甲第3号証に記載された技術を採用したとしても、相違点に係る構成を導き出すことはできない。 よって、上記相違点に係る構成は、甲1発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて当業者が容易になし得たものとはいえない。 ウ 小括 以上から、本件発明1は、甲1発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明2ないし7、10ないし12、14ないし16について 請求項2ないし7、10ないし12、14ないし16は、請求項1を直接又は間接的に引用する請求項であり、本件発明2ないし7、10ないし12、14ないし16は、本件発明1の発明特定事項をすべて含みさらに他の発明特定事項を追加して限定したものであるから、上記本件発明1についての判断と同様の理由により、甲1発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)まとめ 以上から、請求項2ないし7、10ないし12、14ないし16に係る発明は、甲第1号証に記載された発明及び甲第1号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、請求項2ないし7,10ないし12、14ないし16に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。 第5 むすび 以上のとおり、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、請求項1ない7、10ないし12、14ないし16に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1ない7、10ないし12、14ないし16に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700895

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