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特許異議申立

2023-700850

メタルマスク基材、および、メタルマスクの製造方法

審判番号
2023-700850
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-011018
登録番号
7226459
請求日
2023年08月18日
審決日
2023年11月22日
公報発行日
2023年12月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】TOPPANホールディングス株式会社
  • 【権利者代理人】恩田 誠
  • 【権利者代理人】恩田 博宣
  • 【異議申立人】山田 芳男
審判長/審判官
  • 審判長 日比野 隆治
  • 審判官 宮澤 尚之
  • 審判官 立木 林
分類
P1651.121-Y (C23C) / P1651.536-Y (C23C) / P1651.537-Y (C23C)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第36条第4項第1号、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第6項第2号
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7226459号発明「メタルマスク基材、および、メタルマスクの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7226459号の請求項1~4に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7226459号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、2016年(平成28年)3月22日(優先権主張 平成27年7月17日)を国際出願日とする特願2017-529473号の一部を、平成30年10月23日に新たな特許出願とした特願2018-199363号の一部を、さらに令和3年1月27日に新たな特許出願としたものであって、令和5年2月13日にその特許権の設定登録がされ、同月21日に特許掲載公報が発行された。 その後、その請求項1~4に係る特許に対して、令和5年8月18日に特許異議申立人山田芳男(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされた。 第2 本件特許請求の範囲の記載(本件発明) 本件特許請求の範囲の記載は、次のとおりである。そして、本件特許の請求項1~4に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」などという。)は、その記載事項により特定されるとおりのものである。 「【請求項1】 有機EL素子の製造に用いられる蒸着用のメタルマスクであって、金属板から構成され、前記金属板の表面に形成された開口が外部に露出し、かつ、前記開口が前記有機EL素子の形成材料が蒸着される基板に対向する前記蒸着用のメタルマスクを製造するためのメタルマスク基材であって、 前記メタルマスク基材は、 10μm以上50μm以下の厚さを有した圧延材であり、 ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され、パターニングされた前記ドライフィルムレジストを用いてエッチングされることによって前記開口が形成される表面を備え、 前記表面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、 前記表面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下である メタルマスク基材。 【請求項2】 前記表面が第1面であり、 前記ドライフィルムレジストが第1ドライフィルムレジストであり、 前記第1面とは反対側の面であって、第2ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され、パターニングされた前記第2ドライフィルムレジストを用いてエッチングされるための第2面をさらに備え、 前記第2面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、 前記第2面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下である 請求項1に記載のメタルマスク基材。 【請求項3】 前記メタルマスク基材は、鉄とニッケルとを主成分とする合金製である 請求項1または2に記載のメタルマスク基材。 【請求項4】 有機EL素子の製造に用いられる蒸着用のメタルマスクを製造する方法であって、金属板から構成され、前記金属板の表面に形成された開口が外部に露出し、かつ、前記開口が前記有機EL素子の形成材料が蒸着される基板に対向する前記蒸着用のメタルマスクを製造するメタルマスクの製造方法であって、 10μm以上50μm以下の厚さを有した圧延材であって、ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され、パターニングされた前記ドライフィルムレジストを用いてエッチングされることによって前記開口が形成される表面を備え、前記表面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、前記表面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下であるメタルマスク基材を準備することと、 前記表面に前記ドライフィルムレジストを配置することと、 前記メタルマスク基材に、前記メタルマスク基材の厚さ方向に沿って窪み、かつ、前記表面に開口を有した複数の凹部を形成するための貫通孔を前記ドライフィルムレジストに形成することと、 前記ドライフィルムレジストを介して、前記メタルマスク基材に複数の前記凹部を形成することと、 前記ドライフィルムレジストを前記凹部が形成された前記メタルマスク基材から除去することと、を備える メタルマスクの製造方法。」 第3 特許異議の申立てについて 1 特許異議申立理由の概要 申立人が主張する特許異議申立理由は、概略、以下のとおりである。 ここで、申立人が提出した証拠方法は、次のものである。 甲第1号証 特許第5641462号公報 甲第2号証 特開2015-129334号公報 (1) 申立理由1(進歩性欠如) 本件発明1及び3は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基いて、また、本件発明2及び4は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明並びに周知技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 (2) 申立理由2(実施可能要件違反) 本件発明1~4に係る特許は、発明の詳細な説明の記載が後記2(2)アの点で不備のため、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (3) 申立理由3(サポート要件違反) 本件発明1~4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が後記2(3)アの点で不備のため、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 (4) 申立理由4(明確性要件違反) 本件発明1~4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が後記2(4)アの点で不備のため、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2 当審の判断 (1) 申立理由1(進歩性欠如)について ア 甲第1号証に記載された発明 甲第1号証には、「金属板、金属板の製造方法、および金属板を用いてマスクを製造する方法」(発明の名称)について記載され、【請求項5】の「金属板」及び【請求項9】の「蒸着マスクの製造方法」に注目すると、次の発明(それぞれ、「甲1発明1」、「甲1発明2」という。)が記載されていると認められる。 (甲1発明1) 「複数の貫通孔を形成して蒸着マスクを製造するために用いられる長尺状の金属板であって、 前記金属板の長手方向における前記金属板の板厚の平均値は、所定値±3%の範囲内となっており、 前記金属板における板厚のばらつきに関して、以下の条件(1),(2)が満たされている、 (1)長手方向における前記金属板の板厚の平均値をAとし、長手方向における前記金属板の板厚の標準偏差に3を掛けた値をBとするとき、(B/A)×100(%)が5%以下であること;及び、 (2)幅方向における前記金属板の板厚の標準偏差に3を掛けた値をCとし、幅方向における前記金属板の板厚の標準偏差を算出するために幅方向に沿って前記金属板の板厚を測定する際に得られる、幅方向の中央部における前記金属板の板厚の値をXとするとき、(C/X)×100(%)が3%以下であること; 金属板。」 (甲1発明2) 「複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを製造する方法であって、 長手方向における板厚の平均値が所定値±3%の範囲内である長尺状の金属板を準備する工程と、 前記金属板上にレジストパターンを形成するレジストパターン形成工程と、 前記金属板のうち前記レジストパターンによって覆われていない領域をエッチングし、前記金属板に、前記貫通孔を画成するようになる凹部を形成するエッチング工程と、を備え、 前記金属板における板厚のばらつきに関して、以下の条件(1),(2)が満たされている、 (1)長手方向における前記金属板の板厚の平均値をAとし、長手方向における前記金属板の板厚の標準偏差に3を掛けた値をBとするとき、(B/A)×100(%)が5%以下であること;及び、 (2)幅方向における前記金属板の板厚の標準偏差に3を掛けた値をCとし、幅方向における前記金属板の板厚の標準偏差を算出するために幅方向に沿って前記金属板の板厚を測定する際に得られる、幅方向の中央部における前記金属板の板厚の値をXとするとき、(C/X)×100(%)が3%以下であること; 蒸着マスクの製造方法。」 イ 本件発明1について (ア) 本件発明1と甲1発明1との対比 本件発明1と甲1発明1とを対比すると、甲1発明1の「複数の貫通孔を形成して蒸着マスクを製造するために用いられる長尺状の金属板」は、本件発明1の「蒸着用のメタルマスクを製造するためのメタルマスク基材」に相当するところ、本件発明1では、「メタルマスク基材」の「表面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、前記表面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下である」ことが特定されているのに対して、甲1発明1では、「金属板」の表面の三次元表面粗さが明らかでない点で少なくとも相違している(以下、この相違点を「相違点1」という。)。 (イ) 相違点1の検討 本件特許の願書に添付された明細書(以下、「本件特許明細書」という。)には、メタルマスク基材の表面の三次元表面粗さSaを0.11μm以下とし、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすることで、金属製の表面とドライフィルムレジストとの間の密着性が高められることが記載されている(【0009】、【0023】)。 他方、甲第1号証には、蒸着マスクを製造するために用いられる長尺状の金属板の板厚のばらつきについて記載されているものの、当該金属板の表面粗さやレジストとの密着性に関しては何ら記載も示唆もされていない。 また、ドライフィルムレジストとの密着性を向上させるために、蒸着マスク(蒸着用のメタルマスク)を製造するために用いられる金属板(メタルマスク基材)の表面の三次元表面粗さSaを0.11μm以下、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすることは、甲第2号証にも記載されていないし、このような事項が周知技術であることを示す証拠もない。 したがって、甲1発明1において、「金属板」の表面の三次元表面粗さSaを0.11μm以下とし、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすること(相違点1に係る本件発明1の構成とすること)は、当業者にとって容易想到の事項といえない。 (ウ) 申立人の主張について a 申立人の主張の概要 申立人は、甲1発明1の板厚のばらつきの標準偏差から、最大高さSz、二乗平均平方根高さSq、及び、算術平均高さSa等を導き出した上で、本件発明1の「表面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、前記表面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下である」ことに到達することは、当業者にとって容易想到の事項である旨を主張している(特許異議申立書第12頁第23行~第16頁第13行)。 b 申立人の主張の検討 そもそも、金属板の板厚のばらつきを当該金属板の表面粗さに換算できるとの技術常識は存在しない。 また、申立人の主張は、金属板の板厚のばらつきと表面の三次元表面粗さのそれぞれの測定方法や測定領域の違いを考慮していない。 すなわち、本件発明1の表面の三次元表面粗さSa、三次元表面粗さSzは、本件特許明細書の【0081】に記載されているように、「50倍の対物レンズを装着した形状解析レーザ顕微鏡(VK-X210、(株)キーエンス製)」を用いて、「1つの方向における約280μmの幅と、1つの方向と直交する方向における約220μmの幅とを有する面」において測定されたものであり、VK-X210の幅方向の表示分解能が0.001μmであること(株式会社キーエンスのホームページ(https://www.keyence.co.jp/products/microscope/laser-microscope/vk-x100_x200/models/vk-x210/)参照)を考慮すれば、金属表面のサブミクロンオーダーの領域での変化を示すものであると理解するのが合理的である。 他方、甲第1号証の【0073】、【0077】、【0078】の記載によれば、甲1発明1の膜厚は、蛍光X線膜厚計によって測定されたものであって、そのばらつきは、例えば、「長手方向D1における500mmの範囲と、幅方向D2における500mmの範囲とによって画定される所定領域内」における27箇所の測定点で測定された膜厚のばらつきであるから、申立人の主張する最大高さSz等は、ミリオーダーの領域での変化を示しているにすぎないものと解される。 したがって、両者の測定方法や測定領域を考慮して考えると、甲1発明1の金属板の板厚のばらつきの標準偏差から算出した最大高さSz等の値に基づいて、直ちに、その表面の三次元表面粗さが求まるとはいいがたい。 よって、申立人の主張は採用できない。 (エ) 小括 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 ウ 本件発明2、3について 本件発明2、3は、本件発明1の全ての特定事項を含むものであるから、前記イで検討したのと同様の理由により、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 エ 本件発明4について (ア) 本件発明4と甲1発明2との対比 本件発明4と甲1発明2とを対比すると、甲1発明2の「複数の貫通孔が形成された蒸着マスクを製造する方法」、「長尺状の金属板」は、それぞれ、本件発明4の「蒸着用のメタルマスクを製造するメタルマスクの製造方法」、「メタルマスク基材」に相当するところ、本件発明4では、「メタルマスク基材」の「表面の三次元表面粗さSaが0.11μm以下であり、前記表面の三次元表面粗さSzが3.17μm以下である」ことが特定されているのに対して、甲1発明2では、「金属板」の表面の三次元表面粗さが明らかでない点で少なくとも相違している(以下、この相違点を「相違点2」という。)。 (イ) 相違点2の検討 相違点2は、前記イ(ア)の相違点1と同様であるから、前記イ(イ)で検討したのと同様に、甲1発明2において、「金属板」の表面の三次元表面粗さSaを0.11μm以下とし、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすること(相違点2に係る本件発明4の構成とすること)は、当業者にとって容易想到の事項といえない。 (ウ) 小括 したがって、本件発明4は、甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものとはいえない。 エ 申立理由1についての結論 以上の検討のとおり、申立理由1に理由はない。 (2) 申立理由2(実施可能要件違反)について ア 具体的な指摘事項 申立理由2は、要するに、発明の詳細な説明には、(i)「ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成された表面」がどのような構成であるのか、及び、(ii) 三次元表面粗さSaを0.11μm以下かつ三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすることが、メタルマスク基材とドライフィルムレジストの密着性を高めるための十分条件であるのかについて記載されていないから、発明の詳細な説明は、本件発明1~4を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではない、というものである。 イ 当審の判断 本件発明1及び4における「ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され」た「表面」は、本件特許明細書の記載を踏まえれば、ドライフィルムレジストが貼り付けられるための表面であることを特定していると解するのが自然である。 また、本件特許明細書には、メタルマスク基材の表面(第1面)の三次元表面粗さSaを0.11μm以下、かつ、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすることで、表面(第1面)と表面(第1面)に貼り付けられる第1ドライフィルムレジストとの間に隙間が形成されにくくなり、第1ドライフィルムレジストとメタルマスク基材の表面(第1面)との界面における密着性が高まることが記載され(【0023】)、さらに、実施例において、メタルマスク基材の表面の三次元表面粗さSa及び三次元表面粗さSzを小さくすることで、メタルマスク基材とドライフィルムレジストの密着性が高められていることが確認されている(実施例1、比較例1)。 これらのことを併せ考えれば、本件発明1及び4において、メタルマスク基材の表面の三次元表面粗さSaを0.11μm以下、かつ、三次元表面粗さSzを3.17μm以下とすることが、メタルマスク基材とドライフィルムレジストの密着性を高めるための十分条件であることも明らかである。 したがって、発明の詳細な説明の記載が、本件発明1~4を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されていないとはいえない。 ウ 申立理由2についての結論 以上の検討のとおり、申立理由2に理由はない。 (3) 申立理由3(サポート要件違反)について ア 具体的な指摘事項 申立理由3は、要するに、三次元表面粗さSzが3.17μmである表面を有するメタルマスク基材にドライフィルムレジストを貼り付けて密着性を得るためには、ドライフィルムレジストの厚さは3.17μmよりも厚いことが必要であるところ、本件特許明細書には、厚さ3.17μm以下のドライフィルムレジストを貼り付けることは記載されていないから、厚さ3.17μm以下のドライフィルムレジストを貼り付ける場合を含む本件発明1~4は、発明の詳細な説明に記載された発明ではない、というものである。 イ 当審の判断 申立人は、三次元表面粗さSzが3.17μmである表面を有するメタルマスク基材にドライフィルムレジストを貼り付けて密着性を得るために、ドライフィルムレジストの厚さは3.17μmよりも厚いことが必要であることの理由については、何ら説明していない。また、メタルマスク基材とドライフィルムレジストとの密着性にドライフィルムレジストの厚さが直接関係することを示す証拠もない。 したがって、本件発明1~4において、ドライフィルムレジストの厚さが3.17μmよりも厚いことが必要であるとはいえないから、本件発明1~4が発明の詳細な説明に記載された発明でないとはいえない。 ウ 申立理由3についての結論 以上の検討のとおり、申立理由3に理由はない。 (4) 申立理由4(明確性要件違反)について ア 具体的な指摘事項 申立理由4は、要するに、(i)本件発明1及び4における「ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され」とは、どのような構成であるのかが不明であるし、また、(ii)「ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され」との記載だけでは、メタルマスク基材とドライフィルムレジストの密着性を高めるために、三次元表面粗さSaを0.11μm以下かつ三次元表面粗さSzを3.17μm以下とする以外にどのような構成とすべきかが不明であるから、特許請求の範囲の記載は、特許を受けようとする発明が明確であるという要件を満たしていない、というものである。 イ 当審の判断 前記(2)イで検討したのと同様に、本件発明1及び4における「ドライフィルムレジストが貼り付けられるように構成され」た「表面」とは、ドライフィルムレジストが貼り付けられるための表面を示していると解するのが自然であるし、また、メタルマスク基材とドライフィルムレジストの密着性を高めるために、メタルマスク基材の表面の三次元表面粗さSa及び三次元表面粗さSz以外の特定が必要でないことも明らかであるから、特許請求の範囲の記載が第三者に不測な不利益を及ぼすほどの不備を有するとはいえない。 ウ 申立理由4についての結論 以上の検討のとおり、申立理由4に理由はない。 第4 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件特許の請求項1~4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に当該請求項1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700850

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