2023-700837
防眩フィルム
- 審判番号
- 2023-700837
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-000353外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7225137
- 請求日
- 2023年08月15日
- 審決日
- 2023年10月30日
- 公報発行日
- 2023年12月28日
- 結論
- 維持
- 分類
- P1651.113-Y (G02B) / P1651.121-Y (G02B) / P1651.537-Y (G02B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第36条、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
結論
理由
目次 ▾ 12項目
第1 手続等の経緯
特許第7225137号(以下「本件特許」という。)の請求項1~5に係る特許についての出願(特願2020-353号)は、平成27年7月30日に出願した特願2015-150986号の一部を令和2年1月6日に新たな特許出願としたものであって、令和5年2月10日にその特許権の設定登録がされ、同月20日に特許掲載公報が発行された。
本件特許について、特許掲載公報の発行の日から6月以内である同年8月15日に特許異議申立人 尾坂道義(以下「特許異議申立人」という。)から請求項1~5に対して特許異議の申立てがされた。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~5に係る発明(以下、請求項に付す番号を使って、それぞれ、「本件特許発明1」などという。)は、特許請求の範囲の請求項1~5に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】透明基材層と、該透明基材層の少なくとも片側に配置され、バインダー樹脂および粒子を含む、防眩層と、該透明基材層と該防眩層との間に形成され、該透明基材層を構成する材料の少なくとも一部および該バインダー樹脂の少なくとも一部とを含む、中間層とを備え、続きを表示(全20行)該中間層の厚みが、該防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%である、防眩フィルム。【請求項2】前記バインダー樹脂の屈折率(n1)に対する前記粒子の屈折率(n2)の比(n2/n1)が、0.8~1.2である、請求項1に記載の防眩フィルム。【請求項3】前記透明基材層が樹脂フィルムから形成され、前記防眩層が、硬化性化合物、粒子および溶媒を含む防眩層形成用組成物を用いて形成され、該溶媒のSP値と、該樹脂フィルムを構成する樹脂のSP値との差(樹脂SP値-溶媒SP値)が、-10~20(cal/cm3)1/2である、請求項1または2記載の防眩フィルム。【請求項4】前記防眩層の厚みと、前記粒子の重量平均粒子径との比(粒子の重量平均粒径/防眩層の厚み)が、0.15~2.0である、請求項1から3のいずれかに記載の防眩フィルム。【請求項5】請求項1から4のいずれかに記載の防眩フィルムと、該防眩フィルムの片側に配置された画像表示セルとを備え、該防眩フィルムが、前記透明基材層が該画像表示セル側にして配置され、前記中間層と該画像表示セルとの間に、ギャップが形成され、該ギャップの大きさが100μm~700μmである、画像表示装置。」
第3 申立理由の概要
1 新規性
(1)甲1号証を主引用例とする場合
本件特許発明1、3及び4は、下記甲1号証に記載された発明であり、特許法29条1項3号に掲げる発明に該当するから、請求項1、3及び4に係る特許は、いずれも、特許法29条の規定に違反してされたものである。
(2)甲2号証を主引用例とする場合
本件特許発明1及び4は、下記甲2号証に記載された発明であり、特許法29条1項3号に掲げる発明に該当するから、請求項1及び4に係る特許は、いずれも、特許法29条の規定に違反してされたものである。
(3)甲3号証を主引用例とする場合
本件特許発明1及び2は、下記甲3号証に記載された発明であり、特許法29条1項3号に掲げる発明に該当するから、請求項1及び2に係る特許は、いずれも、特許法29条の規定に違反してされたものである。
2 進歩性
(1)甲1を主引用例とする場合
本件特許発明1及び3~5は、下記甲1号証に記載された発明又は下記甲1号証及び下記甲4号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1及び3~5に係る特許は、特許法29条の規定に違反してされたものである。
本件特許発明2は、下記甲1号証及び下記甲5号証に記載された発明又は下記甲1号証、下記甲4号証及び下記甲5号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法29条の規定に違反してされたものである。
(2)甲2号証を主引用例とする場合
本件特許発明1及び3~5は、下記甲2号証に記載された発明又は下記甲2号証及び下記甲4号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1及び3~5に係る特許は、特許法29条の規定に違反してされたものである。
本件特許発明2は、下記甲2号証及び下記甲5号証に記載された発明又は下記甲2号証、下記甲4号証及び下記甲5号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法29条の規定に違反してされたものである。
(3)甲3号証を主引用例とする場合
本件特許発明1~5は、下記甲3号証に記載された発明又は下記甲3号証及び下記甲4号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1~5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
3 サポート要件
本件特許の特許請求の範囲の請求項1~5に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでないから、本件特許は、特許法36条6項に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
4 特許異議申立人が提出した証拠は以下のとおりである。
(当合議体注:甲1、甲2及び甲3は、いずれも主引用例であり、甲4及び甲5は、副引用例である。甲6~10は、周知技術又は技術常識を示す文献である。)
第4 当合議体の判断
1 甲1を主引用例とする場合
(1)甲1発明
甲1には、実施例4に係る光学積層体の発明(甲1の【0095】、【0096】~【0097】、【0100】及び【0102】【表1】参照。以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。
「(メタ)アクリル系樹脂フィルムである基材フィルムAからなる基材層と、基材層の片側に配置され、9官能ウレタンアクリルオリゴマーの硬化物を含む、ハードコート層と、基材層とハードコート層との間に形成され、基材層を構成する材料の一部およびバインダ一樹脂の一部とを含む、浸透層とを備え、浸透層の厚みが、1.3μmであり、ハードコート層の厚みが、5.3μmである、光学積層体」
(当合議体注:上記【表1】の「中間層の厚み」欄の「中間層」は「浸透層」の誤記である。)
(2)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)透明基材層
甲1発明の「基材層」は、(メタ)アクリル系樹脂フィルムである基材フィルムAからなり、透明であるといえる。
そうすると、甲1発明の「基材層」は、本件特許発明1の「透明基材層」に相当する。
(イ)防眩層
甲1発明の「9官能ウレタンアクリルオリゴマー」が硬化したものは、バインダー樹脂であるといえる。また、甲1発明の「ハードコート層」は、基材層の片側に配置され、バインダー樹脂を含む層であるといえる。
そうすると、甲1発明の「ハードコート層」と本件特許発明1の「防眩層」は、「透明基材層の少なくとも片側に配置され、バインダー樹脂」「を含む」「層」(以下「層A」という。)である点で共通する。
(ウ)中間層
甲1発明の「浸透層」は、基材層とハードコート層との間に形成され、基材層を構成する材料と9官能ウレタンアクリルオリゴマーが硬化したものを含む層であるといえる。
そうすると、甲1発明の「浸透層」と本件特許発明1の「中間層」は、「該透明基材層と該」「層Aとの間に形成され、該透明基材層を構成する材料の少なくとも一部および該バインダー樹脂の少なくとも一部とを含む」「中間層」である点で共通する。
(エ)甲1発明の「浸透層」の厚みは1.3μmであり、「ハードコート層」の厚みは5.3μmであり、「浸透層」の厚みが、「ハードコート層」の厚みに対して、24.5%である。
そうすると、甲1発明と本件特許発明1は、「当該中間層の厚みが、該層Aの厚みに対して、17.6%~27.2%である」点で共通する。
(オ)甲1発明の「光学積層体」と本件特許発明の「防眩フィルム」は、「光学積層体」である点で共通する。
イ 一致点・相違点
上記アの対比結果により、本件特許発明1と甲1発明は、
「透明基材層と、該透明基材層の少なくとも片側に配置され、バインダー樹脂を含む、層Aと、該透明基材層と該A層との間に形成され、該透明基材層を構成する材料の少なくとも一部および該バインダー樹脂の少なくとも一部とを含む、中間層とを備え、該中間層の厚みが、該層Aの厚みに対して、17.6%~27.2%である、光学積層体。」
の点で一致し、下記の点で相違する。
(相違点1-1)
本件特許発明1は「防眩フィルム」であるのに対し、甲1発明は防眩フィルムでない点。
(相違点1-2)
層Aについて、本件特許発明1では、「バインダー樹脂および粒子を含む、防眩層」であるのに対し、甲1発明では、防眩層でない点。
(相違点1-3)
中間層につき、本件特許発明1では、「該透明基材層と該防眩層との間に形成され」るのに対し、甲1発明では、基材層と防眩層との間に形成されていない点。
(相違点1-4)
本件特許発明1では、「透明基材層と該防眩層との間」の「中間層の厚みが、該防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%である」のに対し、甲1発明は、そもそも「防眩層」を有しないことから、防眩層の厚みに対する浸透層の厚みの比率が不明である(特定できない)点。
ウ 判断
(ア)新規性について
上記イにより、本件特許発明1と甲1発明には、上記相違点1-1~相違点1-4がある。
そうすると、本件特許発明1は、甲1発明ではない。
(イ)進歩性について
事案に鑑み、相違点1-4について検討する。
防眩フィルムにおいて、透明基材層と防眩層との間に形成され、透明基材層を構成する材料の少なくとも一部および防眩層のバインダー樹脂の少なくとも一部とを含む中間層の厚みを、防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%とする技術的事項は、特許異議申立人が提出した甲1~甲10のいずれにも記載されておらず、また、当該技術的事項が公知の技術又は周知慣用技術であることを示す証拠を発見することもできない。
防眩性の付与に関して、甲1の【0075】には「1つの実施形態においては、ハードコート層の基材層とは反対側の表面は、凹凸構造を有する。ハードコート層の表面が凹凸構造であれば、光学積層体に防眩性を付与することができる。このような凹凸構造を形成する方法としては、例えば、ハードコート層形成用組成物に微粒子を含有させる方法が挙げられる。微粒子は無機微粒子であってもよく、有機微粒子であってもよい。」と記載されているが、微粒子により凹凸構造が形成されたハードコート層(防眩層)の厚みに対する浸透層(本件特許発明の「中間層」)の厚みの比率に着目すること及びその比率が17.6%~27.2%となるように何らかの調整を行うことをうかがわせるような記載や示唆はない。
そうすると、甲1発明において、相違点1-4に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるということはできない。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、本件特許発明1は、甲1発明及び甲2~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(ウ)特許異議申立人が主張する甲1発明Bについて
特許異議申立人が、甲1に記載された発明として主張する「甲1発明B」(特許異議申立書23頁)は、甲1の「光学積層体」における各層(ハードコート層、浸透層等)おいて好ましいとされる選択肢を寄せ集めた発明であって、1つのまとまりのある技術思想としての発明として甲1に開示されているとは認めがたいが、仮に「甲1発明B」が甲1に開示されているとしても、これを主引用発明とした場合においても、本件特許発明1と甲1発明Bとは、少なくとも上記相違点1-4において相違するから、その判断は上記(ア)及び(イ)と同様になる。
エ 小括
本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではない。また、本件特許発明1は、甲1に記載された発明及び甲2~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)本件特許発明2~5について
本件特許の特許請求の範囲の請求項2~5は、いずれも、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、本件特許発明2~5は、いずれも、本件特許発明1の構成を全て具備し、これに限定を加えたものに該当する。
そうすると、前記(2)のとおり、本件特許発明1が、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1に記載された発明及び甲2~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない以上、本件特許発明2~5は、いずれも、甲1に記載された発明ではなく、また、甲1に記載された発明及び甲2~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 甲2を主引用例とする場合
(1)甲2発明
甲2には、実施例1に係る光学積層体の発明(甲2の【0102】、【0103】、【0105】及び【0116】【表1】参照。以下「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
(2)対比・判断
本件特許発明1と甲2発明とを対比すると、両発明は、少なくとも上記1(2)イの相違点1-4と同様の点で相違する。
そして、当該相違点についての判断は、上記1(2)ウ(イ)で説示したのと同様である。
(3)特許異議申立人が主張する甲2発明Aについて
特許異議申立人が、甲2に記載された発明として主張する「甲2発明A」(特許異議申立書28頁)については、上記1(2)ウ(ウ)で述べたのと同様である。
(4)小括
したがって、本件特許発明1は、甲2に記載された発明ではない。また、本件特許発明1は、甲2に記載された発明並びに甲1及び甲3~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。さらに、本件特許発明2~5は、いずれも、甲2に記載された発明ではなく、また、甲2に記載された発明並びに甲1及び甲3~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 甲3を主引用例とする場合
(1)甲3発明
甲3には、防眩性フィルムの発明(甲3の【0058】及び【図6】(b)参照。以下「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
(2)対比
本件特許発明1と甲3発明とを対比すると、両発明は、少なくとも上記1(2)イの相違点1-4と同様の下記相違点3で相違する。
(相違点3)
本件特許発明1では、「該中間層の厚みが、該防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%である」のに対し、甲3発明では、防眩層の厚みに対する浸透層の厚みの比率が不明である点。
(3)判断
ア 新規性について
上記(2)により、本件特許発明1と甲3発明には相違点3がある。
そうすると、本件特許発明1は、甲3発明ではない。
イ 進歩性について
相違点3について検討する。
防眩フィルムにおいて、透明基材層と防眩層との間に形成され、透明基材層を構成する材料の少なくとも一部および防眩層のバインダー樹脂の少なくとも一部とを含む中間層の厚みを、防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%とする技術的事項は、特許異議申立人が提出した甲1~甲10のいずれにも記載されておらず、また、当該技術的事項が公知の技術又は周知慣用技術であることを示す証拠を発見することもできない。
甲3には、【0044】に「前記防眩層の厚み(d)は、特に制限されないが、3~12μmの範囲内にあることが好ましい。・・・前記防眩層の厚み(d)は、より好ましくは、3~8μmの範囲内である」こと、【0049】に「前記浸透層は、厚みが0.2~3μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.5~2μmの範囲である」ことが記載されているが、いずれの段落にも浸透層の厚みに係る数値範囲が記載されているにとどまり、防眩層の厚みに対する浸透層の厚みの比率に着目すること及びその比率を17.6%~27.2%となるように何らかの調整を行うことをうかがわせるような記載や示唆はない。
そうすると、甲3発明において、相違点3に係る本件特許発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たことであるということはできない。
(4)小括
したがって、本件特許発明1は、甲3に記載された発明ではない。また、本件特許発明1は、甲3に記載された発明並びに甲1、甲2及び甲4~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。さらに、本件特許発明2~5は、いずれも、甲3に記載された発明ではなく、また、甲3に記載された発明並びに甲1、甲2及び甲4~甲10に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
4 サポート要件について
(1)特許請求の範囲の記載が明細書のサポート要件に適合するか否かは、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載を対比し、特許請求の範囲で特定された発明が、発明の詳細な説明に記載された発明で、発明の詳細な説明の記載又はその示唆により当業者が当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否か、また、その記載や示唆がなくとも当業者が出願時の技術常識に照らし当該発明の課題を解決できると認識できる範囲のものであるか否かを検討して判断すべきである。
(2)本件特許発明が解決しようとする課題について
本件特許明細書の【0007】等の記載から、本件特許発明が解決しようとする課題は、「高精細化と耐熱性とが求められる画像表示装置においても、防眩性および透明性を維持しつつ、さらに、ギラツキを抑制し得る防眩フィルムを提供すること」であると認められる。
(3)請求項1~5に係る発明について
本件特許の請求項1には「該中間層の厚みが、該防眩層の厚みに対して、17.6%~27.2%である」と記載されている。
当該記載に関する、本件特許明細書の【0088】【表1】、【0089】【表2】及び【0090】の記載によれば、当業者は、防眩フィルムにおいて、中間層の厚みを防眩層の厚みに対して17.6%~27.2%とすると、防眩性及び透明性に優れ、かつ、ギラツキを抑制し得ることを認識できるといえる。
そうすると、本件特許の請求項1及び請求項1を直接又は間接的に引用する2~5に係る発明は、いずれも、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記(2)の課題を解決できると認識できる範囲のものである。
(4)請求項3~5に係る発明について
本件特許明細書の【0065】には「上記防眩層形成用組成物に含まれる溶媒のSP値と、上記樹脂フィルムを構成する樹脂のSP値との差(樹脂SP値-溶媒SP値)は、好ましくは-10~20(cal/cm3)1/2であり」と記載されている。また、本件特許明細書の【0051】に記載されているように、SP値は公知の方法により算出されるものであり、本件特許明細書に記載された各実施例においても「樹脂SP値-溶媒SP値」を算出することができる。
そうすると、本件特許の請求項3及び請求項3を直接又は間接的に引用する4~5に係る発明は、いずれも、発明の詳細な説明の記載により当業者が上記(2)の課題を解決できると認識できる範囲のものである。
(5)小括
したがって、本件特許の請求項1~5に係る発明は、いずれも、発明の詳細な説明に記載されたものであり、本件特許の請求項1~5の記載は、特許法36条6項1号に適合する。
第5 むすび
請求項1~5に係る特許は、いずれも、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。
また、他に請求項1~5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。
2023-700837