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特許異議申立

2023-700527

デッキプレート構造

審判番号
2023-700527
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2022-010954
登録番号
7176141
請求日
2023年05月19日
審決日
2026年03月23日
公報発行日
2026年06月26日
結論
請求成立(取消)
当事者
  • 【権利者】日鉄建材株式会社
  • 【権利者代理人】内田 雄久
  • 【権利者代理人】安彦 元
  • 【異議申立人】鈴木 憲治
審判長/審判官
  • 審判長 居島 一仁
  • 審判官 立澤 正樹
  • 審判官 家田 政明
分類
P1651.113-ZB (E04B) / P1651.121-ZB (E04B) / P1651.841-ZB (E04B)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条1項3号特許法29条2項特許法113条2号
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第7項、特許法第29条第1項第3号、特許法第29条第1項、特許法第113条第2号、特許法第29条、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7176141号発明「デッキプレート構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7176141号の請求項1~7に係る特許を取り消す。

理由

理 由 第1 手続の経緯 1 出願の経緯の概略 特許第7176141号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、令和4年1月27日に出願され、令和4年11月11日にその特許権の設定登録がされ、同月21日に特許掲載公報が発行されたものである。 その後、その特許に対し、令和5年5月19日に、特許異議申立人 鈴木 憲治(以下「申立人」という。)より、特許異議申立書(以下「申立書」という。)が提出され、本件特許の請求項1~7に係る特許について、特許異議の申立てがされた。 本件特許異議の申立て以降の経緯の概要は、次のとおりである。 令和5年 5月19日 :特許異議の申立て 同年 9月11日付け:取消理由通知書 同年11月13日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和6年 1月22日 :申立人による意見書の提出 同年 3月21日付け:取消理由通知書(決定の予告) 同年 5月24日 :特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 同年 6月20日付け:手続補正指令書(方式)2通 同年 7月 9日 :特許権者による手続補正書(方式)2通の 提出 令和7年 3月31日付け:訂正拒絶理由通知書 同年 5月 1日 :特許権者による意見書及び手続補正書(方 式)の提出 (添付書類:訂正請求書、訂正特許請求の範囲) 同年 6月 3日付け:手続補正指令書(方式) 同月11日 :手続補正書(方式) なお、令和6年5月24日に訂正の請求がされたので、令和5年11月13日にされた先の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなす。 また、令和6年7月9日提出の手続補正書(方式)は、令和6年5月24日提出の意見書について、提出された乙号証の書籍の発行日が誤っている旨を通知した令和6年6月20日付け手続補正指令書(方式)に対応するように補正したもの、及び、令和6年5月24日提出の訂正請求書について、記載した条文が誤っている旨を通知した令和6年6月20日付け手続補正指令書(方式)に対応するように補正したものである。 そして、令和7年6月11日提出の手続補正書(方式)は、令和7年5月1日提出の意見書について、提出された乙号証の書籍の発行日が誤っている旨を通知した令和7年6月3日付け手続補正指令書(方式)に対応するように補正したものである。 第2 訂正の適否 1 令和6年7月9日提出の手続補正書(方式)により補正された令和6年5月24日提出の訂正請求書(以下「本件訂正請求書」という。)による訂正の内容は、以下のとおりである(下線部は訂正箇所を示す。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「木製軸組と複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造であって、」と記載されているのを、 「木製軸組と複数のデッキプレートとを備えるとともに面内せん断耐力を向上させるためのデッキプレート構造であって、」に訂正し、 「 前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられること」と記載されているのを、 「 前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられ、 前記第2固定手段は、前記デッキプレート同士の一体性を確保するためのものであり、 前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、 前記軸部の径は4.8mm以上6.0mm以下であり、 前記第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上であること」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する)。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2に、 「 前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、 前記軸部は、前記篏合部に貫通され、 前記頭部は、前記篏合部の上面側に配置されること を特徴とする請求項1記載のデッキプレート構造。」と記載されているのを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるとともに、 「 木製軸組と複数のデッキプレートとを備えるとともに面内せん断耐力を向上させるためのデッキプレート構造であって、 前記木製軸組は、第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる複数の第1木製梁を有し、 前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ、 前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する複数の第1固定手段と、 前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え、 前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され、 前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられ、 前記第2固定手段は、前記デッキプレート同士の一体性を確保するためのものであり、 前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、 前記軸部の径は4.8mm以上6.0mm以下であり、 前記軸部は、前記篏合部に貫通され、 前記頭部は、前記篏合部の上面側に配置され、 前記第2固定手段の間隔は、50mm以上150mm以下であり、 前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上、であること を特徴とするデッキプレート構造。」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3に、 「請求項1又は2記載のデッキプレート構造。」と記載されているのを、 「請求項1記載のデッキプレート構造。」に訂正する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4に、 「請求項1~3の何れか1項記載のデッキプレート構造。」と記載されているのを、 「請求項1又は3記載のデッキプレート構造。」に訂正する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項6に、 「請求項1~5の何れか1項記載のデッキプレート構造。」と記載されているのを、 「請求項1、3~5の何れか1項デッキプレート構造。」に訂正する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項7に、 「請求項1~6の何れか1項記載のデッキプレート構造。」と記載されているのを、 「請求項1、3~6の何れか1項記載のデッキプレート構造。」に訂正する。 (7)一群の請求項について 訂正前の請求項1~7は、請求項2~7が請求項1を直接または間接的に引用するものであって、請求項1の訂正に連動して訂正されるものであるので、本件訂正前の請求項1~7は、一群の請求項である。 2 訂正拒絶理由通知書の概要 令和7年3月31日付け訂正拒絶理由通知書の概要は、以下のとおりである。 (1)訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条5項の規定に適合するものではないから、訂正事項1に係る訂正は認められない。 (2)訂正事項2に係る訂正は、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条5項の規定に適合するものではないから、訂正事項2に係る訂正は認められない。 よって、一群の請求項〔1-7〕についてする本件訂正は認められない。 3 令和7年5月1日提出の手続補正書(方式)による手続補正について (1)令和7年5月1日提出の手続補正書(方式)による手続補正の内容について 令和7年5月1日提出の手続補正書(方式)による手続補正(以下「手続補正」という。)は、令和6年5月24日提出の訂正請求書、及び、訂正特許請求の範囲の全文を、当該手続補正書に添付した訂正請求書、及び、訂正特許請求の範囲のとおり補正するものである。 そして、訂正事項1及び2について、手続補正の内容を確認したところ、次のとおりである。(以下、下線は訂正箇所を示す。) ア 訂正事項1について 訂正特許請求の範囲の請求項1について、手続補正前に、 「前記第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上であること」と記載されているのを、当該手続補正により、 「前記第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は3527.5N/m以上であること」とするものである。 イ 訂正事項2について 訂正特許請求の範囲の請求項2について、手続補正前に、 「 前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上、であること」と記載されているのを、当該手続補正により、 「 前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は4233N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は4360N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4987N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は7652N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は8176N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8842N以上、であること」とするものである。 (2)手続補正の適否についての当審の判断 ア 判断の基準 訂正拒絶理由通知に対する補正の適否の判断の基準は次のとおりである。 訂正拒絶理由通知に対しては、訂正事項の削除、軽微な瑕疵の補正等、訂正請求書の要旨を変更しないものであれば補正することができる。 しかし、新たな訂正事項を加えることや、訂正事項を変更することは、訂正の要旨を変更するものである(審判便覧67-05.3の4.(3)イ参照。)。 イ 訂正事項1について 手続補正前後の訂正事項1による訂正の内容は、上記(1)アに示したとおりであり、訂正事項1に係る手続補正により、請求項1に係る発明のデッキプレート構造における第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力について、その単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上としていたのを、単位長さあたりの面内せん断耐力を3527.5N/m以上とするものであり、実質的に訂正請求時の訂正事項の数値を変更することにより訂正事項の内容を実質的に変更するものであって、訂正事項の削除、軽微な瑕疵の補正に該当しないことは明らかである。 そうしてみると、訂正事項1に関する手続補正は、訂正請求書の要旨を変更するものであり、認められない。 ウ 訂正事項2について 手続補正前後の訂正事項2による訂正の内容は、上記(1)イに示したとおりであり、訂正事項2に関する手続補正により、請求項2に係る発明のデッキプレート構造における第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上、前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上、前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上、前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上、前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上、前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上としていたのを、第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は4233N以上、前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は4360N以上、前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4987N以上、前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は7652N以上、前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は8176N以上、前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8842N以上とするものであり、実質的に訂正請求時の訂正事項の数値を変更することにより訂正事項の内容を実質的に変更するものであって、訂正事項の削除、軽微な瑕疵の補正に該当しないことは明らかである。 そうしてみると、訂正事項2に関する手続補正は、訂正請求書の要旨を変更するものであり、認められない。 エ 令和7年6月11日提出の手続補正書(方式)により補正された令和7年5月1日提出の意見書による特許権者の主張について (ア)訂正事項1についての主張 a 主張の概要 令和7年6月11日提出の手続補正書(方式)により補正された令和7年5月1日提出の意見書において、特許権者は、「5 (1)ア(イ)補正の概要」の欄を設け、次のように意見を述べている。 「この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】の表3には、第1方向Xのグリッドスパンが1200mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が4233N(山高さH=50mm、第2方向Yのグリッドスパン=910mm、デッキプレートの板厚がt=1.2mm及びt=1.6mm及びの場合)である点が記載され、本発明例1の第1方向Xの単位長さあたりの面内せん断耐力は、本発明例1の面内せん断耐力(4233N)を第1方向Xのグリッドスパン(1200mm)で除した3527.5N/mであることに基づくものである。 この補正は、訂正事項の追加、変更に該当するものではなく、訂正請求書の要旨を変更するものではないものと思料する。」 b 主張に対する見解 上述したとおり、訂正事項1に係る手続補正により、請求項1に係る発明のデッキプレート構造における第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力の数値範囲を変更するものであるので、当該手続補正は、実質的に訂正請求時の訂正事項の内容を変更するものであって、訂正事項の削除、軽微な瑕疵の補正ではない。 よって、特許権者の主張は、上記イの判断を左右するものではない。 (イ)訂正事項2についての主張 a 主張の概要 同意見書において、特許権者は、「5 (1)イ(イ)補正の概要」の欄を設け、次のように意見を述べている。 「訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Aについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は4233N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】に、例えば第1方向Xのグリッドスパンが1200mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が4233N(山高さH=50mm、第2方向Yのグリッドスパン=910mmの場合)であることに基づくものである。 訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Bについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は4360N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】に、例えば第1方向Xのグリッドスパンが1800mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が4360N(山高さH=50mm、第2方向Yのグリッドスパン=1820mmの場合)であることに基づくものである。 訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Cについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4987N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】に、例えば第1方向Xのグリッドスパンが2400mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が4987N(山高さH=75mm、第2方向Yのグリッドスパン=2730mmの場合)であることに基づくものである。 訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Dについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は7652N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】に、例えば第1方向Xのグリッドスパンが3000mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が7652N(山高さH=75mm、第2方向Yのグリッドスパン=2730mmの場合)であることに基づくものである。 訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Eについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は8176N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】に、例えば第1方向Xのグリッドスパンが3600mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が8176N(山高さH=75mm、第2方向Yのグリッドスパン=3640mmの場合)であることに基づくものである。 訂正事項2のうち、訂正拒絶理由通知書でいう訂正事項2Fについて、 「前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上であること」との記載を、 「前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8842N以上であること」との記載に、補正した。 この補正は、本件特許の明細書の段落【0066】には、例えば第1方向Xのグリッドスパンが4200mの場合において、本発明例1の面内せん断耐力が8842N(山高さH=75mm、第2方向Yのグリッドスパン=4550mmの場合)であることに基づくものである。 これらの補正は、訂正事項の追加、変更に該当するものではなく、訂正請求書の要旨を変更するものではないものと思料する。」 b 主張に対する見解 上述したとおり、訂正事項2に係る手続補正により、請求項2に係る発明のデッキプレート構造における第1方向におけるそれぞれのグリッドスパンにおける面内せん断耐力の数値範囲を変更するものであるので、当該手続補正は、実質的に訂正請求時の訂正事項の内容を変更するものであって、訂正事項の削除、軽微な瑕疵の補正ではない。 よって、特許権者の主張は、上記ウの判断を左右するものではない。 (4)小括 以上のとおりであるから、令和7年5月1日提出の手続補正書(方式)による手続補正は、訂正請求書の要旨を変更するものであり、特許法第120条の5第9項で準用する同法第131条の2第1項の規定により認めることはできない。 4 訂正についての当審の判断 (1)訂正の内容について 上記3のとおり、令和7年5月1日提出の手続補正書(方式)による手続補正は、訂正請求書の要旨を変更するものであるから、認めることはできない。 そうしてみると、本件訂正請求書による訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、上記1のとおりである。 (2)本件訂正の訂正事項1の適否について ア 事案に鑑み、前記訂正事項1のうち、「前記第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上であること」との事項を導入する訂正事項(以下「訂正事項1A」という。)について、検討する。 イ 上記訂正事項1Aにおける「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」に係る「1960N/m」との値に係る事項についてみると、本件訂正請求に係る訂正請求書に記載されているとおり、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0066】の【表3】には、「グリッドスパン」が「X方向」「1,200」mmかつ「Y方向」「910mm」である場合における、「耐力[N]」についての「2,352」Nとの「比較例1」に係る値が記載されているところ、当該「耐力[N]」の「2,352」Nとの値を、「X方向」の「グリッドスパン」の値である「1,200」mmとの値を「1.2」mへと単位に基づく値の換算を行った上で除したものであると解することができ、かつ、【0052】に「実施例では、本発明例と比較例について、面内せん断耐力と剛性を評価した。」と、【0011】に「上下方向Zとし、上下方向Zに交わる方向を第1方向Xとし」と記載されていることからみて、比較例1の「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」に係る「1960N/m」との値が記載されていることに基づく訂正事項であると認められる。 ウ 一方、【表3】の「本発明例1」において、同表中に「耐力[N]」について、グリッドスパンがX方向において1,200mmかつY方向において910mmとの値をとり、デッキプレートの「山高さ」が「H=50mm」であって、デッキプレートの板厚が「t=1.2mm」及び「t=1.6mm」の場合(以下「場合1A」という。)について記載された、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」の「4,233」Nとの値を、比較例1と同様に処理したものである「3527.5N/m」との値が示されていると認められる。 エ すなわち、本件特許明細書の発明の詳細な説明には、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」として、比較例1では「1960N/m」との、本発明例1の「場合1A」では「3527.5N/m」との値を採ることが記載されているといえる。 オ これに対して、上記訂正事項1Aは、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上であること」との事項からなるところ、「以上」との用語は、これが付された数値自体を含むことを意味するから、上記訂正事項1Aには、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m」「であること」との事項が含まれるが、上記「エ」で示したとおり、当該事項は比較例1には記載されているものの、当該事項よりも大きな値をとるものである本発明例1に対応するものではない。 カ そして、比較例1は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0053】に、「比較例1の面材は、厚さ12mm~15mmの構造用合板、又は、構造用パネル(1級又は2級)のものを用いた。」と記載されているとおり、本件特許発明における、「複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造」に係るものではない。 キ そうすると、上記訂正事項1Aの、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m以上であること」との事項のうち、上記「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力は1960N/m」「であること」との事項については、デッキプレート構造をなすものではない比較例1のみに記載された事項であって、本発明例1として記載された事項ではない。 ク また、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」が、当該「1960N/m」より大きく、本発明例1に記載されたと認められる「3527.5N/m」との間の値、すなわち、「1960N/m」以上「3527.5N/m」未満の範囲のものについても、本発明例1の「場合1A」において、記載されているとはいえない。 ケ なお、上記【表3】において、本件特許の実施例として採用するに足りるものである、「本発明例1の耐力が比較例1の耐力以上であることを示」す符号である、「〇」が付されたいずれの場合においても、耐力の値は上記「ウ」で示した「場合1A」における「4,233」Nとの値を上回るもののみが記載されており、それらについて「X方向」の「グリッドスパン」のmm単位で示された値をm単位への換算を行った上で除するとの同様の処理をして、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」を算出しても、いずれも、その数値は「1960N/m」よりも大となることから、本発明例1において本願発明に該当するとされたいずれの場合においても、同様のことがいえる。 コ さらに、【0077】の【表7】には、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」に関し、上記と同じ比較例1の値が示される一方、本発明例2について、「耐力[N]」について記載された「9,780」Nとの値を、比較例1と同様に処理したものである「8150N/m」との、本発明例1における上記「3527.5N/m」との値よりも大きい値をとり、かつ、当該値が本発明例2中において、最も小さい値であることからみて、上記「キ」及び「ケ」において本発明例1について論じたのと同様に、「1960N/m」以上「3527.5N/m」未満の範囲のものについて、本発明例2に記載されているとはいえない。 サ 上記「キ」~「コ」で論じた事項を総合すると、「第1方向における単位長さあたりの面内せん断耐力」の値として、「1960N/m」以上「3527.5N/m」未満の範囲のものに係る事項を含む訂正事項1Aは、本件特許明細書、図面、及び、特許請求の範囲(以下「本件特許明細書等」という。)に記載されていない事項であり、新たな技術的事項を導入するものであると認められる。 シ 小括 以上のとおりであるから、上記訂正事項1は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であると認めることはできず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものではない。 (3)本件訂正の訂正事項2の適否について ア 上記訂正事項2は、訂正前の請求項2が訂正前の請求項1を引用する記載であったものを、請求項間の引用関係を解消し、請求項1を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるとともに、訂正前の請求項1及び請求項2が備える発明特定事項に対して、 「面内せん断耐力を向上させるための」、 「 前記第2固定手段は、前記デッキプレート同士の一体性を確保するためのものであり、」 「 前記軸部の径は4.8mm以上6.0mm以下であり、」 「 前記第2固定手段の間隔は、50mm以上150mm以下であり、 前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上、 前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上、である」との限定を加えることを含むものである。 イ 事案に鑑み、上記訂正事項2のうち、「第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力は2352N以上」、である、との事項(以下「訂正事項2A」という。)、「前記第1方向のグリッドスパンが1800mmの場合の面内せん断耐力は3528N以上」、である、との事項(以下「訂正事項2B」という。)、「前記第1方向のグリッドスパンが2400mmの場合の面内せん断耐力は4704N以上」、である、との事項(以下「訂正事項2C」という。)、「前記第1方向のグリッドスパンが3000mmの場合の面内せん断耐力は5880N以上」、である、との事項(以下「訂正事項2D」という。)、「前記第1方向のグリッドスパンが3600mmの場合の面内せん断耐力は7056N以上」、である、との事項(以下「訂正事項2E」という。)、前記第1方向のグリッドスパンが4200mmの場合の面内せん断耐力は8232N以上、である」との事項(以下「訂正事項2F」という。)について、それぞれ検討する。 ウ まず、訂正事項2Aについてみると、本件特許明細書の発明の詳細な説明の【0066】の【表3】において、「グリッドスパン」が「X方向」「1,200」mmの値を採る場合における、「耐力[N]」における「2,352」Nとの「比較例1」に係る値が記載されているところ、訂正事項2Aの「面内せん断耐力は2352N」との記載は、これに基づくものであると解することができる。 エ これに対して、本発明例1において、「第1方向のグリッドスパンが1200mm」ものであって、本件特許の実施例として採用するに足りるものである、「本発明例1の耐力が比較例1の耐力以上であることを示」す符号である「〇」が付された場合のうち、「山高さ」が「H=50mm」となるものであって、デッキプレートの板厚が「t=1.2mm」及び「t=1.6mm」の場合において、耐力の値として「4,233」Nとの最も小さい値をとることがみてとれる。 オ そうすると、訂正事項2Aのうち、「前記第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力」において、「2352N」以上「4233N」未満の場合については、本件特許明細書には記載されていないものと認められる。 また、本発明例2に係る【0077】の【表7】においても、上記「○」との符号が付されたいずれの場合においても、耐力の値が「4,233」Nよりも大きいものである「9,780」との値をとることからみて、同様のことがいえる。 してみると、「第1方向のグリッドスパンが1200mmの場合の面内せん断耐力」において、「2352N」以上「4233N」未満の場合を含むものである訂正事項2Aは、本件特許明細書等に記載されていない事項であり、新たな技術的事項を導入するものであると認められる。 よって、上記訂正事項2Aを含むものである訂正事項2は、新規事項を追加するものである。 カ 訂正事項2B~2Fについて 次に、上記訂正事項2B~2Fについてみると、【表3】には、それぞれの「第1方向のグリッドスパン」において、上記「○」との符号が付されたいずれの場合においても、「面内せん断耐力」の下限値として、順に「3528N」、「4704N」、「5880N」、「7056N」、「8232N」との比較例1に係る値が採用されており、かつ、本発明例1の「面内せん断耐力」の最小値が、それぞれにおいてこれらの数値を上回るものであるから、訂正事項2Aと同様に、本件特許明細書等に記載されていない事項であり、新たな技術的事項を導入するものであると認められる。 よって、上記訂正事項2B~2Fを含むものである訂正事項2は、新規事項を追加するものである。 キ 小括 以上のとおりであるから、上記訂正事項2は、本件明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入するものであるから、本件明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であると認めることはできず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項の規定に適合するものではない。 (4)独立特許要件 本件においては、訂正前の全ての請求項1~7について特許異議申立がされているので、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 (5)別の訂正単位とする求め 特許権者は、本件訂正請求書において、「訂正後の請求項2については、当該請求項についての訂正が認められる場合には、一群の請求項の他の請求項とは別途訂正することを求める。」旨の請求を行っているが、上記に示したとおり訂正後の請求項2に係る訂正事項2による訂正が認められない以上、別の訂正単位とする理由はなく、認められない。 (6)まとめ 以上のとおり、本件訂正における訂正事項1及び訂正事項2は、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第5項に適合しないものである。 よって、一群の請求項〔1-7〕についてする本件訂正は認められない。 第3 本件発明 1 本件発明 上記第2のとおり、本件訂正は認められず、令和6年5月24日に訂正の請求がされたことにより、令和5年11月13日にされた先の訂正の請求は、特許法第120条の5第7項の規定により取り下げられたものとみなされるので、本件特許の請求項1~7に係る発明は、それぞれ、特許登録時の特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである(以下、それぞれ「本件発明1」~「本件発明7」といい、これらをまとめて「本件発明」という。)。 「【請求項1】 木製軸組と複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造であって、 前記木製軸組は、第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる複数の第1木製梁を有し、 前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ、 前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する複数の第1固定手段と、 前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え、 前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され、 前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられること を特徴とするデッキプレート構造。 【請求項2】 前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、 前記軸部は、前記篏合部に貫通され、 前記頭部は、前記篏合部の上面側に配置されること を特徴とする請求項1記載のデッキプレート構造。 【請求項3】 前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有し、 前記デッキプレートは、前記第2方向で隣接する2つの前記第1木製梁と、前記第1方向で隣接する2つの前記第2木製梁と、で囲まれる領域において、前記第1方向に複数並べて設けられ、 前記第2固定手段は、前記第2木製梁から離間して設けられること を特徴とする請求項1又は2記載のデッキプレート構造。 【請求項4】 前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有し、 前記第2木製梁の上面に前記デッキプレートを固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第3固定手段を備えること を特徴とする請求項1~3の何れか1項記載のデッキプレート構造。 【請求項5】 前記第1木製梁の繊維方向は、前記第1方向に沿って配置され、 前記第2木製梁の繊維方向は、前記第2方向に沿って配置されること を特徴とする請求項3又は4記載のデッキプレート構造。 【請求項6】 前記デッキプレートは、屋根材として用いられること を特徴とする請求項1~5の何れか1項記載のデッキプレート構造。 【請求項7】 前記デッキプレートは、床材として用いられること を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載のデッキプレート構造。」 第4 証拠一覧、特許異議申立理由の要旨、及び、取消理由通知<決定の予告>に記載した取消理由の要旨 1 証拠一覧 (1)申立人により申立書とともに提出された証拠 甲第1号証 :DECK PRODUCTS JFE床商品、 JFE建材株式会社、2019年9月、 表紙,7,8,23,24,41,42,45,46, 49,50頁,裏表紙 甲第2号証 :QLルーフ 設計施工マニュアル Design and construction MANUAL、 JFE建材株式会社、2020年2月、 表紙,2,3,8,9,18,19,22,23,30~ 33,36,37頁,裏表紙 インターネットURL;https://decks.jfe- kenzai.co.jp/download/doc/sbp- date/asset/file/qlr_dc_manual.pdf 甲第3号証 :QLルーフ屋根設計・施工標準 木造梁版, JFE建材株式会社,2019年8月1日, インターネットURL;https://decks.jfe- kenzai.co.jp/download/doc/sbp- date/asset/file/qlr_wood.pdf 甲第4号証 :構造設計標準仕様,株式会社You&You建築設計, 工事名 (仮称)小栗の里拠点施設建設工事, 2013年1月31日 甲第5号証 :「JFEけんざい No.57 4 Spring201 7 みなさんの元気を応援する社内報 不撓不屈」, JFE建材株式会社,2017年4月, 表紙,5~6頁、裏表紙 甲第6号証 :構造設計特記仕様,諏訪総合設計株式会社, 日本イエス・キリスト教団岡谷教会 新築工事 設計図, 2013年7月11日 甲第7号証 :特開2015-81430号公報 甲第8号証 :STRESSED SKIN EFFECT ON THE STABILITY OF STEEL STRUCTURES,Mei Wang,2020年 甲第9号証 :工事名称(仮称)羽黒高等学校新校舎 建設工事(設計図 面),平成23年5月16日 甲第10号証:構造設計標準仕様,工藤工務所一級建築設計室, 工事名称 (仮称)ロイヤルコーポ百石町 新築工事, 平成29年6月 甲第11号証:構造設計標準仕様書,CROSS建築計画, 工事名 GUNMA BMW 太田店新築工事, 2020年1月 甲第12号証:構造設計標準仕様,(有)高田建築設計, 工事名 (仮称)テックランド 福井中央店 新築工事, 2013年9月1日 甲第13号証:構造設計標準仕様,河野建築設計事務所, 工事名 (仮称)DSGアリーナ 七尾店 新築工事, 2014年7月8日 甲第14号証:構造設計特記仕様,株式会社植木組東京本店一級建築士事 務所,工事名 (仮称)パール自動車新築工事, 2017年10月25日 甲第15号証:構造設計標準仕様,三耕建設(株)一級建築士事務所, 工事名称 シャチハタ(株)山形工場 II期工事, 2017年12月2日 甲第16号証:構造特記仕様書 2013年度版,株式会社フォーサイト 建設, 工事名 霊波之光埼玉実践者センター参拝所 新築工事, 2018年3月31日 甲第17号証:構造標準仕様書,一級建築士事務所株式会社アーキディア ック,甲信商事株式会社 諏訪営業所新築工事, 2018年5月21日 甲第18号証:構造設計標準仕様書,北野建設一級建築士事務所, 株式会社鈴木日滝原工場第二工場新築工事, 2018年11月16日 甲第19号証:構造設計標準仕様,全農栃木一級建築士事務所, 工事名称 アトラス大田原ホール拡充に伴う家族葬ホール 棟・資材倉庫棟 新築工事,2019年1月 甲第20号証:構造設計標準仕様,有限会社三和シーエム, 工事名 (株)エーアンドシー十和田(営)事務所新築工 事,令和2年2月10日 甲第21号証:構造設計標準仕様,株式会社魁建築設計事務所, レクサス西東京(仮),2020年3月31日 甲第22号証:構造設計特記仕様書,綿半ソリューションズ株式会社, 工事名 池伝(株)名古屋支店新事務所建設工事, 2020年2月28日 甲第23号証:構造設計特記仕様 その1,株式会社楠山設計, 工事名 板柳中学校改築工事 甲第24号証:特開2016-169565号公報 (以下、甲第1号証~甲第24号証を、「甲1」~「甲24」などということがある。) (2)申立人により令和6年1月22日提出の意見書とともに提出された参考資料 参考資料1:建築基準法施行規則第10条の5の22第1項に規定する認 定書(国住指第3346号),平成16年2月12日 参考資料2:建築基準法施行規則第10条の5の22第1項に規定する認 定書(国住指第3908号),平成16年3月26日 参考資料3:建築基準法施行規則第10条の5の22第1項に規定する認 定書(国住指第3909号),平成16年3月26日 参考資料4:建築基準法施行規則第10条の5の22第1項に規定する認 定書(国住指第3228号),平成17年5月12日 参考資料5:建築基準法施行規則第10条の5の22第1項に規定する認 定書(国住指第616号),平成18年7月18日 (3)特許権者により令和5年11月13日提出の意見書とともに提出された証拠 乙第1号証:デッキプレート床構造 設計・施工規準2018, 一般社団法人日本鋼構造協会,2019年3月31日, 表紙,126~131,182頁,裏表紙 乙第2号証:QLルーフ 設計施工マニュアル Design and construction MANUAL、 JFE建材株式会社、2020年2月、 表紙,1~37頁,裏表紙 乙第3号証:防耐火性能試験・評価業務方法書 平成22年6月1日変更 版,財団法人日本建築総合試験所, 表紙,目次,4~6,8~9頁 乙第4号証:防耐火性能試験・評価業務方法書 平成16年3月26日変 更版,財団法人ベターリビング, 表紙,目次,22~24頁 乙第5号証:防耐火性能試験・評価業務方法書 2023年4月1日変更 版,一般財団法人日本建築総合試験所,表紙 乙第6号証:防耐火性能試験・評価業務方法書 令和5年3月23日改定 版,一般財団法人ベターリビング,表紙,50~51頁 (4)特許権者により令和6年7月9日提出の手続補正書(方式)により補正された令和6年5月24日提出の意見書とともに提出された証拠 既に提出されていた上記乙第1~6号証に加えて、以下の証拠が提出された。 乙第7号証:薄板軽量形鋼造建築物設計の手引き 第2版, 一般社団法人日本鉄鋼連盟編,2014年3月18日, 表紙,裏表紙,74~76,178~179頁 乙第8号証:木造軸組工法住宅の許容応力度設計1(2017年版)」, 公益財団法人日本住宅・木材技術センター,令和元年9月, 表紙,裏表紙,78~82,84頁 2 特許異議申立理由の概要 (1)新規性 本件特許の請求項1に係る発明は、甲1~甲4、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項2に係る発明は、甲1~甲3、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項3に係る発明は、甲1~甲4、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項4に係る発明は、甲1~甲4、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項5に係る発明は、甲1~甲3、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項6に係る発明は、甲1~甲3、甲23のそれぞれに記載された発明であり、本件特許の請求項7に係る発明は、甲1~甲2、甲4のそれぞれに記載された発明であるから、請求項1~7に係る特許は、特許法第29条1項3号に該当し、同法第113条2号の規定により、取り消されるべきものである。(申立書85頁16行~86頁8行) (2)進歩性 本件特許の請求項1に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲4、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲4、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書86頁10行~86頁19行) 本件特許の請求項2に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲3、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲6、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲3、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書86頁20行~86頁末行) 本件特許の請求項3に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲3、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲6、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲4、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書87頁1行~87頁10行) 本件特許の請求項4に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲5、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲6、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲4、甲8、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書87頁11行~87頁20行) 本件特許の請求項5に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲3、甲5、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲6、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲3、甲5、甲23のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書87頁21行~87頁末行) 本件特許の請求項6に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲3、甲5、甲23~甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2~甲3、甲6、甲23~甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1~甲3、甲8、甲23~甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項6に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書88頁1行~88頁10行) 本件特許の請求項7に係る発明は、甲5に記載された発明と、甲1~甲2、甲4~甲5、甲8、甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、甲6に記載された発明と、甲2、甲5、甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、又は、甲7に記載された発明と、甲1、甲3~甲4、甲8、甲24のいずれかに記載された事項とに基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。(申立書88頁11行~88頁21行) 3 取消理由通知<決定の予告>に記載した取消理由の要旨 請求項1~7に係る特許について、当審において令和6年3月21日付けで特許権者に通知した取消理由通知書<決定の予告>の要旨は、次のとおりである。 (1)本件特許の請求項1、3~6に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1、又は、甲2に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1、3~6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (2)本件特許の請求項1、3~7に係る発明は、本件特許の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1、又は、甲2に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1、3~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。 (3)本件特許の請求項2に係る特許は、令和6年7月9日提出の手続補正書(方式)により補正された同年5月24日提出の訂正請求書による訂正により削除された。これにより申立人による特許異議の申立てについて、請求項2に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 第5 当審の判断 1 甲1を主引例としての新規性、及び、進歩性についての検討 (1) 甲1 甲1には、以下の以下の事項が記載されている。 (下線は当審で付した。また、囲み線は申立人が付したものである。以下同様。) ア 甲1の記載 (ア)「 [図:0001436127000001.jpg] 」 (7頁上半分) (イ)「特長 1 合成スラブ構造 デッキプレートがコンクリート打込み時には型枠、硬化後はコンクリートと一体になり引張り鉄筋の働きをする床構造です。」 (7頁中段) (ウ)「 [図:0001436127000002.jpg] 」 (41頁上半分) (エ)「特長 1 QLデッキを使用した乾式外断熱屋根構造 QLデッキと外断熱防水工法を採用した、断熱性・耐久性のほか耐火性・防火性にも優れた屋根構造です。」 (41頁中段) (オ)「 [図:0001436127000003.jpg] 」 (45頁の見出し) (カ)「 [図:0001436127000004.jpg] 」 (45頁上段右下) (キ)「 [図:0001436127000005.jpg] 」 (45頁中段) (ク)「 [図:0001436127000006.jpg] 」 (45頁最下段) (ケ)「 [図:0001436127000007.jpg] 」 (46頁上段左側) (コ)「 [図:0001436127000008.jpg] 」 (46頁中段) (サ)「 [図:0001436127000009.jpg] 」 (49頁の見出し) (シ)「 [図:0001436127000010.jpg] 」 (49頁中段) (ス)「 [図:0001436127000011.jpg] 」 (49頁下段) (セ)「 [図:0001436127000012.jpg] 」 (50頁中段~下段) イ 甲1に記載された発明 (ア)上記ア(ウ)には、見出しとして「屋根30分耐火デッキプレートQLルーフ」と記載され、上記ア(オ)及び(サ)にも同様に見出しとして「屋根30分耐火デッキプレートQLルーフ」と記載されている。これらの記載は、それぞれ、41頁、45頁、49頁の見出しであるから、該当ページをまとめて、上記ア(ウ)~(セ)は、「屋根30分耐火デッキプレートQLルーフ」に関するものと認められる。 (イ)上記ア(ウ)に、 「「QLルーフ」は、合成スラブ構造用デッキプレートQLデッキを屋根用金属下地材として、屋根30分耐火(デッキ単体)の国土交通大臣認定を取得した商品です。」と記載され、 上記ア(エ)の 「特長 1 QLデッキを使用した乾式外断熱屋根構造 QLデッキと外断熱防水工法を採用した、断熱性・耐久性のほか耐火性・防火性にも優れた屋根構造です。」との記載も合わせると、甲1には、デッキプレートであるQLデッキを屋根用金属下地材としたQLルーフを使用した屋根構造が記載されているものと認められる。 (ウ)軸組構造における梁とデッキプレートの配置は、直交する梁がそれぞれ間隔を空けて複数設けられ、直交する梁により形成される囲まれる領域にデッキプレートが複数並べられて配置されることが技術常識であって、この点は、上記ア(セ)の写真からもいえる。 (エ)上記ア(カ)及び(シ)の「木構造」との記載を踏まえると、上記(ア)のQLルーフは木製軸組にも用いることができることが理解できる。 してみると、上記(ウ)の梁とデッキプレートの配置の技術常識を踏まえると、QLルーフを使用した屋根構造における直交する梁は、木製梁とすることができ、全体は木製軸組となるものと認められる。 (オ)QLルーフからみたQLルーフ長尺方向及びQLルーフ幅方向の2方向を定義すると、上記(ウ)の技術常識を踏まえ、上記ア(カ)の図及びア(セ)の写真から、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向に離間して設けられる複数の木製梁をみることができ、QLルーフは、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁に架設されるとともにQLルーフ幅方向に並べて設けられていることが理解できる。 (カ)上記ア(ケ)において、「デッキプレートと梁(母屋)との接合[l1]」、「梁(母屋)とデッキプレートは、デッキプレート1枚毎に3ヶ所接合します。」及び「2.ドリルねじ」と記載され、図には、「l1」からQLルーフのQLルーフ長尺方向の端部に向けて引き込み線が記載されていることを踏まえると、上記ア(ケ)の図から、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁の上面にQLルーフを固定する複数のドリルねじを読み取ることができる。 (キ)上記ア(コ)において、「デッキプレート相互の接合[l2]」との記載、左端の図の「ドリルねじ」との記載を踏まえると、上記ア(コ)から、QLルーフのQLルーフ幅方向の両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれていること、が看取できる。 (ク)上記ア(ケ)の図には、「l2」からの引き込み線が、QLルーフ長手方向の両端ではない2ヶ所に向けて引かれて記載されている。 また、上記ア(コ)には、「QL99-50:各支持スパン中央部に1ヶ所」と記載され、また「QL99-50・QL99-75共に敷込み時に嵌合が甘い場合は、接合間隔l2を1m以下とする等適切な処理を施してください。」と記載されている。 これらの点から、上記(キ)の「ドリルねじ」のねじ込みは、QLルーフ長手方向の中央部に1ヶ所、または、QLルーフ長尺方向の両端以外の部分にQLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下とするものと理解できる。 (ケ)上記ア(コ)の図から、ドリルねじは、軸部と軸部の先端に形成される頭部とを有し、軸部は、嵌合部に貫通され、頭部は、嵌合部の上面側に配置されることが看取できる。 (コ)上記(ウ)及び(エ)を踏まえると、上記ア(カ)の図から、QLルーフ長尺方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を看取でき、この木製梁とQLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁とで囲まれる領域に、QLルーフ幅方向にQLルーフが複数並んで設けられていることが、看取できる。 (サ)上記ア(シ)の「A-4」の図、及び上記ア(ス)の図から、QLルーフ長尺方向を材軸方向として配置される木製梁と、QLルーフのQLルーフ幅方向端部とは、QLルーフ長尺方向に600mm以下の間隔で木ネジにより接合されていること、が看取できる。 (シ)上記(ア)~(サ)からみて、甲1には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認める。 (甲1発明) 「木製軸組と複数のデッキプレートであるQLルーフとを備えた屋根構造であって、 木製軸組は、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向に離間して設けられる複数の木製梁を有し、 QLルーフは、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁に架設されるとともにQLルーフ幅方向に並べて設けられ、 QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁の上面にQLルーフを固定する複数のドリルねじを備え、 QLルーフのQLルーフ幅方向両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれており、 該ねじ込まれたドリルねじは、QLルーフ長尺方向の中央部に1ヶ所、または、QLルーフ長尺方向の両端以外の部分にQLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下とし、 該ドリルねじは軸部と軸部の先端に形成される頭部とを有し、軸部は、嵌合部に貫通され、頭部は、嵌合部の上面に配置され、 QLルーフ長尺方向を材軸として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を有し、 QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁と、QLルーフ長尺方向を材軸として配置される複数の木製梁とで囲まれる領域に、QLルーフ幅方向にQLルーフが複数並んで設けられ、 QLルーフ長尺方向を材軸とする木製梁と、QLルーフの幅方向端部とは、QLルーフ長尺方向に600mm以下の間隔で木ネジにより接合されている、 屋根構造。」 (2)判断 ア 本件発明1 (ア)対比・判断 本件発明1と甲1発明を対比する。 a 甲1発明の「木製軸組」、「デッキプレートであるQLルーフ」、「複数のデッキプレートであるQLルーフとを備えた屋根構造」は、それぞれ、本件発明1の「木製軸組」、「デッキプレート」、「デッキプレート構造」に相当する。 b デッキプレートを並べる場合、通常は、その幅方向に並べることをいうので、本件発明1において、「前記デッキプレートは、」「前記第1方向に並べて設けられ」ていることは、デッキプレートをその幅方向に並べていることを意味し、よって、甲1発明の「QLルーフ幅方向」は、本件発明1の「第1方向」に相当する。 また、本件発明1において、「第1方向」と「第2方向」は「交わる」ことからみて、甲1発明の「QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向」は、本件発明1の「第2方向」に相当する。 以上の検討から、甲1発明の「QLルーフ幅方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向に離間して設けられる複数の木製梁」は、本件発明1の「第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる第1の木製梁」に相当する。 c 甲1発明の「QLデッキは、QLデッキ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁に架設されるとともにQLデッキ幅方向に並べて設けられ」ることは、本件発明1の「前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ」ることに相当する。 d 甲1発明の「QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁の上面にQLルーフを固定する複数のドリルねじを備え」ることは、本件発明1の「前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する複数の第1固定手段」「を備える」ことに相当する。 e 甲1発明において、「該ねじ込まれたドリルねじは、」「QLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下と」することは、QLルーフ長尺方向に、ドリルねじを間隔を空けて少なくとも2個設けているといえるので、甲1発明の「QLルーフのQLルーフ幅方向両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれて、」「該ねじ込まれたドリルねじは、」「QLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下とし」ていることは、本件発明1の「前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え」ることに相当する。 f 甲1発明の「QLルーフのQLルーフ幅方向両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されて」いることは、本件発明1の「前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され」ることに相当する。 g 甲1発明において、「ドリルねじは、」「QLルーフ長尺方向の両端以外の部分」とすることは、本件発明1の「第2固定手段は、」「前記第1木製梁から離間して」いることに相当するから、甲1発明の「QLルーフのQLルーフ幅方向両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれており、該ねじ込まれたドリルねじは、」「QLルーフ長尺方向の両端以外の部分にQLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下とし」たことは、本件発明1の「前記第2固定手段は、前記嵌合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられること」に相当する。 h 上記a~gからみて、本件発明1と甲1発明は、 「木製軸組と複数のデッキプレートとを備えたデッキプレート構造であって、 前記木製軸組は、第1方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に交わる第2方向に離間して設けられる複数の第1木製梁を有し、 前記デッキプレートは、複数の前記第1木製梁に架設されるとともに前記第1方向に並べて設けられ、 前記第1木製梁の上面に前記デッキプレートを固定する複数の第1固定手段と、 前記第1方向で隣り合う前記デッキプレート同士を固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第2固定手段と、を備え、 前記第1方向で隣り合うデッキプレート同士は、互いに篏合部を介して篏合され、 前記第2固定手段は、前記篏合部に設けられ、前記第1木製梁から離間して設けられるデッキプレート構造。」で一致し、相違点は存在しないから、本件発明1は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明1の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明1は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 本件発明2 本件発明2は、本件発明1に限定を加えた発明であるから、該限定事項について検討する。 本件発明2と甲1発明を対比する。 甲1発明の「ドリルねじは軸部と軸部の先端に形成される頭部とを有し、軸部は、嵌合部に貫通され、頭部は、嵌合部の上面に配置され」ることは、本件発明2の「前記第2固定手段は、軸部と前記軸部の先端に形成される頭部とを有し、前記軸部は、前記篏合部に貫通され、前記頭部は、前記篏合部の上面側に配置されること」に相当する。 したがって、上記アの検討を踏まえると、本件発明2と甲1発明には相違点は存在しない。よって、本件発明2は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明2の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明2は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 本件発明3 本件発明3は、本件発明1又は2に限定を加えた発明であるから、該限定事項について検討する。 本件発明3と甲1発明を対比する。 甲1発明の「QLルーフ長尺方向を材軸として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を有」することは、本件発明3の「前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有」することに相当する。 甲1発明の「QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁と、QLルーフ長尺方向を材軸として配置される複数の木製梁とで囲まれる領域に、QLルーフ幅方向にQLルーフが複数並んで設けられ」ることは、本件発明3の「前記デッキプレートは、前記第2方向で隣接する2つの前記第1木製梁と、前記第1方向で隣接する2つの前記第2木製梁と、で囲まれる領域において、前記第1方向に複数並べて設けられ」ることに相当する。 そして、上記ア(ア)gの検討を踏まえると、甲1発明は、本件発明3の「前記第2固定手段は、前記第2木製梁から離間して設けられる」との構成を備えている。 したがって、上記ア、イの検討を踏まえると、本件発明3と甲1発明には相違点は存在しない。よって、本件発明3は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明3の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明3は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 エ 本件発明4 本件発明4は、本件発明1~3の何れかに限定を加えた発明であるから、該限定事項について検討する。 本件発明4と甲1発明を対比する。 甲1発明の「QLルーフ長尺方向を材軸として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を有」することは、本件発明4の「前記木製軸組は、前記第2方向を材軸方向として配置されるとともに、前記第1方向に離間して設けられる複数の第2木製梁を有」することに相当する。 甲1発明の「QLルーフ長尺方向を材軸とする木製梁と、QLルーフ幅方向端部とは、QLルーフ長尺方向に600mm以下の間隔で木ネジにより接合されている」ことは、本件発明4の「前記第2木製梁の上面に前記デッキプレートを固定するとともに前記第2方向で間隔を空けて設けられる複数の第3固定手段を備えること」に相当する。 したがって、上記ア~ウの検討を踏まえると、本件発明4と甲1発明には相違点は存在しない。よって、本件発明4は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明4の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明4は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 オ 本件発明5 本件発明5は、本件発明3又は4に限定を加えた発明であるから、該限定事項について検討する。 本件発明5と甲1発明を対比する。 建築分野において、木製の長尺材は、通常、材軸方向に繊維方向を合わせて用いられるものであるから、甲1発明の「複数の木製梁」は「QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される」こと、「複数の木製梁」は「QLルーフ長尺方向を材軸方向として配置される」ことは、それぞれ、本件発明5の「前記第1木製梁の繊維方向は、前記第1方向に沿って配置され」ること、「前記第2木製梁の繊維方向は、前記第2方向に沿って配置されること」に相当する。 したがって、上記ウ、エの検討を踏まえると、本件発明5と甲1発明には相違点は存在しない。よって、本件発明5は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明5の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明5は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 カ 本件発明6 甲1発明の「デッキプレートであるQLルーフ」は、「屋根構造」に備えられるものであるから、屋根材として用いられたといえる。 よって、上記ア~オの検討を踏まえると、本件発明6と甲1発明には相違点は存在しない。よって、本件発明6は、甲1に記載された発明である。 仮に、相違点が存在したとしても、当業者が適宜なし得る設計上の事項程度のことに過ぎないから、該相違点に係る本件発明6の構成は、甲1発明に基いて当業者が容易になし得たことである。よって、本件発明6は、甲1発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 キ 本件発明7 建築分野において、デッキプレートを床材として用いることは、一般的に行われていることである。 また、上記(1)ア(ウ)のとおり、「QLルーフ」は「QLデッキを屋根金属下地材とし」たものであって、上記(1)ア(ア)のとおり、「QLデッキ」は、「合成スラブ構造用デッキプレート」であること、及び上記(1)ア(イ)のとおり、「デッキプレートが・・・床構造で」あることからみて、甲1発明の「QLルーフ」は、もともと床用の「QLデッキ」であったことが理解できる。 よって、上記のとおり一般的に行われていること、及び甲1の記載からみて、甲1発明のQLルーフを床用とすることは、当業者が適宜なし得た程度のことである。 よって、上記ア~カの検討を踏まえると、本件発明7は、甲1発明から当業者が容易に発明をすることができたものである。 2 甲2を主引例としての新規性、及び、進歩性についての検討 (1)甲2 甲2には、以下の事項が記載されている。 ア 甲2の記載 (ア)「QLルーフ 設計施工マニュアル Design and construction MANUAL」 (表紙) (イ)「 [図:0001436127000013.jpg] 」 (2頁上半分) (ウ)「 [図:0001436127000014.jpg] 」 (2頁最下段) (エ)「 [図:0001436127000015.jpg] 」 (3頁上半分) (オ)「 [図:0001436127000016.jpg] 」 (19頁上段及び中段) (カ)「 [図:0001436127000017.jpg] 」 (22頁上半分) (キ)「 [図:0001436127000018.jpg] 」 (31頁) (ク)「 [図:0001436127000019.jpg] 」 (36頁上段) (ケ)「 [図:0001436127000020.jpg] 」 (36頁中段) イ 甲2に記載された発明 (ア)上記ア(ア)から、甲2は、「QLルーフの設計施工マニュアル」であって、上記ア(イ)の 「1 QLルーフ 屋根の金属下地材として、建物の屋根に求められる、耐火性・防火性・耐久性・デザイン性の4つの条件を兼ね備えた、鉄骨造建築の新しい屋根システムを実現。デッキプレート単体で屋根30分耐火認定を取得しており、様々な部材との組み合わせも可能です。」との記載、及び3つの図面には「QLルーフ」との記載からの引き込み線が示す部材は、「デッキプレート」であることは明らかであるから、甲2は、「デッキプレートであるQLルーフを金属下地材として使用した屋根構造」に関するものであることが理解できる。 そして、上記ア(イ)の右下図に「木構造」と記載され、上記ア(ク)の見出しに「木構造仕様」と記載され、上記ア(ケ)の各図には、木材の小口が表されていることから、甲2に記載の「QLルーフ」は、木構造の屋根に使用することができることが理解できる。 (イ)軸組構造における梁とデッキプレートの配置は、直交する梁がそれぞれ間隔を空けて複数設けられ、直交する梁により形成される囲まれる領域にデッキプレートが複数並べられて配置されることが技術常識であって、この点は、上記ア(キ)の写真からもいえる。 してみると、上記(ア)、及び上記の梁とデッキプレートの配置の技術常識を踏まえると、QLルーフを使用した屋根構造における直交する梁は、木製梁とすることができ、全体は木製軸組となるものと認められる。 (ウ)QLルーフからみたQLルーフ長尺方向及びQLルーフ幅方向の2方向を定義すると、上記(イ)の技術常識及び上記ア(ウ)の図に示されたデッキプレートの形状を踏まえ、上記ア(イ)の右下の図及び上記ア(キ)の写真から、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向に離間して設けられる複数の木製梁をみることができるから、QLルーフは、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁に架設されるとともにQLルーフ幅方向に並べて設けられていることが理解できる。 (エ)上記ア(オ)の上段に、「4 デッキプレートと梁(母屋)の接合」、「梁(母屋)とデッキプレートは、デッキプレート1枚毎に3ヶ所(端部・中間部共)接合します。」及び「2.ドリルねじ」と記載され、図には、「デッキプレートと梁(母屋)との接合」との記載からQLルーフのQLルーフ長尺方向の端部に向けて引き込み線が記載されていることを踏まえると、上記ア(オ)から、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁の上面にQLルーフを固定する複数のドリルねじを読み取ることができる。 (オ)上記ア(オ)の下段に、「5 デッキプレート相互の嵌合部の接合」と記載され、左端の図に「ドリルねじ」と記載され、また、上記ア(カ)の右図において、「デッキプレート相互の嵌合部の接合」と記載され、その図からデッキプレートの幅方向端部にお互いに嵌合する嵌合部が形成されていることが看取できる。これらを踏まえると、上記ア(オ)から、QLルーフのQLルーフ幅方向の両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれていること、が理解できる。 (カ)上記ア(オ)の上段右側の図には、「嵌合部の接合間隔」との記載からの引き込み線が、QLルーフ長手方向の両端以外の2ヶ所に向けて引かれて記載されている。 また、上記ア(オ)の下段には、「QL99-50:各支持スパン中央部に1ヶ所」と記載され、また「但し、QL99-50・QL99-75共に敷込み時に嵌合が甘い場合は、接合間隔を1m以下とする等適切な処理を施してください。」と記載されている。 これらの点から、上記(オ)の「ドリルねじ」のねじ込みは、QLルーフ長手方向の中央部に1ヶ所、または、QLルーフ長手方向の両端以外でQLルーフ長手方向に接合間隔を1m以下とするものと理解できる。 (キ)上記ア(カ)から、ドリルねじは、軸部と軸部の先端に形成される頭部とを有し、軸部は、嵌合部に貫通され、頭部は、嵌合部の上面側に配置されることが看取できる。 (ク)上記(イ)を踏まえると、上記ア(イ)の右下の図から、QLルーフ長尺方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を看取でき、この木製梁とQLルーフ幅方向に材軸方向として配置される木製梁とで囲まれる領域に、QLルーフ幅方向にQLルーフが複数並んで設けられていることが、看取できる。 (ケ)上記ア(ク)の図及び上記ア(ケ)の「A-4」の図から、QLルーフ長尺方向を材軸方向として配置される木製梁と、QLルーフのQLルーフ幅方向端部とは、QLルーフ長尺方向に600mm以下の間隔で木ネジにより接合されていること、が看取できる。 (コ)上記(ア)~(ケ)からみて、甲第2号証には、次の発明(以下「甲2発明」という。)が記載されているものと認める。 (甲2発明) 「木製軸組と複数のデッキプレートであるQLルーフとを備えた屋根構造であって、 木製軸組は、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に交わるQLルーフ長尺方向に離間して設けられる複数の木製梁を有し、 QLルーフは、QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁に架設されるとともにQLルーフ該幅方向に並べて設けられ、 QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される木製梁の上面にQLルーフを固定する複数のドリルねじを備え、 QLルーフのQLルーフ幅方向両端には、互いに嵌合される嵌合部が形成されており、互いに嵌合された嵌合部には、ドリルねじが上からねじ込まれており、 該ねじ込まれたドリルねじは、QLルーフ長尺方向の中央部に1ヶ所、または、QLルーフ長尺方向の両端以外の部分にQLルーフ長尺方向に接合間隔を1m以下とし、 該ドリルねじは軸部と軸部の先端に形成される頭部とを有し、軸部は、嵌合部に貫通され、頭部は、嵌合部の上面に配置され、 QLルーフ長尺方向を材軸として配置されるとともに、QLルーフ幅方向に離間して設けられる複数の木製梁を有し、 QLルーフ幅方向を材軸方向として配置される複数の木製梁と、QLルーフ長尺方向を材軸として配置される複数の木製梁とで囲まれる領域に、QLルーフ幅方向にQLルーフが複数並んで設けられ、 QLルーフ長尺方向を材軸とする木製梁と、QLルーフの幅方向端部とは、QLルーフ長尺方向に600mm以下の間隔で木ネジにより接合されている、 屋根構造。」 (2)判断 甲2発明は、上記1(1)イで示した甲1発明と同じ発明である。 してみると、上記1(2)ア~カに記載した理由と同じ理由により、本件発明1ないし本件発明6は、甲2に記載された発明であるか、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。 また、デッキプレートを床材として用いることは、一般的に行われていることからみて、上記1(2)キに記載した理由と同じ理由により、本件発明7は、甲2発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本件発明1~6は、甲1発明、又は、甲2発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、本件発明1~6に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 また、本件発明1~7は、甲1発明、又は、甲2発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~7に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700527

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