特許異議申立
2024-700826
合成スラブ構造
- 審判番号
- 2024-700826
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2020-060429
- 登録番号
- 7442369
- 請求日
- 2024年09月02日
- 審決日
- 2024年10月31日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】日鉄建材株式会社
- 【権利者代理人】長谷川 芳樹
- 【権利者代理人】黒木 義樹
- 【権利者代理人】柳 康樹
- 【異議申立人】鈴木 憲治
- 審判長/審判官
- 審判長 古屋野 浩志
- 審判官 加藤 範久
- 審判官 西田 秀彦
- 分類
- P1651.121-Y (E04B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第113条第2号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7442369号発明「合成スラブ構造」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7442369号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7442369号(以下「本件特許」という。)の請求項1~4に係る特許についての出願は、令和2年3月30日に出願された特願2020-60429号であって、令和6年2月22日にその特許権の設定登録がされ、同年3月4日に特許掲載公報が発行された。
その後、令和6年9月2日に、特許異議申立人 鈴木 憲治(以下「申立人」という。)により、請求項1~4に係る特許に対して、特許異議の申立てがされた。
第2 本件特許発明
本件特許の請求項1~4の特許に係る発明(以下、それぞれを「本件特許発明1」等という。)は、その特許請求の範囲の請求項1~4に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
段差が設けられた合成スラブ構造であって、
スラブ上段側に配置され、スパン方向に延びる溝部を複数有する上段デッキプレートと、
スラブ下段側に配置され、前記スパン方向に延びる溝部を複数有する下段デッキプレートと、
前記スラブ上段を構成し、且つ、前記スラブ下段を構成するコンクリートと、を備え、
前記上段デッキプレートと前記下段デッキプレートとは、前記スパン方向に並べられ、
前記下段デッキプレートは、前記上段デッキプレートよりも下側に配置され、
前記コンクリート内には、前記スラブ上段と前記スラブ下段との間で応力を伝達する応力伝達部材が設けられ、
前記応力伝達部材は、
前記上段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる上段部と、
前記下段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる下段部と、
前記上段部と前記下段部とを接続する接続部と、を備え、
前記応力伝達部材の前記上段部、前記接続部、及び前記下段部は、一本の連続した鉄筋によって構成される、合成スラブ構造。
【請求項2】
前記コンクリート内には、前記上段デッキプレートと前記下段デッキプレートとの間の境界部において、上下方向に延びる補強部材が設けられる、請求項1に記載の合成スラブ構造。
【請求項3】
前記補強部材は、少なくとも前記上段デッキプレートよりも高い位置まで延びる、請求項2に記載の合成スラブ構造。
【請求項4】
前記上段デッキプレート及び前記下段デッキプレートの複数の前記溝部のそれぞれには、少なくとも一つの前記応力伝達部材が配置される、請求項1~3の何れか一項に記載の合成スラブ構造。」
第3 特許異議申立理由の概要
申立人による特許異議申立理由の概要は、次のとおりである。
1 特許異議申立理由1
本件特許発明1、4は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証および甲第3号証に記載された事項に基づいて、本件特許発明2、3は、甲第1号証に記載された発明、甲第2号証~甲第4号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明1~4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
第4 証拠
1 証拠一覧
甲第1号証:合成スラブ工業会、合成スラブのQ&A 構造Q-10、A-10、公知日:2006年10月、検索日:2024年10月16日、インターネットURL:http://www.gousei-slab.jp/q_a/qa_s/s_10.pdf#view=FitHf
甲第2号証:特開2000-144996号公報
甲第3号証:特開2019-31792号公報
甲第4号証:特開平10-245922号公報
2 各証拠について
(1)甲1
ア 記載事項1
特許異議申立人が甲第1号証として提出した「合成スラブ工業会、合成スラブのQ&A 構造Q-10、A-10」(以下「甲1」という。)には、次の事項が記載されている。
「
[図:0001416534000001.jpg]
[図:0001416534000002.jpg]
」
イ 認定事項
上記アの記載事項から、「段差があ」る「デッキ合成スラブ」の構造に以下の事項が認定できる。
(ア)「構造Q-10」とした枠囲いの中に「デッキ合成スラブに段差があり、焼抜き栓溶接や頭付きスタッドによる施工が困難な場合の指示部の接合法はどのように考えたらよいですか。」と記載の下に、段差を有した板状部材の図が記載され、当該図において、板状部材の内部に三本斜線が描かれていることから、当該図は段差を有した板状部材の断面図であって、三本斜線はコンクリートを示していることは技術常識から明らかである。よって、当該断面図及び「構造A-10」とした枠囲いの中にある断面図は、内部にコンクリートを有する段差があるデッキ合成スラブの構造を示していること。
(イ)「構造A-10」とした枠囲いの中に「1)段差が大きい場合」として「大型の受け材を設けてデッキプレートを支持し」との記載があり、その直下の断面図では、段差の下段において、「大型の受け材」とされた部材の直上の長方形で示された部材に対して「合成スラブ用デッキプレート」との記載が付されていることから、段差があるデッキ合成スラブの下段において、長方形で示された部材は、合成スラブ用デッキプレートであること。
(ウ)「構造A-10」とした枠囲いの中に「2)段差が小さい場合」の下に「(1)床面をかさ上げする場合」との記載があり、その直下の断面図では、「デッキ受け材」よりも右側に位置する段差の上段における、長方形で示された部材に対して、矢印で「合成スラブ用デッキプレート」と付されているので、段差の上段に設けられた長方形の部材は合成スラブ用デッキプレートであること。
(エ)「構造A-10」とした枠囲いの中に「2)段差が小さい場合」として「受けアングル等を梁フランジ面に溶接して、デッキプレートを支持し、焼抜き栓溶接または頭付きスタッドの施工を可能にする方法です。」と記載され、その記載の下に「(1)床面をかさ上げする場合」との記載があり、その下の断面図では、梁のフランジの左端よりも左側に位置する段差の下段であって、T型の部材の上面に長方形で示された部材が接するように図示されている。上記断面図の説明の記載を踏まえると、T型の部材は、「梁」であり、その上面は「梁フランジ面」であると認められる。さらに、前記(ウ)で示したように段差の上段に設けられた長方形の部材が「合成スラブ用デッキプレート」であることを踏まえると、段差の下段において、「梁フランジ面」と接するように設けられ、上段に設けられたものと同様の長方形の部材は、合成スラブ用デッキプレートであること。
(オ)前記(ウ)及び(エ)を踏まえると、段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートとは、梁と直交する方向に並んでおり、段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートは段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートよりも下側に配置されていること。また、前記(ウ)及び(エ)で示した合成スラブの断面図では、段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートの上も含めて、合成スラブには三本斜線が描かれていることから、前記(ア)のとおり、段差の上段及び下段を含めて、合成スラブは、コンクリートで構成されていること。
(カ)「構造A-10」とした枠囲いの中に「2)段差が小さい場合」の下に「(1)床面をかさ上げする場合」との記載があり、その下の断面図では、段差の上段に設けられた長方形の部材の下にL字状の部材があり、上記L字状の部材に対して矢印で「デッキ受け材」と付されていることから、前記(ウ)及び(エ)を踏まえると、段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートをL字状の部材であるデッキ受け材で支持していること。
(キ)「構造A-10」とした枠囲いの中に「2)段差が小さい場合」の下に「(1)床面をかさ上げする場合」との記載があり、その下の断面図では、T型の部材がデッキ合成スラブの段差が設けられた部分の直下に設けられていることから、前記(エ)を踏まえると、T型の部材で示された梁が、デッキ合成スラブの段差が設けられた部分を支持していること。
(ク)「構造A-10」とした枠囲いの中に「2)段差が小さい場合」の下に「(1)床面をかさ上げする場合」との記載があり、その直下の断面図では、段差がある合成スラブの内部に、梁と直交する方向(図では左右方向)に「段差の補強鉄筋」として示された部材が上段と下段とに渡って連続して設けられているので、段差がある合成スラブの内部には、上段と下段とに渡って連続的に、段差の補強鉄筋が設けられていること。
ウ 記載事項2
また、甲1は、「合成スラブのQ&A」というウェブページの一部であるところ、「合成スラブのQ&A」が掲載された合成スラブ工業会のトップページ(http://www.gousei-slab.jp/index.html)には、「合成スラブのQ&A」に関して次の事項が記載されている。
「
[図:0001416534000003.jpg]
」
「
[図:0001416534000004.jpg]
」
エ 甲1発明
上記アの記載事項1及びイの認定事項から、甲1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。)。なお、甲1発明は、「2)段差が小さい場合」の「(1)床面をかさ上げする場合」として図示された構造に基づいて、認定した。
<甲1発明>
「段差があるデッキ合成スラブの構造であって、(前記イ(ア))
デッキ合成スラブの段差が設けられた部分を支持する梁を設け、(前記イ(キ))
段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと、(前記イ(ウ))
段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと、(前記イ(エ))
段差の上段及び下段を含めて合成スラブを構成するコンクリートを備え、(前記イ(オ))
段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートとは、梁の直交方向に並んでおり、(前記イ(オ))
段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートは段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートよりも下側に配置され、(前記イ(オ))
段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートを支持するデッキ受け材を設け、(前記イ(カ))
段差がある合成スラブの内部には、上段と下段とに渡って連続的に、段差の補強鉄筋が設けられている(前記イ(ク))
段差があるデッキ合成スラブの構造。」
オ 甲1の公知日について
上記ウの記載事項2で示したとおり、合成スラブ工業会のトップページの「What’s New」の欄に「2006年10月 合成スラブに関する技術的問題のQ&Aを新規掲載しました。」と記載され、2006年10月以降の更新履歴として、「構造Q-10」を掲載、更新した旨の記載はない。更新履歴の記載がある箇所は、その日付で変更される一方、記載がない項目については変更がなされていないと解するのが自然であるから、前記(1)で示した「構造Q-10」に係る記載は「2006年10月」に掲載されたものと認められる。
なお、「What’s New」の欄には「2022年08月17日 「合成スラブのQ&A」を更新、表示をPDF形式に変更しました。」との記載があるが、当該記載は「合成スラブのQ&A」の表示をPDF形式に変更しただけであって、前記(1)で示した記載事項の内容は、2022年08月17日には変更されていないものと判断した。
以上のとおり、甲1の公知日は、2006年10月であるから、前記(4)で示した甲1発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であると認められる。
(2)甲2について
特許異議申立人が甲第2号証として提出した「特開2000-144996号公報」(以下「甲2」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
(ア)段落【0018】~【0024】
「【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【実施の形態1】図1は本発明の実施の形態1に係わる共同住宅用の床構造の要部を示す部分斜視図、図2は本発明の実施の形態1に係わる共同住宅の1戸分の住居の見取図であり、図3は図2に示す1戸分の住居の床梁伏図(見上げ図)であり、図4は図3のA-A線に沿う住居床断面図、図5は図4に示す住居床の部分拡大詳細図である。
【0019】図2に示すように、共同用住宅の1戸分の住居1は、一般に、居間1A、和室1B、台所1C、洗面所1D、浴室1E、トイレ(WC)1F、洋室1G、1H、収納室1I、廊下1J、バルコニー1K等からなり、1Nは仕切り壁である。この住居1の床は、四隅に柱2が立設され、図3、図4に示すように、柱2と柱2との間には各梁3が掛け渡されている。各梁3にはデッキプレート4が図3、図4に示すように掛け渡されている。デッキプレート4は図1、図5に示すように、溝部5と山部6とを有する凹凸形状とされている。
【0020】溝部5の底面には、図1に示した如く、突起部5Zがその溝部5の延びる方向に所定間隔を開けて配設され、山部6の斜面には突起部6Zが溝部5の延びる方向と同方向に所定間隔を開けて配設され、この突起部5Z、6Zは後述するコンクリートに食い込んで、剛性を高める役割を果たす。
【0021】このデッキプレート4はコンクリート打設の際には床型枠として用いられる。このデッキプレート4は長スパン(例えば、5m以上)であり、デッキプレート4の山頂面には図示を略す6mm筋のワイヤメッシュがひび割れ防止用として配筋されている。
【0022】スラブ施工の際(コンクリート打設の際)には、図4に示した如く、デッキプレート4は破線で示す支保工7によって支えられる(支保工7の図として図4の破線で示したものでよいかご確認下さい)。各梁3が鉄骨鉄筋コンクリート構造、鉄筋コンクリート構造ではなく鉄骨構造の場合には、デッキプレート4は各梁3の鉄骨に掛け渡される。デッキプレート4の上面には、図5に拡大して示すように、これと間隔を開けて、補強用の鉄筋8、9が縦横に配設されている。このデッキプレート4には、コンクリート10が所定の厚さとなるように打設され、コンクリート10が所定の強度を発揮するまで乾くのを待って、支保工7は外され、これにより、デッキプレート合成スラブ構造が完成する。
【0023】このデッキプレート合成スラブ構造からなる共同用住宅の床構造では、デッキプレート4は、コンクリート10を打設の際に型枠として用いられ、コンクリート10の打設後にこのコンクリート10に突起部5Z、6Zが食い込んでコンクリート10との滑りが防止され、このコンクリート10と共同して床の剛性を高めて振動騒音を防止する役割を果たす。また、デッキプレート4上に配設された床補強用の鉄筋8、9はコンクリート10と共同して床強度を与える役割を果たす。
【0024】共同住宅の床は、その受ける床荷重が他の建築物(例えば工場用建築物)に較べて小さく床強度をあまり必要としないので、デッキプレート4とコンクリート10とからなるデッキプレート合成スラブ構造による床強度の向上効果を期待しなくても、補強用の鉄筋8、9とコンクリート10とにより床強度を保証できるので、火災時の床強度の保証を補強用の鉄筋8、9とコンクリート10とに担わせ、デッキプレート4とコンクリート10とからなるデッキプレート合成スラブ構造に火災時の床強度の保証を期待せずとも床強度を確保でき、デッキプレート4とコンクリート10とからなるデッキプレート合成スラブ構造に専ら振動騒音防止効果を担わせることができるからである。また、デッキプレート4は凹凸形状であるので、スラブ厚さを従来と同じとしたときに、コンクリート10の量を全体として減らすことができ、スラブ重量を軽減できる。」
(イ)図1
「【図1】
[図:0001416534000005.jpg]
」
(ウ)図4、5
「【図4】
[図:0001416534000006.jpg]
【図5】
[図:0001416534000007.jpg]
」
(エ)図面から看取できる事項
図1、図5より、デッキプレート4内の床補強用の鉄筋8の配置について以下の事項が看取できる。
・図1の上下方向がスパン方向であることは明らかであるから、図1より、床補強用の鉄筋8が、スパン方向に延びていること。
・図5より、デッキプレート4の溝部5の内部において、床補強用の鉄筋8が、溝部の底面から上方に離間する位置に配置されていること。
イ 甲2記載技術
上記アの記載事項から、甲2には、次の技術が記載されていると認められる(以下「甲2記載技術」という。)。
<甲2記載技術>
「デッキプレート合成スラブ構造において(【0022】)
デッキプレート4は、溝部5と山部6とを有する凹凸形状とされており、(【0019】)
デッキプレート4は長スパンであり、(【0021】)
デッキプレート4の上面には、補強用の鉄筋8、9が縦横に配設されており、デッキプレート4には、コンクリート10が所定の厚さとなるように打設され、(【0022】)
床補強用の鉄筋8が、スパン方向に延びており、(前記(1)エ)
デッキプレート4の溝部5の内部において、床補強用の鉄筋8が、溝部の底面から上方に離間する位置に配置されており、(前記(1)エ)
デッキプレート4上に配設された床補強用の鉄筋8、9はコンクリート10と共同して床強度を与える役割を果たし(【0023】)
デッキプレート4とコンクリート10とからなるデッキプレート合成スラブ構造による床強度の向上効果を期待しなくても、補強用の鉄筋8、9とコンクリート10とにより床強度を保証できる(【0024】)
技術。」
(3)甲3について
特許異議申立人が甲第3号証として提出した「特開2019-31792号公報」(以下「甲3」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
(ア)段落【0001】
「【0001】
本発明は、デッキプレートの配筋構造に関する。」
(イ)段落【0015】
「【0015】
<配筋構造>
図1に示すように、本実施形態のデッキプレート10は、断面が波形のQLデッキであり、長さ方向にそれぞれ延びる複数の山部12と複数の谷部14とが交互に形成されている。」
(ウ)段落【0022】
「【0022】
図1及び図2に示すように、デッキプレート10の谷部14内には、下端主筋26が2本ずつ配筋されている。下端主筋26は、谷部14の延出方向、すなわち上端主筋20と同一方向に延びる鉄筋であり、2本の下端主筋26が互いに間隔をあけて吊下げ筋24の受け部24Bにそれぞれ支持されている。」
(エ)段落【0030】、【0031】
「【0030】
以上の手順により、上端主筋20、配力筋22、吊下げ筋24、及び下端主筋26をデッキプレート10上にそれぞれ配筋する。なお、上記手順は一例であるため、配筋位置や配筋手順が異なっていても構わない。その後、図2に示すスラブコンクリート28をデッキプレート10上に打設することで、合成スラブを構築する。
【0031】
<作用及び効果>
本実施形態によれば、デッキプレート10の谷部14内に下端主筋26が配筋されている。このため、デッキプレート10の谷部14内に下端主筋26が配筋されていない構成と比較して、床耐荷重を高めることができるとともに、梁によるデッキプレート10の支持スパンを長くすることができる。」
イ 甲3記載技術
上記アの記載事項から、甲3には、次の技術が記載されていると認められる(以下「甲3記載技術」という。)。
<甲3記載技術>
「デッキプレート10は、長さ方向にそれぞれ延びる複数の山部12と複数の谷部14とが交互に形成されており、(【0015】)
デッキプレート10の谷部14内には、下端主筋26が2本ずつ配筋されており、下端主筋26は、谷部14の延出方向、すなわち上端主筋20と同一方向に延びる鉄筋であって、(【0022】)
スラブコンクリート28をデッキプレート10上に打設することで、合成スラブを構築し、(【0030】)
床耐荷重を高めることができるとともに、梁によるデッキプレート10の支持スパンを長くすることができる(【0031】)
技術。」
(4)甲4について
特許異議申立人が甲第4号証として提出した「特開平10-245922号公報」(以下「甲4」という。)には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
(ア)段落【0001】
「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、合成床用穴あきPC板を用いた合成床工法において、一体構造のスラブに段差を設ける段差床工法に関する。」
(イ)段落【0015】
「【0015】梁用のコンクリート型枠6間に段差をつけてセットした両パネル1a、1bの段差部分を形成する端部は、対向面間に所定の間隔を設けた配置とし、この間隔に段差用の鉄筋7を配筋し、両パネル1a、1bの段差部分に臨む端部側には、穴3の上フランジ部分を除去した切り欠き部分8を設け、該切り欠き部分8から穴3内に引っ張り鉄筋9を配置する。この切り欠き部分8は合成床用穴あきPC板1の製造時に設けても、現場で加工してもよい。」
(ウ)図2
「
[図:0001416534000008.jpg]
」
第5 当審の判断
1 本件特許発明1について
(1)本件特許発明1と甲1発明との対比
本件特許発明と甲1発明とを対比する。
ア 甲1発明の「段差があるデッキ合成スラブの構造」は、本件特許発明1の「段差が設けられた合成スラブ構造」に相当する。
イ 甲1発明の「段差の上段」、「段差の下段」は、それぞれ、本件特許発明1の「スラブ上段」、「スラブ下段」に相当するから、甲1発明の「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」は、本件特許発明1の「スラブ上段側に配置され」た「上段デッキプレート」に相当し、甲1発明の「段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」は、本件特許発明1の「スラブ下段側に配置され」た「下段デッキプレート」に相当する。
ウ 甲1発明の「段差の上段及び下段」を含めて合成スラブを構成する「コンクリート」は、本件特許発明1の「前記スラブ上段を構成し、且つ、前記スラブ下段を構成するコンクリート」に相当する。
エ 甲1発明において「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」は「梁」によって支持されており、段差の上段、段差の下段のそれぞれの端部も「梁」によって支持されていることは明らかである。すると、甲1発明の「梁の直交方向」は、本件特許発明1の「スパン方向」に相当する。よって、甲1発明の「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートと段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートとは、梁の直交方向に並んで」いることは、本件特許発明1の「前記上段デッキプレートと前記下段デッキプレートとは、前記スパン方向に並べられ」ていることに相当する。
オ 甲1発明の「段差の下段に設けられた合成スラブ用デッキプレートは段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートよりも下側に配置され」ていることは、本件特許発明1の「前記下段デッキプレートは、前記上段デッキプレートよりも下側に配置され」ていることに相当する。
カ 甲1発明の「コンクリート」で構成された「段差がある合成スラブの内部に」「上段と下段とに渡って連続的に」「設けられ」た「段差の補強鉄筋」は、構造上、段差の上段と下段との間で引張力等の応力を伝達することは明らかであるから、本件特許発明1の「コンクリート内に」設けられた「一本の連続した鉄筋によって構成される」「前記スラブ上段と前記スラブ下段との間で応力を伝達する応力伝達部材」に相当する。
キ 上記ア~カを踏まえると、本件特許発明1と甲1発明とは、次の一致点で一致し、相違点1、2で相違する。
<一致点>
段差が設けられた合成スラブ構造であって、
スラブ上段側に配置された、上段デッキプレートと、
スラブ下段側に配置された、下段デッキプレートと、
前記スラブ上段を構成し、且つ、前記スラブ下段を構成するコンクリートとを備え、
前記上段デッキプレートと前記下段デッキプレートとは、前記スパン方向に並べられ、
前記下段デッキプレートは、前記上段デッキプレートよりも下側に配置され、
前記コンクリート内には、前記スラブ上段と前記スラブ下段との間で応力を伝達する応力伝達部材が設けられ、
前記応力伝達部材は、一本の連続した鉄筋によって構成される、合成スラブ構造。
<相違点1>
本件特許発明1では、上段デッキプレート及び下段デッキプレートが、「スパン方向に延びる溝部を複数有する」ものであって、応力伝達部材は、「前記上段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる上段部と、前記下段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる下段部と、前記上段部と前記下段部とを接続する接続部と、を備え」のに対し、甲1発明では、合成スラブ用デッキプレート及び段差の補強鉄筋がそのようなものであるという特定がない点。
(2)相違点についての判断
相違点1について判断する。
ア 甲2記載技術について
前記第4の2(2)イで示した甲2記載技術について、「デッキプレート4」が「溝部5」を有しており、「デッキプレート4の溝部5の内部において、床補強用の鉄筋8が、溝部の底面から上方に離間する位置に配置されて」、「スパン方向に延びている」ことは、前記相違点1に係る本件特許発明1の構成の「デッキプレート」が、「スパン方向に延びる溝部を複数有する」ものであって、応力伝達部材が「デッキプレートの前記溝部内」に設けられ「スパン方向に延びる」部分を備えていることに相当する。
しかし、甲2記載技術は、デッキプレート4とコンクリート10とからなるデッキプレート合成スラブ構造に関し、あくまでも一つのデッキプレートにおける鉄筋の配置に関する技術であって、床補強用の鉄筋8は、合成スラブにおける二つのデッキプレートが設けられた部分の接続に設けられたものではない。そして、甲2において、床補強用の鉄筋8を二つのデッキプレートが設けられた部分の接続部に設ける点の記載も示唆もない。すると、甲2記載技術における床補強用の鉄筋8は、本件特許発明1の「応力伝達部材」に相当するものではあるが、「前記スラブ上段と前記スラブ下段との間で応力を伝達する」「応力伝達部材」ではなく、「応力」の「伝達」の態様において、本件特許発明1とは異なるものである。
次に、甲1発明に甲2記載技術を組み合わせる動機付けがあるか否かについて検討する。
甲1発明と甲2記載技術とは、共に、合成スラブの構造に関するものではあるが、相違点1に係る鉄筋の構成に着目すると、甲1発明の「段差の補強鉄筋」は二つのデッキプレートに渡って設けられるものであるのに対し、甲2記載技術の床補強用の鉄筋8は一つのデッキプレート上に配設されたものであり、合成スラブにおける二つのデッキプレートが設けられた部分の接続に関するものではない点で異なるものである。また、前記のとおり、甲1発明と甲2記載技術とは、応力伝達部材における応力の伝達の態様においても異なっている。
そして、甲1発明は、前記第4の2(1)エで示したとおり、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートを支持するデッキ受け材を設け」、「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分を支持する梁を設け」たものであるから、デッキ合成スラブの外部において「デッキ受け材」と「梁」を設けることで、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」と「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」とを「支持」しているものである。「デッキ受け材」と「梁」を設けた甲1発明の「段差があるデッキ合成スラブの構造」は、「デッキ受け材」と「梁」という支持部材を有しているので、構造上安定したものであると認められ、甲1発明に甲2記載技術を適用する動機付けが存在しない。
つまり、甲1発明における合成スラブ用デッキプレートを甲2記載技術にある「溝部5」を有したものに代えた上で、甲1発明の「段差の補強鉄筋」をデッキプレートの「溝部5」の内に配置する動機付けが存在せず、甲1発明に甲2記載技術を適用して相違点1に係る本件特許発明1の構成を想到し得たということはできない。
また、甲1発明におけるデッキ合成スラブの構造において、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」と「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」とを「支持」する「デッキ受け材」と「梁」による支持構造に代えて、甲1発明における合成スラブ用デッキプレートを甲2記載技術にある「溝部5」を有したものとした上で甲1発明の「段差の補強鉄筋」をデッキプレートの「溝部5」の内に配置する動機付けも存在しない。
イ 甲3記載技術について
前記第4の2(3)イで示した甲3記載技術について、「デッキプレート10」が「谷部14」を有しており、「デッキプレート10の谷部14内に」「下端主筋26が」「配筋されており」、「下端主筋26は、谷部14の延出方向、すなわち上端主筋20と同一方向に延びる」ことは、前記相違点1に係る本件特許発明1の構成の「デッキプレート」が、「スパン方向に延びる溝部を複数有する」ものであって、応力伝達部材が「デッキプレートの前記溝部内」に設けられ「スパン方向に延びる」部分を備えていることに相当する。
しかし、甲3記載技術は、あくまでも一つのデッキプレートにおける鉄筋の配置に関する技術であって、下端主筋26は二つのデッキプレートが設けられた部分の接続に設けられたものではない。そして、甲3において、下端主筋26を二つのデッキプレートの接続部に設ける点の記載も示唆もない。すると、甲3記載技術における下端主筋26は、本件特許発明1の「応力伝達部材」に相当するものではあるが、「前記スラブ上段と前記スラブ下段との間で応力を伝達する」「応力伝達部材」ではなく、「応力」の「伝達」の態様において、本件特許発明1とは異なるものである。
次に、甲1発明に甲3記載技術を組み合わせる動機付けがあるか否かについて検討する。
甲1発明と甲3記載技術とは、共に、合成スラブの構造に関するものではあるが、相違点1に係る鉄筋の構成に着目すると、甲1発明の「段差の補強鉄筋」は二つのデッキプレートに渡って設けられるものであるのに対し、甲3記載技術の下端主筋26は一つのデッキプレート上に配設されたものであり、合成スラブにおけるデッキプレートが設けられた部分の接続に関するものではない点で異なるものである。また、前記のとおり、甲1発明と甲3記載技術とは、応力伝達部材における応力の伝達の態様においても異なっている。
そして、甲1発明は、前記第4の2(1)エで示したとおり、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレートを支持するデッキ受け材を設け」、「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分を支持する梁を設け」たものであるから、「デッキ受け材」と「梁」を設けることで、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」と「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」とを「支持」しているものである。「デッキ受け材」と「梁」を設けた甲1発明の「段差があるデッキ合成スラブの構造」は、「デッキ受け材」と「梁」という支持部材を有しているので、構造上安定したものであると認められ、甲1発明に甲3記載技術を適用する動機付けが存在しない。
つまり、甲1発明における合成スラブ用デッキプレートを甲3記載技術にある「谷部14」を有したものに代えた上で、甲1発明の「段差の補強鉄筋」をデッキプレートの「谷部14」の内に配置する動機付けが存在せず、甲1発明に甲3記載技術を適用して相違点1に係る本件特許発明1の構成を想到し得たということはできない。
また、甲1発明におけるデッキ合成スラブの構造において、「段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」と「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」とを「支持」する「デッキ受け材」と「梁」による支持構造に代えて、甲1発明における合成スラブ用デッキプレートを甲3記載技術にある「谷部14」を有したものとした上で甲1発明の「段差の補強鉄筋」をデッキプレートの「谷部14」の内に配置する動機付けも存在しない。
ウ 相違点1に係る本件特許発明1の構成の効果について
本件特許発明1は、上段デッキプレート及び下段デッキプレートが、「スパン方向に延びる溝部を複数有する」ものであって、応力伝達部材を、「前記上段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる上段部と、前記下段デッキプレートの前記溝部内において、当該溝部の底面から上方に離間する位置で前記スパン方向に延びる下段部と、前記上段部と前記下段部とを接続する接続部と、を備え」るものとしたことによって、「上段デッキプレートと下段デッキプレートとが、例えば梁材などを介して接続されることなく分割された状態であっても、応力伝達部材を介して良好に応力伝達を行うことができる。また、応力伝達部材は、所望の形状にして、単にコンクリート内に配置すればよいだけなので、梁材などを用いて応力伝達をする場合に比して、構造をシンプルにすることができ、施工の手間も低減できる。以上より、構造を複雑化させることなく、段差を設けることができる。」(本願の明細書の【0007】)という効果を奏するものである。
一方、甲1発明は、前記第4の2(1)エで示したとおり、「デッキ受け材」と「梁」を設けたものであって、本願の明細書に記載の「梁材などを介して接続」したものであって「梁材などを用いて応力伝達をする場合」のものであるから、構造が「複雑化」したものである。また、甲2記載技術や甲3記載技術は、いずれも、一つのデッキプレートの配筋に関する技術であって、二つのデッキプレートの接続に関するものではないので、上段デッキプレートと下段デッキプレートとの間で、シンプルな構造で応力を伝達するものではない。
したがって、相違点1に係る本件特許発明1の構成の効果は、甲1発明及び甲2記載技術又は甲3記載技術が奏する効果の総和を超えるものであって、甲1発明及び甲2記載技術、又は、甲1発明及び甲3記載技術に基づいて当業者が予測し得たものではない。
エ 申立人の主張について
申立人は、特許異議申立書において、甲1発明と甲2記載技術、及び、甲1発明と甲3記載技術を組み合わせる動機付けについて、「甲第2号証に記載された事項は、「合成スラブ構造」に関するものであり、甲1発明と技術分野が共通する。」(特許異議申立書の16頁下から9~7行)、「甲第3号証に記載された事項は、「合成スラブにおけるデッキプレートの配筋構造」に関するものであり、甲1発明と技術分野が共通する。」(特許異議申立書の17頁2~4行)と主張している。
しかし、前記イの判断で示したとおり、甲2記載技術、甲3記載技術は、いずれも、一つのデッキプレート上に鉄筋を配設されたものであり、合成スラブにおけるデッキプレートが設けられた部分の接続に関するものではない点で本件特許発明1とは異なるものである。また、甲1発明が、段差の上段に設けられた合成スラブ用デッキプレート」と「デッキ合成スラブの段差が設けられた部分」とを「支持」する「デッキ受け材」と「梁」を設け、当該「梁」などの支持部材によって応力を伝達している点においても、甲2記載技術や甲3記載技術とは異なっている。
よって、甲1発明と甲2記載技術又は甲3記載技術は、鉄筋の機能や応力伝達に係る構造において相違するものであるから、単に技術分野が共通するからといって、甲1発明に甲2記載技術又は甲3記載技術を組み合わせる動機付けがあるということはできない。
また、申立人は、「甲第2号証及び甲第3号証を挙げるまでもなく、合成スラブに用いるデッキプレートがスパン方向に延びる溝部を複数有するように形成されていること、及び、応力伝達部材としての鉄筋をデッキプレートの溝部内に設けることは、本件特許発明1の出願前から公知の事実であり、公知の事実を甲1発明に適用すれば、本件特許発明1と同一の発明になることは明白である。」(特許異議申立書の17頁11~16行)とも主張している。
仮にも合成スラブに用いるデッキプレートがスパン方向に延びる溝部を複数有するように形成されていること、及び、応力伝達部材としての鉄筋をデッキプレートの溝部内に設けることは、本件特許発明1の出願前から公知の事実であったとしても、上記の検討で示したとおり、甲1発明は「梁」などの支持部材によって応力を伝達しているものであるし、二つのデッキプレートの接続において応力伝達部材を設けることが公知であるともいえないから、甲1発明に上記公知の事実を適用する動機付けが存在しない。
したがって、申立人の上記主張を考慮しても上記イ、ウの判断を変更すべき事情がない。
エ 小括
以上のとおりであるから、本件特許発明1に係る特許は、甲1を主たる証拠として、甲2、甲3に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないので、特許法第113条第2号に該当せず、特許異議申立理由1によって、取り消されるべきものではない。
2 本件特許発明2~4について
本件特許発明2~4は、本件特許発明1の構成を全て有し、さらに限定を付加したものであるところ、上記1において対比・判断したとおり、本件特許発明1は、甲1発明及びその他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
よって、本件特許発明2~4も、甲1発明及びその他の証拠に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
したがって、本件特許発明2~4に係る特許は、甲1を主たる証拠として、当業者が容易に発明をすることができたものであるということはできないので、特許法第113条第2号に該当せず、特許異議申立理由1によって、取り消されるべきものではない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、本件特許発明1~4に係る特許は、特許異議申立書に記載された特許異議申立理由及び証拠によっては取り消すことができない。
また、他に本件特許発明1~4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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