特許異議申立
2023-700458
書面交付請求システム及び書面交付請求方法
- 審判番号
- 2023-700458
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2022-111599
- 登録番号
- 7167377
- 請求日
- 2023年05月01日
- 審決日
- 2023年08月03日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】宝印刷株式会社
- 【権利者代理人】弁理士法人朝日特許事務所
- 【異議申立人】日置 綾子
- 審判長/審判官
- 審判長 佐藤 智康
- 審判官 梶尾 誠哉
- 審判官 木方 庸輔
- 分類
- P1652.121-Y (G06Q)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第113条
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7167377号発明「書面交付請求システム及び書面交付請求方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7167377号の請求項1、2、4~6に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7167377号の請求項1~6に係る特許についての出願は、令和4年7月12日に出願され、同年10月28日にその特許権の設定登録がされ、同年11月8日に特許公報が発行された。その後、そのうちの請求項1、2、4~6に係る特許(以下「本件特許」)に対し、令和5年5月1日に特許異議申立人 日置綾子(以下「異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。
第2 本件発明
特許第7167377号の請求項1、2、4~6に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」、「本件発明2」などといい、合わせて「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1、2、4~6に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶する第1データベースと、
株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段と、
前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段と
を有する書面交付請求システム。
【請求項2】
前記出力手段は、前記株主に前記招集通知の発送予定日を通知する
請求項1に記載の書面交付請求システム。
【請求項4】
前記発送業者と前記招集通知を発行する発行会社とが対応付けられた第2データベースを有し、
前記出力手段は、複数の前記発送業者のうち、前記発行会社に対応する発送業者に、前記注文情報を出力する
請求項1に記載の書面交付請求システム。
【請求項5】
前記サイトは、株主に予め通知した二次元コードからアクセス可能である
請求項1から4のいずれか一項に記載の書面交付請求システム。
【請求項6】
株主に発送する招集通知を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶するステップと、
株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けるステップと、
前記入力された株主情報に基づいて株主を認証するステップと、
前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力するステップと
を有する書面交付請求方法。」
第3 申立理由の概要
1 異議申立人の提出した証拠
異議申立人は、次の甲第1号証~甲第7号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲7」という。)を証拠として提出している。
甲第1号証(甲1):米国特許出願公開第2012/0284092号明細書
甲第2号証(甲2):“Spotlight on Proxy Matters ? "E-Proxy" or "Notice and Access"”、[online]、2010年4月8日、米国証券取引委員会、[2023年4月27日検索]、インターネット
<URL:https://web.archive.org/web/20100408110254/http://www.sec.gov/spotlight/proxymatters/e-proxy.shtml>
甲第3号証(甲3):“Sample Proxy Notice”、[online]、2010年4月8日、米国証券取引委員会、[2023年4月27日検索]、インターネット
<URL:https://web.archive.org/web/20100408111035/http://www.sec.gov/spotlight/proxymatters/proxy_notice.htm>
甲第4号証(甲4):AMENDMENTS TO NATIONAL INSTRUMENT 54-101 COMMUNICATION WITH BENEFICIAL OWNERS OF SECURITIES OF A REPORTING ISSUER
<URL:https://www.asc.ca/-/media/ASC-Documents-part-1/Regulatory-Instruments/2018/10/5198807-v1-Amendments-to-54-101-NI-Eff-Feb-11-2013.ashx>
甲第5号証(甲5):特開2007-299065号公報
甲第6号証(甲6):特開2018-101386号公報
甲第7号証(甲7):特開2018-106411号公報
2 特許異議の申立理由
異議申立人の主張する特許異議の申立ての理由(進歩性欠如)の概要は以下のとおりである。
(1) 本件発明1、4及び6
本件発明1、4及び6は、甲1に記載された発明、甲2~甲6に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
(2) 本件発明2及び5
本件発明2及び5は、甲1に記載された発明、甲2~甲7に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、当該発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものである。
第4 異議申立人の提出した証拠の記載
1 甲1について
(1) 甲1の記載
甲1には、以下の記載がある(甲1の日本語翻訳文を示す。下線加筆、以下同じ。)。
「[0003] インターネットを利用した議決権行使システムがある。例えば、Proxyvote.comは、企業の総会議題に対する株主の投票指示を取り込むウェブベースの投票システムである。図1は、Proxyvote.comの総会議案ページの画面である。」
「[0044] いくつかの実施形態において、本発明は、インターネットの代理投票ウェブサイトを、コンピュータ・インターフェース能力が制限された携帯機器への電子メールの配信サービスと完全に統合することを可能にする。いくつかの実施形態では、本発明は、小売株主が、コンピュータ・インターフェース能力が制限された携帯機器を使用して投票することを可能にする。いくつかの実施形態では、本発明は、代理投票ウェブサイトに直接ログインし、投票される議題を表示するページに移動するスマートリンクを電子メールで提供することにより、小売株主が携帯電話を使用して投票することを可能にする。そこから、議案の文言を明確に読み、投票指示を簡単に提出することができるはずである。いくつかの実施形態では、本発明は株主の参加を増加させる。」
「[0048] 3) 認証と承認-管理番号とPINに基づく認証、および総会と管理番号の承認。」
「[0052] 7) Notice and Access Fulfillment(通知とアクセスの履行)-株主がNotice and Accessの郵送のために総会資料の印刷物を請求できること。」
「[0063] 本発明のいくつかの実施形態では、電子メールの配信サービスは、事前に同意したすべての株主に毎晩送信される。本発明のいくつかの実施形態では、電子メールには、例えばProxyvote.comへのリンクとともに、会社の年次総会に関する情報が含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、電子メールはテキスト形式またはHTML形式のいずれかで送信される。本発明のいくつかの実施形態では、代理投票へのリンクは常にクリック可能である。本発明のいくつかの実施形態では、Proxyvote.comへの実際のURLには株主管理番号が埋め込まれており、Proxy voteがこのパラメータを受け入れ、自動的にログインできるようになっている。」
「[0066] 2) 同じ携帯端末から、電子メール内の代理投票サイトへのリンクをクリックする。
[0067] 3) 代理投票サイトは、携帯端末がアクセスしようとしていることを認識し、URLパラメータ(管理番号)をすべて保持したまま、携帯代理投票サイトアプリケーションにリダイレクトする。
[0068] 4) 本発明は、クエリー文字列から管理番号を解析し、ユーザーを認証する。」
「[0074] いくつかの実施形態では、本発明は、株主を認証および承認するために12桁の管理番号を使用する。管理番号は、投票される会社の総会および議題に関連付けられる。投票できない特定の管理番号ステータスコードと同様に、総会日または総会日後に投票される会議を防止するビジネスルールがある。これらのビジネスルールは、認証APIを通じて処理される。」
「[0095] 一部の実施形態では、ジョブがNotice and Accessを使用して郵送する場合(デフォルトで株主には紙の資料は郵送されず、株主は明示的に要求する必要がある)、株主は電子資料の電子メールまたは紙による送付を要求でき、また将来、この資料の電子メールまたは紙による送付を登録することもできる。一部の実施形態では、株主が「通知」および「アクセス」の郵送について選択できる、以下のフルフィルメントオプションがある:」
「[0103] 1) 代理投票ウェブサイトは、履行要求を取り込むことができる(履行オプショ ンは、会議日の12ヶ月後まで利用可能とすることができる)。投票は通常、会議日までしか許可されないので、アジェンダページでは投票を許可せず、会議日から12ヶ月後までの間はフルフィルメントのみを許可する。いくつかの実施形態では、履行オプションは以下のように提示することもできる:
[0104] 1) この管理番号に関連する総会資料を、通知と同じ住所に無料で送付してください。」
「[0127] 一部の実施形態では、図7に示すように、QRコードを株主に提供される通知に印刷することができる。いくつかの実施形態では、QRコードにエンコード/埋め込まれた開始指示(複数可)は、議決権行使の選択肢および/または議決権行使資料のためのオンラインロケータ(例えば、ウェブサイト、「クラウド」ソースポインタ)を含むことができる。たとえば、いくつかの実施形態では、QRコードに符号化/埋め込まれた開始指示(複数可)は、たとえば以下のように、リソースロケータおよび投票者固有の識別子(たとえば、投票実施機関または投票を集める責任を負う仲介機関によって割り当てられた固有の番号)を含むことができる:ProxyVote.comのURLと投票者の組み込み管理番号:www.proxyvote.com/0[管理番号](たとえば、www.proxyvote.com/012345678912.)。」
「
[図:0001401700000001.jpg]
」
(2) 甲1発明
上記(1)によれば、甲1には次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されている。
[甲1発明]
企業の総会議題に対する株主の投票指示を取り込むウェブベースの投票システムであるインターネットを利用した議決権行使システムであって([0003])、
インターネットの代理投票(proxy vote)ウェブサイトを、コンピュータ・インターフェース能力が制限された携帯機器への電子メールの配信サービスと完全に統合することができ([0044])、
代理投票ウェブサイトに直接ログインし、投票される議題を表示するページに移動するスマートリンクを電子メールで提供することにより、小売株主が携帯電話を使用して投票することを可能にし([0044])、
管理番号とPINに基づく認証、及び、総会と管理番号の承認の機能を有し([0048])、
株主は、「Notice and Access」の郵送のために総会資料の印刷物を請求することができ([0052])、
電子メールの配信サービスは、事前に同意したすべての株主に毎晩送信され、電子メールには、Proxyvote.comへのリンクとともに、会社の年次総会に関する情報が含まれ、代理投票へのリンクは常にクリック可能であり、Proxyvote.comへの実際のURLには株主管理番号が埋め込まれており、Proxy voteがこのパラメータを受け入れ、自動的にログインできるようになっており([0063])、
携帯端末から、電子メール内の代理投票サイトへのリンクをクリックすると、代理投票サイトは、携帯端末がアクセスしようとしていることを認識し、URLパラメータ(管理番号)をすべて保持したまま、携帯代理投票サイトアプリケーションにリダイレクトし、クエリー文字列から管理番号を解析して、ユーザーを認証するものであり([0066]~[0068])、
株主を認証及び承認するために、投票される会社の総会及び議題に関連付けられる12桁の管理番号を使用し([0074])、
「Notice and Access」を使用して郵送する場合(デフォルトで株主には紙の資料は郵送されず、株主は明示的に要求する必要がある)、株主は電子資料の電子メールまたは紙による送付を要求でき([0095])、
代理投票ウェブサイトは、履行要求を取り込むことができ(履行オプションは、会議日の12ヶ月後まで利用可能とすることができる)、「この管理番号に関連する総会資料を、通知と同じ住所に無料で送付してください。」と提示することもでき([0103]~[0104])、
QRコードを株主に提供される通知に印刷することができ、QRコードにエンコード/埋め込まれた開始指示は、議決権行使の選択肢および/または議決権行使資料のためのオンラインロケータ(例えば、ウェブサイト、「クラウド」ソースポインタ)を含むことができ([0127])、
ネットワークデータベースA及びネットワークデータベースBを備える(FIG.6)、
議決権行使システム。
2 甲2について
甲2には、以下の記載がある(甲2の日本語翻訳文を示す。)。
「「Notice and Access」がどのように実行されるか、会社は、従来の膨大な総会資料一式の代わりに、1頁の通知を送付(または仲買人に送付を依頼)することができる。これは会社にコストの削減と環境への配慮をもたらすことができる。貴方がもしそのような通知を受領したら、(1)どのように投票するかの指示を含む総会資料にオンラインでアクセスするか、(2)それらの資料を紙で送付することを要求するのかの選択をすることができる。」(1/2頁中段)
3 甲3について
甲3には、以下の記載がある(甲3の日本語翻訳文を示す。)。
「閲覧または受領が可能な総会資料
株主総会の通知および委任勧誘状および2009年12月31日に終了する年度の年次報告」
「どのように紙またはEメールの写しを要求し、受領するか:
もし貴方がこれらの資料の紙またはEメールの写しを受領したいならば、いずれかを要求する必要がある。写しを要求することに費用は不要である。要求を行うために、以下の方法のいずれかを選択してください:
1) インターネットにより:www.boting website.com
2) 電話により:1-800-123-4567
3) Eメールにより*proxymaterial@voting website.com」(1/3頁下段)
4 甲4について
甲4には、以下の記載がある。
「2.7.3 情報収集の制限-フリーダイヤルまたはその他の手段を用いて
(1) パラグラフ2.7.1(1)(e)において言及された総会資料または他の文書の紙の写しの要求を受領した報告発行会社は、以下のいずれも行ってはならない:
(a) 名前、ならびに、総会資料およびもし適用されるのであれば総会資料パラグラフ2.7.1(1)(e)の文書が送付されるべき住所以外の要求者に関する情報を問い合わせること;
(b) 総会資料およびもし適用されるのであれば総会資料パラグラフ2.7.1(1)(e)の文書を送付すること以外の目的に、要求者の名前または住所を公開または使用すること。」(5頁中段)
5 甲5について
甲5には、以下の記載がある。
「【0032】
そして、フロントサーバ22は、株主認証手段221、優待品選択手段222、アンケート回答手段223を備える。
株主認証手段221は、インターネットを介してログイン要求があった場合、正規の株主かどうかを判断するための利用者認証を行なう手段として機能する。
【0033】
優待品選択手段222は、株主が選択した優待品に関するデータ(商品の選択、商品送付先)を株主端末40から取得する手段として機能する。
また、アンケート回答手段223は、株主が回答したアンケート内容に関するデータを株主端末40から取得する手段として機能する。そして、優待品選択手段222、アンケート回答手段223は、株主端末40から取得したデータをバックサーバ21の株主回答選択登録データベース記憶部21eに格納する手段として機能する。」
「【0042】
認証データベース記憶部21dは株主データ記憶手段として機能し、株主の認証を行なうためのデータが記録される。具体的には、顧客企業を通じて個々の株主情報を管理する証券代行機関の委託機関から取得した証券コード,期名,株主コード,株主名,所有株数に関するデータを記録する。更に、ネットワークを利用する株主に対しては、フロントサーバ22にログインするためのログインパスワードに関するデータを記録する。
【0043】
株主回答選択登録データベース記憶部21eには、図6に示すように、株主から取得した回答に関する株主回答選択登録データが記録される。この株主回答選択登録データは、フロントサーバ22から、株主の回答データを取得した場合に記録される。この株主回答選択登録データは、株主の証券コード,期名,株主コード毎に、優待品コード、アンケート回答に関するデータから構成される。」
「【0045】
優待品コードデータ領域には、この株主が選択した優待品を特定するためのデータが記録される。
アンケート回答データ領域には、各アンケートの質問に対して株主が選択した回答(選択肢)を特定するためのデータが記録される。」
「【0049】
(株主優待カタログの提供処理)
次に、株主優待カタログの提供処理について説明する。
まず、顧客企業は、優待サービス申込処理を実行する(ステップS2-1)。この場合、顧客企業は、優待品を提供する提携百貨店を決めて、株主優待支援サービスの運営主体に申し込む。この場合、株主優待支援サービスの運営主体は、顧客企業データベース記憶部21cに、この顧客企業の証券コードに、選択された提携百貨店コードを関連付けて記録する。更に、株主優待支援サービスの運営主体は、バックサーバ21を利用するための認証データを設定し、利用者認証手段211に保持させるとともに、顧客企業に提供する。」
「【0086】
そして、顧客企業において、株主回答選択が確認された場合、顧客企業端末30において、株主優待支援システム20に対して優待品発送指示処理を実行する(ステップS3-4)。株主優待支援システム20は、優待品発送指示を提携百貨店サーバ10に転送する(ステップS3-5)。これにより、提携百貨店サーバ10において、優待品発送のための処理が実行される(ステップS3-6)。」
6 甲6について
甲6には、以下の記載がある。
「【0015】
・・・
また、例えば、株式会社(ギフトを贈る人)が、自社の株主(ギフトを貰う人)に対して、株主優待として、ギフトを贈るために本サービスを利用するような場合がある。
即ち、株式会社は、自社の株主に対して、株主優待のサービスの一環として、当該株主が所定の条件内で、好きなギフトを貰う権利を贈ることで、当該株主は、株主優待にふさわしい好みのギフトを受け取ることができる。」
「【0028】
上述の通り、貰い手端末3は、ギフトを贈る人Gからギフトコードが渡されたギフトを貰う人Tの操作により、まずは、本サービスの提供者により管理されるサイトのうち、ギフトとしての商品等を選択させるために提供するサイト(以下、「商品選択サイト」と呼ぶ)へとアクセスし、ギフトコードを入力する。
ギフトを貰う人Tは、このようにギフトコードを入力することで、本サービスの提供者に対してギフトを貰う権利を有していることを示すことができる。
そして、後述するサーバ1での各種処理の結果、貰い手端末3には、当該ギフトコードに対応する種類のギフトコースに掲載された1以上の商品等を表示し、当該1以上の商品等の中から所定のものをギフトとして選択するための画面(以下、「商品選択画面」と呼ぶ)が表示される。
ギフトを貰う人Tは、表示された商品選択画面において、選択対象となる1以上の商品等の中から好みのものを選択し、自身の住所や連絡先等を入力する操作を行う。
これにより、ギフトを貰う人Tの商品選択は終了する。なお、サーバ1は、ギフトを貰う人Tの住所や連絡先等からギフトの配送に必要な配送情報を生成する。
これにより、商品等の選択は完了し、サーバ1から貰い手端末3へ商品選択が完了した旨が通知される。
なお、同時に、サーバ1では、ギフトを貰う人Tへ当該商品等を配送するために必要な配送情報が生成され、商品提供者に伝送される。商品提供者は、配送業者にギフトの配送依頼等を行う。これにより、ギフト(実際の商品等)は、ギフトを貰う人Tに譲渡される。・・・」
「【0070】
ステップS21において、コード取得部231は、貰い手端末3から送信されてきたギフトコードを取得する。
【0071】
ステップS22において、貰い手側情報管理部222は、取得したギフトコードが有効であるか否かを判断する。
上記ギフトコードが無効であれば、ステップS22において、NOであると判定されて、処理はステップS21に戻され、それ以降の処理が繰り返される。
これに対して、上記ギフトコードが有効であれば、ステップS22でYESであると判定されて、処理はステップS23に進む。
【0072】
ステップS23において、貰い手側情報管理部222は、商品選択画面管理部102に管理される商品選択画面を含むウェブサイト等のデータを抽出し、それを貰い手端末3に送信する。
ここで、貰い手端末3に送信された当該ウェブサイト等のデータは、貰い手端末3で取得される。そして、貰い手端末3は、上述の商品選択画面を表示部332に表示する。
ギフトを貰う人は、このようにして表示された商品選択画面を見ることで、好みの商品を選択する。そして、貰い手端末3は、このギフトを貰う人の商品選択情報をサーバ1に送信する。
【0073】
ステップS24において、商品選択取得部232は、このようにして貰い手端末3から送信されてきた商品選択情報を取得する。
即ち、貰い手端末3は、ギフトを貰う人が選択した商品等の情報を送信する。
そして、商品選択取得部232は、通信部29を介して、ギフトを貰う人が選択した商品等の情報、つまり商品選択情報を取得する。
【0074】
ステップS25において、貰い手側情報管理部222は、ステップS24で取得した上記商品選択情報をもとに、配送する会社や配送先、時間指定等の配送条件に関する情報(以下、「配送情報」と呼ぶ)を生成する。
即ち、貰い手側情報管理部222は、上記商品選択情報に含まれるギフトを貰う人の住所等の受け取り先の情報をもとに、配送情報を生成する。」
7 甲7について
甲7には、以下の記載がある。
「【0111】
・・・ここで、ポイント交換商品申し込み確認画面(図41)が表示され、商品名と必要なポイント数、配送先、お届け予定などが表示される。・・・」
「【0144】
・・・
(20)SRサイトサーバ1から株主クライアント端末11に対して、要請に応じて、ポイント等に応じた株主優待商品等を発送する手配を行う。」
第5 当審の判断
1 本件発明1について
(1) 対比
本件発明1と甲1発明を対比する。
ア 甲1発明において、「株主は、「Notice and Access」の郵送のために総会資料の印刷物を請求することができ」るから、甲1発明の「議決権行使システム」では、「株主に発送する印刷物を特定する情報」を記憶しているといえる。
また、甲1発明では、「株主を認証及び承認するために、投票される会社の総会及び議題に関連付けられる12桁の管理番号を使用し」ているから、甲1発明の「議決権行使システム」では、「株主を認証するための12桁の管理番号」を記憶しているといえる。
そして、甲1発明の「議決権行使システム」は、「ネットワークデータベースA及びネットワークデータベースB」を備えており、これらのネットワークデータベースは、総称して、本件発明1と同様の「第1データベース」といい得るものであり、甲1には、ほかに情報を記憶するデータベースや記憶部が記載されていないことから、上記「株主に発送する印刷物を特定する情報」及び上記「株主を認証するための12桁の管理番号」を記憶するものであるといえる。
なお、本件発明1の「招集通知」も甲1発明の「印刷物」も「株主に発送する」ものであり、それらは「書面」といえるから、本件発明1の「株主に発送する招集通知を特定する情報」と、甲1発明の「株主に発送する印刷物を特定する情報」は、「株主に発送する書面を特定する情報」で共通する。
また、甲1発明の「株主を認証するための12桁の管理番号」は、株主の認証情報といえるから、本件発明1の「株主の認証情報を含む株主情報」に相当する。
イ 甲1発明において、「電子メールの配信サービスは、事前に同意したすべての株主に毎晩送信され、電子メールには、Proxyvote.comへのリンクとともに、会社の年次総会に関する情報が含まれ、代理投票へのリンクは常にクリック可能であり、Proxyvote.comへの実際のURLには株主管理番号が埋め込まれており、Proxy voteがこのパラメータを受け入れ、自動的にログインできるようになって」いるところ、「Proxyvote.comへのリンク」は「電子メール」で「事前に同意したすべての株主に毎晩送信され」ているから、「Proxyvote.comへの実際のURL」により特定されるサイトは、「株主に予め通知したサイト」であるということができる。また、「Proxyvote.comへの実際のURL」には「株主管理番号が埋め込まれており」、代理投票ウェブサイトへ「自動的にログインできる」から、甲1発明の「議決権行使システム」は、「株主管理番号」、すなわち、本件発明1の「株主の認証情報を含む株主情報」の入力を受け付ける受付手段を有するということができる。なお、上記アのとおり、甲1発明の「議決権行使システム」は、「株主に発送する印刷物を特定する情報」を記憶しており、株主に印刷物(書面)を発送しているから、上記受付手段は、書面に関する情報の入力も受け付けているということができる。
ウ 上記ア及びイによれば、甲1発明は、本件発明1の「前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段」を有するものである。
エ 上記アのとおり、甲1発明の「印刷物」は「株主に発送する」ものであり、「書面」といえる。そうすると、甲1発明の「議決権行使システム」は、株主の請求に応じて、「書面」を発送(交付)しているから、本件発明1と同様の「書面交付請求システム」であるということができる。
以上によれば、本件発明1と甲1発明は、以下の一致点、相違点を有する。
[一致点]
株主に発送する書面を特定する情報及び当該株主の認証情報を含む株主情報を記憶する第1データベースと、
株主に予め通知したサイトにおいて前記株主情報及び前記書面に関する情報の入力を受け付ける受付手段と、
前記入力された株主情報に基づいて株主を認証する認証手段と、
を有する書面交付請求システム。
[相違点]
[相違点1]
「書面」について、本件発明1は「招集通知」であるのに対し、甲1発明は「印刷物」である点。
[相違点2]
「受付手段」が受け付ける「書面に関する情報」の入力について、本件発明1では「招集通知の発送先に関する情報」であるのに対し、甲1発明では「印刷物に関する情報」であって「発送先」に関する情報ではなく、それにともない、本件発明1は、「前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段」を有するのに対し、甲1発明は、そのような出力手段を有しない点。
(2) 判断
ア 検討
事案に鑑みて、先に相違点2について検討する。
異議申立人の進歩性欠如の主張に係る甲2~甲6に記載された事項は、上記第4の2~6のとおりであるところ、いずれの記載事項も相違点2の構成であるとはいえない。また、念のため、甲7の記載事項(上記第4の7)をみても、相違点2の構成であるとはいえない。
そうすると、甲1発明に、甲2~7に記載された事項を組み合わせることができたとしても、本件発明1の構成には至らないし、ほかに相違点2に係る構成が周知技術であったということもできないから、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。
なお、本件発明1は、招集通知を発行する発行会社が、株主から「招集通知の発送先に関する情報」の入力を受け付け、「招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報」を発送業者に出力することによって、招集通知の発送を依頼するという、発行会社と発送業者が連携することが前提となるシステムである。一方、甲1発明は、株主を認証し、総会資料の印刷物を郵送することはできるものの、それにとどまり、発行会社から発送業者に招集通知の発送を依頼するようなシステムであることの記載も示唆もない。そうすると、甲1に接した当業者であっても、甲1発明の「議決権行使システム」を招集通知の発行会社と発送業者が連携したシステムとし、「招集通知の発送先に関する情報」を受け付けたり、「招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報」を発送業者に出力したりするように変更することの動機付けを見いだすことはできない。
したがって、甲1発明の「議決権行使システム」において、相違点2に係る構成を採用することの動機付けはないから、この観点からみても、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。
イ 異議申立人の主張について
(ア) 異議申立人は、招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けることに関し、甲4には、「Notice and Access」において、総会資料の紙の写しを請求されたものは、請求者の名前及び住所以外の個人情報を問い合わせてはならず、請求者の名前及び住所を総会資料の郵送以外の目的に使用してはならないことが記載されており、これを反対解釈すれば、総会資料の紙の写しを請求されたシステムは、総会資料の郵送に用いることを目的としていれば、請求者の住所を問い合わせてよいと解釈されるから、甲1発明の「議決権行使システム」において、甲4を参照して、株主から招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けるように構成することは、当業者において容易に想到し得た事項であると主張する(特許異議申立書17頁下段)。
しかしながら、異議申立人の主張する甲4の記載は、単に個人情報の取扱についての記載にすぎず、システムを構築する際の設計変更を示唆するものではない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
(イ) 異議申立人は、甲5及び甲6には、株主に対して優待品を発送するためのシステムが記載されており、甲5には優待品移管する商品送付先を株主端末から取得すること、甲6には株主が住所の入力を行うことが記載されているように、株主に対して特定の物品を発送する発明において、株主から発送先に関する情報の入力を受け付けるように構成することは周知技術にすぎないから、甲1発明の「議決権行使システム」において、周知技術を適用し、あるいは、甲5又は甲6に記載された事項を適用し、株主から招集通知の発送先に関する情報の入力を受け付けるように構成することは、当業者において容易に想到し得た事項であると主張する(特許異議申立書18頁上段)。
しかしながら、仮に、株主に対して特定の物品を発送する発明において、株主から発送先に関する情報の入力を受け付けるように構成することが周知技術であったり、甲5や甲6に記載されていたとしても、上記アのとおり、甲1に接した当業者であっても、甲1発明の「議決権行使システム」を招集通知の発行会社と発送業者が連携したシステムとし、「招集通知の発送先に関する情報」を受け付けたり、「招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報」を発送業者に出力したりするように変更することの動機付けを見いだすことはできないから、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえない。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
(ウ) 異議申立人は、上記(ア)と同様、甲4の記載を反対解釈すれば、総会資料の紙の写しを請求されたシステムは、請求者に問い合わせた住所を用いて総会資料の発送を行ってよいと解釈されるから、甲1発明の「議決権行使システム」において、「前記入力された株主情報に基づいて前記株主が認証された場合、前記招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、当該招集通知を前記株主に発送する発送業者に出力する出力手段」を設けることは、当業者の通常の創作能力の発揮であり、設計的事項といえると主張する(特許異議申立書19頁下段)。
しかしながら、異議申立人の主張する甲4の記載は、単に個人情報の取扱についての記載にすぎず、システムを構築する際の設計変更を示唆するものではないことは、上記(ア)のとおりである。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
(エ) 異議申立人は、甲5や甲6の記載を根拠とし、株主に対して特定の物品を発送する発明において、株主が認証された場合、物品の発送先に関する情報を含む注文情報を、物品を株主に発送する発送業者に出力するように構成することは周知技術にすぎないから、甲1発明の「議決権行使システム」において、周知技術を適用し、あるいは、甲5又は甲6に記載された事項を適用し、株主が認証された場合、招集通知の発送先に関する情報を含む注文情報を、招集通知を株主に発送する発送業者に出力するように構成することは、当業者において容易に想到し得た事項であると主張する(特許異議申立書20頁中段)。
しかしながら、仮に、株主に対して特定の物品を発送する発明において、株主に対して特定の物品を発送する発明において、株主が認証された場合、物品の発送先に関する情報を含む注文情報を、物品を株主に発送する発送業者に出力するように構成することが周知技術であったり、甲5や甲6に記載されていたとしても、甲1発明において、相違点2の構成を採用することは、当業者であっても容易に想到し得るとはいえないことは、上記アのとおりである。
したがって、異議申立人の主張は採用できない。
ウ 以上によれば、相違点1について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、甲2~7に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
2 本件発明2、4及び5について
本件発明2、4及び5は、本件発明1を限定した発明であるから、甲1発明と対比すると、少なくとも、上記1(1)の[相違点]を有するところ、本件発明1が上記1(2)のとおり、甲1発明、甲2~7に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない以上、本件発明2、4及び5も甲1発明及び甲1発明、甲2~7に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
3 本件発明6について
本件発明6は、「書面交付請求方法」の発明であるところ、本件発明1の「書面交付請求システム」を方法の発明で特定したものであり、カテゴリーが相違するのみで実質的な相違はない。
そうすると、本件発明6は、甲1から認定される方法の発明と対比すると、上記1(1)の[相違点]と同様の相違点を有することになる。
したがって、上記1(2)と同様、本件発明6は、甲1から認定される発明、甲2~7に記載された事項あるいは周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
4 小括
以上によれば、本件発明についての特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものではない。
したがって、本件発明についての特許は、特許法113条2項の規定により取り消されるべきものではない。
第6 むすび
以上の次第であるから、特許異議の申立ての理由及び異議申立人の提出した証拠によっては、本件特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2023-700458