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特許異議申立

2026-700334

情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム

審判番号
2026-700334
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2024-083630
登録番号
7765847
請求日
2026年04月17日
審決日
2026年07月23日
公報発行日
2026年08月28日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】株式会社iimon
  • 【権利者代理人】弁理士法人白坂
  • 【異議申立人】相川 和信
審判長/審判官
  • 審判長 佐藤 智康
  • 審判官 田川 泰宏
  • 審判官 田付 徳雄
分類
P1651.121-Y (G06Q)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7765847号発明「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7765847号の請求項1~8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7765847号の請求項1~8に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、令和6年5月22日に出願され、令和7年10月29日にその特許権の設定登録がされ、同年11月7日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許の請求項1~8に係る特許に対し、令和8年4月17日に特許異議申立人 相川 和信(以下「異議申立人」という。)により、特許異議の申立てがされた。 第2 本件発明 本件特許の請求項1~8に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明8」という。また、これらの発明をまとめて「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける利用履歴を取得する利用履歴取得部と、 前記利用履歴取得部において取得された利用履歴に基づき、不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する不動産データ検索部と、 前記不動産データ検索部において検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供部と を備える、情報処理装置。 【請求項2】 前記不動産データ検索部において検索された前記不動産データを編集する不動産データ編集部をさらに備え、 前記不動産データ提供部は、前記不動産データ編集部において編集された前記不動産データを提供する、請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項3】 前記利用履歴取得部において前記利用履歴として取得された、前記利用者の当該不動産サイトにおける検索条件を記録する検索条件記録部をさらに備え、 前記不動産データ検索部は、予め設定された検索タイミングにおいて、前記検索条件記録部に記録された検索条件で前記不動産データを検索し、 前記不動産データ提供部は、前記不動産データ検索部において検索された検索条件に合致した前記不動産データを提供する、請求項1または2に記載の情報処理装置。 【請求項4】 前記利用履歴取得部において取得された、前記利用者が利用した不動産サイトの名称、不動産サイトに対するアクセス回数もしくはアクセス時間、不動産サイトの滞在時間、または不動産サイトに対する問合せ情報の少なくともいずれか1つを含む利用履歴を解析する利用履歴解析部と、 前記利用履歴解析部において解析された解析結果を不動産業者に提供する解析結果提供部と、をさらに備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。 【請求項5】 前記利用履歴取得部において取得された利用履歴を解析するためのプロンプトを生成するプロンプト生成部と、 前記プロンプト生成部において生成された前記プロンプトを大規模言語モデルに提供するプロンプト提供部と、 前記プロンプト提供部において提供されたプロンプトに応じて生成された利用履歴の解析結果を取得する解析結果取得部と、 前記解析結果取得部において取得された解析結果を不動産業者に提供する解析結果提供部と、をさらに備える、請求項1または2に記載の情報処理装置。 【請求項6】 前記不動産データ検索部は、前記利用者を特定しない匿名状態で前記不動産データを検索し、 前記不動産データ提供部は、前記匿名状態で検索した利用者に対して前記不動産データを提供する、請求項1または2に記載の情報処理装置。 【請求項7】 一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける利用履歴を取得する利用履歴取得ステップと、 前記利用履歴取得ステップにおいて取得された利用履歴に基づき、不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する不動産データ検索ステップと、 前記不動産データ検索ステップにおいて検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供ステップと を含む、情報処理方法。 【請求項8】 一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける利用履歴を取得する利用履歴取得処理と、 前記利用履歴取得処理において取得された利用履歴に基づき、不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する不動産データ検索処理と、 前記不動産データ検索処理において検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供処理と をコンピュータに実現させるための、情報処理プログラム。」 第3 特許異議申立書に記載した申立ての理由の概要 異議申立人は、次の甲第1号証~甲第6号証(以下、それぞれ「甲1」~「甲6」といい、これらをまとめて「甲号証」という。)を証拠として提出し、本件発明1~8は、甲1記載の発明及び甲2~甲6記載の周知技術とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1~8についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである旨主張する。 甲第1号証:特開2020-155126号公報 甲第2号証:特開2011-8366号公報 甲第3号証:特開2015-129980号公報 甲第4号証:中国特許第107359996号公報 甲第5号証:株式会社LIFULL,「LIFULL HOME'S、国内不動産ポータル として初めてChatGPT向けプラグインを提供」,[online],2023年6月12日,掲載日, <URL: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000339.000033058.html> 甲第6号証:株式会社LIFULL,「【国内不動産ポータルサイト初※「ChatGPT」の技術を活用】LINEで24時間いつでも住み替え相談ができる「AIホームズくんBETA LINE版」を提供開始」,[online],2023年4月28日,掲載日, <URL: https://lifull.com/news/34494/> 第4 甲号証について 1 甲1に記載されている事項、甲1発明について (1)甲1に記載されている事項 甲1には、次の事項が記載されている(下線は当審で付した。以下同じ。)。 ア「【技術分野】 【0001】 本発明は、不動産サーバ及び不動産検索システムに関し、特に、ハウスメーカが好適に利用可能な不動産サーバ及び不動産検索システムに関する。」 イ「【発明の実施の形態】 【0018】 以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施形態1においては、主として、不動産の物件情報として購入可能な土地情報とした場合を例に説明する。 【0019】 (実施形態1) 図1は、本発明の実施形態1の不動産検索システムの模式的な構成図である。図1には、以下説明する、不動産サーバ100と、ユーザ装置200と、不動産業者装置300と、ポータルサイトデータベース(以下、「ポータルサイトDB」と称する。)400と、不動産流通標準情報システムデータベース(Real Estate Information Network System データベース:以下、「REINS-DB」と称する。)500と、ネットワーク600と、を示している。 【0020】 不動産サーバ100は、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から、土地情報を含む不動産の物件情報を収集して、ユーザ装置200から送信される検索条件に合致する物件情報を提供するものである。不動産サーバ100の具体的構成については、図2を用いて後述する。 【0021】 ユーザ装置200は、本実施形態の不動産検索システムによるサービスの提供を受けるユーザによって操作されるものである。ユーザ装置200は、携帯電話機、タブレット端末、スマートフォン、パーソナルコンピュータなどとすることができる。 【0022】 不動産業者装置300は、ハウスメーカなどの不動産業者の職員によって操作されるものである。不動産業者装置300は、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータなどとすることができる。 【0023】 ポータルサイトDB400は、不動産情報サイトのデータベースである。ポータルサイトDB400には、一般公開されている不動産の公開物件情報が蓄積されている。なお、図1には、一つのポータルサイトDB400のみ示しているが、本実施形態の不動産検索システムには、実際には複数のポータルサイトDB400が存在する。 【0024】 REINS-DB500は、不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムに用いられているデータベースである。REINS-DB500には、一般公開されている不動産の公開物件情報のみならず、一般公開されていない不動産の未公開物件情報も蓄積されている。 【0025】 ネットワーク600は、不動産サーバ100とユーザ装置200と不動産業者装置300とポータルサイトDB400とREINS-DB500とを相互に接続するネットワークである。ネットワーク600は、インターネット回線、電話回線、携帯電話回線、LTE(Long Term Evolution)回線などの各種ネットワークの総称である。 【0026】 図2は、図1に示す不動産サーバの模式的な構成図である。図2には、以下説明する、収集手段105と、格納媒体110と、削除手段115と、画像処理手段120と、返信手段125と、算出手段130と、更新手段135と、値引情報送信手段140と、新着情報送信手段145と、登録媒体150と、連絡手段155と、質問手段160と、回答手段165と、を備える。 【0027】 収集手段105は、ネットワーク600を介して、ポータルサイトDB400に蓄積されている一般公開されている不動産の公開物件情報を収集する第1収集手段と、REINS-DB500に蓄積されている一般公開されていない不動産の未公開物件情報及び一般公開されている不動産の公開物件情報を収集する第2収集手段とを含む。」 ウ「【0032】 画像処理手段120は、ユーザ装置200から送信される検索条件に合致する不動産の物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させて後述する図3に示す画像を作成したり、そのほかに図4、図5に示す画像を作成したりするものである。 【0033】 なお、電子地図とは、ウェブページを通じて閲覧可能な地図をいい、例えば、ゼンリン社が提供するデジタル地図が該当する。電子地図は、ラスター形式で作成されたものであっても、ベクター形式で作成されたものであってもよい。 【0034】 返信手段125は、画像処理手段120によって物件情報が重畳された電子地図を、ユーザ装置200に返信するものである。これにより、ユーザ装置200は、検索条件に合致する不動産の物件情報を電子地図とともに取得することができる。 【0035】 算出手段130は、電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には、当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて、建築可能床面積を算出するものである。算出された建築可能床面積は、後述するように図5に示す画像に表示される。 【0036】 更新手段135は、算出手段130によって算出された建築可能床面積を対応する物件情報と紐付けて格納媒体110内の情報を更新するものである。これにより、既述のように、格納媒体110には、特定の土地情報とこれに対応する建築可能床面積とが一対で蓄積されることになる。 【0037】 値引情報送信手段140は、収集手段105によって収集された物件情報のうち、販売価格の値引がされた物件情報がある場合に、そのことをユーザ装置200に送信するものである。 【0038】 新着情報送信手段145は、収集手段105によって収集された新着の物件情報のうち、ユーザ装置200による検索条件との間で所定の相関関係がある物件情報を、ユーザ装置に100送信するものである。 【0039】 登録媒体150は、ユーザ装置200のユーザと当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先とが対応付けされて登録されるものである。この連絡先は、メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番号などが好ましい。また、図7(b)を用いて後述する各評価内容も物件と紐づけられた状態で登録媒体150に登録される。 【0040】 連絡手段155は、ユーザ装置による不動産サーバ本体を通じた物件情報の検索頻度が所定の閾値以上である場合に当該ユーザ装置に対応する担当者の連絡先宛に連絡をするものである。検索頻度が高いユーザは不動産の購入意識が高く、不動産の売買契約が成立する可能性も高いと考えられるため、本実施形態では、このことを担当者に伝えられるようにしている。」 エ「【0065】 図8は、図1に示す不動産検索システムの動作を示すタイミング図である。まず、ユーザ装置200は、不動産サーバ100との間で、本実施形態の不動産情報検索システムによるサービスの提供を受けるために、ログインID、ログインパスワードの発行、氏名・住所・電話番号・ファクシミリ番号・メールアドレスなどの初期設定を行う。 【0066】 つぎに、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、それぞれ、傘下の不動産業者から不動産情報を取得して、それらを不動産サーバ100がダウンロード可能なように蓄積しておく(ステップS1,S2)。 【0067】 なお、通常、物件情報は、傘下の不動産業者からポータルサイトDB400及びREINS-DB500に対してアップロードされる際にその日付が付されるので、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500では、物件情報とそれに対応する蓄積日とを紐付けた状態で蓄積する。 【0068】 つぎに、不動産サーバ100は、収集手段105によって、例えば1週間に1度のように定期的に又は不定期に不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS3)。 【0069】 具体的にステップS3では、前回物件情報の取得要求を行った後に、傘下の不動産業者からポータルサイトDB400及びREINS-DB500にアップロードされた物件情報を蓄積日又は後述する更新日から割り出して、それらを最新の物件情報として不動産サーバ100に送信する(ステップS3)。 【0070】 不動産サーバ100は、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から送信された最新の物件情報を受信すると、物件情報の加工処理を行う(ステップS4)。 【0071】 この加工処理では、収集手段105によって収集された各物件情報を格納媒体110に格納し(ステップS41)、格納媒体110に格納された各物件情報の重複を削除手段115によって排除し(ステップS42)、電子地図に重畳される物件情報が土地情報である場合には当該土地情報の建ぺい率及び容積率に基づいて算出手段130によって建築可能床面積を算出し(ステップS43)、算出手段130によって算出された建築可能床面積を対応する土地情報と紐付けて格納媒体110内の情報を更新手段135によって更新する(ステップS44)。 【0072】 この状態で、ユーザ装置200が、所望の検索条件を不動産サーバ100に送信すると、不動産サーバ100では、画像処理手段120が、この検索条件に合致する不動産の物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させて、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS5A)。 【0073】 これにより、ユーザ装置200のディスプレイには、図3を用いて説明したような画面例のウェブページが表示されることになる。 【0074】 通常、ユーザ装置200のユーザは、ステップS5Aで送信した検索条件に近しい検索条件を短期間に何度か不動産サーバ100に送信し、これに応じて不動産サーバ100からユーザ装置200に対して、物件情報をそれに含まれている住所情報に基づいて重畳させた電子地図を、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信する(ステップS5B)。 【0075】 なお、ユーザ装置200の検索ログは、不動産サーバ100に格納される。この検索ログには、ユーザ装置200から送信される検索条件、検索日時を少なくとも含む。当該検索ログは、後述するステップS9における値引情報送信処理、ステップS12における連絡処理、ステップS15における新着情報送信処理の各々の実行の有無を決定する際に用いられる。 【0076】 その後、例えば、傘下の不動産業者から既に公開済みであって、何度かユーザ装置200で閲覧された特定の物件情報について、物件の販売価格の値引がなされたとする。この場合、これを受けて、ポータルサイトDB400の管理者等は、当該特定の物件情報につき値引後の情報で更新をする(ステップS6)。 【0077】 つぎに、不動産サーバ100は、前回のステップS3での物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、収集手段105によって、不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS7)。 【0078】 これにより、不動産サーバ100では、ステップS4で説明した加工処理と同様の処理を行う(ステップS8)。 【0079】 ここで、ステップS8の加工処理を実行した結果、不動産サーバ100の格納媒体110には、ステップS6の更新処理により、特定の物件情報が値引後のものに更新された状態で格納されることになる。 【0080】 この場合には、不動産サーバ100では、検索ログを参照して更新対象である物件情報が閲覧されたか否かを特定する。ここでは、ユーザ装置200が当該特定の物件情報を閲覧しているので、値引情報送信手段140が、ユーザ装置200に対して値引情報送信処理を行う(ステップS9)。 【0081】 値引情報送信処理は、「閲覧したことのある物件が値下がりしました」ということを伝えるための処理であり、例えば、値引対象となった物件情報と、値引後の値段と、当該物件情報のページに割り当てられたURLとが記載されたメールを送信することが挙げられる。」 オ「【0085】 その後、例えば、傘下の不動産業者から未公開の新規物件情報がREINS-DB500に送信されたとする。これを受けて、REINS-DB500の管理者等は、既に蓄積している物件情報に新着物件の情報を追加するという更新処理を行う(ステップS11)。 【0086】 また、不動産サーバ100は、定期的に又は不定期に検索ログを参照して、物件情報の検索頻度が所定の閾値以上となるユーザの有無を判別する。仮に、ユーザ装置200のユーザによる検索頻度が所定の閾値以上であれば、連絡手段155は、登録媒体150に登録されている当該ユーザにサービスを提供する不動産業者の担当者の連絡先を読み出して、その連絡先宛に連絡をする(ステップS12)。 【0087】 その後、不動産サーバ100は、前回のステップS7での物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、収集手段105によって、不動産の物件情報の取得要求を行う。ポータルサイトDB400及びREINS-DB500は、この要求を受けて最新の物件情報を不動産サーバ100に送信する(ステップS13)。 【0088】 これにより、不動産サーバ100では、ステップS4で説明した加工処理と同様の処理を行う(ステップS14)。 【0089】 ここで、ステップS14の加工処理を実行した結果、不動産サーバ100の格納媒体110には、ステップS11の更新処理により、新着の物件情報を含む状態で格納されることになる。 【0090】 この場合には、不動産サーバ100では、検索ログを参照して新着物件と検索条件が同じ又は類似するなど相関関係がある情報(例えば、丁目違い、±10%程度の価格違い、最寄駅から+10%程度の距離の違いなど)のユーザの有無を判断する。仮に、新着物件がユーザ装置200のユーザの検索条件と同一又は類似である場合には、新着情報送信手段145が、ユーザ装置200に対して新着情報送信処理を行う(ステップS15)。」 カ「【図1】 [図:0001438319000001.jpg] 」 キ「【図2】 [図:0001438319000002.jpg] 」 ク「【図8】 [図:0001438319000003.jpg] 」 (2)甲1に記載された発明 上記(1)から、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる。 「不動産サーバ100、ユーザ装置200、不動産業者装置300、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500がネットワーク600で接続された不動産検索システムにおける不動産サーバ100であって、(段落【0019】、【図1】) ポータルサイトDB400には、一般公開されている不動産の公開物件情報が蓄積され、(段落【0023】) REINS-DB500は、不動産流通機構が運営している不動産情報交換のためのコンピュータ・ネットワーク・オンラインシステムに用いられているデータベースであり、REINS-DB500には、一般公開されている不動産の公開物件情報のみならず、一般公開されていない不動産の未公開物件情報も蓄積され、(段落【0024】) 不動産サーバは収集手段105、格納媒体110、画像処理手段120、返信手段125、値引情報送信手段140、新着情報送信手段145を備え、(段落【0026】、【図2】) 収集手段105は、定期的又は不定期に不動産の物件情報の取得要求を行って、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から最新の物件情報を取得して収集された物件情報を格納媒体110に格納すること、(段落【0068】、【0070】~【0071】、【図8】)、 画像処理手段120は、ユーザ装置200から送信された検索条件に合致する不動産の物件情報を格納媒体110から読み出して、当該物件情報に含まれている住所情報に基づいて電子地図に重畳させ、返信手段125が検索結果としてユーザ装置200に送信すること、(段落【0072】、【図8】) ユーザ装置200の検索ログは、不動産サーバ100に格納され、この検索ログには、ユーザ装置200から送信される検索条件、検索日時を少なくとも含み、当該検索ログは、値引情報送信処理及び新着情報送信処理の実行の有無を決定する際に用いられること、(段落【0075】) 収集手段105は、前回の物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から最新の物件情報を取得し、格納媒体110に特定の物件情報が値引後のものに更新された状態で物件情報を格納すること、(段落【0077】、【0079】、【図8】) 不動産サーバ100は、検索ログを参照して更新対象である物件情報が閲覧されたか否かを特定し、値引情報送信手段140が、当該特定の物件情報を閲覧しているユーザ装置200に対して例えば値引対象となった物件情報が記載されたメールを送信する値引情報送信処理を行い、(段落【0037】、【0080】~【0081】、【図8】) 収集手段105は、前回の物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から最新の物件情報を取得し、格納媒体110に新着の物件情報を含む状態で物件情報を格納し、(段落【0087】、【0089】、【図8】) 不動産サーバ100は、検索ログを参照して新着物件と検索条件が同じ又は類似するなど相関関係がある情報のユーザの有無を判断し、新着物件がユーザ装置200のユーザの検索条件と同一又は類似である場合には、新着情報送信手段145が、ユーザ装置200に対して所定の相関関係がある物件情報を送信する新着情報送信処理を行う、不動産サーバ100。」(段落【0038】、【0090】、【図8】) 2 甲2に記載されている事項 (1)甲2に記載されている事項 甲2には、次の事項が記載されている。 ア「【0020】 ユーザ情報DB22には、複数のDBを有し、それぞれのDBに、ユーザが購入を希望する住宅に関する種々の情報を含むユーザ登録情報、及び、ユーザに対する提案やユーザの閲覧に関する提案・閲覧履歴を含むユーザ履歴情報が格納される。また、ユーザ情報DB22には、後述するユーザ抽出処理部27の処理結果に基づいくユーザに対する提案を含むユーザ提案情報が格納される。図3は、本実施の形態にかかるユーザ情報DB22の第1のDBに格納されたユーザ登録情報のレコードの構成例を示す図である。」 イ「【0046】 図11(a)は、ユーザ履歴情報の概略を示す図である。図11(a)に示すように、ユーザ履歴情報は、「ユーザID」(符号1101参照)と、不動産会社からユーザに対して提案され、ユーザが閲覧した物件ごとの「提案・閲覧履歴」(符号1102)と、ユーザが提案の受信を拒否する不動産会社を示す「情報受信拒否不動産会社ID」(符号1103)とを有する。提案・閲覧履歴1101のレコードは、それぞれ、「物件番号」、「提案済フラグ」、「開封済フラグ」、「検討候補フラグ」、「断りフラグ」、「連絡許可フラグ」、「質問事項の記入欄」、「質問事項に対する回答記入欄」を含む。」 ウ「【0048】 「質問事項の記入欄」は、ユーザがユーザクライアント12を操作して入力した、物件に対する質問事項が格納され、また、「質問事項に対する回答記入欄」には、不動産会社のオペレータが不動産会社クライアント14を操作して入力した回答が格納される。」 (2)甲2記載事項 上記(1)から、甲2には、次の事項(以下、「甲2記載事項」という。)が記載されているといえる。 「ユーザ情報DB22には、ユーザの閲覧に関する提案・閲覧履歴を含むユーザ履歴情報が格納され、ユーザ履歴情報は、ユーザが閲覧した物件ごとの「提案・閲覧履歴」を有すること。」 3 甲3に記載されている事項 (1)甲3に記載されている事項 甲3には、次の事項が記載されている。 ア「【0044】 ログ取得部23は、サロンメンバーがクライアント91から物件サロンにおいて提供した口コミ、投稿等の情報、「いいね」等のトピックに対して一定の評価をした情報、閲覧履歴等の全てのログを取得する。なお、サロンサーバ100がサロンメンバーのログの全てを取得できるのは、サロンメンバーがクライアント91から当該サロンサーバ100にアクセスしている状態のときである。なお、当該クライアント91は、サロンメンバーが自己のIDでログインしているデバイスであれば良く、サロンメンバーが所有しているデバイスに限定されない。 【0045】 また、ログ取得部23は、サロンメンバーの同意を得て、サロンメンバーのクライアント91からウェブサイトの閲覧履歴や検索履歴を取得する。サロンメンバーになると、サーバ管理部104から所定のプログラムがダウンロード可能となり当該プログラムがメンバーのクライアント91で起動する。このプログラムによりサロンメンバーの履歴を必要な範囲で取得し、ネットワークを経由して当該ログ情報がサロンサーバ100に送信され、ログ取得部23に蓄積される。 【0046】 レコメンド生成部25は、サロン内の情報をサロンメンバーのクライアント91に送信することで当該サロンメンバーに対してレコメンドする。レコメンドされる情報は、例えば、カフェ、保育施設、電気製品、レストラン、ワイン、リサイクル、アルバイト等のトピックやトピックに含まれる個々のトピック情報等である。また、これらのトピックに登場する街自体もレコメンドの対象となる。レコメンドされる情報は、上記蓄積されたログに基づいて選定される。例えばサロンメンバーによる評価が高いトピックをレコメンド生成部25が抽出選定する。」 (2)甲3記載事項 上記(1)から、甲3には、次の事項(以下、「甲3記載事項」という。)が記載されているといえる。 「ログ取得部23は、閲覧履歴等の全てのログを取得するものであり、クライアント91からウェブサイトの閲覧履歴や検索履歴を取得し、レコメンド生成部25によってレコメンドされる情報は蓄積されたログに基づいて選定されること。」 4 甲4に記載されている事項 (1)甲4に記載されている事項 甲4には、次の事項が記載されている。 ア「 [図:0001438319000004.jpg] (特許請求の範囲の請求項1の記載欄)」 (異議申立人訳:【請求項1】 第1のウェブサイトのサーバに適用される、複数ウェブサイト間の自動ログイン方法であって、当該方法は以下のステップを含むことを特徴とする: ユーザ側のクライアントから、第2のウェブサイト上のターゲットページに対するアクセス要求を受信した際、ユーザの前記第1のウェブサイトにおける第1のログインアカウントのログイン状態を照会するステップ; 前記第1のログインアカウントがログイン済み状態である場合、第2のウェブサイトと合意したトークン生成ルールに基づいて自動ログイントークンを生成するステップ; 前記クライアントのために第1の自動ログインリンクを構築して送信するステップであって、前記第1の自動ログインリンクは、前記第2のウェブサイトの自動ログイン入口のURLアドレス及び前記自動ログイントークンを含み、これにより前記クライアントが当該第1の自動ログインリンクにアクセスして第2のウェブサイトの自動ログイン入口へ前記自動ログイントークンを携帯した前記ターゲットページに対するアクセス要求を送信し、かつ前記第2のウェブサイトのサーバにおいて前記自動ログイントークンに対する検証が通過した後、前記クライアントに対し、前記第1のログインアカウントと紐付け関係が存在する第2のログインアカウントを使用して第2のウェブサイトにおいて自動ログインを実行し、かつ前記ターゲットページへジャンプする権限を付与する、ステップ。) イ「 [図:0001438319000005.jpg] 」 (異議申立人訳:【0060】 本出願において、第1のウェブサイトのサーバは、ユーザクライアントからの第2のウェブサイトのターゲットページに対するアクセス要求を受信した際、当該ユーザの第1のウェブサイトにおける第1のログインアカウントがログイン済み状態であると照会された場合、第2のウェブサイトと合意したトークン生成ルールに基づいて自動ログイントークンを生成し、かつクライアントのために第2のウェブサイトの自動ログイン入口のURLアドレス及び前記自動ログイントークンを含むログインリンクを構築して送付することができる;クライアントは当該ログインリンクを受信した後、当該ログインリンクにアクセスし、第2のウェブサイトの自動ログイン入口へ前記自動ログイントークンを携帯した前記ターゲットURLアドレスに対するアクセス要求を送信することができ、第2のウェブサイトのサーバは当該アクセス要求を受信した後、前記第1のログインアカウントと紐付け関係が存在する第2のログインアカウントが未ログイン状態であると照会された場合、当該アクセス要求中の自動ログイントークンに対して検証を行い、かつ検証通過後、前記クライアントに対し当該第2のログインアカウントを使用してローカルで自動ログインを実行する権限を付与し、ならびにログイン成功後に前記クライアントへ前記ターゲットURLアドレスに対応するページデータを送信して、当該クライアントが当該ターゲットURLに対応するターゲットページへジャンプするようにトリガする;本出願は、ユーザが第1のウェブサイトのクライアントを使用して第2のウェブサイト上のターゲットページにアクセスする際、直接第2のウェブサイト上のターゲットページへジャンプすることを実現し、ユーザが手動で第2のウェブサイト上の第2のログインアカウント及びパスワードを入力して手動ログインを実行する必要がなく、これにより操作の複雑度を低減し、ユーザ体験を極めて大きく最適化することができる。) (2)甲4記載事項 上記(1)から、甲4には、次の事項(以下、「甲4記載事項」という。)が記載されているといえる。 「第1のウェブサイトのサーバで、ユーザ側のクライアントから、第2のウェブサイトに対するアクセス要求を受信した際、第1のウェブサイトにおける第1のログインアカウントがログイン済み状態である場合、第2のウェブサイトの自動ログイン入口のURLアドレス及び自動ログイントークンを含む第1の自動ログインリンクを構築して送信して、第2のウェブサイトにおいて自動ログインを実行すること。」 5 甲5に記載されている事項 (1)甲5に記載されている事項 甲5には、次の事項が記載されている。 ア「LIFULL HOME'S、国内不動産ポータル として初めてChatGPT向けプラグインを提供 漠然とした希望をChatGPTが適切な検索条件に変換し、物件を紹介」 イ「LIFULL HOME'SのChatGPT向けプラグインは、ChatGPT(人工知能を用いたチャットボット)を利用して、ユーザーのニーズに合った物件を簡単に探せるようにするものです。ユーザーはこのプラグインを有効にすることで、自然な会話を通じて希望条件に最適な物件を探すことができます。また、ChatGPTの検索結果からLIFULL HOME'Sに移動して物件の問合せを行うことができます。」 (2)甲5記載事項 上記(1)から、甲5には、次の事項(以下、「甲5記載事項」という。)が記載されているといえる。 「ChatGPTを利用してユーザのニーズに合った不動産物件を簡単に探せるようにすること。」 6 甲6に記載されている事項 (1)甲6に記載されている事項 甲6には、次の事項が記載されている。 ア「【国内不動産ポータルサイト初※「ChatGPT」の技術を活用】LINEで24時間いつでも住み替え相談ができる「AIホームズくんBETA LINE版」を提供開始」 イ「事業を通して社会課題解決に取り組む、株式会社LIFULL(ライフル)(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:井上高志、東証プライム:2120、以下「LIFULL」)が運営する不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME'S(ライフルホームズ)」は、2023年4月28日(金)、OpenAI社が提供するChatGPTの技術を活用した、LINEでいつでも住み替え相談ができるサービス「AIホームズくんBETA LINE版」のパイロット版を提供開始します。利用いただいた方との対話内容を学習し、アップデートを繰り返すことで、将来的に多くの方の住み替えに寄り添い、満足感を提供できる相談サービスに育成していきます。」 (2)甲6記載事項 上記(1)から、甲6には、次の事項(以下、「甲6記載事項」という。)が記載されているといえる。 「ChatGPTの技術を活用した住み替え相談ができるサービスが提供開始されたこと。」 第5 当審の判断 1 本件発明1について (1)対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 「一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける利用履歴を取得する利用履歴取得部と、」について 本件特許明細書の「情報処理装置1は、利用者端末2から、利用者が不動産サイト3を利用したときの利用履歴を取得する。利用履歴とは、例えば、利用者名、利用した不動産サイト3の名称もしくはURL(Uniform Resource Locator)、不動産サイト3に対するアクセス回数もしくはアクセス時間、不動産サイト3に掲載されている不動産物件に対する問合せ情報(問合せの有無、または問合せ内容等)、不動産サイト3に対する検索条件もしくは検索回数、閲覧物件数、または、不動産サイト3において入力した入力情報等である。・・・」(【0018】)などの記載を踏まえると、本件発明1の「利用履歴」としては「検索条件」であってもよい旨例示されている。 一方、甲1発明においては、ユーザ装置200から不動産サーバ100に対して送信された検索条件は、不動産サーバ100の収集手段105が収集した物件情報を検索するものであるものの、甲1発明の「検索ログ」には「ユーザ装置200から送信される検索条件、検索日時を少なくとも含」まれており、また、一般的に「検索ログ」との用語は、ユーザが入力した検索条件などを記録した履歴を意味することは自明であることを鑑みると、甲1発明の「検索ログ」は、「利用履歴」と言い得るものである。 また、甲1発明において、「ユーザ装置200の検索ログは、不動産サーバ100に格納され」るものであるから、前記「不動産サーバ100」には「ユーザ装置200の検索ログを取得する手段」が備わっていることは明らかである。 してみると、本件発明1と甲1発明は、「利用履歴を取得する利用履歴取得部」を備えている点で共通している。 一方、本件発明1は「利用履歴」について、「一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける」との事項が特定されているのに対し、甲1発明の「検索ログ」には、かかる事項が特定されていない点で両発明は異なっている。 イ 「前記利用履歴取得部において取得された利用履歴に基づき、不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する不動産データ検索部と、」について 本件特許明細書の「情報処理装置1は、取得した利用履歴に基づき、業者間サイト4に対して不動産データの検索を行う。業者間サイト4は、不動産業者に対して不動産データを提供するWebサイトであり、一般の利用者に対して直接不動産データを提供しない。」(【0019】)や「不動産データ検索部13は、利用履歴取得部11において取得された利用履歴に基づき、不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイト4に記録された不動産データを検索する。」(【0038】)などの記載を踏まえると、本件発明1の「不動産データ検索部」は、業者間サイト4に対して不動産データを検索するための構成である。 また、甲1発明においては、「(不動産サ-バ100が備える)収集手段105は、前回の物件情報の取得処理から例えば1週間経過すると、ポータルサイトDB400及びREINS-DB500から最新の物件情報を取得し、格納媒体110に新着の物件情報を含む状態で物件情報を格納し、不動産サーバ100は、検索ログを参照して新着物件と検索条件が同じ又は類似するなど相関関係がある情報のユーザの有無を判断し、新着物件がユーザ装置200のユーザの検索条件と同一又は類似である場合には、新着情報送信手段145が、ユーザ装置200に対して所定の相関関係がある物件情報を送信する新着情報送信処理を行う」ものである。 そうすると、甲1発明の「不動産サーバ100」は「取得された利用履歴に基づき、新着物件を検索する」ための構成を備えていると解され、さらに、前記「新着物件」は「不動産データ」であること、及び、上記アで整理した事項を踏まえると、本件発明1と甲1発明は、「利用履歴取得部において取得された利用履歴に基づき、不動産データを検索する不動産データ検索部」に相当する構成を有する点で共通している。 一方、本件発明1の「不動産データ検索部」には「不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する」との事項(つまり、不動産データ検索部の検索先は業者間サイト4であること)が特定されているのに対し、甲1発明には、かかる事項が特定されていない点(つまり、新着物件を検索する際の検索先がREINS-DB500でないこと)で両発明は異なっている。 ウ 「前記不動産データ検索部において検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供部と」について 甲1発明において、「不動産サーバ100は、検索ログを参照して新着物件と検索条件が同じ又は類似するなど相関関係がある情報のユーザの有無を判断し、新着物件がユーザ装置200のユーザの検索条件と同一又は類似である場合には、新着情報送信手段145が、ユーザ装置200に対して所定の相関関係がある物件情報を送信する新着情報送信処理を行う」ものであり、上記「物件情報」は新着物件である不動産データに関する情報であることは明らかである。 そうすると、甲1発明の「不動産サーバ100」は、本件発明1の「前記不動産データ検索部において検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供部」に相当構成を備えていると解される。 エ 「情報処理装置」について 甲1発明の「不動産サーバ100」は、上記ア~ウを踏まえると、いわゆる「情報処理装置」と称し得るものである。 オ 一致点及び相違点 そうすると、本件発明1と甲1発明の一致点及び相違点は以下のとおりである。 [一致点] 利用履歴を取得する利用履歴取得部と、 前記利用履歴取得部において取得された利用履歴に基づき、不動産データを検索する不動産データ検索部と、 前記不動産データ検索部において検索された前記不動産データを利用者に提供する不動産データ提供部と を備える、情報処理装置。 [相違点] (相違点1) 本件発明1は「利用履歴」について、「一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイトを利用する利用者の当該不動産サイトにおける」との事項が特定されているのに対し、甲1発明の「検索ログ」には、かかる事項が特定されていない点。 (相違点2) 本件発明1の「不動産データ検索部」には「不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データを検索する」との事項(つまり、不動産データ検索部の検索先は業者間サイト4であること)が特定されているのに対し、甲1発明には、かかる事項が特定されていない点(つまり、新着物件を検索する際の検索先がREINS-DB500でないこと)。 (2)判断 ア 相違点1及び2について 事情に鑑み、相違点1及び2をまとめて検討する。 甲1発明は、本件発明1における「一般に公開されている不動産情報」と「業者間サイトに記録された不動産データ」の両方を「不動産サーバ100」に収集して蓄積し、「不動産サーバ100」上で蓄積された物件情報の検索を行うとともに、蓄積された物件情報の更新に応じて検索ログを用いたユーザへの物件情報の提供を行うものである。 そのため、本件発明1のように「一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイト」のような外部のサイトにおいて検索を行って利用履歴を取得することや(上記相違点1の構成)、検索する対象を「不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データ」とすること(上記相違点2の構成)は、甲1発明の全体像となる基本的なシステム構成と大きく異なるものであり、甲1発明において、本件発明1のように「一般に公開されている不動産情報を提供する不動産サイト」の利用履歴を用いて、「不動産業者に対して不動産データを提供する業者間サイトに記録された不動産データ」を検索するように構成するためには、「不動産サーバ100」上での物件情報の蓄積と検索を行わずに各サイトにアクセスして検索を行うシステム形態にする必要があり、大きな設計変更が必要となることから、甲1発明を上記相違点1及び2にかかる構成を備えるよう変更することは、当業者であっても容易に想到することができたものとはいえない。 そして、上記相違点1及び2の構成は、甲2ないし甲6のいずれにも記載も示唆もなく、当該構成が、本件特許出願前に周知であったとも認められないから、甲1発明に甲2~甲6のいずれの記載事項を組み合わせても本件発明1の構成には至らない。 そして、当該相違点1及び2の構成を採用することで、本件発明1は「利用者に対して業者間サイトに掲載されてからのタイムラグが少ない不動産情報の提供を可能とする」(【0007】)との、格別顕著な作用効果を奏するものである。 イ 異議申立人の主張について 異議申立人は、特許異議申立書4頁において、次のように主張する。 「(4-1)請求項1について 本件発明1と引用発明1とを対比する。 本件発明1の「利用履歴取得部」は、引用発明1の「ユーザの検索ログ(検索条件)を受信・格納する手段(段落【0075】)に相当する。検索条件は、利用者の利用の履歴そのものである。 本件発明1の「業者間サイトに記録された不動産データを検索する不動産データ検索部」は、引用発明1の「REINS-DB500(業者間サイト)から物件を収集する収集手段(段落【0027】)に相当する。 本件発明1の「不動産提供部」は、引用発明1の「物件情報をユーザ装置に送信する返信手段(段落【0034】に相当する。 本件発明1及び引用発明1は、ユーザの入力情報(履歴)をトリガーとして、通常はアクセスできない業者間データベースの情報を検索し、ユーザに提供する点において一致する。」 異議申立人の上記主張について検討すると、上記第5の1(1)対比で言及したとおりであるから、異議申立人の上記主張は採用できない。 (3)小括 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明及び甲2~甲6記載事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものではない。 2 本件発明2~6について 本件発明2~6は、本件発明1の構成に限定を加えて減縮したものであり、本件発明1と同様に上記相違点1及び2に係る構成を有しているから、上記「1 本件発明1について」で示したものと同様の理由により、甲1発明及び甲2~甲6記載事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 3 本件発明7について 本件発明7は、本件発明1の「情報処理装置」に係る発明が実行するステップを「情報処理方法」として表現したものであり、上記「1(1)対比」で言及した相違点1及び2に係る処理を行うステップが備わっているから、上記「1(2)判断」で検討したとおり、甲1に記載された発明及び甲2~甲6記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 4 本件発明8について 本件発明8は、本件発明7の「情報処理方法」の各ステップをコンピュータに実現させるための「情報処理プログラム」として表現したものであり、本件発明7と同様に上記「1(1)対比」で言及した相違点1及び2に係る処理を行うステップが備わっているから、上記「1(2)判断」で検討したとおり、甲1に記載された発明及び甲2~甲6記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第6 むすび 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2026-700334

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