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特許異議申立

2023-700321

照明装置

審判番号
2023-700321
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2021-102472
登録番号
7144771
請求日
2023年03月29日
審決日
2023年10月30日
公報発行日
2024年02月22日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】東芝ライテック株式会社
  • 【権利者代理人】樺澤 聡
  • 【権利者代理人】山田 哲也
  • 【権利者代理人】河野 仁志
  • 【権利者代理人】熊谷 昌俊
  • 【異議申立人】角田 朗
審判長/審判官
  • 審判長 中村 則夫
  • 審判官 藤井 昇
  • 審判官 沼生 泰伸
分類
P1651.537-YAA(H05B) / P1651.121-YAA(H05B) / P1651.832-YAA(H05B) / P1651.851-YAA(H05B) / P1651.853-YAA(H05B) / P1651.841-YAA(H05B)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第36条第6項、特許法第29条第2項、特許法第36条第6項第2号
データ出所
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事件の表示

特許第7144771号発明「照明装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7144771号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正することを認める。 特許第7144771号の請求項1に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7144771号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成27年11月17日に出願した特願2015-224889号の一部を新たな出願とした特願2020-5710号の一部をさらに令和3年6月21日に新たな特許出願としたものであって、令和4年9月21日にその特許権の設定登録がされ、同年9月30日に特許掲載公報が発行された。 この請求項1に係る特許について、令和5年3月29日付けで特許異議申立人 角田 朗(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがあり、同年6月5日付けで取消理由が通知され、その指定期間内である同年7月6日付けで特許権者により意見書の提出及び訂正請求がされ、同年8月28日付けで申立人により意見書の提出がされたものである。 第2 訂正の適否 1 訂正の内容 令和5年7月6日付けの訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)による訂正(以下「本件訂正」という。)は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めるものであり、その内容は、以下のとおりである(訂正箇所に下線を付した。)。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に、 「天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と; 前記器具本体内の前記照射開口側に配設される主光源と; 前記主光源よりも前記器具本体内の天板側に配設される副光源と; を具備し、 前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きいことを特徴とする照明装置。」と記載されているのを、 「天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と; 前記器具本体内の前記照射開口側に配設され、調色制御可能な主光源と; 前記主光源よりも前記器具本体内の前記天板側に配設される副光源と; を具備し、 前記副光源の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記主光源の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きいことを特徴とする照明装置。」に訂正する。 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的について 訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明における「主光源」及び「副光源」に関して発明特定事項を限定するものである。 したがって、訂正事項1による訂正は、「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 また、訂正事項1による訂正は、訂正前の請求項1に「・・・前記器具本体内の天板側に・・・」とあるのを、「・・・前記器具本体内の前記天板側に・・・」へ訂正するものであるから、「明瞭でない記載の釈明」も目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正であること 特許明細書等には、次の記載がある。 段落【0024】には、「主光源15は、調色制御が可能であって、所定の色成分の光を含み、例えば一般の照明光に用いられる昼光色、昼白色および電球色などの白色光が出射される。」と記載され、また、段落【0042】には、「主光源15からの光が拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに照射され、副光源16からの光が拡散カバー13の中央領域13aに照射され、拡散カバー13の発光面13Dが光る。」と記載されている。 したがって、上記記載からみて、訂正事項1による訂正は、特許明細書等に記載された事項の範囲内においてしたものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項1による訂正は、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。 したがって、訂正事項1による訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第120条の5第9項で準用する同法第126条第6項の規定に適合するものである。 エ 小括 上記のとおり、訂正事項1に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号及び第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。 第3 訂正後の本件発明 上記「第2」で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件訂正請求により訂正された請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。 「天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と; 前記器具本体内の前記照射開口側に配設され、調色制御可能な主光源と; 前記主光源よりも前記器具本体内の前記天板側に配設される副光源と; を具備し、 前記副光源の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記主光源の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きいことを特徴とする照明装置。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由の概要について 1 取消理由の概要 訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和5年6月5日付けの取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。 「[取消理由] 本件特許は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないから、特許法第36条第6項の規定に違反してされたものである。 記 ・請求項 1 請求項1には、「前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であり、前記主光源は前記副光源よりも光束が大きい」と記載されている(下線は当審が付与。以下同様。)。 上記記載に関して、発明の詳細な説明には次のような記載がある。 「【発明が解決しようとする課題】 【0005】 本発明が解決しようとする課題は、主光源の調色制御のときに副光源を適切に制御できる照明装置を提供することである。」、 「【発明の効果】 【0007】 本発明によれば、光源の調色制御を適切に制御することが期待できる。」、及び、 「【0043】 この場合、図5に示すように、拡散カバー13の端部領域13bは主光源15からの光によって昼光色(または電球色)に光り、拡散カバー13の中央領域13aは副光源16からの光によって青色に光る。 【0044】 拡散カバー13を透過した主光源15からの光が照明空間に照射される。この場合、主光源15が器具本体12の端部側に設けられ、主光源15の光軸38を照明装置10の中央方向に向けて傾斜させていることにより、埋込形の照明装置10であっても広い配光角の領域に主光源15からの光を照射することができる。 【0045】 拡散カバー13の中央領域13aに照射される副光源16からの光は、その拡散カバー13の中央領域13aが青色に染まる程度の光束であるため、拡散カバー13の中央領域13aを透過して照明空間に照射される青色の光の光量は主光源15からの光に比べて少ない。 【0046】 そのため、照明空間には、主として主光源15からの光が照射され、例えば読書や作業を行うのに適した照明環境となる。 【0047】 また、拡散カバー13の中央領域13aには、主光源15からの光と副光源16からの光との両方が照射されるが、主光源15からの光の光量が拡散カバー13の端部領域13bから中央領域13aに向かうに従って徐々に少なくなるとともに、副光源16からの光の光量が拡散カバー13の中央領域13aの周辺から中央に向かうに従って徐々に多くなる。そのため、拡散カバー13の端部領域13bと中央領域13aとの間には、白色と青色との間で徐々に色が変わるグラデーション領域が形成される。そのため、照明装置10を見上げた際、拡散カバー13の色がグラデーション領域を介して自然に変化しているように見え、光演出効果を高めることができる。」 ・・・ 上記【0043】~【0047】の記載によれば、請求項1に係る発明の解決しようとする課題は、「例えば読書や作業を行うのに適した照明環境」とすると共に「照明装置を見上げた際、発光面の色がグラデーション領域を介して自然に変化しているように見え、光演出効果を高める」ことと認められる。 そして、【0043】~【0047】には、当該課題を解決するための構成として、「発光面の中央領域を透過して照射空間に照射される青色光の光量は主光源からの光に比べて少ない」ことにより「照明空間には、主として主光源からの光が照射され」、「主光源からの昼光色の光量が発光面の端部領域から中央領域に向かうに従って徐々に少なくなるとともに、副光源からの青色光の光量が発光面の中央領域の周辺から中央に向かうに従って徐々に多くなる」ことにより「発光面の端部領域と中央領域との間には、白色と青色との間で徐々に色が変わるグラデーション領域が形成される」構成が示されている。 しかしながら、請求項1には、「発光面の中央領域から照射される青色光」及び「発光面の端部領域から照射される白色光」と、「副光源よりも光束が大きい主光源」及び「副光源」との対応が特定されておらず、例えば、「副光源よりも光束が大きい主光源」によって「発光面の中央領域から青色光が照射され」、「副光源」によって「発光面の端部領域から白色光が照射される」構成等も含まれるものと認められるところ、このような構成によって上記課題が解決されるものとは認められない。 したがって、請求項1には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されておらず、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えることとなる。 よって、請求項1に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものでない。」 第5 当審の判断 1 サポート要件(特許法第36条第6項第1号)について 本件発明は、本件訂正により、「主光源」が「調色制御可能な」こと、及び、「前記副光源の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記主光源の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され」ることが特定されることになった。また、本件発明は、「前記主光源は前記副光源よりも光束が大きい」ものであることが、本件訂正の前後を通じて特定されている。 そして、発明の詳細な説明の上記【0043】、【0045】、【0046】の記載からみて、本件発明は、上記特定によって、「拡散カバー13の中央領域13aを透過して照明空間に照射される青色の光の光量は主光源15からの光に比べて少ない」ものとすることにより、「照明空間には、主として主光源15からの光が照射され、例えば読書や作業を行うのに適した照明環境となる。」という課題が解決されるものと理解できる。 したがって、本件発明には、発明の詳細な説明に記載された、発明の課題を解決するための手段が反映されているといえるから、本件発明は、発明の詳細な説明に記載されたものである。 よって、本件発明は、特許法第36条第6項第1号の規定を満たすものである。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 申立人が主張したものの取消理由通知で採用しなかった特許異議申立理由の概要 (1)進歩性(特許法第29条第2項)について ア 本件発明は、甲1発明、甲第2号証及び甲第3号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 イ 本件発明は、甲1発明、甲第2号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 ウ 申立人が提出した甲号証 甲第1号証:特開2006-294480号公報 甲第2号証:国際公開第2015/055430号(翻訳文として特表2016-536744号公報) 甲第3号証:特開2010-108918号公報 (以下「甲○」という。) (2)明確性要件(特許法第36条第6項第2号)について 本件発明は、光源からの光と発光面との関係を理解するための事項が不足しており明確でない。 2 進歩性について (1)甲号証の記載事項、引用発明 ア 甲1 (ア)甲1の記載事項 甲1には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、灯体の内部から外部に向かって光線を照射する開口面を有し、任意の分光分布を有する光線を照射する第一の光源と、第一の光源が照射する光線の分光分布と異なる分光分布を有する光線を照射する第二の光源と、が配置される照明器具及びこれを用いた照明システムに関するものである。」 ・「【0020】 本第一実施形態の照明器具1は、灯体2の内部から外部に向かって光線を照射する開口面3を有し、任意の分光分布を有する光線を照射する第一の光源4a、4b、4c、4d、4eと、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eが照射する光線の分光分布と異なる分光分布を有する光線を照射する第二の光源5a、5b、5c、5dと、が配置される照明器具1であって、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、開口面3の中央域に対向して配置され、第二の光源5a、5b、5c、5dは、開口面3の周辺域に対向して配置される。 【0021】 また、開口面3に拡散パネル6が備えられており、拡散パネル6は、第二の光源5a、5b、5c、5dの直下にある第一の部分6aと、第一の部分6aよりも照明器具1の内部に窪んでなる第二の部分6bと、を有し、さらに拡散パネル6が曲面で構成されている。」 ・「【0025】 最初に、灯体2であるが、これは薄肉長方形状の鋼板を組合せたものであり、上底面2aと、上側面の四辺より垂設される側面2b、2c、2d、2eと、で構成される。また、開口面3は、上底面2aと対向し、側面2b、2c、2d、2eの下端辺を四辺とする面である。 【0026】 次いで、反射板8であるが、これは薄肉長方形状の鋼板の長辺端部を折り曲げ加工したもので、第一の光源4a、4b、4c、4d、4e、及び第二の光源5a、5b、5c、5dを支持する光源支持部(図示しない)が設けられており、支持された第一の光源4a、4b、4c、4d、4e又は第二の光源5a、5b、5c、5dからの光線を開口面3に反射することで、灯体2の内部から外部に向かって光線を照射するようになしたものである。 【0027】 ここで反射板8は、灯体2の内部に設置された安定器(図示しない)と接続するように灯体2の内部に取り付けられ、安定器(図示しない)からの電力を光源支持部(図示しない)を通じて第一の光源4a、4b、4c、4d、4e又は第二の光源5a、5b、5c、5dに供給する。本第一実施形態においては、光源支持面9は反射板8のうち、第一の光源4a、4b、4c、4d、4e、又は第二の光源5a、5b、5c、5dに臨む面をいうが、反射板8と別体に面状部材を設けることとしてもよい。例えば、反射板8の長辺端部を折り曲げ加工することなく、別体の面状部材である光源支持面9のみを開口面3の中央域の方向に臨むように傾斜することとしてもよい。この場合、光源支持部(図示しない)は、光源支持面9に設けられることとなる。 【0028】 次いで、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eであるが、直管の白色蛍光灯であり、長手方向が、灯体2と平行になるように反射板8に設けられた光源取付部(図示しない)に支持される。また第二の光源5a、5b、5c、5dであるが、直管の電球色蛍光灯であり、465nm近辺の波長域を減衰させる波長可変フィルタ7a、7bが光源の外周に被覆されてなる。第二の光源5a、5b、5c、5dも、長手方向が、灯体2と平行になるように反射板8に設けられた光源取付部(図示しない)に支持される。なお、第一の光源又は第二の光源は、蛍光灯に限られず、白熱灯、発光ダイオード、有機エレクトロルミネセンス等の汎用の光源を使用することができる。また形状も直管状のものに限られず、丸管状や方形状のものであってもよい。さらに波長可変フィルタは光源の分光分布を制御するものであれば汎用のフィルタを用いることができ、睡眠を妨害するとされる特定波長を除去する点で光色可変フィルタが好ましい。本第一実施形態における第一の光源4a、4b、4c、4d、4eの分光分布を図6に、第二の光源5a、5b、5c、5dの分光分布を図7に、それぞれ示す。 【0029】 ここで、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、反射板8の略中央、すなわち開口面3の中央域に対向して配置され、第二の光源5a、5b、5c、5dは、反射板8の折り曲げ加工付近、すなわち開口面3の周辺域に対向して配置される。なお光源の形状が丸管状や方形状のものである場合は、反射板の外縁部が折り曲げ加工され、この付近に第二の光源が配置され、その内部に第一の光源が配置されることとなる。 【0030】 次いで、拡散パネル6であるが、乳白色の透光性プラスチックであり、長手方向断面が円弧状に窪んでなるものである。拡散パネル6は長手辺が、灯体2の側面2b、2dの下端辺付近に、円弧状の短手辺が、灯体2の側面2c、2eの内面に、それぞれ接触するように取り付けられる。 【0031】 ここで拡散パネル6と、第二の光源5a、5b、5c、5dとの位置関係については、図3に示すごとく、第二の光源5a、5b、5c、5dから拡散パネル6の周辺域(第二の光源の直下)までの距離と、第二の光源5a、5b、5c、5dから拡散パネル6の中央域まで距離と、の差は、従来例である図4に記載のものよりも抑制される。また第二の光源5a、5b、5c、5dが配置される反射板8が、開口面3の中央域の方向に臨むように傾斜したものであるので、第二の光源5a、5b、5c、5dと拡散パネル6との距離の差がより小さくなる。 【0032】 従って、本第一実施形態によれば、任意の分光分布を有する光線を照射する第一の光源4a、4b、4c、4d、4eと、第一の光源が照射する光線の分光分布と異なる分光分布を有する光線を照射する第二の光源5a、5b、5c、5dと、を中央域と周辺域とに区分けして配置したので、一方の光源が光線を照射する場合に、隣接する他の光源の影響が少なく、開口面3における光ムラを抑制できる。 【0033】 また、開口面3の近傍に備えられた拡散パネル6に、第二の光源5a、5b、5c、5dの直下にある第一の部分よりも照明器具1の内に窪んでなる第二の部分を設けているので、拡散パネル6として平面パネルを用いた場合に比べ、第二の光源5a、5b、5c、5dから拡散パネル6の周辺域(第二の光源の直下)までの距離と、第二の光源5a、5b、5c、5dから拡散パネル6の中央域まで距離と、の差を抑制できるため、当該距離の差に基づく輝度ばらつきが小さくなり、第二の光源5a、5b、5c、5dに基づく光ムラを抑制できる。特に第二の光源5a、5b、5c、5dを使用する就眠前の時間帯に光ムラのない快適な照明環境を提供することができる。」 ・「【0035】 また、第二の光源5a、5b、5c、5dが配置される光源支持面9が、開口面3の中央域の方向に臨むように傾斜したものであるので、第二の光源5a、5b、5c、5dと拡散パネル6との距離の差がより小さくなり、第二の光源5a、5b、5c、5dに基づく光ムラをよりよく抑制できる。特に第二の光源5a、5b、5c、5dを使用する就眠前の時間帯に光ムラのない快適な照明環境を提供することができる。」 ・「【0041】 また制御手段13は、各調光シーンの制御パターンを記憶し、居住者の操作又は設定したタイムスケジュールに従って第一の光源4a、4b、4c、4d、4e及び第二の光源5a、5b、5c、5dの光出力を調光シーンの制御パターンに従って制御するものである。 【0042】 次に、本第二実施形態による照明システム14の動作として就眠中の居住者を快適に覚醒させるための制御パターンについて説明する。 【0043】 まず、設定手段11によって設定された起床設定時刻の30分前の時点を計時手段10が検知すると、制御手段13は、照明器具1の第一の光源4cを光出力最下限レベルで点灯させ、その後光出力を漸増させる。次いで第一の光源4cが100%点灯になると同時に第一の光源4a、4b、4c、4d、4eを光出力最下限レベルで点灯させ、その後光出力を漸増させる。設定手段11によって設定された起床設定時刻を計時手段10が検知すると、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eが100%点灯になる。 【0044】 次に、本第二実施形態による照明システム14の動作として覚醒中の居住者を快適に就眠させるための制御パターンについて説明する。 【0045】 まず、第一の光源4a、4b、4c、4d、4eが100%点灯されていた状態で、設定手段11によって設定された就眠設定時刻の30分前の時点を計時手段10が検知すると、制御手段13は、第二の光源5a、5b、5c、5dを100%点灯させる。さらに、制御手段13は、第二の光源5a、5b、5c、5dの光出力を漸減させ、光出力最下限レベルとなると同時に第二の光源5a、5cを100%点灯させる。さらに第二の光源5a、5cの光出力を漸減させ、光出力最下限レベルとする。」 ・図1には以下の内容が示されている。 [図:0001406703000001.jpg] ・図2には以下の内容が示されている。 [図:0001406703000002.jpg] (イ)認定事項 a 図1、図2からみて「灯体2は、開口面3を有」することが理解できる。 b 段落【0021】の下線部の記載と図1、図2からみて、「開口面3よりも上底面2a側である内側に拡散パネル6が備えられ」ていることが理解できる。 c 段落【0020】の「第二の光源5a、5b、5c、5dは、開口面3の周辺域に対向して配置され」という記載と図1、図2からみて、「灯体2及び拡散パネル6の内側の開口面3側に配置される第二の光源5a、5b、5c、5d」が理解できる。 d 段落【0020】の「第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、開口面3の中央域に対向して配置され」という記載と図1、図2からみて、「第二の光源5a、5b、5c、5dよりも灯体2及び拡散パネル6の内側の上底面2a側に配置される第一の光源4a、4b、4c、4d、4e」が理解できる。 e 段落【0028】の下線部の記載事項からみて、「第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは白色蛍光灯であり、第二の光源5a、5b、5c、5dは電球色蛍光灯である」ことが理解できる。 f 段落【0020】、【0021】の下線部の記載と上記eと図2からみて、「第一の光源4a、4b、4c、4d、4eの光を照射することにより拡散パネル6の中央の領域である第二の部分6bからは白色光が照射され、第二の光源5a、5b、5c、5dの光を照射することにより拡散パネル6の端部の領域である第1の部分6aからは電球色が照射され」ることが理解できる。 g 段落【0041】~【0045】の記載からみて、「第二の光源5a、5b、5c、5d及び第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、それぞれ点灯制御可能」なことが理解できる。 (ウ)甲1発明 上記(ア)、(イ)から、甲1には、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「灯体2は、薄肉長方形状の鋼板を組合せたものであり、上底面2aと、上側面の四辺より垂設される側面2b、2c、2d、2eと、で構成され、灯体2の内部から外部に向かって光線を照射する開口面3を有し、開口面3は、上底面2aと対向し、側面2b、2c、2d、2eの下端辺を四辺とする面であり、開口面3よりも上底面2a側である内側に拡散パネル6が備えられる、灯体2及び拡散パネル6と、 前記灯体2及び拡散パネル6の内側の前記開口面3側に配置される第二の光源5a、5b、5c、5dと、 前記第二の光源5a、5b、5c、5dよりも前記灯体2及び拡散パネル6の内側の前記上底面2a側に配置される第一の光源4a、4b、4c、4d、4eと、 を備え、 前記第一の光源4a、4b、4c、4d、4eの光を照射することにより前記拡散パネル6の中央の領域である第二の部分6bからは白色光が照射され、前記第二の光源5a、5b、5c、5dの光を照射することにより前記拡散パネル6の端部の領域である第1の部分6aからは電球色が照射され、前記第二の光源5a、5b、5c、5d及び前記第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、それぞれ点灯制御可能である、 照明器具1。」 イ 甲2 (ア)甲2の記載事項 甲2には、図面とともに以下の事項が記載されている(甲2の翻訳文を示す。)。 ・「【技術分野】 【0001】 本発明は、屋内照明システムに関する。」 ・「【0027】 前記光源は、前記光生成領域に対する法線方向に発せられる光のための第1の色と、前記法線方向から斜めの方向に発せられる光のための第2の異なる色とを供給することができる。前記第2の色は、例えば、前記第1の色と比べてより強い青色成分を持ち得る。この構成は、疑似天窓、即ち、天井の窓の、日光(直射日光又は例えば曇った日に見られるだろうような全面的な光)によって照らされているときの外観を再現しようとする外観を供給するシステムとして機能する。この構成は、(日光を表わす)より白い下向きの作業光と、(日のあるうちの空を表わす)他の方向のより青い光とを供給する。前記側壁照明は、本物の窓を通して観察される効果と合致しない、前記側壁が青く見えることを防止することができる。 【0028】 この方法においては、照明される前記1つの側壁又は複数の側壁は、前記疑似天窓からの入射青色光を補償し、故に、前記凹部の壁は、観察者には白色(又は望まれる日光の任意の他の色/色温度)に見える。色の問題は別として、明るい凹部壁は、日光の効果の現実感を高める。上で説明したように、はっきりと画定された明/暗境界を形成することによって、更にいっそうの現実感が供給され得る。これらの方策は、疑似天窓のソリューションの現実感を非常に高めるために用いられ得る。」 ・「【0036】 図1は、埋め込み式天窓又は埋め込み式疑似天窓の形態の照明パネルを示している。照明パネルは、天井12に埋め込まれ、故に、照明パネルは、側壁であって、前記側壁のうちの2つ14a、14bが図1において見られ得る側壁で形成される凹部の底部に位置する。」 ・「【0041】 図2は、疑似天窓への適用時の本発明の照明システムを示している。照明ユニットは、凹部の底部に位置する照明パネル20を有する。凹部の側壁は、他の照明パネル22を持つ。石膏ボードなどの天井の仕上げは、24と示されており、天井構造は、26と示されている。」 ・「【0043】 最も基本的な実施例においては、凹部の全ての4つの側壁が、光を発することができ、各々が、その全面にわたって一様に光を発する。これは、各凹部壁が、オン若しくはオフに切り替えられることができる、又は最大光強度の0%と100%との間の値に調光されることができる単一の矩形発光セグメントから成ることを意味する。」 ・「【0045】 この色制御は、前記法線方向に対して急角度に青っぽい周囲光が発せられる幾つかの疑似天窓パネルにとって重要である。この青っぽい光は、空の色を再現している凹部の側壁は、垂直に発せられるより白い光ではなく、この急角度の周囲光によって照明されるだろう。これは、側壁が誤った青っぽい外観を持ち得ることを意味する。 【0046】 側壁に光源を設けることによって、側壁の外観は制御され得る。」 ・図1には、以下の内容が示されている。 [図:0001406703000003.jpg] ・図2には、以下の内容が示されている。 [図:0001406703000004.jpg] (イ)甲2に記載された事項 上記(ア)から、甲2には、以下の事項(以下「甲2に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。 「照明ユニットは、凹部の底部に位置する照明パネル20を有し、凹部の側壁は、他の照明パネル22を持ち、側壁に光源を設けることによって、側壁の外観は制御され、 照明パネル20の光源は、光生成領域に対する法線方向に発せられる光のための第1の色と、前記法線方向から斜めの方向に発せられる光のための第2の異なる色とを供給し、前記第2の色は、前記第1の色と比べてより強い青色成分を持ち得るものにおいて、 照明される前記1つの側壁又は複数の側壁は、疑似天窓からの入射青色光を補償し、故に、前記凹部の壁は、観察者には白色に見える、 屋内照明システム。」 ウ 甲3 (ア)甲3の記載事項 甲3には、図面とともに以下の事項が記載されている。 ・「技術分野】 【0001】 本発明は、点光源の眩しさを低減することができる照明器具に関する。」 ・「【0032】 図1に示すように、照明器具Lは、点光源1、第2の光源4、器具本体10、点灯装置40を有しており、器具本体10は、被照射面側に照射開口部20a及び断面が上方に湾曲するとともに長手方向に延びる反射面20bを有する反射板20および反射板20が取付られるシャーシ30を有している。」 ・「【0037】 シャーシ30と反射板20とで形成される空間Sには、LED1及び第2の光源4を点灯制御する点灯装置40が配設されている。」 ・「【0052】 図3に示すように、本願構成の照明器具を調光するときに、入力される調光信号の調光度を100%から徐々に下げていく場合、まずLED1の光出力が0%になるまでLED1のみを調光し、その後は第2の光源4を調光する。すなわち、調光信号の調光度が所定値以上のときはLED1のみを調光し、調光信号の調光度が所定値未満のときはLED1を消灯し第2の光源4を調光する。これによって、出力が100%点灯時におけるLED1および第2の光源4の出力比を初期値として適宜な値に設定しておけば、LED1に対する第2の光源4の出力比がこの初期値よりも小さくなることがなくなる。LED1とその周囲の輝度差は小さい方がLED1の眩しさ感は低減される。また、LED1の周囲の輝度が一定であればLED1の輝度は小さい方がLED1の眩しさ感は低減される。従って、LED1の出力を第2の光源4よりも優先的に調光することで、LED1に対するLED1周囲の輝度比を初期値以上に保つことができLED1による眩しさ感が軽減される。 【0053】 さらに、図4に示すように、調光信号によってLED1及び第2の光源4を同時に調光してもよい。」 ・図1には、以下の内容が示されている。 [図:0001406703000005.jpg] ・図3には、以下の内容が示されている。 [図:0001406703000006.jpg] ・図4には、以下の内容が示されている。 [図:0001406703000007.jpg] (イ)認定事項 図3、図4からみて、第2の光源4の光出力が点光源1の光出力よりも大きいことが理解できる。 (ウ)甲3に記載された事項 上記(ア)、(イ)から、甲3には、以下の事項(以下「甲3に記載された事項」という。)が記載されていると認められる。 「照明器具Lは、点光源1、第2の光源4、器具本体10、点灯装置40を有しており、器具本体10は、被照射面側に照射開口部20a及び断面が上方に湾曲するとともに長手方向に延びる反射面20bを有する反射板20および反射板20が取付られるシャーシ30を有し、 前記第2の光源4の光出力は、点光源の光出力よりも大きい、照明器具L。」 (2)本件発明と甲1発明との対比 ア 本件発明と甲1発明とを対比すると、後者の「上底面2a」は前者の「天板」に相当し、以下同様に、「側面2b、2c、2d、2e」は「側板」に、「開口面3」は光線を照射するから「照射開口」に、「拡散パネル6」は「発光面」に、「灯体2及び拡散パネル6」は「器具本体」に、「備え」は「具備し」に、「照明器具1」は「照明装置」に、それぞれ相当する。 上記相当関係を踏まえると、以下の事項が認められる。 イ 後者の「灯体2は、」「上底面2aと、上側面の四辺より垂設される側面2b、2c、2d、2eと、で構成され、」「灯体2の内部から外部に向かって光線を照射する開口面3を有し、開口面3は、上底面2aと対向し、側面2b、2c、2d、2eの下端辺を四辺とする面であり、開口面3よりも上底面2a側である内側に拡散パネル6が備えられる、灯体2及び拡散パネル6」は、前者の「天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体」に相当する。 ウ 後者の「前記灯体2及び拡散パネル6の内側の前記開口面3側に配置される第二の光源5a、5b、5c、5d」と、前者の「前記器具本体内の前記照射開口側に配設され、調色制御可能な主光源」とは、「前記器具本体内の前記照射開口側に配設された光源1」において共通する。 エ 後者の「前記第二の光源5a、5b、5c、5dよりも前記灯体2及び拡散パネル6の内側の前記上底面2a側に配置される第一の光源4a、4b、4c、4d、4e」と、前者の「前記主光源よりも前記器具本体内の前記天板側に配設される副光源」とは、「前記光源1よりも前記器具本体内の前記天板側に配設される光源2」において共通する、 オ 後者の「前記第一の光源4a、4b、4c、4d、4eの光を照射することにより前記拡散パネル6の中央の領域である第二の部分6bからは白色光が照射され、前記第二の光源5a、5b、5c、5dの光を照射することにより前記拡散パネル6の端部の領域である第1の部分6aからは電球色が照射され」ることと、前者の「前記副光源の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記主光源の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され」ることとは、「電球色」は「白色光」であるから、「前記光源2の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは光が照射され、前記光源1の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され」ることにおいて共通する。 カ 後者の「前記第二の光源5a、5b、5c、5d及び前記第一の光源4a、4b、4c、4d、4eは、それぞれ点灯制御可能である」ことと、前者の「前記主光源および前記副光源はそれぞれ点灯制御可能であ」ることとは、「前記光源1および前記光源2はそれぞれ点灯制御可能であ」ることにおいて共通する。 キ そうすると、両者は、 「天板および側板ならびに下面側に照射開口を有し、前記照射開口よりも前記天板側である内側に発光面が配設される器具本体と、 前記器具本体内の前記照射開口側に配設された光源1と、 前記光源1よりも前記器具本体内の前記天板側に配設される光源2と、 を具備し、 前記光源2の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは光が照射され、前記光源1の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され、前記光源1および前記光源2はそれぞれ点灯制御可能である、照明装置。」 の点で一致し、以下の各点で相違すると認められる。 <相違点1> 「光源1」、「光源2」に関し、それぞれ、本件発明では、「調色制御可能な主光源」、「副光源」であるのに対して、甲1発明では、「第二の光源5a、5b、5c、5d」、「第一の光源4a、4b、4c、4d、4e」である点。 <相違点2> 「光源2」により発光面の中央領域から照射される「光」と、「光源1」により発光面の端部領域から照射される白色光に関し、本件発明では、「副光源」により発光面の中央領域から照射されるのは「青色光」であり、「主光源」により発光面の端部領域から照射されるのは白色光であるのに対して、甲1発明では、「第一の光源4a、4b、4c、4d、4e」による「白色光」であり、「第二の光源5a、5b、5c、5d」による「電球色」である点。 <相違点3> 本件発明では、「前記主光源は前記副光源よりも光束が大きい」のに対して、甲1発明では、そのような特定はなされていない点。 (3)相違点の判断 ア <相違点1>、<相違点2>について 甲1発明は、中央領域の光源が白色蛍光灯であるとともに、端部領域の光源が電球色蛍光灯であることを前提とする照明器具の発明であるところ、疑似天窓を再現するための中央部にある照明パネル20から法線方向に第1の色、斜め方向に前記第1の色と比べてより強い青色成分を持ち得る第2の色を照射することによる側壁の違和感(青色に見える)をなくすために、側壁にある照明パネル22から側壁が白色に見えるように照射するものである甲2に記載された事項を適用しようとする動機付けは見いだせない。 また、甲2に記載された事項の側壁の光源は違和感を補償するためのものであって、主光源とはいえず、また、照明パネル20の斜め方向の光源は、強い青色成分を持つが専ら中央領域を光らせようとするものでもないから、甲1発明に甲2に記載された事項を、仮に適用できたとしても、上記相違点1、2に係る本件発明の構成には至らない。 さらに、甲3に記載された事項は、点光源1、第2の光源4から照射された発光面の光の色について特定するものでもないため、甲1発明に適用したとしても、少なくとも相違点2に係る本件発明の構成には至らない。 イ 小括 そうすると、相違点3を検討するまでもなく、本件発明は、甲1発明、甲2及び甲3に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、本件発明は、甲1発明、甲2に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 3 明確性要件 (1)申立人は、異議申立書の19~20ページにおいて、特許請求の範囲の記載では、主光源と発光面の照射領域と照射される光の色の関係、及び、副光源と発光面の照射領域と照射される光の色の関係が特定されていないため、当業者は、技術的な意味を理解することができないから、明確でない旨主張する。 しかしながら、本件訂正により、本件発明は、「前記副光源の光を照射することにより前記発光面の中央領域からは青色光が照射され、前記主光源の光を照射することにより前記発光面の端部領域からは白色光が照射され」ることで、上記光の色の関係が特定され、明確になった。 (2)申立人は、異議申立書の20ページにおいて、発光面と光源の配置に関しては何ら特定されていないため、光源が発光面よりも照射開口側に配置される場合も含み、技術的な意味を理解することができないから、明確でない旨主張する。 しかしながら、光源が発光面を発光させることは技術常識であるから、発光面と光源の上下方向の配置が特定されていなくても、本件発明は、明確である。 第7 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び証拠によっては、本件発明に係る特許を取り消すことはできない。 さらに、他に本件発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-700321

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