特許異議申立
2022-700536
信号変換ユニット、照明制御装置および照明システム
- 審判番号
- 2022-700536
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-059987
- 登録番号
- 6981906
- 請求日
- 2022年06月17日
- 審決日
- 2023年03月30日
- 公報発行日
- 2023年07月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】コイズミ照明株式会社
- 【権利者代理人】前井 宏之
- 【異議申立人】宮本 弘敏
- 審判長/審判官
- 審判長 一ノ瀬 覚
- 審判官 三宅 龍平
- 審判官 八木 誠
- 分類
- P1651.113-YAA(H05B) / P1651.121-YAA(H05B) / P1651.832-YAA(H05B) / P1651.841-YAA(H05B) / P1651.851-YAA(H05B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条、特許法第120条の54、特許法第120条の5第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6981906号発明「信号変換ユニット、照明制御装置および照明システム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6981906号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5、6について訂正することを認める。
特許第6981906号の請求項1~6に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6981906号の請求項1~6に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願は、平成30年3月27日に出願されたものであって、令和3年11月22日にその特許権の設定登録がされ、令和3年12月17日に特許掲載公報が発行された。その後、本件特許に対して特許異議申立人宮本弘敏(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、その手続の主な経緯は、次のとおりである。
令和 4年 6月17日 特許異議の申立て
令和 4年10月13日付け 取消理由通知書
令和 4年12月16日 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出
令和 5年 1月12日付け 訂正請求があった旨の通知
令和 5年 2月14日 申立人による意見書の提出
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
令和4年12月16日の訂正請求書による訂正の請求は、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを求めるものであり、その訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の1~6について、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載されたとおりに訂正するものである。(「/」は、改行の位置を示すため、当審が付与したものである。以下同じ。また、下線は、訂正箇所を示すため、当審が付与したものである。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1の「前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御する、」の次の位置に、「前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、/前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、/前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する、」を追加する訂正をする(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する)。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項1に「前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御する、」と記載されているのを、「前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御し、」に訂正する(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~4も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5の「照明制御ユニットと」の次の位置に、「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」を追加する訂正をする。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項5に「照明制御ユニットと」と記載されているのを、「照明制御ユニットと、」に訂正する。
特許請求の範囲の請求項5の「前記第1制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記第1通信部を制御し、」の次の位置に、「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、/前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、/前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」を追加する訂正をする。
特許請求の範囲の請求項5の「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含む、」の次の位置に、「前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、/前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、」を追加する訂正をする。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項5に「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含む、」と記載されているのを、「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含み、」に訂正する。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6の「照明器具と」の次の位置に、「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」を追加する訂正をする。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項6に「照明器具と」と記載されているのを、「照明器具と、」に訂正する。
特許請求の範囲の請求項6の「前記第1制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記第1通信部を制御し、」の次の位置に、「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、/前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、/前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」を追加する訂正をする。
特許請求の範囲の請求項6の「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含む、」の次の位置に、「前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、/前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、」を追加する訂正をする。また、上述の訂正を行うために、特許請求の範囲の請求項6に「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含む、」と記載されているのを、「前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部とを含み、」に訂正する。
2 一群の請求項
訂正事項1は、訂正前に引用関係を有する請求項1~4に対して請求されたものであるから、本件訂正請求は、特許法120条の54項に規定する一群の請求項ごとに請求されたものである。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1
ア 訂正の目的について
訂正事項1は、訂正前の請求項1に、「前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する、」という発明特定事項を追加するものである。
イ 新規事項の有無(願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてした訂正であること)
訂正事項1の「前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する、」は、本件明細書等の段落【0044】の「センサー44は、信号変換ユニット4の周囲環境の変化又は赤外線を検知する。」との記載、及び、本件明細書等の段落【0045】の「変換部42aは、センサー44の検知信号に基づいて、照明器具6の制御情報を示す第4制御信号を生成する。具体的には、第4制御信号は、第2通信プロトコルに準拠した信号形式を有する。そして、第1通信部41は、照明制御ユニット5に第4制御信号を送信する。」との記載に基づくものである。
また、訂正事項1の「前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号」は、本件明細書等の段落【0045】の「第4制御信号は、第2通信プロトコルに準拠した信号形式を有する。」との記載、及び、本件明細書等の段落【0021】の「変換部42aは、第1制御信号を照明制御ユニット5が認識可能な第2制御信号に変換する。具体的には、照明制御ユニット5は、第1通信プロトコルと異なる第2通信プロトコルに準拠した通信を実行する。従って、変換部42aは、第1制御信号を、第2通信プロトコルに準拠した信号形式を有する第2制御信号に変換する。」との記載に基づくものである。
したがって、当該訂正事項1は、本件明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと)
訂正事項1は、上記アの理由から明らかなように、発明特定事項をより具体的に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
(2)訂正事項2
ア 訂正の目的について
訂正事項2は、訂正前の請求項5に、「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」という発明特定事項と、「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」という発明特定事項と、「前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、」という発明特定事項を追加するものである。
イ 新規事項の有無(特許明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること)
訂正事項2の「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」は、本件明細書等の段落【0044】の「センサー44は、信号変換ユニット4の周囲環境の変化又は赤外線を検知する。」との記載に基づくものである
また、訂正事項2の「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」は、本件明細書等の段落【0045】の「変換部42aは、センサー44の検知信号に基づいて、照明器具6の制御情報を示す第4制御信号を生成する。具体的には、第4制御信号は、第2通信プロトコルに準拠した信号形式を有する。そして、第1通信部41は、照明制御ユニット5に第4制御信号を送信する。」との記載に基づくものである
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと)
訂正事項2は、上記アの理由から明らかなように、発明特定事項をより具体的に限定するものであり、カテゴリーや対象、目的を変更するものではない。
(3)訂正事項3
ア 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項6に、「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」という発明特定事項と、「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」という発明特定事項と、「前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、」という発明特定事項を追加するものである。
イ 新規事項の有無(特許明細書等に記載した事項の範囲内においてした訂正であること)
訂正事項3の「周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと」は、本件明細書等の段落【0044】の「センサー44は、信号変換ユニット4の周囲環境の変化又は赤外線を検知する。」との記載に基づくものである
また、訂正事項3の「前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、」は、本件明細書等の段落【0045】の「変換部42aは、センサー44の検知信号に基づいて、照明器具6の制御情報を示す第4制御信号を生成する。具体的には、第4制御信号は、第2通信プロトコルに準拠した信号形式を有する。そして、第1通信部41は、照明制御ユニット5に第4制御信号を送信する。」との記載に基づくものである
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否(実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと)
訂正事項3は、上記アの理由から明らかなように、発明特定事項をより具体的に限定するものである。
4 小括
したがって、本件訂正の訂正事項1~3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するので、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~4〕、5、6について訂正することを認める。
第3 訂正後の本件発明
上記「第2」で述べたとおり、本件訂正が認められたから、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲の請求項1~6に係る発明(以下「本件発明1」~「本件発明6」ともいう。)は、訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
複数の照明器具を制御可能な照明制御ユニットに接続可能な信号変換ユニットであって、
制御部と、
前記照明器具の制御情報を示す第1制御信号を受信する通信部と、
前記第1制御信号を前記照明制御ユニットが認識可能な第2制御信号に変換する変換部と、
時刻を示す時計部と
前記照明器具の制御のスケジュールを示すスケジュール情報を予め記憶する記憶部と
を備え、
前記変換部は、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成し、
前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御し、
前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、
前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、
前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する、信号変換ユニット。
【請求項2】
前記通信部は、前記スケジュール情報を前記記憶部に記憶させる記憶指示信号を受信し、
前記制御部は、前記記憶指示信号に従って、前記スケジュール情報を記憶するように前記記憶部を制御する、請求項1に記載の信号変換ユニット。
【請求項3】
前記スケジュール情報は、シーンに対応して前記照明器具の状態を定めるシーン情報を含む、請求項1又は請求項2に記載の信号変換ユニット。
【請求項4】
前記スケジュール情報は、
前記照明器具が一定の点灯状態で点灯を開始する開始時刻を示す開始時刻情報と、
フェード制御を実行するフェード期間を示すフェード期間情報と
を含み、
前記フェード制御は、前記照明器具の状態を連続的又は段階的に変化させる制御を示し、
前記フェード期間の終点は、前記開始時刻を示す、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の信号変換ユニット。
【請求項5】
信号変換ユニットと、
照明制御ユニットと、
周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと
を備え、
前記信号変換ユニットは、
第1制御部と、
照明器具の制御情報を示す第1制御信号を受信する第1通信部と、
前記第1制御信号を前記照明制御ユニットが認識可能な第2制御信号に変換する変換部と、
時刻を示す時計部と
前記照明器具の制御のスケジュールを示すスケジュール情報を予め記憶する記憶部と
を含み、
前記変換部は、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成し、
前記第1制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記第1通信部を制御し、
前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、
前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、
前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、
前記照明制御ユニットは、
前記第2制御信号又は前記第3制御信号を受信する第2通信部と、
前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部と
を含み、
前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、
前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、照明制御装置。
【請求項6】
信号変換ユニットと、
照明制御ユニットと、
照明器具と、
周囲環境の変化又は赤外線を検知するセンサーと
を備え、
前記信号変換ユニットは、
第1制御部と、
前記照明器具の制御情報を示す第1制御信号を受信する第1通信部と、
前記第1制御信号を前記照明制御ユニットが認識可能な第2制御信号に変換する変換部と、
時刻を示す時計部と
前記照明器具の制御のスケジュールを示すスケジュール情報を予め記憶する記憶部と
を含み、
前記変換部は、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成し、
前記第1制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記第1通信部を制御し、
前記変換部は、前記センサーの検知信号に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、
前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、
前記第1通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信し、
前記照明制御ユニットは、
前記第2制御信号又は前記第3制御信号を受信する第2通信部と、
前記第2制御信号又は前記第3制御信号に従って、前記照明器具を制御する第2制御部と
を含み、
前記第2通信部は、前記第4制御信号を受信し、
前記第2制御部は、前記第4制御信号に従って前記照明器具を制御する、照明システム。」
第4 取消理由通知の概要
当審が令和4年10月13日付けの取消理由通知で特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。
(進歩性)本件の下記の請求項に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、当該請求項に係る特許は、特許法29条2項の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。
記
<請求項と引用文献の関係>
・請求項 1~3、5、6
・引用文献 1、2
・請求項 4
・引用文献 1~3
<証拠一覧>
引用文献1:特開2016-149214号公報(申立人が提出した甲第2号証)
引用文献2:特開2016-134792号公報(申立人が提出した甲第4号証)
引用文献3:特開2008-135228号公報(申立人が提出した甲第3号証)
第5 引用文献等
1 引用文献1
(1)認定事項
ア 図2より、「システム制御装置110は、第一通信部115及び第二信号部125を介して、照明制御装置120と接続可能」なことが看取できる。
イ 【0044】、【0059】~【0065】、図4より、スケジュール情報200の例として、第一スケジュール情報201では、午前5時に「調光率を一定の値に維持する調光制御を行う調光率一定モード(調光率0%)」から「センサ部121による人の検出の結果に従って調光制御を行う人検出モード(検出時70%、非検出時5%)」にモードを切り替えて、午後10時に「センサ部121による人の検出の結果に従って調光制御を行う人検出モード(検出時100%、非検出時20%)」から「調光率を一定の値に維持する調光制御を行う調光率一定モード(調光率0%)」にモードを切り替える制御を行っていると認められる。
(2)引用文献1に記載された発明
引用文献1の【0027】~【0029】、【0032】、【0033】、【0043】、【0073】、【0158】、【0159】の記載及び上記(1)を総合すると、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明1」という。)が記載されていると認められる。
「システム制御装置110は、複数の照明制御装置120を制御する装置であり、システム制御装置110は、時刻を示すカウンタ値を出力するタイマ111と、スケジュール情報200を記憶するためのスケジュール記憶部112と、複数の照明制御装置120に情報を送信する第一通信部115と、指示制御部114とを有するものであり、
スケジュール情報200は、複数の照明制御装置120への指示と、時刻とが対応付けられた情報であり、
指示制御部114は、タイマ111が出力するカウンタ値に示される時刻に対応付けられた指示をスケジュール情報200から特定し、指示制御部114はさらに、特定した指示、および、複数の照明制御装置120のうちの少なくとも1つの照明制御装置120に割り当てられたアドレスを含む制御情報119を第一通信部115に送信させて、これにより、制御情報119は複数の照明制御装置120のそれぞれに受信され、当該アドレスが割り当てられた1以上の照明制御装置120は制御情報119に従った動作を行い、
システム制御装置110は、第一通信部115及び第二信号部125を介して、照明制御装置120と接続可能であり、
システム制御装置110の配置位置に特に限定はなく、例えば、天井裏などの、人目に触れない場所に配置の場合、リモコンまたは携帯端末等と第一通信部115とが無線通信または有線通信を行うことで、ユーザからの各種の指示をシステム制御装置110が受け取ることができ、
照明制御装置120は、1以上の照明器具150の点灯制御部152を制御することで、当該1以上の照明器具150の調光制御を行う装置であり、照明制御装置120は、点灯制御部152に調光率を指示することで、照明器具150を当該調光率で点灯させる制御(調光制御)を行うことができ、
第一通信部115は、通信端末300から送信される、照明器具150の動作を制御するための設定情報を受信し、
指示制御部114は、第一通信部115が受信した設定情報を用いてスケジュール情報200を生成または更新し、生成または更新したスケジュール情報200を、スケジュール記憶部112に記憶させ、
調光制御部124は、センサ部121の検出結果を利用するモードを含め、各種のモードで調光制御を行うことが可能であり、かつ、これらモードの相互間の切り替えを、システム制御装置110からの指示に応じて行い、
複数の照明制御装置120のそれぞれは、スケジュール情報200に従ったタイミングで、調光制御のモードを切り替えることができ、
スケジュール情報200の例として、第一スケジュール情報201では、午前5時に「調光率を一定の値に維持する調光制御を行う調光率一定モード(調光率0%)」から「センサ部121による人の検出の結果に従って調光制御を行う人検出モード(検出時70%、非検出時5%)」にモードを切り替えて、午後10時に「センサ部121による人の検出の結果に従って調光制御を行う人検出モード(検出時100%、非検出時20%)」から「調光率を一定の値に維持する調光制御を行う調光率一定モード(調光率0%)」にモードを切り替える、
システム制御装置110。」
2 引用文献2
(1)認定事項
引用文献2の【0018】、【0019】の記載事項のうち、「無線アダプタ装置3及び無線通信装置4」は、まず、通信端末5から「照明負荷6の状態を変化させる制御指令を含めた無線信号(第1制御信号)」を受信して、次に、無線アダプタ装置3は、無線通信装置4から受信した制御指令に基づいて、「所望の照明負荷6を制御する制御コマンドを含めた無線信号(第2制御信号)」を負荷制御装置1に送信している。
言い換えると、制御指令を含めた無線信号(第1制御信号)を受信して、別の無線信号(第2制御信号)を送信しているので、「無線アダプタ装置3及び無線通信装置4」は、その内部で、無線信号を「変換」していると認められる。
(2)引用文献2に記載された事項
引用文献2の【0018】、【0019】の記載及び上記(1)を総合すると、引用文献2には次の技術的事項(以下「引用文献2に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「照明負荷6(照明器具)を制御する負荷制御装置1(照明制御ユニット)に無線で接続する、無線アダプタ装置3及び無線通信装置4(信号変換ユニット)が、
通信端末5から、照明負荷6の状態を変化させる制御指令を含めた無線信号(第1制御信号)を受信すると、当該無線信号(第1制御信号)を、負荷制御装置1(照明制御ユニット)が受信できる無線信号(第2制御信号)に変換して送信すること。」
3 引用文献3
(1)認定事項
引用文献3の【0016】の照度が「漸増」又は「漸減」する記載及び図2の記載を踏まえると、引用文献3には「照度を所定値から別の所定値に変化させる際に、照明器具の照度を連続的に変化させること」が記載されていると認められる。
(2)引用文献3に記載された事項
引用文献3の【0015】~【0018】、図2の記載及び上記(1)を総合すると、引用文献3には、次の技術的事項(以下「引用文献3に記載された技術的事項」という。)が記載されていると認められる。
「照明器具についてのスケジュールを、時間に沿った照度の変化が現れるように設定し、照度を所定値から別の所定値に変化させる際に、照明器具の照度を連続的に変化させること。」
第6 当審の判断
1 本件発明1について
(1)対比
本件発明1と引用発明1とを対比する。
ア 後者の「照明器具150」は前者の「照明器具」に相当し、以下同様に、「照明制御装置120」は「照明制御ユニット」に、「指示制御部114」は「制御部」に、「第一通信部115」は「通信部」に、「カウンタ値に示される時刻」は「時刻」に、「タイマ111」は「時計部」に、「スケジュール情報200」は「スケジュール」及び「スケジュール情報」に、「スケジュール記憶部112」は「記憶部」に、それぞれ相当する。
そして、上記の相当関係を踏まえると、以下のことがいえる。
イ 後者の「システム制御装置110」は、「照明制御装置120を制御する装置」であり、「照明制御装置120」は、「1以上の照明器具150の点灯制御部152を制御」するものであり、システム制御装置110は、第一通信部115及び第二信号部125を介して、照明制御装置120と接続可能である。
したがって、「システム制御装置110」は、1以上の照明器具150を制御可能な照明制御装置120に接続可能な制御装置といえる。
そうすると、後者の「システム制御装置110」と前者の「複数の照明器具を制御可能な照明制御ユニットに接続可能な信号変換ユニット」とは、「複数の照明器具を制御可能な照明制御ユニットに接続可能な信号制御ユニット」という点で共通する。
ウ 後者の「第一通信部115」は、「通信端末300から送信される、照明器具150の動作を制御するための設定情報を受信」するので、後者の「第一通信部115」と前者の「前記照明器具の制御情報を示す第1制御信号を受信する通信部」とは、「前記照明器具の制御情報を示す信号を受信する通信部」という点で共通する。
エ 後者の「時刻を示すカウンタ値を出力するタイマ111」は、上記アを踏まえると、前者の「時刻を示す時計部」に相当する。
オ 後者の「システム制御装置110」は、「複数の照明制御装置120を制御する装置であり、システム制御装置110は、時刻を示すカウンタ値を出力するタイマ111と、スケジュール情報200を記憶するためのスケジュール記憶部112と、複数の照明制御装置120に情報を送信する第一通信部115と、指示制御部114とを有」していて、該「スケジュール情報200」は、「複数の照明制御装置120への指示と、時刻とが対応付けられた情報」である。
そうすると、上記の「スケジュール情報200を記憶するためのスケジュール記憶部112」は、前者の「前記照明器具の制御のスケジュールを示すスケジュール情報を予め記憶する記憶部」に相当する。
カ 後者の「システム制御装置110」は「タイマ111と、・・・スケジュール記憶部112と・・・第一通信部115と、指示制御部114とを有する」ものである。
そうすると、上記イを踏まえると、後者の「システム制御装置110」が、「指示制御部114」と、「第一通信部115」と「タイマ111」と「スケジュール記憶部112」と「を有する」ことと、前者の「信号変換ユニット」が「制御部」と「通信部」と「時計部」と「記憶部」と「を備え」ることとは、「信号制御ユニット」が「制御部」と「通信部」と「時計部」と「記憶部」と「を備え」ることに相当する。
キ 後者の
「指示制御部114は、タイマ111が出力するカウンタ値に示される時刻に対応付けられた指示をスケジュール情報200から特定し、指示制御部114はさらに、特定した指示、および、複数の照明制御装置120のうちの少なくとも1つの照明制御装置120に割り当てられたアドレスを含む制御情報119を第一通信部115に送信させて、これにより、制御情報119は複数の照明制御装置120のそれぞれに受信され、当該アドレスが割り当てられた1以上の照明制御装置120は制御情報119に従った動作を行」
う構成を検討すると、システム制御装置110の一部である「指示制御部114」が「スケジュール情報200から特定」した「指示」及び「制御情報119」を「第一通信部115に送信」する前提として、「指示」及び「制御情報119」が照明制御装置120側から認識可能な制御信号であり、指示制御部114は認識可能な制御信号を生成していることは、制御情報の通信が成立している点からみて自明である。
そうすると、上記ア及びイを踏まえると、後者の、システム制御装置110の一部である「指示制御部114」が「スケジュール情報200から特定」した「指示」及び「制御情報119」を「第一通信部115に送信」することと、前者の「前記変換部は、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成」することとは、「前記信号制御ユニットは、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成」する点で共通する。
ク 後者の
「指示制御部114は、タイマ111が出力するカウンタ値に示される時刻に対応付けられた指示をスケジュール情報200から特定し、指示制御部114はさらに、特定した指示、および、複数の照明制御装置120のうちの少なくとも1つの照明制御装置120に割り当てられたアドレスを含む制御情報119を第一通信部115に送信させて、これにより、制御情報119は複数の照明制御装置120のそれぞれに受信され、当該アドレスが割り当てられた1以上の照明制御装置120は制御情報119に従った動作を行」
う構成の「指示制御部114」は、「時刻に対応付けられた指示をスケジュール情報200から特定」し、「特定した指示」及び「少なくとも1つの照明制御装置120に割り当てられたアドレスを含む制御情報119」を「第一通信部115に送信させ」るものである。
そうすると、後者の「指示制御部114」が、「時刻に対応付けられた指示をスケジュール情報200から特定」し、「特定した指示」及び「少なくとも1つの照明制御装置120に割り当てられたアドレスを含む制御情報119」を「第一通信部115に送信させ」る構成は、前者の「前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御」する構成に相当する。
以上より、本件発明1と引用発明1との一致点、相違点は次のとおりと認められる。
(一致点)
「複数の照明器具を制御可能な照明制御ユニットに接続可能な信号制御ユニットであって、
制御部と、
前記照明器具の制御情報を示す信号を受信する通信部と、
時刻を示す時計部と
前記照明器具の制御のスケジュールを示すスケジュール情報を予め記憶する記憶部と
を備え、
前記信号制御ユニットは、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成し、
前記制御部は、前記時計部の示す前記時刻及び前記スケジュール情報に基づいて、前記第3制御信号を前記照明制御ユニットに送信するように、前記通信部を制御する、信号制御ユニット。」
(相違点)
信号の変換に関して、本件発明1では、複数の照明器具を制御可能な照明制御ユニットに接続可能な「信号変換ユニット」であって、「前記照明器具の制御情報を示す第1制御信号」を受信する通信部と、「前記第1制御信号を前記照明制御ユニットが認識可能な第2制御信号に変換する変換部」とを備えて、「前記変換部」は、前記スケジュール情報に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第3制御信号を生成し、「前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、/前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、/前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する」という構成を備えるのに対して、引用発明1では、「リモコンまたは携帯端末等と第一通信部115とが無線通信または有線通信を行う」もので、リモコンまたは携帯端末等から受信した信号を照明制御ユニットが認識可能な制御信号に変換する構成であり、「調光制御部124は、センサ部121の検出結果を利用するモードを含め、各種のモードで調光制御を行うことが可能であり、かつ、これらモードの相互間の切り替えを、システム制御装置110からの指示に応じて行」う点。
(2)判断
上記相違点について検討すると、当該相違点に係る本件発明の構成のうち、「前記変換部は、検知された周囲環境の変化又は検知された赤外線に基づいて、前記照明制御ユニットが認識可能な第4制御信号を生成し、/前記第4制御信号は、前記照明器具の制御情報を示し、/前記通信部は、前記照明制御ユニットに前記第4制御信号を送信する」という構成(以下「訂正により加わった構成」という。)は、引用文献1~3だけでなく、申立人が提出した他の証拠のいずれにも、記載も示唆もない。
そして、上記「訂正により加わった構成」が、技術常識又は周知技術であると認めるに足る証拠はないから、引用発明1において、上記「訂正により加わった構成」に係る本件発明1の上記構成とすることが、設計的事項であるともいえない。
したがって、本件発明1は、引用発明1、引用文献2に記載された技術的事項、及び引用文献3に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
2 本件発明2~4について
本件発明2~4は、本件発明1の発明特定事項を含み、さらに限定をしたものであるから、引用発明1、引用文献2に記載された技術的事項、引用文献3に記載された技術的事項、及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
3 本件発明5について
本件発明5は、実質的に本件発明1と同様の構成を備えた「制御装置」の発明であるから、本件発明1と同様の理由により、引用発明1、引用文献2に記載された技術的事項、引用文献3に記載された技術的事項、及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
4 本件発明6について
本件発明6は、実質的に本件発明1と同様の構成を備えた「照明システム」の発明であるから、本件発明1と同様の理由により、引用発明1、引用文献2に記載された技術的事項、引用文献3に記載された技術的事項、及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
5 申立人の主張について
ア 主張の概要
申立人は、令和5年2月14日の意見書において、本件発明1~6は、新たに提出した甲第5号証を従たる証拠として、当業者が容易に発明し得たものである旨を主張している。
甲第5号証:特開2015-79736号公報
イ 検討
甲第5号証(特に【0020】、【0125】~【0136】、図10参照)には、次の事項(以下「甲5記載事項」という。)が記載されていると認められる。
「通信端末100は、ネットワーク300を介して照明機器200と通信可能に接続され、
通信端末100は、照明制御部6及び通信部7を備え、
人物検知装置500は、ネットワーク300を介して通信端末100と互いに通信可能に接続されていて、人物検知装置500は、人物状態検知部51及び通信部52を備え、
通信端末100の通信部7は、人物検知装置500によって送信された複数のユーザの就寝状態を受信し、
照明制御部6は、他のユーザが就寝中であると判断された場合と、他のユーザが就寝中ではないと判断された場合とで、第2の照明設定情報が含む照度、波長、又は点灯パターンを異ならせること。」
しかしながら、甲第5号証には、上記相違点に係る本件発明1の構成のうち「変換部」が第4制御制御信号を生成する点は、記載も示唆もない。つまり、上記「訂正により加わった構成」は、甲第5号証に記載も示唆もない。すなわち、上記の甲5記載事項は、通信端末100の照明制御部6が、人物検知装置500によって送信された情報に基いて照明を制御するものにすぎない。また、甲5には、本件発明1でいうところの「信号変換ユニット」に相当する制御部が無く、引用発明1の「システム制御装置110」に対応する制御部もない。
また、独立形式請求項に係る発明である本件発明5及び6も、実質的に本件発明1と同様の構成を備えた「制御装置」及び「照明システム」の発明であるから、上記と同様のことがいえる。
したがって、申立人の上記主張は採用できない。
6 小括
以上のとおり、本件発明1~6は、引用発明1、引用文献2に記載された技術的事項、引用文献3に記載された技術的事項、及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
第7 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
1 概要
取消理由通知において採用しなかった異議申立理由の要旨は以下のとおりである。
<特許法29条1項3号>について
・請求項 1、2、5、6
・引用文献 甲第1号証の1
<請求項29条2項>について
・請求項 1~3、5、6
・引用文献 甲第1号証の1
・請求項 3
・引用文献 甲第1号証の1及び甲第2号証
・請求項 4
・引用文献 甲第1号証の1及び甲第3号証
<証拠一覧>
甲第1号証の1:取扱説明書アドバンスシリーズ用無線アダプタ品番MKN7531、第2版、パナソニック株式会社
甲第1号証の2:品番MKN7531の取扱説明書のWEB公開を示す資料 、[online]、パナソニック株式会社、インターネット
<URL:https://www2.panasonic.biz/scvb/a2A/opnItemDetail?item_no=MKN7531&b_cd=301&hinban_kbn=1&s_hinban_key=MKN7531&itmcmp_link_flg=0&itmcmp_add_flg=0&vcata_flg=1&use_obligation=&item_cd=MKN7531&catalog_view_flg=1&contents_view_flg=1&close_flg=1&simple_search_flg=>
甲第2号証:特開2016-149214号公報(取消理由通知の「引用文献1」)
甲第3号証:特開2008-135228号公報(取消理由通知の「引用文献3」)
甲第4号証:特開2016-134792号公報(取消理由通知の「引用文献2」)
2 当審の判断
甲第1号証の1は、仮にその内容が本件特許の出願時に公知であった[N38]としても、少なくとも、上記相違点に係る本件発明1の構成のうち「訂正により加わった構成」(「第6 1(1)(2)参照」)は記載も示唆もない。
そして、上記「訂正により加わった構成」が、技術常識又は周知技術であると認めるに足る証拠はないから、甲第1号証の1に記載された発明において、上記「訂正により加わった構成」とすることが、設計的事項であるともいえない。
また、甲第2号証~甲第5号証については、上記第6で検討したとおりである。
したがって、本件発明1は、甲第1号証の1に記載された発明ではなく、また、甲第1号証の1に記載された発明及び甲第2号証~甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでない。
また、本件発明2~4は、本件発明1の発明特定事項を含みさらに限定をしたものであり、本件発明5、6は、実質的に本件発明1と同様の構成を備えるものであるから、本件発明1と同じ理由により、本件発明2、5、6は、甲第1号証の1に記載された発明ではなく、また、本件発明2~6は、甲第1号証の1に記載された発明及び甲第2号証~甲第5号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものでもない。
よって、申立人の主張する特許異議申立理由によっては、請求項1~6に係る特許を取り消すことはできない。
第8 むすび
以上のとおり、本件発明1~6に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及びその証拠によっては取り消すことはできない。
また、他に本件発明1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700536