特許異議申立
2023-700160
接点装置、電磁継電器、電気機器
- 審判番号
- 2023-700160
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-561409
- 登録番号
- 7117567
- 請求日
- 2023年02月15日
- 審決日
- 2024年08月09日
- 公報発行日
- 2024年11月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】パナソニックIPマネジメント株式会社
- 【権利者代理人】森 太士
- 【権利者代理人】松本 隆芳
- 【権利者代理人】細川 覚
- 【異議申立人】山▲崎▼ 浩一郎
- 審判長/審判官
- 審判長 小川 恭司
- 審判官 内田 博之
- 審判官 尾崎 和寛
- 分類
- P1651.113-YAA(H01H) / P1651.121-YAA(H01H) / P1651.161-YAA(H01H) / P1651.537-YAA(H01H)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第29条の2、特許法第120条の5第7項、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7117567号発明「接点装置、電磁継電器、電気機器」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7117567号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~26〕について訂正することを認める。
特許第7117567号の請求項1~5、10~12、16~19及び21~26に係る特許を維持する。
特許第7117567号の請求項6~9、13~15及び20に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7117567号(以下、「本件特許」という。)の請求項1~26に係る特許についての出願は、2018年(平成30年)1月11日(優先権主張 2017年(平成29年)1月11日)を国際出願日とする出願であって、令和4年8月4日にその特許権の設定登録がされ、令和4年8月15日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。
令和5年 2月15日 :特許異議申立人山▼崎▼浩一郎(以下、「異議申立人」という。▼崎▼は、つくりの「大」を、「立」の第5角の「一」を除いたものに置き換えた文字)による本件特許に対する特許異議の申立て(証拠:甲第1~9号証)
令和5年 5月26日付け:取消理由通知書
令和5年 7月28日 :特許権者による訂正請求書及び意見書の提出
令和5年 9月 7日 :異議申立人による意見書の提出(補充証拠:参考資料1~5)
令和5年12月25日付け:取消理由通知書<決定の予告>
令和6年 3月 4日 :特許権者による訂正請求書(以下「本件訂正請求」という。)及び意見書の提出
令和6年 4月11日 :異議申立人による意見書の提出
なお、令和5年7月28日に提出された訂正請求書は、特許法第120条の5第7項の規定により、取り下げられたものとみなす。
第2 訂正の適否
1 訂正の内容
特許権者は、令和6年3月4日に訂正請求書を提出し、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり訂正することを求めた(以下、「本件訂正」という。)。
本件訂正の内容は以下のとおりである。(下線は当審で付した。以下同様。)
(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1における
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有していることを特徴とする接点装置。」という記載を、
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項1の記載を直接又は間接的に引用する請求項2~4、21~26も同様に訂正する)。
(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2における
「前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有していることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。」という記載を、
「前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項2の記載を直接又は間接的に引用する引用する請求項3、4、21~26も同様に訂正する)。
(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4における
「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部と
の間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、
前記第1導電部は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在していることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在していることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の接点装置。」に訂正する(請求項4の記載を直接又は間接的に引用する請求項21~26も同様に訂正する)。
(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5における
「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、
前記第1導電部は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第2導電部は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在していることを特徴とする請求項2~4のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、
前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする接点装置。」という記載に訂正する(請求項5の記載を直接又は間接的に引用する請求項21~26も同様に訂正する)。
(5)訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
(6)訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
(7)訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
(8)訂正事項8
特許請求の範囲の請求項9を削除する。
(9)訂正事項9
特許請求の範囲の請求項10における
「前記第1導電部材は、前記対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有し、
前記可動接触子の移動方向から見て、前記第1電路部と前記第2電路部との間に前記可動接触子が配置されることを特徴とする請求項8に記載の接点装置。」という記載を、
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する筐体と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子 に電気的に接続される第1電路部をさらに有し、
前記第1電路部は、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び、
前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、
前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有し、
前記可動接触子の移動方向から見て、前記第1電路部と前記第2電路部との間に前記可動接触子が配置されることを特徴とする接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項10の記載を直接又は間接的に引用する請求項11、12、16~19、21~26も同様に訂正する)。
(10)訂正事項10
特許請求の範囲の請求項11における
「前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向の反対向きになるように構成されており、
前記閉位置の状態にある前記可動接触子が、前記可動接触子の移動方向において、前記第1固定接点および前記第2固定接点と前記第1電路部との間に位置することを特徴とする請求項8~10のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向の反対向きになるように構成されており、
前記閉位置の状態にある前記可動接触子が、前記可動接触子の移動方向において、前記第1固定接点および前記第2固定接点と前記第1電路部との間に位置することを特徴とする請求項10に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項11の記載を直接又は間接的に引用する請求項12、16~19、21~26も同様に訂正する)。
(11)訂正事項11
特許請求の範囲の請求項12における
「前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向と同じ向きになるように構成されており、
前記第1電路部が、前記可動接触子からみて前記可動接触子よりも前記第1固定接点および前記第2固定接点の近くに位置することを特徴とする請求項8~11のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向と同じ向きになるように構成されており、
前記第1電路部が、前記可動接触子からみて前記可動接触子よりも前記第1固定接点および前記第2固定接点の近くに位置することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の接点装置。
」という記載に訂正する。
(請求項12の記載を直接又は間接的に引用する請求項16~19、21~26も同様に訂正する)。
(12)訂正事項12
特許請求の範囲の請求項13を削除する。
(13)訂正事項13
特許請求の範囲の請求項14を削除する。
(14)訂正事項14
特許請求の範囲の請求項15を削除する。
(15)訂正事項15
特許請求の範囲の請求項16における
「前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向に延び、前記第1対面部が設けられた第1延設部をさらに有し、
前記第1延設部の前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の長さが、前記第1導電部材の前記第1固定部と第1固定端子とが接続される部位から前記第1固定接点までの長さ以上であることを特徴とする請求項8~15のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向に延び、前記第1対面部が設けられた第1延設部をさらに有し、
前記第1延設部の前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の長さが、前記第1導電部材の前記第1固定部と第1固定端子とが接続される部位から前記第1固定接点までの長さ以上であることを特徴とする請求項10~12のうちいずれか1項に記載の接点装置。
」という記載に訂正する。
(請求項16の記載を直接又は間接的に引用する請求項17~19、21~26も同様に訂正する)。
(16)訂正事項16
特許請求の範囲の請求項17における
「前記可動接触子は、前記閉位置に位置するときに、前記第1固定接点と接触する第1可
動接点と、前記第2固定接点と接触する第2可動接点とを有し、
前記第1電路部の長さは、前記第1可動接点と前記第2可動接点との間の距離以上であることを特徴とする請求項8~16のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記可動接触子は、前記閉位置に位置するときに、前記第1固定接点と接触する第1可動接点と、前記第2固定接点と接触する第2可動接点とを有し、
前記第1電路部の長さは、前記第1可動接点と前記第2可動接点との間の距離以上であることを特徴とする請求項10~12、16のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項17の記載を直接又は間接的に引用する請求項18、19、21~26も同様に訂正する)。
(17)訂正事項17
特許請求の範囲の請求項18における
「前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1電路部と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項8~17のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1電路部と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項10~12、16、17のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項18の記載を直接又は間接的に引用する請求項19、21~26も同様に訂正する)。
(18)訂正事項18
特許請求の範囲の請求項19における
「前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1導電部材と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項8~18のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1導電部材と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項10~12、16~18のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項19の記載を直接又は間接的に引用する請求項21~26も同様に訂正する)。
(19)訂正事項19
特許請求の範囲の請求項20を削除する。
(20)訂正事項20
特許請求の範囲の請求項21における
「前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定端子と接触しているとき、前記第1固定端子には、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第1対面部には、前記第1可動接点から前記第1固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~19のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定端子と接触しているとき、前記第1固定端子には、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第1対面部には、前記第1可動接点から前記第1固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載に訂正する。
(請求項21の記載を直接又は間接的に引用する請求項22~26も同様に訂正する)。
(21)訂正事項21
特許請求の範囲の請求項22における
「前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記可動接触子は、前記第2固定接点と接触する第2の可動接点をさらに有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定接点と接触しているとき、前記第2固定端子には、前記第2可動接点から前記第2固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第2対面部には、前記第2固定接点から前記第2可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~21のうちいずれか1項に記載の接点装置。」という記載を、
「前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記可動接触子は、前記第2固定接点と接触する第2可動接点をさらに有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定接点と接触しているとき、前記第2固定端子には、前記第2可動接点から前記第2固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第2対面部には、前記第2固定接点から前記第2可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19、21のうちいずれか1項に記載の接点装置。
」という記載に訂正する。
(請求項22の記載を直接又は間接的に引用する請求項23~26も同様に訂正する)。
(22)訂正事項22
特許請求の範囲の請求項23における
「前記第1固定部は、前記第1固定端子と機械的に接続されていることを特徴とする請求項1~22のうちいずれか1項に記載の接点装置。
」という記載を、
「前記第1固定部は、前記第1固定端子と機械的に接続されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19、21、22のうちいずれか1項に記載の接点装置。
」という記載に訂正する。
(請求項23の記載を直接又は間接的に引用する請求項24~26も同様に訂正する)。
(23)訂正事項23
特許請求の範囲の請求項24における
「請求項1~23のうちいずれか1項に記載の接点装置と、
前記可動接触子を移動させる電磁石装置と、を備えることを特徴とする電磁継電器。」という記載を、
「請求項1~5、10~12、16~19、21~23のうちいずれか1項に記載の接点装置と、
前記可動接触子を移動させる電磁石装置と、を備えることを特徴とする電磁継電器。」という記載に訂正する。
(請求項24の記載を直接又は間接的に引用する請求項25、26も同様に訂正する)。
(24)訂正事項24
特許請求の範囲の請求項25における
「請求項1~23のうちいずれか1項に記載の接点装置、または、請求項24に記載の電磁継電器を有する内器と、
前記内器を保持するハウジングと、を備えることを特徴とする電気機器。
」という記載を、
「請求項1~5、10~12、16~19、21~23のうちいずれか1項に記載の接点装置、または、請求項24に記載の電磁継電器を有する内器と、
前記内器を保持するハウジングと、を備えることを特徴とする電気機器。」という記載に訂正する。
(請求項25の記載を引用する請求項26も同様に訂正する)。
2 一群の請求項について
訂正前の請求項1~26は、請求項22~26が、請求項1~21を直接又は間接的に引用するものであって、組み合わされて一群の請求項となるものであるから、本件訂正に係る訂正前の請求項1~26に対応する訂正後の請求項〔1-26〕は、一群の請求項である。
したがって、訂正事項1~24は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
3 訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
(1)訂正事項1について
ア 訂正の目的
訂正事項1は、請求項1の「接点装置」について、「仕切り部材」を限定するとともに、「第1対面部」における「電流の向き」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
また、訂正事項1は、「仕切り部材」が「第1固定端子および第2固定端子を保持する」ものであることを明確にし、発明が課題を解決するために必要な「1対面部における電流の向きは、第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」ことを明確に特定するものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
イ 新規事項の有無
願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「明細書等」という。)の、段落【0064】に「このように、本実施形態では、天壁411に、第1固定端子420Aおよび第2固定端子420Bが固定されるようにしている。そして、天壁411に第1固定端子420Aを固定した状態で、第1固定端子420Aの上側と下側とが天壁411によって仕切られるようにしている。同様に、天壁411に第2固定端子420Bを固定した状態で、第2固定端子420Bの上側と下側とが天壁411によって仕切られるようにしている。このように、本実施形態では、天壁411が、第1固定端子420Aの長手方向の一端側と他端側とを仕切るとともに、第2固定端子420Bの長手方向の一端側と他端側とを仕切る仕切り部材となっている。」と記載されているから、訂正事項1の「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」を接点装置が備える構成は、明細書等に記載されているといえる。
また、明細書等の段落【0116】に「そして、この第1対面部444A内を流れる電流の主方向が略上下方向の上方(第1固定端子420A内を流れる電流の主方向と逆方向)となるようにしている。」と記載されているから、訂正事項1の「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成は、明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1は、「接点装置」について、「仕切り部材」を限定するとともに、「第1対面部」における「電流の向き」を限定するものであって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(2)訂正事項2について
ア 訂正の目的
訂正事項2は、「第2対面部」における「電流の向き」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
明細書等の段落【0123】に「そして、この第2対面部444B内を流れる電流の主方向が略上下方向の下方(第2固定端子420B内を流れる電流の主方向と逆方向)となるようにしている。」と記載されているから、訂正事項2の「前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成は、明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項2は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項2は、「第2対面部」における「電流の向き」を限定するものであって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(3)訂正事項3について
ア 訂正の目的
訂正事項3は、上記訂正事項1で限定された請求項1の記載事項と重複する請求項4の記載事項を削除するとともに、「第1導電部」との記載を「第1導電部材」に改めることで、請求項4に係る発明を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
明細書等の段落「【0113】に「具体的には、第1バスバー(第1導電部材)440Aが、第1固定部441Aに連設される第1延設部443Aを有するようにしている。」と記載され、段落【0114】に「本実施形態では、この第1延設部443Aは、【図4】に示すように、第1固定端子420Aから左右方向左側に延在する第1固定部441Aの左端に連設されており、第1固定部441Aの左端から下方に向けて延在するように形成されている。」と記載されており、【図4】を参酌すれば、訂正事項3の「前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在している」構成は、明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項3は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項3は、上記訂正事項1で限定された請求項1の記載事項と重複する請求項4の記載事項を削除するとともに、「第1導電部」との記載を「第1導電部材」に改めることで、請求項4に係る発明を明確にする訂正であって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(4)訂正事項4について
ア 訂正の目的
訂正事項4は、本件訂正前の請求項2~4のいずれかの記載を引用する本件訂正前の請求項5のうち、本件訂正前の請求項2の記載を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、請求項2の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、また、「仕切り部材」について「前記第1固定接点および前記第2固定接点を」保持することを限定し、「第1対面部」及び「第2対面部」における「電流の向き」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、さらに、「第1導電部」を「第1導電部材」として発明を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものでもある。
イ 新規事項の有無
明細書等の段落【0064】に「このように、本実施形態では、天壁411に、第1固定端子420Aおよび第2固定端子420Bが固定されるようにしている。(中略)このように、本実施形態では、天壁411が、第1固定端子420Aの長手方向の一端側と他端側とを仕切るとともに、第2固定端子420Bの長手方向の一端側と他端側とを仕切る仕切り部材となっている。」と記載されており、明細書等の段落【0113】に「具体的には、第1バスバー(第1導電部材)440Aが、第1固定部441Aに連設される第1延設部443Aを有するようにしている。」と記載されており、明細書等の段落【0116】に「そして、この第1対面部444A内を流れる電流の主方向が略上下方向の上方(第1固定端子420A内を流れる電流の主方向と逆方向)となるようにしている。」と記載されており、明細書等の段落【0123】に「そして、この第2対面部444B内を流れる電流の主方向が略上下方向の下方(第2固定端子420B内を流れる電流の主方向と逆方向)となるようにしている。」と記載されているから、訂正事項4の「前記第1固定接点および前記第2固定接点を保持する仕切り部材」、「第1導電部材」及び「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成は、いずれも明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項4は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項4は、請求項2の記載を引用しない独立形式請求項へ改めるための訂正であるとともに、「仕切り部材」について「前記第1固定接点および前記第2固定接点を」保持することを限定し、「第1対面部」及び「第2対面部」における「電流の向き」を限定し、「第1導電部」を「第1導電部材」として発明を明確にするものであって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(5)訂正事項5~8について
訂正事項5~8は、請求項6~9を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(6)訂正事項9について
ア 訂正の目的
訂正事項9は、本件訂正前の請求項1~7のいずれかの記載を引用する請求項8の記載を引用する本件訂正前の請求項10のうち、本件訂正前の請求項1の記載を引用する請求項8の記載を引用するものについて、請求項間の引用関係を解消し、請求項1及び請求項8の記載を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるとともに、「第1対面部」における「電流の向き」を限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
さらに、訂正前の請求項8の「第1電流路」との記載を「第1電路部」に改め、訂正前の請求項10の「対面部」との記載を「第1対面部」に改めることで、請求項10に係る発明を明確にするものであるから、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
明細書等の段落【0116】に「そして、この第1対面部444A内を流れる電流の主方向が略上下方向の上方(第1固定端子420A内を流れる電流の主方向と逆方向)となるようにしている。」と記載されているから、訂正事項9の「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成は、明細書等に記載されているといえる。
また、明細書等の【0218】に「また、第1電路片(第1電路部)445Aは、第1延設部443Aと連結しており、延設部443Aの下端部から右方(第1固定端子420Aから見て第2固定端子420B側)に延びるように、筐体410の後方に配置されている。」記載されているから、訂正事項9の「前記第1電路部は、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び」る構成は、明細書等に記載されているといえる。
さらに、明細書等の【0313】に「第2バスバー440Bは、【図28】に示すように、第2延設部443Bに2つの電路片(前側電路片445B,後側電路片446B)が連設されている。すなわち、【図28】に示す第2バスバー440Bは、第2延設部443Bから2つの電路片(前側電路片445B,後側電路片446B)を前後方向に分岐させた形状をしている。」と記載され、段落【0314】に「第2固定部441Bは、第2固定端子420Bと機械的に接続されている。」と記載されていて、【図28】の「第2バスバー440B」「第2延設部443B」「第2固定部441B」「第2固定端子420B」は、請求項10の「第1導電部材」「第1対面部」「第1固定部」「第1固定端子」に相当し、【図28】の「前側電路片445B」と「後側電路片446B」のいずれか一方が請求項10の「第2電路部」に相当するから、訂正事項9の「前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有」する構成は、明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項9は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項9は、請求項1及び請求項8の記載を引用しない独立形式請求項へ改めるための訂正であるとともに、「第1対面部」における「電流の向き」を限定し、さらに「第1電流路」との記載を「第1電路部」に改め、「対面部」との記載を「第1対面部」に改めることで請求項10に係る発明を明確にするものであって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(7)訂正事項10及び11
訂正事項10及び11は、訂正事項7及び8により請求項8及び9が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項11及び12から請求項8及び9の引用を省いたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(8)訂正事項12~14について
訂正事項12~14は、請求項13~15を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(9)訂正事項15~18について
訂正事項15~18は、訂正事項7、8、12~14により請求項8、9、13~15が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項16~19から請求項8、9、13~15の引用を省いたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(10)訂正事項19について
訂正事項19は、請求項20を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正であり、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(11)訂正事項20について
訂正事項20は、訂正事項5~8、12~14、19により請求項6~9、13~15、20が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項21から請求項6~9、13~15、20の引用を省いたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(12)訂正事項21について
ア 訂正の目的
訂正事項21は、本件訂正前の請求項22について、訂正事項7、8、12~14、19により削除された請求項8、9、13~15、20を引用元から省くとともに、「第2の可動接点」との記載を「第2可動接点」に改め、さらに「前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向」を規定するために必要な起点を「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て」と定義することで、発明を明確にするものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
イ 新規事項の有無
明細書等の段落【0026】に「なお、接点装置40の接点は、第1固定端子420Aに形成された第1固定接点421aAと、第2固定端子420Bに形成された第2固定接点421aBと、可動接触子430に形成された第1可動接点431Aおよび第2可動接点431Bとで構成されるものである。」との記載があるので、訂正事項21の「可動接触子は、前記第2固定接点と接触する第2可動接点をさらに有」する構成は、明細書等に記載されているといえる。
また、本件訂正前の請求項2に「前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有している」と記載されており、明細書等の段落【0121】に「また、本実施形態では、第2バスバー(第2導電部材)440Bが、第2固定部441Bに連設される第2延設部443Bを有するようにしている。」と記載されており、段落【0123】に「また、本実施形態では、第2延設部443Bが、第2固定端子420Bの長手方向における天壁(仕切り部材)411よりも下側(一端側)で、第2固定端子420Bおよび可動接触子430のうち少なくともいずれか一方に対面する第2対面部444Bを有するようにしている。」と記載されており、【図7】の符号「440B」及び「444B」の示す部分に注目すれば、訂正事項21の「前記第2導電部材」が「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有」する構成は、明細書等に記載されているといえる。
したがって、訂正事項21は、明細書等に記載した事項の範囲内の訂正である。
ウ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項21は、請求項8、9、13~15、20の引用を省くとともに、「第2の可動接点」との記載を「第2可動接点」に改め、「前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向」を規定するために必要な起点を「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て」と定義することで、発明を明確にするものであって、発明のカテゴリー又は対象を変更するものに該当しないことから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(13)訂正事項22~24について
訂正事項22~24は、訂正事項5~8、12~14、19により請求項5~9、13~15、20が削除されたことに伴い、本件訂正前の請求項23~25から請求項5~9、13~15、20の引用を省いたものであるから、特許請求の範囲の減縮及び明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、明細書等に記載された事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでない。
(14)小括
上記訂正事項1~24は、いずれも特許法第120条の5第2項ただし書第1、3又は4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、本件訂正後の請求項〔1~26〕について訂正することを認める。
第3 本件訂正後の本件発明
本件訂正後の請求項1~26に係る発明(以下、「本件発明1」~「本件発明26」という。)は、訂正特許請求の範囲の請求項1~26に記載された次の事項により特定されるとおりのものである。
「【請求項1】
一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする接点装置。
【請求項2】
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする請求項1に記載の接点装置。
【請求項3】
前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記第1対面部は、前記第1可動接点から前記第1固定接点に向かう方向に延在していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接点装置。
【請求項4】
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在していることを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項5】
一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、 前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする接点装置。
【請求項6】
(削除)
【請求項7】
(削除)
【請求項8】
(削除)
【請求項9】
(削除)
【請求項10】
一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する筐体と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第1電路部をさらに有し、
前記第1電路部は、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び、
前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、
前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有し、
前記可動接触子の移動方向から見て、前記第1電路部と前記第2電路部との間に前記可動接触子が配置されることを特徴とする接点装置。
【請求項11】
前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向の反対向きになるように構成されており、
前記閉位置の状態にある前記可動接触子が、前記可動接触子の移動方向において、前記第1固定接点および前記第2固定接点と前記第1電路部との間に位置することを特徴とする請求項10に記載の接点装置。
【請求項12】
前記第1電路部は、前記筐体の外側に配置されており、
前記可動接触子が前記閉位置に位置するとき、前記第1電路部を流れる電流の方向が前記可動接触子を流れる電流の方向と同じ向きになるように構成されており、
前記第1電路部が、前記可動接触子からみて前記可動接触子よりも前記第1固定接点および前記第2固定接点の近くに位置することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の接点装置。
【請求項13】
(削除)
【請求項14】
(削除)
【請求項15】
(削除)
【請求項16】
前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向に延び、前記第1対面部が設けられた第1延設部をさらに有し、
前記第1延設部の前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の長さが、前記第1導電部材の前記第1固定部と第1固定端子とが接続される部位から前記第1固定接点までの長さ以上であることを特徴とする請求項10~12のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項17】
前記可動接触子は、前記閉位置に位置するときに、前記第1固定接点と接触する第1可動接点と、前記第2固定接点と接触する第2可動接点とを有し、
前記第1電路部の長さは、前記第1可動接点と前記第2可動接点との間の距離以上であることを特徴とする請求項10~12、16のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項18】
前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1電路部と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項10~12、16、17のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項19】
前記筐体は、当該筐体の厚さ方向の一端から他端にかけて非磁性材料で形成された非磁性部を備えており、
前記非磁性部が、前記第1導電部材と前記閉位置に位置する前記可動接触子との対向領域と重なり合う部位の少なくとも一部に形成されていることを特徴とする請求項10~12、16~18のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項20】
(削除)
【請求項21】
前記可動接触子は、前記第1固定接点と接触する第1可動接点を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定端子と接触しているとき、前記第1固定端子には、前記第1固定接点から前記第1可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第1対面部には、前記第1可動接点から前記第1固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項22】
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材をさらに備え、
前記可動接触子は、前記第2固定接点と接触する第2可動接点をさらに有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記可動接触子が第1固定接点および前記第2固定接点と接触しているとき、前記第2固定端子には、前記第2可動接点から前記第2固定接点に向かう方向の電流が流れるように構成されており、前記第2対面部には、前記第2固定接点から前記第2可動接点に向かう方向の電流が流れるように構成されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19、21のうちいずれか1項に記載の接点装置。
【請求項23】
前記第1固定部は、前記第1固定端子と機械的に接続されていることを特徴とする請求項1~5、10~12、16~19、21、22のうちいずれか1項に記載の接点装置。【請求項24】 請求項1~5、10~12、16~19、21~23のうちいずれか1項に記載の接点装置と、
前記可動接触子を移動させる電磁石装置と、を備えることを特徴とする電磁継電器。
【請求項25】
請求項1~5、10~12、16~19、21~23のうちいずれか1項に記載の接点装置、または、請求項24に記載の電磁継電器を有する内器と、
前記内器を保持するハウジングと、を備えることを特徴とする電気機器。
【請求項26】
前記第1導電部材が前記ハウジングに保持されることを特徴とする請求項25に記載の電気機器。」
第4 取消理由の概要
1 各甲号証等
異議申立人の提出した甲第1号証~甲第9号証を、それぞれ「甲1」~「甲9」という。また、異議申立人が提出した参考資料1~5を、それぞれ「参考1」~「参考5」という。
甲1:特願2017-2493号の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面
甲2:特開2015-28934号公報
甲3:国際公開第2015/049880号
甲4:特開2016-12504号公報
甲5:特開2013-41815号公報
甲6:PCT/JP2017/007517(国際公開第2017/183305号)
甲7:特開2013-25906号公報
甲8:特開2009-199893号公報
甲9:特願2016-86448号の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面
参考1:特開2010-10059号公報
参考2:特開平10-162676号公報
参考3:特開2001-237558号公報
参考4:「高容量遮断リレー EPリレー」パナソニック株式会社、全8ページ、公開日不明、各ページとも右下に「ASCTB3J 201302-D」との記号の記載あり
参考5:国際公開第2013/051264号
2 取消理由
当審が令和5年5月26日付け及び令和5年12月25日付けで特許権者に通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(1)甲2を主引例とする新規性(請求項1~3、20~25)
請求項1~3、20~25に係る発明は、甲2に記載された発明であるから、請求項1~3、20~25に係る特許は、特許法第29条第1項第3号に該当する発明に対してされたものである。
(2)甲2を主引例とする進歩性(請求項23~25)
2つの部材を固定する際に、機械的に接続する構造を採用することは周知の技術手段であり、甲2に記載された発明のアーク誘導柱113aの下方の端と接点台部112aを固定する際に、機械的に接続する構造を採用することは、当業者が容易になし得たことと認められる。
したがって、請求項23~25に係る発明は、甲2に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項23~25に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(3)甲6を主引例とする拡大先願(請求項1、2、23~25)
請求項1、2、23~25に係る発明は、その優先日前の日本語特許出願であって、その出願後に国際公開がされた甲6の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面に記載された発明と同一であり、しかも、この出願の発明者がその優先日前の日本語特許出願に係る上記の発明をした者と同一ではなく、またこの出願の時において、その出願人が上記日本語特許出願の出願人と同一でもないので、請求項1、2、23~25に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してされたものである(同法184条の13参照)。
(4)甲6を主引例とする進歩性、優先権の効果(請求項8、9、11~19、21~26)
優先権主張の基礎となる先の出願の願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「優先権書類」という。)には、「第1電路部」及び「第2電路部」に相当する構成の開示はない。
請求項8に係る発明及び請求項8の記載を直接又は間接的に引用する請求項9~19に係る発明並びに請求項8~19の記載を直接又は間接的に引用する請求項21~26に係る発明は、優先権書類に記載されているとはいえないから、優先権主張の効果を享受できない。
上記を踏まえると、請求項8、9、11~19、21~26に係る発明は、甲6に記載された発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項8、9、11~19、21~26に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
(5)サポート要件
ア 請求項1~20、23~26について
請求項1~20に係る発明、及び、請求項21又は請求項22の記載を引用しない請求項23~26に係る発明は、「第1対面部」、「第2対面部」、「第1固定端子」及び「第2固定端子」における電流の向きについての特定がないから、発明の詳細な説明に記載された発明ではない。
そうであれば、請求項1~20に係る特許、及び、請求項21又は請求項22の記載を引用しない請求項23~26に係る特許は、発明が解決しようとする課題が解決できないものであるから、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものである。
イ 請求項6~26について
第1実施例の第2変型例(【図8】(B)等参照)、第1実施例の第3変型例(【図8】(B)等参照)、第2実施形態の第1変型例(【図20】~【図26】参照。)、第2実施形態の第2変型例(【図27】等参照。)、第2実施形態の第5変型例(【図30】等参照。)、第2実施形態の第9変型例(【図34】等参照。)、第2実施形態の第13変型例(【図40】等参照。)、第2実施形態の第16変型例(【図43】等参照。)のものは、請求項6又は7に特定されている「前記第1導電部は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向および前記第1固定接点から前記第1可動接点へと向かう方向のそれぞれに交差する方向に延在」する構成又は「前記第2導電部は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向および前記第1固定接点から前記第1可動接点へと向かう方向のそれぞれに交差する方向に延在」する構成を有するものの、請求項1に特定されている「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置」する「第1対面部」の構成又は請求項2に特定されている「前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置」する「第2対面部」の構成を有しない。
そして、上に列記した各実施例の変形例の他に、請求項6又は7に記載された構成を備えた発明は、発明の詳細な説明に記載されていない。
そうであれば、請求項6及び7に係る特許並びに請求項6又は請求項7の記載を引用する請求項8~26に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものである。
ウ 請求項13~19及び21~26について
請求項13には、発明の詳細な説明に記載された解決手段が反映されていないため、発明の詳細な説明に記載した範囲を超えており、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。
したがって、請求項13に係る特許並びに請求項13の記載を直接又は間接的に引用する請求項14~19及び21~26に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものである。
(6)明確性
ア 請求項1~4及び21~26について
請求項1に「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定接点を保持する仕切り部材」との記載があるが、この記載では、仕切り部材が「第1固定接点を保持する」ことと、「前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように」することとの因果関係が不明である。
したがって、請求項1に係る発明、及び、請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2~4、21~26に係る発明は明確でないから、請求項1~4及び21~26に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
イ 請求項4について
請求項4に「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、」との記載があるが、この記載では、仕切り部材が何を保持するのか不明である。
また、請求項4に「前記第1導電部は、」との記載があるが、この記載より前に「第1導電部材」は記載されているものの、「第1導電部」は記載されていないので、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項4に係る発明は明確でないから、請求項4に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
ウ 請求項5について
請求項5に「前記第2導電部材の前記第2固定部」との記載があるが、請求項2の記載を引用しない請求項5においては、この記載より前に「第2導電部材」及び「第2固定部」は記載されていないから、この「前記第2導電部材の前記第2固定部」との記載の意味が不明確である。
また、請求項5に「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、」との記載があるが、この記載では、仕切り部材が何を保持するのか不明である。
そしてまた、請求項5に「前記第1導電部は、」及び「前記第2導電部は、」との記載があるが、この記載より前に「第1導電部」及び「第2導電部」は記載されていないので、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項5に係る発明は明確でないから、請求項5に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
エ 請求項6について
請求項6に「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、」との記載があるが、この記載では、仕切り部材が何を保持するのか不明である。
また、請求項6に「前記第1導電部は、」及び「前記第2導電部は、」との記載があるが、この記載より前に「第1導電部」及び「第2導電部」は記載されていないので、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
そしてまた、請求項6に「前記第1可動接点」との記載があるが、請求項3の記載を引用しない請求項4~6においては、この記載より前に「第1可動接点」は記載されていないから、この記載によって、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項7に係る発明は明確でないから、請求項7に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
オ 請求項7について
請求項7に「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように保持する仕切り部材をさらに備え、」との記載があるが、この記載では、仕切り部材が何を保持するのか不明である。
また、請求項7に「前記第1導電部は、」及び「前記第2導電部は、」との記載があるが、この記載より前に「第1導電部」及び「第2導電部」は記載されていないので、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
そしてまた、請求項7に「前記第1可動接点」との記載があるが、請求項3の記載を引用しない請求項4、5及び7においては、この記載より前に「第1可動接点」は記載されていないから、この記載によって、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項7に係る発明は明確でないから、請求項7に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
カ 請求項8について
請求項8に「前記第1電流路」との記載があるが、この記載より前に「第1電流路」は記載されていないので、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項8に係る発明は明確でないから、請求項8に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
キ 請求項10について
請求項10に「前記対面部」との記載があるが、この記載により「第1対面部」及び「第2対面部」の、いずれを特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項10に係る発明は明確でないから、請求項10に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
ク 請求項22について
請求項22に記載された「第2の可動端子」と「前記第2可動端子」の関係が不明確である。
また、請求項22には「前記第2導電部材は、・・・、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、」との記載があるが、この記載では、その方向を規定するために必要な起点の位置が不明であり、この記載により、どのような事項を特定すべきなのか不明である。
したがって、請求項22に係る発明は明確でないから、請求項22に係る特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものである。
第5 当審の判断
1 各甲号証の記載等
(1)甲2の記載事項等について
ア「【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明に係る電磁開閉器の外観を示す斜視図、図2は図1の外装ケースを除いた接点装置および電磁石ユニットの斜視図、図3は図1のA-A線上における接点装置の断面図である。図4は図1のB-B線上における接点装置の断面図である。
図中、10は電磁接触器であり、この電磁接触器10は図2に示すように接点機構を内装した接点装置100と、この接点装置100を駆動する電磁石ユニット200とが一体化された電磁接触器本体300と、この電磁接触器本体300を覆う外装ケース400とで構成されている。
外装ケース400は、図1に示すように、2分割された下部ケース400aと上部ケース400bとで構成されている。
【0009】
電磁接触器本体300を構成する接点装置100の具体的構成は、図3および図4に示すように、下端面を開放した接点収納ケース101を有する。この接点収納ケース101は、下端面を開放した例えばセラミックス製の桶状筒体で構成されている。
接点収納ケース101内には接点機構105が収納されている。この接点機構105は、左右一対の固定接触子106aおよび106bと、これら固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bに接離可能に配置された可動接触子120とを備えている。
【0010】
左右一対の固定接触子106aおよび106bのそれぞれは、所定間隔を保って左右対象に配置された断面C字状に形成されたC字状接点部107aおよび107bと、これらC字状接点部107aおよび107bの上端に接合された外部接続端子108aおよび108bとで構成されている。
C字状接点部107aおよび107bのそれぞれは、外部接続端子108aおよび108bに接続される上板部110aおよび110bと、これら上板部110aおよび110bに対して外側端部連結される連結板部111aおよび111bを介して連結され、上板部110aおよび110bと平行に内方に延長する接点台部112aおよび112bとで構成されている。
【0011】
ここで、連結板部111aおよび111bの上下方向の長さは後述するように開極時に発生するアークを消弧するために必要なアーク長さを確保する長さに設定されている。
接点台部112aおよび112bには、接点材料で構成された円柱状のアーク誘導柱113aおよび113bが固定されている。このアーク誘導柱113aおよび113bの先端には、可動接触子120に形成された第1の接点部120aおよび120bに所定のギャップを保って対向する第2の接点部114aおよび114bが形成されている。ここで、アーク誘導柱113aおよび113bと第2の接点部114aおよび114bは同一接点材料で構成することが好ましい。」
イ「【0016】
次に、上記実施形態の動作を説明する。
今、固定接触子106aが例えば大電流を供給する電力供給源に接続され、固定接触子106bが負荷に接続されているものとする。
この状態で、電磁石ユニット200における励磁コイル208が非励磁状態にあって、電磁石ユニット200で可動プランジャ(図示せず)を下降させる励磁力を発生していない釈放状態にあるものとする。この釈放状態では、可動プランジャ(図示せず)が復帰スプリング(図示せず)によって、上部磁気ヨーク210から離れる上方向に付勢される。
このため、可動プランジャ(図示せず)に連結軸211を介して連結されている接点機構105の可動接触子120の接点部120aが固定接触子106aおよび106bの接点部114aおよび114bから上方に所定距離だけ離間している。このため、固定接触子106aおよび106b間の電流路が遮断状態にあり、接点機構105が開極状態となっている。」
ウ「【0021】
そして、固定接触子106aおよび106bの半球状の接点部114aおよび114bと可動接触子120の平坦な接点部120aとの間に図4に示すようにアーク130が発生すると、発生したアーク130は図3に示す接点収納ケース101の外表面側における可動接触子120の長手方向の中央部に配置されたアーク消弧用永久磁石131aおよび131bの磁束と、固定接触子106aおよび106bおよび可動接触子120に流れる電流とによって、生じるローレンツ力によって図4に示す可動接触子120の長手方向と直交する方向に形成されたアーク消弧室135aおよび135bに引き伸ばされる。ここで、アーク消弧用永久磁石131aおよび131bは、接点収納ケース101側がN極に、その反対側となる外側がS極に着磁されている。
【0022】
このとき、固定接触子106aおよび106bでは、接点部114aおよび114bがアーク誘導柱113aおよび113b上に載置されているので、図4で一点鎖線図示のようにアーク130の根元が瞬時にアーク誘導柱113aおよび113bを伝って接点台部112aおよび112bに移動して移動距離を急速に拡大することができる。これに伴って、アークジェットによる金属蒸気が接点ギャップ上に停滞することを確実に防止することができる。したがって、伸長したアーク130が接点ギャップに戻らずにアーク伸長を継続し、アーク遮断へ移行することができ、アークを確実に遮断することができる。」
エ「【図1】
[図:0001416435000001.jpg]
」
オ「【図2】
[図:0001416435000002.jpg]
」
カ「【図3】
[図:0001416435000003.jpg]
」
キ「【図4】
[図:0001416435000004.jpg]
」
ク 甲2の【図3】からは、連結板部111a及び111bが上下方向に延びる構造と、第1の接点部120aが第2の接点部114aの上方に配置される構造と、第1の接点部120bが第2の接点部114bの上方に配置される構造と、水平方向において、連結板部111aがアーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面し、連結板部111bがアーク誘導柱113b及び可動接触子120に対面する構造と、水平方向における、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b、連結板部111bの順番での配置と、連結板部111aが、接点台部112aよりも上側に位置する配置と、アーク誘導柱113aとアーク誘導柱113bの離間する方向と同じ方向に連結板部111a及び連結板部111bが延びている構造とが見て取れる。
ケ 甲2の【図3】に記載された構造から、可動接触子120は、第2の接点部114aと第2の接点部114bに接触する位置と、接触しない位置との間で移動し、当該接触した状態では、固定接触子106aから固定接触子106bに電流が流れ、連結板部111aには下向きの電流が流れ、アーク誘導柱113aには上向きの電流が流れ、アーク誘導柱113bには下向きの電流が流れ、連結板部111bには上向きの電流が流れることが理解できる。
(2)甲2発明
上記(1)の記載事項、図示内容及び認定事項から、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。
[甲2発明]
「上方の先端に第2の接点部114aを有するアーク誘導柱113aと、
上方の先端に第2の接点部114bを有するアーク誘導柱113bと、
第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触または離間する可動接触子120と、
アーク誘導柱113aの下方の端と固定される接点台部112aを有するC字状接点部107aと、
アーク誘導柱113bの下方の端と固定される接点台部112bを有するC字状接点部107bと、
を備え、
可動接触子120は、第2の接点部114aと接触する第1の接点部120a及び第2の接点部114bと接触する第1の接点部120bを有しC字状接点部107aは、接点台部112aに連接し、アーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面する連結板部111aを有しC字状接点部107bは、接点台部112bに連接し、アーク誘導柱113b及び可動接触子120に対面する連結板部111bを有し、
可動接触子120、アーク誘導柱113a及びアーク誘導柱113bを収容する接点収納ケース101を有し、
接点収納ケース101の外表面側における可動接触子120の長手方向の中央部にアーク消弧用永久磁石131a及び131bを配置し、
水平方向において、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b、連結板部111bの順番で配置され、
アーク誘導柱113aとアーク誘導柱113bの離間する方向と同じ方向に連結板部111a及び連結板部111bが延びており、
可動接触子120は第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触する位置と、接触しない位置との間で移動し、
可動接触子120が第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触しているとき、連結板部111aには上向きの電流が流れ、アーク誘導柱113aには下向きの電流が流れ、アーク誘導柱113bには下向きの電流が流れ、連結板部111bには上向きの電流が流れる、接点装置100。」
(3)甲3の記載事項
ア「[0015] ケース5は、略矩形状のケース基部7と、このケース基部7を覆うように配置される駆動ブロック2および接点ブロック3などの搭載部品を収容するケースカバー9と、を備えている。
[0016] ケース基部7には、一対のコイル端子20がそれぞれ装着される一対のスリット71、71が図4における下部側に設けられている。また、ケース基部7の図4における上部側には、一対の端子部80,80が装着される一対の切り欠き72、72がそれぞれ設けられている。さらに、ケース基部7の後側(図4(a)の右側:ケース基部のケースカバーとは反対側の面)には、後方に突出して一対の端子部80,80を隔離する壁部73が設けられている。一方、ケースカバー9は、ケース基部7側が開放された中空箱型に形成されている。」
イ「[0031] 接点ブロック3は、耐熱性材料により下面が開口する箱状に形成されたベース41を備えている。そして、ベース41の天壁部には、2箇所の挿通孔41aが設けられており、挿通孔41aには一対の固定端子35が下フランジ32を挟んで挿通されている。固定端子35は銅系材料等の導電性材料によって円筒形に形成されている。固定端子35の下端面には、固定接点35aが形成されており、上端部には円周方向に突出したフランジ部35bが形成され、フランジ部35bの中心には凸部35cが設けられている。そして、下フランジ32の上面と固定端子35のフランジ部35bは銀ろう34により密閉接合されており、下フランジ32の下面とベース41の上面の間も銀ろう36により密閉接合されている。
[0032] また、固定端子35には、外部負荷等の相手側部材(バスバー、ハーネス、丸端子等)90に接続される一対の端子部80,80が取り付けられている。この端子部80,80は、導電性を有する金属材料を用いて形成されており、端子部80,80の前端には、固定端子35の凸部35cが挿通される挿通穴82a,82aが形成されており、この挿通穴82a,82aを挿通した凸部35cがスピンカシメ加工されることで端子部80,80が固定端子35に固定されている。
[0033] また、ベース41内には、一対の固定接点35a間に跨る形で可動接触子29が配置されており、可動接触子29の上面において固定接点35aに対向する部位に、それぞれ可動接点29bが設けられている。そして、可動接触子29の中央部には、可動接触子29を可動鉄芯17に連結するシャフト25の一端部が挿通される挿通孔29aが貫設されている。
シャフト25は、非磁性材料によって形成されており、可動鉄芯17の移動方向(上下方向)に長い丸棒状のシャフト本体部25bと、可動接触子29から上方に突出した部分に円周方向に突出するように形成されたフランジ部25aとを有している。」
ウ「[0036] ここで、可動鉄芯17が初期位置にあるときは可動接点29bと固定接点35aとが互いに離間し、可動鉄芯17が当接位置にあるときは可動接点29bと固定接点35aとが接触するように、可動鉄芯17と可動接触子29との位置関係を設定している。すなわち、コイル13を通電していない期間には接点装置3がオフとなることで両固定端子35間が絶縁され、コイル13を通電している期間には接点ブロック3がオンとなることで両固定端子35間が導通することになるようにしている。なお、可動接点29bと固定接点35aとの間の接触圧は接圧ばね33によって確保されるようにしている。」
エ「[0060] ここで、本実施形態では、接点装置1(固定接点35)に接続される端子部80に、相手側部材(バスバー、ハーネス、丸端子等)90をより容易に締結(接続)させることができるようにした。
[0061] 具体的には、図1に示すように、接点装置1(固定接点35)に接続される端子部80,80が、ケース(筐体)5から露出するネジ部81a,81aをそれぞれ有するようにした。このように、端子部80にケース(筐体)5から露出するネジ部81aを設けることで、ネジ部81aにナット91を螺合させるだけで相手側部材(バスバー、ハーネス、丸端子等)90を端子部80に締結(接続)できるようにした。
[0062] さらに、本実施形態では、それぞれの端子部80,80を複数の部材で構成した。
[0063] 具体的には、図5~図8に示すように、ネジ部81aが形成された外側端子部(第1端子部)81と、外側端子部81に接続される内側端子部(第2端子部)82と、で端子部80を構成した。」
オ「[0066] このように、内側端子部82は、接続板82bと連結部82eと支持板82cとを備えており、側面視で略L字状に形成されている。本実施形態では、接続板82b、連結部82eおよび支持板82cは、一枚の板を折曲することにより連続一体に形成されている。」
カ「[図2]
[図:0001416435000005.jpg]
」
キ「[図3]
[図:0001416435000006.jpg]
」
ク「[図4]
[図:0001416435000007.jpg]
」
ケ「[図5]
[図:0001416435000008.jpg]
」
コ「[図6]
[図:0001416435000009.jpg]
」
サ [図3]及び[図6]から、端子部80の支持部82cは、凸部35cと電気的に接続し、固定端子35と対面することが見て取れる。
(4)甲3発明
上記(3)の記載事項、図示内容及び認定事項から、甲3には、次の発明(以下、「甲3発明」という。)が記載されていると認められる。
[甲3発明]
「一端に一対の固定接点35aを有する一対の固定端子35と、
一対の固定接点35aと接触又は離間する可動接触子29と
一対の固定端子35の凸部35cが固定される挿通穴82aを有する一対の端子部80と、
固定接点35aと凸部35cの間に位置し、固定接点35aが可動接触子29に対向するように一対の固定端子35を下フランジ32を介して密閉接合するベース41と、
を備え、
一対の端子部80は、各々、凸部35cと電気的に接続し、固定端子35と対面する支持部82cを有する、接点装置1。」
(5)甲4の記載事項
ア「【0019】
接点機構2を構成する可動接触子15は、銅、アルミニウムなどを材料とした図1の左右方向に長尺な導電板であり、長手方向の中央部に連結軸23が連結されており、長手方向の両端側の下面に、第1可動接点15a及び第2可動接点15bが形成されている。
接点機構2を構成する第1固定接触子13及び第2固定接触子14は、図1から図3に示すように、銅、アルミニウムなどからなる側面視C字形状の導電板であり、可動接触子15の長手方向の両端側に離間し、前述した絶縁基板6に導体部11,12を介して固定されている。
【0020】
第1固定接触子13は、可動接触子15の第1可動接点15a側に、長手方向に対して直交する方向に配置されており、可動接触子15の第1可動接点15aに下側から対向し、第1固定接点13aを上面に設けた第1導電板部13bと、可動接触子15から離れた第1導電板部13bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部13cと、第2導電板部13cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部13dと、を備えている。
【0021】
また、第2固定接触子14は、可動接触子15の第2可動接点15b側に長手方向に対して直交し、第1固定接触子13に平行に配置されており、可動接触子15の第2可動接点15bに下側から対向し、第2固定接点14aを上面に設けた第1導電板部14bと、可動接触子15から離れた第1導電板部14bの端部から折り曲げられて上方に延在している第2導電板部14cと、第2導電板部14cの上端から折り曲げられて可動接触子15の上方に延在している第3導電板部14dと、を備えている。」
イ「【図3】
[図:0001416435000010.jpg]
」
(6)甲5の記載事項
ア「【0174】
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態について説明する。図25(a)は本発明の第13実施形態に係る継電器における可動子23および固定子13を示す平面図、図25(b)は図25(a)の可動子23および固定子13の正面図、図25(c)は図25(a)のM-M線に沿う断面図である。以下、第12実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0175】
図25に示すように、第2固定子13bは、固定接点取付板部132の一端から2つに分岐されており、固定子平行板部139および固定子連結板部140を2つ備えている。
【0176】
2つの固定子平行板部139は、可動子23を挟み込むように配置され、可動子23に近接して可動子23と平行に(すなわち、可動接点並び方向に)延びている。
【0177】
本実施形態においては、近接部位iの反発力である板部間反発力iが、接点接触部よりも基準方向Zの一方側に発生するとともに、接点接触部よりも基準方向Zの他方側に発生するため、可動子23の姿勢が安定する。
【0178】
また、本実施形態によると、第2固定子13bを流れる電流は、各固定子平行板部139および各固定子連結板部140に2分されるため、各固定子平行板部139および各固定子連結板部140の断面積を小さくすることができ、第2固定子13bを製造する際の曲げ加工が容易になる。
【0179】
(第14実施形態)
本発明の第14実施形態について説明する。図26(a)は本発明の第14実施形態に係る継電器における可動子23および固定子13を示す平面図、図26(b)は図26(a)の可動子23および固定子13の正面図、図26(c)は図26(a)のN-N線に沿う断面図である。以下、第12実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0180】
図26に示すように、第1固定子13aも第2固定子13bと同様の形状になっている。すなわち、第1固定子13aは、可動子23に近接して可動子23と平行に(すなわち、可動接点並び方向に)延びる固定子平行板部139を備え、固定子平行板部139と固定接点取付板部132との間は固定子連結板部140にて連結されている。
【0181】
第1固定子13aの固定子平行板部139と可動子23は、基準方向Zにずれていて、可動子移動方向に沿って見たときに重ならない位置関係になっている。また、第1固定子13aの固定子平行板部139と可動子23は、可動子移動方向にずれており、より詳細には、固定子平行板部139は、図26(c)のように可動接点並び方向に沿って見たときに、可動子23よりも反固定接点取付板部側に位置している。
【0182】
可動子23の全域と第1固定子13aの固定子平行板部139の一部が近接しており、図26には、この近接部位iを便宜的に綾目模様で示している。
【0183】
そして、近接部位iでは、可動子23を流れる電流の向きと第1固定子13aの固定子平行板部139を流れる電流の向きが逆になるように、第1固定子13aの形状が設定されている。具体的には、図26(b)に示すように、固定接点取付板部132と固定子連結板部140との境界部で90°曲げられ、また固定子平行板部139と固定子連結板部140との境界部で90°曲げられ、これにより第1固定子13aを流れる電流の向きが変えられて、固定子平行板部139を流れる電流の向きが可動子23を流れる電流の向きと逆になっている。
【0184】
本実施形態では、近接部位iでは可動子23を流れる電流の向きと固定子平行板部139を流れる電流の向きが逆であるため、近接部位iでは可動子23を固定子平行板部139から遠ざける向きの力が発生する。換言すると、近接部位iでは可動子23と固定子平行板部139との間にローレンツ力である反発力が発生する。この近接部位iの反発力を、以下、板部間反発力iという。
【0185】
そして、この板部間反発力iの分力により可動接点25と固定接点14とを当接させる向きに可動子23が付勢されるため、接点部電磁反発力による可動接点25と固定接点14間の開離が発生し難くなる。
【0186】
本実施形態では、第12実施形態と比較して各固定子平行板部139を流れる電流が2倍になるため、合計の板部間反発力iも2倍になり、接点部電磁反発力による可動接点25と固定接点14間の開離が一層発生し難くなる。」
イ「【図25】
[図:0001416435000011.jpg]
」
ウ「【図26】
[図:0001416435000012.jpg]
」
(7)甲6の記載事項等
ア「[0009] 本発明の実施形態に係る接点開閉装置を電磁継電器に適用した場合を、図1~図44の添付図面に従って説明する。
[0010] 第1実施形態に係る電磁継電器は、図1~図14に図示するように、ケース10に外カバー20を組み付けて形成したハウジング内に、接点機構ユニット30と、電磁石ユニット60とを組み込んである。そして、前記ハウジングから一対のコイル端子64,64と、一対の引き出し端子70,75と、が突出している。接点機構ユニット30は、一方側の端部に固定接点33aを有し、かつ、並設した一対の固定接点端子33,33と、固定接点33aに接離可能に対向する一対の可動接点49aを両端部に備え、一対の固定接点端子33,33に架け渡すように配置され、固定接点端子33,33に向けて往復移動可能に支持された可動接触子49と、一方側の端部に設けた固定部71,76を、固定接点端子33の他方側の端部にそれぞれ固定した一対の引き出し端子70,75とを少なくとも備える接点開閉装置で構成している。
[0011] 具体的には、前記接点機構ユニット30は、金属製筒状フランジ31、セラミックプレート32、板状第1ヨーク41及び有底筒体46で構成される密封空間内に組み込まれている。そして、前記電磁石ユニット60は、前記接点機構ユニット30を密封空間外から駆動する。このため、後述するように、可動接触子49を、電磁石ユニット60の励磁及び消磁に基づき、固定接点端子33に向けて往復移動するように支持している。」
イ「[0016] 前記セラミックプレート32は、前記金属製筒状フランジ31の上方開口縁部にロウ付け可能な平面形状を有する。また、前記セラミックプレート32は、端子孔32a,32a及びガス抜き孔32bを設けてある。そして、前記セラミックプレート32は、前記端子孔32aの開口縁部、及び、前記ガス抜き孔32bの開口縁部に、図示しない金属層をそれぞれ形成してある。さらに、前記セラミックプレート32は、図10に示すように、その端子孔32aに固定接点端子33をロウ付けしてある。前記固定接点端子33は、その下端部に固定接点33aを設けてある。さらに、前記セラミックプレート32は、図11に示すように、そのガス抜き孔32bにガス抜きパイプ34をロウ付けしてある。
[0017] 前記ホルダー35は、箱形状を有する耐熱性の絶縁材で形成され、前記金属製筒状フランジ31内に収納されている(図10)。そして、前記ホルダー35は、その対向する両側外側面に、永久磁石36を保持できるポケット部35aをそれぞれ形成してある。また、前記ホルダー35は、その底面中央に平面正方形の中央凹所35b(図10)を一段低く設けてある。前記中央凹所35bは、その中心から筒状絶縁部35c(図10)を下方側に突設してある。前記筒状絶縁部35cは、アークが発生した場合に、金属製筒状フランジ31,板状第1ヨーク41及び筒状固定鉄芯42の経路で高電圧になっても、筒状固定鉄芯42と可動軸43とを絶縁することにより、両者の溶着一体化を防止する。また、前記ホルダー35は、前記中央凹所35bと前記ポケット部35aとの間に、後述するアーク消去片38を配置できる凹所35d(図10)を設けてある。そして、前記ホルダー35は、図10に示すように、後述する板状第1ヨーク41にスペーサ39及び1組の緩衝材40を介して載置される。」
ウ「[0029] 内カバー53は、前記セラミックプレート32をロウ付けした金属製筒状フランジ31を被覆できる立体形状を有する弾性体である。前記内カバー53は、例えば、衝突音を吸収しやすいゴム材を使用してもよい。そして、前記内カバー53は、その天井面に設けた一対の端子孔53a,53aの間に、貫通孔53bを設けてある。」
エ「[0031] 前記引き出し端子70,75は、図5に示すように、板状導電材を屈曲して形成されている。そして、前記引き出し端子70,75は、前記固定接点端子33に6角ナット71aを介して固定される固定部71,76と、前記固定部71,76に連続する延在部72,77と、前記延在部72,77の先端に設けた端子部73,78と、をそれぞれ備えている。
そして、前記固定部71,76を固定接点端子33,33にそれぞれ固定すると、図12,13に示すように、延在部72,77が可動接触子49に沿うようにX1-X2方向に配置され、一対の引き出し端子70,75を介して固定接点端子33,33及び可動接触子49に通電可能とする。前記延在部72,77のX1-X2方向に沿う軸心は、図13に示すように、前記固定接点33aと前記可動接点49aとの接合面よりも、固定接点端子側に、例えば固定接点端子33側(Z1方向)の高い位置に配置される。そして、延在部72,77に流れる電流の方向と、可動接触子49に流れる電流の方向とは同一方向である。」
オ「[0034] 前記固定接点33aに前記可動接点49aが接触し、大電流が流れたときに、前記固定接点33aと前記可動接点49aとの間に電磁反発力が生じる。
しかし、図13,図14に示すように、延在部72,77の軸心が固定接点33aと可動接点49aとの接合面よりもZ1方向に高い位置にある。さらに、可動接触子49に流れる電流の方向と、延在部72,77に流れる電流の方向とは同一方向である。このため、延在部72,77に大電流が流れて生じる磁力は、固定接点端子33に可動接触子49を引き寄せるように作用する。この結果、大電流が流れた場合に生じる前述の電磁反発力が低減し、接触信頼性が向上するとともに、アークの発生を防止できる。
[0035] さらに、本実施形態では、接点閉成時に可動ヨーク48と固定ヨーク51とは、所定のエアーギャップを保持しつつ、磁気回路を構成する。このため、前記可動ヨーク48と前記固定ヨーク51とに磁力線が流れ、磁気回路が形成される。この結果、前記可動接触子49に大電流が流れ、固定接点33aと可動接点49aとの間に電磁反発力が生じても、前記固定ヨーク51と前記可動ヨーク48とで形成される磁気回路により、固定ヨーク51に可動ヨーク48が吸引され、前記電磁反発力を抑制する。
したがって、本実施形態によれば、接点圧の減少や接点開離を防止することにより、接触信頼性が向上するとともに、アークの発生や接点溶着を防止できるという利点がある。
[0036] そして、前記コイル61への電圧の印加を停止して励磁を解くと、接点バネ47及び復帰バネ44のバネ力により、可動鉄芯45が筒状固定鉄芯42から離れる。このため、可動軸43が下方(Z2方向)側にスライド移動し、可動接点49aが固定接点33aから開離した後、可動軸43の環状鍔部43aがホルダー35の中央凹所35bに係合し、元の状態に復帰する(図10,11)。」
カ「[図1]~[図5]
[図:0001416435000013.jpg]
[図:0001416435000014.jpg]
[図:0001416435000015.jpg]
」
キ「[図10]
[図:0001416435000016.jpg]
」
ク「[図12]~[図14]
[図:0001416435000017.jpg]
」
ケ 甲6の[図5]から、一対の固定接点端子33の一方が引き出し端子70の固定部71に固定され、一対の固定接点端子33の他方が引き出し端子75の固定部76に固定される構成と、端子部73が一対の固定接点端子33の一方と対面し、端子部78が一対の固定接点端子33の他方と対面する構成と、水平方向において、端子部73、一対の固定接点端子33の一方、一対の固定接点端子33の他方、端子部78の順番で配置される構成とが見て取れる。
コ 甲6の[図10]から、セラミックプレート32が固定接点33aと引き出し端子70及び75との間に位置する構成と、固定接点端子33の固定接点33aが可動接触子49と対向する構成とが見て取れる。
サ [図13]には、
(ア)、延在部77の垂直に延びる部分は、一対の固定接点端子33の一方または前記可動接触子49から見て前記一対の固定接点端子33の他方から前記一対の固定接点端子33の一方に向かう方向に対して直角の方向に位置しており、延在部72の垂直に延びる部分は、一対の固定接点端子33の他方または前記可動接触子49から見て前記一対の固定接点端子33の一方から前記一対の固定接点端子33の他方に向かう方向に対して直角の方向に位置していること、
(イ)矢印の向きによって、引き出し端子70、75の延在部72、77の垂直に延びる部分における電流の向きは、引き出し端子70、75に固定される、一対の固定接点端子33の近い方における電流の向きと逆方向になること、
(ウ)引き出し端子70、75の延在部72、77の水平に延びる部分における電流の向きは、当該水平に延びる部分が可動接触子49より上側にあるときは可動接触子49の電流の向きと同じ方向であること、
(エ)引き出し端子70、75の延在部72、77の水平に延びる部分は、固定接点端子33から外側に離れる方向に延びていることが、図示されている。
(8)甲6発明
上記(7)の記載事項、認定事項及び図示内容から、甲6には、次の発明(以下、「甲6発明」という。)が記載されていると認められる。
[甲6発明]
「下側の端部に一対の固定接点33aの一方を有する一対の固定接点端子33の一方と、
下側の端部に一対の固定接点33aの他方aを有する一対の固定接点端子33の他方と、
一対の固定接点端子33に接離する可動接触子49と、
一対の固定接点端子33の一方の、上側の端部と固定される固定部71を有する引き出し端子70と、
一対の固定接点端子33の他方の、上側の端部と固定される固定部76を有する引き出し端子75と、固定接点33aと引き出し端子70及び75との間に位置し、固定接点33aが可動接触子49と対向するように、一対の固定接点端子33をロウ付けしたセラミックプレート32と、可動接触子49及び一対の固定接点33aを収容する箱状の内カバー53と、
を備え、
引き出し端子70は、前記固定部71に連続する延在部72と、前記延在部72の先端に設けた端子部73であって、一対の固定接点端子33の一方と対面する端子部73を有し、
引き出し端子75は、前記固定部76に連続する延在部77と、前記延在部77の先端に設けた端子部78であって、一対の固定接点端子33の他方と対面する端子部78を有し、
前記引き出し端子75は、前記固定部76と電気的に接続し、前記一対の固定接点端子33の一方または前記可動接触子49から見て前記一対の固定接点端子33の他方から前記一対の固定接点端子33の一方に向かう方向に対して直角の方向に位置し、前記一対の固定接点端子33の一方または前記可動接触子49に対面する、延在部77の垂直に延びる部分を有し、
引き出し端子70、75は、延在部72、77の垂直に延びる部分及び固定部71、76を介して一対の固定接点端子33の一方及び他方と電気的に接続される、延在部72、77の水平に延びる部分をさらに有し、
引き出し端子70、75の延在部72、77の水平に延びる部分は、固定接点端子33から外側に離れる方向に延びており、可動接触子49は、一対の固定接点33aと接触する位置と、一対の固定接点33aから開離する位置との間で上下方向に往復移動し、
延在部77の垂直に延びる部分における電流の向きは、一対の固定接点端子33の一方における電流の向きと逆方向となり、
水平方向において、端子部73、一対の固定接点端子33の一方、一対の固定接点端子33の他方、端子部78の順番で配置される接点機構ユニット30。」
(9)甲7の記載事項
ア「【0046】
そして、第1板部133~第4板部136によって構成される励磁部は、特に図3(b)に明瞭に示されるように巻き線状に形成されているため、励磁部に電流が流れると励磁部の周りに磁界が発生する。
【0047】
この励磁部のうち可動子23よりも可動子開移動向きF側に位置している第2板部134を流れる電流の向きは、可動子23を流れる電流の向きと逆になっている。
【0048】
また、励磁部のうち可動子23よりも可動子閉移動向き側Gに位置している第4板部136を流れる電流の向きは、可動子23を流れる電流の向きと同じになっている。」
イ「【0051】
ここで、2つの負荷回路端子131間が導通しているとき、励磁部の周りに磁界が発生する。この励磁部が発生した磁界の磁束のうち可動子23を通過する際の可動子通過部磁束の向きH(図3(a)参照)は、可動子23を流れる電流の向きおよび可動子23の移動方向に対して直交し、より詳細には、可動子通過部磁束の向きHは、図3(a)の紙面下方から紙面上方への向きとなる。
【0052】
そして、この可動子通過部磁束と可動子23を流れる電流とによってローレンツ力が発生し、このローレンツ力により、可動接点25と固定接点14とを当接させる向きに可動子23が付勢される。可動子23がうけるローレンツ力は、接点部電磁反発力に対抗する力となるため、接点部電磁反発力による可動接点25と固定接点14間の開離が発生し難くなる。」
ウ「【図3】
[図:0001416435000018.jpg]
」
エ「【図4】
[図:0001416435000019.jpg]
」
オ「【図5】
[図:0001416435000020.jpg]
」
(10)甲8の記載事項
ア「【0022】
また電磁石ブロック1の上方には励磁巻線3の通電の入切に応じて接点を開閉する接点ブロック2が設けられている。接点ブロック2は、耐熱性材料により下面が開口する箱状に形成されたベース18を有する。ベース18の底部には2箇所の挿通孔18aが設けられており、挿通孔18aには一対の固定端子台19が下フランジ20を挟んで挿通される。固定端子台19は銅系材料等の導電性材料から円筒形に形成され、下端面には固定接点19aが固着され、上端部は円周方向に突出した鍔部19bが形成され、鍔部19bの中心には凸部19cが設けられている。下フランジ20の上面と固定端子台19の鍔部19は銀ろう21により密閉接合され、下フランジ20の下面とベース18の上面の間も銀ろう22により密閉接合される。」
イ「【図1】
[図:0001416435000021.jpg]
」
(11)参考1の記載等
ア「【0020】 前記封止容器51は、その天井面に一対の断面略T字形状の固定接点端子52,53をロウ付けしてあるとともに、下方開口縁部に接続用環状スカート部54をロウ付けしてある。また、前記固定接点端子52,53にはネジ52a,53aが設けられている。そして、前記環状スカート部54を前記第2ヨーク22の上面に位置決めし、レーザーで溶接一体化して前記密閉空間が形成される。」
イ「【0022】 可動接点ブロック60は、断面略T字形状の駆動軸61に、板状の第1電磁鉄片62、可動接触子63、断面略コ字形状の第2電磁鉄片64、接圧用コイルバネ65、断面略V字形状の接圧用板バネ66および座金67を順次、挿通し、前記駆動軸61の外周面に形成した環状溝部にEリング68を係合して組み付けてある。特に、接圧用コイルバネ65を介して第1電磁鉄片62、可動接触子63および第2電磁鉄片64が上方に付勢されている。この結果、可動接触子63の下面と接圧用板バネ66の両端部との間には微小な隙間が形成され、動作時にタイムラグが生じるように構成されている。」
ウ「【0028】 前記カバー70は、図2に示すように、その天井面の中央に設けた絶縁用深溝部71の両側に、端子孔72,73をそれぞれ設けてある。また、前記カバー70は、短辺側の両側側面から受け部74,75をそれぞれ側方に突設してある。さらに、前記受け部74,75の基部に、外部接続端子95,96をそれぞれ挿入できる挿入スリットを設けてある。そして、プレス加工で折り曲げた前記外部接続端子95,96は、その一端側に、接続用ナット97,98に螺合できるスタッドボルト95a,96aを植設してある。」
エ「【図7】
[図:0001416435000022.jpg]
」
オ 【図7】から、外部接続端子95の垂直に延びる部分を、固定接点端子52または可動接触子63から見て固定接点端子53から固定接点端子52に向かう方向に位置させ、外部接続端子96の垂直に延びる部分を、固定接点端子53または可動接触子63から見て固定接点端子52から固定接点端子53に向かう方向に位置させる構成が、見て取れる。
(12)参考2の記載等
ア「【0039】この封止接点装置は封止接点部AA、駆動部BB、ハウジングCCを備えて構成されている。
【0040】まず、封止接点部AAを説明する。図1において1は封止容器で、セラミックのような耐熱性材料により一面を開口して箱状に形成され、その底部の2箇所に貫通穴1aが設けられている。2は固定端子で、例えば銅合金(Cu-Fe系、Cu-Sn系、Cu-Cr系等)等の銅系材料等により、略多段有底円筒状に形成され、底側の一端部には固定接点2aが固着され、開口部側の他端部には鍔部2cが設けられている。なお、この固定接点2aは、固定端子2と一体的に設けられてもよい。この固定端子2は、その他端部が封止容器1から突出した状態で、鍔部2c付近が封止容器1にロウ付け等により気密接合される。また、この固定端子2は、その開口部側から内方へ向かってねじ溝2bが形成されている。
【0041】3は可動接触子で、例えば銅合金(Cu-Fe系、Cu-Sn系、Cu-Cr系等)等の銅系材料等により、平板状に形成され、固定接点2aとは接離する間隔を有して両端部に可動接点3aが固着されている。なお、この可動接点3aは、可動接触子3と一体的に設けられてもよい。」
イ「【0058】次に、ハウジングCCを説明する。このものは、封止接点部AAと駆動部BBとを共に収容するものである。このハウジングCCは、図5に示すように、固定端子2を挿通する挿通孔16が設けられ、その挿通孔16に挿通された固定端子2の鍔部2cが外方面17から突出している。そして、この突出した固定端子2は、電線接続用の端子板18に接続される。詳しくは、この端子板18は、例えば銅合金(Cu-Fe系、Cu-Sn系、Cu-Cr系等)等の銅系材料等により略板状に形成され、その一端部には固定端子2を固定するよう固定端子2のねじ溝2bにねじ込むねじを挿通する挿通孔18aが、他端部には電線接続用のねじ孔18bが、中央部には段部18cがそれぞれ設けられている。そして、このハウジングCCは、端子板18の段部18cと共に、嵌合手段40を構成する凹部19がその外方面17に設けられている。」
ウ「【図1】
[図:0001416435000023.jpg]
」
エ 【図1】から、左側の端子板18の段部18cの垂直な部分を、左側の固定端子2または可動接触子3から見て、左側(右側の固定端子2から左側の固定端子2に向かう方向)に位置させ、右側の端子板18の段部18cの垂直な部分を、右側の固定端子2または可動接触子3から見て、右側(左側の固定端子2から右側の固定端子2に向かう方向)に位置させる構成が、見て取れる。
(13)参考5の記載等
ア「[0020]一方、固定接触子2は、図3に拡大図示するように、可動接触子3の可動接点部3b,3cに下側から対向する一対の固定接点部2a,2bを支持して導電板部3aと平行に外側に向かう第1の導電板部2c,2dと、これら第1の導電板部2c,2dの導電板部3aより外側となる外側端部から導電板部3aの端部の外側を通って上方に延長する第2の導電板部2e,2fとで形成されたL字状導電板部2g,2hを備えている。そして、これらL字状導電板部2g,2hの上端に、図1に示すように、上部ケース1aの外側に延長して固定された外部接続端子2i,2jに連結されている。」
イ「[0028]しかも、この場合、固定接触子2にL字状導電板部2g,2hを形成するだけで良く、固定接触子2の加工を容易に行うことができるとともに、別途開極方向の電磁反発力に抗する電磁力又は機械力を発生する部材を必要としないので、部品点数が増加することはなく、全体の構成が大型化することを抑制することができる。
さらに、固定接触子2の外部接続端子2i及び2jに接続された外部接続導体20及び21の固定部22及び23が可動接触子3の導電板部3aを流れる電流の方向と直交する方向に延長している。このため、外部接続導体20の固定部22を流れる電流によって発生する磁界が可動接触子3の導電板部3aを流れる電流によって発生する磁界を弱める方向に作用することはなく、大きなローレンツ力を発生することができる。」
ウ「[図1]
[図:0001416435000024.jpg]
」
エ「[図3](a)
[図:0001416435000025.jpg]
」
オ [図3]から、第2の導電板部2eを、固定接点部2aまたは可動接触子3から見て固定接点部2bから固定接点部2aに向かう方向に位置させ、第2の導電板部2fを、固定接点部2bまたは可動接触子3から見て固定接点部2aから固定接点部2bに向かう方向に位置させる構成が、見て取れる。
(14)周知の技術手段について
上記(11)~(13)から、「第1対面部」を「第1固定端子または可動接触子から見て第2固定端子から第1固定端子に向かう方向に位置」させ、「第2対面部」を「第1固定端子または可動接触子から見て第1固定端子から第2固定端子に向かう方向に位置」させる構成とすることは、本件の出願前に周知の技術手段であると認められる。
2 取消理由通知に記載した取消理由について
(1)甲2を主引例とする新規性について(本件発明1~3、21~25)
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲2発明とを対比する。
後者の「上方の先端」は、前者の「一端」に相当し、
後者の「第2の接点部114a」は、前者の「第1固定接点」に相当し、
後者の「第2の接点部114b」は、前者の「第2固定接点」に相当するから、
後者の「上方の先端に第2の接点部114aを有するアーク誘導柱113a」は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」に相当し、 後者の「上方の先端に第2の接点部114bを有するアーク誘導柱113b」は、前者の「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当する。
後者の「第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触または離間する」ことは、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する」ことに相当するから、
後者の「第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触または離間する可動接触子120」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子」に相当する。
後者の「アーク誘導柱113aの下方の端と固定される」ことは、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される」ことに相当し、
後者の「接点台部112a」は前者の「第1固定部」に相当するので、
後者の「アーク誘導柱113aの下方の端と固定される接点台部112aを有するC字状接点部107a」は前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」に相当する。
後者の「接点台部112aに連接」することは、前者の「前記第1固定部と電気的に接続」することに相当し、
後者の「アーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面する」ことは、前者の「前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する」ことに相当する。
そして、後者の「連結板部111a」は前者の「第1対面部」に相当するから、後者の「水平方向において、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b」「の順番で配置され」る構成は、前者の「第1対面部」が「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置」する構成に相当する。
そうすると、後者の「C字状接点部107aは、接点台部112aに連接し、アーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面する連結板部111aを有し、」「水平方向において、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b」「の順番で配置され」る構成は前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成に相当する。
後者の「連結板部111aには上向きの電流が流れ、アーク誘導柱113aには下向きの電流が流れ」ることは、前者の「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」ことに相当する。
後者の「接点装置100」は、前者の「接点装置」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲2発明とは、次の一致点1で一致し、相違点1で相違する。
[一致点1]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる接点装置。」
[相違点1]
本件発明1は、「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」を備えるのに対し、甲2発明は、アーク誘導柱113a及び113bの位置に、このような仕切り部材が備わっていない点。
(イ)相違点1について
上記相違点1は実質的なものであるから、本件発明1は、甲2発明ではない。
イ 本件発明2、3、21~25について
本件発明2及び3は、本件発明1の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記ア(イ)と同様の理由により、甲2発明ではない。同様に、請求項1~3の記載を引用する請求項21~25に係る発明も、甲2発明ではない。
(2)甲2を主引例とする進歩性について(本件発明23~25)
下記3(1)カに記載したことと同様の理由で、本件発明23~25は、甲2発明並びに甲3~8に記載された事項又は周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(3)甲6を主引例とする拡大先願について(本件発明1、2、23~25)
ア 本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲6発明とを対比する。
後者の「下側の端部」は前者の「一端」に相当し、以下同様に、
「一対の固定接点33aの一方」は「第1固定接点」に、
「一対の固定接点端子33の一方」は「第1固定端子」に、
「一対の固定接点33aの他方」は「第2固定接点」に、
「一対の固定接点端子33の他方」は「第2固定端子」に、
「接離する」ことは「接触または離間する」に、
「可動接触子49」は「可動接触子」に、
「上側の端部」は「他端」に、
「固定される」ことは「固定される」ことに、
「固定部71」は「第1固定部」に、
「引き出し端子70」は「第1導電部材」に、
「セラミックプレート32」は「仕切り板」に、
「一対の固定接点端子33の一方と対面する」ことは「第1固定端子または可動接触子に対面する」ことに、
「端子部73」は「第1対面部」に、
「接点機構ユニット30」は「接点装置」に、それぞれ相当する。
後者の「セラミックプレート32」が「固定接点33aと引き出し端子70及び75との間に位置」する構成は、前者の「仕切り板」が「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置」する構成に相当し、
後者の「固定接点33aが可動接触子49と対向する」構成は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向する」構成に相当し、
後者の「一対の固定接点端子33をロウ付けした」構成は、前者の「前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する」構成に相当する。
そして、後者の「引き出し端子70」は、「前記固定部71に連続する延在部72と、前記延在部72の先端に設けた端子部78」を有する構成であるから、後者の「固定部71」と「端子部73」は電気的に接続しているといえるので、後者は、前者の「第1対面部」が「第1固定部と電気的に接続」する構成を備えるといえる。
また、後者は「水平方向において、端子部73、一対の固定接点端子33の一方、一対の固定接点端子33の他方」「の順番で配置される」構成であるから、後者の「端子部73」は、前者の「第1固定端子または可動接触子から見て第2固定端子から第1固定端子に向かう方向に位置」する「第1導電部材」の構成を備えるといえる。
そうすると、本件発明1と甲6発明とは次の一致点2で一致し、相違点2で相違する。
[一致点2]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有する接点装置。」
[相違点2]
本件発明1は、電磁反発力を生じさせる磁界を弱めるために「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成を有するのに対し、甲6発明では、電磁反発力を生じさせる磁界を弱めるために、「端子部73」と「固定接点端子33の一方」の電流の向きの関係を規定していない点。
(イ)相違点2の検討
上記相違点2について検討する。
甲6発明は、電磁反発力を低減させるという課題を解決するために、延在部72,77の軸心が固定接点33aと可動接点49aとの接合面よりもZ1方向に高い位置にあるものにおいて、可動接触子49に流れる電流の方向と、延在部72,77に流れる電流の方向とを同一方向にしたもの(上記1(7)オ参照)であり、端子部73の電流の向きを固定接点端子33の電流の向きとの関係で規定するものではないし、課題を解決するために端子部73と固定接点端子33の電流の向きに着目したものでもない。
そして、本件発明1は、第1対面部における電流の向きを、第1固定端子における電流の向きの逆方向とすることで、第1対面部の周囲に生じる磁界が、可動接触子に作用して電磁反発力を生じさせる磁界を弱め、接点間(第1固定接点と可動接触子との間)に作用する電磁反発力を低減し、接点の信頼性を向上させる(本件特許の明細書の段落【0135】~【0136】参照。)ものであるから、相違点2に係る本件発明1の構成は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえない。
したがって、本件発明1と甲6発明とは同一でない。
イ 本件発明2、23~25について
本件発明2は、本件発明1の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記アと同様の理由により、甲6発明と同一でない。同様に、請求項1又は2の記載を引用する請求項23~25に係る発明も、甲6発明と同一でない。
(4)甲6を主引例とする進歩性、優先権の効果について(本件発明11、12、16~19、21~26)
本件訂正により請求項10が独立請求項となり、請求項11、12、16~19(請求項13~15は削除されている)は、訂正後の請求項10の記載を引用しているので、まず、請求項10に係る発明について検討する。
ア 優先権について
請求項10を引用している本件発明11、12、16、21~26について検討するために、まず、本件発明10について検討すると、優先権主張の基礎となる先の出願の願書に最初に添付した優先権書類には、本件発明10における「第1電路部」及び「第2電路部」に相当する構成の開示はない。
そうすると、「第1電路部」及び「第2電路部」を含む本件発明10並びに請求項10の記載を直接又は間接的に引用する本件発明11~19、21~26は、優先権書類に記載されているとはいえないから、優先権主張の効果を享受できない。
イ 本件発明10について
(ア)本件発明10と甲6発明の対比
本件発明11~19、21~26について検討するために、まず、本件発明10と甲6発明とを対比する。
後者の「下側の端部」は前者の「一端」に相当し、後者の「一対の固定接点33aの一方」及び「一対の固定接点33aの他方」は、前者の「第1固定接点」及び「第2固定接点」に相当するから、
後者の「下側の端部に一対の固定接点33aの一方を有する一対の固定接点端子33の一方」は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」に相当し、
後者の「下側の端部に一対の固定接点33aの他方を有する一対の固定接点端子33の他方」は前者の「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当する。
後者の「一対の固定接点端子33に接離する」ことは、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する」ことに相当するから、
後者の「可動接触子49」は前者の「可動接触子」に相当する。
後者の「上側の端部と固定される固定部76」は、前者の「他端と固定される第1固定部」に相当するから、
後者の「一対の固定接点端子33の一方の、上側の端部と固定される固定部76を有する引き出し端子75」は、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」に相当する。
後者の「可動接触子49及び一対の固定接点33aを収容する」ことは、前者の「前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する」ことに相当するから、
後者の「箱状の内カバー53」は前者の「筐体」に相当する。
後者の「固定部76と電気的に接続」することは、前者の「前記第1固定部と電気的に接続」することに相当し、
後者の「前記一対の固定接点端子33の一方または可動接触子49に対面する」ことは、前者の「前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する」ことに相当するから、
後者の「延在部77の垂直に延びる部分」は、前者の「第1対面部」に相当し、
後者の「引き出し端子75は、固定部76と電気的に接続し」、「前記一対の固定接点端子33の一方または可動接触子49に対面する、延在部77の垂直に延びる部分を有」する構成は、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し」、「前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成に相当する。
後者の「前記一対の固定接点端子33の一方または前記可動接触子49から見て前記一対の固定接点端子33の他方から前記一対の固定接点端子33の一方に向かう方向に対して直角の方向に位置し」という事項と、前者の「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し」という事項は、「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て特定の方向に位置し」という点において共通する。
後者の「延在部77の垂直に延びる部分及び固定部76を介して一対の固定接点端子33の一方と電気的に接続される」構成は、前者の「前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される」構成に相当するから、
後者の「延在部77の水平に延びる部分」は、前者の「第1電路部」に相当し、
後者の「引き出し端子75は、延在部77の垂直に延びる部分及び固定部76を介して一対の固定接点端子33の一方と電気的に接続される、延在部77の水平に延びる部分をさらに有」する構成は、前者の「前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第1電路部をさらに有」する構成に相当する。
後者の「一対の固定接点端子33の一方から他方に向かう方向に沿って延び」ることは、前者の「前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び」ることに相当するから、
後者の「延在部77の水平に延びる部分は、一対の固定接点端子33の一方から他方に向かう方向に沿って延び」る構成は、前者の「前記第1電路部は、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び」る構成に相当する。
後者の「一対の固定接点33aと接触する位置」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置」に相当し、
後者の「一対の固定接点33aから開離する位置」は前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置」に相当するから、
後者の「可動接触子49は、一対の固定接点33aと接触する位置と、一対の固定接点33aから開離する位置との間で上下方向に往復移動」する構成は、前者の「前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動」する構成に相当する。
後者の「延在部77の垂直に延びる部分における電流の向き」が「一対の固定接点端子33の一方における電流の向きと逆方向となる」構成は、前者の「前記第1対面部における電流の向き」が「前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成に相当する。
後者の「接点機構ユニット30」は、前者の「接点装置」に相当する。
したがって、本件発明10と甲6発明とは、次の一致点3で一致し、相違点3で相違する。
[一致点3]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する筐体と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第1電路部をさらに有し、
前記第1電路部は、前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に沿って延び、
前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる接点装置。」
[相違点3]
本件発明10は「前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有し、
前記可動接触子の移動方向から見て、前記第1電路部と前記第2電路部との間に前記可動接触子が配置される」構成を有するのに対し、甲6発明は、このような構成を有しない点。
(イ)相違点3の検討
上記相違点3について検討する。
甲1~9及び参考1~5のいずれにも、本件発明10の「第2電路部」に相当する構成は記載ないし示唆されていない。また、本件発明10の「第2電路部」に相当する構成が従来周知であったとも認められない。
そして、本件発明10は、第1電路部と第2電路部との間に可動接触子を配置する構成により、接点間に作用する電磁反発力をより低減させることができる(段落【0010】等参照。)と認められる。
したがって、本件発明10は、甲6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとは認められない。
ウ 本件発明11、12、16~19、21~26について
請求項10の記載を直接又は間接的に引用する本件発明11、12、16~19、21~26は、本件発明10の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記イと同様の理由により、甲6発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
(5)サポート要件(特許法第36条第6項第1号)について
ア 上記第4 2(5)アの取消理由について
発明の詳細な説明に記載された、発明が解決しようとする課題は「接点間に作用する電磁反発力をより低減させることのできる接点装置および当該接点装置を搭載した電磁継電器を得ること」(明細書の段落【0007】参照。)であると認められる。
そして、発明の詳細な説明の記載(特に明細書の段落【0254】~【0267】参照。)からは、発明が解決しようとする課題を解決するためには、「第1対面部」における電流の向きが「第1固定端子」における電流の向きと逆方向となるか、又は、「第2対面部」における電流の向きが「第2固定端子」における電流の向きと逆方向となることが必要であることが理解できる。
そして、本件訂正により、本件発明1~5、10~12、16~19、23~26は課題の解決手段が反映されたものとなった。
したがって、上記第4 2(5)アの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
イ 上記第4 2(5)イ及びウの取消理由について
本件訂正により、請求項6、7、13は削除された。
したがって、上記第4 2(5)イ及びウの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
(6)明確性(特許法第36条第6項第2号)について
上記第4 2(6)の取消理由について検討する。
ア 請求項1~4、21~26について
本件訂正により、請求項1に「第2固定端子を保持する仕切り部材」が特定されたため、「前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように」する構成が明確になった。
したがって、上記第4 2(6)アの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
イ 請求項4について
本件訂正により、請求項4が引用する請求項1において「前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」と記載されて「仕切り部材」が保持する対象が明確になり、「前記第1導電部」との記載は「前記第1導電部材」に改められたため、請求項4の係る発明は明確になった。
したがって、上記第4 2(6)イの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
ウ 請求項5について
本件訂正により、請求項5は、「前記第1導電部」及び「前記第2導電部」との記載が「前記第1導電部材」及び「前記第2導電部材」に改められて明確になり、「前記第2導電部材」及び「前記第2固定部」との記載より前に「第2導電部材」及び「第2固定部」が記載されることとなり、「前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」と記載されて「仕切り部材」の保持する対象は明確になった。
したがって、上記第4 2(6)ウの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
エ 請求項6~8について
本件訂正により、請求項6~8は削除された。
したがって、上記第4 2(6)エ~カの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
オ 請求項10について
本件訂正により、「前記対面部」との記載は「前記第1対面部」に改められ、「第1対面部」を指すことが明確になった。
したがって、上記第4 2(6)キの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
カ 請求項22について
本件訂正により、「第2の可動接点」との記載は「第2可動接点」に改められて明確になり、また、「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し」との記載により起点となる位置が明確になった。
したがって、上記第4 2(6)クの取消理由によっては、本件特許を取り消すことはできない。
3 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について
(1)甲2を主引例とした進歩性について(本件発明1~5、10~12、16~19、21~26)
ア 異議申立人の主張
異議申立人は、特許異議申立書において、甲2に記載された発明を主引例とし、請求項1~26に係る発明は、甲2に記載された発明と、甲3~8に記載された事項、あるいは周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反する旨主張する。
イ 本件発明1について
上記2(1)ア(ア)の相違点1について検討する。
甲2発明のアーク誘導柱113a及び113bは、アーク130の根元をアーク誘導柱113a及び113bに沿って接点台部112a及び112bに移動してアークを確実に遮断するもの(特に上記1(1)ウの段落【0022】の下線部参照。必要であれば、【0021】の下線部も参照されたい。)であるから、本件発明1の「仕切り部材」を設けることが、甲3の「ベース41」や甲8の「ベース18」に見られるように周知の技術手段であったとしても、アーク130の移動を妨げる仕切り部材を、甲2発明のアーク誘導柱113a及び113bの位置に備えることには阻害要因がある。
そうであれば、仕切り部材を設けることが甲3~8に記載された事項、あるいは周知技術であるとしても、本件発明1は、甲2発明並びに甲3~8に記載された事項又は周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
ウ 本件発明2~4について
本件発明2~4は、本件発明1の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記イと同様の理由により、甲2発明並びに甲3~8に記載された事項又は周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
エ 本件発明5について
(ア)対比
本件発明5と甲2発明とを対比する。
先に、本件発明1と共通する部分について対比する。
後者の「上方の先端に第2の接点部114aを有するアーク誘導柱113a」は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」に相当し、
後者の「上方の先端に第2の接点部114bを有するアーク誘導柱113b」は、前者の「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当し、
後者の「第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触または離間する可動接触子120」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子」し、
後者の「アーク誘導柱113aの下方の端と固定される接点台部112aを有するC字状接点部107a」は、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」に相当し、
後者の「C字状接点部107aは、接点台部112aに連接し、アーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面する連結板部111aを有し、」「水平方向において、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b」「の順番で配置され」る構成は、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成に相当し、
後者の「連結板部111aには上向きの電流が流れ、アーク誘導柱113aには下向きの電流が流」れる構成は、前者の「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向」となる構成に相当し、
後者の「接点装置100」は、前者の「接点装置」に相当する。
次に、本件発明1と共通でない部分について対比する。
後者の「アーク誘導柱113bの下方の端と固定される」ことは、前者の「前記第2固定端子の他端と固定される」ことに相当し、
後者の「接点台部112b」は前者の「第2固定部」に相当するので、
後者の「アーク誘導柱113bの下方の端と固定される接点台部112bを有するC字状接点部107b」は前者の「前記第2固定端子の他端と固定される第2固定部を有する第2導電部材」に相当する。
後者の「接点台部112bに連接」することは、前者の「前記第2固定部と電気的に接続」することに相当し、
後者の「アーク誘導柱113b及び可動接触子120に対面する」ことは、前者の「前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する」ことに相当する。
そして、後者の「連結板部111b」は前者の「第2対面部」に相当するから、後者の「水平方向において、」「アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b、連結板部111bの順番で配置され」る構成は、前者の「第2対面部」が「前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置」する構成に相当する。
そうすると、後者の「C字状接点部107bは、接点台部112bに連接し、アーク誘導柱113b及び可動接触子120に対面する連結板部111bを有し、」「水平方向において、」「アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b、連結板部111bの順番で配置され」る構成は、前者の「前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有」する構成に相当する。
後者の「アーク誘導柱113aとアーク誘導柱113bの離間する方向と同じ方向に連結板部111a及び連結板部111bが延びて」いる構成は、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、」「前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在」する構成に相当する。
後者の「アーク誘導柱113bには下向きの電流が流れ、連結板部111bには上向きの電流が流れる」ことは、前者の「前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる」ことに相当する。
そうすると、本件発明5と甲2発明とは、次の一致点4で一致し、相違点4で相違する。
[一致点4]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、
前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる接点装置。」
[相違点4]
本件発明5は、「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」を備えるのに対し、甲2発明は、アーク誘導柱113a及び113bの位置に、このような仕切り部材が備わっていない点。
(イ)相違点4の検討
上記相違点4について検討する。
上記2(1)ア(イ)と同様に、相違点4は実質的な相違点であり、上記(1)イと同様に、アーク130の移動を妨げる仕切り部材を、甲2発明のアーク誘導柱113a及び113bの位置に備えることには阻害要因がある。
そうであれば、仕切り部材を設けることが甲3~8に記載された事項、あるいは周知技術であるとしても、本件発明5は、甲2発明でなく、また、甲2発明及び周知の技術手段に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
オ 本件発明10について
(ア)対比
本件発明10と甲2発明とを対比する。
後者の「上方の先端に第2の接点部114aを有するアーク誘導柱113a」は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」に相当し、
後者の「上方の先端に第2の接点部114bを有するアーク誘導柱113b」は、前者の「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当し、
後者の「第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触または離間する可動接触子120」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子」に相当し、
後者の「アーク誘導柱113aの下方の端と固定される接点台部112aを有するC字状接点部107a」は、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」に相当し、
後者の「可動接触子120、アーク誘導柱113a及びアーク誘導柱113bを収容する接点収納ケース101」は、前者の「前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する筐体」に相当し、
後者の「C字状接点部107aは、接点台部112aに連接し、アーク誘導柱113a及び可動接触子120に対面する連結板部111aを有し、」「水平方向において、連結板部111a、アーク誘導柱113a、アーク誘導柱113b」「の順番で配置され」る構成は、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成に相当し、
後者の「可動接触子120は第2の接点部114a及び第2の接点部114bと接触する位置と、接触しない位置との間で移動」することは、前者の「前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動」することに相当し、
後者の「連結板部111aには上向きの電流が流れ、アーク誘導柱113aには下向きの電流が流」れる構成は、前者の「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向」となる構成に相当し、
後者の「接点装置100」は、前者の「接点装置」に相当する。
そうすると、本件発明10と甲2発明とは、次の一致点5で一致し、相違点5で相違する。
[一致点5]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記可動接触子および前記第1固定接点および前記第2固定接点を収容する筐体と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記可動接触子は、前記第1固定接点および前記第2固定接点に接触する閉位置と、前記第1固定接点および前記第2固定接点から離れる開位置との間で移動し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる、
接点装置。」
[相違点5]
本件発明10は「前記第1導電部材は、前記第1対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第1電路部をさらに有し」、「前記第1導電部材は、前記対面部および前記第1固定部を介して前記第1固定端子に電気的に接続される第2電路部をさらに有し」、「前記可動接触子の移動方向から見て、前記第1電路部と前記第2電路部との間に前記可動接触子が配置される」構成であるのに対し、甲2発明は、このような構成を有しない点。
(イ)相違点5の検討
上記相違点5について検討する。
甲5には、第13実施形態として、2つの固定子平行板部139で、可動子23を挟み込む構成で、近接部位iでは、可動子23と固定子平行板部139との間にローレンツ力である板部間反発力iが、接点接触部よりも基準方向Zの一方側に発生するとともに、接点接触部よりも基準方向Zの他方側に発生する構成が記載されている。
しかしながら、甲2発明は、アーク消弧用永久磁石131aおよび131bの磁束と、固定接触子106aおよび106bおよび可動接触子120に流れる電流とによって生じるローレンツ力によって、可動接触子120の長手方向と直交する方向に形成されたアーク消弧室135aおよび135bにアーク130を引き伸ばす発明であるため、甲5のような、可動子23と固定子平行板部139との間にローレンツ力を発生させるほどの磁力場を重ねることには阻害要因があるから、甲2発明に甲5に記載された事項を組み合わせることが、当業者にとって容易であるとは認められない。
そうであれば、本件発明10は、甲2発明でなく、また、甲2発明及び甲5に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
カ 本件発明11、12、16~19、21、22、26について
本件発明11、12、16~19、21、22、26は、本件発明1、5又は10の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記イ、エ又はオと同様の理由により、甲2発明並びに甲3~8に記載された事項又は周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。
キ 小括
上記イ~カのとおりであるから、上記アの異議申立人の主張は採用できない。
(2)甲6を主引例とする拡大先願について(本件発明3~5、請求項5を引用する本件発明21~26)
ア 異議申立人の主張
異議申立人は、特許異議申立書において、甲6に記載された発明を主引例とし、請求項1~7、20~26に係る発明は、甲6に記載された発明と同一であるから、特許法第29条の2の規定に違反する旨主張する。
イ 本件発明3及び4について
本件発明3及び4は、本件発明1の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記2(3)アと同様の理由により、甲6発明と同一でない。
ウ 本件発明5について
(ア)対比
本件発明5と甲6発明とを対比する。
後者の「下側の端部」は前者の「一端」に相当し、以下同様に、
「一対の固定接点33aの一方」は「第1固定接点」に、
「一対の固定接点端子33の一方」は「第1固定端子」に、
「一対の固定接点33aの他方」は「第2固定接点」に、
「一対の固定接点端子33の他方」は「第2固定端子」に、
「接離する」ことは「接触または離間する」に、
「可動接触子49」は「可動接触子」に、
「上側の端部」は「他端」に、
「固定される」ことは「固定される」ことに、
「固定部71」は「第1固定部」に、
「引き出し端子70」は「第1導電部材」に、
「固定部76」は「第2固定部」に、
「引き出し端子75」は「第2導電部材」に、
「セラミックプレート32」は「仕切り板」に、
「一対の固定接点端子33の一方と対面する」ことは「第1固定端子または可動接触子に対面する」ことに、
「端子部73」は「第1対面部」に、
「一対の固定接点端子33の他方と対面する」ことは「第2固定端子または可動接触子に対面する」ことに、
「端子部78」は「第2対面部」に、
「接点機構ユニット30」は「接点装置」に、それぞれ相当する。
後者の「セラミックプレート32」が「固定接点33aと引き出し端子70及び75との間に位置」する構成は、前者の「仕切り板」が「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置」する構成及び「前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置」する構成に相当し、
後者の「固定接点33aが可動接触子49と対向する」構成は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向する」構成に相当し、
後者の「一対の固定接点端子33をロウ付けした」構成は、前者の「前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する」構成に相当する。
そして、後者の「引き出し端子70」は、「前記固定部71に連続する延在部72と、前記延在部72の先端に設けた端子部78」を有する構成であるから、後者の「固定部71」と「端子部73」は電気的に接続しているといえるので、後者は、前者の「第1対面部」が「第1固定部と電気的に接続」する構成を備えるといえる。
また、後者は「水平方向において、端子部73、一対の固定接点端子33の一方、一対の固定接点端子33の他方」「の順番で配置される」構成であるから、後者の「端子部73」は、前者の「第1固定部から見て第2固定端子から第1固定端子に向かう方向に位置」する「第1導電部材」の構成を備えるといえる。
同様に、後者の「引き出し端子75」は、「前記固定部76に連続する延在部77と、前記延在部77の先端に設けた端子部78」を有する構成であるから、後者の「固定部76」と「端子部78」は電気的に接続しているといえるので、後者は、前者の「第2対面部」が「第2固定部と電気的に接続」する構成を備えるといえる。
また、後者は「水平方向において」、「一対の固定接点端子33の一方、一対の固定接点端子33の他方、端子部78の順番で配置される」構成であるから、後者の「端子部78」は、前者の「第2固定部から見て第1固定端子から第2固定端子に向かう方向に位置」する「第2導電部材」の構成を備えるといえる。
前者の「引き出し端子70、75の延在部72、77の水平に延びる部分は、固定接点端子33から外側に離れる方向に延びて」いる構成は、後者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在」する構成に相当する。
そうすると、本件発明5と甲6発明とは、次の一致点6で一致し、相違点6で相違する。
[一致点6]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材と、 前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定接点および前記第2固定接点を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、 前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在する接点装置。」
[相違点6]
本件発明5は電磁反発力を生じさせる磁界を弱めるために「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる」構成を有するのに対し、甲6発明では、電磁反発力を生じさせる磁界を弱めるために「端子部73」及び「端子部78」と、「一対の固定接点端子33一方」及び「一対の固定接点端子33の他方」の電流の向きの関係を規定していない点。
(イ)相違点6の検討
上記相違点6について検討する。
上記相違点6は、上記2(3)ア(ア)における相違点2と実質的に同じ相違点であるから、上記2(3)ア(イ)で検討したとおり、相違点6に係る本件発明5の構成は、課題解決のための具体化手段における微差とはいえない。
したがって、本件発明5と甲6発明1とは同一でない。
エ 本件発明21~26について
請求項5の記載を直接又は間接的に引用する本件発明21~26は、本件発明5の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記ウと同様の理由により、甲6発明と同一でない。
オ 小括
上記イ~エのとおりであるから、上記アの異議申立人の主張は採用できない。
4 令和6年4月11日に異議申立人が提出した意見書における主張について
(1)異議申立人の主張
ア 甲3発明を主引例とする進歩性について
異議申立人は、令和6年4月11日付け意見書において、本件発明1~5並びに請求項1又は5の記載を直接又は間接的に引用する本件発明21~26は、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張する。
イ 明確性について
異議申立人は、令和6年4月11日付け意見書において、本件訂正後の請求項1の記載では、「仕切り部材」について「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置」することと「第2固定端子を保持する」こととの因果関係が不明である旨主張する。
(2) 異議申立人の進歩性に関する主張(上記(1)ア)について
ア 本件発明1について
(ア) 対比
本件発明1と甲3発明とを対比する。
後者の「一対の固定接点35a」は前者の「第1固定接点」及び「第2固定接点」に相当し、後者の「一対の固定端子35」は前者の「第1固定端子」及び「第2固定端子」に相当するから、
後者の「一端に一対の固定接点35aを有する一対の固定端子35」の構成は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」及び「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当し、
後者の「固定接点35aと接触又は離間する可動接触子29」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子」に相当する。
後者の「凸部35c」「挿通穴82a」及び「端子部80」は、前者の「他端」「第1固定部」及び「第1導電部」に相当するから、
後者の「一対の固定端子35の凸部35cが固定される挿通穴82aを有する一対の端子部80」の一方は、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」に相当し、
後者の「固定接点35aと凸部35cの間に位置し、固定接点35aが可動接触子29に対向するように一対の固定端子35を下フランジ32を介して密閉接合するベース41」は、前者の「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材」に相当する。
後者の「接点装置1」は前者の「接点装置」に相当する。
そして、後者の「一対の端子部80は、各々、凸部35cと電気的に接続し、固定端子35と対面する支持部82cを有する」構成と、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成とは、「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有」する構成の限りで共通する。
そうすると、本件発明1と甲3発明とは、次の一致点7で一致し、相違点7で相違する。
[一致点7]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定端子および前記第2固定端子を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有する接点装置。」
[相違点7]
本件発明1の「第1対面部」は、「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置」し、当該「第1対面部」における電流の向きは「前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となる」の対し、甲3発明の「支持部82c」は、このような構成を有しない点。
(イ)相違点7の検討
上記相違点7について検討する。
甲3発明は、端子部80に、相手側部材をより容易に締結するための発明(上記1(3)エ参照)であるから、支持部82cの位置を一対の固定端子35との関係で規定し、支持部82cの電流の向きを固定端子35の電流の向きとの関係で規定する動機付けはない。また、甲3発明の端子部80はケース5内に装着されるもの(上記1(3)ア参照)であって、図面(上記1(3)カ~コ参照)によれば、ケース5内に端子部の向きを変更さる空間的な余裕はない。したがって、仮にプレス加工で折り曲げた、一方の固定端子に接続した外部接続端子の折り曲げ部分を、一方の固定端子に対して、他方の固定端子から見て、一方の固定端子側に位置させることが周知技術であったとしても、甲3発明及び周知技術に基いて、上記相違点7に係る本件発明1の構成とすることは、当業者が容易になし得たこととは認められない。
そして、本件発明1は、第1対面部を第1固定端子または可動接触子から見て第2固定端子から第1固定端子に向かう方向に位置させるとともに、第1対面部における電流の向きを、第1固定端子における電流の向きの逆方向とすることで、第1対面部の周囲に生じる磁界が、可動接触子に作用して電磁反発力を生じさせる磁界を弱め、接点間(第1固定接点と可動接触子との間)に作用する電磁反発力を低減し、接点の信頼性を向上させる(本件特許の明細書の段落【0135】~【0136】参照。)ものである。
そうであれば、本件発明1は、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
イ 本件発明2~4の進歩性について
請求項1の記載を直接又は間接的に引用する本件発明2~4は、本件発明1の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記アと同様の理由により、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
ウ 本件発明5について
(ア)対比
本件発明5と甲3発明とを対比する。
上記ア(ア)と同様に、
後者の「一端に一対の固定接点35aを有する一対の固定端子35」の構成は、前者の「一端に第1固定接点を有する第1固定端子」及び「一端に第2固定接点を有する第2固定端子」に相当し、
後者の「固定接点35aと接触又は離間する可動接触子29」は、前者の「前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子」に相当する。
後者の「一対の固定端子35の凸部35c」及び「挿通穴82a」を有する「一対の端子部80」は、前者の「第1固定端子の他端」及び「第1固定部」を有する「第1導電部」並びに「第2固定端子の他端」及び「第2固定部」を有する「第2導電部」に相当するから、
後者の「一対の固定端子35の凸部35cが固定される挿通穴82aを有する一対の端子部80」は、前者の「前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材」及び「前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材」に相当し、
後者の「固定接点35aと凸部35cの間に位置し、固定接点35aが可動接触子29に対向するように一対の固定端子35を下フランジ32を介して密閉接合するベース41」は、前者の「前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定接点および前記第2固定接点を保持する仕切り部材」に相当する。
後者の「接点装置1」は前者の「接点装置」に相当する。
そして、後者の「一対の端子部80は、各々、凸部35cと電気的に接続し、固定端子35と対面する支持部82cを有する」構成と、前者の「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、」する構成とは、「前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有」する構成の限りで共通する。
そうすると、本件発明5と甲3発明とは、次の一致点8で一致し、相違点8で相違する。
[一致点8]
「一端に第1固定接点を有する第1固定端子と、
一端に第2固定接点を有する第2固定端子と、
前記第1固定接点および前記第2固定接点と接触または離間する可動接触子と、
前記第1固定端子の他端と固定される第1固定部を有する第1導電部材と、
前記第2固定端子の他端に固定される第2固定部を有する第2導電部材と、
前記第1固定端子の前記第1固定接点と前記第1導電部材の前記第1固定部との間に位置し、かつ、前記第2固定端子の前記第2固定接点と前記第2導電部材の前記第2固定部との間に位置し、前記第1固定接点および前記第2固定接点が前記可動接触子と対向するように前記第1固定接点および前記第2固定接点を保持する仕切り部材と、
を備え、
前記第1導電部材は、前記第1固定部と電気的に接続し、前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置し、前記第1固定端子または前記可動接触子に対面する第1対面部を有し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部と電気的に接続し、前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置し、前記第2固定端子または前記可動接触子に対面する第2対面部を有し、
前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在し、
前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり、
前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となることを特徴とする接点装置。
[相違点8]
本件発明5は、「第1導電部材」が「前記第1固定端子または前記可動接触子から見て前記第2固定端子から前記第1固定端子に向かう方向に位置」し、「第2導電部材」が「前記第2固定端子または前記可動接触子から見て前記第1固定端子から前記第2固定端子に向かう方向に位置」し、さらに、「前記第1導電部材は、前記第1固定部からみて前記第2固定端子から前記第1固定端子へと向かう方向に延在し」、「前記第2導電部材は、前記第2固定部からみて前記第1固定端子から前記第2固定端子へと向かう方向に延在し」、「前記第1対面部における電流の向きは、前記第1固定端子における電流の向きの逆方向となり」、「前記第2対面部における電流の向きは、前記第2固定端子における電流の向きの逆方向となる」のに対し、甲3発明の「支持部82c」は、このような構成を有しない点。
(イ)相違点8の検討
上記相違点8について検討する。
上記ア(イ)と同様の理由で、甲3発明における支持部82cの位置を一対の固定端子35との関係で規定し、支持部82cの電流の向きを固定端子35の電流の向きとの関係で規定する動機付けはない。また、甲3発明の端子部80はケース5内に装着されるもの(上記1(3)ア参照)であって、図面(上記1(3)カ~コ参照)によれば、ケース5内に端子部の向きを変更さる空間的な余裕はないから、仮にプレス加工で折り曲げた、一方の固定端子に接続した外部接続端子の折り曲げ部分を、一方の固定端子に対して、他方の固定端子から見て、一方の固定端子側に位置させることが周知技術であったとしても、甲3発明及び周知技術に基いて、上記相違点8に係る本件発明5の構成とすることは当業者が容易になし得たこでなく、本件発明5は、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
エ 本件発明21~26の進歩性について
請求項1又は5の記載を直接又は間接的に引用する本件発明21~26は、本件発明1又は5の構成を全て含み更に限定したものであるから、上記ア又はウと同様の理由により、甲3発明及び周知技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものでない。
オ 進歩性についてのまとめ
上記ア~エのとおりであるから、上記(1)アの異議申立人の主張は採用できない。
(3)異議申立人の明確性に関する主張(上記(1)イ)について
本件訂正後の請求項1の記載において、「仕切り部材」が「第2固定端子を保持する」ことは明確であるし、一方で、「仕切り部材」が「第2固定端子」を保持する位置は限定されないことも明確であって、請求項1に係る発明は明確であるから、上記(1)イの異議申立人の主張は採用できない。
第6 むすび
以上のとおり、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、本件の請求項1~5、10~12、16~19及び21~26に係る特許を取り消すことはできない。
さらに、他に本件の請求項1~5、10~12、16~19及び21~26に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
また、本件訂正請求により、請求項6~9、13~15及び20は削除されたため、請求項6~9、13~15及び20に係る特許に対する特許異議の申立ての対象は存在しないこととなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-700160