特許異議申立
2023-700135
電磁波吸収体
- 審判番号
- 2023-700135
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2017-116297
- 登録番号
- 7117084
- 請求日
- 2023年02月08日
- 審決日
- 2023年11月08日
- 公報発行日
- 2024年02月22日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】日東電工株式会社
- 【権利者代理人】鎌田 耕一
- 【権利者代理人】西尾 光彦
- 【異議申立人】林 法子
- 審判長/審判官
- 審判長 恩田 春香
- 審判官 棚田 一也
- 審判官 中野 浩昌
- 分類
- P1652.536-XA (H05K) / P1652.851-XA (H05K) / P1652.856-XA (H05K)
- 根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
- 特許法120条の8第1項特許法135条
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第126条第7項、特許法第36条第4項第1号、特許法第120条の5第5項、特許法第131条の2第1項、特許法第36条第6項第1号、特許法第29条第2項、特許法第120条の8第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7117084号発明「電磁波吸収体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許7117084号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲(令和5年10月13日に提出された手続補正書により補正されたもの)及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕について訂正することを認める。
本件特許異議の申立てを却下する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7117084号(以下「本件特許」という。)の請求項1~11に係る特許についての出願は、平成29年 6月13日に特許出願され、令和 4年 8月 3日にその特許権の設定登録がされ、令和 4年 8月12日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1及び11に係る特許に対して、特許異議申立人林法子(以下、「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
特許異議の申立ての経緯は次のとおりである。
令和 5年 2月 8日 :特許異議の申立て
令和 5年 5月17日付け :取消理由通知
令和 5年 7月21日 :訂正請求書・意見書(特許権者)
令和 5年 8月 9日 :手続補正書(特許権者)
令和 5年 9月11日付け :訂正拒絶理由通知
令和 5年10月13日 :意見書・手続補正書(特許権者)
なお、令和 5年 7月21日に提出され、令和 5年 8月 9日提出の手続補正書による補正(「6 請求の趣旨」の欄の記載を、「7 訂正の理由」の欄の「(2) 訂正事項」の「サ 訂正事項11」の記載に整合させるものであり、要旨を変更しないものと認める。)がされた訂正請求書(以下、「本件訂正請求書」という。)による訂正請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求による訂正を「本件訂正」という。)は、令和 5年10月13日提出の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)がされたところ、本件補正後の本件訂正請求は、特許法第120条の5第5項ただし書に規定する「特許異議申立人に意見書を提出する機会を与える必要がないと認められる特別の事情」がある場合に該当し、本件補正後の本件訂正請求後に、改めて、申立人に意見書を提出する機会を与えないこととした。すなわち、本件補正後の本件訂正請求に係る特許請求の範囲の訂正は、後記第2によれば、(i)特許異議の申立ての対象である請求項1及び11を含む請求項1、4~11を削除するとともに、(ii)特許異議の申立ての対象ではない請求項2を、請求項間の引用関係を解消して請求項1を引用しない形式とするものである。したがって、当審は、申立人に意見書を提出する機会を与えないこととした。
第2 本件訂正について
1 訂正拒絶理由の概要
当審が令和5年9月11日付けで特許権者に通知した訂正拒絶理由の概要は、以下のとおりである。
本件特許の願書に添付した発明の詳細な説明は、当業者が、本件訂正後の請求項4~10に係る発明の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たさないものである。したがって、本件訂正後の請求項4~10に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件訂正後の請求項4~10についてされた訂正事項3~9に係る訂正は、同法第120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の規定に適合していない。よって、一群の請求項である本件訂正後の請求項〔1~11〕についてされた訂正事項1~11に係る本件訂正を認めることはできない。
2 本件補正について
本件訂正請求書及びこれに添付した訂正特許請求の範囲は、本件補正により補正されたので、当該補正の適否について検討する。
(1)本件補正の内容
本件補正の内容は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」のウ~ケに記載された訂正事項3~9を、以下のア~キのとおり補正し、それに伴い同じく「(2)訂正事項」のシに記載された訂正前後の請求項の対応表を下記のクのとおり補正し、同じく「(3)訂正の理由」の(ウ)~(ケ)を下記のケ~ソのとおり補正し、さらに、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲を下記タのとおり補正するものである。
ア 補正事項1
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「ウ 訂正事項3」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項4に、「前記抵抗層は、5×10-4Ω・cm以上の比抵抗を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記抵抗層は、5×10-4Ω・cm以上の比抵抗を有する、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項4を削除する。」
に補正する。
イ 補正事項2
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「エ 訂正事項4」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項5に、「前記抵抗層は、15~500nmの厚みを有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/口のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記抵抗層は、15~500nmの厚みを有する、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項5を削除する。」
に補正する。
ウ 補正事項3
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「オ 訂正事項5」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項6に、「前記抵抗層は、前記誘電体層に接している面と反対の面において高分子フィルムに積層されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/口のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記抵抗層は、前記誘電体層に接している面と反対の面において高分子フィルムに積層されている、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項6を削除する。」
に補正する。
エ 補正事項4
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「カ 訂正事項6」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項7に、「前記誘電体層は、1~10の比誘電率を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記誘電体層は、1~10の比誘電率を有する、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項7を削除する。」
に補正する。
オ 補正事項5
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「キ 訂正事項7」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項8に、「前記誘電体層は、高分子材料でできている、請求項1~7のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記誘電体層は、高分子材料でできている、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項8を削除する。」
に補正する。
カ 補正事項6
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「ク 訂正事項8」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項9に、「前記導電層は、0.001~30Ω/□のシート抵抗を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/口以下であり、前記導電層は、0.001~30Ω/□のシート抵抗を有する、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項9を削除する。」
に補正する。
キ 補正事項7
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「ケ 訂正事項9」の項を、補正前の
「特許請求の範囲の請求項10に、「前記導電層は、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム窒化物、銅、銅合金、銅窒化物、及び酸化インジウムスズの少なくとも1つでできている、請求項1~9のいずれか1項に記載の電磁波吸収体。」とあるうち、請求項1を引用するものについて、独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記導電層は、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム窒化物、銅、銅合金、銅窒化物、及び酸化インジウムスズの少なくとも1つでできている、電磁波吸収体。」に訂正する。」
から、補正後の
「特許請求の範囲の請求項10を削除する。」
に補正する。
ク 補正事項8
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「シ 訂正前後の請求項の対応表」の項を、補正前の
「
[図:0001406696000001.jpg]
」
から、補正後の
「
[図:0001406696000002.jpg]
」
に補正する。
ケ 補正事項9
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(ウ)訂正事項3」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項3は、訂正前の請求項4が請求項1~3のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2及び3を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項3は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項4に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項3は、請求項4を削除するというものであるから、請求項4に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
コ 補正事項10
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(エ)訂正事項4」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項4は、訂正前の請求項5が請求項1~4のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~4を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項4は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項5に係る訂正事項3に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項4は、請求項5を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項4は、請求項5を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項4は、請求項5を削除するというものであるから、請求項5に係る訂正事項4に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
サ 補正事項11
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(オ)訂正事項5」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項5は、訂正前の請求項6が請求項1~5のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~5を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項5は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項6に係る訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項5は、請求項6を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項5は、請求項6を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項5は、請求項6を削除するというものであるから、請求項6に係る訂正事項5に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
シ 補正事項12
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(カ)訂正事項6」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項6は、訂正前の請求項7が請求項1~6のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~6を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項6は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項6は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項7に係る訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項6は、請求項7を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項6は、請求項7を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項6は、請求項7を削除するというものであるから、請求項7に係る訂正事項6に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
ス 補正事項13
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(キ)訂正事項7」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項7は、訂正前の請求項8が請求項1~7のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~7を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項7は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項8に係る訂正事項7に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項7は、請求項8を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項7は、請求項8を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項7は、請求項8を削除するというものであるから、請求項8に係る訂正事項7に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
セ 補正事項14
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(ク)訂正事項8」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項8は、訂正前の請求項9が請求項1~8のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~8を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項8は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項9に係る訂正事項8に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項8は、請求項9を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項8は、請求項9を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項8は、請求項9を削除するというものであるから、請求項9に係る訂正事項8に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
ソ 補正事項15
本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の「(ケ)訂正事項9」の項を、補正前の
「a 訂正の目的について
訂正事項9は、訂正前の請求項10が請求項1~9のいずれか1項を引用する記載であるところ、請求項2~9を引用しないものとした上で、請求項1を引用するものについて請求項間の引用関係を解消して、独立形式請求項へ改めるための訂正であって、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正である。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、何ら実質的な内容の変更を伴うものではないから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項9は、第120条の5第2項ただし書第4号に規定する「他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすること」を目的とする訂正であって、同第1号又は第2号に掲げる事項を目的とする訂正ではないから、請求項10に係る訂正事項9に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
から、補正後の
「a 訂正の目的について
訂正事項9は、請求項10を削除するというものであるから、当該訂正事項3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。
b 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと
訂正事項9は、請求項10を削除するというものであるから、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項及び第6項に適合するものである。
c 特許出願の際に独立して特許を受けることができること
訂正事項9は、請求項10を削除するというものであるから、請求項10に係る訂正事項9に関して、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項の独立特許要件は課されない。」
に補正する。
タ 補正事項16
本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲を、補正前の
「【請求項1】 (削除)
【請求項2】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記抵抗層は、酸化スズ、酸化チタン、及び酸化インジウムのいずれか1つを主成分として含む、電磁波吸収体。
【請求項3】
前記抵抗層は、前記主成分の金属元素以外の少なくとも1つの元素を有するドーパントをさらに含む、請求項2に記載の電磁波吸収体。
【請求項4】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記抵抗層は、5×10‐4Ω・cm以上の比抵抗を有する、電磁波吸収体。
【請求項5】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記抵抗層は、15~500nmの厚みを有する、電磁波吸収体。
【請求項6】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記抵抗層は、前記誘電体層に接している面と反対の面において高分子フィルムに積層されている、電磁波吸収体。
【請求項7】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記誘電体層は、1~10の比誘電率を有する、電磁波吸収体。
【請求項8】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記誘電体層は、高分子材料でできている、電磁波吸収体。
【請求項9】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記導電層は、0.001~30Ω/□のシート抵抗を有する、電磁波吸収体。
【請求項10】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記導電層は、アルミニウム、アルミニウム合金、アルミニウム窒化物、銅、銅合金、銅窒化物、及び酸化インジウムスズの少なくとも1つでできている、電磁波吸収体。
【請求項11】 (削除)」
から、補正後の
「【請求項1】 (削除)
【請求項2】
誘電体層と、
前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、
前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、
前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、
前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、
前記抵抗層は、酸化スズ、酸化チタン、及び酸化インジウムのいずれか1つを主成分として含む、電磁波吸収体。
【請求項3】
前記抵抗層は、前記主成分の金属元素以外の少なくとも1つの元素を有するドーパントをさらに含む、請求項2に記載の電磁波吸収体。
【請求項4】 (削除)
【請求項5】 (削除)
【請求項6】 (削除)
【請求項7】 (削除)
【請求項8】 (削除)
【請求項9】 (削除)
【請求項10】 (削除)
【請求項11】 (削除)」
に補正する。
(2)本件補正の適否及び訂正拒絶理由について
上記補正事項1~7は、請求項についての訂正事項を、当該請求項の削除という訂正事項に変更する補正であり、また、上記補正事項8~15は、本件訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」の「シ 訂正前後の請求項の対応表」の記載、同じく「(3)訂正の理由」の「イ 訂正事項が全ての訂正要件に適合している事実の説明」の記載、及び本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲の記載を、上記補正事項1~7に係る補正に整合させるための補正である。
したがって、本件補正は訂正請求書の請求の趣旨の要旨を変更するものではない。
よって、本件補正は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第131条の2第1項の規定に適合するから、本件補正を認める。
そして、本件補正後の本件訂正請求は、請求項4~10を削除するものであるから、上記1で示した令和5年9月11日付け訂正拒絶理由通知書での訂正拒絶理由は解消した。
(3)本件補正後の本件訂正の内容
本件補正後の本件訂正請求は、本件特許の特許請求の範囲及び本件特許明細書を、本件補正後の本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、本件補正後の本件訂正後の請求項1~11及び明細書について訂正することを求めるものであり、その訂正の内容は次のとおりである。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を削除する。
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2の「前記抵抗層は、酸化スズ、酸化チタン、及び酸化インジウムのいずれか1つを主成分として含む、請求項1に記載の電磁波吸収体。」との記載を独立形式に改め、「誘電体層と、前記誘電体層の一方の主面に配置された抵抗層と、前記誘電体層の他方の主面に配置され、前記抵抗層のシート抵抗より低いシート抵抗を有する導電層と、を備え、前記抵抗層は、200~600Ω/□のシート抵抗を有し、前記抵抗層を40℃及び5重量%のNaOH水溶液に5分間浸す浸漬処理を行った場合に、前記浸漬処理前の前記抵抗層のシート抵抗と前記浸漬処理後の前記抵抗層のシート抵抗との差の絶対値が30Ω/□以下であり、前記抵抗層は、酸化スズ、酸化チタン、及び酸化インジウムのいずれか1つを主成分として含む、電磁波吸収体。」に訂正する。
請求項2を引用する請求項3も同様に訂正する。
ウ 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項4を削除する。
エ 訂正事項4
特許請求の範囲の請求項5を削除する。
オ 訂正事項5
特許請求の範囲の請求項6を削除する。
カ 訂正事項6
特許請求の範囲の請求項7を削除する。
キ 訂正事項7
特許請求の範囲の請求項8を削除する。
ク 訂正事項8
特許請求の範囲の請求項9を削除する。
ケ 訂正事項9
特許請求の範囲の請求項10を削除する。
コ 訂正事項10
特許請求の範囲の請求項11を削除する。
サ 訂正事項11
願書に添付した明細書の発明の名称に記載された「電磁波吸収体及び電磁波吸収体付成形品」を「電磁波吸収体」に訂正する。
なお、本件補正後の本件訂正前の請求項1~11は、請求項2~11が請求項1を直接又は間接的に引用する関係にあるから、訂正事項1~11は一群の請求項〔1~11〕について請求されている。
(4)本件補正後の本件訂正の適否
ア 訂正の目的、新規事項追加の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
(ア)訂正事項1、3~10は、請求項1、4~11を削除するというものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(イ)訂正事項2は、請求項2について、請求項間の引用関係を解消して、請求項1を引用しないものとし、独立形式請求項へ改めるための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(ウ)訂正事項11は、上記訂正事項10に係る訂正に伴い特許請求の範囲の記載と明細書の記載との整合を図るための訂正であるから、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
イ 独立特許要件について
訂正事項1及び10は、請求項1及び11について異議申立がされているので、独立特許要件は課されない。また、訂正事項2は、他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであるから、独立特許要件は課されない。さらに、訂正事項3~9は、請求項を削除する訂正であるから、独立特許要件は課されない。
ウ 小括
上記ア及びイより、訂正事項1~11は、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号、第3号及び第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同法同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
よって、特許請求の範囲を、本件補正後の本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項〔1~11〕について訂正することを認める。
第3 本件補正後の本件訂正後の本件発明
本件補正後の本件訂正後の請求項1~11に係る発明(以下、順に「本件発明1」~「本件発明11」という。また、本件発明1~本件発明11をまとめて「本件発明」という。)は、上記第2の2(1)のタの補正後の訂正特許請求の範囲に記載された事項により特定されるとおりのものである。
第4 特許異議申立理由及び取消理由
1 特許異議申立理由の概要
申立人は、本件特許異議の申立てにおいて、次の理由を主張している。
申立理由1(実施可能要件)本件特許の発明の詳細な説明は、当業者が、抵抗層の材料として一般的な材料を用いた場合に、本件発明1及び11を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、本件特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないものであり、本件発明1及び11は同法第113条第1項第4号に該当し取消されるべきものである。
申立理由2(サポート要件)本件特許の発明の詳細な説明には、特定の材料を使い、特定の方法で形成した抵抗層が特定の物性を有することが記載されているのみであるのに対し、本件発明1及び11は抵抗層の材料として種々の金属・合金や炭素材料を用いるものであるから、本件特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていないものであり、本件発明1及び11は同法第113条第1項第4号に該当し取消されるべきものである。
申立理由3(進歩性)本件発明1及び11は、甲1及び11に記載された発明、ならびに、甲2~10に記載された本件特許の出願時の技術常識に基づき、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同法第113条第1項第2号に該当し取消されるべきものである。
2 取消理由の概要
令和5年5月17日付け取消理由通知書に記載した取消理由は以下のとおりである。
取消理由1(実施可能要件)本件特許の発明の詳細な説明は、当業者が、抵抗層が酸化スズ、酸化チタン、及び酸化インジウムのいずれか1つを主成分として含むことが特定されない本件発明1及び11を実施できる程度に明確かつ十分に記載したものではないから、本件特許は、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願についてされたものである。
第5 当審の判断
申立人による本件特許異議の申立理由及び取消理由は、請求項1及び11に係る特許についてのものであるが、前記「第2 本件訂正について」で説示したように、本件補正後の本件訂正により、請求項1及び11は削除されたため、特許異議の申立理由及び取消理由の対象となる請求項が存在しないものとなった。
第6 むすび
したがって、本件特許異議の申立ては、不適法な申立てであって、その補正をすることができないものとなったから、特許法第120条の8第1項において準用する同法第135条の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審決本文(J-PlatPat)
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2023-700135