特許訂正審判
2023-390140
サイドリンク伝送リソースを確定する方法及び装置
- 審判番号
- 2023-390140
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-578122
- 登録番号
- 7387771
- 請求日
- 2023年12月14日
- 審決日
- 2024年02月27日
- 公報発行日
- 2024年06月28日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】オッポ広東移動通信有限公司
- 【請求人代理人】宮嶋 学
- 【請求人代理人】関根 毅
- 【請求人代理人】吉田 昌司
- 【請求人代理人】出口 智也
- 【請求人代理人】鈴木 健之
- 審判長/審判官
- 審判長 中木 努
- 審判官 圓道 浩史
- 審判官 齋藤 哲
- 分類
- P141 .852-Y (H04W)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第4項、特許法第126条第3項、特許法第126条第6項、特許法第126条第7項、特許法第184条の4第1項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7387771号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第7387771号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔11-15〕について訂正することを認める。
理由
理 由
第1 手続の経緯
本件訂正審判の請求に係る特許第7387771号(以下「本件特許」という。)は、2019年(令和元年)9月30日を国際出願日とする特願2021-578122号(以下「本件特許出願」という。)として特許出願されたものであって、その請求項1ないし15に係る発明について、令和5年11月17日に特許権の設定登録がなされ、その後、令和5年12月14日に本件訂正審判の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第7387771号の明細書、特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項11~15について訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正の内容は、次の「第3」に示す訂正事項1及び2のとおりである。
第3 訂正事項
[訂正事項1]
特許請求の範囲の請求項11、12に記載された「リスニング」を「センシング」に訂正し、請求項11、12の記載を引用する請求項13ないし15も同様に訂正する。
[訂正事項2]
明細書の段落0003、0020、0024、0025、0095、0096に記載された「リスニング」を「センシング」に訂正する。
第4 当審の判断
1 はじめに
本件特許出願である特願2021-578122号は、特許法第184条の4第1項で規定する「外国語特許出願」である国際出願PCT/CN2019/109284(以下、「本件国際出願」という。)が、同法第184条の3第1項の規定により特許出願とみなされたものであり、同法第184条の4第1項の規定により翻訳文が提出されたものである。
そして、特許法第126条第5項かっこ書の規定によれば、訂正審判における訂正は、同条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とする場合にあっては、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(外国語書面出願に係る特許にあっては、外国語書面)に記載した事項の範囲内においてしなければならないところ、本件訂正審判は同法第184条の4第1項で規定する「外国語特許出願」に係る訂正審判であるから、同法第184条の19の規定により、同法第126条第5項中「外国語書面出願」及び「外国語書面」とあるのは、それぞれ同法「第184条の4第1項の外国語特許出願」及び同法「第184条の4第1項の国際出願日における国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」となる。
そうすると、本件訂正審判に係る訂正事項のうち、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものについて、特許法第126条第5項かっこ書で規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、願書に最初に添付した、国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面となる(以下、「国際出願日における本件国際出願の明細書、請求の範囲又は図面」を「基準明細書等」という。)。
2 本件訂正前の特許請求の範囲及び明細書に記載された事項
本件特許である特許第7387771号の設定登録時の特許請求の範囲及び明細書に記載された事項は、以下のとおりである(訂正事項1又は2に係る部分に当審で下線を付した。以下同様。)。
「【請求項1】
サイドリンク伝送リソースを確定する方法であって、
物理サイドリンク共有チャネル(PSSCH)を伝送するための伝送リソースを含む第3の伝送リソースを確定することと、
第1のサイドリンク制御情報(SCI)を伝送するための第1の伝送リソースを更に含む前記第3の伝送リソースにおいて、前記PSSCHの復調基準信号(DMRS)の時間領域リソースと同じ及び/又は隣接する時間領域リソースを含み、第2のサイドリンク制御情報(SCI)を伝送するための第2の伝送リソースを確定することと、を含み、
前記サイドリンク伝送リソースを確定する方法は、
前記第2のSCIを、前記第2の伝送リソースに、まず周波数領域、その後時間領域の方式でマッピングすること、を更に含むことを特徴とするサイドリンク伝送リソースを確定する方法。
【請求項2】
前記第2の伝送リソースが、復調基準信号の時間領域リソースと同じ及び/又は隣接する時間領域リソースを含むことは、
前記第2の伝送リソースが、前記DMRSの第1の時間領域リソースと同じ及び/又は隣接する時間領域リソースを含むことを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のSCIは、
前記第2の伝送リソースの周波数領域リソースが前記第1の伝送リソースの周波数領域リソースに隣接するか否かを確定するために用いられ、及び/又は、
前記第2の伝送リソースの時間領域リソースが前記第1の伝送リソースの時間領域リソースに隣接するか否かを確定するために用いられる、第1の情報領域を含むことを特徴とする請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記第1のSCIは、前記第2の伝送リソースの大きさを確定するための第2の情報領域を含むことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の情報領域は、
前記第2のSCIのフォーマット、
前記第2のSCIのビットレートのうちの1つの情報を含むことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
第1のパラメータを取得することを更に含み、
前記の前記第3の伝送リソースにおいて、第2の伝送リソースを確定することは、
前記第1のパラメータと前記第2の情報領域に基づいて前記第2の伝送リソースの大きさを確定することを含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記の第1のパラメータを取得することは、
事前構成情報又はプリセット情報に基づいて前記第1のパラメータを取得する方式、
ネットワーク機器から構成情報を受信し、前記構成情報に基づいて前記第1のパラメータを取得する方式、
前記第1のSCIを受信し、前記第1のSCIに基づいて前記第1のパラメータを取得する方式のうちの少なくとも1つによって前記第1のパラメータを取得することを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第2のSCIは四位相偏移QPSK変調を使用し、及び/又は前記第1のSCIは前記第2のSCIのビットレートを指示することを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記第2のSCIのビットレートは前記PSSCHのビットレートと同じであることを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記第2の伝送リソースは、前記第1の伝送リソースと重なっていないことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のSCIは、リスニングに用いられる情報を含む第3の情報領域を含み、前記第2のSCIは、前記PSSCHを復調するための情報を含むことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記のリスニングに用いられる情報は、
前記第3の伝送リソースの情報、前記PSSCHにより運ばれるサービスの優先順位情報、予約伝送リソースの指示情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項 11に記載の方法。
【請求項13】
前記の前記PSSCHを復調するための情報は、
ハイブリッド自動再送要求HARQプロセス番号、新規データ指示NDI、前記PSSCHを送信する端末装置の識別情報及び目標識別情報のうちの少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
端末装置(1500)であって、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法を実行することを特徴とする端末装置。
【請求項15】
ネットワーク機器であって、請求項1~6と8~13のいずれか一項に記載の方法を実行することを特徴とするネットワーク機器。」
「【0003】
(中略)第1のPSCCHは、サイドリンクの受信側がリスニングするための情報を運んでもよく、第2のPSCCHは、PSSCHを復調する情報を運んでもよい。」
「【0020】
分散型の伝送モードについては、ネットワークカバレッジがある場合、ネットワーク機器は、システム情報ブロック(system information block、SIB)又は無線リソース制御(radio resource control、RRC)シグナリングを介して端末装置にリソースプールを構成してもよく、端末装置はV2Xデータを送信する時、ランダムな選択によって、リスニング予約メカニズム又は部分的リスニング予約メカニズムに基づいてリソースプールから一部のリソースを自律的に取得してデータを送信してもよい。(後略)」
「【0024】
図2では、制御チャネルは、2次PSCCHであり、すなわち、制御チャネルは第1のPSCCHと第2のPSCCHを含む。ここで、第1のPSCCHは、リソースリスニングに用いられる情報、及び第2の伝送リソース(すなわち、第2のPSCCHが占用する伝送リソース)を確定するための情報を運び、例えば、リソースリスニングに用いられる情報は、第1のPSCCHに運ばれる第1のSCIの第1の情報領域により指示され、第2の伝送リソースを確定するための情報は、第1のPSCCHに運ばれる第1のSCIの第2の情報領域により指示され、第2のPSCCHは、PSSCHを復調するための情報を運ぶ。図2では、第1のPSCCHと第2のPSCCHの時間周波数位置は概略的なものであり、第1のPSCCHと第2のPSCCHの時間周波数位置を限定するものであると理解されてならない。
【0025】
上記のリソースリスニングに用いられる情報は、PSSCHの伝送リソースの情報、PSSCHに運ばれるサービスの優先順位情報、及び予約伝送リソースの指示情報のうちの1つの情報を含んでもよい。」
「【0095】
任意選択的に、前記第1のPSCCHに運ばれる第1のSCIは、リソースリスニングに用いられる情報を含む第3の情報領域を含み、前記第2のPSCCHに運ばれる第2のSCIは、前記PSSCHを復調するための情報を含む。
【0096】
任意選択的に、前記のリソースリスニングに用いられる情報は、前記第3の伝送リソースの情報、前記PSSCHに運ばれるサービスの優先順位情報、予約伝送リソースの指示情報のうちの少なくとも1つを含む。」
3 基準明細書等に記載された事項
本件訂正前の特許請求の範囲及び明細書に記載された上記事項に関連する、基準明細書等に記載された事項は、以下のとおりである。なお、( )内は、本件国際出願の国際公開である国際公開第2021/062580号におけるページ番号、及び行番号を示す。
「
[図:0001411203000001.jpg]
」(1ページ14行及び15行)
「
[図:0001411203000002.jpg]
」(3ページ14行ないし17行)
「
[図:0001411203000003.jpg]
」(3ページ31行ないし4ページ3行)
「
[図:0001411203000004.jpg]
」(11ページ17行ないし20行)
「
[図:0001411203000005.jpg]
」(15ページ19行ないし25行)
「
[図:0001411203000006.jpg]
」(17ページ10行ないし14行)
4 訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正事項1は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11、12に記載された「リスニング」を「センシング」に訂正し、請求項11、12の記載を引用する請求項13ないし15も同様に訂正するものである。
ここで、基準明細書等の1ページ14行及び15行、3ページ14行ないし17行、3ページ31行ないし4ページ3行、11ページ17行ないし20行、15ページ19行ないし25行、及び17ページ10行ないし14行に記載された
「
[図:0001411203000007.jpg]
」
という中国語の用語は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11及び12、並びに明細書の段落0003、0020、0024、0025、0095、及び0096において、一貫して「リスニング」と翻訳されていた。
しかしながら、中国語の当該用語は、単なる「リスニング」を意味するものではなく、むしろ「センシング」の意味を含むものである。
また、本件国際出願の出願前において、サイドリンク通信を行う端末装置が「センシング」を行うことは、移動体通信分野における技術常識であったことから、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11及び12、並びに明細書の段落0003、0020、0024、0025、0095、及び0096の文脈における「リスニング」という訳語は、本来「センシング」と翻訳すべきものであったといえる。
そうすると、本件訂正前の特許請求の範囲に記載された「リスニング」という日本語は、中国語の当該用語を誤訳したものといえる。
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、誤訳された「リスニング」を正しい訳語である「センシング」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2)一群の請求項について
本件訂正前の請求項11ないし15において、請求項12は、請求項11の記載を引用するものであり、また請求項13は請求項11又は12の記載を引用するものであり、さらに、請求項14は請求項1ないし13のいずれか一項の記載を引用するものであり、その上、請求項15は請求項1ないし6と請求項8ないし13のいずれか一項の記載を引用するものであるから、請求項11ないし15は、訂正事項1により記載が訂正される請求項11又は12に連動して訂正されるものである。
また、本件訂正前の請求項11の記載を引用する請求項は請求項12ないし15以外に存在せず、さらに、本件訂正前の請求項12の記載を引用する請求項は請求項13ないし15以外に存在しない。
そうすると、本件訂正前の請求項11ないし15に対応する本件訂正後の請求項11ないし15は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
したがって、本件訂正審判の請求は、2以上の請求項に係る願書に添付した特許請求の範囲の訂正をする場合において、当該請求項の中に一群の請求項があるときに、当該一群の請求項ごとに当該請求をするものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。
(3)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
上記「(1)」のとおり、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものであるから、上記「1」のとおり、訂正事項1について、特許法第126条第5項かっこ書で規定する「願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」は、基準明細書等となる。
そして、上記「(1)」のとおり、訂正事項1による訂正後の「センシング」という事項は、基準明細書等に記載された
「
[図:0001411203000008.jpg]
」
という中国語の用語の正しい訳語であるから、基準明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、願書に最初に添付した外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(4)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて
本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、上記「(1)」のとおり、誤訳の訂正を目的とするものであって、本件訂正の前後で特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(5)独立特許要件について
訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものであるから、本件訂正後の請求項11ないし15に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討する。
本件特許の請求項11ないし15に係る発明は、拒絶の理由を発見しないとして特許されたものであり、また、上記「(4)」のとおり、訂正事項1は、本件訂正の前後で特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものではない。
そして、本件訂正後の請求項11ないし15に係る発明について、新たな拒絶理由を発見しないから、本件訂正後の請求項11ないし15に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(6)訂正事項1についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものであり、かつ、同条第3項、第5項、第6項、及び第7項の規定に適合するものである。
5 訂正事項2について
訂正の目的について
訂正事項2は、明細書の段落0003、0020、0024、0025、0095、0096に記載された「リスニング」を「センシング」に訂正するものである。
また、上記「4」の「(1)」のとおり、本件訂正前の特許請求の範囲及び明細書に記載された「リスニング」という日本語は、基準明細書等に記載された
「
[図:0001411203000009.jpg]
」
という中国語の用語について、「センシング」と翻訳すべきところ誤訳したものといえる。
そして、訂正事項2は、誤訳された「リスニング」を正しい訳語である「センシング」に訂正するものであるから、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものである。
(2) 一群の請求項の全てについて行うものであるかについて
本件訂正は、訂正事項1及び2を含むものであって、訂正事項2は明細書を訂正するものであり、かつ、訂正事項1は、上記「4」の「(2)」のとおり、一群の請求項ごとに訂正審判を請求するものであるから、本件訂正は、特許法第126条第4項に規定された、願書に添付した明細書又は図面の訂正をする場合、かつ、一群の請求項ごとに同条第1項の規定による請求をする場合に該当するものである。
そして、特許法第126条第4項の規定により、訂正事項2に関連して、本件訂正は、「当該明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て」について行わなければならない。
ここで、請求人は、審判請求書において、訂正事項2に係る請求項を特定していないが、訂正事項2による訂正前の「リスニング」という用語は、本件訂正前の請求項11及び12に記載されており、また、請求項11又は12の記載を引用する請求項13ないし15も「リスニング」を間接的に含むといえる。
そうすると、本件訂正は、特定の請求項11ないし15と関係する明細書を訂正するものであるから、その明細書中の訂正事項(訂正事項2)は、当該請求項11ないし15についての訂正事項として扱う(審判便覧38-02の「1」を参照。)。
そして、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2について、特許法第126条第4項に規定された「当該明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て」は、請求項11ないし15である。
ところで、訂正事項1は、本件訂正前の請求項11、12の記載を訂正し、請求項11、12の記載を引用する請求項13ないし15も同様に訂正するものであるから、特許法第126条第4項に規定された「当該明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全て」について訂正するものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2に関しては、訂正事項1とともに訂正することで、特許法第126条第4項の規定に適合する。
(3)願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であるかについて
上記「4」の「(3)」で検討したとおり、訂正事項2による訂正後の「センシング」という事項は、基準明細書等に記載された
「
[図:0001411203000010.jpg]
」
という中国語の用語の正しい訳語であって、基準明細書等に記載した事項の範囲内のものといえる。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、願書に最初に添付した外国語書面に記載した事項の範囲内においてするものであるから、特許法第126条第5項の規定に適合する。
(4)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるかについて
本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、上記「(1)」で検討したとおり、誤訳の訂正を目的とするものであって、本件訂正の前後で特許請求の範囲を実質上拡張又は変更するものではないから、特許法第126条第6項の規定に適合する。
(5)独立特許要件について
訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものであるから、「センシング」という用語を含む点で対応する本件訂正後の請求項11ないし15に係る発明について、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるかについて検討すると、上記「4」の「(5)」のとおり、本件訂正後の請求項11ないし15に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。
したがって、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第7項の規定に適合する。
(6)訂正事項2についてのまとめ
以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正事項2は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものであり、かつ、同条第4項ないし第7項の規定に適合するものである。
第5 むすび
以上のとおり、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。
よって、結論のとおり審決する。
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2023-390140