審決検索MVP
← 検索一覧に戻る
特許拒絶査定不服審判

2023-000337

可視又は赤外レーザー硬化型のカチオン重合系エポキシ樹脂組成物

審判番号
2023-000337
法域
特許
審判種別
拒絶査定不服審判(拒絶査定不服の審決)
出願番号
特願2021-081236外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
請求日
2023年01月10日
審決日
2025年04月24日
公報発行日
2025年07月25日
結論
請求不成立
審判長/審判官
分類
P18 .121-WZ (C08G)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法29条2項
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特願2021- 81236「可視又は赤外レーザー硬化型のカチオン重合系エポキシ樹脂組成物」拒絶査定不服審判事件〔令和 4年11月25日出願公開、特開2022-175092〕について、次のとおり審決する。

結論

結 論 本件審判の請求は、成り立たない。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本願は、令和3年5月12日の出願であって、以降の手続の経緯は次のとおりである。 令和4年 6月10日付け 拒絶理由通知(最初) 同 年 8月12日 意見書及び手続補正書の提出 同 年 9月28日付け 拒絶査定 令和5年 1月10日 審判請求書及び手続補正書の提出 同 年 3月13日付け 拒絶理由通知 同 年 5月12日 意見書の提出 同 年 5月18日 手続補足書の提出 令和6年12月16日付け 拒絶理由通知 令和7年 2月13日 意見書の提出 第2 請求項1に記載された発明 請求項1~6に係る発明は、令和5年1月10日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定されるとおりのものであり、そのうち、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、以下のとおりのものである。 「可視又は赤外レーザー硬化型のカチオン重合系エポキシ樹脂組成物であって、 (A)脂環型エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、 (B)酸発生剤、 (C)オキセタン樹脂、及び (D)カチオン重合系エポキシ樹脂組成物の全体に対して40~80重量%の無機フィラー を含む、 カチオン重合系エポキシ樹脂組成物。」 第3 拒絶の理由 令和6年12月16日付けで当審が通知した拒絶理由の概要は、以下のとおりのものである。 ●理由1(進歩性) この出願の下記の請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された引用文献3及び4に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 第4 引用文献に記載された事項及び引用発明の認定 1 令和6年12月16日付け拒絶理由において引用された、本願の出願日前の平成31年3月7日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、引用文献3:国際公開第2019/043778号に記載された事項及び発明 (1)引用文献3に記載された事項 引用文献3には、次の事項が記載されている。(下線は当審で強調のため付与。以下同じ。) ア 「[請求項1] カチオン重合性化合物と、熱重合開始剤と、保存安定剤とを含み、 前記カチオン重合性化合物が、グリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ化合物、およびオキセタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種を含み、 前記熱重合開始剤の含有量が、前記カチオン重合性化合物100質量部に対して0.3~3質量部であり、 前記カチオン重合性化合物の重合反応により発生した熱エネルギーにより連鎖硬化可能である、硬化性組成物。」 イ 「[0002] 部品単品公差や構造組立公差により部品間にギャップが発生する。発生したギャップにシムを挿入することが行われている。ギャップを再現するシムを製作する手法として下記手法が取られている。 (1)フィラーゲージによるギャップ測定。 (2)接触式または非接触式のギャップ測定器(Gap Master等)の適用。 (3)エポキシ樹脂による型取り。 上述の手法のうち、複雑な3D形状の型取りや高精度なシム形状が要求される場合には、ギャップ測定精度の観点から手法(3)が適用されている。 [0003] 手法(3)では、樹脂準備、塗付作業、樹脂硬化時間、硬化樹脂測定作業等、シム製作までに多大な時間を要する。将来的な高レート生産達成には、シム製作までの時間の短縮が課題となる。しかし、樹脂の可使時間(ポットライフ)の長さと硬化時間の短さとの相反する関係により劇的な時間短縮は見込めない。すなわち、硬化時間の短い樹脂は可使時間も短く、塗付作業を行うのに充分な可使時間を確保できない。したがって、硬化時間の短い樹脂を採用できない。加えて、型取りに際しては通常、対象構造部材の表面温度が許容温度を逸脱しないことが要求される。シール材が塗布されているシール接着面の許容温度は例えば60℃未満であり、プライマーが塗布されているプライマー塗布面の許容温度は例えば93℃未満である。したがって、加温による硬化促進等、樹脂硬化促進を図る手法にも劇的な効果が見込めず、十分な時間短縮は厳しい状況である。 [0004] ところで特許文献1には、カチオン重合性有機物質混合物として芳香族エポキシ化合物と、脂環式エポキシ化合物または脂肪族エポキシ化合物と、多官能脂肪族オキセタン化合物とを含み、芳香族エポキシ化合物が主成分である組成物が提案されている。特許文献1にはまた、この組成物にカチオン重合開始剤を含有させることが記載されている。カチオン重合開始剤は、カチオン重合性有機物質混合物100質量部に対して7~10質量部の割合で用いられている。 特許文献1には、組成物をシム製作に用いることは記載されていない。特許文献1に記載の組成物は、硬化させる際に130~180℃で加熱する必要があり、上述の許容温度を逸脱する。」 ウ 「[0006] 本発明は、十分な長さの可使時間を確保でき、可使時間経過後に65℃以下の温度でも迅速に硬化可能な硬化性組成物、これを用いた硬化性ペースト材、硬化性シート材、硬化性型取り材、硬化方法および硬化物を提供することを目的とする。」 エ 「[0034](熱重合開始剤) 熱重合開始剤は、熱により分解し、ルイス酸またはプロトン酸を発生し得る化合物である。ルイス酸またはプロトン酸の作用によってカチオン重合性化合物の重合反応が開始される。 熱重合開始剤としては、65℃以下の温度での硬化性組成物の連鎖硬化を可能とする観点から、65℃以下の温度で分解し、ルイス酸またはプロトン酸を発生し得る化合物が好ましい。このような化合物としては、例えば下記式(I-1)で表されるスルホニウム塩、下記式(I-2)で表されるスルホニウム塩等が挙げられる。これらの熱重合開始剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。 [0035] [化3] [図:0001423849000001.jpg] [0036] ここで、R1は水素原子、メチル基、アセチル基(CH3CO)またはメトキシカルボニル基(CH3OCO)を示し、R2およびR3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1~4のアルキル基を示し、R4は水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、メチル基またはメトキシ基を示し、R5は炭素数1~4のアルキル基を示し、XはSbF6、PF6、AsF6またはBF4を示す。 [0037] 熱重合開始剤としては、連鎖硬化特性の観点から、上記式(I-1)または(I-2)で表されるスルホニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。 式(I-1)または(I-2)で表されるスルホニウム塩としては、R1が水素原子、アセチル基またはメトキシカルボニル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子であり、R4が水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基またはメチル基であり、R5がメチル基であるスルホニウム塩が好ましい。中でも、式(I-1)で表され、R1がメトキシカルボニル基であり、R2およびR3がそれぞれ水素原子であり、R4が水素原子であり、R5がメチル基であり、XがSbF6であるスルホニウム塩、すなわち下記式(I-1-1)で表されるスルホニウム塩が好ましい。 [0038] [化4] [図:0001423849000002.jpg] 」 オ 「[0040] 保存安定剤としては、例えば、下記式(II)で表されるスルホニウム塩等が挙げられる。これらの保存安定剤はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。 [0041] [化5] [図:0001423849000003.jpg] 」 カ 「[0068] 本発明の硬化性組成物の用途は特に限定されず、例えば硬化性型取り材、硬化性シート材、硬化性ペースト材、ポッティング材、注型材、接着剤、塗料、コーティング剤等に用いることができる。 構造部材間のギャップ、例えば航空機の主翼とエンジンナセルとの間の隙間、に配置されるシムの作製に用いられる硬化性型取り材には、ある程度の可使時間を確保しつつ硬化時間を短くすることが望まれる。また、以下の条件1~7を満たすことが望まれることがある。本発明の硬化性組成物は、これらの条件を満たし得る。したがって、本発明の硬化性組成物の用途としては、構造部材間のギャップに配置されるシムを作製するための硬化性型取り材が好適である。」 キ 「[0074] 硬化性組成物等は、硬化性組成物等の一部に熱エネルギー(一次熱エネルギー)を付与することにより硬化させることができる。 熱エネルギーの付与方法としては、特に限定されず、例えば硬化性組成物等を、連鎖硬化可能な温度条件下に置く方法、硬化性組成物等の一部を、加熱手段を用いて、連鎖硬化可能な温度に加熱する方法等が挙げられる。加熱手段としては、ドライヤー、棒状ヒーター、ヒータ―ブランケット、赤外線ヒーター、オーブン等が挙げられる。」 ク 「[0077] 硬化物の用途は特に限定されない。例えばシム作製のための型、ブッシュ作製のための型、封孔材または穴埋め材およびこれらを作製する際の型、注型材、接着剤用途、塗料用途、コーティング剤用途等に用いることができる。 シム作製のための型の形状の一例は、最大長さ約2m、幅約0.2m、板厚約0.2~3mmの形状である。」 ケ 「[0079](使用材料) 828:三菱ケミカル社製「jER(登録商標) 828」、ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物。 2021P:ダイセル社製「セロキサイド(登録商標) 2021P」、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート。 OXBP:宇部興産社製「ETERNACOLL(登録商標) OXBP」、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル。 EHO:宇部興産社製「ETERNACOLL EHO」、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン。 [0080] SI-60:熱重合開始剤、三新化学工業社製「サンエイドSI-60」、上記式(I-2)で表されるスルホニウム塩。 SI-45:熱重合開始剤、三新化学工業社製「サンエイドSI-45」、上記式(I-1-1)で表されるスルホニウム塩。 SI-B2A:熱重合開始剤、三新化学工業社製「サンエイドSI-B2A」。 UVI-6974:光重合開始剤、ダウ・ケミカル社製「UVI-6974」、ジフェニル[4-(フェニルチオ)フェニル]スルホニウム ヘキサフルオロアンチモナート(V)。 保存安定剤:三新化学工業社製「SI-助剤」、上記式(II)で表される化合物。 SI-60、SI-45、SI-B2A、保存安定剤はそれぞれ、50質量%溶液(溶媒:γ-ブチロラクトン)にして用い、UVI-6974は50質量%溶液(溶媒:プロピレンカーボネート)のものを用いた。 [0081] EXV-5:商品名、レーザーネット社販売、シリカフィラー。 URE-FIL9:商品名、シリカフィラー(ヒュームドシリカ(ナノ粒子))。 FB-5D:商品名、デンカ社、シリカフィラー、粉体状、平均粒度5μm。 FB-20D:商品名、デンカ社、シリカフィラー、粉体状、平均粒度20μm。 FB-950:商品名、デンカ社、シリカフィラー。」 コ 「[0092](実施例32~50、比較例3~7) SI-45とSI-助剤を、表4の互いの混合比率と同比率(例えば其々2倍量ずつ)となるようにそれぞれの固形分を遮光性の容器に量り取り、これに量り取った固形分の全量と同量のγ-ブチロラクトンを投入して固形分を溶かし、保存安定剤入り重合開始剤溶液を作製した。 別の遮光性容器にSI-B2Aを10g量り取り、これにγ-ブチロラクトンを10g投入して固形分を溶かし、SI-B2A の50質量%溶液を作製した。UVI-6974は最初からプロピレンカーボネートの50質量%溶液であるので使用する際はこのまま使用した。遮光性容器に表4に示す各重合開始剤の固形分の互いの混合比率と同比率(例えば其々2倍量ずつ)を投入し、重合開始剤の混合液を作製した(混合液を用いなくても良い場合はこの工程は不要)。 表4に示す各主剤成分を所定量混合して主剤混合物を作製し、これに表4に示す所定量のフィラーを投入し、混合および混練した。一様なペースト混合物となったら、これを15℃以下になるまで冷却した。 15℃以下となったペースト混合物に、表4に示す各重合開始剤および保存安定剤の所定量となる様に重合開始剤の混合液(または保存安定剤入り重合開始剤溶液)を計量および投入し、投入後、一様なるように混練し、ペースト状の硬化性組成物を得た。 [0093] 図3~5を用いて、硬化性組成物の評価に用いた適用模擬試験を説明する。図3は適用模擬試験における評価試料を説明する模式上面図であり、図4はその側面図である。図5は、適用模擬試験の実施状況を説明する模式図である。試験の概要は以下のとおりである。 CFRPプレート1およびTiプレート3の2種類の材質の異なるプレートと、60℃に加温可能な棒状先端部11aを有するヒータ11とを用意した。CFRPプレート1およびTiプレート3はそれぞれ長径700mm、短径300mmの楕円形状である。Tiプレート3の長径方向の中央から一端までの範囲内には、ヒータ11の棒状先端部11aを挿入するための貫通孔3a(直径15mm)が5つ形成されている。5つの貫通孔3aは、上面視で四角形の4つの頂点および中心の位置に形成されている。 この2枚のプレートの間に、各プレートとの接触面に樹脂フィルム5を配した状態で、上記で得られたペースト状の硬化性組成物を塗布して挟み、スペーサ9(厚さ3.0mm)によって隙間を維持したままクランプして固定した。これにより、CFRPプレート1と樹脂フィルム5と硬化性組成物の層7(厚さ3.0mm)と樹脂フィルム5とTiプレート3とがこの順に積層した評価試料を得た。・・・ クランプ固定後に、ヒータ11の棒状先端部11aを60℃に加温および保持し、評価試料のTiプレート3の貫通孔3aに挿し入れて1時間固定し、その後ヒータ11は取り外した。但し、一部の試験については最初からヒータ11を取り外した形態で試験を実施した。評価試料の硬化性組成物の層7のうち、挿入した棒状先端部11aとの接触箇所を強制硬化部位、ヒータ11の影響のないヒータ11から離れた箇所(例えば、図3の楕円右側の端部側(長軸右端部側)で硬化性積層物7の端部)を自然硬化部位として下記評価を行った。結果を表5に示す。」 サ 「[0095]<強制硬化> 図3~4の様にしてペースト状の硬化性組成物7をプレート1,3の間に挟み、厚さ3mmの硬化性組成物の層を形成した。これらの試料を図5の様にして上述した条件で硬化させ、ヒータ11の棒状先端部(60℃保持)が接触している箇所を強制硬化部位とした。1時間後にヒータを取り外し、強制硬化部位の硬度(ショア硬度)を硬度計により測定し、硬化開始から1時間後の硬度を以下の基準で判定した。 ◎(特に良好):硬度が60Hs以上。 ○(良好):硬度が30Hs以上60Hs未満。 △(不良):硬度が15Hs以上30Hs未満。 ×(不可):硬度が15Hs未満。」 シ 「[0098] [表4] [図:0001423849000004.jpg] 」 ス 「[図5] [図:0001423849000005.jpg] 」 (2)引用文献3に記載された発明 上記(1)に記載されるように、[請求項1]の「カチオン重合性化合物と、熱重合開始剤と、保存安定剤とを含み、前記カチオン重合性化合物が、グリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ化合物、およびオキセタン化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種を含み、前記熱重合開始剤の含有量が、前記カチオン重合性化合物100質量部に対して0.3~3質量部であり、前記カチオン重合性化合物の重合反応により発生した熱エネルギーにより連鎖硬化可能である、硬化性組成物。」なる記載、[0034]の「熱重合開始剤は、熱により分解し、ルイス酸またはプロトン酸を発生し得る化合物である。ルイス酸またはプロトン酸の作用によってカチオン重合性化合物の重合反応が開始される」旨の記載、[0038]の[化4]の記載、[0041]の[化5]の記載、[0092]の「SI-45とSI-助剤を、表4の互いの混合比率と同比率(例えば其々2倍量ずつ)となるように・・・投入後、一様なるように混練し、ペースト状の硬化性組成物を得た」旨の記載、[0093]の「CFRPプレート1及びTiプレート3の2種類の材質の異なるプレートと、60℃に加温可能な棒状先端部11aを有するヒータ11とを用意した。・・・この2枚のプレートの間に、各プレートとの接触面に樹脂フィルム5を配した状態で、上記で得られたペースト状の硬化性組成物を塗布して挟み、スペーサ9(厚さ3.0mm)によって隙間を維持したままクランプして固定した。これにより、CFRPプレート1と樹脂フィルム5と硬化性組成物の層7(厚さ3.0mm)と樹脂フィルム5とTiプレート3とがこの順に積層した評価試料を得た。・・・評価試料の硬化性組成物の層7のうち、挿入した棒状先端部11aとの接触箇所を強制硬化部位、ヒータ11の影響のないヒータ11から離れた箇所・・・を自然硬化部位として下記評価を行った」旨の記載、[0095]の「ペースト状の硬化性組成物7をプレート1,3の間に挟み、厚さ3mmの硬化性組成物の層を形成した。これらの試料を図5の様にして上述した条件で硬化させ、ヒータ11の棒状先端部(60℃保持)が接触している箇所を強制硬化部位とした。」旨の記載、図5、[0098]の[表4]の実施例43の記載に着目して、[0079]~[0081]の「使用材料」の記載も踏まえて整理すると、同文献には次の発明が記載されていると認める。 「棒状ヒータで硬化させるための硬化性組成物であって、11.2gのビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)828」)、11.2gの3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製「セロキサイド(登録商標)2021P」)、5.6gの4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル(宇部興産社製「ETERNACOLL(登録商標)OXBP」)、0.549gの下記式(I-1-1)で表されるスルホニウム塩(熱重合開始剤、三新化学工業社製「サンエイドSI-45」)の50wt%溶液、0.0112gの下記式(II)で表される保存安定剤(三新化学工業社製「SI-助剤」)の50wt%溶液、35gのシリカフィラー(レーザーネット社販売「EXV-5」)と1.4gのシリカフィラー(ヒュームドシリカ(ナノ粒子))(「URE-FIL9」)からなる硬化性組成物。 [図:0001423849000006.jpg] [図:0001423849000007.jpg] 」(以下、「引用発明」という。) 2 引用文献4に記載された事項 令和6年12月16日付け拒絶理由通知において引用された、本願の出願日前の平成28年5月23日に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった、特開2016-088980号公報(以下、「引用文献4」という。)には、次の事項が記載されている。 ア 「【0003】 そのような熱硬化性の樹脂材料を硬化するに際しては、例えば、過酷な条件下におけるクラックやボイドの防止等、高い信頼性を確保するために、長時間の加熱が行われている。しかし、そのような長時間の加熱を行う場合には、熱硬化用オーブンの内部空間や成型金型全体を加熱するためのエネルギー量が膨大であるため、硬化に要するエネルギー量を極力削減することが求められている。レーザー光を照射することによる熱硬化は、そのようなエネルギー量削減と硬化時間短縮のために有用な方法である。」 イ 「【0008】 従って、本発明の目的は、製造時間の短縮と製造に要するエネルギーの削減が可能であり、透明性と耐久性とが両立した硬化物を優れた生産性で製造することができる方法を提供することにある。 また、本発明の他の目的は、上記方法により得られる硬化物を含んでおり、生産性、品質、及び耐久性に優れた光学装置(例えば、光半導体装置等)を提供することにある。」 ウ 「【0174】 上記硬化工程においては、上記レーザー光として600~3000nmのいずれかの波長のレーザー光を用いることが重要である。このような特定波長のレーザー光を使用することにより、上記電磁波吸収性物質の含有量が5重量%未満の硬化性樹脂組成物であっても、短時間且つ高い硬化度で硬化させることができ、透明性及び耐久性に優れた硬化物を高い生産性で製造することが可能となる。上記レーザー光としては、特に、硬化性樹脂組成物の硬化をより短時間且つ高い硬化度で進行させることができる点で、700~2000nmのいずれかの波長のレーザー光が好ましく、より好ましくは750~1500nmのいずれかの波長のレーザー光、さらに好ましくは800~1200nmのいずれかの波長のレーザー光、特に好ましくは900~1000nmのいずれかの波長のレーザー光である。」 エ 「【0179】 本発明の硬化物の製造方法は、従来の加熱炉(オーブン)や金型成型による硬化(熱硬化)を行う場合に比べて硬化時間が短く、硬化物及びこれを含む物品(例えば、光半導体装置等の光学装置)の製造時間短縮に大きく寄与する発明である。また、本発明の硬化物の製造方法によると、上述の従来の方法に比べてエネルギーの大幅な削減が可能である。さらに、本発明の硬化物の製造方法によると、硬化度の高い硬化物を短時間で製造することが可能である。さらに、本発明の硬化物の製造方法は、硬化性樹脂組成物を特定波長のレーザー光の照射により硬化させる方法であるため、硬化性樹脂組成物をその内部から外側(外気との界面)に向かって歪みを解放させながら硬化させることができる。その結果、硬化物を含む物品(例えば、光半導体装置等の光学装置等)において硬化物にクラックが生じにくくなったり、周辺部材との剥離が生じにくくなるため、信頼性の高い物品が得られる。従来の加熱炉や金型成型による硬化を行う方法では、熱硬化性の樹脂材料と外気との界面から硬化が開始するために内部に歪みが溜まりやすく、このような歪みにより硬化物のクラックや周辺部材からの剥離等の不具合が生じやすかった。」 オ 「【0187】 本発明の硬化物の製造方法により得られる硬化物は、各種用途に使用することができ、特に限定されないが、例えば、電気絶縁材、積層板、コーティング、インク、塗料、シーラント、レジスト、複合材料、透明基材、透明シート、透明フィルム、光造形、電子ペーパー、タッチパネル、太陽電池基板、光導波路、導光板、ホログラフィックメモリ等の各種用途(例えば、これら物品の構成材料、当該物品を構成する部材、原料等として)使用することができる。また、本発明の硬化物の製造方法を利用することにより、本発明の硬化物を搭載する(少なくとも有する)物品が得られる。物品としては特に限定されず、例えば、このような物品が光学装置である場合には、本発明の硬化物の製造方法により得られる硬化物の特徴である優れた透明性と耐久性とを特に有効に発揮させることができる。光学装置としては、例えば、液晶表示装置、光半導体表示装置、プラズマディスプレイパネル、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ、スマートフォンや携帯電話等の携帯端末等の公知乃至慣用の光学装置が挙げられる。光学装置において本発明の硬化物が含まれる態様は特に限定されない。」 第5 対比・判断 1 対比 本願発明と引用発明とを対比する。 (1)引用発明における「ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)828」)」は、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂であり、「3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製「セロキサイド(登録商標)2021P」)」は、脂環型エポキシ樹脂であるから、引用発明における「ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル化合物(三菱ケミカル社製「jER(登録商標)828」)、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3,4-エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル社製「セロキサイド(登録商標)2021P」)」は、本願発明における「(A)脂環型エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂」に相当する。 (2)引用発明における「4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル」は、その構造中にオキセタンを有するから、本願発明における「(C)オキセタン樹脂」に相当する。 (3)引用文献3の[0034]を参照すると、引用発明における「式(I-1-1)(当審注:構造式は省略する。以下についても同様。)で表されるスルホニウム塩(熱重合開始剤、三新化学工業社製「サンエイドSI-45」)」は、熱により分解してルイス酸またはプロトン酸を発生させ、それによってカチオン重合性化合物の重合反応が開始されるものであるから、本願発明における「(B)酸発生剤」に相当する。 (4)引用発明における「硬化性組成物」は、引用文献3の[請求項1]に記載されているように、グリシジルエーテル化合物、脂環式エポキシ化合物、オキセタン化合物と、熱重合開始剤(酸発生剤)であるスルホニウム塩を含むものであるから、本願発明における「カチオン重合系エポキシ樹脂組成物」に相当する。 (5)引用発明における35gの「シリカフィラー(レーザーネット社販売「EXV-5」)」と1.4gの「シリカフィラー(ヒュームドシリカ(ナノ粒子))(「URE-FIL9」)」は、その合計が36.4gであるところ、組成物全体(64.68g)に占める割合が約56.3重量%となるから、両者をあわせて本願発明における「(D)カチオン重合系エポキシ樹脂組成物の全体に対して40~80重量%の無機フィラー」に相当する。 そうすると、両者は次の点で一致する。 ・一致点 「カチオン重合系エポキシ樹脂組成物であって、 (A)脂環型エポキシ樹脂及びグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、 (B)酸発生剤、 (C)オキセタン樹脂、及び (D)カチオン重合系エポキシ樹脂組成物の全体に対して40~80重量%の無機フィラー を含む、 カチオン重合系エポキシ樹脂組成物。」 そして、両者は以下の点で相違する。 <相違点1> カチオン重合系エポキシ樹脂組成物が、本願発明は「可視又は赤外レーザー硬化型」のものであるのに対し、引用発明は「棒状ヒータで硬化させる」ものである点 2 判断 (1)上記相違点1について検討する。 引用発明は、エポキシ樹脂組成物の加熱手段として棒状ヒータを用いているが、引用文献3には、熱エネルギーの付与方法として、棒状ヒーターのほか、ドライヤー、ヒーターブランケット、赤外線ヒーターやオーブン等が置換可能な加熱手段として記載されており(上記第4の1(1)キ)、これらの加熱手段は一般的には産業向けの設備であって、例えば棒状ヒーターを用いる場合には、60℃で1時間の加熱を行うことが記載されており(上記第4の1(1)コ)、設備面でもおおがかりで、長時間の加熱により、エネルギー消費が大きいものといえる。 一方、引用文献4には、熱硬化性の樹脂材料を硬化するに際には、長時間の加熱が行われているが、熱硬化用オーブンのような加熱手段は加熱するためのエネルギー量が膨大であるため、レーザー光による熱硬化がエネルギー量削減と硬化時間短縮のために有用であること(上記第4の2ア)、硬化工程においては、600~3000nm、さらに好ましくは800~1200nmのいずれかの波長のレーザー光を用いることにより、短時間且つ高い硬化度で硬化させることができること(上記第4の2ウ)が記載されている。 そうすると、引用発明において、硬化性組成物の硬化時間を短縮し、使用するエネルギーを削減するために、ヒーターによる硬化に代えて、ヒーターとともに列記されているオーブンよりも短時間で硬化が可能な、可視光又は赤外光の波長域と重複する800~1200nm程度のレーザー光による硬化を選択することは、当業者であれば容易に想到し得ることである。 ここで、相違点1については上述のとおりであるが、その際に引用発明に引用文献4に記載された事項を適用するにあたり、各々の用途や効果の観点で更に検討すると以下のとおりである。 まず、硬化性組成物の用途について検討すると、引用文献3には、硬化性組成物の用途としては特に限定されず、シム作製のための型のほか、例えば硬化性型取り材、硬化性シート材、硬化性ペースト材、ポッティング材、注型材、接着剤、塗料、コーティング剤等に用いることができること(上記第4の1(1)カ、ク)が記載されている。 一方、引用文献4には、硬化物の用途は特に限定されないが、例えば、コーティング、インク、塗料等の各種用途(例えば、これら物品の構成材料、当該物品を構成する部材、原料等)に使用することができること(上記第4の2オ)が記載されている。 そうすると、両者の用途は重複しているといえるから、引用発明に引用文献4に記載された事項を適用できないとする特段の事情があるともいえない。 そして、本願発明の効果について検討すると、上述のとおり、硬化性組成物の硬化の方法として可視又は赤外レーザー照射を採用することで、オーブン等といった手法を用いるよりも硬化物を短時間かつ低エネルギーで得ることができる効果は、引用文献4に記載されるように明らかであるから、そのような効果は当業者が容易に予測できるものである。 また、本願発明について、実施例等で具体的にその効果を確認しているのは、本願明細書を参照しても、エポキシ樹脂組成物を可視又は赤外レーザー、具体的には980nmのレーザーで硬化させた場合のみであり、他の硬化方法との比較結果がなく、さらに評価方法が本願発明にて特定されている条件でもないから、可視又は赤外レーザーによる硬化が、その他の方法と比較して格別顕著な効果を奏するものとも認められない。 (2)令和7年2月13日提出の意見書について 令和7年2月13日提出の意見書において、審判請求人は、以下の主張をしている。 ア 文献3(当審注:「引用文献3」のこと。以下同様。)はあくまでシム製作に用いられる硬化性組成物に関し、連鎖硬化温度は65℃以下が好ましく、室温程度(25±3℃程度)が特に好ましいと記載され(0075段落)、実施例ではいずれも室温で硬化させているが、優先日時点の技術水準においては、レーザー光照射は電子機器用の硬化性組成物においては汎用されていたが(例えば文献4)、シム製作用の硬化性組成物においては、毎回異なる狭ギャップに、ピンポイントレーザーを当てることは技術的に難しく、生産効率も悪いため、レーザー光照射は汎用されていなかったため、当業者が、あくまでシム製作に用いられる文献3の硬化性組成物においてレーザー光照射を適用して本願発明の構成に想到することが容易であったとは到底言えない。 イ 文献3では連鎖硬化温度は65℃以下が好ましく、室温程度(25±3℃程度)が特に好ましいとされており、本願発明におけるように可視又は赤外レーザー線を照射した場合、最低でも80℃程度には達し(令和4年8月12日提出意見書記載の試験例(表1)参照)、65℃を超えることが明らかであり、文献3自体の記載内容から、文献3の硬化性組成物に可視又は赤外レーザー線を照射することはむしろ回避すべきであると当業者は認識したはずで、当業者が本願発明の構成に想到することが容易であったとは到底言えない。 そこで、上記主張ア及びイについて検討する。 上記主張アについて、引用文献3には、上記第4の1(1)イに記載されるように、従来技術としてシム製作等に硬化性組成物を用いる場合の問題点について記載されてはいるものの、上記第4の1(1)ウに記載の課題は必ずしもシム製作における場合に限定されるものではなく、上記第4の1(1)カ、クに記載されるように、硬化性組成物の用途として、硬化性シート材、硬化性ペースト材、ポッティング材、注型材、接着剤、塗料、コーティング剤等も想定されているといえるから、引用文献3に従来技術としてシム製作等に硬化性組成物を用いる場合について記載されていることが、引用発明に引用文献4の技術を適用することについての阻害要因となるものではない。 しかも、引用発明はその用途がシム製作用に限られないから、加熱の上限温度は65℃に限られるものではなく、仮に上限温度が65℃であったとしても、本願発明も引用発明もともに組成物としてみた場合には差異がないし、加熱温度はレーザーの出力を制御することで対応可能なものといえる。 そうすると、シム製作における場合に限定されない引用発明において、上記(1)で判断したとおり、その硬化方法として可視光又は赤外光の波長域と重複する800~1200nm程度のレーザー光を用いることに困難性は認められないし、それによる効果も引用文献4から明らかである。 さらに、上記主張イは、引用文献3があくまでシム製作に用いられる硬化性組成物であることを前提としたものであるから、上述したとおり、当該主張は引用文献4の技術を適用する際の阻害要因となるものではない。 そうすると、審判請求人の上記主張は採用できない。 (3)小括 以上から、本願発明は、引用発明、すなわち引用文献3に記載された発明並びに引用文献3及び4に記載された事項に基づいて、当業者が容易に想到し得るものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。

審決本文(J-PlatPat)

J-PlatPatの審決検索トップを開きます。番号入力で「審判番号」を選び、下の番号を貼り付けて検索してください。

J-PlatPat 審決検索を開く
2023-000337

番号・当事者・条文・審決分類・商標の称呼が一致(または近い)審決を機械的に集めた候補です。判断内容は各審決の本文でご確認ください。

同じ当事者の審決5件(ヘンケルジャパン株式会社)
  • 2023-701256異議申立 / 2024-06-28 / 請求成立(取消)ホットメルト組成物
    同じ当事者: ヘンケルジャパン株式会社
  • 2023-701003異議申立 / 2024-03-27 / 訂正認容ホットメルト接着剤
    同じ当事者: ヘンケルジャパン株式会社
  • 2017-700333異議申立 / 2018-01-26 / 訂正認容ホットメルト接着剤
    同じ当事者: ヘンケルジャパン株式会社
  • 2017-700334異議申立 / 2017-07-28 / 維持ホットメルト接着剤
    同じ当事者: ヘンケルジャパン株式会社
  • 2017-700443異議申立 / 2017-07-26 / 維持ホットメルト接着剤
    同じ当事者: ヘンケルジャパン株式会社
同じ根拠条文の審決7,656件(特許法29条2項)
  • 2024-004697拒絶査定不服審判 / 2026-06-22 / 請求不成立表面処理剤
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-009260拒絶査定不服審判 / 2025-06-30 / 請求不成立装置、方法、プログラム、樹脂組成物の製造方法、ポリイミドフィルムの製造方法、ディ…
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-014623拒絶査定不服審判 / 2025-05-12 / 請求不成立バイオPET樹脂の製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-000606拒絶査定不服審判 / 2025-03-13 / 請求不成立ポリカーボネートの製造方法
    共通の条文: 特許法29条2項
  • 2023-006243拒絶査定不服審判 / 2024-11-25 / 請求不成立エラストマーおよびそれを用いたウェアラブルデバイス
    共通の条文: 特許法29条2項
検索でもっと見る →
同じ論点・分野の審決(審決分類)599件(121・C08G)
  • 2025-003481拒絶査定不服審判 / 2026-08-21 / 原査定取消(特許/登録すべき)ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム
    共通の審決分類: 121・C08G
  • 2024-018890拒絶査定不服審判 / 2026-08-20 / 原査定取消(特許/登録すべき)抗菌成形品
    共通の審決分類: 121・C08G
  • 2024-021086拒絶査定不服審判 / 2026-08-19 / 原査定取消(特許/登録すべき)色度が安定したイソシアヌレート含有ポリイソシアネート組成物の調製方法
    共通の審決分類: 121・C08G
  • 2024-019770拒絶査定不服審判 / 2026-08-18 / 原査定取消(特許/登録すべき)リサイクルプラスチック合成用単量体組成物、その製造方法、並びにそれを用いたリサイ…
    共通の審決分類: 121・C08G
  • 2025-005979拒絶査定不服審判 / 2026-07-30 / 原査定取消(特許/登録すべき)フッ素原子含有化合物
    共通の審決分類: 121・C08G

メモ・タグ(非公開)

あなただけに表示されます。審決本文の公開範囲は変わりません。

メモとタグは Pro の機能です。ログイン/Proでメモを保存