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特許異議申立

2023-701003

ホットメルト接着剤

審判番号
2023-701003
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-233576外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
登録番号
7245038
請求日
2023年09月21日
審決日
2024年03月27日
公報発行日
2024年06月28日
結論
訂正認容
当事者
審判長/審判官
分類
P1651.121-YAA(C09J) / P1651.113-YAA(C09J) / P1651.536-YAA(C09J) / P1651.537-YAA(C09J)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第29条第2項、特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第4項、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第6項、特許法第126条第5項、特許法第36条第6項第1号、特許法第36条第4項第1号、特許法第29条第1項
データ出所
審決公報(XML)

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特許第7245038号発明「ホットメルト接着剤」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7245038号の特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-6〕について訂正することを認める。 特許第7245038号の請求項1-6に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 本件特許に係る出願は、平成30年12月13日の出願であって、令和5年3月14日に特許権の設定登録(請求項の数6)がされ、同年同月23日に特許掲載公報が発行され、その後、その請求項1~6に係る特許に対し、令和5年9月21日に異議申立人 渋谷 都(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものであり、当審は、同年12月12日付けで取消理由を通知し、特許権者は、その指定期間内である令和6年2月1日に意見書の提出及び訂正の請求(以下その請求の内容を「本件訂正」という。)を行い、特許権者から訂正請求があったことを、同年同月7日付けで特許異議申立人に通知し、特許異議申立人は、同年3月13日に意見書を提出した。 第2 本件訂正の適否についての判断 1 本件訂正の内容 本件訂正は、以下の訂正事項1からなる。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1の「であって、」の後に「(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%であり、」を挿入する(請求項1の記載を引用する請求項2~6も同様に訂正する)。 2 一群の請求項について 訂正前の請求項1~6について、請求項2~6は請求項1を引用しており、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものである。したがって、訂正前の請求項1~6に対応する訂正後の請求項1~6は、特許法120条の5第4項に規定する一群の請求項である。そうすると、本件訂正は、一群の請求項についてされたものであるから、特許法120条の5第4項の規定に適合する。 3 訂正の適否 (1)訂正事項1 ア 訂正の目的の適否 訂正前の請求項1に係る発明では、(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の種類は特定されていない。 これに対して、訂正後の請求項1に係る発明では、(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の種類が、融点90~140℃、及びエチレン含有率5.5~10.0重量%を有するものに特定されている。 訂正事項1は、このように、特許請求の範囲を減縮しようとするものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものであるといえる。 イ 特許請求の範囲の拡張・変更の存否 前記アの理由から明らかなように、前記訂正事項は、発明特定事項を上位概念から下位概念にするものであり、カテゴリ-や対象、目的を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第6項に適合するものであるといえる。 ウ 新規事項の有無 前記訂正事項は、本件特許の願書に添付した明細書の記載に基づいて導き出される構成である。願書に添付した明細書の段落0026には、「(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の融点は90~140℃であるのが好ましい。(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体のエチレン含有率は5.5~10.0重量%であるのが好まし」いことが記載されている。 従って、前記訂正事項は、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に適合するものであるといえる。 (2)独立特許要件 本件においては、訂正前のすべての請求項について特許異議の申立てがされているので、特許法120条の5第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。 4 小括 以上のとおり、本件訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合するから、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~6について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 上記第2で述べたとおり、本件訂正は認められるので、本件特許の請求項1~6に係る発明は、令和6年2月1日付けの訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1~6に記載された事項により特定される次のとおりのもの(以下「本件特許発明1」~「本件特許発明6」、まとめて「本件特許発明」ともいう。)である。 「【請求項1】 (A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体、(B)エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体、(C)粘着付与樹脂および(D)ワックスを有し、 (A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を含む、ホットメルト接着剤であって、 (A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%であり、 (A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が、さらに、(A2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体を含み、 (A)~(D)の総重量100重量部に対し、(B)が2~8重量部含まれる、ホットメルト接着剤。 【請求項2】 (B)エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体が(B1)エチレン/酢酸ビニル共重合体を含む、請求項1に記載のホットメルト接着剤。 【請求項3】 (A)~(D)の総重量100重量部に対し、(A1)が5~40重量部含まれる、請求項1または2に記載のホットメルト接着剤。 【請求項4】 (A)~(D)の総重量100重量部に対し、(A2)が10~40重量部含まれる、請求項1~3のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。 【請求項5】 (A)~(D)の合計100重量部に対し、(C)が30~60重量部含まれる、請求項1~4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。 【請求項6】 被着体である紙における接着部分と、その複数の接着部分に接着し固化した請求項1~5のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤とを、有してなる紙製品。」 第4 取消理由通知に記載した取消理由について 令和5年12月12日付けで通知した取消理由の概要は、次の理由である。 理由:(進歩性)本件特許の請求項1~6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、上記の請求項に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 記 甲第1号証:特開2012-177009号公報 甲第2号証:特開2016-155916号公報 第5 前記第4における理由(進歩性)について 1 甲号証及び乙号証について (1)特許異議申立人が特許異議の申立書とともに提出したもの 甲第1号証及び甲第2号証は前記第4 理由の甲第1号証及び甲第2号証 甲第3号証:特開2006-188580号公報 甲第4号証:特開2007-51235号公報 甲第5号証:特開2013-64055号公報 甲第6号証:国際公開第2018/217748号 甲第6号証の1:特表2020-521013号公報 甲第7号証:特表2017-516888号公報 (2)特許異議申立人が令和6年3月13日の意見書とともに提出したもの 甲第8号証:国際公開第2018/005949号 甲第8号証の1:特表2019-521219号公報 甲第9号証:特表2017-538806号公報 (3)特許権者が令和6年2月1日の意見書とともに提出したもの 乙第1号証:「プロピレン系エラストマーVistamaxxTM(ビスタマックス)シリーズ」、株式会社スタンダード石油大阪発売所ホームページ、ホーム>事業概要>化学品>エラストマー、https://www.ssoh.jp/product/chemicals/elastomer/ 2 甲号証及び乙号証の記載について (1)甲第1号証(以下、「甲1」という。) 1a「【請求項1】 (A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体及び(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体を含むホットメルト接着剤であって、 (A)と(B)の合計100重量部当たり、(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体は13~35重量部であるホットメルト接着剤。 【請求項2】 (A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体は、(A1)エチレンとオクテンとの共重合体を含み、 (B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体は、(B1)エチレンとメタクリル酸メチルとの共重合体を含む請求項1に記載のホットメルト接着剤。 【請求項3】 (B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体は、(B2)エチレンとアクリル酸エチルとの共重合体を更に含む請求項2に記載のホットメルト接着剤。 【請求項4】 (C)フィッシャートロプシュワックスを、更に含む請求項1~3のいずれかに記載のホットメルト接着剤。 【請求項5】 請求項1~4のいずれかに記載のホットメルト接着剤を用いて製造される紙製品。」 1b「【0009】 本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、本発明の目的は、糸曳きが少なく、耐熱性および熱安定性に優れ、広い温度領域で優れた接着強度を有するホットメルト接着剤を提供することである。更に、そのようなホットメルト接着剤を用いて製造された紙製品を提供することである。」 1c「【0017】 本発明に係るホットメルト接着剤は、(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体及び(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体を必須成分として含む。 尚、本明細書において「ホットメルト接着剤」とは、常温で固形であるが、加熱して融解することで流動性を有し、例えば、基材、被着体等の対象物に塗工することができ、冷却することで硬化し接着する接着剤をいう。 【0018】 本発明において「(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体」とは、エチレンと炭素数3~20のオレフィンとの共重合体をいう。 「炭素数3~20のオレフィン」としては、具体的に、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、cis-2-ブテン、trans-2-ブテン、イソブチレン、cis-2-ペンテン、trans-2-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、2-メチル-2-ブテン及び2,3-ジメチル-2-ブテン等を例示できる。炭素数3~10のオレフィンが好ましく、プロピレン、ブテン、オクテンであることがより好ましく、オクテンであることが特に好ましい。 【0019】 (A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体として、例えば、(A1)エチレンとオクテンとの共重合体、(A2)エチレン、プロピレン、1-ブテンとの共重合体、(A3)エチレンとプロピレンとの共重合体、(A4)エチレンとブテンとの共重合体等が挙げられる。 本発明では、特に、(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体は、(A1)エチレンとオクテンとの共重合体を含むことが好ましい。(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体は、市販品を使用することができる。 【0020】 (A1)エチレンとオクテンとの共重合体として、例えば、ダウ・ケミカル社製のアフィニティGA1900(商品名)、アフィニティGA1950(商品名)、アフィニティEG8185(商品名)、アフィニティEG8200(商品名)、エンゲージ8137(商品名)、エンゲージ8180(商品名)、エンゲージ8400(商品名)等を例示できる。 (A2)エチレン、プロピレン、1-ブテンとの共重合体として、例えば、エボニックデグサ社製のベストプラスト730(商品名)、ベストプラスト708(商品名)等を例示できる。 【0021】 (A3)エチレンとプロピレンとの共重合体として、例えば、イーストマンケミカル社製のEastoflex E1016PL-1等を例示できる。 (A4)エチレンとブテンとの共重合体として、例えば、三井石油化学社製のダフマーA4085等を例示できる。 このようなエチレンと炭素数3~20のオレフィンとの共重合体は、単独又は組み合わせて使用することができる。」 1d「【0045】 以下、本発明を更に詳細に、より具体的に説明することを目的として、実施例及び比較例を用いて本発明を説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。 【0046】 以下にホットメルト接着剤の原料、および配合、評価方法を記載する。 (A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体 (A1)エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含量:35~37重量%、メルトフローレート500g/10min、ダウ・ケミカル社製のAFFINITY GA1950(商品名)) (A2)プロピレン/エチレン/1-ブテンの共重合体(ガラス転移点-28℃、軟化点124℃、190℃溶融粘度2700mPa・s、エボニックデグサ社製のVESTPLAST703(商品名)) 【0047】 (B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体 (B1)エチレン/メタクリル酸メチル重合体(メタクリル酸メチル含量32重量%、メルトフローレート450g/10min、住友化学社製のアクリフト CM5022(商品名)) (B2)エチレン/アクリル酸エチル共重合体(アクリル酸エチル含量25重量%、メルトフローレート250g/10min、ダウ・ケミカル社製のNUC-6070(商品名)) (B3)エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート18g/10min、東ソ-社製のウルトラセン710(商品名)) 【0048】 (C)フィッシャートロプシュワックス (C1)フィッシャートロプシュワックス(融点108℃、針入度が2、サゾール社製のサゾールワックスH1(商品名)) 融点は、発明の詳細に説明した方法で測定した。 (D)粘着付与樹脂 (D1)芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体(軟化点125℃、出光興産社製のアイマーブP125(商品名)) (E)安定化剤 (E1)テトラキス(メチレン-3-(3’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート)メタン(融点110~130℃、ADEKA社製のアデカスタブ AO-60(商品名)) (E2)トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(融点180℃、城北化学社製のJP-650(商品名)) 【0049】 これらの成分を表1及び2に示す割合(重量部)で溶融混合した。万能攪拌機を用いて、各成分を約145℃で約1時間かけて溶融混合して、実施例1~5、及び比較例1~5のホットメルト接着剤を製造した。実施例及び比較例のホットメルト接着剤について、耐熱性、接着性、熱安定性及び糸曳き性を、下記の方法を用いて評価した。 【0050】 耐熱性、接着性は、Kライナーダンボールにホットメルト接着剤を塗布してサンプルを得た。熱安定性は、ホットメルト接着剤を180℃雰囲気下で1週間保管し、粘度変化率及び炭化物の発生を確認した。糸曳き性は、180℃条件下でホットメルト接着剤の吐出状態を確認した。以下に各評価の概要について記載する。 【0051】 <耐熱性> (サンプル作製) 180℃に溶融させたホットメルト接着剤を、Kライナーダンボールに、塗工量2g/m、セットタイム10秒、オ-プンタイム3秒、プレス圧1kg/25cm2の条件でKライナーダンボールを貼り合わせた。 (評価方法) 作製したサンプルを60℃雰囲気下で、応力方向に300g/25cm2荷重を掛け、貼り合わせたサンプルが剥離するまでの時間を測定した。 ◎ : 剥離時間が8時間より長い ○ : 剥離時間が5時間~8時間 △ : 剥離時間が2時間以上で、5時間未満 × : 剥離時間が2時間未満 【0052】 <接着性> (サンプル作製) 180℃に溶融させたホットメルト接着剤を、Kライナーダンボールに、塗工量2g/m、セットタイム10秒、オ-プンタイム3秒、プレス圧1kg/25cm2の条件でKライナーダンボールを貼り合わせた。 (評価方法) 作製したサンプル60℃、23℃、又は-10℃に設定した恒温槽中に24時間養生し、その後、その雰囲気下にて、手剥離にて強制剥離した。全接着面積に占めるKライナーダンボールの破壊の割合を材破率(材料が破壊された割合)とし、その状態を評価した。 ◎ : 材破率が80%より高い ○ : 材破率が60%~80% △ : 材破率が40%以上で、60%未満 × : 材破率が40%未満 【0053】 <熱安定性> (サンプル作製) ホットメルト接着剤を70ccのガラス瓶に20g入れ、180℃恒温槽にて1週間保管し、1)粘度増減率、2)炭化物の発生について確認した。 (評価方法) 1)粘度増減率 粘度増減率は、ホットメルト接着剤の180℃での初期粘度に対し、1週間後のホットメルト接着剤の180℃での粘度が増減した割合である。 具体的には、以下の計算式にて求めた。 粘度増減率(%)=(180℃で1週間保管後の溶融粘度)×100/180℃での初期粘度)-100 ◎ : 粘度増減率が5%未満 ○ : 粘度増減率が5%~10% △ : 粘度増減率が10%より大きく、20%より小さい × : 粘度増減率が20%以上 2)炭化物の発生 ◎ : 炭化物なし ○ : 炭化物がわずかにあり △ : 炭化物があり × : 炭化物が著しい 【0054】 <糸曳き性> ホットメルトガンの先端から20cm離れた被着体へホットメルト接着剤を垂直に間欠塗布した。ホットメルトガンと被着体との間の落下物の状態を目視にて観察し、糸曳き性を評価した。 (測定条件) 温度設定:タンク、ホース、及びノズル全て180℃ ノズル径:14/1000インチ ノズル:1orifice(吐出口の数:1)、4orifice(吐出口の数:4) 塗出圧力:0.4MPa 塗出ショット数:1orificeは350ショット/5分間 4orificeは70ショット/1分間 ◎ : 落下物の形状は粒状 ○ : 落下物の形状は殆ど粒状であるが、わずかに糸状のものが混在 △ : 落下物の形状は、粒状と糸状が混在 × : 落下物の形状は糸状 【0055】 【表1】 [図:0001411343000001.jpg] 【0056】 【表2】 [図:0001411343000002.jpg] 【0057】 表1に示すように、実施例1~5のホットメルト接着剤は、(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合体、(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体を特定の割合で含むので、耐熱性、接着性、熱安定性及び糸曳き性のいずれにも優れ、その性能のバランスにも優れる。実施例1~実施例3のホットメルト接着剤は、成分(B)が(B1)の他に、(B2)又は(B3)を含むので、耐熱性、接着性、熱安定性及び糸曳き性の全てについて◎という極めて優れた性能を示している。実施例のホットメルト接着剤は、紙加工分野、特にダンボールやカートン等の厚紙への塗布に有用である。 【0058】 これに対し、比較例1~5のホットメルト接着剤は、表2に示されるように、耐熱性、接着性、熱安定性、糸曳き性のいずれかの性能が乏しい。 比較例1~比較例3、比較例5のホットメルト接着剤は、実施例のホットメルト接着剤と比べ、成分(B)の割合が低い。成分(B)の割合が低い場合、ホットメルト接着剤の耐熱性は著しく低下することが表2から確認された。 比較例4のホットメルト接着剤は、実施例のホットメルト接着剤と比べ、成分(B)の割合が高い。成分(B)の割合が高くなることによって、ホットメルト接着剤の熱安定性は著しく低下することが表2から確認された。」 (2)甲第2号証(以下、「甲2」という。) 2a「【請求項1】 (A)非晶性ポリα-オレフィン、(B)α-オレフィンをメタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィン、及び(C)粘着付与樹脂を含み、 (A)~(C)の総重量100重量部に対して(C)が5~30重量部含まれており、 180℃での溶融粘度が3,000mPa・s以下であるホットメルト接着剤。 【請求項2】 (A)非晶性ポリα-オレフィンがプロピレンに由来する化学構造を有する、請求項1に記載のホットメルト接着剤。 【請求項3】 (A)非晶性ポリα-オレフィンがプロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体を含んでいる、請求項1または2に記載のホットメルト接着剤。 【請求項4】 (A)非晶性ポリα-オレフィンは、さらに、ポリプロピレンホモポリマーを含んでいる、請求項3に記載のホットメルト接着剤。 【請求項5】 (B)結晶性ポリα-オレフィンがポリプロピレンホモポリマーを含んでいる、請求項1~4のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。 【請求項6】 段ボ-ルに塗布される、請求項1~5のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤。 【請求項7】 請求項1~6のいずれか一項に記載のホットメルト接着剤の塗膜が形成された段ボ-ル。」 2b「【0015】 本発明は、前記の課題を解決するためになされたものであり、積み重ねられた段ボ-ル箱の荷崩れを防止し、かつ、段ボ-ル基材を損傷させず、さらには、塗布性および糸曳き性にも優れたホットメルト接着剤を提供することを目的とする。更に、そのホットメルト接着剤の塗膜が形成された段ボ-ルを提供することも目的とする。」 2c「【0082】 以下、本発明を実施例及び比較例により具体的かつ詳細に説明するが、これらの実施例は本発明の一態様にすぎず、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。実施例に示した割合は、特に断らない限り不揮発分の重量を基準にしたものである。ホットメルト接着剤を製造するための成分を以下に示す。 【0083】 (A)非晶性ポリα-オレフィン (A1)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト703(商品名)、エボニック社製、粘度2700mPa・s:190℃、軟化点124℃、密度0.87g/cm3) (A2)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト704(商品名)、エボニック社製、粘度3500mPa・s:190℃、軟化点105℃、密度0.87g/cm3) (A3)非晶性プロピレン/エチレン/1-ブテン共重合体(ベストプラスト750(商品名)、エボニック社製、粘度50000mPa・s:190℃、軟化点107℃、密度0.87g/cm3) (A4)非晶性エチレン/プロピレン共重合体(レキセンタック2304(商品名)、ハンツマン社製、粘度450mPa・s:190℃、軟化点141℃、密度0.86g/cm3) (A5)非晶性プロピレンホモポリマ-(イーストフレックスP1010PL(商品名)、イ-ストマンケミカル社製、粘度1000mPa・s:190℃、軟化点155℃、密度0.87g/cm3) 【0084】 (B)メタロセン触媒で重合して得られた結晶性ポリα-オレフィン (B1)ポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュ S400(商品名)、出光興産社製、MFR2000g/10min:230℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー (B2)ポリプロピレンホモポリマー(エルモーデュ S600(商品名)、出光興産社製、MFR350g/10min:230℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー (B3)ポリプロピレンホモポリマー(リコセンPP6102(商品名)、クラリアント社製、粘度60mPa・s:170℃、密度0.90g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー (B4)プロピレン/エチレン共重合体(ビスタマックス6202(商品名)、エクソンモービル社製、MFR20g/10min:230℃、密度0.86g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー (B5)エチレン/オクテン共重合体(アフィニティGA1900(商品名)、ダウケミカル社製、MFR1000g/10min:190℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマー (B'6)ポリエチレンホモポリマー(ペトロセン353(商品名)、東ソー社製、MFR145g/10min:190℃、 密度0.92g/cm3)チーグラーナッタ触媒で重合して得られたポリマー (B'7)エチレン/ポリブテン共重合体(DP8911ME(商品名)、バセル社製、MFR200g/10min:190℃、 密度0.90g/cm3)チーグラーナッタ触媒で重合して得られたポリマー 【0085】 (C)粘着付与樹脂 (C1)水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂(アイマ-ブP100(商品名)、出光興産社製、軟化点100℃) (C2)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂(アルコンP90(商品名)、荒川化学工業社製、軟化点90℃) (C3)水素添加テルペン樹脂(クリアロンP105(商品名)、ヤスハラケミカル社製、軟化点105℃) 【0086】 (D)軟化剤 (D1)パラフィンオイル(ダイアナフレシアS32(商品名)、出光興産社製) (D2)パラフィンオイル(ダイアナプロセスオイルPW-90(商品名)、出光興産社製) (D3)ナフテンオイル(サンピュアN90(商品名)、日本サン石油社製) 【0087】 (E)ワックス (E1)パラフィンワックス(パラフィンワックス150(商品名)、日本精蝋社製) (E2)ポリエチレンワックス(ネオワックスL(商品名)、ヤスハラケミカル社製) (E3)フィッシャートロプシュワックス(FT-115(商品名)、日本精蝋社製) 【0088】 (F)安定化剤 (F1)酸化防止剤(アデカスタブAO-60(商品名)、アデカ社製) 【0089】 これらの成分を表1、3、5、7に示す割合で、万能攪拌機を用い、約145℃で約1時間かけて溶融混合し、実施例及び比較例のホットメルト接着剤を調製した。これらホットメルト接着剤について、溶融粘度、段ボ-ルに対する“最大静止摩擦係数”、傾斜角測定(アンチスリップ性)及び段ボ-ル基材損傷性を評価し、作業性を確認するために糸引き性、塗布性を評価した。結果を表2、4、6、8に示す。 【0090】 ○物性・性能評価 <粘度測定> JAI7-1991 B法に基づき、160℃、180℃で各ホットメルト接着剤の粘度を評価した。測定には、ブルックフィールド粘度計、27番ローターを使用した。 【0091】 <静止摩擦係数評価> 50μ厚のPETフィルムに、実施例や比較例のホットメルト接着剤を塗布し、冷却固化して厚さ50μmの塗膜を形成した。その後、PETフィルムを40cm2正方形(63mm×63mm)にカットし、静止摩擦係数を求めるためのサンプルを作製した。 【0092】 このサンプルを、底部の大きさが40cm2正方形の200gの錘にPETフィルム側から貼り付けて“すべり片”とし、“すべり片”をKライナー段ボールの上に置き、速度100mm/分で引っ張った。 【0093】 ホットメルト接着剤の静止摩擦力を求め、その静止摩擦力の最初のピ-ク強度(明瞭なピークが出ない場合は最大強度)から静止摩擦係数を算出した。応力の測定はフォースゲージ(イマダ社製)を用いた。 【0094】 静止摩擦係数の算出式を以下に示す。 μ=Fs/Fp μ:静止摩擦係数 Fs:静止摩擦力(N) Fp:滑り変の質量によって生じる法線力(1.96N) 【0095】 <傾斜角測定> Kライナー段ボールに、180℃で溶融させたホットメルト接着剤をビード状に塗布し、冷却固化し、評価用サンプル基材の下段を作製し、サンプル基材下段を両面テープで台に固定した。塗布部分の長さは3cm、塗布量は3g/mであった。ホットメルト接着剤が完全に固化した後、このホットメルト接着剤の塗膜上に、3kgの錘が付いた別のKライナー段ボールをサンプル基材上段として乗せた。台を徐々に傾けていき、サンプル基材上段が滑り落ちた時の角度を測定した。滑り防止性能(アンチスリップ性)を傾斜角の大きさで評価した。評価基準は以下のとおりである。 【0096】 ◎:傾斜角が45度以上 ○:傾斜角が40度以上、45度未満 △:傾斜角が35度以上、40度未満 ×:傾斜角が35度未満 【0097】 <基材損傷性測定> Kライナー段ボールの表面四隅に、180℃で溶融しているホットメルト接着剤0.04g程度をハンドガンで塗布した。 【0098】 ホットメルト接着剤が完全に固化した後、別の段ボ-ルを重ね合わせ、3kgの錘を段ボ-ルに乗せ、荷重をかけた状態で40℃雰囲気下中に24時間精置した。その後、積み重ねた段ボ-ルを手で剥離し、段ボ-ルの状態を確認することで基材損傷性を評価した。段基材損傷性の評価基準を以下に示す。 【0099】 ◎:損傷なし。 ○:やや毛羽立ちあり。 △:4点中、1点のみが剥がれ。 ×:4点中、2点以上が剥がれた。 【0100】 ○作業性評価 <糸曳き性評価> ホットメルトガンの先端から20cm離れた被着体に対し、ホットメルト接着剤を垂直に間欠塗布した.ホットメルトガンと被着体との間の落下物の状態を目視にて観察し、糸曳き性を評価した。尚、測定条件は以下のとおりである。 【0101】 温度設定:タンク内温度、ホース内温度、及びノズル内温度は全て180℃ ノズル径:16/1000インチ ノズル:oriffice(吐出口の数:1) 塗出圧力:0.3MPa 塗出ショット数:90ショット/30秒 【0102】 ○:ノズルから被着体までの間で糸は曳かない。 △:ノズルから被着体までの間で糸を曳くことがある。 ×:ほとんどの場合でノズルから被着体まで糸を曳くか、若しくは、吐出後、ノズルの垂れから糸曳きが見られる。 【0103】 <塗布性> 0.05g程度のホットメルト接着剤を段ボールに垂らし、その直後に0.10mm間隙のハンドコーターで素早くホットメルト接着剤を段ボ-ル上に塗布した。ホットメルト接着剤の塗布状態を確認することで、塗布性を評価した。塗布性の評価基準を以下に示す。 【0104】 ○:塗布部分全体が均一である。 △:塗布部分の端部のみが不均一である。 ×:塗布部分全体が不均一である。 【0105】 [表1] [図:0001411343000003.jpg] 【0106】 [表2] [図:0001411343000004.jpg] 【0107】 [表3] [図:0001411343000005.jpg] 【0108】 [表4] [図:0001411343000006.jpg] 」 (3)甲第3号証(以下、「甲3」という。) 3a「【請求項1】 少なくとも1種のエチレン/C3~C20α-オレフィン共重合体を包含する第1の成分、 前記第1の成分100重量部につき約6~約12重量部の量の、少なくとも1種のエチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体を包含する第2の成分、 前記第1の成分100重量部につき約50~約200重量部の量の、少なくとも1種の粘着付与樹脂を包含し、前記第1および前記第2の成分と相溶性の第3の成分 を含むホットメルト接着組成物。」 3b「【0009】 従って、本発明は、糸引きが一層低減され、熱安定性および透明性に優れたホットメルト接着剤組成物を提供することを目的とする。 ・・・ 【0015】 本発明のホットメルト接着剤組成物は、包装、製本、木工等様々な用途に用いることができるが、一般に、エチレン/α-オレフィン共重合体は、約5~約2500g/10分のメルトインデックスを有することが好ましく、包装用には、約150~約2500のg/10分のメルトインデックスを有することが好ましい。 【0016】 本発明に使用されるエチレン/α-オレフィン共重合体は、例えば米国特許第6107430号にその製造方法を含めて記載されている。エチレン/1-オクテン共重合体は、ダウ・ケミカル社から「AFFINITY(TM)」の商品名の下に販売されている。その例を挙げると、AFFINITY EG 8185(メルトインデックス:30.00g/10分)、AFFINITY EG 8200G(メルトインデックス:5.00g/10分)、AFFINITY GA 1900(メルトインデックス:1000.00g/10分)、AFFINITY GA 1950(メルトインデックス:500.00g/10分)、AFFINITY PT 1409(メルトインデックス:6.00g/10分)等である。これらエチレン/1-オクテン共重合体は、約35~37モル%の1-オクテン含有率を有する。エチレン/α-オレフィン共重合体は、単独で、あるいは組み合わせて用いることができる。」 3c「【0030】 実施例1~6、比較例1~5 下記表1に示す組成のホットメルト接着剤組成物を調製した。 【表1】 [図:0001411343000007.jpg] 【0031】 表1において: AFFINITY GA 1950(商品名)は、ダウ・ケミカル社から販売されているエチレン/1-オクテン共重合体(メルトインデックス:500.00g/10分;1-オクテン含有量:35~37モル%)であり、本発明の第1の成分であり; ACRYFT CM5021(商品名)は、住友化学社から販売されているエチレン/メタクリル酸メチル共重合体(メルトインデックス:450g/10分;メタクリル酸メチル含有率:28モル%)であり、本発明の第2の成分であり; EEA A704(商品名)は、三井・デュポンポリケミカル社から販売されているエチレン/アクリル酸エチル共重合体(メルトインデックス:275g/10分;アクリル酸エチル含有量25モル%)であり、本発明の第2の成分であり; IMARV P125(商品名)は、出光興産から販売されている完全水素化C5芳香族系石油樹脂(軟化点:125℃;気相浸透法による平均分子量:880)であり、本発明の第3の成分(第1の粘着付与樹脂)であり; IMARV S100(商品名)は、出光興産から販売されている部分水素化C5芳香族系石油樹脂(軟化点:100℃;気相浸透法による平均分子量:700)であり、本発明の第3の成分(第2の粘着付与樹脂)であり; BARECO PX-100は、Baker Petrolite社から販売されているフィッシャートロプシュワックス(融点:98℃)であり; IRGANOX 1010FFは、チバスペシャルティケミカルズから販売されているヒンダードフェノール系酸化防止剤である。」 (4)甲第4号証(以下、「甲4」という。) 4a「【請求項1】 ベース樹脂と、このベース樹脂に非相溶な樹脂と、粘着性付与樹脂と、ワックスと、酸化防止剤とを含むホットメルト接着剤であって、 ベース樹脂が、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとが共重合した少なくとも1種のオレフィン系共重合体であり、 ベース樹脂に非相溶な樹脂が、酢酸ビニル含有率28~45重量%、メルトフローレート(g/10分)が10~200を満足するエチレン-酢酸ビニル共重合体であり、 粘着性付与樹脂が、水添テルペン系樹脂、水添C5系樹脂、水添C9系樹脂、水添ロジン系樹脂からなる群より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とするホットメルト接着剤。」 4b「【0008】 本発明は、上記事情に鑑みて、糸曳きが少なく、熱安定性に優れているホットメルト接着剤を提供することを目的としている。 ・・・ 【0010】 本発明において、ベース樹脂は、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとが共重合した少なくとも1種のオレフィン系共重合体である。炭素数3~20のα-オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、イソブチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等が挙げられる。上記オレフィン系共重合体のなかでも、エチレンと炭素数6~8のα-オレフィンとの共重合体が好ましく、エチレンと1-オクテンとの共重合体がより好ましい。これらのオレフィン系共重合体は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。」 4c「【0029】 (実施例1) ベース樹脂としてのエチレンと1-オクテンとの共重合体(ダウケミカル社の商品名アフィニティGA1950(MFR=500))35重量部、ベ-ス樹脂に非相溶な樹脂としてのエチレン-酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製商品名エバフレックスV5773(酢酸ビニル含有率33重量%,MFR=90))2重量部、粘着性付与樹脂としての水添テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製商品名クリアロンP115)40重量部、ワックス(サゾール社製商品名サゾールワックスH1)22重量部、酸化防止剤(チバスペシャリティケミカルズ社製商品名イルガノックス1010)1重量部を160℃に温度設定した万能攪拌混練機(ダルトン社製型式「25AM型」、攪拌具:フック)に順次投入し、完全に加熱溶融した後、回転数60rpmで1時間攪拌混練してホットメルト接着剤を得た。」 (5)甲第5号証(以下、「甲5」という。) 5a「【請求項1】 (A)メタロセン触媒を用いてプロピレンを重合して得られた融点が100℃以下のプロピレンホモポリマーと、 (B)エチレン系共重合体と、 を含むホットメルト接着剤。」 5b「【0016】 本発明のホットメルト接着剤は、(B)エチレン系共重合体がメタロセン触媒を用いて重合して得られたエチレン/α-オレフィンコポリマーである場合、高速塗工適性及び低温でのスパイラル塗工適性を保ちつつ、ポリエチレンフィルムや不織布との接着性により優れる。 【0017】 本発明のホットメルト接着剤は、(B)エチレン/α-オレフィンコポリマーがエチレン/プロピレンコポリマーおよびエチレン/オクテンコポリマーから選ばれた少なくとも1種を含む場合、低温でのスパイラル塗工適性がより向上し、エチレン/オクテンコポリマーを含む場合、ポリエチレンフィルムや不織布等の被着体へスパイラル塗工した際の塗工パタ-ンが目立たなくなる。 ・・・ 【0036】 本発明の(B)エチレン共重合体として、エチレン/α-オレフィンコポリマーが好ましい。エチレン/α-オレフィンコポリマーとして、特に、メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/α-オレフィンコポリマーが好ましい。 本発明のホットメルト接着剤は、メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/α-オレフィンコポリマーを含む場合、低温でのスパイラル塗工適性が向上し、ポリエチレンフィルムや不織布との接着性も更に優れる。 【0037】 メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/α-オレフィンコポリマーとしては、エチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/オクテンコポリマー、エチレン/ブテンコポリマー、エチレン/プロピレン/ブテンが挙げられるが、特にエチレン/プロピレンコポリマー、エチレン/オクテンが望ましい。 本発明のホットメルト接着剤は、エチレン/プロピレンコポリマー及びエチレン/オクテンから選択される少なくとも一種を含む場合、低温でのスパイラル塗工適性がより向上する。」 5c「【0077】 以下、本発明を更に詳細に、より具体的に説明することを目的として、実施例を用いて本発明を説明する。これらの実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を何ら制限するものではない。 ホットメルト接着剤を配合するための成分を、以下に示す。 【0078】 (A)メタロセン触媒で重合して得られた融点100℃以下のプロピレンホモポリマー (A1)出光興産社製 商品名「エルモーデュ X400S」 融点75℃ 重量平均分子量 45000 (A2)出光興産社製 商品名「エルモーデュ X600S」 融点80℃ 重量平均分子量 70000 (A’3)クラリアント社製 商品名「リコセン PP6102」 メタロセン触媒で重合して得られたプロピレンホモポリマー 融点145℃ (A’4)イーストマンケミカル社製 商品名 「イーストフレックス P1010」 チーグラーナッタ触媒で重合して得られたプロピレンホモポリマー 融点145℃ (A’5)クラリアント社製 商品名「リコセン PE4201GR」 メタロセン触媒で重合して得られたポリエチレンホモポリマー 融点128℃ 【0079】 (B)エチレン系共重合体 (B1)エクソンモービル社製 商品名 「ビスタマックス 2330」 メタロセン触媒で重合して得られたプロピレン/エチレン共重合体 メルトインデックス200(g/10min:230℃) (B2)エクソンモービル社製 商品名 「ビスタマックス 6202」 メタロセン触媒で重合して得られたプロピレン/エチレン共重合体 メルトインデックス20(g/10min:230℃) (B3)ダウ社製 商品名 「バーシファイ 4301」 メタロセン触媒で重合して得られたプロピレン/エチレン共重合体 メルトインデックス25(g/10min:230℃) プロピレン/エチレンのランダム共重合構造 (B4)ダウ社製 商品名 「インヒューズ 9807」 メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテン共重合体 メルトインデックス15(g/10min:190℃) エチレン/オクテンでブロック構造を有する (B5)ダウ社製 商品名 「エンゲージ 8137」 メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテン共重合体 メルトインデックス13(g/10min:190℃) エチレン/オクテンのランダム共重合体構造 (B6)ダウ社製 商品名 「アフィニティー GA1950」 メタロセン触媒で重合して得られたエチレン/オクテン共重合体 メルトインデックス500(g/10min:190℃) エチレン/オクテンのランダム共重合体構造 (B7)ハンツマン社製 商品名 「レキセンタック 2780A」 チーグラーナッタ触媒で重合して得られたプロピレン/エチレン共重合体 (B8)エボニック社製 商品名 「ベストプラスト 703」 チーグラーナッタ触媒で重合して得られたプロピレン/エチレン/ブテン共重合体 (B9)東ソー社製 商品名「ウルトラセン 722」 チーグラーナッタ触媒で重合して得られたエチレン/酢酸ビニル共重合体 (B’10)ハンツマン社製 商品名 「レキセンタック2780A」 チーグラーナッタ触媒で重合して得られたプロピレン/ブテン共重合体 (B’11)三菱レーヨン社製 商品名 「BR-106」 アクリル系共重合体 【0080】 (C)粘着付与樹脂 (C1)水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂 エクソンモービル社製 商品名「ECR179EX」 (C2)水素添加ジシクロペンタジエン系樹脂 エクソンモービル社製 商品名「ECR5400」 (C3)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂 荒川化学社製 商品名 「アルコン M100」 (C4)水素添加環状脂肪族石油炭化水素樹脂 荒川化学社製 商品名 「アルコン P100」 (C5)未水素添加脂肪族芳香族共重合体系樹脂 日本ゼオン社製 商品名 「クイントン DX390N」 (C6)水素添加テルペン系樹脂 ヤスハラケミカル社製 商品名 「クリアロン M105」 【0081】 (D)オイル (D1)パラフィンオイル 出光興産社製 商品名 「DNオイル KP-68」 (D2)パラフィンオイル SK LUBRICANTS社製 商品名 「ファゾ-ル 35」 (D3)パラフィンオイル 出光興産社製 商品名 「ダイアナプロセスオイル PW-90」 (D4)パラフィンオイル 出光興産社製 商品名 「ダイアナフレシア S32」 (D5)ナフテンオイル 出光興産社製 商品名「プロセスオイル NS-100」 (D6)ナフテンオイル ペトロチャイナ社製 商品名 「KN4010」 【0082】 (E)カルボン酸及び/又はカルボン酸無水物で変性されたワックス (E1)マレイン酸変性ワックス クラリアント社製 商品名 「リコセン MA6252TP」 (E2)フィッシャ-トロプスワックス サゾ-ル社製 商品名 「サゾールワックス H-1」 【0083】 (F)酸化防止剤 (F1)アデカ社製 商品名 「アデカスタブ AO-60」 ヒンダードフェノール系酸化防止剤 【0084】 (A)~(F)成分を表1~3に示す割合で配合し、約150℃で2時間かけて万能攪拌機を用いて溶融混合し、実施例1~19および比較例1~9のホットメルト接着剤を調製した。表1~3に示されるホットメルト接着剤の組成(配合)に関する数値は、全て重量部である。 ホットメルト接着剤の各々(実施例および比較例)について、ホットメルト接着剤の熱安定性、塗工適性、高速塗工適性、剥離強度を評価した。以下、各評価の概要について説明する。 【0085】 <熱安定性> 熱安定性については、ホットメルト接着剤が相分離するか否かで評価した。 各ホットメルト接着剤をガラス瓶に入れ、150℃の温度で6時間静置して、相分離の有無を目視で確認した。各ホットメルト接着剤の重量は350~400gで、450ml容のガラス瓶を使用した。ホットメルト接着剤を入れたガラス瓶はアルミ製の蓋をして、乾燥機中にて静置した。 所定時間後に取り出し、速やかに目視で相分離の有無を確認した。 ○・・・相分離が認められなかった。 ×・・・相分離が認められた。 【0086】 <溶融粘度測定(150℃)> JAI7-1991、B法に基づき、各ホットメルト接着剤の150℃の粘度を測定した。測定にはブルックフィールド粘度計を使用して、27番のローターを用いた。 【0087】 <塗工適性> ノ-ドソン社のスパイラルスプレーを用いて塗工基材に、ホットメルト接着剤を塗工し、この塗工基材と貼り合わせ基材との積層体を作製して、塗工適性を評価するとともに、後述する剥離強度を評価するためのサンプルを作製した。塗工基材および貼り合わせ基材は、共にポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムである。 より具体的に記載すると、ホットメルトタンク及びスパイラルスプレーノズルの温度は150℃、ホットエアーの温度は180℃、ホットエアーの圧力は0.32kgf/cm2、ホットメルト接着剤の吐出量は15g/分(塗工目付け5g/m2に相当)、ノズルから塗工基材への距離は35mm、基材の搬送速度は200m/分、オ-プンタイム0.21秒、塗工後のプレス圧は2.0kgf/cmの条件にて、ホットメルト接着剤を塗工基材に塗工し、積層体(PETフィルム/PETフィルム)を製造した後、塗工適性を評価した。塗工適性は、スパイラル塗工されたホットメルト接着剤の塗工幅を確認することで評価した。以下に評価基準を示す。 ◎・・・塗工幅が15mm以上 ○・・・塗工幅が12mm以上で、15mm未満 ×・・・塗工幅が12mm未満 【0088】 <高速塗工適性> 上述の塗工適性の試験条件で高速塗工適性を評価した。 ホットエアーの圧力を0.45kgf/cm2にした以外は、塗工適性の評価方法と同様の方法を用いて試験を行った。高速塗工適性は目視で評価した。評価基準は以下のとおりである。 ◎:ホットメルト接着剤の飛散が認められない。 ○:僅かにホットメルト接着剤の飛散が認められた。 ×:ホットメルト接着剤が飛散してパタ-ンが得られない。又は、ホットメルト接着剤の塗工幅が15mm未満であった。 【0089】 <剥離強度> 上述の高速塗工適性に記載した試験条件を用いて、剥離強度のサンプルを作成した。 塗工基材として汎用の不職布(SMS 15g/m2 表面処理なし)を用い、貼り合わせ基材として、(1)汎用の不職布(SMS 15g/m2 表面処理なし)、(2)汎用のポリエチレンフィルム(エンボス加工なし 30g/m2 コロナ処理なし)の2種類を用いた。 サンプルを23℃、65%R.H.の環境で24時間以上養生した後に、同環境下で剥離試験を行った。剥離試験は島津製作所社製オートグラフAGS-Jで、下記条件で実施した。 剥離方向:基材進行と同じ方向(MD)方向、チャック間距離:20mm、剥離速度:300mm/分 剥離長さ:50mm、解析方法:試験力平均 剥離強度は各ホットメルト接着剤(実施例および比較例)について、少なくとも3個の試料を作成し、測定して、得られる平均値で剥離強度を示した。剥離強度は、以下の基準で評価した 【0090】 (1)貼り合せ基材が不職布(不織布/不織布) ◎ :剥離強度が2.0N以上 ○ :剥離強度が0.5N以上、2.0N未満 × :剥離強度が0.5N未満 (2)貼り合せ基材がポリエチレンフィルム(ポリエチレンフィルム/不織布) ◎ :剥離強度が0.20N以上 ○ :剥離強度が0.10N以上、0.20N未満 × :剥離強度が0.10N未満」 (6)甲第6号証(以下、「甲6」という。) なお、便宜上、当該甲6の記載の摘示にあたっては、パテントファミリーである甲第6号証の1を訳文として使用し、当該公報の対応箇所を示すこととした。 6a「【請求項1】 毎立方センチメートル当たり(g/cm3)0.90グラム以下の密度を有するエチレンα-オレフィンコポリマーを含む第1コポリマーと、 スチレンブロックコポリマーを含む第2コポリマーと、 粘着付与剤と、 少なくとも70℃の融点及び少なくとも200ジュール/グラム(J/g)の融解熱を有する合成ワックスと、を含み、また、 少なくとも90モル%のエチレン及び10モル%以下の極性共重合用単量体から誘導されるエチレン-極性共重合用単量体コポリマーと、 少なくとも5J/g~60J/g以下の融解熱、及び10以下の多分散指数を有する、少なくとも8モル%の共重合用単量体から誘導されるプロピレン-α-オレフィンコポリマー、及び 少なくとも5J/g~60J/g以下の融解熱を有するプロピレンホモポリマーと、からなる群から選択される、少なくとも5重量%の第3ポリマーと、を含む、ホットメルト接着剤組成物。 6b「【0013】 本発明は、迅速な硬化時間を呈し、低温にて良好な繊維断裂接着性を呈し、かつ高温で均質である、ホットメルト接着剤組成物を特徴とする。 ・・・ 【0026】 有用なエチレンα-オレフィンコポリマーは、例えば、DowDuPont Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から販売される商品名AFFINITYシリーズ(例えば、AFFINITY GA 1875、AFFINITY GA 1900、及びAFFINITY GA 1950エチレン-オクテンエラストマー、AFFINITY GA 1000R無水マレイン酸変性エチレン-オクテンコポリマー-(これは、製造者によりインターポリマーとも称される)、及びAFFINITYエチレン-プロピレンコポリマーを含む)、DowDuPont Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から販売される商品名ENGAGEシリーズ(ENGAGE 8400、ENGAGE8401、及びENGAGE8402エチレン-オクテンコポリマーを含む)、Borealisから販売される商品名QUEOシリーズ、DowDuPont Chemical Company(ミシガン州ミッドランド)から販売される商品名INFUSEシリーズ(INFUSE 9500エチレン-エチレン-プロピレンコポリマーを含む)、Saudi Basic Industries Corp.(マサチューセッツ州、ピッツフィールド)から販売される商品名SABIC POEシリーズ(SABIC POE C30070Dを含む)、LGから販売される商品名LUCENEシリーズ、MITSUIから販売される商品名TAFMER、及びExxonMobil Chemical Company(テキサス州、ヒューストン)から販売される商品名EXACTシリーズ(例えば、EXACT 9061エチレンブテンコポリマーを含む)を含む、種々の商品名にて市販されている。 ・・・ 【0055】 好適な市販のプロピレン-α-オレフィンコポリマーは、例えば、ExxonMobil Chemical Company(テキサス州、ヒューストン)から販売される商品名VISTAMAXXシリ-ズ(VISTAMAXX 8880プロピレン-エチレンコポリマー、VISTAMAXX 8780プロピレンエチレンコポリマー、及びVISTAMAXX 8380プロピレン-エチレンコポリマーを含む)、並びにEastman Chemical Company(テネシー州、キンクズポート)から販売される商品名AERAFINシリーズ(AERAFIN 17、及びAERAFIN 180プロピレン-エチレンコポリマーを含む)を含む種々の商品名が市販されている。 ・・・ 【0063】 用途 ホットメルト接着剤組成物は、例えば、繊維、繊維で形成された基材(例えば、天然繊維、再生繊維、合成ポリマー繊維(例えばナイロン、レ-ヨン、ポリエステル、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン)、セルロース繊維(例えば木材パルプなどの天然セルロース繊維)、天然繊維(例えば綿、絹及び羊毛)、及びガラス繊維、並びにこれらの組み合わせ)、剥離ライナー、多孔質基材、セルロース基材、シート材(例えば紙及び繊維シート)、紙製品、織布及び不織布ウェブ(例えば繊維(例えばヤーン、スレッド、単繊維、マイクロファイバー、ブローン繊維、及びスパン繊維)で形成されたウェブ、穿孔フィルム、及びこれらの組み合わせ)、テープバッキング、及びこれらの組み合わせを含む、種々の物品に適用又は組み込むことができる。」 6c「【0079】 実施例E1~E7及び比較例C1及びC2 表1に明記した量(重量%)の構成成分を組み合わせて、これを混合しながら175℃~190℃に加熱することにより、実施例E1~E7及び比較例C1及びC2を調製した。実施例E1~E7及び比較例C1及びC2を、次に、表に示されるように粘度を177℃、149℃、又は135℃で測定し、かつ表に示されるように硬化時間及び繊維断裂率(%)を177℃又は149℃の適用温度で測定したことを除いて、粘度、硬化時間、繊維断裂率(%)、及びPAFT試験法に従って試験した。透明度及び均質性もまた測定された。結果を表1に報告する。 【0080】 【表1】 [図:0001411343000008.jpg] 1=AFFINITY GA-1950エチレン-オクテンインターポリマー(DowDuPont Chemicals Company、(ミシガン州ミッドランド)) 2=AFFINITY GA-1900エチレン-オクテンインターポリマー(DowDuPont Chemicals Company(ミシガン州ミッドランド)) 3=6.7モル%のビニルアセテート含有量を有するATEVA 1880Aエチレンビニルアセテ-トコポリマー(AT Platics Inc.(カナダ、アルバータ州、エドモントン)) 4=11.2モル%のビニルアセテート含有量を有するATEVA 2842Aエチレンビニルアセテートコポリマー(AT Plastics Inc.(カナダ、アルバータ州、エドモントン)) 5=5.5モル%のビニルアセテート含有量を有するALCUDIA PA-407エチレンビニルアセテートコポリマー(Repsol(台湾、台北市)) 6=11.2モル%のビニルアセテ-ト含有量及び900g/10分のメルト・インデックスを有するESCORENE 2528エチレンビニルアセテートコポリマ-(Exxon Chemical) 7=17.0モル%のエチレン含有量を有するVISTAMAXX 8780メタロセン触媒ポリプロピレン/エチレンコポリマー(ExxonMobil) 8=17.5モル%のエチレン含有量を有するVISTAMAXX 8380メタロセン触媒ポリプロピレン/エチレンコポリマー(ExxonMobil) 9=9.7モル%のブチルアクリレ-ト含有量及び900g/10分のメルト・インデックスを有するENABLE 33900エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(Exxon Chemical) 10=7.5モル%のブチルアクリレ-ト含有量及び150g/10分のメルト・インデックスを有するALCUDIA PA-27150エチレンn-ブチルアクリレートコポリマー(Repsol(台湾、台北市)) 11=KRATON G 1652スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(Shell Chemical Company(テキサス州、ヒューストン)) 12=KRATON G 1657スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(Shell Chemical Company(テキサス州、ヒューストン)) 13=RESINALL R1030水添脂環式炭化水素樹脂(Akrochem Corporation(オハイオ州アクロン)) 14=ESCOREZ 5400水添脂環式炭化水素樹脂(ExxonMobil) 15=SX-105フィッシャー・トロプシュワックス(Shell Malaysia Ltd.(マレーシア、クアラルンプール)) 16=C80フィッシャー・トロプシュワックス(Sasol Wax North America Corporation(カリフォルニア州、ヘイワード)) 17=EVERNOX 1010ヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF Corporation(ニュージャージー州、フローラムパーク)) 18=EVERNOX 76Gヒンダードフェノール酸化防止剤(BASF Corporation(ニュージャ-ジー州、フローラムパーク)) NT=試験せず 19 H=均質 【0081】 実施例E8~E16及びC3 表2に明記した量(重量%)の成分を組み合わせて、これを混合しながら175℃~190℃に加熱することにより、実施例E8~E16及びC3を調製した。次いで、表に記載のごとく、177℃°、149℃又は135℃で粘度が測定され、また表に記載のごとく、177℃、又は149℃の適用温度で硬化時間及び繊維断裂率(%)が測定された、という点を除いて、粘度、硬化時間、繊維断裂率(%)及びPAFT試験法に従って実施例E8~E16及びC3を試験した。透明度及び均質性もまた測定された。結果を表2に報告する。 【0082】 【表2】 [図:0001411343000009.jpg] 20=AFFINITY GA-1000R無水マレイン酸変性エチレン-オクテンコポリマー(DowDuPont Chemicals Company、(ミシガン州ミッドランド)) 21=TRECORA CWP-400ポリエチレンワックス(Trecora Chemical(テキサス州、パサデナ))」 (7)甲第7号証(以下、「甲7」という。) 7a「【請求項1】 ホットメルト接着剤組成物であって、以下の成分: 約1%~約30%のポリプロピレンコポリマー、またはポリプロピレンの耐衝撃性コポリマー、またはポリプロピレンコポリマーの混合物、ポリプロピレンの耐衝撃性コポリマーの混合物、もしくは前記ポリプロピレンコポリマーの1種以上と前記ポリプロピレンの耐衝撃性コポリマーの1種以上との混合物を含む、それらの混合物; 約1重量%~約30重量%のオレフィンベースのエラストマ-、または前記オレフィンベースのエラストマーの混合物; 約1~30重量%、好ましくは約2重量%~約20重量%、最も好ましくは約2.5重量%~約20重量%の低密度ポリエチレン、または低密度ポリエチレンの混合物; 約0.05~約5.0重量%のポリオレフィン成核剤; 約5重量%~約70重量%の、少なくとも約80℃かつ約140℃までの軟化点を有する粘着性付与樹脂; 約1重量%~約60重量%の可塑剤; 約0.1%~約5%の安定剤または抗酸化剤 のブレンド物を含み、前記成分は合計して前記組成物の100重量%となり、かつ前記組成物の粘度が163℃で約80,000cP以下である、ホットメルト接着剤組成物。」 7b「【0056】 粗原料: Nyflex 222Bは、高度に水素処理されたナフテン系プロセスオイルであり、Nynas Corporationから入手可能である。 【0057】 Escorez 5615は、水素化された芳香族変性脂環族炭化水素樹脂で、130℃の軟化点を有している。それは、ExxonMobil Chemicalから入手可能である。 【0058】 Escorez 5400は、水素化された脂環族炭化水素樹脂で、103℃の軟化点を有している。それは、ExxonMobil Chemicalから入手可能である。 【0059】 Pro-fax RP591Vは、ランダムプロピレンコポリマーであり、Lyondellbasell Polymersから入手可能である。RP591Vは、100g/10分のメルトフロー速度(230℃/2.16kg)および0.90g/ccの密度を有している。 【0060】 Pro-fax EP501Vは、プロピレンの耐衝撃性コポリマーであり、Lyondellbasell Polymersから入手可能である。EP501Vは、100g/10分のメルトフロー速度(230℃/2.16kg)および0.90g/ccの密度を有している。 【0061】 Vistamaxx 6202は、メタロセン触媒法プロピレンをベースとしたエラストマーであり、ExxonMobil Chemicalsから入手可能である。それは、85重量%のプロピレンと15重量%のエチレンを含んでいる。それは、9.1g/10分のメルトインデックス(190℃/2.16kg)および0.863g/ccの密度を有している。 【0062】 Dow Infuse 9807 Olefin Block Copolymer、15g/10分のメルトフロー(190℃/2.16kg)および0.88g/ccの密度。 【0063】 104N ワックスは、118℃の環球式軟化点および0.93g/ccの密度を有するポリエチレンワックスである。それは、Hana Corporationから入手可能である。 【0064】 Dow Affinity GA 1900は、約1000g/10分のメルトフロー(190℃/2.16kg)および0.87g/ccの密度を有するポリオレフィンプラストマーである。 【0065】 Dow DNDB-1077は、100g/10分のメルトフロー(190℃/2.16kg)および0.93g/ccの密度を有する線状低密度ポリエチレンである。 【0066】 LyondellBasell Petrothene GA 588189は、105g/10分のメルトフロー(190℃/2.16kg)および0.93g/ccの密度を有する線状低密度ポリエチレンコポリマー(ブタンコモノマー)である。 【0067】 Dow Engage 8402は、30g/10分のメルトフロー(190℃/2.16kg)および0.90g/ccの密度を有するエチレン-オクテンポリオレフィンエラストマーである。そのものは、Dowから入手可能である。 【0068】 Irganox 1010は、ペンタエリスリトールテトラキス(3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート)であり、多くの供給業者から入手可能である。 【0069】 Irgafos 168は、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスフェ-トであり、多くの供給業者から入手可能である。 【0070】 Millad NX8000は、ソルビトールベースの成核剤であり、Millikenから入手可能である。 ・・・ 【0073】 【表1】 [図:0001411343000010.jpg] ・・・ 【0083】 【表4】 [図:0001411343000011.jpg] 【0084】 以下に示すのは、表に示した成分量(重量%)を有する、本発明の組成物をさらに詳しく説明するための実施例4~14である。 【0085】 【表5】 [図:0001411343000012.jpg] 」 (8)甲第8号証(以下、「甲8」という。) なお、便宜上、当該甲8の記載の摘示にあたっては、パテントファミリーである甲第8号証の1を訳文として使用し、当該公報の対応箇所を示すこととした。 8a「【請求項1】 ホットメルト接着剤組成物であって、 少なくとも35重量%のポリマーと、 少なくとも50重量%のプロピレン、及び、約8モル%~約37.5モル%のプロピレン以外のアルファ-オレフィンコモノマーに由来する、約15重量%~75重量%以下のプロピレンポリマーであって、1グラム当たり約5ジュール(J/g)~60J/gの融解熱を示す、プロピレンポリマーと、 少なくとも50重量%のエチレン、及び少なくとも3個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルファ-オレフィンコモノマーに由来する、5重量%~約50重量%のエチレンアルファ-オレフィンコポリマーであって、0.90g/cm3以下の密度を有する、エチレンアルファ-オレフィンコポリマ-と、 80℃よりも高い融点及び少なくとも200J/gの融解熱を示す、18重量%~約37重量%のワックス成分と、を含み、 前記組成物は、少なくとも149℃の塗布温度において、1.5秒以下の硬化時間を示す、ホットメルト接着剤組成物。」 8b「【0005】 したがって、LINXAR127以外のプロピレンポリマーをベースとし、速い硬化時間及び良好な繊維断裂接着性の両方を示す、ホットメルト接着剤組成物を製剤化する必要がある。また、ポリマーがLINXAR127又は別のプロピレンポリマーであるかどうかに関わらず、プロピレンポリマーをベースとするホットメルト接着剤組成物の硬化時間を改善する必要もある。 ・・・ 【0040】 好適な商業的なプロピレンポリマーは、例えば、ExxonMobil Chemical Company(Houston,Texas)からの商品名VISTAMAXXシリーズ(VISTAMAXX 8880プロピレン-エチレンコポリマー、VISTAMAXX 8780プロピレン-エチレンコポリマー、及びVISTAMAXX 8380プロピレン-エチレンコポリマーを含む)、ExxonMobil Chemical Company(Houston,Texas)からの商品名LINXARシリーズ(LINXAR 127プロピレン-ヘキセンコポリマー(もはや市販されていない)を含む)、Clariant Int’l Ltd.(Muttenz,Switzerland)からの商品名LICOCENEシリーズ(例えば、LICOCENE PP 1502 TP、PP 1602 TP、及びPP 2602 TPプロピレン-エチレンコポリマーを含む)、Eastman Chemical Company(Kingsport,Tennessee)からの商品名AERAFINシリーズ(AERAFIN 17及びAERAFIN 180プロピレン-エチレンコポリマーを含む)、及びIdemitsu Kosan Co.,Ltd(Japan)からの商品名L-MODUシリーズ(L-MODU S-400ポリプロピレンホモポリマー及びL-MODU S-600ポリプロピレンホモポリマーを含む)を含む、様々な商品名で入手可能である。」 ・・・ 【0062】 用途 ホットメルト接着剤組成物は、例えば、繊維、繊維で形成された基材(例えば、バージン繊維、再生繊維、合成ポリマー繊維(例えばナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン)、セルロース繊維(例えば木材パルプなどの天然セルロース繊維)、天然繊維(例えば綿、絹及びウ-ル)、及びガラス繊維並びにこれらの組み合わせ)、剥離ライナー、多孔質基材、セルロース基材、シート材(例えば紙及び繊維シート)、紙製品、織布及び不織布ウェブ(例えば繊維(例えばヤーン、スレッド、単繊維、マイクロファイバー、ブローン繊維、及びスパン繊維)で形成されたウェブ、穿孔フィルム、及びこれらの組み合わせ)、テープバッキング、及びこれらの組み合わせを含む様々な物品に塗布又は組み込むことができる。 【0063】 ホットメルト接着剤組成物は、例えばボ-ル紙、コーティングされたボール紙、板紙、ファイバーボード、バージン及び再生クラフト紙、高密度及び低密度クラフト紙、チップボード、処理及びコーティングしたクラフト紙及びチップボード、並びにこれらの段ボール錠に加工されたもの、粘土でコーティングされたチップボードカートンストック、複合材、皮革、繊維及び繊維で形成された基材(例えばバージン繊維、再生繊維、合成ポリマー繊維、セルロース繊維及びこれらの組み合わせ)、剥離ライナー、多孔質基材(例えば織布ウェブ、不織布ウェブ、及び穿孔フィルム)、セルロース基材、シ-ト材(例えば紙、及び繊維シート)、紙製品、テープバッキング及びこれらの組み合わせを含む様々な基材を接合するうえで有用である。 【0064】 ホットメルト接着剤組成物は、例えば、パッケージ、バッグ、箱、カートン、ケース、トレー、多層袋、付着物を有する物品(例えば飲料パックに付着されたストローー)、リームラップ、タバコ(例えば、プラグラップ)、フィルタ(例えばプリーツ型フィルタ及びフィルタフィルタ枠)、製本、紙製品(例えば、ペーパータオル(例えば、多用途タオル)、トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、化学雑巾、ティッシュ、タオル(例えばペーパータオル)、及びこれらの組み合わせを含む様々な用途及び構築において、第1の基材と第2の基材とを接合するうえで有用である。」 8c「【0071】 硬化時間の試験方法 5.08cm×0.24cmの接着剤組成物のビーズを、MEC ASM-15Nホットメルト接合シミュレーターを使用して、WESTROCK20キログラム(44ポンド)ECT100%リサイクル含有率ライナーボードの第1の基材に塗布する。基材に塗布する際の接着剤組成物の温度は、塗布温度と称される。塗布温度は、特に断らないかぎり、177℃である。接着剤のビーズを第1の基材に塗布した2秒後に、接着剤のビーズをWESTROCK20キログラム(44ポンド)ECT100%リサイクル含有率ライナーボードの第2の基材と接触させ、次いでこの第2の基材を第1の基材に対して0.21MPaの圧力で所定の時間(本明細書では圧迫時間と呼ぶ)にわたって押しつける。基材同士を圧迫した時点で接合シミュレーターのタイマーをスタートさせる。予めプログラムされた圧迫時間の後、器具は、第2の基材をZ方向に引っ張り、第1の基材を固定位置に保持することにより、2枚の基材を分離し、基材を分離するのに要した力及び接着剤組成物上に存在する繊維の断裂の量が測定される。試料は各圧迫時間について3回ずつ実験を行う。最初、圧迫時間は0.5秒間とする。3つの試料が各試料で50%よりも高い繊維断裂率を示さない場合には、圧迫時間を0.1秒延ばし、50%よりも高い繊維断裂率が3つの試料すべてにおいて認められるまでこの試験方法を繰り返す。硬化時間は、分離直後に3つの試料が50%よりも高い繊維断裂率を達成する圧迫時間として記録される。硬化時間は秒(sec)単位で記録される。 【0072】 引きはがし接着不良試験方法 引きはがし接着不良温度(「PAFT」)は、試験片サンドイッチの厚さが0.3mm+/-0.05mm(10ミル+/-2ミル)であり、オーブンの温度が、手動ではなく、25℃/時間の温度上昇で自動的に増加され、100グラムの重りが使用されることを除き、ASTM D-4498の標準的なPAFT試験にしたがって試験される。 【0073】 剪断接着不良温度(SAFT) 剪断接着不良温度(「SAFT」)は、試験片サンドイッチの厚さが0.3mm+/-0.05mm(10ミル+/-2ミル)であり、オーブンの温度が、手動ではなく、25℃/時間の温度上昇で自動的に増加され、500グラムの重りが使用されることを除き、ASTM D-4498の標準的なSAFT試験にしたがって試験される。 【0074】 繊維断裂率の試験方法 繊維断裂率(%)は、以前は接着剤によって互いに接合されていた2枚の基材が力によって分離された後で接着剤の面積を覆っている繊維の百分率である。接着剤組成物によって示される繊維断裂の百分率は以下のようにして測定される。15.24cm(6インチ)×0.24cm(3/32インチ)の接着剤組成物のビーズを、ROCKTENN接合シミュレーターを使用し、指定の塗布温度で、INTERNATIONAL PAPER15キログラム(32ポンド)ECT100%リサイクル含有率ライナーボードの第1の基材に塗布する。接着剤のビーズを第1の基材に塗布した2秒後に、接着剤のビーズをINTERNATIONAL PAPER15キログラム(32ポンド)ECT100%リサイクル含有率ライナーボードの第2の基材と接触させ、この第2の基材を接着剤及び第1の基材に対して0.21MPa(30ポンド/平方インチ(psi))の圧力で2秒間押しつける。次いで得られた構造体を、室温で少なくとも4時間コンディショニングし、次いで指定の試験温度で少なくとも12時間コンディショニングする。次いで、コンディショニング温度で(例えば試料をコンディショニングチャンバから取り出した直後)、2枚の基材を互いから手で引き離すことによって構造体の基材同士を互いから分離する。接着剤組成物の表面を観察し、繊維によって覆われた接着剤組成物の表面積の百分率を測定して記録する。各ホットメルト接着剤組成物について少なくとも5つの試料を調製して試験する。結果は繊維断裂率(%)の単位で報告される。 【0075】 熱安定性試験方法 ホットメルト接着剤組成物の200gの試料を、ガラスビーカー(フタをしていない)に入れ、温度調節された強制空気流オ-ブン中で、177℃で200時間コンディショニングする。溶融した試料をオ-ブンから取り出す。溶融した試料をゲル、表面スキン形成及び炭化の存在について観察する。観察結果を記録する。 【0076】 次いで、試料を粘度の試験方法にしたがって試験し、測定された粘度をセンチポアズで報告する。 【0077】 熱安定性を、粘度の変化及び炭化又はスキン形成の有無によって判定する。 ・・・ 【0096】 実施例E15~E21及び対照例C13 それぞれ、表7及び8に示される量(重量%)の成分を組み合わせ、これを混合しながら175℃~190℃に加熱することにより、実施例E15~E21及び対照C13を調製した。対照C13の組成物は若干濁っているように見えることが記された。 【0097】 次いで、実施例E15~E21及び対照13は、表7及び8に示される条件下で、比重、硬化時間、粘度、及び繊維断裂率(%)試験方法にしたがって試験された。結果を表7及び8に報告する。 【0098】 【表7】 [図:0001411343000013.jpg] ・・・ 【0102】 【表9】 [図:0001411343000014.jpg] ・・・ 【0105】 【表10】 [図:0001411343000015.jpg] 」 (9)甲第9号証(以下、「甲9」という。) 9a「【請求項1】 少なくとも50重量%のプロピレンを含む、少なくとも40重量%の未変性の半結晶性プロピレンポリマ-と、 第1の非官能化ワックス及び前記第1の非官能化ワックスと異なる第2の非官能化ワックスを含む、少なくとも15重量%の非官能化ワックスと、 8重量%以下のエチレン-エチレン性不飽和エステルコポリマーと、 を含む、ホットメルト接着剤組成物。」 9b「【0004】 低温及び高温における良好な接着力、熱安定性、速やかな硬化時間を示し、かつオイルの染み及びオイルの移行が最小限であるかまったく生じない、プロピレンポリマーをベースとしたホットメルト接着剤組成物が得ることが望ましいことになる。 ・・・ 【0087】 用途 ホットメルト接着剤組成物は、例えば、繊維、繊維で形成された基材(例えば、バージン繊維、再生繊維、合成ポリマー繊維(例えばナイロン、レーヨン、ポリエステル、アクリル繊維、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン)、セルロース繊維(例えば木材パルプなどの天然セルロース繊維)、天然繊維(例えば綿、絹及びウール)、及びガラス繊維並びにこれらの組み合わせ)、剥離ライナー、多孔質基材、セルロース基材、シート材(例えば紙及び繊維シート)、紙製品、織布及び不織布ウェブ(例えば繊維(例えばヤーン、スレッド、単繊維、マイクロファイバー、ブローン繊維、及びスパン繊維)で形成されたウェブ、穿孔フィルム、及びこれらの組み合わせ)、テープバッキング、及びこれらの組み合わせを含む様々な物品に適用又は組み込むことができる。 【0088】 ホットメルト接着剤組成物は、例えばボール紙、コーティングされたボ-ル紙、板紙、ファイバーボード、バージン及び再生クラフト紙、高密度及び低密度クラフト紙、チップボード、処理及びコ-ティングしたクラフト紙及びチップボード、並びにこれらの段ボール錠に加工されたもの、粘土でコーティングされたチップボードカートンストック、複合材、皮革、繊維及び繊維で形成された基材(例えばバージン繊維、再生繊維、合成ポリマー繊維、セルロース繊維及びこれらの組み合わせ)、剥離ライナー、多孔質基材(例えば織布ウェブ、不織布ウェブ、及び穿孔フィルム)、セルロース基材、シート材(例えば紙、及び繊維シート)、紙製品、テープバッキング及びこれらの組み合わせを含む様々な基材を接合するうえで有用である。 【0089】 ホットメルト接着剤組成物は、例えば、パッケージ、バッグ、箱、カートン、ケース、トレー、多層袋、付着物を有する物品(例えば飲料パックに付着されたストロー)、リームラップ、タバコ(例えば、プラグラップ)、フィルタ(例えばプリーツ型フィルタ及びフィルタフィルタ枠)、製本、紙製品(例えば、ペーパータオル(例えば、多用途タオル)、トイレットペーパー、フェイシャルティシュー、化学雑巾、ティッシュ、タオル(例えばペーパータオル)、及びこれらの組み合わせを含む様々な用途及び構築において、第1の基材と第2の基材とを接合するうえで有用である。」 9c「【0113】 (実施例14~17) 表4に示される量(重量%)及び種類の構成成分を組み合わせ、これを混合下で175℃~190℃に加熱することによって実施例14~17のホットメルト接着剤組成物を調製した。 【0114】 実施例14~17のホットメルト接着剤組成物を、粘度、硬化時間、熱応力抵抗性、及び繊維断裂率の各試験方法の少なくとも1つにしたがって試験した。結果を表4に示す。 【0115】 【表4】 [図:0001411343000016.jpg] 13=VISTAMAXX 8880メタロセン触媒によるプロピレンエチレンコポリマー(ExxonMobil Chemical Company、テキサス州ヒューストン) 14=VISTAMAXX 3980FLメタロセン触媒によるポリプロピレンエラストマー(ExxonMobil) 15=VISTAMAXX 6202プロピレンエチレンコポリマー(ExxonMobil) 16=KRATON G1657スチレン-エチレン-ブチレン-スチレンブロックコポリマー(Kraton Polymers LLC、テキサス州ヒューストン) 17=ESCOREZ 5637芳香族変性脂環式炭化水素樹脂(ExxonMobil) 18=AC 596Pマレイン化ポリエチレンワックス(Honeywell Int’l Inc.、ニュージャージー州モリスタウン) 19=SARAWAX SX 105フィッシャー・トロプシュワックス(Shell Malaysia Ltd.、マレーシア、クアラルンプール) 【0116】 (実施例18及び19) 表5に示される量(重量%)及び種類の構成成分を組み合わせ、これを混合下で175℃~190℃に加熱することによって実施例18及び19のホットメルト接着剤組成物を調製した。 【0117】 実施例18及び19のホットメルト接着剤組成物を、粘度、硬化時間、及び繊維断裂率の各試験方法の少なくとも1つにしたがって試験した。結果を表5に示す。 【0118】 【表5】 [図:0001411343000017.jpg] 【0119】 (実施例20~22) 表6に示される量(重量%)及び種類の各構成成分を組み合わせ、これを混合下で175℃~190℃に加熱することによって実施例20~22のホットメルト接着剤組成物を調製した。 【0120】 実施例20~22のホットメルト接着剤組成物を、粘度、硬化時間、及び繊維断裂率の各試験方法の少なくとも1つにしたがって試験した。結果を表6に示す。 【0121】 【表6】 [図:0001411343000018.jpg] 20=RESINAL R1030(Resinall Corp、ノースカロライナ州セバ-ン)」 (10)乙第1号証(以下、「乙1」という。) 10a「 [図:0001411343000019.jpg] 」 3 甲1に記載された発明 甲1には実施例3のホットメルト接着剤として「(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合として(A1)エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含量:35~37重量%、メルトフローレート500g/10min、ダウ・ケミカル社製のAFFINITY GA1950(商品名))84重量部、(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体として(B1)エチレン/メタクリル酸メチル重合体(メタクリル酸メチル含量32重量%、メルトフローレート450g/10min、住友化学社製のアクリフト CM5022(商品名))13重量部及び(B3)エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート18g/10min、東ソー社製のウルトラセン710(商品名))3重量部、(C)フィッシャートロプシュワックスとして(C1)フィッシャートロプシュワックス(融点108℃、針入度が2、サゾール社製のサゾールワックスH1(商品名))53重量部、(D)粘着付与樹脂として(D1)芳香族石油炭化水素樹脂の水素化誘導体(軟化点125℃、出光興産社製のアイマーブP125(商品名))111重量部、並びに(E)安定化剤として(E1)テトラキス(メチレン-3-(3’-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピネート)メタン(融点110~130℃、ADEKA社製のアデカスタブ AO-60(商品名))0.8重量部及び(E2)トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト(融点180℃、城北化学社製のJP-650(商品名))0.8重量部を溶融混合して、製造したホットメルト接着剤。」の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されているといえる(摘記1d参照)。 4 対比・判断 (1)本件特許発明1 ア 甲1発明との対比 本件特許発明1と甲1発明を対比する。 甲1発明の「(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合として(A1)エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含量:35~37重量%、メルトフローレート500g/10min、ダウ・ケミカル社製のAFFINITY GA1950(商品名))」は、本件特許明細書【0084】からみて、ダウ・ケミカル社製のAFFINITY GA1950はメタロセン系エチレン/オクテン共重合体であるから、本件特許発明1の「(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体」及び「(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が、さらに、(A2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体」に相当する。 甲1発明の「(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体として(B1)エチレン/メタクリル酸メチル重合体(メタクリル酸メチル含量32重量%、メルトフローレート450g/10min、住友化学社製のアクリフト CM5022(商品名))及び(B3)エチレン/酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含量28重量%、メルトフローレート18g/10min、東ソ-社製のウルトラセン710(商品名))」は、本件特許発明1の「(B)エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体」に相当し、甲1発明において、「(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体」の重量%は、「(A)エチレン/炭素数3~20のオレフィン共重合」、「(B)エチレン/カルボン酸エステル共重合体」、「(C)フィッシャートロプシュワックス」、「(D)粘着付与樹脂」の総重量100重量部に対し、6.1重量部(100×(13+3)/(84+13+3+53+111))であるから、本件特許発明1の「(A)~(D)の総重量100重量部に対し、(B)が2~8重量部含まれる」を充足する。 そうすると、本件特許発明1と甲1発明は、「(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体、(B)エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体、(C)粘着付与樹脂および(D)ワックスを有する、ホットメルト接着剤であって、 (A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が、(A2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体を含み、 (A)~(D)の総重量100重量部に対し、(B)が2~8重量部含まれる、ホットメルト接着剤。」である点で一致し、以下の点で相違する。 <相違点> (A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が、本件特許発明1では(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を含み、(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体の融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%であるのに対し、甲1発明では(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を含まない点。 イ 相違点についての検討 甲1には、甲1発明のホットメルト接着剤に含まれる(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体として、(A1)エチレンとオクテンとの共重合体とともに(A3)エチレンとプロピレンとの共重合体が記載され、それらを組み合わせて使用することができることが記載されているから(摘記1c参照)、甲1発明のホットメルト接着剤において、甲1発明のホットメルト接着剤に含まれる(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体として(A1)エチレンとオクテンとの共重合体とともに(A3)エチレンとプロピレンとの共重合体を採用することを着想する可能性がある。 しかし、甲2には甲2に記載のホットメルト接着剤に含まれるポリマーとして(B5)エチレン/オクテン共重合体(アフィニティGA1900(商品名)、ダウケミカル社製、MFR1000g/10min:190℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマーとともに(B4)プロピレン/エチレン共重合体(ビスタマックス6202(商品名)、エクソンモービル社製、MFR20g/10min:230℃、密度0.86g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマーが記載されているものの(摘記2c参照)、甲1発明のホットメルト接着剤は、糸曳きが少なく、耐熱性および熱安定性に優れ、広い温度領域で優れた接着強度を有するものであり(摘記1b参照)、ここで、優れた接着強度とはKライナーダンボールの材破率が高いと評価しており(摘記1d参照)、一方、甲2に記載のホットメルト接着剤は、段ボ-ル基材を損傷させず、塗布性および糸曳き性にも優れたものである(摘記2b参照)。そうすると、広い温度領域でKライナーダンボールの材破率が高いという評価である優れた接着強度を有する甲1発明のホットメルト接着剤において、段ボ-ル基材を損傷させないホットメルト接着剤である甲2に記載された(B5)エチレン/オクテン共重合体(アフィニティGA1900(商品名)、ダウケミカル社製、MFR1000g/10min:190℃、密度0.87g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマーとともに記載される(B4)プロピレン/エチレン共重合体(ビスタマックス6202(商品名)、エクソンモ-ビル社製、MFR20g/10min:230℃、密度0.86g/cm3)メタロセン触媒で重合して得られたポリマ-を採用し、(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を含むものとする動機付けがあるとはいえない。また、乙1によれば、(B4)プロピレン/エチレン共重合体(ビスタマックス6202(商品名)のエチレン含有率は15質量%であり(摘記10a参照。)、そもそも、本件特許発明1の融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%である(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を充足するものではないから、メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体として甲2記載のものを採用しても、前記相違点を充足することはできない。 また、甲3及び甲4には、糸曳きが少なく、熱安定性に優れているホットメルト接着剤を提供することを課題として、エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体、エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体、粘着付与樹脂及びワックスを有する、包装、製本、木工等様々な用途に用いることができるホットメルト接着剤において、エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体を組み合わせて用いることが記載されているものの(摘記3a~3c、4a~4c参照)、そのような記載から、エチレン/オクテン共重合体とプロピレン/エチレン共重合体との組み合わせまでは読みとれず、甲1発明のホットメルト接着剤において、甲1発明のホットメルト接着剤に含まれる(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体として(A1)エチレンとオクテンとの共重合体とともに(A3)エチレンとプロピレンとの共重合体を採用する動機付けがあるとまではいえない。 そして、甲5、甲6及び甲7には、紙製品に使用されるホットメルト接着剤において、低温での塗工適性、迅速な硬化、接着性などの接着機能を向上させるために、エチレン/オクテン共重合体にメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を組み合わせることが記載されており(摘記5a~5c、6a~6c、7a~7c参照)、甲6には、本件特許発明1において、融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%である(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体として具体的に用いられるビスタマックス8880が記載されているが(摘記6c参照)、耐熱性および熱安定性に優れる甲1発明のホットメルト接着剤において、低温での塗工適性、迅速な硬化、接着性などの接着機能を向上させる甲5、甲6及び甲7のホットメルト接着剤で用いられるビスタマックス8880のようなメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を採用する動機付けがあるとまではいえない。 さらに、甲8及び甲9にもビスタマックス8880を含むホットメルト接着剤が、記載されており(摘記8a~8c、9a、9b参照)、甲8には、本件特許発明1において、(A2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体として具体的に使用されるアフィニティGA1900と、融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%である(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体として具体的に用いられるビスタマックス8880の組み合わせが記載されているが(摘記8c参照)、前記のとおり、甲1発明のホットメルト接着剤において、メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を採用する動機付けがあるとはいえない以上、甲8及び甲9に記載のビスタマックス8880を採用する動機付けがあるとはいえないし、甲1発明のホットメルト接着剤は、糸曳きが少なく、耐熱性および熱安定性に優れ、広い温度領域で優れた接着強度を有するものであり(摘記1b参照)、一方、甲8に記載のホットメルト接着剤は速い硬化時間及び繊維断裂接着性を示すものであり(摘記8b参照)、甲8にはメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体としてビスタマックス8880以外にビスタマックス8780及びビスタマックス8380が記載されており(摘記8b参照)、繊維断裂接着性は接着強度と同様の作用であるとしても、糸曳きが少なく、耐熱性および熱安定性に優れ、広い温度領域で優れた接着強度を有するが、速い硬化時間を示すことが不明である甲1発明のホットメルト接着剤において、速い硬化時間及び繊維断裂接着性を示す甲8に記載のホットメルト接着剤を採用する動機付けがあるとはいえないし、仮に、接着強度に着目して甲8に記載のメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を採用するとしても、ビスタマックス8780及びビスタマックス8380とともに列挙された中からビスタマックス8880を選択的に採用する動機付けがあるとはいえない。 ウ 本件特許発明1の効果について 本件特許発明1のホットメルト接着剤は、塗工時の糸曳が少なく、低温塗工性や高速セット性に優れており、接着後の耐熱性及び熱安定性にも優れているという効果を奏するものであり、そのような効果は、甲1発明及び甲2~甲9の記載から、当業者の予測を超える顕著なものであるといえる。 エ 特許異議申立人の主張及び当審の判断について (ア)特許異議申立人の主張 特許異議申立人は、令和6年3月13日提出の意見書において「・・・紙製品に使用されるホットメルト接着剤において、低温での塗工適性、迅速な硬化(高速セット性といえる。)、接着性などの接着機能を向上させるために、メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体であるビビスタマックス8880を用いることは、甲6(甲6の1の段落0013、0026、0055、0063、0064)、甲8(甲8の1の段落0005、0040、0062~0064、0071~0077、0096~0105の表7、9、10)、甲9(甲9の段落0004、0087~0089、0115の表4、0118の表5、0121の表6)等に示されるように、周知技術(以下「周知技術3」という。)である。 さらに、上記の接着機能を向上させるために、メタロセン系プロピレン/オクテン共重合体とメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体であるビスタマックス8880とを組み合わせてもよいことも、甲6(特に、甲6の1の段落0026の「AFFINIT YGA 1875、AFFINITYGA1900、及びAFFIITYGA1950エチレン-オクテンエラストマー」、0055の「VISTAMAXX 8880プロピレン-エチレンコポリマー、VISTAMAXX 8780プロピレンエチレンコポリマー、及びVISTAMAXX 8380プロピレン-エチレンコポリマー」参照)、甲8(特に、甲8の1の段落0098~0105の表7、9、10)等に示されるように、周知技術(以下「周知技術4」という。)である。 そして、甲1には、エチレンとオクテンとの共重合体とエチレンとプロピレンとの共重合体とを組み合わせてもよい示砕があること(上記ア参照)、紙製品に使用されるホットメルト接着剤において総合的な接着機能を向上させることは自明な課題であること及び上記の周知技術3、4に鑑みることで取消理由通知書において認定された甲1発明、又は、異議申立書に記載した甲1発明1及び甲1発明2において、メタロセン系プロピレン/オクテン共重合体(例えば、甲1の段落0020に記載のアフィニティ)とメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体であるビスタマックス8880との組み合わせを選択し、本件発明1の訂正された構成を想到することは、当業者が適宜なし得たといえる。・・・」等と主張する。 (イ)当審の判断 特許異議申立人の前記主張における周知技術3及び4があるとしても、周知技術3及び4の技術事項は前記イにおいて検討された甲6及び甲8に記載された事項と同様のものであり、前記イで検討したとおり、甲6及び甲8の記載があるとしても、メタロセン系プロピレン/オクテン共重合体とメタロセン系プロピレン/エチレン共重合体との組み合わせとする際に、メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体としてビスタマックス8880を用いて、本件発明1の訂正された構成を想到することは、当業者が適宜なし得たとはいえない。 よって、特許異議申立人の前記主張は採用できない。 オ 小括 したがって、本件特許発明1は、甲1に記載された発明及び甲2~甲9に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。 (2)本件特許発明2~6 本件特許発明2~6は、本件特許発明1を引用してさらに限定するものであり、上記本件特許発明1と引用発明との<相違点>と同じ相違点を有するものであって、<相違点>については前記(1)イで検討したとおりであるから、本件特許発明2~6は、甲1に記載された発明及び甲2~甲9に記載された事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものではない。 第6 特許異議申立人が令和6年3月13日提出の意見書において主張する新たな特許異議申立理由について 1 本件特許は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 2 また、明細書の記載が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。 第7 前記第6 1についての当審の判断 本件特許発明1の課題は、本件特許明細書【0011】の記載からみて、塗工時の糸曳きが少なく、接着後の耐熱性及び熱安定性に優れるホットメルト接着剤を提供することにあると認める。 そして、本件特許明細書の【0012】の記載から、本件特許発明1のホットメルト接着剤は、(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体、(B)エチレンとエチレン性二重結合を有するカルボン酸エステルとの共重合体、(C)粘着付与樹脂および(D)ワックスを有し、(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体が(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体を含むことにより、前記課題を解決することができるものであり、本件特許明細書の実施例の記載から、(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体として(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体である(A1-2)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体(エチレン含有量:6.0重量%、融点:97℃、190℃溶融粘度:1200mPas、エクソンモービル社製 ビスタマックス8880(商品名))を含むもの、及び/又は(A1-1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体(エチレン含有量:7.1重量%、融点:112℃、190℃溶融粘度:1850mPas、エクソンモービル社製 ビスタマックスA(試作品))を含み、さらに、(A2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体である(A2-1)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含有量:30~40重量%、融点:68℃、メルトフローレート:1000g/10min、ダウ・ケミカル社製 アフィニティGA1900(商品名))、(A2-2)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含有量:35~37重量%、融点:70℃、メルトフローレート:500g/10min、ダウ・ケミカル社製 アフィニティGA1950(商品名))、(A2-3)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含有量:30~40重量%、融点:70℃、メルトフローレート:1250g/10min、ダウ・ケミカル社製 アフィニティGA1875(商品名))、(A2-4)メタロセン系エチレン/オクテン共重合体(1-オクテン含有量:30~40重量%、融点:68℃、メルトフローレート:660g/10min、ダウ・ケミカル社製 アフィニティGA1000R(商品名))を含むものが、前記課題を解決できることが理解できる。ここで、(A1-1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体(エチレン含有量:7.1重量%、融点:112℃、190℃溶融粘度:1850mPas、エクソンモ-ビル社製 ビスタマックスA(試作品))が、試作品であるとしても、メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体であることに変わりはないから、(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体を含むことにより課題を解決できることが理解できることに変わりはない。 そして、特許異議申立人は前記実施例に含まれるもの以外の(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体を含むものが前記課題を解決できないことを実証しているわけでもない。 そうすると、本件特許明細書の記載から、(A)エチレンと炭素数が3~20のオレフィンとの共重合体を含むものが前記課題を解決することができることが理解できるから、発明の詳細な説明の記載により当業者が本件特許発明1~6の課題を解決できると認識できる範囲のものであるといえる。 第8 前記第6 2についての当審の判断 本件特許明細書には、融点が90~140℃、及びエチレン含有率が5.5~10.0重量%である(A1)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体として(A1-2)メタロセン系プロピレン/エチレン共重合体(エチレン含有量:6.0重量%、融点:97℃、190℃溶融粘度:1200mPas、エクソンモービル社製 ビスタマックス8880(商品名))が、少なくとも記載されている以上、本件特許明細書の発明の詳細な説明は当業者が本件特許発明1~6の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものであるといえる。 第9 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由 特許異議申立人の主張のうちは取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由は以下のとおりである。 (新規性)本件特許の請求項1~6に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲第1号証に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、上記に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであるから、同法第113条第2号に該当し、取り消すべきものである。 2 取消理由通知において採用しなかった特許異議申立理由についての判断 (1)甲号証及び乙号証について 前記第5 1のとおり。 (2)甲1の記載について 前記第5 2(1)のとおり。 (3)甲1に記載された発明 前記第5 3のとおり。 (4)対比・判断 ア 本件特許発明1 前記第5 4(1)アのとおり、本件特許発明1と引用発明は<相違点>で相違し、<相違点>は実質的な相違点である。 したがって、本件特許発明1は、甲1に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号の発明に該当しない。 イ 本件特許発明2~6 本件特許発明2~6は本件特許発明1を引用してさらに限定するものであり、前記本件特許発明1と引用発明との<相違点>と同じの相違点を有するものであるから、本件特許発明2~6は、甲1に記載された発明ではないから、特許法第29条第1項第3号に該当しない。 第10 むすび 以上のとおりであるから、令和5年12月12日付けの取消理由通知に記載した取消理由、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由及び令和6年3月13日提出の意見書に記載した特許異議申立理由によっては、本件特許発明1~6に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件特許発明1~6に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2023-701003

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