特許異議申立
2022-701068
シソ風味香料組成物
- 審判番号
- 2022-701068
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2021-187294
- 登録番号
- 7062828
- 請求日
- 2022年10月28日
- 審決日
- 2023年06月15日
- 公報発行日
- 2023年09月29日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】小川香料株式会社
- 【権利者代理人】田▲崎▼ 聡
- 【権利者代理人】大槻 真紀子
- 【権利者代理人】五十嵐 光永
- 【異議申立人】山田 友則
- 審判長/審判官
- 審判長 平塚 政宏
- 審判官 三上 晶子
- 審判官 植前 充司
- 分類
- P1652.113-YAA(A23L) / P1652.121-YAA(A23L)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第1項第3号、特許法第120条の5第9項、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7062828号発明「シソ風味香料組成物」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7062828号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。
特許第7062828号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7062828号(以下、「本件特許」という。)の請求項1ないし8に係る特許についての出願は、令和3年11月17日を出願日とする特許出願であって、令和4年4月22日にその特許権の設定登録(請求項の数8)がされ、同年5月6日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、その特許に対して、令和4年10月28日に特許異議申立人 山田 友則(以下、「特許異議申立人」という。)により特許異議の申立て(対象請求項:請求項1ないし7)がされ、令和5年1月26日付けで取消理由が通知され、同年3月30日に特許権者 小川香料株式会社(以下、「特許権者」という。)より訂正の請求(以下、「本件訂正請求」という。)とともに意見書の提出がされ、同年4月21日付けで特許法第120条の5第5項に基づく訂正請求があった旨の通知を特許異議申立人に対して行ったところ、同年5月26日に特許異議申立人より意見書が提出されたものである。
第2 訂正の適否についての判断
1 訂正の内容
本件訂正請求による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりであって、請求項1ないし7という一群の請求項について訂正するものである。(下線は、訂正箇所について合議体が付したものである。)
特許請求の範囲の請求項1の「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド」を「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)」に訂正する。
請求項1の記載を引用して特定する請求項2~7も同様に訂正する。
2 訂正の目的、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内か否か、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
本件訂正は、訂正前の請求項1における「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド」から、「1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く」というものであるから、本件訂正に係る請求項1についての訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、本件訂正は、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内のものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
請求項1の記載を引用して特定する請求項2ないし7の訂正についても同様である。
3 むすび
以上のとおり、本件訂正による請求項1ないし7についての訂正は、特許法120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5及び6項の規定に適合する。
また、訂正前の請求項1ないし7は一群の請求項に該当するものであるから、本件訂正による請求項1ないし7についての訂正は、特許法第120条の5第4項の規定に適合する。
なお、特許異議の申立ては、訂正前の請求項1ないし7に対してされているので、訂正を認める要件として、特許法第120条の5第9項において読み替えて準用する同法第126条第7項に規定する独立特許要件は課されない。
したがって、本件訂正は適法なものであり、結論のとおり、本件特許の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1ないし7〕について訂正することを認める。
第3 本件特許発明
上記第2のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし7に係る発明(以下、順に「本件特許発明1」のようにいう。)は、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
ペリラアルデヒド及び1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)を含有することを特徴とする、シソ風味香料組成物。
【請求項2】
1,2-ジヒドロペリラアルデヒドを0.1ppm~50000ppm含有する、請求項1に記載のシソ風味香料組成物。
【請求項3】
シス-1,2-ジヒドロペリラアルデヒド1質量部に対し、トランス-1,2-ジヒドロペリラアルデヒドを1質量部以上含有する、請求項1又は2に記載のシソ風味香料組成物。
【請求項4】
ペリラアルデヒド及び1,2-ジヒドロペリラアルデヒドを含有し、
1,2-ジヒドロペリラアルデヒドの含有量が、ペリラアルデヒド1質量部に対して0.0000003~0.25質量部である、請求項1~3のいずれか一項に記載のシソ風味香料組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシソ風味香料組成物を含有することを特徴とする、経口組成物。
【請求項6】
1,2-ジヒドロペリラアルデヒドの含有量が0.1ppb~50ppmである、請求項5に記載の経口組成物。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか一項に記載のシソ風味香料組成物を添加することを特徴とする、シソ風味を有する経口組成物の製造方法。」
第4 特許異議の申立ての理由の概要
令和4年10月28日に特許異議申立人が提出した特許異議申立書(以下、「特許異議申立書」という。)に記載した申立ての理由の概要は次のとおりである。
1 申立理由1(甲第1号証又は甲第2号証に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1ないし5に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基づいて、その出願前にその出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし5に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 申立理由2(甲第1号証又は甲第2号証に基づく進歩性)
本件特許の請求項6に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項6に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
3 申立理由3(甲第1号証に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の甲第1号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、甲第1号証に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項7に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
4 証拠方法
甲第1号証:周知・慣用技術集(香料)第II部 食品用香料 発行所 日本国特許庁、平成12年.1.14発行、P541、542 3・7・19シソ(perilla) フレーバー
甲第2号証:是沢 儀明、吉田 照雄、松尾 寿磨雄「香料用青しそにおける導入種の特性と栽培上の問題点について」熱帯農業、1973年、17巻、1号、p.13-17[online]、[令和4年9月2日検索]、インターネット<https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsta1957/17/1/17_1_13/_article/-char/ja/>
甲第3号証:高砂香料工業株式会社、コア コンピタンス セイボリートピックス、表1 シソ精油主要香気成分(area% GC-FID)、[online] 、[令和4年9月2日検索]、インターネット<URL:https://www.takasago.com/ja/f1avors/competence/savory/perilla.html>
甲第4号証:庄司 靖隆、川島 大輝、馬場 良子、佐藤 優理、熊沢 賢二「シソ風味食品の嗜好性を向上する新規香気成分の同定」公益社団法人日本食品科学工学会第69回大会講演集、2Bp-02、2022年
(以下、順に「甲1」のようにいう。)
証拠の表記は、特許異議申立書の記載におおむね従った。
第5 当審による取消理由の概要
令和5年1月26日付けで通知した取消理由の概要は次のとおりである。
なお、取消理由は、申立理由1ないし3の全てを包含する。
1 取消理由1(甲1に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1ないし7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、甲1に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
2 取消理由2(甲2に基づく新規性・進歩性)
本件特許の請求項1ないし7に係る発明は、本件特許の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲2に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号に該当し特許を受けることができないものであるか、甲2に記載された発明に基づいて、その出願前に当業者が容易に発明をすることができたものであり、同法同条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許の請求項1ないし7に係る特許は、同法第113条第2号に該当し取り消すべきものである。
第6 取消理由についての当審の判断
当審は、以下に述べるように、令和5年1月26日付けで通知した取消理由1ないし2には理由がないと判断する。
1 主な証拠に記載された事項等
(1)甲1の記載事項等
ア 甲1に記載された事項
甲1にはおおむね次の事項が記載されている。
・「
[図:0001401670000001.jpg]
[図:0001401670000002.jpg]
」(第541-542頁)
イ 甲1に記載された発明
甲1に記載された事項を「シソフレーバー」に関して整理すると、甲1には次の甲1発明が記載されていると認める。
<甲1発明>
「ペリラアルデヒドを特有成分とするシソ精油を用いた、シソフレーバー。」
さらに、甲1の「(3)用途・特徴」の記載からみて、甲1には次の甲1組成物発明及び甲1製法発明が記載されていると認める。
<甲1組成物発明>
「甲1発明を含む菓子、歯磨き、キャンディー、チューインガム、飲料類、口腔洗浄剤。」
<甲1製法発明>
「甲1発明を添加する、甲1組成物発明の製造方法。」
(2)甲2の記載事項等
ア 甲2に記載された事項
甲2にはおおむね次の事項が記載されている。
・「
[図:0001401670000003.jpg]
」(第13頁左欄第1パラグラフ)
イ 甲2に記載された発明
甲2に記載された事項を「北海道産青しそ精油を用いた香料」に関して整理すると、甲2には次の甲2発明が記載されていると認める。
<甲2発明>
「ペリラアルデヒドを主成分とする北海道産青しそ精油を用いた、香料。」
さらに、甲2の記載からみて、甲2には次の甲2組成物発明及び甲2製法発明が記載されていると認める。
<甲2組成物発明>
「甲2発明を含む菓子、タバコ、飲料。」
<甲2製法発明>
「甲2発明を添加する、甲2組成物発明の製造方法。」
(3)甲3に記載された事項
甲3にはおおむね次の事項が記載されている。
・「
[図:0001401670000004.jpg]
」(表1)
2 取消理由1(甲1に基づく新規性・進歩性)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲1発明とを対比する。
甲1発明の「シソ精油を用いた、シソフレーバー」は、本件特許発明1の「シソ風味香料組成物」に相当する。
甲1発明の「シソ精油」は「ペリラアルデヒドを特有成分とする」ものであるから、甲1発明は「ペリラアルデヒドを含有する」を満たす。
してみると、両者は、「ペリラアルデヒド」「を含有することを特徴とする、シソ風味香料組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点1>
本件特許発明1が「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)を含有する」のに対し、甲1発明においてはこのような特定がない点。
イ 判断
上記相違点1について検討する。
甲1発明はシソ精油の他に1,2-ジヒドロペリラアルデヒドを含有しないものであるから、甲1発明は、相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項である「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)を含有する」との特定事項を充足しないことは明らかである。
してみると、相違点1は実質的な相違点である。
したがって、本件特許発明1は甲1発明であるとはいえない。
なお、特許異議申立人は、令和5年5月26日付け意見書において、シソ精油に含まれる1,2-ジヒドロペリラアルデヒドと、シソ精油由来以外の1,2-ジヒドロペリラアルデヒドとは、物として同一であり、両者を区別することはできないから、相違点1は実質的な相違点とはなりえない旨主張する。しかしながら、上で述べたとおり相違点1は実質的な相違点であり、特許異議申立人の主張は採用できない。
また、甲1及び他の証拠には、甲1発明において相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することの動機付けとなる記載はない。
してみると、甲1発明において、相違点1に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)本件特許発明2ないし4について
本件特許発明2ないし4は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明2ないし4は、本件特許発明1と同様に、甲1発明であるとはいえないし、甲1発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(3)本件特許発明5について
本件特許発明5と甲1組成物発明とを対比すると、上記相違点1と同様の相違点があって、該相違点については上記(1)イと同様に判断されるから、本件特許発明5は、甲1組成物発明であるとはいえないし、甲1組成物発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(4)本件特許発明6について
本件特許発明6は、請求項5を引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明6は、本件特許発明5と同様に、甲1組成物発明であるとはいえないし、甲1組成物発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(5)本件特許発明7について
本件特許発明7と甲1製法発明とを対比すると、上記相違点1と同様の相違点があって、該相違点については上記(1)イと同様に判断されるから、本件特許発明7は、甲1製法発明であるとはいえないし、甲1製法発明並びに甲1及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(6)まとめ
よって、取消理由1には理由がない。
3 取消理由2(甲2に基づく新規性・進歩性)について
(1)本件特許発明1について
ア 対比
本件特許発明1と甲2発明とを対比する。
甲2発明の「北海道産青しそ精油を用いた、香料」は、本件特許発明1の「シソ風味香料組成物」に相当する。
甲2発明の「北海道産青しそ精油」は「ペリラアルデヒドを主成分とする」ものであるから、甲2発明は「ぺリラアルデヒドを含有する」を満たす。
してみると、両者は、「ペリラアルデヒド」「を含有することを特徴とする、シソ風味香料組成物。」である点で一致し、以下の点で相違する。
<相違点2>
本件特許発明1が「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)を含有する」のに対し、甲2発明においてはこのような特定がない点。
イ 判断
上記相違点2について検討する。
甲2発明は北海道産青しそ精油の他に1,2-ジヒドロペリラアルデヒドを含有しないものであるから、甲2発明は、相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項である「1,2-ジヒドロペリラアルデヒド(但し、1,2-ジヒドロペリラアルデヒドがシソ精油由来のものを除く)を含有する」との特定事項を充足しないことは明らかである。
してみると、相違点2は実質的な相違点である。
したがって、本件特許発明1は甲2発明であるとはいえない。
なお、特許異議申立人は、令和5年5月26日付け意見書において、シソ精油に含まれる1,2-ジヒドロペリラアルデヒドと、シソ精油由来以外の1,2-ジヒドロペリラアルデヒドとは、物として同一であり、両者を区別することはできないから、相違点2は実質的な相違点とはなりえない旨主張する。しかしながら、上で述べたとおり相違点2は実質的な相違点であり、特許異議申立人の主張は採用できない。
また、甲2及び他の証拠には、甲2発明において相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することの動機付けとなる記載はない。
してみると、甲2発明において、相違点2に係る本件特許発明1の発明特定事項を採用することは当業者が容易に想到し得たものであるとはいえない。
したがって、本件特許発明1は、甲2発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。
(2)本件特許発明2ないし4について
本件特許発明2ないし4は、請求項1を直接又は間接的に引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明2ないし4は、本件特許発明1と同様に、甲2発明であるとはいえないし、甲2発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(3)本件特許発明5について
本件特許発明5と甲2組成物発明とを対比すると、上記相違点2と同様の相違点があって、該相違点については上記(1)イと同様に判断されるから、本件特許発明5は、甲2組成物発明であるとはいえないし、甲2組成物発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(4)本件特許発明6について
本件特許発明6は、請求項5を引用して特定するものであり、本件特許発明1の発明特定事項を全て有するものである。
したがって、本件特許発明6は、本件特許発明5と同様に、甲2組成物発明であるとはいえないし、甲2組成物発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(5)本件特許発明7について
本件特許発明7と甲2製法発明とを対比すると、上記相違点2と同様の相違点があって、該相違点については上記(1)イと同様に判断されるから、本件特許発明7は、甲2製法発明であるとはいえないし、甲2製法発明並びに甲2及び他の証拠に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
(6)まとめ
よって、取消理由2には理由がない。
第7 むすび
したがって、令和5年1月26日付けで通知した取消理由、及び、特許異議申立書に記載した申立ての理由によっては、本件特許の請求項1ないし7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件特許の請求項1ないし7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-701068