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特許異議申立

2022-700869

電子機器及びプログラム

審判番号
2022-700869
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2020-168795
登録番号
7030351
請求日
2022年09月06日
審決日
2024年09月25日
公報発行日
2024年12月27日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】株式会社ユピテル
  • 【異議申立人】芳野 理之
審判長/審判官
  • 審判長 山本 信平
  • 審判官 青木 良憲
  • 審判官 倉橋 紀夫
分類
P1651.121-YAA(B60R) / P1651.537-YAA(B60R)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第120条の5第9項、特許法第36条第6項第2号、特許法第36条第6項第1号、特許法第120条の5第2項、特許法第126条第5項、特許法第120条の5第4項、特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7030351号発明「電子機器及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7030351号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 特許第7030351号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。

理由

理 由 1 手続の経緯 特許第7030351号の請求項1、2に係る特許についての出願は、平成23年12月22日に出願した特願2011-281299号の一部を平成28年4月27日に新たに特許出願した特願2016-88712号の一部を平成29年7月31日に新たに特許出願した特願2017-147406号の一部を平成31年2月26日に新たに特許出願した特願2019-32363号の一部を令和2年10月6日に新たに特許出願したものであって、令和4年2月25日にその特許権の設定登録がされ、令和4年3月7日に特許掲載公報が発行された。本件特許異議の申立ての経緯は、次のとおりである。 令和 4年 9月 6日 : 特許異議申立人芳野理之(以下、「申立人」という。)による請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立て 令和 4年11月24日付け: 取消理由通知書 令和 5年 1月30日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 令和 5年 3月15日 : 申立人による意見書の提出 令和 5年11月22日付け: 取消理由通知書(決定の予告) 令和 6年 1月12日 : 特許権者による意見書及び訂正請求書の提出 2 訂正の適否についての判断 (1)訂正の内容 令和6年1月12日提出の訂正請求書(以下、「本件訂正請求書」という。)による訂正(以下、「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示すために当審にて付与した。 ア 訂正事項1-1 「第一の画面フォーマット群」について、特許請求の範囲の請求項1に「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる第一の画面フォーマット群と、」と記載されているのを、「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群と、」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も請求項1と同様に訂正する。 イ 訂正事項1-2 「第二の画面フォーマット群」について、特許請求の範囲の請求項1に「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる第二の画面フォーマット群と、」と記載されているのを、「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群と、」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も請求項1と同様に訂正する。 ウ 訂正事項1-3 「第三の画面フォーマット群」について、特許請求の範囲の請求項1に「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させ、車両側コネクタに接続されているときには搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中から選択した車両状態を表示させる第三の画面フォーマット群とを備え、」と記載されているのを、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群とを備え、」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も請求項1と同様に訂正する。 エ 訂正事項1-4 特許請求の範囲の請求項1に「1つの画面内に表示させる1つの画面フォーマットをこれらの画面フォーマット群の中から1つユーザに選択させる機能を備える」と記載されているのを、「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備える」に訂正する。 請求項1の記載を引用する請求項2も請求項1と同様に訂正する。 なお、訂正前の請求項1、2は、請求項2が、訂正の請求の対象である請求項1の記載を引用する関係にあるから、本件訂正は、特許法第120条の5第4項に規定する一群の請求項〔1、2〕に対して請求されたものである。 (2)訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 ア 訂正の目的について (ア)訂正事項1-1~1-3 訂正事項1-1~1-3は、当審が通知した取消理由に対応して、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」、及び「第三の画面フォーマット群」のそれぞれについて、どのような画面表示態様を、画面の「フォーマット」というのかを明確にし、また、そのように明確にした画面のフォーマットのどのような集合(集合態様)を、「画面フォーマット群」というのかを明確にし、また、そのように明確にした画面フォーマット群である「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」、及び「第三の画面フォーマット群」には、それぞれ、どのような画面のフォーマットが属するのかを明確にすることを目的とするものであるから、明瞭でない記載の釈明に該当する。 よって、訂正事項1-1~1-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 また、訂正事項1-1~1-3は、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」、及び「第三の画面フォーマット群」を、より具体的に特定し、更に限定するものである。 よって、訂正事項1-1~1-3は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。 (イ)訂正事項1-4 訂正事項1-4は、当審が通知した取消理由に対応して、「1つの画面フォーマット」を「1つの画面のフォーマット」にするとともに、当該「1つの画面のフォーマット」の選択対象を、「これらの画面フォーマット群の中から1つ」としていたものを「前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つ」のように明確にすることを目的とするものであるから、明瞭でない記載の釈明に該当する。 よって、訂正事項1-4は、特許法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。 イ 願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であること (ア)訂正事項1-1 「第一の画面フォーマット群」に係る訂正は、明細書の段落0039、0043~0052、0054、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)、図6(a)、(b)、(c)、図8(a)の記載に基づいている。 よって、訂正事項1-1は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に規定する、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (イ)訂正事項1-2 「第二の画面フォーマット群」に係る訂正は、明細書の段落0039、0044、0055~0058、図8(b)、(c)の記載に基づいている。 よって、訂正事項1-2は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に規定する、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (ウ)訂正事項1-3 「第三の画面フォーマット群」に係る訂正は、明細書の段落0039、0044、0053、0073~0079、図7(a)、(b)、(c)、図19~22の記載に基づいている。 よって、訂正事項1-3は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に規定する、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。 (エ)訂正事項1-4 「ユーザに選択させる機能」に係る訂正は、明細書の段落0039~0043、図3(a)、(b)、(c)の記載に基づいている。 よって、訂正事項1-4は、特許法第120条の5第9項で準用する特許法第126条第5項に規定する、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものである。 ウ 実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないこと 上記アの理由から明らかなように、訂正事項1-1は、「第一の画面フォーマット群」を、より下位の、「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群」という特定をするものであり、訂正事項1-2は、「第二の画面フォーマット群」を、より下位の、「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群」という特定をするものであり、訂正事項1-3は、「第三の画面フォーマット群」を、より下位の、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群」という特定をするものであり、訂正事項1-4は、「1つの画面内に表示させる1つの画面フォーマットをこれらの画面フォーマット群の中から1つユーザに選択させる機能」を、「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能」という特定をするものであり、それぞれ、カテゴリーや対象を変更するものではないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当せず、特許法第120条の5第9項で準用する第126条第6項に適合するものである。 (3)小括 上記のとおり、訂正事項1-1~1-4に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項の規定に適合するとともに、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。 したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1、2〕について訂正することを認める。 3 訂正後の本件発明 本件訂正請求により訂正された請求項1及び2に係る発明(以下「本件発明1」及び「本件発明2」という。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 本件発明1 「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群と、 車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群と、 車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群とを備え、 1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備える電子機器。」 本件発明2 「請求項1に記載の電子機器の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。」 4 取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由について (1)取消理由の概要 訂正前の請求項1及び2に係る特許に対して、当審が令和5年11月22日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 <理由1> 請求項1及び2に係る発明は明確ではない。 よって、請求項1及び2に係る特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 <理由2> 請求項1及び2に係る発明は、発明の詳細な説明に記載したものとはいえない。 よって、請求項1及び2に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してされたものであり、取り消されるべきものである。 (2)当審の判断 ア 特許法第36条第6項第2号(理由1)について (ア)「第三の画面フォーマット群」について 上記2(1)ウの訂正により、「第三の画面フォーマット群」に属する「画面のフォーマット」は、「ユーザが選択した複数の車両状態」を表示させるものに限定された。 その結果、「第三の画面フォーマット群」に属する「画面のフォーマット」において表示させる車両状態を誰が選択するのかが明らかになったことで、「第一の画面フォーマット群」及び「第二の画面フォーマット群」との間の構成上の差異が明確になった。また、「第三の画面フォーマット群」に属する「画面のフォーマット」において表示させる車両状態の数が一つではないことが明らかになったことで、「第一の画面フォーマット群」及び「第二の画面フォーマット群」の他に「第三の画面フォーマット群」をさらに設けて「選択した車両状態を表示させる」ことの技術的意義が明確になった。 よって、本件発明1における「第三の画面フォーマット群」は明確である。 (イ)小括 よって、本件発明1は明確であり、請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してなされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。 また、本件発明1を引用する本件発明2も同様に明確であり、請求項2に係る特許は、特許法第36条第6項第2号の規定に違反してなされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。 イ 特許法第36条第6項第1号(理由2)について (ア)「第三の画面フォーマット群」について 本件発明1の「第三の画面フォーマット群」に関して、本件訂正前は、画面に表示させる車両状態を誰が選択するのか、また、画面に表示させる車両状態の数については特定されていなかったが、上記2(1)ウの訂正により「ユーザが選択した複数の車両状態」となったことにより、車両状態をユーザが選択すること、及び、複数の車両状態を画面に表示させることが特定された。そして、その結果、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載されていないものを含むことはなくなった。 (イ)小括 よって、本件発明1は、発明の詳細な説明に記載したものであり、請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してなされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。 また、本件発明1を引用する本件発明2も同様であり、請求項2に係る特許は、特許法第36条第6項第1号の規定に違反してなされたものではないから、同法第113条第4号の規定により取り消されるべきものではない。 5 取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由等について (1)特許異議申立書で主張された申立理由 ア 明確性要件の理由 (ア)「画面フォーマット」の明確性 申立人は「画面フォーマット」についての意味内容が不明確と主張する。 しかしながら、本件訂正により「画面フォーマット」は「画面のフォーマット」に訂正され、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」については、上記2(1)ア~ウのとおり訂正された。 それによって、画面の「フォーマット」は画面の「構成」のことを示しており、さらに、その「構成」は、例えば「第三の画面フォーマット群」において、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成で」、さらに、「車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成」であり、画面の表示態様を特定するものであることが明確になった。 よって、本件発明1における「画面のフォーマット」は明確である。 (イ)「画面フォーマット群」の明確性 申立人は「画面フォーマット群」についての意味内容が不明確と主張する。 しかしながら、上記2(1)ア~ウのとおり、本件訂正により「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」のそれぞれについて、「画面のフォーマット」の「集合」が「画面フォーマット群」であると特定された。そして、「画面のフォーマット」は上記(ア)のとおり「画面の構成」を示すことから、「画面フォーマット群」とは、画面の構成が複数個あり、そのような画面の構成を示す画面のフォーマットを集合として把握したもののことであることが明確になった。 また、広辞苑によると「群」とは「むらがり。むれ。あつまり。」の意味であり、複数のものが集まった集合のことであることがわかるが、このことは上記理解と整合するものである。 よって、本件発明1における「画面フォーマット群」は明確である。 (ウ)第一、第二、第三の画面フォーマット群の明確性 a 申立人の主張 申立人は「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」の峻別ができず、所定の画面フォーマットがどの画面フォーマット群に属するものかを判断することができず、第一から第三の画面フォーマット群として何を特定しているのか技術的意味が不明確であると主張する。 しかし、上記(ア)、(イ)で述べたとおり、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」のそれぞれに属する画面のフォーマットが、どのような情報(すなわち、車両状態) を表示する所定領域が配置された構成を示すかは、明確である。 よって、本件発明1における「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」は明確である。 イ サポート要件の理由 (ア)申立人の主張 「画面フォーマット群」の語は、本件特許発明1に係る出願(第4世代分割出願)の原出願(特願2011-281299)の出願当初の明細書、特許請求の範囲、又は図面には記載されていない。 また、本件請求項1では、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」および「第三の画面フォーマット群」のそれぞれについて規定しているが、そのような規定について本件明細書等には記載も示唆もない。 さらには、「画面フォーマット」や「画面フォーマット群」の意味内容が不明確であり、本件明細書等の記載を越えて解釈され得る。 このように、本件請求項1に記載の発明特定事項である「画面フォーマット群」について本件明細書に記載や示唆はなく、本件特許発明1は発明の詳細な説明に記載した範囲を超えているものである。 また、本件請求項1を引用したプログラムである本件請求項2に係る発明についても同様に、発明の詳細な説明に記載したものではない。 (イ)当審の判断 確かに、本件発明1に係る出願の原出願(特願2011-281299)の当初明細書、特許請求の範囲、又は図面には、「画面フォーマット群」の語は記載されていないが、原出願における記載の有無はサポート要件では問われない。 上記2の訂正により、上記ア(イ)で説示したとおり「画面フォーマット群」が複数の「画面のフォーマット」の集合であることは容易に理解できるし、「画面のフォーマット」についても、上記ア(ア)で説示したとおり明確である。 そして、「第一の画面フォーマット群」については、本件明細書の【0039】、【0043】~【0052】、【0054】、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)、(c)、図6(a)、(b)、(c)、8(a)等に実質的に記載されているものであり、「第二の画面フォーマット群」については、本件明細書の【0039】、【0055】~【0058】、図8(b)、(c)等に実質的に記載されているものであり、「第三の画面フォーマット群」については、本件明細書の【0039】、【0044】、【0053】、図7(a)、(b)、(c)等に実質的に記載されているものである。 よって、本件発明1及び本件発明1を引用する本件発明2は発明の詳細な説明に記載されたものであり、特許請求の範囲の記載は、特許法第36条第6項第1号の要件を満たす。 ウ 進歩性欠如の理由 (ア)申立人の主張 本件特許発明は「画面フォーマット」、「画面フォーマット群」の意味内容が不明確であるため、「画面フォーマット」は何かしらの画面表示、「画面フォーマット群」は異なる形態の画面表示として各甲号証との対比を行う。 a 甲第4号証に記載された発明(以下「甲4発明」という。)を主引用発明とする場合 本件発明1と甲4発明とを対比すると、以下の点で相違する。 相違点1:本件発明1は(C)「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させ、車両側コネクタに接続されているときには搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中から選択した車両状態を表示させる第三の画面フォーマット群」および(D)「1つの画面内に表示させる1つの画面フォーマットをこれらの画面フォーマット群の中から1つユーザに選択させる機能を備える電子機器」について備えているが、甲4発明は備えていない点。 そこで、相違点1について検討すると、本件発明1の(C)については、甲5発明における「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサ(例えば、外部水温センサ)から取得した情報に基づく車両状態を表示させ、車両側コネクタに接続されているときには搭載したセンサから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中から選択した車両状態を表示させる画面」が相当し、本件発明1の(D)については、甲6発明における「1つの画面内に表示させる1つの画面構成を複数の画面構成の中から1つユーザに選択させる機能を備える電子機器」が相当する。 そして、甲5発明および甲6発明は、車両情報を表示する装置に用いられるものであり、甲4発明と技術分野を一にするものであることから、甲5発明における構成および甲6発明における構成を甲4発明に適用することは、容易に想到し得るものである。 b 甲第6号証に記載された発明(以下「甲6発明」という。)を主引用発明とする場合 本件発明1と甲6発明とを対比すると、以下の点で相違する。 相違点2:本件発明1は(C)「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させ、車両側コネクタに接続されているときには搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中から選択した車両状態を表示させる第三の画面フォーマット群」について備えているが、甲6発明は備えていない点。 そこで、相違点2について検討すると、本件発明1の(C)については、甲5発明における「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサ(例えば、外部水温センサ)から取得した情報に基づく車両状態を表示させ、車両側コネクタに接続されているときには搭載したセンサから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中から選択した車両状態を表示させる画面」が相当する。 そして、甲5発明は、車両情報を表示する装置に用いられるものであり、甲6発明と技術分野を一にするものであることから、甲5発明における構成を甲6発明に適用することは、容易に想到し得るものである。 (イ)甲号証に記載された事項等 a 甲第4号証 (a)記載事項 甲第4号証(特開2011-37310号公報)には、次の記載がある。 (a-1)「【0022】 <本例のポータブルカーナビと車載ネットワークとの関係> 図2は、本例のポータブルカーナビ10を車載ネットワークのCAN(Controller Area Network)バス40に接続して、各種センサからの車両状態情報を本例のポータブルカーナビ10に取り込むようにした車載ネットワークの例を示したものである。図2に示す車載ネットワークは、CANバス40にさまざまなコンピュータシステムであるECU(Electric Control Unit)が接続されている。 なお、CANバス40は、車載ネットワークに標準的に使用されている通信規格である(ISO11898及びISO11519)。このCANバス40は、図示するようにCAN_HとCAN_Lの2本の差動信号線で構成されている。 【0023】 CANバス40に接続されるECUには、エンジンの回転制御を行うエンジンECU11、ブレーキシステムの制御を行うABS(Anti-lock Brake System)ECU12、トランスミッション制御を行うトランスミッションECU13、メータパネル周辺の制御を行うメータ&パネルECU14、各種スイッチ等の制御を行うボディECU16、及びその他のECU17がある。メータ&パネルECU14は、各種通信線を介してコンビネーションメータユニット15(後述する図6のコンビネーションメータユニット80と同じもの)が接続されている。 【0024】 ABS ECU12には、車速センサ21が接続され、この車速センサ21からの検出信号により、車両の速度が検出されるようになっている。このABS ECU12で検出された車速データは、図の矢印で示すように、CANバス40を経由してメータ&パネルECU14に送られ、車速パルス37に変換される。この車速パルス37は通信線を経由してコンビネーションメータユニット15に送られる。 【0025】 また、メータ&パネルECU14には、燃料計、水温計等の各種センサとシフトレバー等の各種スイッチ22が接続されており、これらのセンサないしスイッチの検知信号に基づいて車両が現在どのような状況になっているかを示す車両状態情報がコンビネーションメータユニット15に表示されるようになっている。ここで、コンビネーションメータユニット15の「コンビネーション」とは、コンビネーションメータユニット15が機能部品であり、車速データ以外にも、車両に設けられた各種スイッチやセンサからの様々な車両状態情報を表すインジケータを統合して表示することを意味している。 【0026】 ボディECU16には、コンビネーションスイッチ、ハザードスイッチ、ステアリングスイッチ等を含む各種スイッチ23と、ドア系センサ24及びシート系センサ25が接続され、これらのスイッチあるいはセンサからの信号が供給されている。 また、ボディECU16には、制動灯、方向指示器等18と、ドア及びシート用アクチュエータ19が接続されており、上述の各種スイッチ及びセンサ等からの信号に基づいて、制動灯、方向指示器等18と、ドア及びシート用アクチュエータ19が制御されるようになっている。そして、これらのスイッチ類あるいはセンサ類からの情報も、CANバス40を経由して、メータ&パネルECU14に送られ、各種通信線を経てコンビネーションメータユニット15を経てメータクラスタ30(図1参照)に表示される。 なお、その他のECU17は、ラジオ、オーディオ、エアコン等の操作表示と作動制御を司るECUである。 【0027】 以上はCANバス40から見た通常の車両が備える車載ネットワークであるが、本発明では、この車載ネットワークに、更にポータブルカーナビ10が接続されている。すなわち、ポータブルカーナビ10は、車両診断用コネクタ26を介してCANバス40に接続され、車速データ等の様々な車両状態情報を取り込むことができるようになっている。なお、車速データについては、メータ&パネルECU14とコンビネーションメータC/U15を接続する通信線にポータブルカーナビ10を接続することにより取得するようにしてもよい。」 (a-2)「【0028】 <本例のポータブルカーナビの外部接続> 次に、図3に基づいて、本例のポータブルカーナビ10に車両状態情報の表示をする場合の外部機器との接続の仕方について説明する。 図3に示すように、本例のポータブルカーナビ10は、図2に示すCANバス40に接続される他に、外部機器と接続するための各種接続端子を備えている。例えば、ポータブルカーナビ10の電源を車両の電源31から取り込む端子を備える。この電源端子としては、通常車両のシガーライタが用いられる。 【0029】 また、ポータブルカーナビ10は、例えば機器前面上部に内蔵カメラ開口部32を備えており、図示しない外部カメラからの情報を取り込めるようになっている。更に、カーナビゲーションに必要なGPS情報を取り込むためのアンテナ類33の端子や、パソコンと接続するためのUSBインターフェース34を備えている。このUSBインターフェース34は、カーナビの地図データの更新や、車両が走行時に取得したデータをパソコンに送信するために用いられるインターフェースである。 【0030】 また、ポータブルカーナビ10の側面部には、メモリカード(SDカード等)36を挿入するスロットが設けられている。このメモリカード36は、ポータブルカーナビ10に記録してあるデータを書き出すための記録デバイスであるが、このメモリカード36からポータブルカーナビ10の方に必要な情報を読み込むこともできることは言うまでもない。 【0031】 更に、このポータブルカーナビ10には、後述する赤外線リモコン70(図5参照)からの情報を受信する赤外線リモコン受光部35が設けられている。赤外線リモコンについては後述するが、このリモコンは、ステアリングホイールに装着されており、このリモコンを操作者が操作することにより、ポータブルカーナビ10に表示される画像が切り替えられるようになっている。 【0032】 また、ポータブルカーナビ10には、CANバス40からのルートのほかに、メータ&パネルECU14とコンビネーションメータC/U15を接続する通信線から車速パルス37を取り込めるようになっている。この車速パルス37は、車両の速度を示すパルス信号であり、車軸の1回転がnパルスに相当している。なお、このパルス数nは、駆動軸1回転ごとに2、4、8・・という2の倍数で発生するパルスであり、日本標準規格(JIS_D5601)では、時速60kmを637rpmとして、10.6パルス/秒と定められている。」 (a-3)「【0033】 なお、図3においては、ポータブルカーナビ10の表示画面を2分割し、カーナビ画像を左側に車両状態情報を右側に表示する例を示している。しかし、図8~図13に後述するように、カーナビの地図画像に重畳させて必要な車両状態情報を表示することもできる。」 (a-4)「【0042】 <本例のポータブルカーナビの車両への取付具とその構造> ・・・このタッチパッド70は、赤外線リモコンのスイッチを構成しており、ポータブルカーナビ10に設けられる赤外線リモコン受光部35(図3参照)に向けて赤外線を送り、表示画面の切り替え制御を行うものである。なお、ここでは赤外線リモコンを用いているが、赤外線の代わりに、ブルートゥース(Bluetooth)などの近距離無線通信手段を利用することもできる。また、このタッチパッド70は、ステアリングホイール88とともに回転する構造になっているが、例えば後述する図6のコラムカバー89の上に配置することもできる。その場合には、タッチパッド70はステアリングホイール88とともに回転しない。」 (a-5)「【0059】 図12は、運転者の好みによりオプションとして表示したい項目を設定して選択的に表示した例を示している。ここでは、トリップメータ91と燃料計92を表示させた例を示している。これらの表示以外に、運転者の好みによって、エンジンの回転計、水温計あるいは油圧計などが選択表示されることもある。」 (a-6)図3 「 [図:0001417585000001.jpg] 」 (a-7)図12 「 [図:0001417585000002.jpg] 」 (b)認定事項 (b-1)上記(a)(a-1)~(a-3)の記載事項及び(a-6)~(a-7)の図示内容より、図3や図12に図示された表示画面の表示態様は「車両診断用コネクタ26に接続されているときに、各種センサからの車両状態情報またはGPS情報に基づく車両状態と車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態とを表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」であるといえる。 (b-2)上記(a)(a-5)の記載から、各車両状態は、運転者の好みによりオプションとして表示したい項目を設定して選択的に複数表示し得るものであることから、上記(b-1)の「画面のフォーマット」は、運転者が選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示しているといえる。 (c)甲4発明 上記(a)の記載事項及び(b)の認定事項によれば、甲第4号証は、以下の甲4発明を開示していると認められる。 「車両診断用コネクタ26に接続されているときに、各種センサからの車両状態情報またはGPS情報に基づく車両状態と車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態との中から運転者が選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットを備え、 1つの表示画面内に表示させる1つの画面のフォーマットがあるポータブルカーナビ。」 b 甲第6号証 (a)記載事項 甲第6号証(特開2009-229172号公報)には、次の記載がある。 (a-1)「【0018】 また、ディスプレイ装置10には、伝送路として供される光ファイバ等のバス(図示せず)を介して車載機器100が接続されている。この車載機器100には、ナビゲーション装置110、AV装置120、エアコン130、車両周辺画像提供装置140等が含まれていて、各装置からそれぞれナビゲーション情報、AV情報、エアコン設定情報、車両周辺画像情報等が出力される。なお、図示しないが、AV装置120には、ラジオ受信機、テレビ受信機、CDプレーヤ、DVDプレーヤ等が含まれている。さらに、ディスプレイ装置10には、車両(図示せず)から出力された当該車両の状態に関する情報(車両状態情報)が入力される。以下、これらの車両状態情報、ナビゲーション情報、AV情報、エアコン設定情報、車両周辺画像情報等の情報を「外部情報」という。」 (a-2)「【0019】 これらの外部情報において、車両状態情報は、車両の走行速度(車速)、エンジン回転数、走行距離、各シフト位置(AT車の場合、D、N、R、P)、燃料タンク内の燃料残量、エンジン冷却水の温度(水温)、エンジンオイルの温度(油温)及び圧力(油圧)、バッテリー電圧、燃費などの情報項目の組み合わせにより構成されている。」 (a-3)「【0020】 ナビゲーション情報は、ナビゲーション装置110が生成した車両の周辺地図(画像データ)や出発地から目的地までの行程案内図(画像データ)などにより構成されている。なお、車両周辺地図は、ナビゲーション装置110において種々の縮尺で生成される。また、行程案内図は、目的地名、目的地到着予定時刻、走行道路名、主要通過道路名、交差点名、インターチェンジ・ジャンクション名、サービスエリア名、区間距離・区間通過予定時間、車線・進行方向案内及び渋滞・規制情報などの情報項目の組み合わせにより構成されている。」 (a-4)「【0022】 車両周辺画像情報は、車両周辺画像提供装置140が生成した車両周辺画像(画像データ)により構成されている。この車両周辺画像には、当該車両の前方、後方及び側方(左側方及び右側方)などの画像が含まれている。なお、車両周辺画像は、車両周辺画像提供装置140において種々の画像の詳細度で生成される。」 (a-5)「【0023】 本実施形態に係るディスプレイ装置10において、表示部11は、液晶表示(LCD)パネルや有機ELパネル等からなり、縦の長さよりも横の長さの方が大きい表示画面を有していて、例えば、図2に示すように車両のセンターコンソールのほぼ中間位置に設置されている。また、この表示部11は、表示の態様の例として、画面全体に上述した外部情報のいずれか1つを表示したり(以下、このような表示態様を「通常表示モード」という。)、また本発明に関連する表示態様として、画面を横方向に3つ以上の小画面(分割画面)に分割し、個々の分割画面に外部情報のいずれか1つを表示したりする(図9参照:以下、このような表示態様を「複数画面表示モード」という)。」 (a-6)「【0033】 まず、ディスプレイ装置10の制御部15において行う初期設定に係る処理について、図4~8を参照しながら説明する。 【0034】 ディスプレイ装置10が通常表示モードである場合に、ユーザがメニューボタン12aを押すと、制御部15は、メニューボタン12aの信号に応じて通常表示モードのメインメニュー(図示せず)の画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザがロータリーエンコーダのダイヤル12bを回してこのメインメニュー(図示せず)の項目のうち「複数画面表示に変更」という項目を選択し、エンターボタン12cを押して当該項目を指定すると、制御部15は、ディスプレイ装置10を通常表示モードから複数画面表示モードに変更すると共に、例えば、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューの画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。 【0035】 図4に示すように、複数画面表示モードのメインメニューには、「画面数の設定」、「表示情報の設定」、「特定画面の設定」、「前回の画面を表示」及び「通常表示モードに変更」という5つの項目が含まれている。また、このメニューが表示された時点においては、これらの項目のうち一番上に配置されている「画面数の設定」が現在選択されている項目となっていて、他の項目と異なる表示態様(図4では、「ハッチング」の表示態様)となっている。 【0036】 複数画面表示モードのメインメニューにおいて、「画面数の設定」は、表示部11の画面に設ける分割画面の数を設定すること指示するための項目であり、「表示情報の設定」は、個々の分割画面に表示する外部情報の種類を設定することを指示するための項目であり、「特定画面の設定」は、複数の分割画面から特定の分割画面を設定することを指示するための項目であり、「前回の画面を表示」は、前回の複数画面表示モードのときの表示内容(分割画面の数、個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせ、及び、特定の分割画面として指定された分割画面)にすることを指示するための項目であり、そして「通常表示モードに変更」は、複数画面表示モードから通常表示モードに変更することを指示するための項目である。 【0037】 ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して「画面数の設定」を指定すると、制御部15は、例えば、図5に示す分割画面数設定用のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザはダイヤル12bを回してこのメニュー画面に表示される分割画面数を変更し、エンターボタン12cを押して所望の分割画面数を決定すると、制御部15は、当該分割画面数を分割画面数データとして第2のメモリ14に記憶する。これにより、「画面数の設定」に係る処理は終了となる。 【0038】 また、複数画面表示モードのメインメニューが表示されているときに、ユーザが「表示情報の設定」を指定すると、制御部15は、例えば、図6(a)に示す表示情報設定用の第1階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。図6(a)に示すように、このメニュー画像には、上述した「画面数の設定」において設定された数の分割画面(図6(a)では、3つの分割画面)が描かれていて、これらの分割画面のうち現在選択されている分割画面(図6(a)では、左端の分割画面)が他の分割画面と異なる表示態様(図6(a)では、他の分割画面よりも枠が太く描かれている)となっている。 【0039】 図6(a)に示す第1階層のメニュー画像が表示されているときに、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して分割画面の1つを指定すると、制御部15は、例えば、図6(b)に示す表示情報設定用の第2階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。この第2階層のメニューは、外部情報構成データに基づいて分類された外部情報のリストにより構成されている。 【0040】 図6(b)に示す第2階層のメニュー画像が表示されているときに、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して外部情報の1つを指定すると、制御部15は、再度、図6(a)に示す第1階層のメニュー画像を表示させ、他の分割画面についても表示させる外部情報を指定するようにユーザを促す。 【0041】 このようにして、ユーザが全ての分割画面について表示させる外部情報を指定すると、制御部15は、例えば、図7に示す表示情報設定用の第3階層のメニュー画像を生成し、表示部11の画面に表示させる。このメニュー画面において、ユーザがダイヤル12b及びエンターボタン12cを操作して画面の組み合わせを保存すること(図7では、「はい」という項目)を指定すると、制御部15は、続いて、例えば「プリセットボタンを選択して下さい」というメッセージ画像(図示せず)を表示部11の画面に表示させる。そして、ユーザがプリセットボタン12d~12fのいずれか1つを押すと、制御部15は、ユーザによって指定された個々の分割画面に表示させる外部情報の組み合わせとプリセットボタンの種別とを対応付けたものを画面組み合わせデータとして第2のメモリ14に記憶する。これにより、「表示情報の設定」に係る処理は終了となる。 ・・・ 【0044】 このようにして複数画面表示モードの初期設定がなされると、制御部15は、車載機器100から出力された外部情報に基づき、例えば、図9に示す画面を表示部11に表示させる。 【0045】 この図9に示す画面表示例においては、表示部11の表示画面は3つの分割画面21~23により構成されていて、個々の分割画面の表示領域の大きさ(画面横方向の大きさ)は、例えば、表示部11の画面全体の大きさを「16インチ」と規定したときに「5インチ」となっている。3つの分割画面21~23のうち左端の分割画面21は他の分割画面22、23よりも枠が太く描かれていて、当該分割画面21が「特定分割画面」となっている。 【0046】 また、図9に示す画面表示例においては、個々の分割画面21,22,23には、左から順に、外部情報として「ナビゲーション情報1」、「ナビゲーション情報2」及び「車両状態情報1」が表示されている。 【0047】 これらの外部情報のうち、「ナビゲーション情報1」は、目的地までの誘導経路を含む車両周辺地図により構成されていて、当該外部情報が表示されている左端の分割画面21においては、その表示領域の大きさに応じた縮尺(図9に示す画面表示例では、1Kmスケール)で示されている。 【0048】 また、「ナビゲーション情報2」は、出発地から目的地までの行程案内図により構成されている。この行程案内図は、例えば、目的地名、目的地到着予定時刻、走行道路名、主要通過道路名、交差点名、インターチェンジ・ジャンクション名、サービスエリア名、区間距離・区間通過予定時間、車線・進行方向案内及び渋滞・規制情報の情報項目の組み合わせからなり、当該外部情報が表示されている中央の分割画面22においては、その表示領域の大きさに応じた項目数の情報(図9に示す画面表示例では、目的地名、目的地到着予定時刻及び主要通過道路名)が示されている。 【0049】 そして、「車両状態情報1」は、例えば、車速、エンジン回転数、走行距離、各シフト位置、燃料残量及び燃費の情報項目の組み合わせからなり、当該外部情報が表示されている右端の分割画面23においては、その表示領域の大きさに応じた項目数の情報(図9に示す画面表示例では、車速、エンジン回転数及び走行距離)が示されている。」 (a-7)「【0070】 上述した実施形態においては、図9に示すように、個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせを「ナビゲーション情報1」、「ナビゲーション情報2」及び「車両状態情報1」にした例について説明したが、外部情報の組み合わせがこれに限定されずに、その他の組み合わせでもよいことはもちろんである。本実施形態においては、図4に示す複数画面表示モードのメインメニューから、その他の外部情報の組み合わせを作成することも可能であるし、このように作成した外部情報の組み合わせを画面組み合わせデータとして第2のメモリ14に記憶しておき、プリセットボタン12d~12fを押すことにより、その外部情報の組み合わせを表示部11の画面に表示させることも可能である。」 (a-8)「【図6】(b) [図:0001417585000003.jpg] 」 (a-9)「【図9】 [図:0001417585000004.jpg] 」 (b)認定事項 (b-1)上記(a)(a-5)の記載事項より、「通常表示モード」の時に、画面全体に外部情報のいずれか1つを表示する表示態様や、「複数画面表示モード」の時に、画面を横方向に3つ以上の小画面(分割画面)に分割し、個々の分割画面に外部情報のいずれか1つを表示する表示態様は、それぞれ「画面のフォーマット」であるといえる。 (b-2)上記(a)(a-1)~(a-5)の記載事項より、「表示部11」内に表示させる表示態様には、「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像」、「ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図」及び「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態」を表示させる「所定領域」が配置されていると認められる。 (b-3)上記(a)(a-5)の「表示部11は、表示の態様の例として、画面全体に上述した外部情報のいずれか1つを表示したり(以下、このような表示態様を「通常表示モード」という。)」の記載事項より、「通常表示モード」時の表示態様では外部情報は1つしか表示させないことから、「通常表示モード」時に、「表示部11」内に表示させる表示態様(画面のフォーマット)は、上記(b-2)の「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像」または「ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図」を表示させているときには、「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態」を表示させない構成であると認められる。そして、上記(a)(a-4)の記載事項より、「車両周辺画像」だけでも複数あることから、この表示態様(画面のフォーマット)が複数あることは明らかであり、この表示態様の集合は「画面フォーマット群」を成しているといえる。 (b-4)反対に、上記(a)(a-1)の記載事項より、「通常表示モード」時に、「表示部11」内に表示させる表示態様(画面のフォーマット)は、「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態」を表示させる構成も含むと認められる。そして、上記(a)(a-2)の記載事項より、「車両状態情報に基づく車両の状態」は複数あることから、この表示態様(画面のフォーマット)が複数あることも明らかであり、この表示態様の集合も「画面フォーマット群」を成しているといえる。 (b-5)上記(a)(a-6)の記載事項及び(a-8)、(a-9)の図示内容より、「複数画面表示モード」時に、「表示部11」内に表示させる表示態様(画面のフォーマット)は、上記(b-2)の「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像」、「ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図」及び「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態」の中からユーザが選択した3つの車両に関する情報を表示させる「所定領域」が配置された構成であると認められる。そして、上記(a)(a-7)の記載事項より、外部情報の組合せは複数あり、(a)(a-6)の記載事項から、複数あるプリセットボタンの1つに1つの表示態様を記憶させることができることから、この表示態様が複数記憶させることができることも明らかであり、この表示態様(画面のフォーマット)の集合も「画面フォーマット群」を成しているといえる。 (b-6)上記(a)(a-5)、(a-6)、(a-7)の記載事項より、「ディスプレイ装置」は、1つの「表示部11」内に表示させる1つの表示態様(画面のフォーマット)を、上記(b-3)、(b-4)、(b-5)の「画面フォーマット群」の中の表示態様(画面のフォーマット)から1つユーザに選択させる機能を備えているといえる。 (c)甲6発明 上記(a)の記載事項及び(b)の認定事項によれば、甲第6号証は、以下の甲6発明を開示していると認められる。 「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像またはナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図を表示させる所定領域が配置され、かつ車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群と、 車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群と、 車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像、ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図、車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態の中からユーザが選択した3つの車両に関する情報を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群とを備え、 1つの表示部11内に表示させる1つの画面のフォーマットを、これらの画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備えるディスプレイ装置。」 (d)甲第6号証に記載された事項 上記(a)の記載事項によれば、甲第6号証は、以下の事項(以下「甲6記載事項」という。)を開示していると認められる。 「複数画面表示モードのとき、ユーザが個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせを設定し、その外部情報の組み合わせを表示部11の画面に表示させること」 c 甲第5号証 甲第5号証(特開2008-49731号公報)には、次の記載がある。 「【0032】 表示部37は、例えば160ドット×128ドットのカラーグラフイック液晶表示ユニットで形成され、マイコン58(図6参照)と16ビットパラレルバスで接続されている。 この表示部37には、CAN対応T車の車両診断用コネクタ47に接続して車両情報を表示するようになっている。表示項目は、車速、エンジン回転数、水温、点火時期、インジェクタ噴射時間、エアフロセンサ電圧、吸気温、外気温、インマニ圧、02電圧、02リア電圧、A/F電圧1、A/F電圧2、吸入空気量、バッテリ電圧、スロットル開度、AT油温、ギヤ位置(ロックアップ)、4WD比率、ダイアグ比率、外部水温センサ、外部電圧、瞬間燃費の24種類であるが、車種によって表示できない項目がある。」 d 甲第7号証 甲第7号証(特開2011-112622号公報)には、次の記載がある。 「【0031】 ステップS6での判定において、入力部13に表示用外気温センサ11から温度検出信号が入力されていないと判定した場合(ステップS6:NO)、判定部15は、表示用外気温センサ11を有していないと認識する(ステップS9)。よって、この場合は、図3(b)の構成のように、マニュアルエアコン14が車両に搭載されているが、表示用外気温センサを有していなく、外気温の表示ができない。このように、図3(b)の場合では、乗員が切替えスイッチ9を切替え操作しても、液晶表示部7の第2表示部7bに外気温が表示されることはなく、例えば時刻、走行距離が順に切替え表示される。」 e 甲第8号証 甲第8号証(特開昭63-38039号公報)の第5頁右上欄第2~12行には、次の記載がある。 「液晶デイスプレィパネル34の、上述のような下段の表示内容は、モードボタン42(第1図参照)により選択される。より詳しく言えば、モードボタン42が押されるごとに、下段の表示内容は、TM→DST→ODO→AVS→MXS→CDC→(ハートマーク)→TMの順で順次選択される。なお、(ハートマーク)の脈拍数表示は、第1図に示す脈拍計20が自転車用データ表示装置10に接続されている場合に限り表示され、脈拍計20が自転車用データ表示装置10から取外されている場合は表示されないようになっている。」 f 甲第9号証 甲第9号証(特開平9-34418号公報)には、次の記載がある。 「【0005】本発明は、上記状況に鑑みなされたもので、運転情報等を検出するセンサ類が接続されていない場合には、対応する表示項目の表示を行わないようにした自動車用多重表示装置を提供することを目的とする。」 g 甲第10号証 甲第10号証(特開2001-67160号公報)には、次の記載がある。 「【0042】機器アイコンの選択は、接続された順番に行われる。例えば、図4の例では、デジタルビデオカムコーダのための機器アイコンとして、DV1,DV2,DV3の3個が用意されており、最初に接続されたデジタルビデオカムコーダに機器アイコンDV1が割り当てられ、以下、接続された順番に、機器アイコンDV2,DV3が順次割り当てられる。例えば、デジタルビデオカムコーダが1台だけ接続されている場合、機器アイコンDV1,DV2,DV3のうち、機器アイコンDV1だけがハイライト表示される。」 (ウ) 当審の判断 a 甲4発明を主引用発明とする場合 (a)対比 上記3の本件発明1と上記(イ)a(c)の甲4発明とを対比する。 (a-1)甲4発明の「車両診断用コネクタ26」は本件発明1の「車両側コネクタ」に相当することから、甲4発明の「車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態」は本件発明1の「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態」に相当し、以下同様に、「GPS情報」は「GPSから取得した情報」に、「運転者」は「ユーザ」に、それぞれ相当する。 (a-2)甲4発明の「車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態との中から運転者が選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」と本件発明1の「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群」とは、「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」という限りにおいて共通する。 (a-3)同時に、甲4発明の「各種センサ」と本件発明1の「搭載したセンサ」とは、「センサ」という限りにおいて共通するから、甲4発明の「車両診断用コネクタ26に接続されているときに、各種センサからの車両状態情報またはGPS情報に基づく車両状態と車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態との中から運転者が選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」と、本件発明1の「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群」とは、「車両側コネクタに接続されているときには、センサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」という限りにおいて共通する。 (a-4)甲4発明の「表示画面」は、本件発明1の「画面」に相当するから、甲4発明の「1つの表示画面内に表示させる1つの画面のフォーマットがある」態様と、本件発明1の「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備える」態様とは、「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットがある」という限りにおいて共通する。 (a-5)甲4発明の「ポータブルカーナビ」は、本件発明1の「電子機器」に相当する。 そうすると、両者は、以下の一致点1で一致し、相違点1~5で相違する。 [一致点1] 「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットと、 車両側コネクタに接続されているときには、センサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットとを備え、 1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットがある電子機器。」 [相違点1] 本件発明1は、「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群」を備えるのに対し、甲4発明は、そのようなフォーマット群を備えていない点。 [相違点2] 「センサ」について、本件発明1は、「搭載したセンサ」であるのに対し、甲4発明は、そのようなものではない点。 [相違点3] 本件発明1は、「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群」を備えるのに対し、引用発明は、「車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態・・・を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」を備えるものの、その集合である「第二の画面フォーマット群」を備えていない点。 [相違点4] 本件発明1は、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群」を備えるのに対し、甲4発明は、「車両診断用コネクタ26に接続されているときに、各種センサからの車両状態情報またはGPS情報に基づく車両状態と車両診断用コネクタ26を介して取り込まれた車両状態情報に基づく車両状態との中から運転者が選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマット」を備えるものの、本件発明1のような「第三の画面フォーマット群」を備えていない点。 [相違点5] 本件発明1は、「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備える」のに対し、甲4発明は、そのような構成を備えない点。 (b)判断 事案に鑑み相違点4から検討する。 相違点4に係る本件発明1の構成は、甲第5-10号証には記載されていない。 甲4号証(上記(イ)a(a)(a-1))及び甲第5号証(上記(イ)c)は、「車両の状態を車両側コネクタから取得すること」という周知技術(以下、「周知技術1」という。)を示すものの、相違点4に係る本件発明1の構成(特に、車両側コネクタに接続されていないときの構成)を開示するものではない。また、甲6記載事項(上記(イ)b(d))は、「複数画面表示モードのとき、ユーザが個々の分割画面に表示する外部情報の組み合わせを設定し、その外部情報の組み合わせを表示部11の画面に表示させること」であり、同様に相違点4に係る本件発明1の構成(特に、車両側コネクタに接続されていないときの構成)ではない。さらに、甲第7号証(上記(イ)d)、甲第8号証(上記(イ)e)、甲第9号証(上記(イ)f)及び甲第10号証(上記(イ)g)は、「表示装置がセンサ等の情報源に接続されていないときには、当該接続されていない情報源に係る情報を表示装置に表示させないこと」という周知技術(以下、「周知技術2」という。)を示すものの、同様に相違点4に係る本件発明1の構成(特に、車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成)を開示するものではない。 甲第4号証には、明細書全体を参酌しても、ポータブルカーナビ10に関して、車両診断用コネクタ26から車両状態情報が入力される状態であることを前提とし、また、そのような前提のもとでの画面表示しか記載されていない。甲第4号証には、「車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)に接続されていないとき」と「車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)に接続されているとき」とで、選択されて表示される車両状態が異なる画面のフォーマットについては、記載も示唆もない。甲4発明は、このような場合分けに関する思想が一切ないものである。 そのため、甲4発明が、車両状態情報を車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)から取得するものであったとしても、ポータブルカーナビ10が常に車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)と接続され、車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)から車両の状態を取得できる状態が前提で、その前提のもとで、画面表示を行うことになる。 よって、甲4発明において、「車両診断用コネクタ26(車両側コネクタ)に接続されていないとき」の構成について考える理由がなく、相違点4に係る本件発明1の構成に想い到ることはない。 (c)まとめ したがって、相違点1~3及び5について検討するまでもなく、本件発明1は、甲4発明、甲6記載事項、周知技術1~2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明1を引用する本件発明2も同様であり、甲4発明、甲6記載事項、周知技術1~2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 b 甲6発明を主引用発明とする場合 (a)対比 上記3の本件発明1と上記(イ)b(c)の甲6発明とを対比する。 (a-1)甲6発明の「車両周辺画像提供装置140」は、車両周辺画像を提供するものであり、車両周辺画像は何らかのセンサから取得されることが自明であるから、甲6発明の「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像」は、車両の周辺の状態を示すものであるから、本件発明1の「搭載したセンサ」「から取得した情報に基づく車両状態」に相当する。 また、甲6発明の「ナビゲーション装置110」と本件発明1の「GPS」とは、「位置情報関連装置」という限りにおいて共通する。そうすると、甲6発明の「ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図」と、本件発明1の「GPSから取得した情報に基づく車両状態」とは、「位置情報関連装置から取得した情報に基づく車両状態」という限りにおいて共通する。 さらに、甲6発明の「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態」と、本件発明1の「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態」とは、「車両から取得した情報に基づく車両状態」という限りにおいて共通する。 以上より、甲6発明の「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像またはナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図を表示させる所定領域が配置され、かつ車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群」と、本件発明1の「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群」とは、「搭載したセンサまたは位置情報関連装置から取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両から取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群」という限りにおいて共通する。 (a-2)甲6発明の「車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群」と本件発明1の「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群」とは、「車両から取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群」という限りにおいて共通する。 (a-3)甲6発明の「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像、ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図、及び、車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態の中からユーザが選択した3つの車両に関する情報を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である画面フォーマット群」と、本件発明1の「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群」とは、「搭載したセンサまたは位置情報関連装置から取得した情報に基づく車両状態と車両から取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群」という限りにおいて共通する。 (a-4)甲6発明の「表示部11」は、本件発明1の「画面」に相当する。また、甲6発明の「これらの画面フォーマット群」は、その前に記載された全ての「画面フォーマット群」のことであるから、「前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群」に相当する。そうすると、甲6発明の「1つの表示部11内に表示させる1つの画面のフォーマットを、これらの画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能」は、本件発明1の「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能」に相当する。 (a-5)甲6発明の「ディスプレイ装置」は、電子的ディスプレイ装置であることが自明であり、本件発明1の「電子機器」に相当する。 そうすると、両者は、以下の一致点2で一致し、相違点6~8で相違する。 [一致点2] 「搭載したセンサまたは位置情報関連装置から取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両から取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成を示す画面のフォーマットの集合である第一の画面フォーマット群と、 車両から取得した情報に基づく車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第二の画面フォーマット群と、 搭載したセンサまたは位置情報関連装置から取得した情報に基づく車両状態と車両から取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合である第三の画面フォーマット群とを備え、 1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能を備える電子機器。」 [相違点6] 情報を取得する「位置情報関連装置」について、本件発明1は、情報を「GPS」から取得するのに対し、甲6発明は、ナビゲーション情報が「ナビゲーション装置110」から出力される点。 [相違点7] 「車両から取得した情報」について、本件発明1は、「車両側コネクタ」から取得した情報であるのに対し、甲6発明は、「車両」から出力された車両状態情報である点。 [相違点8] 「第三の画面フォーマット群」について、本件発明1は、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成であって、車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合」であるのに対し、甲6発明は、「車両周辺画像提供装置140から出力された車両周辺画像情報に基づく車両周辺画像、ナビゲーション装置110から出力されたナビゲーション情報に基づく車両の周辺地図や行程案内図、及び、車両から出力された車両状態情報に基づく車両の状態の中からユーザが選択した3つの車両に関する情報を表示させる所定領域が配置された構成を示す画面のフォーマットの集合」であり、「車両側コネクタ」の有無が不明なため、車両側コネクタに接続されていないときの構成については不明な点。 (b)判断 事案に鑑み相違点8から検討する。 相違点8に係る本件発明1の構成は、甲第4-5、7-10号証には記載されていない。 甲4号証(上記(イ)a(a)(a-1))及び甲第5号証(上記(イ)c)は、上記a(b)の「周知技術1」を示すものの、相違点8に係る本件発明1の構成(特に、車両側コネクタに接続されていないときの構成)を開示するものではない。また、甲第7号証(上記(イ)d)、甲第8号証(上記(イ)e)、甲第9号証(上記(イ)f)及び甲第10号証(上記(イ)g)は、上記a(b)の「周知技術2」を示すものの、同様に相違点8に係る本件発明1の構成(特に、車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成)を開示するものではない。 甲第6号証には、明細書全体を参酌しても、ディスプレイ装置10に関して、車両状態情報が入力される状態であることを前提とし、また、そのような前提のもとでの画面表示しか記載されていない。甲第6号証には、「車両側コネクタに接続されていないとき」と「車両側コネクタに接続されているとき」とで、選択されて表示される車両状態が異なる画面のフォーマットについては、記載も示唆もない。そもそも、甲第6号証には、「車両側コネクタ」の記載がないことから、「車両側コネクタに接続されていないとき」と「車両側コネクタに接続されているとき」との2つの状態があることも、車両から情報を取得できるときと、車両から情報を取得できないときとの両方があることも、記載されていない。甲6発明は、このような場合分けに関する思想が一切ないものである。 そのため、上記周知技術1のような「車両の状態を車両側コネクタから取得すること」が本件出願前に周知の技術であっても、甲6発明に上記周知技術1を適用する動機付けはなく、仮に、当業者が上記周知技術1を甲6発明に適用することができたとしても、ディスプレイ装置10が常に車両側コネクタと接続され、車両側コネクタから車両の状態を取得できる状態が前提で、その前提のもとで、画面表示を行うことになる。 よって、甲6発明において、「車両側コネクタに接続されていないとき」の構成について考える理由がなく、相違点8に係る本件発明1の構成に想い到ることはない。 そうすると、甲6発明に上記周知技術1及び2を適用しても上記相違点8に係る本件発明1の構成には至らない。 (c)まとめ したがって、相違点6及び7について検討するまでもなく、本件発明1は、甲6発明、周知技術1~2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 また、本件発明1を引用する本件発明2も同様であり、甲6発明、周知技術1~2に基いて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)令和5年3月15日付け意見書において主張された理由 ア 特許法第36条第6項第2号(明確性) (ア)画面のフォーマットの所定領域について a 申立人の主張 本件明細書及び図面、特許請求の範囲全体を参酌しても、画面のフォーマットの「所定領域」がどのようなものであるか、明確に定義されていません。主要な構成要素であるフォーマットを定義する文言として「所定領域」という表現は不明確であると言わざるを得ません。 具体的には、「所定領域」の「所定」では、1画素の領域でも全画面の領域でも「所定」の領域ということになり、全く特定したことにはなりません。これでは、例えば、画面の1ドットの表示/非表示で車両状態(例えば、警告)を表す画面表示態様もフォーマットに含まれますし、画面の全画素で車両状態を表す画面表示態様もフォーマットに含まれることから、結局どのような画面表示態様であってもフォーマットの概念に含まれることになります。 したがって、訂正発明1では、依然としてどのような画面表示態様が「画面のフォーマット」であり、どのような画面表示態様が「画面のフォーマット」ではないのか、具体的に把握することができません。 b 当審の見解 本件発明1に明記されているとおり、「所定領域」とは、「画面のフォーマット」の中で「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態」や「車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態」さらに「搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態」を表示させる領域のことであることは明らかである。そして、そのような「所定領域」の理解の下、「画面のフォーマット」とは、画面の「構成」のことを示しており、さらに、その「構成」は、例えば「第三の画面フォーマット群」において、「車両側コネクタに接続されていないときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置され、かつ車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させない構成で」、さらに、「車両側コネクタに接続されているときには、搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態と車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態との中からユーザが選択した複数の車両状態を表示させる所定領域が配置された構成」であり、画面の表示態様を特定するものであると理解できる。 よって、申立人の上記主張は採用できない。 (イ)画面フォーマット群について a 申立人の主張 本件明細書及び図面、特許請求の範囲全体を参酌しても、画面フォーマット群がどのようなものであるか、明確に定義されていません。 ここで、どのような画面のフォーマットがどの画面フォーマット群に属するか、について、令和5年1月30日付けで提出された意見書の(3-1-3)の項では、第一から第三の画面フォーマット群のそれぞれと画面との対応関係について説明されています(同意見書、第4頁、第8行目から第28行目)。 この説明によりますと、表示される画面は、第一、第二および第三の画面フォーマット群の少なくともいずれかに属するということになります。つまり、ある画面は1つのみの画面フォーマット群に属し、ある画面は2つや3つの画面フォーマット群にも属し得る、というものです。 これでは、画面フォーマット群を規定する意味がなく、もはや画面フォーマット群の技術的な意義の把握は不可能です。 b 当審の見解 上記(1)ア(ウ)bで述べたとおり、第一、第二、第三の画面フォーマット群は、「画面フォーマット群」に属する「画面のフォーマット」が多数存在することから、その属性に応じて「第一」~「第三」に便宜上分類したものであるといえ、それぞれのフォーマット群に属する「画面のフォーマット」の属性は容易に理解できる。 そして、上記4(2)ア(ア)で述べたとおり、「第三の画面フォーマット群」に属する「画面のフォーマット」は、「ユーザが選択した複数の車両状態」を表示させるものに限定されたことにより、「第一の画面フォーマット群」及び「第二の画面フォーマット群」の他に「第三の画面フォーマット群」をさらに設けて「選択した車両状態を表示させる」ことの技術的意義も明確になった。 なお、仮に、「第一の画面フォーマット群」、「第二の画面フォーマット群」及び「第三の画面フォーマット群」に重複して属する「画面のフォーマット」が存在しても、全体としては各画面フォーマット群は異なるものであると理解できることは、上記(1)ア(ウ)に記載したとおりである。 よって、申立人の上記主張は採用できない。 (ウ)画面のフォーマットを選択される機能について a 申立人の主張 本件明細書及び図面、特許請求の範囲全体を参酌しても、画面フォーマット群とユーザによる選択との関係が明確に定義されていません。 訂正発明1の記載からは、画面フォーマット群を3つに分ける技術的な意味はなく、また、どの画面がどの画面フォーマット群に属するのかといった技術的な意味もないことから、単に何かしらの画面表示態様をユーザが選択できるといった意味合いしか示されていないことになります。 b 当審の見解 上記(イ)bに記載したとおり、画面フォーマット群を3つに分ける技術的な意味はあるといえる。そして、上記(1)ア(ウ)bに説示したとおり、3つのフォーマット群はそれぞれ異なるものであると明確に理解でき、本件発明1における「1つの画面内に表示させる1つの画面のフォーマットを、前記第一の画面フォーマット群、前記第二の画面フォーマット群、及び前記第三の画面フォーマット群の中の画面のフォーマットから1つユーザに選択させる機能」とは、これら3つのフォーマット群のいずれかに属する画面のフォーマットを1つユーザが選択する機能のことであると理解できる。 よって、申立人の上記主張は採用できない。 イ 特許法第29条第2項(進歩性) (ア)本件発明1について a 申立人の主張 訂正発明1は、画面のフォーマット(所定領域)、画面フォーマット群、選択機能における画面や画面フォーマット群との関係が不明確であるため、結局のところ以下の構成を含み得るものと考えられます。 (A1)搭載したセンサまたはGPSから取得した情報に基づく車両状態を表示させる複数の画面表示態様 (A2)車両側コネクタから取得した情報に基づく車両状態を表示させる複数の画面表示態様 (A3)上記(A1)(A2)の複数の画面表示態様の中から1つユーザに選択させる機能 訂正発明1では、このような画面表示において、画面のフォーマットや画面フォーマット群なる用語によって表示態様を特定しようとしているにもかかわらず、フォーマットの定義や、どの画面でもいずれかの画面フォーマット群の1つ以上に属し得るような曖昧な規定しかされていません。 このため、訂正発明1から発明特定事項を正確に認定できず、仮に認定したとしても訂正発明1において含み得る構成は上記構成(A1)、(A2)及び(A3)であり、この構成からは単にユーザが画面表示態様を選択できる程度の技術内容であって、引用文献1(甲6発明)及びこれに周知技術1~2を組み合わせたものに対して有利な効果を得られる技術的特徴は見当たりません。 b 当審の見解 上記(1)ウ(ウ)bのとおり、本件発明1及び2は、甲6発明、周知技術1~2に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)小括 したがって、取消理由通知(決定の予告)において採用しなかった特許異議申立理由等によっては、本件請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。 6 むすび 以上のとおりであるから、取消理由通知(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては、本件請求項1及び2に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1及び2に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700869

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  • 2023-701071異議申立 / 2024-11-12 / 訂正認容室内監視装置
    共通の審決分類: 121・B60R、537・B60R
  • 2024-700540異議申立 / 2024-09-26 / 維持自動車用繊維被覆材
    共通の審決分類: 121・B60R、537・B60R
  • 2024-700131異議申立 / 2024-05-21 / 維持自動車用遮音材
    共通の審決分類: 121・B60R、537・B60R

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