特許異議申立
2022-700817
撮像システムのためのロープロファイル回路基板コネクタ
- 審判番号
- 2022-700817
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2019-210451
- 登録番号
- 7023916
- 請求日
- 2022年08月19日
- 審決日
- 2022年11月30日
- 公報発行日
- 2022年12月28日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】クック・メディカル・テクノロジーズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
- 【権利者代理人】弁理士法人深見特許事務所
- 【異議申立人】中川 賢治
- 審判長/審判官
- 審判長 石井 哲
- 審判官 渡戸 正義
- 審判官 伊藤 幸仙
- 分類
- P1651.121-Y (A61B) / P1651.5 -Y (A61B) / P1651.537-Y (A61B) / P1651.536-Y (A61B)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項、特許法第113条第2号、特許法第36条第6項第2号、特許法第113条第4号、特許法第36条第4項第1号、特許法第39条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7023916号発明「撮像システムのためのロープロファイル回路基板コネクタ」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7023916号の請求項1ないし32に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7023916号の請求項1ないし32に係る特許についての出願は、2015年(平成27年)9月4日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2014年9月10日 アメリカ合衆国)を国際出願日とする特願2017-513404号の一部を令和元年11月21日に新たな特許出願としたものであって、令和4年2月14日にその特許権の設定登録がされ、同月22日に特許掲載公報が発行された。その後、その特許に対し、同年8月19日に特許異議申立人中川賢治(以下「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行い、特許権者は、同年10月5日及び同月14日に、上申書を提出した。
第2 本件発明
特許第7023916号の請求項1ないし32に係る発明(以下それぞれ請求項の番号に対応して「本件発明1」などという。)は、それぞれ特許請求の範囲の請求項1ないし32に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
【請求項1】
撮像システムであって、
画像センサを備え、前記画像センサは、
外面を有する外装体と、
2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボールを含み、前記撮像システムはさらに、
回路基板コネクタを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。
【請求項2】
前記回路基板コネクタは、
前記第1平面が側面と接触する第1エッジと、
前記第2平面が前記側面と接触する第2エッジと
をさらに含み、
前記複数の電気接点の各々は前記第1エッジまたは前記第2エッジに隣接する、請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記第1平面に配置された接続端部の第1の数が、前記第1エッジに隣接する前記複数の電気接点の第1の数に等しく、前記第2平面に配置された前記接続端部の第2の数が、前記第2エッジに隣接する前記複数の電気接点の第2の数に等しい、請求項2に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記回路基板コネクタの側面は前記2次元の配置構成を横断する、請求項2または3に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記2次元の配置構成はM行N列の配列を含み、MおよびNは整数である、請求項4に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記複数の電気接続部の少なくとも1つは、前記第1平面から前記第2平面へ延在する導電性ビアを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記外装体の前記外面は第1外面を含み、前記外装体は少なくとも1つの第2外面をさらに含み、
前記回路基板コネクタは、前記少なくとも1つの第2外面と係合する少なくとも1つの翼状部をさらに含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記少なくとも1つの第2外面の各々は、前記第1外面が向いている方向に対して平行以外の方向に向いている、請求項7に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記複数の電気接続部は、前記画像センサへ電力供給するために電力信号を伝達するように構成された電力接続部と、前記電力信号のための接地基準として機能するように構成された接地接続部とを含み、
前記撮像システムは、前記電力接続部へ接合された第1端部と前記接地接続部へ接合された第2端部とを有するコンデンサをさらに備える、請求項1~8のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項10】
前記複数の電気接点は、
前記画像センサに電力供給する電力信号を伝達するように構成された電力電気接点、
接地基準信号を伝達するように構成された接地電気接点、
取り込まれた画像データを含むデータ信号を伝達するように構成されたデータ電気接点、または
前記画像センサの作動のためのクロック信号を伝達するように構成されたクロック信号電気接点
の少なくとも1つを含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項11】
前記回路基板コネクタは、前記第1平面および前記第2平面の各々に隣接する側面をさらに含み、前記側面は前記画像センサの前記外面の方を向いている、請求項1~10のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項12】
前記角度は実質的に90度である、請求項1~8のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項13】
前記角度は第1角度を含み、前記第1平面は前記第1角度を形成し、前記第2平面は前記外面と第2角度を形成し、前記第2角度は0度より大きく180度未満である、請求項1~8のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項14】
前記第1角度と前記第2角度との合計が360度未満である、請求項13に記載の撮像システム。
【請求項15】
前記合計は実質的に180度である、請求項14に記載の撮像システム。
【請求項16】
前記画像センサは、前記外面が向いている方向に延在する軸を中心として方向付けられ、前記画像センサは第1楕円形軸方向プロファイルを有し、組み合わされた前記画像センサおよび回路基板コネクタが第2楕円形軸方向プロファイルを有し、前記第2楕円形軸方向プロファイルは前記第1楕円形軸方向プロファイルよりも大きくない、請求項1~15のいずれか一項に記載の撮像システム。
【請求項17】
内視鏡システムであって、
基端部分から末端部分へ長手方向に延在する長尺状管状部材を備え、前記長尺状管状部材は、
本体と、
前記本体内で前記基端部分から前記末端部分へ長手方向に延在するケーブル内腔と
を含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記本体内の前記末端部分に配置された画像センサを備え、前記画像センサは、基端方向を向く外面を有する外装体と、2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボールを含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記ケーブル内腔内に配置され、かつ複数の長尺状導電性部材を含む電気ケーブル配線と、
前記本体内の前記末端部分かつ前記画像センサの近くに配置された回路基板コネクタとを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
前記ボールグリッドアレイを前記電気ケーブル配線の前記長尺状導電性部材と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、
前記複数の電気接続部の各々は前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、内視鏡システム。
【請求項18】
前記回路基板コネクタは、
前記第1平面が側面と接触する第1エッジと、
前記第2平面が前記側面と接触する第2エッジと
をさらに含み、
前記複数の電気接点の各々は前記第1エッジまたは前記第2エッジに隣接する、請求項17に記載の内視鏡システム。
【請求項19】
前記第1平面に配置された前記接続端部の第1の数が、前記第1エッジに隣接する前記複数の電気接点の第1の数に等しく、前記第2平面に配置された前記接続端部の第2の数が、前記第2エッジに隣接する前記複数の電気接点の第2の数に等しい、請求項18に記載の内視鏡システム。
【請求項20】
前記回路基板コネクタの側面は前記2次元の配置構成を横断する、請求項18または19に記載の内視鏡システム。
【請求項21】
前記2次元の配置構成はM行N列の配列を含み、MおよびNは整数である、請求項20に記載の内視鏡システム。
【請求項22】
前記複数の電気接続部の少なくとも1つは、前記第1平面から前記第2平面へ延在する導電性ビアを含む、請求項17~21のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項23】
前記外装体の前記外面は第1外面を含み、前記外装体は少なくとも1つの第2外面をさらに含み、
前記回路基板コネクタは、前記少なくとも1つの第2外面と係合する少なくとも1つの翼状部をさらに含む、請求項17~22のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項24】
前記少なくとも1つの第2外面の各々は、前記第1外面が向いている方向に対して平行以外のそれぞれの方向に向いている、請求項23に記載の内視鏡システム。
【請求項25】
前記複数の電気接続部は、前記画像センサへ電力供給するために電力信号を伝達するように構成された電力接続部と、前記電力信号のための接地基準として機能するように構成された接地接続部とを含み、
前記内視鏡システムは、前記電力接続部へ接合された第1端部と前記接地接続部へ接合された第2端部とを有するコンデンサをさらに備える、請求項17~24のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項26】
前記複数の電気接点は、
前記画像センサに電力供給する電力信号を伝達するように構成された電力電気接点、
接地基準信号を伝達するように構成された接地電気接点、
取り込まれた画像データを含むデータ信号を伝達するように構成されたデータ電気接点、または
前記画像センサの作動のためのクロック信号を伝達するように構成されたクロック信号電気接点
の少なくとも1つを含む、請求項17~25のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項27】
前記回路基板コネクタは、前記第1平面および前記第2平面の各々に隣接する側面をさらに含み、前記側面は前記画像センサの前記外面の方を向いている、請求項17~26のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項28】
前記角度は実質的に90度である、請求項17~27のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項29】
前記角度は第1角度を含み、前記第1平面は前記第1角度を形成し、前記第2平面は前記外面と第2角度を形成し、前記第2角度は0度より大きく180度未満である、請求項17~27のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
【請求項30】
前記第1角度と前記第2角度との合計が360度未満である、請求項29に記載の内視鏡システム。
【請求項31】
前記合計は実質的に180度である、請求項30に記載の内視鏡システム。
【請求項32】
前記画像センサは、前記外面が向いている方向に延在する軸を中心として方向付けられ、前記画像センサは第1楕円形軸方向プロファイルを有し、組み合わされた前記画像センサおよび回路基板コネクタが第2楕円形軸方向プロファイルを有し、前記第2楕円形軸方向プロファイルは前記第1楕円形軸方向プロファイルよりも大きくない、請求項17~31のいずれか一項に記載の内視鏡システム。
第3 特許異議申立理由の概要
申立人の特許異議申立理由の概要は、以下の1ないし5のとおりである。また、申立人は、証拠方法として、下記6の甲第1号証ないし甲第6号証を提出した。
1 (明確性)本件発明1ないし32は、「はんだボール」がボール形状を有しているか否か、「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」た状態を維持するための追加的な接合材などの手段を必須構成要素として備えるのか否かの2点において、発明の範囲が著しく不明確であるから、その特許は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
したがって、請求項1ないし32に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
2 (実施可能要件)本件発明1ないし32に含まれる、「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」た状態が維持された撮像システムにおいて、追加的な接合材などを含まず、かつ、「はんだボール」がボール形状を保ったままである構成について、本件特許の発明の詳細な説明は、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が実施できる程度に明確かつ十分に記載したものでないから、その特許は、発明の詳細な説明の記載が特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。
したがって、請求項1ないし32に係る特許は、特許法第113条第4号に該当し、取り消されるべきものである。
3 (進歩性)本件発明1ないし32は、本件特許に係る出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲第1号証に記載された発明、並びに甲第2号証及び甲第4号証ないし甲第6号証に記載された技術事項に基いて、本件特許に係る出願の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、請求項1ないし32に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
4 (進歩性)本件発明1ないし32は、本件特許に係る出願の優先日前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である甲第3号証に記載された発明、並びに甲第2号証及び甲第4号証ないし甲第6号証に記載された技術事項に基いて、本件特許に係る出願の優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、請求項1ないし32に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
5 (同日出願)本件発明1は、同日出願された特願2017-513404号(以下「原出願」という。)の請求項1に記載された発明と同一と認められ、かつ、原出願に係る発明は特許されており(特許第6622292号)協議を行うことができないから、その特許は、特許法第39条第2項の規定に違反してされたものである。
したがって、請求項1に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。
6 証拠方法
甲第1号証:特開2014-110847号公報(以下「甲1」という。)
甲第2号証:独国実用新案第20114939号明細書(以下「甲2」という。)
甲第3号証:特開昭63-272180号公報(以下「甲3」という。)
甲第4号証:米国特許出願公開第2014/0146505号明細書(以下「甲4」という。)
甲第5号証:特開2001-86377号公報(以下「甲5」という。)
甲第6号証:特表2013-504400号公報(以下「甲6」という。)
第4 各甲号証等の記載事項
1 甲1の記載事項及び甲1に記載された発明
(1)甲1の記載事項
甲1には以下の記載がある(下線は当審で付加した。以下同様。)。
(甲1-ア)「【0001】
本発明は、撮像素子チップを具備する撮像装置、前記撮像装置を具備する内視鏡及び前記撮像装置の製造方法に関し、特に撮像素子チップの裏面の接合端子と接続された平板状の配線板を具備する撮像装置、前記撮像装置を具備する内視鏡及び前記撮像装置の製造方法に関する。」
(甲1-イ)「【0014】
<第1の実施形態>
図3~図6を用いて本実施形態の撮像装置1について説明する。なお、図は説明のための模式図であり、縦横の寸法比等は実際とは異なっている。また、一部の構成要素の図示を省略したり、断面図においては、一部の構成要素を側面から観察した状態で表示したりする。
【0015】
図3及び図4に示すように、撮像装置1は、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、第1の配線板30と、第1の配線板30に垂直に配設されている第2の配線板40と、信号ケーブル(以下、「ケーブル」ともいう)50と、を具備する。
【0016】
撮像素子チップ20のおもて面20SAにはCMOS素子等の撮像部21が形成されており、撮像部21は、TSV(Through-Silicon Via)等による貫通配線22を介して裏面20SBの接合端子23と接続されている。なお、撮像素子チップ20の裏面20SBには、多層配線構造を有する配線層が形成されているが、図示していない。接合端子23には、はんだからなるバンプ24が形成されている。すなわち、撮像素子チップ20は、いわゆるCSP(Chip size package)タイプにパッケージングされている。
【0017】
撮像部21にはマイクロレンズ12が配設されており、接合層11を介して、撮像部21を保護するカバーガラス10が接合されている。なお、撮像素子チップ20は、公知のウエハプロセスにより半導体ウエハ上に一括して複数個が作製される。ウエハプロセス中に撮像部21を保護するために半導体ウエハに接合されたガラスウエハが、半導体ウエハとともに切断されたものが、カバーガラス10となる。このため、撮像素子チップ20の外寸(平面視寸法)と、カバーガラス10の外寸とは同じである。
【0018】
そして、第1の配線板30、第2の配線板40、導線51は、いずれも撮像素子チップ20の投影面20Sの内部に配置されている。
【0019】
図5A及び図5Bに示すように、第1の配線板30は、第1の主面30SAに複数の第1の端子41を有し、第2の主面に複数の第2の端子42を有する。そして、複数の第1の端子41の配列(第1の配列)と第2の端子42の配列(第2の配列)とは異なる。すなわち、第1の配線板30は、端子配列変換配線板である。
【0020】
端子配列変換を行う配線は、例えば多層配線板である第1の配線板30の内部配線である。もちろん、第1の主面30SA又は第2の主面30SBに端子配列変換配線の一部を形成してもよい。
【0021】
なお、第1の配線板30は、第1の主面30SAの中央領域に複数の第1の端子41を有するが、第2の主面30SBの中央領域には第2の端子42を有していない。この理由は、第1の配列は、撮像素子チップ20の接合端子23の配列と同じであるためである。そして、第1の配線板30と撮像素子チップ20との接合強度改善のため、及び端子間の短絡防止のため、撮像素子チップ20の裏面20SBの複数の接合端子23の配列は、中央領域に接合端子23が配設されている第1の配列となっている。
【0022】
一方、第1の配線板30の第2の主面30SBの中央領域には、第2の配線板40が接合されるため、第2の端子42を形成することはできない。このため、複数の第2の端子42の配列は、中央領域には第2の端子42を有していない第2の配列となっている。
【0023】
そして、第1の配線板30は、第1の主面30SAの第1の配列を、第2の主面の第2の配列に変換する端子配列変換配線板である。
【0024】
なお、図5A及び図5Bに示すように、撮像装置1では、撮像素子チップ20の接合端子23(バンプ24)と接合される第1の端子31は、略円形である。これに対して、第2の配線板40の第3の端子41と接合される第2の端子33は、略矩形である。また、端子配列変換配線により、複数の第1の端子31は接続されているため、第1の端子31は15個であるが、第2の端子33は9個である。
【0025】
すなわち、第1の端子31と第2の端子33とは、配置だけでなく、形状、大きさ、又は数の少なくともいずれかが異なっていてもよい。
【0026】
第1の配線板30の第2の主面30SBの中央領域に垂直に接合された第2の配線板40は、両面の端部に第1の配線板30の第2の端子33と接続された第3の端子41を有する。第3の端子41は、配線43を介して、他端部の第4の端子42と接続されている。そして、第4の端子42は、ケーブル50の導線51と接合されている。
【0027】
配線43の途中、すなわち、第3の端子41と第4の端子42の間には、チップコンデンサ、チップインダクタ、半導体チップ等の電子部品46がはんだ47を介して表面実装されている。電子部品の実装方法は、ワイヤーボンド方式、又はTAB(Tape Automated Bonding)方式等でもよい。また、第2の配線板30は、電子部品を内蔵した配線板でもよい。
【0028】
撮像素子チップ20の接合端子23と第1の配線板30の第1の端子31とは、バンプ24を介してはんだ接合され、更に接合部は、例えばエポキシ系熱硬化樹脂等の封止樹脂25で封止されている。バンプ24はAu、Ag又はCu等であってもよい。また、接合端子23と第1の端子31との接合方法は、熱圧着、超音波併用熱圧着、導電性ペースト、NCP(Non Conductive Paste)、NCF(Non Conductive Film)、ACP(異方性導電フィルム)、ACF(異方性導電ペースト)でもよい。一方、封止樹脂25としては、エポキシ系に替えて、シリコーン系、ポリイミド系、フェノール系、アクリル系、又はウレタン系等でもよく、硬化方法としても、熱硬化タイプ、UV硬化タイプ、UV硬化+熱硬化タイプでもよい。更に放熱性向上のために、熱伝導率の高いフィラーが入った樹脂を使用してもよい。
【0029】
図6に示すように、第2の配線板40は、第1の配線板30の第2の主面30SBの略中央に、接着剤(不図示)を介して垂直に固定される。なお、第1の配線板30の第2の主面30SBに、第2の配線板40が嵌合する凹部を形成しておいてもよい。はめ込むだけで接合作業が行えるため作業性が向上する。また、接合が補強されるため信頼性が向上する。また、接合に接着剤が不要となる場合には低コスト化がはかられる。
【0030】
そして、第1の配線板30の第2の端子33と、第2の配線板40の第3の端子41とが、はんだ39を介して接合される。第2の端子33と第3の端子41との接合部を、補強のため樹脂等で覆ってもよい。
【0031】
なお、撮像装置1の製造方法は複数のはんだ接合工程を有する。複数のはんだ接合工程で用いる半田は作業性向上又は信頼性向上等のため、溶融温度の異なる組成とすることが好ましい。例えば、溶融温度が以下の(A)であれば、作業性が向上し、以下の(B)であれば、撮像部21の熱劣化が防止できる。
【0032】
(A)撮像素子チップ20と第1配線板30との接合用の、はんだバンプ24>電子部品実装用のはんだ47>第2の端子33と第3の端子41との接合用のはんだ39
【0033】
(B)はんだ47>はんだ39>はんだバンプ24
【0034】
第1の配線板30及び第2の配線板40は、ガラスエポキシ樹脂、金属、又はセラミック等からなる平板状で、柔軟性のない、いわゆるリジッド配線板である。特に熱伝導率の高い金属又は窒化アルミニウム等のセラミックが好ましく用いられる。
【0035】
撮像装置1は、信頼性が高く、製造が容易である。すなわち、配線板がフレキシブル配線板ではなく、リジッド配線板であるため、電気的接合部の信頼性が高い。また、2種類の配線板を接合することで作製できるため製造が容易である。更に熱伝導率の高い配線板を用いることで、撮像部21が発生した熱を効率的に放熱できる。更に製造工程において配線板を折り曲げることがなく狭い空間に配置可能である。」
(甲1-ウ)「【0044】
<第4実施形態>
次に、第4の実施の形態の内視鏡9について説明する。
【0045】
図9に示すように、内視鏡9は、撮像装置1、撮像装置1A又は撮像装置1Bが先端部2に配設された挿入部3と、挿入部3の基端側に配設された操作部4と、操作部4から延出するユニバーサルコード5と、を具備する。」
(甲1-エ)【図3】
「
[図:0001392097000001.jpg]
」
(甲1-オ)【図4】
「
[図:0001392097000002.jpg]
」
(甲1-カ)【図5A】
「
[図:0001392097000003.jpg]
」
(甲1-キ)【図5B】
「
[図:0001392097000004.jpg]
」
(甲1-ク)【図6】
「
[図:0001392097000005.jpg]
」
(甲1-ケ)【図9】
「
[図:0001392097000006.jpg]
」
(2)甲1に記載された発明
ア 上記(甲1-イ)の記載を(甲1-エ)ないし(甲1-ク)の各図の記載と照合すると、第1の配線板30の第1の主面30SAが有する第1の端子は、「第1の端子41」ではなく「第1の端子31」であり、第2の主面30SBが有する第2の端子は、「第2の端子42」ではなく「第2の端子33」であると解される。
イ 上記(甲1-キ)の【図5B】から、第1の配線板30の第2の主面30SBには、中央領域の上方に横並びで4つの第2の端子33が配置され、中央領域の下方に横並びで5つの第2の端子33が配置されていることが見て取れる。
ウ 上記(甲1-エ)の【図3】及び(甲1-オ)の【図4】から、第2の配線板40の両面には、複数の第3の端子41及び第4の端子42が設けられ、複数の第4の端子42のそれぞれには、複数の導線51のうちの1つが接合されることが見て取れる。
エ 上記アないしウを踏まえると、上記(甲1-ア)ないし(甲1-ケ)の記載から、甲1には、以下の2つの発明が記載されているものと認められる。
「カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、第1の配線板30と、第1の配線板30に垂直に配設されている第2の配線板40と、信号ケーブル50と、を具備する撮像装置1であって、
撮像素子チップ20のおもて面20SAにはCMOS素子等の撮像部21が形成されており、撮像部21は、TSV(Through-Silicon Via)による貫通配線22を介して裏面20SBの接合端子23と接続されており、接合端子23には、はんだからなるバンプ24が形成されていて、撮像素子チップ20は、いわゆるCSP(Chip size package)タイプにパッケージングされており、
撮像部21にはマイクロレンズ12が配設されており、接合層11を介して、撮像部21を保護するカバーガラス10が接合されており、
第1の配線板30は、第1の主面30SAに複数の第1の端子31を有し、第2の主面30SBに複数の第2の端子33を有し、そして、複数の第1の端子31の配列(第1の配列)と第2の端子33の配列(第2の配列)とは異なり、第2の配列は中央領域には第2の端子33を有しておらず、中央領域の上方に横並びで4つの第2の端子33が配置され、中央領域の下方に横並びで5つの第2の端子33が配置された、端子配列変換配線板であり、
撮像素子チップ20の接合端子23と第1の配線板30の第1の端子31とは、バンプ24を介してはんだ接合され、更に接合部は、エポキシ系熱硬化樹脂の封止樹脂25で封止されており、
第1の配線板30の第2の主面30SBの中央領域に垂直に接合された第2の配線板40は、両面の端部に第1の配線板30の第2の端子33と接続された複数の第3の端子41を有し、複数の第3の端子41は、配線43を介して、他端部の複数の第4の端子42と接続されていて、複数の第4の端子42は、それぞれ信号ケーブル50の複数の導線51のうちの1つと接合されており、第3の端子41と第4の端子42の間の配線43の途中には、チップコンデンサ、チップインダクタ、半導体チップの電子部品46がはんだ47を介して表面実装されており、
第1の配線板30の第2の端子33と、第2の配線板40の第3の端子41とが、はんだ39を介して接合されている、
撮像装置1。」(以下「甲1発明A」という。)
「撮像装置1が先端部2に配設された挿入部3と、挿入部3の基端側に配設された操作部4と、操作部4から延出するユニバーサルコード5と、を具備する内視鏡9であって、
撮像装置1は、カバーガラス10と、撮像素子チップ20と、第1の配線板30と、第1の配線板30に垂直に配設されている第2の配線板40と、信号ケーブル50と、を具備し、
撮像素子チップ20のおもて面20SAにはCMOS素子等の撮像部21が形成されており、撮像部21は、TSV(Through-Silicon Via)による貫通配線22を介して裏面20SBの接合端子23と接続されており、接合端子23には、はんだからなるバンプ24が形成されていて、撮像素子チップ20は、いわゆるCSP(Chip size package)タイプにパッケージングされており、
撮像部21にはマイクロレンズ12が配設されており、接合層11を介して、撮像部21を保護するカバーガラス10が接合されており、
第1の配線板30は、第1の主面30SAに複数の第1の端子31を有し、第2の主面30SBに複数の第2の端子33を有し、そして、複数の第1の端子31の配列(第1の配列)と第2の端子33の配列(第2の配列)とは異なり、第2の配列は中央領域には第2の端子33を有しておらず、中央領域の上方に横並びで4つの第2の端子33が配置され、中央領域の下方に横並びで5つの第2の端子33が配置された、端子配列変換配線板であり、
撮像素子チップ20の接合端子23と第1の配線板30の第1の端子31とは、バンプ24を介してはんだ接合され、更に接合部は、エポキシ系熱硬化樹脂の封止樹脂25で封止されており、
第1の配線板30の第2の主面30SBの中央領域に垂直に接合された第2の配線板40は、両面の端部に第1の配線板30の第2の端子33と接続された複数の第3の端子41を有し、複数の第3の端子41は、配線43を介して、他端部の複数の第4の端子42と接続されていて、複数の第4の端子42は、それぞれ信号ケーブル50の複数の導線51のうちの1つと接合されており、第3の端子41と第4の端子42の間の配線43の途中には、チップコンデンサ、チップインダクタ、半導体チップの電子部品46がはんだ47を介して表面実装されており、
第1の配線板30の第2の端子33と、第2の配線板40の第3の端子41とが、はんだ39を介して接合されている、
内視鏡9。」(以下「甲1発明B」という。)
2 甲2の記載事項及び甲2に記載された技術事項
(1)甲2の記載事項
甲2には以下の記載がある。なお、表記上の制約から、発音区別符号は省略し、エスツェットは「ss」と表記した。
(甲2-ア)「Der Erfindung liegt daher die Aufgabe zugrunde, die eingangs erwahnte Schaltungsanordnung derart weiter zu entwickeln, dass eine Leiterplatte automatisierbar mit oberflachenmontierbaren Bauelementen bestuckt werden kann, wobei gleichzeitig ein grosserer Freiheitsgrad hinsichtlich der Einbauposition derartiger Schaltungsanordnungen erzielt werden kann.
Dieses technische Problem lost die Erfindung mit den Merkmalen des Anspruchs 1.
Danach ist eine Schaltungsanordnung mit wenigstens einem an einer Leiterplatte montierten Baustein vorgesehen, wobei der Baustein in einem BGA(Ball-Grid-Array)-Gehause angeordnet ist. Der Baustein ist vorzugsweise ein optischer Sender oder optischer Empfanger. Das BGA-Gehause ist hierbei an einer Stirnseite der Leiterplatte angeordnet und mit dieser elektrisch verbunden.
Dank dieser Anordnung ist es moglich, optische Bausteine derart mit Bezug auf eine Leiterplatte auszurichten, dass Licht ein- oder ausgekoppelt werden kann, welches sich nicht senkrecht zur Oberflache der Leiterplatte sondern in der Ebene der Leiterplatte ausbreiten kann.」(第1頁下から4行~第2頁17行)
(当審訳:そこで、本発明は、プリント基板に表面実装部品を自動で搭載できるように、冒頭に述べた回路配置を更に発展させると同時に、そのような回路配置の設置位置に関する自由度を高めることを課題としている。
本発明は、請求項1の特徴により、この技術的課題を解決するものである。
それによると、プリント基板上に少なくとも1つの部品が実装された回路配置が提供され、部品はBGA(ボールグリッドアレイ)ハウジングに配置されている。この部品は、好ましくは、光送信器又は光受信器である。BGAハウジングは、プリント基板の一端に配置され、電気的に接続されている。
この配置により、プリント基板に対して光学部品を配置し、プリント基板表面に対して垂直でなく、プリント基板面内を伝搬する光を結合させることができるようになった。)
(甲2-イ)「Fig. 1 die Seitenansicht einer teilweise im Schnitt dargestellten erfindungsgemassen Schaltungsanordnung aus einem einen optischen Baustein enthaltenden BGA-Gehause und einer Leiterplatte in nicht verbundenem Zustand,
Fig. 2 die Schaltungsanordnung nach Fig. 1 in verbundenem Zustand,
Fig. 3 eine Draufsicht auf die in Fig. 2 dargestellte Schaltungsanordnung und」(第4頁6~14行)
(当審訳:図1は、本発明による回路配置の側面図であり、一部断面で示す。光学部品を収納したBGAハウジングと、未接続状態のプリント回路基板で構成されている。
図2は、図1による回路配置の接続状態を示す。
図3は、図2に示した回路配置の上面図であり)
(甲2-ウ)「Fig. 1 zeigt in der linken Darstellung ein BGA(Ball-Grid-Array) -Gehause 10, welches ein Substrat oder eine Tragerplatte 12, beispielsweise aus Keramik oder Platinenmaterial, sowie eine Abdeckung 14 aus einem Vergussmaterial umfasst. Auf dem Substrat 12 kann ein optischer Baustein 20, beispielsweise eine lichtemittierende Diode (LED) oder ein optischer Empfanger, beispielsweise in Form einer PIN-Diode, montiert sein. Bond-Drahte 22 und 24 stellen die elektrische Verbindung zwischen dem optischen Baustein 20 und dem Substrat 12 her. Die Abdeckung 14 weist im vorliegenden Beispiel im Zentrum eine Aussparung auf, die mit einem optisch transparenten Material 30, wie zum Beispiel Glas 30, zur Herstellung eines optisch transparenten Bereichs in der Abdeckung 14 ausgefullt ist. Durch diesen durch das Glas 30 gebildeten optisch transparenten Bereich kann in Abhangigkeit von dem optischen Baustein 20 Licht ein- oder ausgekoppelt werden. An der Unterseite des Substrats 12 des BGA-Gehauses 10 sind erhabene Lotreservoirs in Form von Lotballe 40, 42 vorgesehen. Beispielsweise sind drei Lotballe 40 in Reihe zueinander angeordnet, wobei in einem vorbestimmten Abstand dazu und parallel verlaufend eine Reihe aus drei Lotballen an dem Substrat 12 aufgebracht ist. Der Abstand der beiden Lotreihen mit den Lotballen 40 bzw. 42 ist derart bemessen, dass er im wesentlichen der Dicke der Leiterplatte 50 entspricht. Die Leiterplatte 50 ist ebenfalls in Fig. 1 dargestellt. An der Unterseite des Substrats 12 kann eine langliche Nut 13 zwischen den Lotballen 40 und 42 ausgenommen sein, die zur Aufnahme einer Stirnseite, beispielsweise der Stirnseite 52 der Leiterplatte 50 dimensioniert ist. Ferner kann innerhalb der Nut eine weitere Vertiefung 15 vorgesehen sein, in die ein komplementarer, an der Stirnseite 52 der Leiterplatte 50 angeformter, beispielsweise zapfenformiger Vorsprung 54 eingreifen kann. Anstelle der Nut 13 kann auch lediglich eine Nut 15 an der Unterseite des Tragers 12 ausgenommen sein, um mit dem Vorsprung 54 an der Stirnseite 52 der Leiterplatte 50 in Eingriff zu kommen. Der Vorsprung 54 und die Vertiefung 15 dienen dazu, ein seitliches Verschieben des BGA-Gehauses 10 entlang der Stirnseite 52 der Leiterplatte 50 zu verhindern, sofern keine Nut 13 vorgesehen ist, oder die Nut 13 sich uber die gesamte Lange des Substrates 12 erstreckt und keine seitliche Begrenzung aufweist. All diese geschilderten Massnahmen dienen dazu, die Leiterplatte 50 gegenuber dem BGA-Gehause 10 in eine oder alle Richtungen festzulegen. Ist eine Nut 13 an der Unterseite des Substrates 12, wie in Fig. 1 und 2 gezeigt, vorgesehen, konnen die elektrischen Anschlussflecken 56 und 58 auf der jeweiligen Oberflache der Leiterplatte 50 in entsprechendem Abstand von der Stirnseite 52 aufgebracht werden. Der Abstand zwischen Stirnseite 52 und den Anschlussflecken 56 und 58 entspricht im wesentlichen der Tiefe der Nut 13.
Fig. 2 zeigt das BGA-Gehause 10 und die Leiterplatte 50 im verloteten Zustand. Die Stirnseite 52 und der Vorsprung 54 greifen in die Nut 13 bzw. in die Vertiefung 15 ein. Die Nut 13 kann mit Bezug auf die Dicke der Leiterplatte 50 derart dimensioniert sein, dass im eingesetzten Zustand das Substrat 12 und die Leiterplatte 50 eine Pressverbindung bilden. Wie in Fig. 2 weiter gezeigt, konnen im verbundenen Zustand zwischen den Anschlussflecken 56 und 58 auf der Leiterplatte 50 und der Unterseite des Substrat 12 kleine Spalte vorhanden sein, in die geringe Mengen der Lotkugeln 40 und 42 wahrend des Verlotens einfliessen konnen. Auf diese weise kann die mechanische Verbindung zwischen dem BGA-Gehause 10 und der Leiterplatte 50 verbessert werden.」(第4頁17行~第6頁17行)
(当審訳:図1は、例えばセラミック又はボード材料からなる基板又はキャリアプレート12と、ポッティング材料からなるカバー14とからなるBGA(ボールグリッドアレイ)パッケージ10を左側の図に示している。基板12には、例えば発光ダイオード(LED)又は例えばPINダイオードの形態の光受信器などの光学デバイス20が実装されてもよい。接続線22、24は、光デバイス20と基板12との間の電気的接続を行う。本実施例では、カバー14は、中央部に凹部を有し、この凹部にガラス等の光学的透明材料30を充填して、カバー14内に光学的透明領域を形成している。光は、光学デバイス20に応じて、ガラス30によって形成されたこの光学的に透明な領域を通して、内側に結合されたり、外側に結合されたりすることができる。BGAパッケージ10の基板12の下面には、はんだボール40、42の形で盛り上がったはんだ溜まりが設けられている。例えば、3個のはんだボール40が直列に配置され、他の3個のはんだボールの列が所定距離離れて平行に基板12に塗布されている。2列のはんだボール40、42の間の距離は、プリント回路基板50の厚さに実質的に対応するようなものである。また、図1には、プリント回路基板50が示されている。基板12の下面には、はんだボール40、42の間に細長い溝13を凹設してもよく、これは端面、例えばプリント回路基板50の端面52を受けるような寸法になっている。さらに、プリント回路基板50の端面52に形成された相補的な、例えばペグ状の突起54が係合する、さらなる凹部15を溝内に設けてもよい。なお、溝13の代わりに、基板12の下面に溝15のみを凹設して、プリント回路基板50の端面52の突起部54と係合させてもよい。突起54と凹部15は、溝13が設けられていない限り、あるいは溝13が基板12の全長に沿って延び、横方向の境界がない限り、プリント回路基板50の端面52に沿ってBGAハウジング10が横方向に変位することを防止する役割を果たす。説明したこれらの措置はすべて、PCB50をBGAハウジング10に対して1方向又は全方向に固定する役割を果たす。図1及び図2に示すように、基板12の下面に溝13を設ければ、プリント回路基板50のそれぞれの面に、端面52から適当な距離を置いて電気接続パッド56、58を貼付することができる。端面52と接続パッド56、58との間の距離は、本質的に溝13の深さに相当する。
図2は、BGAハウジング10とプリント回路基板50をはんだ付けした状態を示している。端面52と突起54は、それぞれ溝13と凹部15に係合する。溝13は、挿入されたときに、基板12とPCB50が圧入接続を形成するように、PCB50の厚さに対して寸法が決められていてもよい。さらに、図2に示すように、接続状態において、PCB50上の接続パッド56、58と基板12の下面との間には、はんだ付け中に少量のはんだボール40、42が流れ込む可能性のある小さな隙間を設ける場合がある。このようにすることで、BGAパッケージ10とPCB50との機械的な接続性を向上させることができる。)
(甲2-エ)「1. Schaltungsanordnung mit wenigstens einem an einer Leiterplatte (50) montierten Baustein (20),dadurch gekennzeichnet, dass der Baustein (20) in einem BGA-Gehause (10) angeordnet ist, und dass das BGA-Gehause (10) an einer Stirnseite (52) der Leiterplatte (50) angeordnet und mit dieser elektrisch verbunden ist.」(第8頁2~10行)
(当審訳:1.プリント回路基板(50)上に実装された少なくとも1つのコンポーネント(20)を有する回路配置であって、コンポーネント(20)がBGAハウジング(10)内に配置され、BGAハウジング(10)がプリント回路基板(50)の一方の端面(52)上に配置されて、後者に電気的に接続されていることを特徴とする、プリント回路基板上の回路配置。)
(甲2-オ)「4. Schaltungsanordnung nach einem der Anspruche 1 bis 3, dadurch gekennzeichnet, dass an dem BGA-Gehause (10) zwei parallele, mit vorbestimmtem Abstand zueinander angeordnete Reihen von erhabenen Lotreservoirs (40, 42), insbesondere Lotballen, vorgesehen sind, die mit entsprechend zugeordneten elektrisch leitenden Kontakten (56, 58) an den gegenuberliegenden Oberflachen der Leiterplatte (50) verlotet sind.」(第8頁下から7行~第9頁2行)
(当審訳:4.互いに所定の間隔をおいて配置された2つの平行な列の盛り上がったはんだ溜め(40、42)、特にはんだボールがBGAハウジング(10)に設けられ、プリント回路基板(50)の対向面上の対応する導電性コンタクト(56、58)にはんだ付けすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の回路配列。)
(甲2-カ)Fig.1
「
[図:0001392097000007.jpg]
」
(甲2-キ)Fig.2
「
[図:0001392097000008.jpg]
」
(2)甲2に記載された技術事項
上記(甲2-ア)ないし(甲2-キ)の記載から、甲2には、以下の技術事項が記載されているものと認められる。
「BGA(ボールグリッドアレイ)パッケージ10がプリント回路基板50の一方の端面52上に配置されるプリント回路基板上の回路配置において、BGAパッケージ10は、光学デバイス20が実装された基板12とカバー14とからなり、基板12の下面に、プリント回路基板50の厚さに実質的に対応する間隔で平行に2列のはんだボール40、42を設け、はんだボール40、42の間に細長い溝13を凹設し、プリント回路基板50のそれぞれの面に、端面52から適当な距離を置いて電気接続パッド56、58を貼付し、プリント回路基板50の端面52を基板12の下面の溝13に係合させ、はんだボール40、42を対応する電気接続パッド56、58にはんだ付けする技術。」(以下「甲2技術事項」という。)
3 甲3の記載事項及び甲3に記載された発明
(1)甲3の記載事項
甲3には以下の記載がある。
(甲3-ア)「[産業上の利用分野]
この発明は、カメラヘッド内に固体撮像素子を備えた内視鏡や監視用TVカメラ等の撮像装置に関する。」(第1頁左下欄14~17行)
(甲3-イ)「[実施例]
第1図には、この発明に係わる撮像装置を備えた内視鏡又は電子スコープの挿入部先端の構造が開示されている。内視鏡の挿入部は、湾曲部2を備え、湾曲部2には、互いに回転自在に連結された複数の湾曲こま4が配置され、湾曲こま4の外周は、ブレード6及びゴム製の外被8により被覆されている。金属製の先端部材10は、絶縁部材12を介在させて、最先端部に配置された湾曲こま4に連結されている。先端部材10の露出部は、絶縁カバー14及び外被8により被覆されている。また、先端部材10と外被8は、糸巻接着層16により接続されている。
挿入部の先端に配置された先端部材10及び絶縁カバー14には、複数の取付孔が形成され、取付孔には、対物光学系18,照明用光学系20が取付られている。そして、鉗子口22は、先端部材10の取付孔内に嵌合されたパイプ状の絶縁部材23と、絶縁部材23の内孔後部に嵌合された鉗子チャンネルパイプ24と、パイプ24の後端部に接続され、挿入部内に延出された鉗子チャンネルチューブ26とから構成されている。複数の光学レンズ20Aを有する照明用光学系20は、挿入部内に挿通されたライトガイドファイバー28の先端面に光学的に接続されている。また、複数の対物レンズ18Aを有する対物光学系18の後方には、撮像装置のカメラヘッド部29を構成する固体撮像素子(SID)30と、SID30に接続された電装部32が配置されている。従って、体腔内の生体組織をSID30を使って観察し、同時に、チャンネル内に挿入された鉗子を使って患部組織を処置することができる。
次に、SID30について説明する。SID30は、第5図から第7図に詳細に描かれている。第6図に示すようにSIDチップ36,カラーフィルタアレイ37及びカバーガラス38は、セラミック多層基板から成るベース34上に順次積層されて、封入部材42でパッケージされている。詳細には、SIDチップ36は、イメージエリア39、オプティカルブラック40及び水平シフトレジスタ41を備え、ベース34の表面にダイボンディングされている。そして、SIDチップ36のチップ電極44と、ベース34上に形成されたランドレス・スルーホール付ボンディングパッド46は、ボンディングワイヤー48で接続されている。また、ランドレス・スルーホール付ボンディングパッド46は、ベース34の底面に形成されたフラットランド50に接続されている。カラーフィルタアレイ37及びカバーガラス38は、SIDチップ36の上面に順次積層され、これらの構成部品は、封止部材42によりパッケージされている。
上述のように形成されたSID30は、先端部材10の後端面に形成された凹部10A内に、内視鏡挿入部の縦軸と直角に、即ち対物光学系18の光軸に対して垂直に配置され、受光面を対物用光学系18に対向させて、接着層52により固着されている。
電装部32は、上面及び下面に電気部品が取付られた第1の基板54と、導体パターンのみが形成された第2の基板56を備えている。詳細には、第1の基板54の上面には、IC58が配置され、下面にコンデンサー60が取付けられている。特に第2図に示すように小形パッケージ構造がIC58に用いられている。即ち、ベアチップ59が第1の基板54に直接ダイボンディングされ、このベアチップ59と基板54がボンディングワイヤー62で接続され、ベアチップ59の周囲は、IC封止部材64で封止されている。
第1の基板54における一方の縁部の上面には、多数のL字状基板リード足66が付着され、また、第1の基板54における他方の縁部の下面には、多数の溝部68Aが形成され、各溝部内にはシールド線接続ランド68が設けられている。そして、ベアチップ59及びコンデンサ60は、基板リード足66及びシールド線接続ランド68に接続されている。
また、第2の基板56の一端部には、多数のL字状基板リード足70が形成され、第2の基板56の他端部には、リード線を挿入するためのパイプ部72が形成されている。そして、第2の基板56の全体には配線パターンが設けられ、この配線パターンは、基板リード足70及びパイプ部72に接続されている。また、各リード線挿入用のパイプ部72の開口端部は、リード線を挿入しやすいよう斜めに切欠されている。
第3図に示すように、第1及び第2の基板54,56は、いずれも横幅の寸法がSID30より小さく形成されている。そして、第1及び第2の基板54,56は、SID30の裏面に対して上下2段に互いに平行に配置され、第1及び第2の基板54,56における基板リード足66,70は、フラットランド50に各々半田付けされている。更に、第1及び第2の基板54,56は、挿入部の縦軸方向に配置されている。
挿入部内に挿通された電気ケーブル73は、第1のシールド線束74及び第2のシールド線束76の2系統に別けられ、各シールド線は、シールド線接続ランド68及びリード線挿入パイプ部72に半田付けされている。例えば、12本のシールド線を各基板に接続する場合には、まずシールド線を各6本の2系統のシールド線束74,76に分割し、これらのシールド線束74,76をシールド線ホルダー78の通孔に挿入する。そして、絶縁チューブで被覆されたシールド線内部導体80,81を各シールド線束から露出させる。次に、第1のシールド線束74における各シールド線内部導体80の導体80Aをシール線接続ドランド68(当審注:「シール線接続ドランド68」は「シールド線接続ランド68」の誤記と認める。)に半田付けし、第2のリード線束76における各シールド線内部導体81の導体81Aをリード線挿入パイプ部72に挿入して半田付けする。また、シールド線束74,76の外部導体82は、半田層84によりシールド線ホルダ78に固着される。そして、シールド線ホルダ78は、基板54,56の周囲を囲むように配置された金属製のシールドカバー86の基端部内に、導電性接着層78Aにより固着され、シールド線ホルダ78とシールドカバー86は導通される。従って、電装部32全体をシールドすることができる。また、第1及び第2のシールド線束74,76は、接着剤88によりシールド線ホルダ78に固定され、接触部が補強される。
上述のようにこの発明に係わる撮像装置を備えた内視鏡では、基板54,56が挿入部の縦軸方向に配置されている。従って、シールド線,電気部品等が増加しても、基板54,56を挿入部の縦軸方向に拡張すれば良く、電装部32がSID30のパッケージの径方向寸法よりも大きくなることがない。そのため、SIDに接続された基板によってライトガイドファイバ28,鉗子チャンネルチューブ26等の他の内臓物のレイアウトを阻害することがなく、挿入部の先端部を細く形成することができる。また、半田付け部が基板54,56の一部分に集中しているので配線作業が容易となる。
この発明の第1実施例に係わる撮像装置は、更に以下のような利点を有している。即ち、基板リード足66,70が基板54,56の縁部に設けられているので、基板リード足66,70がSID30の裏面に設けられる場合に比べて部品の製造が容易となる。また、金属製のシールドカバー86が電気ケーブル73の支持部材として使用されているので、電気ケーブル73を強固に支持することができる。また、シールド線内部導体80をリード線挿入パイプ部72に挿入することにより、シールド線内部導体80が接続できるので、シールド線の配線作業が容易となる。また、シールド線の束を2分割することにより、内視鏡挿入部内におけるケーブルのレイアウトが容易となり、そのため挿入部を細径化することができるとともに、湾曲部を繰返し湾曲させる際のケーブルの耐性が向上する。更に、電気部品は、ベアチップとして基板54に搭載されているので基板を小形化でき、電装部32全体も小形化できる。また、電装部32は、先端構成部材10,シールドカバー86,シールド線ホルダ78及び外部導体82で完全にシールドされ、ノイズに対して充分に保護されている。そして、シールド部材は、湾曲こま4,ブレード6、チャンネルパイプ24等の先端部における外装金属部材に対して絶縁されているので、電気的な安全も確保される。
次に、第8図及び第9図を参照しながらカメラヘッド部の第1の変形例について説明する。この変形例では、基板54,56の接続構造及びシールド構造が第1の実施例とは異なっている。即ち、上下2列に配列された多数のリード脚92がSID30の底面に突設され、両縁部に各々フラットランド94を備えた第1基板54及び第2基板56が、互いに基板一体化部材96により一体的に付着されている。そして、一体化された基板の一端部は、上・下リード足92の間に挿入されて半田付けされている。
従って、リード足92がSID30に設けられているので、基板54,56のSID30に対する位置決めが容易となり、また、基板54,56を一体的に付着することにより、基板54,56がSID30に固定しやすくなり作業性が向上する。
先端部材10の後端部には、突起102が突設され、シールド線ホルダーを備えたL字状の電装部支持部材98が突起102に取付けられている。電装部支持部材98は、金属で形成され、先端部材10と導通されている。そして、電装部支持部材98の上面及び両側面は、導電性フィルム100で覆われ、導電フィルム100を保持するための絶縁性充填材104が導電性フィルム100の内側に設けられている。
従って、この第1の変形例では、第1実施例のように硬質の部材で電装部32全体をシールドしないので、シールドに必要なスペースを削減することができ、その結果電装部32を小形化することができる。」(第2頁右上欄13行4~第4頁右下欄4行)
(甲3-ウ)第1図
「
[図:0001392097000009.jpg]
」
(甲3-エ)第2図
「
[図:0001392097000010.jpg]
」
(甲3-オ)第3図
「
[図:0001392097000011.jpg]
」
(甲3-カ)第8図
「
[図:0001392097000012.jpg]
」
(甲3-キ)第9図
「
[図:0001392097000013.jpg]
」
(2)甲3に記載された発明
ア 上記(引3-イ)の記載において、「リード脚92」及び「リード足92」は同じ構成要素を表すと解されるから、以下では「リード足92」に記載を統一する。
また、「コンデンサー60」及び「コンデンサ60」は同じ構成要素を表すと解されるから、以下では「コンデンサ60」に記載を統一する。
イ 第8図及び第9図に係る第1の変形例の記載から、第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側に設けられたフラットランド94は、第1実施例における基板リード足66、70の代替構成要素であり、他方の縁部側に設けられたフラットランド94は、シールド線接続ランド68及びパイプ部72の代替構成要素であることが読み取れる。
そして、「一体化された基板の一端部は、上・下リード足92の間に挿入されて半田付けされている」の「半田付け」は、「第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側のフラットランド94が上・下リード足92に半田付けされている」ことを意味すると解される。
また、シールド線接続ランド68及びパイプ部72と同様に、第1基板54及び第2基板56の他方の縁部側に設けられたフラットランド94には、第1のシールド線束74及び第2のシールド線束76の2系統に別けられた各シールド線が半田付けされていることが読み取れる。
さらに、ベアチップ59及びコンデンサ60が、基板リード足66及びシールド線接続ランド68に接続されているのと同様に、ベアチップ59及びコンデンサ60は、第1基板54の両縁部に設けられたフラットランド94に接続されていることが読み取れる。
ウ 上記ア及びイを踏まえると、上記(甲3-ア)ないし(甲3-キ)の記載から、甲3には、以下の2つの発明が記載されているものと認められる。
「対物光学系18の後方にカメラヘッド部29を構成する固体撮像素子(SID)30と、SID30に接続された電装部32が配置されている撮像装置であって、
SID30は、SIDチップ36、カラーフィルタアレイ37及びカバーガラス38が、セラミック多層基板から成るベース34上に順次積層されて、封入部材42でパッケージされ、上下2列に配列された多数のリード足92がSID30の底面に突設されており、
電装部32は、上面及び下面に電気部品が取付られた第1の基板54と、導体パターンのみが形成された第2の基板56を備え、第1基板54及び第2基板56は、両縁部に各々フラットランド94を備え、
第1の基板54の上面には、IC58が配置され、下面にコンデンサ60が取付けられ、IC58のベアチップ59及びコンデンサ60は、両縁部のフラットランド94に接続されており、
第2の基板56の全体には配線パターンが設けられ、この配線パターンは、両縁部に設けられたフラットランド94に接続されており、
第1基板54及び第2基板56は、互いに基板一体化部材96により一体的に付着されており、一体化された基板の一方の縁部は、上・下リード足92の間に挿入されて、第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側のフラットランド94が上・下リード足92に半田付けされており、
電気ケーブル73は、第1のシールド線束74及び第2のシールド線束76の2系統に別けられ、各シールド線は、第1基板54及び第2基板56の他方の縁部側に設けられたフラットランド94に半田付けされている、
撮像装置。」(以下「甲3発明A」という。)
「撮像装置を備えた内視鏡であって。
撮像装置は、対物光学系18の後方にカメラヘッド部29を構成する固体撮像素子(SID)30と、SID30に接続された電装部32が配置されており、
SID30は、SIDチップ36、カラーフィルタアレイ37及びカバーガラス38が、セラミック多層基板から成るベース34上に順次積層されて、封入部材42でパッケージされ、上下2列に配列された多数のリード足92がSID30の底面に突設されており、
電装部32は、上面及び下面に電気部品が取付られた第1の基板54と、導体パターンのみが形成された第2の基板56を備え、第1基板54及び第2基板56は、両縁部に各々フラットランド94を備え、
第1の基板54の上面には、IC58が配置され、下面にコンデンサ60が取付けられ、IC58のベアチップ59及びコンデンサ60は、両縁部のフラットランド94に接続されており、
第2の基板56の全体には配線パターンが設けられ、この配線パターンは、両縁部に設けられたフラットランド94に接続されており、
第1基板54及び第2基板56は、互いに基板一体化部材96により一体的に付着されており、一体化された基板の一方の縁部は、上・下リード足92の間に挿入されて、第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側のフラットランド94が上・下リード足92に半田付けされており、
電気ケーブル73は、第1のシールド線束74及び第2のシールド線束76の2系統に別けられ、各シールド線は、第1基板54及び第2基板56の他方の縁部側に設けられたフラットランド94に半田付けされている、
内視鏡。」(以下「甲3発明B」という。)
4 甲4の記載事項及び甲4に記載された技術事項
(1)甲4の記載事項
甲4には以下の記載がある。
(甲4-ア)「[0001] 1. Field of the Disclosure
[0002] The present invention relates generally to a package including a ball grid array (BGA) or a land grid array (LGA), more specifically to a package including BGA or LGA having a modified footprint.
[0003] 2. Background
[0004] Semiconductor chips are found in virtually every electrical product manufactured today. Chips are used not only in very sophisticated industrial and commercial electronic equipment, but also in many household and consumer items. Chips are packaged in packages, and packages are mounted on printed circuit boards (PCB) in devices such as a mobile phone or other electronic devices.
[0005] For example, an image sensor chip may be packaged in a suitable package. The package is then mounted on a PCB in a device. The device may be a mobile phone or other electronic device. The package may be mounted on the PCB by reflowing the ball grid array (BGA) at the bottom of the package on the PCB. The BGA is an array of solder balls formed at the bottom of the package. In the reflowing process, the solder balls are heated and melted, permanently forming solder joints between the package and the PCB. The reflowed BGA including the formed solder joints not only provides electrical connection between the package and the PCB, it also provides the mechanical support for holding the package to the PCB. In some occasions, an increased mechanical strength for holding the package to the PCB is desired.」
(当審訳:[0001] 1.技術分野
[0002] 本発明は、一般に、ボールグリッドアレイ(BGA)又はランドグリッドアレイ(LGA)を含むパッケージに関し、より具体的には、変更されたフットプリントを有するBGA又はLGAを含むパッケージに関する。
[0003] 2.背景
[0004] 半導体チップは、今日製造されるほぼ全ての電気製品に見出される。チップは、非常に洗練された工業用及び商業用電子機器だけでなく、多くの家庭用及び消費者用物品にも使用されている。チップはパッケージで包装され、パッケージは携帯電話や他の電子機器などのデバイスのプリント回路基板(PCB)に実装される。
[0005] 例えば、イメージセンサチップは、適切なパッケージに包装されることがある。そして、そのパッケージは、デバイス内のPCBに実装される。デバイスは、携帯電話又は他の電子デバイスであってよい。パッケージは、パッケージの底部にあるボールグリッドアレイ(BGA)をPCB上にリフローすることによってPCBに実装される。BGAは、パッケージの底面に形成されたはんだボールの配列である。リフロー工程では、はんだボールが加熱・溶融され、パッケージとPCBとの間に恒久的なはんだ接合部が形成される。形成されたはんだ接合部を含むリフローBGAは、パッケージとPCB間の電気的接続を提供するだけでなく、パッケージをPCBに保持するための機械的支持も提供する。場合によっては、パッケージをプリント基板に保持するための機械的強度の向上が望まれる。)
(甲4-イ)「[0040] FIG. 6A illustrates an example camera module 600 mounted on a BGA, in accordance with the teachings of the present invention. In the depicted example, camera module 600 includes a housing 616, a lens 614, an image sensor 612, a substrate 606, and a BGA including solder balls 602 arranged on a surface 604 of substrate 606. The BGA is attached to the bottom of the camera module.」
(当審訳:図6Aは、本発明の教示に従って、BGAに搭載されたカメラモジュール600 の例を示している。図示の例では、カメラモジュール600は、ハウジング616、レンズ614、イメージセンサ612、基板606及び基板606の表面604上に配置されたはんだボール602を含むBGAを含んでいる。BGAは、カメラモジュールの底面に取り付けられている。)
(甲4-ウ)FIG.6A
「
[図:0001392097000014.jpg]
」
(2)甲4に記載された技術事項
上記(甲4-ア)ないし(甲4-ウ)の記載から、甲4には、以下の技術事項が記載されているものと認められる。
「イメージセンサチップのパッケージをプリント回路基板(PCB)に実装する際、パッケージの底面に形成されたはんだボールの配列であるボールグリッドアレイ(BGA)をPCB上にリフローすることによって、パッケージとPCBとの間に恒久的なはんだ接合部を形成し、パッケージとPCB間の電気的接続と機械的支持を得る技術。」(以下「甲4技術事項」という。)
5 甲5の記載事項及び甲5に記載された技術事項
(1)甲5の記載事項
甲5には以下の記載がある。
(甲5-ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内視鏡の先端部に内蔵されるものに好適な撮像装置に関する。」
(甲5-イ)「【0012】固体撮像素子3の後端には、先端部25の長手方向に平行に基板5が設けられている。基板5上には、コンデンサ、トランジスタ等の電気部品4が搭載されており、固体撮像素子3及び電気部品4は、基板5に電気的に接続されている。」
(甲5-ウ)「【0018】ジャンパー線8は、基板5と電気部品4との間を電気的に接続する。基板5にはスルーホール12及び電極15が設けられており、ジャンパー線8の一端をスルーホール12又は電極15にハンダ付けし、他端を電気部品4に接続する。
【0019】基板5はスルーホール12によって表面と裏面とが電気的に接続されており、表面及び裏面に図示しない回路パターンが形成されている。基板5の裏面には、図2(b)に示すように、電極15である複合信号ケーブル6接続用のランド部が集合配置されている。これらの電極15に信号ケーブル6の各信号線が接続される。スルーホール12によって、電極15に接続された信号ケーブル6の各信号線と電気部品4とが電気的に接続される。」
(甲5-エ)【図2】
「
[図:0001392097000015.jpg]
」
(2)甲5に記載された技術事項
上記(甲5-ア)ないし(甲5-エ)の記載から、甲5には、以下の技術事項が記載されているものと認められる。
「内視鏡の先端部に内蔵される撮像装置において、固体撮像素子の後端に、先端部の長手方向に平行に基板を設け、基板上に搭載され電気部品と基板5の裏面に配置されている電極15を、基板に設けられたスルーホールによって電気的に接続する技術。」(以下「甲5技術事項」という。)
6 甲6の記載事項及び甲6に記載された技術事項
(1)甲6の記載事項
甲6には以下の記載がある。
(甲6-ア)「【0001】
本発明は可視化装置の分野に関わる。特に本発明は診断用、治療用および手術用の装置に使用されるだけでなく、医療以外の各種用途(例えば工業用)にも使用される可視化プローブに関わる。」
(甲6-イ)「【0065】
図28は本発明による可視化プローブに使用される0.7mm×0.7mmのCMOSの実際の正面(上部)図および背面(底部)図を示す。当業者には明らかなように、センサの前面に形成された回路から、センサに電源を供給しそれからビデオ信号を受け取る外部コンポーネントまでの電気的接続はシリコン貫通電極(TSV)技術を使っておこなわれる。このシリコン貫通電極技術では、小径の穴を、シリコンを貫通して設け、その貫通穴に導体を通す。TSV技術を使うことによってセンサの全体寸法を増やすことなく導体を垂直に配線できる。図28の底部の図に示されるように、センサのシリコン基板の裏側は配線パターンが形成されており貫通電極の底部と、ボールグリッドアレイ(BGA)またはライングリッドアレイ(LGA)接続のいずれを採用するかによって、導体ボールまたはパッドとを電気的に接続できる。図28は4個のパッドを示しているが、多重送信を使ってパッド数を3個に減らせることは容易に理解できる。
【0066】
図28に示したセンサは上述した電流を使う方法を採用している。4つのパッドはそれぞれ:電圧Vdd、接地電位Vss、シャッタータイミングSHTRおよびビデオ信号出力電流POUTである。SHTRはシャッター時間、すなわち画素の電荷を集める時間、を調整することができる。しかし多くの場合、このパラメータは変える必要はなく、所定の値を決めてシリコン上の回路に設定することができる。この場合パッド数は3個という少ない数に低減できる。実際、ビデオ信号を出力し多重送信するこの電流を使う方法であれば、パッドの数を2個に減らすことが理論上可能である。」
(甲6-ウ)「【0104】
図6は本発明による内視鏡の先端部分の概略を示す。先端部分の外側の覆い81の一部を取り除いて内部を示す。覆い81の内側には、光学組立体82がセンサ83の前に取り付けられている。この例では、センサは支持層84上の電気接続パッドにワイヤボンディングされている。このケースでは小さなドライバのコンポーネントを支持層84上に取り付けることもできる。貫通電極を使って支持層84の上面をその底面に電気的に接続し、さらにそこからケーブル86のワイヤ85に接続している。ワイヤは給電したり内視鏡の先端部分から基端側に信号を送ったりするものである。」
(甲6-エ)「【0108】
図1Aを参照すると、CMOSチップ1が、全体を3で示すエレクトロニクス部品を有する回路基板2上に支持されている。組み立てられると、撮像CMOS組立体は図1Bに示すようにコンパクトな形状をしており、CMOS1で生成した信号はコネクタ4を通って他の画像処理装置に送ることができる。また図1Bには、ガラス被覆板5が示されているが、上述の通り、必要ではない。」
(甲6-オ)「【0124】
本発明の最後の特徴的構成はカメラヘッドの構造、すなわち対物レンズの光学組立体をセンサに取り付けたことである。フォトダイオード、マイクロレンズ、および時にはセンサの関連電子部品が公知の方法を使ってシリコンウェーハ上に形成される。マイクロレンズの上面は透明なポリマー層またはカバーガラスで覆われる。ウェーハには貫通穴が開けられ、貫通穴は導電材で埋められ、ボールグリッド組立体が各センサの底面に形成される。その後レンズは、ウェーハがチップに裁断される前あるいは後に、図9と図10を参照して説明したように、人の手によってセンサの上面に取り付けられる。」
(甲6-カ)【図1A】
「
[図:0001392097000016.jpg]
」
(甲6-キ)【図2A】
「
[図:0001392097000017.jpg]
」
(甲6-ク)【図6】
「
[図:0001392097000018.jpg]
」
(甲6-ケ)【図28】
「
[図:0001392097000019.jpg]
」
(2)甲6に記載された技術事項
上記(甲6-ア)ないし(甲6-ケ)の記載から、甲6には、以下の技術事項が記載されているものと認められる。
「可視化プローブに使用されるCMOSセンサのシリコン基板の裏側は配線パターンが形成されており、貫通電極の底部とボールグリッドアレイ(BGA)の4個の導体ボールを電気的に接続し、4個の導体ボールは、それぞれ電圧Vdd、接地電位Vss、シャッタータイミングSHTR及びビデオ信号出力電流POUTであり、センサは支持層上の電気接続パッドにワイヤボンディングされ、さらにそこからケーブルのワイヤに接続し、給電したり内視鏡の先端部分から基端側に信号を送ったりする技術。」(以下「甲6技術事項」という。)
7 原出願の請求項1に記載された発明
(1)原出願は、令和元年11月29日に特許権の設定登録がされ(特許第6622292号)、令和3年5月24日に特許請求の範囲の訂正の請求(以下、当該請求による訂正を「原出願訂正」という。)がされ、同年8月2日付けで原出願訂正を認める異議の決定(異議2020-700413号)がされ、同月16日に当該異議の決定が確定した。
(2)原出願訂正後の請求項1に記載された発明は、以下のとおりである。
「撮像システムであって、
画像センサであって、
外面を有し、画像を取り込んで取り込まれた画像を電気信号に変換するように構成された内部電子回路を収容する外装体と、
前記外面と一体化した2次元のボールグリッドアレイとして構成される複数のはんだボールとを含む画像センサと、
回路基板コネクタであって、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
前記ボールグリッドアレイと交差する前記外面と面する側面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイの前記複数のはんだボールに電気的に接続する複数の電気接続部と
を含む回路基板コネクタと
を含み、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の第1の接続端部を含み、前記第1の接続端部の各々は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、電気的に接続され、かつ結合され、前記複数の電気接続部は、さらに、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つに配置される複数の第2の接続端部を含み、前記第2の接続端部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに、電気的に接続され、かつ結合され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つが、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。」(以下「原出願発明」という。)
第5 当審の判断
1 特許法第36条第6項第2号について
(1)本件発明1ないし32は、物の発明であって、製造方法によって生産物を特定しようとするものとは認められない。
そのため、「はんだボール」が、技術常識に基づいて認識されるボール形状をしたはんだを意味することは明らかである。
(2)はんだボールと接続端部が電気的に接続されるためには、はんだボールと接続端部が直接又は導体を介して接触していれば十分であり、本件発明1ないし32が、追加的な接合材に係る発明特定事項が不足しているとはいえない。
(3)したがって、本件特許の特許請求の範囲に、申立人の特許異議申立理由1に係る不備はない。
2 特許法第36条第4項第1号について
(1)本件発明1ないし32は、追加的な接合材を使用する態様と、追加的な接合材を使用しない態様を包含している。
(2)追加的な接合材を使用する態様について、本件特許の発明の詳細な説明には、「【0039】・・・電気接点108a~108dをそれぞれの第1接続端部130a~130dと接合する追加的な接合材144・・・をさらに示す。例示的接合材144~148は、リフローはんだまたは導電性接着剤などのはんだを含み得るが、ボンドワイヤなどの他の材料および/または他の接合技術が、導電性コンポーネント同士を接合および電気的に接続するために使用されてもよい。例えば、はんだの使用に加えてまたは代替的に、ボンドワイヤが、電気接点108a~108dを第1接続端部130a~130dと接合および電気的に接続するために使用されてもよい。導電性コンポーネント同士を接合および電気的に接続する様々な方法が可能であり得る。」と記載されており、本件特許の発明の詳細な説明は、当業者が本件発明1ないし32の追加的な接合材を使用する態様の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものである。
(3)また、追加的な接合材を使用しない態様について、本件特許の発明の詳細な説明には、「【0031】・・・第1接続端部130a~130d・・・の各々は、・・・電気接点108a~108dのそれぞれの1つとの接合のために適切にサイズを決められた導電性接触パッドであってもよいが、他の導電性構造も可能であり得る。」と記載されており、複数の電気接点である複数のはんだボールの間に回路基板コネクタをはめ込むことにより、はんだボールと電気接続部の導電性接触パッドなどの接続端部の隣接配置及び電気的接続が実現可能であることは、当業者には明らかであるから、本件特許の発明の詳細な説明が、本件発明1ないし32の追加的な接合材を使用しない態様の実施をすることができる程度に明確かつ十分に記載したものでないとはいえない。
(4)したがって、本件特許の発明の詳細な説明に、申立人の特許異議申立理由2に係る不備はない。
3 甲1に基づく特許法第29条第2項について
(1)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1発明Aとを対比する。
(ア)甲1発明Aの「撮像装置1」は、本件発明1の「撮像システム」に相当する。
(イ)甲1発明Aの「カバーガラス10」、「接合層11」、「マイクロレンズ12」、「撮像部21」、「撮像素子チップ20」、「封止樹脂25」及び「第1の配線板30」は、併せて、本件発明1の「画像センサ」に相当する。
(ウ)甲1発明Aの「カバーガラス10」、「接合層11」、「撮像素子チップ20」、「封止樹脂25」及び「第1の配線板30」は、併せて「撮像部21」を包囲するものであるから、本件発明1の「外装体」に相当する。
(エ)甲1発明Aの「第2の主面30SB」は、本件発明1の「外面」に相当する。
(オ)甲1発明Aの「第2の端子33」は電気接続部であるから、甲1発明Aの「第2の主面30SBに複数の第2の端子33を有し」、「第2の端子33の配列」「は中央領域には第2の端子33を有しておらず、中央領域の上方に横並びで4つの第2の端子33が配置され、中央領域の下方に横並びで5つの第2の端子33が配置され」ていることと、本件発明1の「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボールを含」むこととは、「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、アレイとして構成された複数の導電体を含」むことで共通する。
(カ)甲1発明Aの「第2の配線板40」は、「チップコンデンサ、チップインダクタ、半導体チップの電子部品46が」「表面実装されて」いるから、「回路基板」である。
また、「第2の配線板40」を介して「第1の配線板30」と「信号ケーブル50の導線51」が接続されるから、「第2の配線板40」は「コネクタ」である。
したがって、甲1発明Aの「第2の配線板40」は、本件発明1の「回路基板コネクタ」に相当する。
(キ)甲1発明Aの「第2の配線板40」の「両面」は、本件発明1の「第1平面」と「前記第1平面の反対側にある第2平面」に相当する。
(ク)甲1発明Aの「信号ケーブル50」及び「複数の導線51」は、それぞれ本件発明1の「電気ケーブル配線」及び「複数の長尺状導電性部材」に相当する。
(ケ)甲1発明Aの「第3の端子41」、「配線43」及び「第4の端子42」は、併せて本件発明1の「電気接続部」に相当する。
(コ)上記(ク)及び(ケ)の対比を踏まえると、甲1発明Aの「両面の端部に第1の配線板30の第2の端子33と接続された複数の第3の端子41を有し、複数の第3の端子41は、配線43を介して、他端部の複数の第4の端子42と接続されていて、複数の第4の端子42は、それぞれ信号ケーブル50の複数の導線51のうちの1つと接合されて」いることと、本件発明1の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ていることとは、「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材をアレイとして構成された複数の導電体と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ていることで共通する。
(サ)甲1発明Aの「第3の端子41」は、本件発明1の「接続端部」に相当する。
(シ)上記(ケ)及び(サ)の対比を踏まえると、甲1発明Aの「両面の端部に第1の配線板30の第2の端子33と接続された複数の第3の端子41を有し」ていることと、本件発明1の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ていることとは、「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ていることで共通する。
(ス)甲1発明Aの「両面」を有する「第2の配線板40」が「第1の配線板30の第2の主面30SBの中央領域に垂直に接合され」ていることと、本件発明1の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことに相当する。
イ そうすると、本件発明1と甲1発明Aとは、
「撮像システムであって、
画像センサを備え、前記画像センサは、
外面を有する外装体と、
2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、アレイとして構成された複数の導電体を含み、前記撮像システムはさらに、
回路基板コネクタを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記アレイとして構成された複数の導電体と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。」
の発明である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点1)
回路基板コネクタの第1平面と前記第1平面の反対側にある第2平面に配置される複数の接続端部が隣接して配置され、かつ電気的に接続される、外装体の外面と一体化した複数の電気接点である、2次元の配置構成でアレイとして構成された複数の導電体が、本件発明1においては「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」であるのに対し、甲1発明Aにおいては「中央領域の上方に横並びで4つの第2の端子33が配置され、中央領域の下方に横並びで5つの第2の端子33が配置された」「第2の配列」で配置された「複数の第2の端子33」である点。
ウ 上記相違点1について検討する。
(ア)甲2技術事項は、「プリント回路基板50のそれぞれの面に、端面52から適当な距離を置いて電気接続パッド56、58を貼付し」、「基板12の下面」に設けた「2列のはんだボール40、42」の間に「プリント回路基板50」の「端面52」を配置し、「はんだボール40、42」を「対応する電気接続パッド56、58にはんだ付けする」ことから、本件発明1の「回路基板コネクタ」の「前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部」の「各接続端部は」、「外面と一体化した」「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」「の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」るという発明特定事項と類似する構成を備えている。
しかしながら、本件発明1においては、「接続端部」に「隣接して配置され、かつ電気的に接続され」た状態において、「ボールグリッドアレイ」の「はんだボール」は、「はんだボール」の形態を維持しているのに対し、甲2技術事項においては、「はんだボール40、42」を「対応する電気接続パッド56、58にはんだ付けする」ことから、(甲2-キ)のFig.2に示されるとおり、「はんだボール40、42」はリフローされ、はんだボールの形態を維持していない。
したがって、甲1発明Aの第1の配線板30の第2の端子33として甲2技術事項のはんだボールを採用したとしても、はんだ付けによりはんだボールはその形態を維持しないものとなるから、上記相違点1に係る本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成は得られない。
(イ)甲4技術事項は、パッケージの底面に形成されたはんだボールの配列であるボールグリッドアレイ(BGA)をPCB上にリフローすることによって、パッケージとPCBとを電気的及び機械的に接続するものであり、本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成を開示しない。
(ウ)甲5技術事項は、基板上に搭載され電気部品と基板5の裏面に配置されている電極15を、基板に設けられたスルーホールによって電気的に接続するものであり、本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成を開示しない。
(エ)甲6技術事項は、CMOSセンサのシリコン基板の裏側に設けられたボールグリッドアレイ(BGA)の導体ボールを支持層上の電気接続パッドにワイヤボンディングすることを開示する。
しかしながら、甲6技術事項のボールグリッドアレイ(BGA)は、支持層に対向するシリコン基板に設けられるものであり、甲1発明Aにおける第1の配線板30の第2の主面30SBとそれに垂直に接合される第2の配線板40との電気的接続のために、甲6技術事項のボールグリッドアレイ(BGA)を採用する動機があるとはいえない。
(オ)したがって、甲1、甲2及び甲4ないし甲6に接した当業者といえども、甲1発明Aにおいて、「複数の第2の端子33」を「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」とすることは、容易に想起し得ることであるとはいえない。
エ 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲1発明A並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)本件発明2ないし16について
本件発明2ないし16は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明2ないし16は、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲1発明A並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3)本件発明17について
ア 本件発明17と甲1発明Bとを対比する。
(ア)甲1発明Bの「内視鏡9」は、本件発明17の「内視鏡システム」に相当する。
(イ)甲1発明Bの「挿入部3」が「信号ケーブル50」が配置される内腔を有することは明らかであるから、甲1発明Bの「挿入部3」は、本件発明17の「基端部分から末端部分へ長手方向に延在する長尺状管状部材」に相当する。
そして、甲1発明Bの「挿入部3」は、本件発明17の「前記長尺状管状部材は、本体と、前記本体内で前記基端部分から前記末端部分へ長手方向に延在するケーブル内腔とを含」むことに相当する構成を備えている。
(ウ)甲1発明Bの「カバーガラス10」、「接合層11」、「マイクロレンズ12」、「撮像部21」、「撮像素子チップ20」、「封止樹脂25」及び「第1の配線板30」は、併せて、本件発明17の「画像センサ」に相当する。
そして、甲1発明Bの「挿入部3」の「先端部2に配設された」「撮像装置1」の「カバーガラス10」、「接合層11」、「マイクロレンズ12」、「撮像部21」、「撮像素子チップ20」、「封止樹脂25」及び「第1の配線板30」は、本件発明17の「前記本体内の前記末端部分に配置された画像センサ」に相当する。
(エ)「画像センサ」及び「回路基板コネクタ」について、本件発明17は本件発明1と同様の特定事項を有するところ、甲1発明Bの「撮像装置1」は甲1発明Aの「撮像装置1」と同じ構成を有することから、本件発明17の「画像センサ」及び「回路基板コネクタ」に係る特定事項と甲1発明Bの「撮像装置1」との対比については、上記(1)アの本件発明1と甲1発明Aとの対比と同じことがいえる。
イ そうすると、本件発明17と甲1発明Bとは、
「内視鏡システムであって、
基端部分から末端部分へ長手方向に延在する長尺状管状部材を備え、前記長尺状管状部材は、
本体と、
前記本体内で前記基端部分から前記末端部分へ長手方向に延在するケーブル内腔と
を含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記本体内の前記末端部分に配置された画像センサを備え、前記画像センサは、基端方向を向く外面を有する外装体と、2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、アレイとして構成された複数の導電体を含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記ケーブル内腔内に配置され、かつ複数の長尺状導電性部材を含む電気ケーブル配線と、
前記本体内の前記末端部分かつ前記画像センサの近くに配置された回路基板コネクタとを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
前記アレイとして構成された導電体を前記電気ケーブル配線の前記長尺状導電性部材と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、
前記複数の電気接続部の各々は前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、内視鏡システム。」
の発明である点で一致し、上記相違点1で相違する。
ウ 相違点1については、上記(1)ウで検討したとおりであるから、本件発明17は、甲1発明B並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(4)本件発明18ないし32について
本件発明18ないし32は、本件発明17の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明18ないし32は、上記(3)で検討した本件発明17と同じ理由により、甲1発明B並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
4 甲3に基づく特許法第29条第2項について
(1)本件発明1について
ア 本件発明1と甲3発明Aとを対比する。
(ア)甲3発明Aの「撮像装置」は、本件発明1の「撮像システム」に相当する。
(イ)甲3発明Aの「固体撮像素子(SID)30」は、本件発明1の「画像センサ」に相当する。
(ウ)甲3発明Aの「カバーガラス10」、「ベース34」及び「封入部材42」は、併せて「SIDチップ36」を包囲するものであるから、本件発明1の「外装体」に相当する。
(エ)甲3発明Aの「SID30の底面」は、本件発明1の「外面」に相当する。
(オ)甲3発明Aの「リード足92」は電気接続部であるから、甲3発明Aの「SID30の底面に」、「上下2列に配列された多数のリード足92が」「突設されて」いることと、本件発明1の「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボールを含」むこととは、「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、グリッドアレイとして構成された複数の導電体を含」むことで共通する。
(カ)甲3発明Aの「第1の基板54」は、「上面には、IC58が配置され、下面にコンデンサ60が取付けられ」ているから、「回路基板」であり、「第1基板54及び第2基板56」が「互いに基板一体化部材96により一体的に付着されて」「一体化された基板」もまた、「回路基板」である。
また、「一体化された基板」を介して「固体撮像素子(SID)30」と「電気ケーブル73」の「各シールド線」が接続されるから、「一体化された基板」は「コネクタ」である。
したがって、甲3発明Aの「一体化された基板」は、本件発明1の「回路基板コネクタ」に相当する。
(キ)甲3発明Aの「一体化された基板」が上面及び下面を有することは明らかであるから、甲3発明Aの「一体化された基板」は、本件発明1の「第1平面」と「前記第1平面の反対側にある第2平面」に相当する構成を備えている。
(ク)甲3発明Aの「電気ケーブル73」及び「各シールド線」は、それぞれ本件発明1の「電気ケーブル配線」及び「複数の長尺状導電性部材」に相当する。
(ケ)甲3発明Aの「両縁部のフラットランド94」及び「配線パターン」は、併せて本件発明1の「電気接続部」に相当する。
(コ)上記(ク)及び(ケ)の対比を踏まえると、甲3発明Aの「第1の基板54の上面には、IC58が配置され、下面にコンデンサ60が取付けられ、IC58のベアチップ59及びコンデンサ60は、両縁部のフラットランド94に接続されており、第2の基板56の全体には配線パターンが設けられ、この配線パターンは、両縁部に設けられたフラットランド94に接続されており」、「第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側のフラットランド94が上・下リード足92に半田付けされており」、「電気ケーブル73は、第1のシールド線束74及び第2のシールド線束76の2系統に別けられ、各シールド線は、第1基板54及び第2基板56の他方の縁部側に設けられたフラットランド94に半田付けされている」ことと、本件発明1の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ていることとは、「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材をアレイとして構成された複数の導電体と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ていることで共通する。
(サ)甲3発明Aの「一方の縁部側のフラットランド94」は、本件発明1の「接続端部」に相当する。
(シ)上記(ケ)及び(サ)の対比を踏まえると、甲3発明Aの「一体化された基板の一方の縁部は、上・下リード足92の間に挿入されて、第1基板54及び第2基板56の一方の縁部側のフラットランド94が上・下リード足92に半田付けされて」いることと、本件発明1の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ていることとは、「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ていることで共通する。
(ス)甲3発明Aの「一体化された基板の一方の縁部は」、「SID30の底面に突設され」た「上下2列に配列された多数のリード足92」「の間に挿入されて」いることと、本件発明1の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことに相当する。
イ そうすると、本件発明1と甲3発明Aとは、
「撮像システムであって、
画像センサを備え、前記画像センサは、
外面を有する外装体と、
2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、グリッドアレイとして構成された複数の導電体を含み、前記撮像システムはさらに、
回路基板コネクタを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記グリッドアレイとして構成された複数の導電体と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。」
の発明である点で一致し、次の点で相違する。
(相違点2)
回路基板コネクタの第1平面と前記第1平面の反対側にある第2平面に配置される複数の接続端部が隣接して配置され、かつ電気的に接続される、外装体の外面と一体化した複数の電気接点である、2次元の配置構成でグリッドアレイとして構成された複数の導電体が、本件発明1においては「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」であるのに対し、甲3発明Aにおいては「上下2列に配列された多数のリード足92」である点。
ウ 上記相違点2について検討する。
(ア)甲2技術事項は、「プリント回路基板50のそれぞれの面に、端面52から適当な距離を置いて電気接続パッド56、58を貼付し」、「基板12の下面」に設けた「2列のはんだボール40、42」の間に「プリント回路基板50」の「端面52」を配置し、「はんだボール40、42」を「対応する電気接続パッド56、58にはんだ付けする」ことから、本件発明1の「回路基板コネクタ」の「前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部」の「各接続端部は」、「外面と一体化した」「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」「の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」るという発明特定事項と類似する構成を備えている。
しかしながら、本件発明1においては、「接続端部」に「隣接して配置され、かつ電気的に接続され」た状態において、「ボールグリッドアレイ」の「はんだボール」は、「はんだボール」の形態を維持しているのに対し、甲2技術事項においては、「はんだボール40、42」を「対応する電気接続パッド56、58にはんだ付けする」ことから、(甲2-キ)のFig.2に示されるとおり、「はんだボール40、42」はリフローされ、はんだボールの形態を維持していない。
したがって、甲3発明AのSID30の底面に突設された上下2列に配列された多数のリード足92に代えて甲2技術事項のはんだボールを採用したとしても、はんだ付けによりはんだボールはその形態を維持しないものとなるから、上記相違点2に係る本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成は得られない。
(イ)甲4技術事項は、パッケージの底面に形成されたはんだボールの配列であるボールグリッドアレイ(BGA)をPCB上にリフローすることによって、パッケージとPCBとを電気的及び機械的に接続するものであり、本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成を開示しない。
(ウ)甲5技術事項は、基板上に搭載され電気部品と基板5の裏面に配置されている電極15を、基板に設けられたスルーホールによって電気的に接続するものであり、本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」る構成を開示しない。
(エ)甲6技術事項は、CMOSセンサのシリコン基板の裏側に設けられたボールグリッドアレイ(BGA)の導体ボールを支持層上の電気接続パッドにワイヤボンディングすることを開示する。
しかしながら、甲6技術事項のボールグリッドアレイ(BGA)は、支持層に対向するシリコン基板に設けられるものであり、一体化された基板の一方の縁部がSID30の底面に当接するように配置する甲3発明Aにおいて、SID30の底面に突設されるリード足92に代えて、甲6技術事項のボールグリッドアレイ(BGA)を採用する動機があるとはいえない。
(オ)したがって、甲2ないし甲6に接した当業者といえども、甲3発明Aにおいて、「上下2列に配列された多数のリード足92」を「ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」とすることは、容易に想起し得ることであるとはいえない。
エ 以上のとおりであるから、本件発明1は、甲3発明A並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(2)本件発明2ないし16について
本件発明2ないし16は、本件発明1の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明2ないし16は、上記(1)で検討した本件発明1と同じ理由により、甲3発明A並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(3)本件発明17について
ア 本件発明17と甲3発明Bとを対比する。
(ア)甲3発明Bの「内視鏡」は、本件発明17の「内視鏡システム」に相当する。
(イ)甲3発明Bの「内視鏡」が、「撮像装置」が末端に配置される挿入部を有し、当該挿入部が「電気ケーブル73」が配置される内腔を有することは明らかであるから、甲3発明Bの「内視鏡」は、本件発明17の「基端部分から末端部分へ長手方向に延在する長尺状管状部材」に相当する構成を備えているといえる。
そして、甲3発明Bの「内視鏡」は、本件発明17の「前記長尺状管状部材は、本体と、前記本体内で前記基端部分から前記末端部分へ長手方向に延在するケーブル内腔とを含」むことに相当する構成を備えているといえる。
(ウ)甲3発明Bの「固体撮像素子(SID)30」は、本件発明17の「画像センサ」に相当する。
そして、甲3発明Bの「内視鏡」は、本件発明17の「前記本体内の前記末端部分に配置された画像センサ」に相当する構成を備えているといえる。
(エ)「画像センサ」及び「回路基板コネクタ」について、本件発明17は本件発明1と同様の特定事項を有するところ、甲3発明Bの「固体撮像素子(SID)30」及び「一体化された基板」は甲3発明Aの「固体撮像素子(SID)30」及び「一体化された基板」と同じ構成を有することから、本件発明17の「画像センサ」及び「回路基板コネクタ」に係る特定事項と甲3発明Bの「固体撮像素子(SID)30」及び「一体化された基板」との対比については、上記(1)アの本件発明1と甲3発明Aとの対比と同じことがいえる。
イ そうすると、本件発明17と甲3発明Bとは、
「内視鏡システムであって、
基端部分から末端部分へ長手方向に延在する長尺状管状部材を備え、前記長尺状管状部材は、
本体と、
前記本体内で前記基端部分から前記末端部分へ長手方向に延在するケーブル内腔と
を含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記本体内の前記末端部分に配置された画像センサを備え、前記画像センサは、基端方向を向く外面を有する外装体と、2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、グリッドアレイとして構成された複数の導電体を含み、前記内視鏡システムはさらに、
前記ケーブル内腔内に配置され、かつ複数の長尺状導電性部材を含む電気ケーブル配線と、
前記本体内の前記末端部分かつ前記画像センサの近くに配置された回路基板コネクタとを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
前記グリッドアレイとして構成された導電体を前記電気ケーブル配線の前記長尺状導電性部材と電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、
前記複数の電気接続部の各々は前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数の導電体の1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、内視鏡システム。」
の発明である点で一致し、上記相違点2で相違する。
ウ 相違点2については、上記(1)ウで検討したとおりであるから、本件発明17は、甲3発明B並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
(4)本件発明18ないし32について
本件発明18ないし32は、本件発明17の発明特定事項を全て含むものであるから、本件発明18ないし32は、上記(3)で検討した本件発明17と同じ理由により、甲3発明B並びに甲2技術事項及び甲4技術事項ないし甲6技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
5 特許法第39条第2項について
同日出願に係る2つの発明が同一であるためには、一方を先願とし、他方を後願と仮定したときに両者が同一であり、かつ、他方を先願とし、一方を後願と仮定したときに両者が同一でなければならない。
(1)最初に、原出願発明を先願発明、本件発明1を後願発明と仮定して、本件発明1と原出願発明とを対比する。
ア 原出願発明の「撮像システム」、「画像センサ」、「外面」及び「外装体」は、それぞれ本件発明1の「撮像システム」、「画像センサ」、「外面」及び「外装体」に相当する。
イ 原出願発明の「前記外面と一体化した2次元のボールグリッドアレイとして構成される複数のはんだボール」は、本件発明1の「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」に相当する。
ウ 原出願発明の「回路基板コネクタ」、「第1平面」及び「前記第1平面の反対側にある第2平面」は、それぞれ本件発明1の「回路基板コネクタ」、「第1平面」及び「前記第1平面の反対側にある第2平面」に相当する。
エ 原出願発明の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイの前記複数のはんだボールに電気的に接続する複数の電気接続部」は、本件発明1の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部」に相当する。
オ 原出願発明の「前記複数の電気接続部」の「複数の第2の接続端部」「の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに、電気的に接続され、かつ結合され」ていることは、本件発明1の「前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ていることに相当する。
カ 原出願発明の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の第1の接続端部を含」むことは、本件発明1の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含」むことに相当する。
キ 原出願発明の「前記第1の接続端部の各々は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、電気的に接続され」ることは、本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ることに相当する。
ク 原出願発明の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つが、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことは、本件発明1の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことに相当する。
(2)そうすると、本件発明1と原出願発明とは、
「撮像システムであって、
画像センサを備え、前記画像センサは、
外面を有する外装体と、
2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボールを含み、前記撮像システムはさらに、
回路基板コネクタを備え、前記回路基板コネクタは、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部とを含み、前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含み、各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。」
の発明で一致し、両者の間に相違するところはない。
したがって、本件発明1は原出願発明と同一である。
(3)次に、本件発明1を先願発明、原出願発明を後願発明と仮定して、原出願発明と本件発明1とを対比する。
ア 本件発明1の「撮像システム」、「画像センサ」、「外面」及び「外装体」は、それぞれ原出願発明の「撮像システム」、「画像センサ」、「外面」及び「外装体」に相当する。
イ 本件発明1の「画像センサ」が、取り込んだ画像を「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点」から電気信号として出力することは明らかであるから、本件発明1の「外面を有し」、「2次元の配置構成で構成され」た「複数の電気接点」が「前記外面と一体化し」ている「外装体」は、原出願発明の「外面を有し、画像を取り込んで取り込まれた画像を電気信号に変換するように構成された内部電子回路を収容する外装体」に相当するといえる。
ウ 本件発明1の「2次元の配置構成で構成され、前記外面と一体化した複数の電気接点とを含み、前記複数の電気接点は、ボールグリッドアレイとして構成された複数のはんだボール」は、原出願発明の「前記外面と一体化した2次元のボールグリッドアレイとして構成される複数のはんだボール」に相当する。
エ 本件発明1の「回路基板コネクタ」、「第1平面」及び「前記第1平面の反対側にある第2平面」は、それぞれ原出願発明の「回路基板コネクタ」、「第1平面」及び「前記第1平面の反対側にある第2平面」に相当する。
オ 本件発明1の「ボールグリッドアレイ」は「複数のはんだボール」で「構成され」ているから、本件発明1の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイと電気的に接続する複数の電気接続部」は、原出願発明の「電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイの前記複数のはんだボールに電気的に接続する複数の電気接続部」に相当する。
カ 本件発明1の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の接続端部を含」むことは、原出願発明の「前記複数の電気接続部は、前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の第1の接続端部を含」むことに相当する。
キ 本件発明1の「各接続端部は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、かつ電気的に接続され」ることと、原出願発明の「前記第1の接続端部の各々は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、電気的に接続され、かつ結合され」ることとは、「前記第1の接続端部の各々は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、電気的に接続され」ることで共通する。
ク 本件発明1の「前記複数の電気接続部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに接続され」ることと、原出願発明の「前記複数の電気接続部は、さらに、前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つに配置される複数の第2の接続端部を含み、前記第2の接続端部の各々は、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに、電気的に接続され、かつ結合され」ることとは、「前記複数の電気接続部は、さらに、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに、電気的に接続され」ることで共通する。
ケ 本件発明1の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つは、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことは、原出願発明の「前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つが、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する」ことに相当する。
(4)そうすると、原出願発明と本件発明1とは、
「撮像システムであって、
画像センサであって、
外面を有し、画像を取り込んで取り込まれた画像を電気信号に変換するように構成された内部電子回路を収容する外装体と、
前記外面と一体化した2次元のボールグリッドアレイとして構成される複数のはんだボールとを含む画像センサと、
回路基板コネクタであって、
第1平面と、
前記第1平面の反対側にある第2平面と、
電気ケーブル配線の複数の長尺状導電性部材を前記ボールグリッドアレイの前記複数のはんだボールに電気的に接続する複数の電気接続部と
を含む回路基板コネクタと
を含み、前記複数の電気接続部は、
前記第1平面および前記第2平面に配置される複数の第1の接続端部を含み、前記第1の接続端部の各々は、前記複数のはんだボールの1つに、隣接して配置され、電気的に接続され、前記複数の電気接続部は、さらに、
前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つに、電気的に接続され、
前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つが、前記外装体の前記外面と0度より大きく180度未満である角度を形成する、撮像システム。」
の発明で一致し、次の3点で相違する。
(相違点3)
回路基板コネクタが、原出願発明においては、「前記ボールグリッドアレイと交差する前記外面と面する側面」を含むのに対し、本件発明1においては、そのような特定はされていない点。
(相違点4)
隣接して配置され、電気的に接続される前記第1の接続端部の各々と、前記複数のはんだボールの1つについて、原出願発明においては、「結合され」るのに対し、本件発明1においては、そのような特定はされていない点。
(相違点5)
前記複数の電気接続部と、前記電気ケーブル配線の前記複数の長尺状導電性部材のそれぞれの1つとの、接続について、原出願発明においては、前記複数の電気接続部が、前記第1平面または前記第2平面の少なくとも1つに配置される複数の第2の接続端部を含み、前記第2の接続端部が長尺状導電性部材と電気的に接続され、かつ結合されるのに対し、本件発明1においては、電気接続部と長尺状導電性部材が電気的に接続されるものの、その接続部分が電気接続部のどの部分であり、どこに配置されているのかは特定されておらず、かつ結合されることも特定されていない点。
(5)事案に鑑み、最初に相違点5について検討する。
本件発明1における電気接続部と長尺状導電性部材との電気的接続は、回路基板コネクタの第1平面又は第2平面に配置される電気接続部の端部でなされるものに限定されないから、相違点5は実質的な相違点である。
したがって、他の相違点について検討するまでもなく、原出願発明は本件発明1と同一ではない。
(6)よって、本件発明1は原出願発明と同一ではない。
第6 むすび
以上のとおり、本件請求項1ないし32に係る特許は、特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし32に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700817