特許異議申立
2022-700797
遊技機
- 審判番号
- 2022-700797
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-027144外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 7020956
- 請求日
- 2022年08月10日
- 審決日
- 2023年08月30日
- 公報発行日
- 2023年11月24日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【権利者】株式会社三共
- 【権利者代理人】岩壁 冬樹
- 【権利者代理人】塩川 誠人
- 【権利者代理人】井伊 正幸
- 【異議申立人】日本電動式遊技機特許 株式会社
- 【異議申立人代理人】弁理士法人武和国際特許事務所
- 分類
- P1651.113-YAA(A63F) / P1651.121-YAA(A63F) / P1651.55 -YAA(A63F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第120条の5第2項、特許法第113条第2号、特許法第120条の5第7号、特許法第17条の2第3項、特許法第113条第1号、特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第7020956号発明「遊技機」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第7020956号の明細書、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める。
特許第7020956号の請求項1に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第7020956号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る特許についての出願は、平成30年2月19日の出願であって、令和4年1月25日付けで特許査定がなされるとともに同年2月7日に特許の設定登録がなされ、同年同月16日に特許掲載公報が発行された。
本件特許の特許異議の申立ての経緯は次のとおりである。
令和4年 8月10日 特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会
社による本件特許に対する特許異議の申立て
11月 1日付け 取消理由通知書
12月26日 特許権者による意見書及び訂正請求書(1回
目)の提出
令和5年 2月 9日 特許異議申立人日本電動式遊技機特許株式会
社による意見書の提出
3月29日付け 取消理由通知書(決定の予告)
6月 1日 特許権者による意見書及び訂正請求書(2回
目)の提出
同月14日付け 通知書(訂正請求があった旨の通知)
合議体は、令和5年6月14日付けの通知書において、特許異議申立人に期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが、その指定期間内に何らの応答もなかった。
なお、令和4年12月26日にされた訂正の請求は、令和5年6月1日に新たな訂正の請求がされたことにより取り下げられたものとみなす(特許法第120条の5第7号)
第2 本件訂正請求について
1 訂正の内容
令和5年6月1日になされた訂正の請求(以下、「本件訂正請求」といい、本件訂正請求に係る訂正を「本件訂正」という。)による訂正の内容は以下のとおりである。
(1) 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「特定事象を検出する特定検出手段と、」、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」、「前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」、「遊技機に異常が発生したときに前記判定手段による判定が行われないエラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」および「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」と記載されているのを、「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」、「前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」、「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」および「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」(下線は当審合議体が付した。以下同じ。)に訂正する。
(2) 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項1に「前記判定手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記特定事象が発生したかを判定する」と記載されているのを、「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」および「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」に訂正する。
(3) 訂正事項3
特許請求の範囲の請求項1において、訂正事項1で変更した「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」の後に「エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、」という記載を追加し、「前記メイン処理実行手段は、」の後に「前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、」という記載を追加し、訂正事項1で変更した「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」と「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」の間に「前記エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段と、」という記載を追加し、訂正事項1で変更した「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」の後に「前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理を実行する割込待ち処理実行手段と、」という記載を追加し、訂正事項2で変更した「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」の前に「前記エラー解除操作判定手段は、前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、」という記載を追加し、訂正事項2で変更した「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」の後に「前記エラー表示手段は、前記エラー状態に移行した後、最初の前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行い、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理における前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う」という記載を追加する。
(4) 訂正事項4
願書に添付した明細書の段落【0007】に「特定事象を検出する特定検出手段と、」、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段(例えば、図3のSb6、Sb7の処理を行う部分)を含み、」、「前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」、「遊技機に異常が発生したときに前記判定手段による判定が行われないエラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」および「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」と記載されているのを、「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段(例えば、図3のSb6、Sb7の処理を行う部分)を含み、」、「前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」、「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生した時の制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」および「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」に訂正する。
(5) 訂正事項5
願書に添付した明細書の段落【0007】に「前記判定手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記特定事象が発生したかを判定する(例えば、図10のSe22の処理を行う部分、図12、図14に示す部分)」と記載されているのを、「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」および「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」に訂正する。
(6) 訂正事項6
願書に添付した明細書の段落【0007】において、訂正事項4で変更した「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」の後に「エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、」という記載を追加し、「前記メイン処理実行手段は、」の後に「前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、」という記載を追加し、訂正事項4で変更した「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」と「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」の間に「前記エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段と、」という記載を追加し、訂正事項4で変更した「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」の後に「前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理を実行する割込待ち処理実行手段と、」という記載を追加し、訂正事項5で変更した「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」の前に「前記エラー解除操作判定手段は、前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、」という記載を追加し、訂正事項5で変更した「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」の後に「前記エラー表示手段は、前記エラー状態に移行した後、最初の前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行い、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理における前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う」という記載を追加し、「すなわち、ノイズの発生や不正な信号の一斉入力など要因に起因してエラー状態が終了した場合に、エラー状態が終了する前に検出された特定事象の発生がそのまま復帰後の処理に反映されることを防止できる。」と記載されているのを「すなわち、ノイズの発生や不正な信号の一斉入力など要因に起因してエラー状態が終了した場合に、エラー状態が終了する前に検出された遊技の進行に係る操作の検出がそのまま復帰後の処理に反映されることを防止できる。」に訂正する。
3 訂正の適否
(1) 訂正事項1について
訂正事項1に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「特定事象を検出する特定検出手段と、」を、「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」とした訂正については、訂正前の請求項1に記載されていた「特定事象」を限定し、「遊技の進行に係る操作」としたものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
続いて、訂正事項1に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」を、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」とした訂正については、訂正前の請求項1に記載されていた「特定検出手段」、「判定データ」が検出又は判定する対象を限定し、それぞれ、「進行操作検出手段」、「進行操作判定データ」とするとともに、「作成処理」の内容を限定したものであるから、同様にして、同号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
次に、訂正事項1に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段」、「前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段」、「遊技機に異常が発生したときに前記判定手段による判定が行われないエラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」、「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」を、それぞれ、「前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段」、「前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段」、「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」、「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」および「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」とした訂正については、訂正前の請求項1に記載されていた「特定事象が発生したかを判定」及び「特定事象が発生したと判定」における「特定事象」を限定し、それぞれを、「遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定」、「遊技の進行に係る操作が行われたと判定」とし、「遊技機に異常が発生したとき」に「判定手段」が実行する処理内容を限定し、「エラー解除操作が行われたか否かを判定する」にあたって参照するデータについて限定し、「エラー状態」の「終了」が「エラー処理を終了」することに伴うものであることを限定したものであるから、同様にして、同号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項1に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「特定事象を検出する特定検出手段と、」を、「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」とした訂正、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記特定検出手段の検出結果にもとづいて判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」を、「前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、」とした訂正、「前記判定データを参照して前記特定事象が発生したかを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記特定事象が発生したと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」を、それぞれ、「前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段と、」、「前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、」とした訂正については、本件特許の明細書の【0020】、【0034】、【0055】、【0057】、【0066】、【0069】、【0072】、及び本件特許の図面の図2、図3、図6~図10の記載に基づくものであるから、本件特許の明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「特許明細書等」という。)のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、また実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(2) 訂正事項2について
訂正事項2に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「前記判定手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記特定事象が発生したかを判定する」を、「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」および「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」とした訂正については、前記(1)で述べた「エラー状態終了手段」による「エラー処理」の「終了」の前段階としての「前記作成処理」の「実行」が、「前記割込待ち処理が実行されること」によりなされるものであることを限定し、前記(1)で訂正事項1について述べたように、訂正前の請求項1に記載されていた「特定事象が発生したかを判定する」における「特定事象」を限定して、「遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」とするとともに、「前記判定手段」による当該「判定」が、「前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に」なされることを限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項2に係る訂正のうち、訂正前の特許請求の範囲の請求項1に記載された「前記判定手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記特定事象が発生したかを判定する」を、前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」および「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」とした訂正については、本件特許の明細書の【0034】、【0057】、【0072】、及び本件特許の図面の図3、図7~図10の記載に基づくものであるから、特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、また実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3) 訂正事項3について
訂正事項3に係る訂正のうち、訂正事項1で変更した「遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、」の後に「エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、」という記載を追加した訂正、「前記メイン処理実行手段は、」の後に「前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、」という記載を追加した訂正、訂正事項1で変更した「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、」と「前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、」の間に「前記エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段と、」という記載を追加した訂正、訂正事項1で変更した「前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、」の後に「前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理を実行する割込待ち処理実行手段と、」という記載を追加した訂正、訂正事項2で変更した「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、」の前に「前記エラー解除操作判定手段は、前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、」という記載を追加した訂正、訂正事項2で変更した「前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、」の後に「前記エラー表示手段は、前記エラー状態に移行した後、最初の前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行い、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理における前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う」という記載を追加した訂正については、それぞれ、「エラー状態」の解除に係る「解除操作検出手段」が備えられることを限定し、「メイン処理実行手段」が遊技開始待ち処理に係る「遊技開始待ち処理実行手段」を含むことを限定し、同「メイン処理実行手段」がエラー表示の表示制御に係る「エラー表示手段」を含むことを限定し、同「メイン処理実行手段」が割込待ち処理の実行に係る「割込待ち処理実行手段」を含むことを限定し、「エラー解除操作判定手段」による「エラー解除操作が行われたか否か」の「判定」のフローについて限定し、訂正事項3で追加した「エラー表示手段」のエラー表示のフローについて限定したものであるから、特許法第120条の5第2項ただし書き第1号に掲げる、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、訂正事項3に係る訂正のうち、「エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、」という記載を追加した訂正、「前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、」という記載を追加した訂正、「前記エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段と、」という記載を追加した訂正、「前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理を実行する割込待ち処理実行手段と、」という記載を追加した訂正、「前記エラー解除操作判定手段は、前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、」という記載を追加した訂正、「前記エラー表示手段は、前記エラー状態に移行した後、最初の前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行い、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理における前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う」という記載を追加した訂正は、本件特許の明細書の【0017】、【0020】、【0034】、【0044】、【0055】、【0062】~【0070】、及び図面の図2、図3、図6~図10の記載に基づくものであるから、特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、また実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(4) 訂正事項4~6について
訂正事項4~6に係る訂正は、本件特許の特許請求の範囲の訂正に伴い、特許請求の範囲と整合させるために行う明細書の訂正であるので、特許法第120条の5第2項ただし書き第3号に掲げる、明瞭でない記載の釈明を目的とするものである。
そして、前記(1)~(3)で検討したように、訂正事項1~3に係る訂正については、本件特許の明細書の【0017】、【0020】、【0034】、【0044】、【0055】、【0057】、【0062】~【0070】、【0072】及び図面の図2、図3、図6~図10の記載に基づくものであるから、訂正事項4~6に係る訂正も、特許明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、また実質的に特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
4 小括
以上のとおりであるから、訂正事項1~6に係る訂正は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号又は第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
また、訂正事項1~3の訂正については、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであるが、訂正事項1~3は、特許異議の申立てがされている請求項1に係る訂正であり、訂正事項1~3による特許請求の範囲の限定的減縮が行われていても、訂正後の請求項1に係る発明について、同条第9項で読み替えて準用する同法第126条第7項の独立特許要件は課されない。
したがって、明細書、特許請求の範囲を、本件訂正請求の訂正請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1について訂正することを認める。
第3 本件発明
前記第2のとおり、訂正後の特許請求の範囲について本件訂正が認められるから、本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)は、本件訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。なお、記号A等は、令和5年6月1日提出の意見書における特許権者の主張を参考にして、分説するため当審合議体が付した。
【請求項1】
A 遊技を行う遊技機において、
B 遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、
J エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、
C 遊技を進行させる制御を行うメイン処理を実行するメイン処理実行手段と、
D タイマ割込を所定時間毎に発生させるための設定を行うタイマ割込設定手段と、
E 前記タイマ割込が発生したことにもとづいて、前記メイン処理の実行を中断してタイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段と、を備え、
F 前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、
G 前記メイン処理実行手段は、
G6 前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、
G1 前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段と、
G2 前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、
G3 遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、
G7 前記エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段と、
G4 前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、
G5 前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、
G8 前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理を実行する割込待ち処理実行手段と、を含み、
L 前記エラー解除操作判定手段は、
L2 前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたかを判定し、
L3 前記エラー解除操作が行われていないと判定したときに、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定し、
M 前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ、
H 前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定し、
N 前記エラー表示手段は、
N1 前記エラー状態に移行した後、最初の前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行い、
N2 前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理における前記割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う
I ことを特徴とする遊技機。
第4 特許異議の申立て及び取消理由通知(決定の予告)について
1 特許異議の申立ての概要
特許異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の甲第1号証を提出した。
甲第1号証:特開2015-3084号公報
そして、特許異議申立書(以下「申立書」という。)に記載された取消の理由の概要は以下のとおりである。
(理由1)
本件発明は、令和2年10月28日付けの手続補正書でされた補正にて新規事項が追加されており、それが特許査定時においても、解消されていない。よって補正要件を満たしていないから、特許法第17条の2第3項の規定に適合しない発明である。したがって、本件特許は、特許法第113条第1号の規定により取り消されるべきものである。
(理由2)
本件発明は、その出願前に日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明と同一のものである。したがって、本件特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
(理由3)
本件発明は、その出願前に日本国内において頒布された甲第1号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。したがって、本件特許は、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきものである。
2 令和5年3月29日付け取消理由通知書(決定の予告)における取消の理由の概要
本件訂正前の請求項1に係る特許(令和4年12月26日提出の訂正請求書による訂正の請求で訂正された請求項1に係る特許)に対して、当審合議体が令和5年3月29日付けで特許権者に通知した取消理由通知書(決定の予告)に記載された取消の理由の概要は以下のとおりである。
(取消理由)
本件訂正発明(令和4年12月26日提出の訂正請求書による訂正の請求で訂正された請求項1に係る特許)は、甲第1号証に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同法第113条第2号に該当し、他の取消理由について検討するまでもなく取り消されるべきものである。
甲第1号証 特開2015-3084号公報(以下「甲1」という。)
甲第2号証 特開2018-249号公報(以下「甲2」という。)
甲第3号証 特開2013-94356号公報(以下「甲3」という。)
甲2は、令和5年2月9日に申立人から提出された意見書に添付する証拠として提出されたものであり、甲3は、同年3月29日付けの取消理由通知書(決定の予告)で当審合議体が証拠として提示したものである。
第5 当審合議体の判断
1 令和5年3月29日付け取消理由通知書(決定の予告)の取消理由に挙げた各甲号証の記載事項
(1) 甲1
本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である甲1には、次の事項が記載されている。
ア 記載事項
(ア) 「【0033】
図1~図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
(中略)
【0048】
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール42L,42M,42Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典が付与される。
(中略)
【0056】
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56~58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56~58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。各クレジット投入スイッチ56~58の内部には図示しないランプが設けられており、投入操作可能な状態ではランプが点灯表示され、投入操作不可能な状態ではランプが消灯表示されるようになっている。
(中略)
【0065】
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。」
(イ) 「【0069】
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42~44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a~44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56~58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a~58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
【0070】
なお、投入メダル検出センサ45aは、実際には複数個のセンサにより構成されている。すなわち、メダル投入口45からホッパ装置51に至る貯留用通路47は、メダルが1列で通過可能なように形成されている。そして、貯留用通路47には、第1センサが設けられるとともに、それよりメダルの幅以上離れた下流側に第2センサ及び第3センサが近接(少なくとも一時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接)して設けられている。投入メダル検出センサ45aは、これら第1~第3センサによって構成されている。主制御装置101は、第1センサから第2センサに至る時間を監視し、その経過時間が所定時間を越えた場合にはメダル詰まり又は不正があったものとみなしてエラー状態とする。エラー状態となった場合には、エラー状態報知が行われるとともに、エラー状態が解除されるまでの間、遊技者による操作が無効化される。また、主制御装置101は、第2センサと第3センサとがオンオフされる順序をも監視している。具体的には、第2,第3センサが共にオフ、第2センサのみオン、第2,第3センサが共にオン、第3センサのみオン、第2,第3センサが共にオフという順序通りになった場合で、かつ各オンオフ切替に移行する時間が所定時間内である場合にのみメダルが正常に取り込まれたと判断し、それ以外の場合はエラー状態とする。このようにするのは、貯留用通路47でのメダル詰まりの他、メダルを投入メダル検出センサ45a付近で往復動させてメダル投入と誤認させる不正を防止するためである。」
(ウ) 「【0087】
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。CPU102は、第1クロック回路103から第1クロック信号が入力されることに基づいて各種処理を行う。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、説明の便宜上、はじめにタイマ割込み処理を説明し、その後にメイン処理を説明する。
【0088】
図12は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
(中略)
【0093】
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
【0094】
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a~44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図9参照)の状態を読み込むセンサ監視処理を行う。
【0095】
ここで、センサ監視処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。先ずステップS151では、センサ情報移行処理を行う。センサ情報移行処理では、今回確認する検出用エリアの第1~第3エリア112a~112cに格納されているデータを上位エリア側に順にシフトさせる。例えば、リセット検出センサ72aの状態を読み込む場合には、リセット検出用エリアにおいて、先ず第3エリア112cのデータをクリアし、その後、第2エリア→第3エリア、第1エリア→第2エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトさせる。続くステップS152では、今回確認するセンサの接続されたポートを参照し、信号入力状態を読み込む。ステップS153では、ON信号が入力されているか否かを判定する。ON信号が入力されている場合には、ステップS154にて対応する検出用エリアの第1エリア112aに「1」をセットし、ON信号が入力されていない場合には、ステップS155にて対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」をセットする。その後、ステップS156では、全てのセンサの状態を確認したか否かを判定する。全てのセンサの状態を確認した場合には、そのまま本処理を終了し、確認していない場合には、未確認のセンサの状態を確認すべくステップS151に戻る。このように、センサ監視処理では、入出力ポート104に接続された各種センサについて、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する。なお、スタート検出センサ41aの状態を読み込む場合、ステップS153では、Lレベルの信号が入力されている場合にON信号が入力されていると判定し、Hレベルの信号が入力されている場合にON信号が入力されていないと判定している。」
(エ) 「【0106】
割込み待ち処理では、図17のフローチャートに示すように、ステップS401にてレジスタ退避処理を行う。ステップS402では、次回のタイマ割込みを許可するとともに、現在の更新カウンタ111cの値を取得する。ステップS403~ステップS407では、カウンタ更新処理を行う。カウンタ更新処理では、先ずステップS403にて次回のタイマ割込みを禁止し、その後、ステップS404にて遅延カウンタ111dの値を1更新するとともに、ステップS405にて第2カウンタ111bの値を1更新する。遅延カウンタ111dは、RAM106に形成された4ビットの記憶エリアであり、0~16のカウント値を生成できるようになっている。第2カウンタ111bは、第1カウンタ111aと同様、RAM106に形成された16ビットの記憶エリアであり、0~65535の基礎乱数を生成できるようになっている。遅延カウンタ111d及び第2カウンタ111bを更新した後、ステップS406では、次回のタイマ割込みを許可し、ステップS407では、更新カウンタ111cの値が変化したか否かを判定する。具体的には、ステップS402にて取得した値と、更新カウンタ111cの値と、が一致するか否かを判定する。上述したとおり、更新カウンタ111cの値は、タイマ割込み処理のステップS109にて更新される。このため、更新カウンタ111cの値が変化していない場合、ステップS402の処理を行った以降にタイマ割込み処理が行われていないことを意味する。かかる場合には、ステップS403に戻り、カウンタ更新処理を行う。一方、更新カウンタ111cの値が変化した場合には、タイマ割込み処理が行われたことを意味するため、ステップS408にてレジスタ復帰処理を行い、本処理を終了する。」
(オ) 「【0109】
メイン処理の説明に戻り、ステップS204にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS205にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
(中略)
【0114】
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
(中略)
【0116】
遊技管理処理として、ステップS503では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS504では開始待ち処理を行う。
【0117】
ここで、開始待ち処理について図19のフローチャートを用いて説明する。
(中略)
【0119】
開始前準備処理として、先ずステップS604では、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認する異常確認処理を行う。異常確認処理では、異常が発生していると判定した場合、スロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には、ステップS605に進み、割込み待ち処理を行う。ステップS606では、清算スイッチ59,各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する。
【0120】
具体的には、清算スイッチ59に関しては操作判定処理の1エリア参照処理を行い、各クレジット投入スイッチ56~58に関しては操作判定処理の全エリア参照処理を行う。すなわち、清算検出用エリアの第1エリア112aを参照し、「1」が格納されている場合には清算スイッチ59が操作されたと判定し、「0」が格納されている場合には清算スイッチ59が操作されていないと判定する。清算スイッチ59が操作されていない場合には、第1クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第1クレジット投入スイッチ56が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第1クレジット投入スイッチ56が操作されていないと判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作されていない場合には、第2クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第2クレジット投入スイッチ57が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第2クレジット投入スイッチ57が操作されていないと判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作されていない場合には、第3クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第3クレジット投入スイッチ58が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第3クレジット投入スイッチ58が操作されていないと判定する。
【0121】
上記スイッチ56~59のいずれかが操作された場合、又はステップS602にて自動投入処理を行った場合には、ステップS607に進み、払出枚数表示部62に表示しているメダル払出数をクリアする。その後、又は清算スイッチ59,各クレジット投入スイッチ56~58のいずれも操作されていなかった場合には、ステップS608にて第2カウンタ111bの値を1更新するとともに、ステップS609にて遅延カウンタ111dの値を1更新する。続くステップS610では、メダル返却処理を行う。メダル返却処理では、ステップS606にて清算スイッチ59が操作されたと判定した場合に、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出す処理を行う。」
(カ) 第1ページの(57)【要約】欄
「(前略)
【解決手段】主制御装置101には、CPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、第1クロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。主制御装置101の入力側には、スタート検出センサ41a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。ここで、CPU102は、センサからの信号入力状況に基づいて所定の判断処理を行う場合、当該判断処理を行う前に割込み待ち処理を行うようになっている。」
(キ) 図1「
[図:0001403639000001.jpg]
」
(ク) 図9「
[図:0001403639000002.jpg]
」
(ケ) 図12「
[図:0001403639000003.jpg]
」
(コ) 図13「
[図:0001403639000004.jpg]
」
(サ) 図14「
[図:0001403639000005.jpg]
」
(シ) 図17「
[図:0001403639000006.jpg]
」
(ス) 図18「
[図:0001403639000007.jpg]
」
(セ) 図19 「
[図:0001403639000008.jpg]
」
イ 認定事項
(ア) 認定事項1
甲1には、前記ア(イ)に摘記したように、「主制御装置101の入力側には、」「クレジット投入検出センサ56a~58a」「が接続されており、」「各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。」(【0069】)と記載され、前記ア(ウ)に摘記したように、「タイマ割込み処理の説明に戻り、」(【0093】)、「入出力ポート104に接続された」「各種センサ」「の状態を読み込むセンサ監視処理を行う。」(【0094】)、「センサ監視処理では、入出力ポート104に接続された各種センサについて、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する。」(【0095】)と記載されるとともに、前記ア(ケ)の図12からは、「タイマ割込み処理」が「センサ監視処理」のステップを含むことが看取されることから、甲1には、「タイマ割込み処理では、入出力ポート104に接続されたクレジット投入検出センサ56a~58aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する」点(認定事項1)が記載されていると認められる。
(イ) 認定事項2、認定事項6
甲1には、前記ア(オ)に摘記したように、「メイン処理」で「通常処理を実行する。」(【0109】)、「通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。」(【0114】)、「ステップS504では開始待ち処理を行う。」(【0116】)と記載され、「ステップS606では、」「各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する。」(【0119】)、「各クレジット投入スイッチ56~58に関しては操作判定処理の全エリア参照処理を行う。すなわち、」「第1クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第1クレジット投入スイッチ56が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第1クレジット投入スイッチ56が操作されていないと判定する。第1クレジット投入スイッチ56が操作されていない場合には、第2クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第2クレジット投入スイッチ57が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第2クレジット投入スイッチ57が操作されていないと判定する。第2クレジット投入スイッチ57が操作されていない場合には、第3クレジット投入検出用エリアの全エリア112a~112cを参照し、「011」が格納されている場合には第3クレジット投入スイッチ58が操作されたと判定し、「011」が格納されていない場合には第3クレジット投入スイッチ58が操作されていないと判定する。」(【0120】)、と記載されるとともに、前記ア(サ)の図14からは、「メイン処理」が「通常処理」のステップを含み、前記ア(ス)の図18からは、「通常処理」が「開始待ち処理」のステップを含み、前記ア(セ)の図19からは、「開始待ち処理」が「S606」のステップを含むことが看取されることから、甲1には「メイン処理では、各クレジット投入スイッチ56~58に関して、検出用エリアの第1エリア112aを含めて、操作判定処理の全エリア参照処理を行い、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する」点(認定事項2)、「メイン処理が、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定するステップを含む開始待ち処理のステップを含む」点(認定事項6)が記載されていると認められる。
(ウ) 認定事項3
甲1には、前記ア(オ)に摘記したように、「ステップS604では」「センサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認する異常確認処理を行」い、「異常が発生していると判定した場合、スロットマシン10をエラー状態とする」「異常発生時処理を行」い、「エラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持され」、「センサの読み込み結果が正常である場合には、ステップS605に進み、割込み待ち処理を行う。」(【0119】)と記載され、前記ア(エ)に摘記したように、「割込み待ち処理では」「次回のタイマ割込みを許可する」(【0106】)と記載され、また、前記ア(セ)の図19からは、「ステップS604」の「異常確認処理」の後に「ステップS605」の「割込み待ち処理」を行い、その後に「ステップS606」を行うことが看取される。そして、上記「割込み待ち処理」では、前記(ア)の認定事項1で述べたように、「入出力ポート104に接続されたクレジット投入検出センサ56a~58aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行」し、また、上記「ステップS606」では、前記(イ)の認定事項2で述べたように、「各クレジット投入スイッチ56~58に関して、検出用エリアの第1エリア112aを含めて、操作判定処理の全エリア参照処理を行い、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する」ことが行われる。
そうすると、甲1には「リセットスイッチ72が操作されてエラー状態が終了した後に、入出力ポート104に接続されたクレジット投入検出センサ56a~58aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する割込待ち処理を実行した後に、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する」点(認定事項3)が記載されていると認められる。
(エ) 認定事項4
甲1には、前記ア(イ)に摘記したように、「主制御装置101の入力側には、」「リセット検出センサ72a」「が接続されており、」「各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。」(【0069】)と記載され、前記ア(ウ)に摘記したように、「タイマ割込み処理の説明に戻り、」(【0093】)、「入出力ポート104に接続された」「各種センサ」「の状態を読み込むセンサ監視処理を行う。」(【0094】)、「センサ監視処理では、入出力ポート104に接続された各種センサについて、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する。」(【0095】)と記載されるとともに、前記ア(ケ)の図12からは、「タイマ割込み処理」が「センサ監視処理」のステップを含むことが看取されることから、甲1には、「タイマ割込み処理では、入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する」点(認定事項4)が記載されていると認められる。
(オ) 認定事項5
甲1には、前記ア(オ)に摘記したように、「ステップS604では」「センサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認する異常確認処理を行」い、「異常が発生していると判定した場合、スロットマシン10をエラー状態とする」「異常発生時処理を行」い、「エラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持され」と記載されている。そして、甲1には、前記ア(カ)に摘記したように、「CPU102は、センサからの信号入力状況に基づいて所定の判断処理を行う場合、当該判断処理を行う前に割込み待ち処理を行う」(第1ページの(57)【要約】欄)と記載されるところ、前記ア(エ)に摘記したように、「割込み待ち処理では」「次回のタイマ割込みを許可」(【0106】)し、「タイマ割込み処理」は、前記(エ)の認定事項4で検討したように、「入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行する」ものである。
そうすると、甲1には「CPU102が、エラー状態で、割込み待ち処理を行い、リセットスイッチ72の操作の有無について、入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行した後に、センサからの信号入力状況に基づいて所定の判断処理を行う」点(認定事項5)が記載されていると認められる。
ウ 甲1発明
前記アに摘記した記載事項及び前記イで認定した認定事項から、甲1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「甲1発明」という。)。
なお、符号a等は本件発明の分説に概ね対応させて当審合議体で付した(分説された甲1発明の構成を、符号に基づき以下「構成a」等という。)。
「a 遊技を行うスロットマシン10が(【0033】、【0048】)、
b 第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、第3クレジット投入スイッチ58の操作を検出するクレジット投入検出センサ56a~58aを備え(【0056】、【0069】)、
c、d、e、g 遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を含むメイン処理と、タイマ割込み処理とが、主制御装置101のCPU102により実行され(【0109】、【0087】)、タイマ割込み処理については、CPU102により1.49msecごとにタイマ割込みが発生し(【0088】)、
f タイマ割込み処理では、入出力ポート104に接続されたクレジット投入検出センサ56a~58aからの信号をCPU102へ出力して、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行し(認定事項1)、タイマ割込み処理では、入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行し(認定事項4)、
g1 メイン処理では、各クレジット投入スイッチ56~58に関して、検出用エリアの第1エリア112aを含めて、操作判定処理の全エリア参照処理を行い、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定し(認定事項2)、
g2 スイッチ56~58のいずれかが操作された場合、払出枚数表示部62に表示しているメダル払出数をクリアし(【0121】)、
g3、g7 タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップにてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認する異常確認処理を行い、異常が発生していると判定した場合、スロットマシン10をエラー状態とすると共にエラーの発生を報知する異常発生時処理を行い(【0119】)、エラー状態となった場合には、エラー状態が解除されるまでの間、遊技者による操作が無効化され(【0070】)、
g4、j リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチであり(【0065】)、主制御装置101の入力側には、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72aが接続されており、センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力され(【0069】)、
g5 エラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持され(【0119】)、
g6 メイン処理が、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定するステップを含む開始待ち処理のステップを含み(認定事項6)、
l、l2、m CPU102が、エラー状態で、割込み待ち処理を行い、リセットスイッチ72の操作の有無について、入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行した後に、センサからの信号入力状況に基づいて所定の判断処理を行い(認定事項5)、
h リセットスイッチ72が操作されてエラー状態が終了した後に、入出力ポート104に接続されたクレジット投入検出センサ56a~58aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する割込待ち処理を実行した後に、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する(認定事項3)
i スロットマシン10(【0033】)。」
(2) 周知技術
ア 甲2
本件特許の出願前に電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である甲2には、次の(ア)~(ウ)の事項が記載されている。
(ア) 「【0038】
本体部12の下方には、図2中、左側から順に、電源ユニット82、メダル払出装置83およびメダル補助収容庫84が配設されている。電源ユニット82は、入力されたAC100Vを複数種類の直流電圧に変換し、スロットマシン10が備える各種装置に供給する。また、電源ユニット82の正面パネル面において、上方左側には、スロットマシン10の電源をオン/オフするためのロッカースイッチである電源スイッチ82aが設けられている。また、電源スイッチ82aの右側には、いわゆる設定値の変更を可能にするためのキースイッチ82bが設けられている。電源スイッチ82aの下側には、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが設けられている。この設定/リセットスイッチ82cは、後述する各種異常が検知されたことによって遊技の制御が強制的に停止された場合に、再び遊技の制御を開始させる際に操作されるものである。」
(イ) 「【0497】
ステップSi16の処理を終えると、次に主制御手段100は、設定/リセットボタン信号が立ち上がったか否かを判断する(ステップS214)。具体的には、ゼロフラグの値が0であるか否かを判断し、ゼロフラグの値が0であれは判断結果をYESとし、ゼロフラグの値が1であれば判断結果をNOとする。そして、ステップS214の判断結果がNOになったときは再びステップSi10の判断処理を行う。これに対して、ステップS214の判断結果がYESになったときは、発生した復帰可能エラーの入力状態をチェックして(ステップS218~228)、エラー要因が除去されたか否かを判断する(ステップS230)。エラー要因が除去されないと判断した場合は、ステップSi10の処理に戻り、エラー要因が除去されたと判断した場合は、RWMに保存したエラー番号をクリアしてエラー表示終了コマンドを副制御手段200へ送信する(ステップS232~236)。そして、ホッパーモータ駆動信号とブロッカ信号とをエラー発生前の状態に戻して(ステップS238~244)。図50のエラー表示処理を終了する。」
(ウ) 図50「
[図:0001403639000009.jpg]
」
(エ) 前記(ウ)の図50から、ステップS214の判断結果がNOのときに、ステップSi10の判断処理に戻り、ステップSi12、ステップSi14、ステップSi16を経て、再度ステップS214の判断を行うことが認められる(甲2認定事項)。
イ 甲3
本件特許の出願前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった文献である甲3には次の(ア)~(イ)が記載されている。
(ア) 「【0139】
(第一の制御例の変形例)
ここで、上記例では、第一の異常状態について解除操作が行われたときに、第二の異常状態が発生していない場合には、第一の異常状態を解除しないこととしてあったが、かかる場合、たとえば遊技停止などの、スロットマシン10の作動に関わる異常状態は解除するものの、表示に関わる制御、たとえばメイン表示装置32での異常状態表示や副制御装置102の制御による報知手段の報知に関しては、解除しないような構成としてもよい。
(中略)
【0143】
ここで、優先度とは、異常の種類に序列を設けたものであり、優先度を特定するための優先度テーブルが設けられている。優先度テーブルは、各異常状態に対応する優先度を規定したものであり、たとえば各異常状態に優先度を示す数値を付して、順番に配置したものとすることができる。優先度の高低は、異常状態の種類に応じ、その異常が遊技進行に及ぼす深刻さや不正行為による可能性の程度、通常に遊技を実行している場合に発生し易いか否かなどにより、予め設定されている。たとえば、ホッパーユニット27に関する異常状態のうち、払い出し要請をしていないのにメダルが払い出されている状態や、メダルセレクタ43に関する異常状態のうち、メダルセンサ35のメダル通過検知の間隔が異常に短い場合などは、優先度の高い異常状態に設定される。また、ホッパーユニット27のエンプティ状態やオーバーフロー状態や払い出し口でのメダル詰まり、メダルセレクタ43のメダル詰まり等は、優先度が低く設定されている。
(中略)
【0145】
まず、図14のステップ2000において、異常状態が発生したか否かが判断される。すなわち、検知手段171が異常状態を検知したか否かが判断される。異常状態が発生していない場合にはそのまま処理を終了し、異常状態が発生している場合には、状態記憶手段171が異常状態フラグをセットし、次のステップ2010に進む。
ステップ2010において、発生した異常状態について報知が行われる。すなわち、状態表示手段181によりメイン表示装置32に所定の異常状態表示が行われ、主制御装置101から異常情報を受信した副制御装置102は、異常状態に応じた報知を行わせるための制御を行う。なお、このフローでは省略しているが、異常状態の種類によっては、異常状態についての報知とともに、遊技停止などの、主制御装置110の制御に基づく異常状態に対応する処理が行われる。そして、次のステップ2020に進む。
【0146】
ステップ2020において、リセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作された場合には、ステップ2100に進み、異常状態を解除する。すなわち、異常状態フラグをリセットし、副制御装置102に解除情報を送信する。そして処理を終了する。なお、異常原因が取り除かれていない(詰まった遊技メダルが排出されていない)場合であっても、リセットスイッチ61が操作されれば異常状態を解除するが、再び異常が検知されるので、ステップ2000から始まる処理が繰り返される。一方、リセットスイッチ61が操作されない場合には、ステップ2030に進む。
ステップ2030において、発生中の異常状態とは異なる他の異常状態が発生したか否かが判断される。他の異常状態が発生しない場合にはステップ2020に戻り、他の異常状態が発生した場合には、次のステップ2040に進む。
【0147】
ステップ2040において、低優先異常状態について報知を行わせる。すなわち、先に発生した異常状態と、後から発生した異常状態の優先度を比較して、優先度の低い異常状態について、異常状態表示や異常状態報知を行わせるための制御を行う。ここにおいて、先に発生した異常状態のほうが、後に発生した異常状態よりも優先度が低い場合には、前記ステップ2010において実行させた報知を継続させる。逆に、先に発生した異常状態のほうが、後に発生した異常状態よりも優先度が高い場合には、前記ステップ2010において実行させた報知を終了させ、それと入れ替えに、後に発生した優先度が低い異常状態に対応する報知を行わせる。そして、次のステップ2050に進む。
【0148】
ステップ2050において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2050に戻り、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ2060に進む。ステップ2060において、優先度の低い方の異常状態(低優先異常状態)のみを解除する。すなわち、報知が行われている方の異常状態の異常状態フラグをリセットする。これにより、低優先異常状態に基づく報知は終了する。ただし、低優先度異常状態に基づき遊技停止状態となっていた場合でも、未だ解除されていない優先度の高い方の異常状態フラグが成立したままであるので、遊技停止状態は終了しない。そして、次のステップ2070に進む。
【0149】
ステップ2070において、異常状態が解除されていない高低優先異常状態について報知を行わせる。そして、次のステップ2080に進む。ステップ2080において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断される。リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2080に戻り、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ2090に進む。ステップ2090において、高優先異常状態を解除する。すなわち、高優先異常状態の異常状態フラグをリセットする。これにより、低優先異常状態に基づく報知は終了し、異常状態に基づく遊技停止も解消する。そして、処理を終了する。」
(イ) 図14「
[図:0001403639000010.jpg]
」
(ウ) 前記(ア)~(イ)によれば、甲3には、「優先度の高低は、異常状態の種類に応じ、その異常が遊技進行に及ぼす深刻さや不正行為による可能性の程度、通常に遊技を実行している場合に発生し易いか否かなどにより、予め設定され(【0143】)、ステップ2000において、異常状態が発生したか否かが判断され、異常状態が発生している場合には(【0145】)、ステップ2020において、リセットスイッチ61が操作されたか否かが判断され、リセットスイッチ61が操作されない場合には、ステップ2030に進み、ステップ2030において、発生中の異常状態とは異なる他の異常状態が発生したか否かが判断され、他の異常状態が発生しない場合にはステップ2020に戻り、他の異常状態が発生した場合には、次のステップ2040に進み(【0146】、図14)、ステップ2050において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断され、リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2050に戻り、リセットスイッチ61が操作された場合には、次のステップ2060に進み(【0148】、図14)、ステップ2080において、所定のリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断され、リセットスイッチ61が操作されない場合にはステップ2080に戻る(【0149】、図14)」技術事項が記載されるところ、この記載に基づいて、「遊技に異常状態が発生している場合には、リセットスイッチ61が操作されたか否かが判断され、リセットスイッチ61が操作されない場合には、改めてリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断されるステップに戻る」技術事項が認定される(甲3認定事項)。
ウ 周知技術
前記アに示したとおり、甲2には、「各種異常が検知されたことによって遊技の制御が強制的に停止された場合に、再び遊技の制御を開始させる際に、押しボタン式の設定/リセットスイッチ82cが操作されるものにおいて(【0038】)、主制御装置は、設定/リセットボタン信号が立ち上がったか否かを判断して(ステップS214)、判断結果がNOであれば(【0497】)、再度ステップS214の判断を行う(甲2認定事項)」技術事項が記載されており、また、前記イに示したとおり、甲3の記載から、「遊技に異常状態が発生している場合には、リセットスイッチ61が操作されたか否かが判断され、リセットスイッチ61が操作されない場合には、改めてリセットスイッチ61が操作されたか否かが判断されるステップに戻る」技術事項(甲3認定事項)が認定されるように、本件特許の出願前に、次の事項は遊技機分野(スロットマシン)における周知技術であったと認められる。
(周知技術)
「エラー状態における、エラー解除操作が行われたか否かを判断するステップで、エラー解除操作が行われていないと判断した後に、エラー解除操作が行われたか否かを判断するステップに戻った上で、再度エラー解除操作が行われたか否かを判断することをエラー解除操作が行われるまで繰り返すこと。」
2 対比
(1) 本件発明と甲1発明の対比
本件発明と甲1発明を対比する。
ア 構成A及びIについて
甲1発明の構成a及び構成iの「スロットマシン10」は、本件発明の構成A及びIの「遊技機」に相当する。
イ 構成Bについて
甲1発明の構成bの「第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、第3クレジット投入スイッチ58の操作」、「クレジット投入検出センサ56a~58a」は、それぞれ、本件発明の構成Bの「遊技の進行に係る操作」、「進行操作検出手段」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Bに相当する構成を備えている。
ウ 構成Jについて
甲1発明の構成g4、jの「リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a」は、本件発明の構成Jの「前記エラー解除操作を検出する解除操作検出手段」に相当する。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Jに相当する構成を備えるといえる。
エ 構成Cについて
甲1発明の構成c、d、e、gの「メイン処理」は、「遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を含む」ものであるから、本件発明の構成Cの「遊技を進行させる制御を行う」「メイン処理」に相当する。
そして、甲1発明の構成c、d、e、gによれば、当該「メイン処理」(メイン処理)は、「主制御装置101のCPU102により実行され」るものであることから、「主制御装置101のCPU102」が、本件発明の構成Cの「メイン処理実行手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Cに相当する構成を備えるといえる。
オ 構成Dについて
甲1発明の構成c、d、e、gの「タイマ割込み」は、「CPU102により1.49msecごとに」「発生」するものであり、本件発明の構成Dの「所定時間毎に発生させる」「タイマ割込」に相当する。
そして、当該「タイマ割込み」(タイマ割込)を、「1.49msecごとに発生」(所定時間毎に発生)するために、「CPU102」が、本件発明の構成Dの「タイマ割込設定手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Dに相当する構成を備えるといえる。
カ 構成Eについて
甲1発明の構成c、d、e、gの「タイマ割込み処理」は、本件発明の構成Eの「タイマ割込処理」に相当する。
そして、甲1発明の構成c、d、e、gによれば、「メイン処理と、タイマ割込み処理とが、主制御装置101のCPU102により実行され」るものであるところ、「タイマ割込み処理」(タイマ割込処理)が実行されるときに、CPU102による「メイン処理」(メイン処理)の実行が「中断される」ことは技術常識である。
さらに、当該「タイマ割込み処理」(タイマ割込処理)が「実行」されるために、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」が、本件発明の構成Eの「タイマ割込処理実行手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、前記エの構成Dについての検討も踏まえて、甲1発明は、本件発明の構成Eに相当する構成を備えるといえる。
キ 構成Fについて
甲1発明の構成fにおいて、「対応する検出用エリアの第1エリア112a」に「格納」される「「0」又は「1」」は、「クレジット投入検出センサ56a~58a」(進行操作検出手段)からの「信号」、すなわち「検出結果」にもとづくものであるといえるから、本件発明の「進行操作判定データ」に相当し、これを前提とすると、「対応する検出用エリアの第1エリア112a」への「格納」は、当該「進行操作判定データ」を「作成する作成処理」に相当する。
また、甲1発明の構成fにおいて、「対応する検出用エリアの第1エリア112a」に「格納」される「「0」又は「1」」は、「リセット検出センサ72a」(解除操作検出手段)からの「信号」、すなわち「検出結果」にもとづくものであるといえるから、本件発明の構成Fの「解除操作判定データ」に相当し、これを前提とすると、「対応する検出用エリアの第1エリア112a」への「格納」は、当該「解除操作判定データ」を「作成する作成処理」に相当する。
そして、前記カの構成Eについての検討で述べたように、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」は、本件発明の構成Eの「タイマ割込処理実行手段」としての機能を備えるものであるところ、上記した「対応する検出用エリアの第1エリア112a」への「格納」(進行操作判定データ、解除操作判定データを作成する作成処理)を行う「CPU102」が、本件発明の構成Fの「作成処理実行手段」としての機能も合わせて備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Fに相当する構成を備えるといえる。
ク 構成Gについて
前記エの構成Cについての検討を踏まえると、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」は、本件発明の構成Gの「メイン処理実行手段」に相当する。
ケ 構成G1について
甲1発明の構成g1の「各クレジット投入スイッチ56~58に関して、検出用エリアの第1エリア112aを含めて、操作判定処理の全エリア参照処理を行」うことは、前記キの構成Fについての検討を踏まえると、本件発明の構成G1の「進行操作判定データを参照」することに相当する。
また、甲1発明の構成g1における、「メイン処理」で「各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否か」を「判定」することは、前記イの構成Bについての検討を踏まえると、本件発明の構成G1の「前記遊技の進行に係る操作が行われたか否か」を「判定」することに相当する。
そして、当該「判定」を「メイン処理」で行うために、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G1の「判定手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G1に相当する構成を備えるといえる。
コ 構成G2について
甲1発明の構成g2における「スイッチ56~59のいずれかが操作された場合」が、前記ケの構成G1の検討を踏まえると、本件発明の構成G2における「前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたとき」に相当することは明らかである。。
また、甲1発明の構成g2における「払出枚数表示部62に表示しているメダル払出数をクリア」することは、本件発明の構成G2における「遊技を進行させる」ことに相当するといえる。
そして、当該「払出枚数表示部62に表示しているメダル払出数をクリア」すること(遊技を進行させること)を「メイン処理」で行うために、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G2の「遊技進行手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G2に相当する構成を備えるといえる。
サ 構成G3について
甲1発明の構成g3、g7の「タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップにてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認すると共にエラーの発生を放置する異常確認処理を行い、異常が発生していると判定した場合、スロットマシン10をエラー状態とする異常発生時処理を行」うことは、本件発明の構成G3の「遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行してエラー状態に移行させる」ことに相当する。
また、甲1発明の構成g3、g7において、「エラー状態となった場合には、エラー状態が解除されるまでの間、遊技者による操作が無効化され」ることについては、当該「遊技者による操作」に、「第1クレジット投入スイッチ56、第2クレジット投入スイッチ57、第3クレジット投入スイッチ58の操作」(遊技の進行に係る操作)が含まれることが自明であるから、前記ケの構成G1についての検討も踏まえると、本件発明の構成G3における「エラー状態」で「判定手段による判定が行われない」ことに相当する。
そして、当該「エラー状態とする異常発生時処理を行うこと」(エラー状態に移行させること)を「メイン処理」で行うために、甲1発明の「主制御装置101のCPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G3の「エラー状態移行手段」としての機能を備えることは自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G3に相当する構成を備えるといえる。
シ 構成G4及びG5について
甲1発明の構成g4、jの「スロットマシン10のエラー状態をリセットするための」「リセットスイッチ72」の「操作」は、本件発明の構成G4、構成G5の「エラー解除操作」に相当する。
そして、甲1発明の構成g4、jにおける、「リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a」「からの信号」は、「入出力ポート104を介してCPU102へ出力」されるものであるところ、甲1発明の構成g5で、「エラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持され」るとされていることから、リセット検出センサ72aからの信号の出力を受ける「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G4における、「リセットスイッチ72」の「操作」(エラー解除操作)が「行われたか否かを判定」することや、その際に「操作解除判定データを参照」すること、さらには、本件発明の構成G5における、「エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいてエラー状態を終了させ」ることは、前記キの構成Fについての検討も踏まえて明らかである。
また、上記「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G4の「エラー解除操作判定手段」、構成G5の「エラー状態終了手段」の機能を備えることも自明である。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G4及びG5に相当する構成を備えるといえる。
ス 構成G6及びG8について
甲1発明の構成g6において、「メイン処理が、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定するステップを含む開始待ち処理のステップを含」むことは、本件発明の構成G6における、「メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する」ことに相当し、また、甲1発明の構成g6の「メイン処理」(メイン処理)に「開始待ち処理」(遊技開始待ち処理)が含まれことから、甲1発明の「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G6の「遊技開始待ち処理実行手段」の機能を備えることも明らかである。
次に、甲1発明の構成l、l2、mの「割込待ち処理」は、本件発明の構成G8の「タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理」に相当し、甲1発明において、当該「割込待ち処理」(割込待ち処理)を行う「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成G8の「割込待ち処理実行手段」の機能を備えることも明らかである。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成G6及びG8に相当する構成を備えるといえる。
セ 構成G7について
甲1発明の構成g3、g7において、「異常が発生していると判定した場合」に「エラーの発生を報知する」にあたって、甲1発明の「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、「エラー報知手段」の機能を備えることは明らかである。
そして、上記「異常が発生していると判定した場合」に「エラーの発生を報知する」、上記「エラー報知手段」と、本件発明の構成G7における「エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段」は、「表示」が「報知」の一態様であることを踏まえると、「エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー報知の報知制御を行うエラー報知手段」で共通する。
ソ 構成L及びL2について
甲1発明の、リセット検出センサ72aからの信号の出力を受ける「主制御装置101」の「CPU102」(メイン処理実行手段)が、本件発明の構成Lの「エラー解除操作判定手段」の機能を備えることは、前記シで構成G4について検討したとおりであり、甲1発明の構成l、l2、mの、「エラー状態」で、「割込み待ち処理を行い」「入出力ポート104に接続されたリセット検出センサ72aからの信号をCPU102へ出力し、対応する検出用エリアの第1エリア112aに「0」又は「1」を格納する処理を実行した後」、「リセットスイッチ72の操作の有無について」「センサからの信号入力状況に基づいて所定の判断処理を行う」ことは、前記キの構成Fについての検討を踏まえると、それぞれ、本件発明の構成L2の「前記エラー状態に移行した後」、「前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後」、「前記エラー解除操作が行われたか否かを判定」することに相当することが明らかである。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成L及びL2に相当する構成を備えるといえる。
タ 構成Mについて
甲1発明の構成l、l2、mの「リセットスイッチ72」の「操作」が、本件発明の「エラー解除操作」に相当し、また、甲1発明の構成l、l2、mの、リセット検出センサ72aからの信号の出力を受ける「CPU102」が、本件発明における、「リセットスイッチ72」の「操作」(エラー解除操作)が「行われた」ことを「判定」する「エラー状態終了手段」に相当することは、前記シで構成G4、構成G5について検討したとおりであり、また、甲1発明の構成g5において、「エラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持され」ることは、上記検討を踏まえると、本件発明の構成Mにおいて、上記「判定」の「後」に「エラー処理を終了させ」ることに相当するといえる。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Mと、「前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、エラー処理を終了させ」る点で共通する。
チ 構成Hについて
甲1発明の構成hにおいて、「リセットスイッチ72が操作されてエラー状態が終了した後に」、「割込待ち処理を実行した後に、各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する」ことは、前記キの構成Fについての検討も踏まえると、本件発明の構成Hにおいて、「エラー処理が終了した後」、「割込待ち処理が実行されることで作成処理実行手段により作成処理」が「1回実行された後」に「前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定」することに相当し、また、当該「判定」を「主制御装置101」の「CPU102」(判定手段)が行うことは、前記ケの構成G1で検討したとおりであり、さらに、上記「各クレジット投入スイッチ56~58のいずれかが操作されたか否かを判定する」こと(遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定すること)が、「エラー処理が終了した後」の「遊技開始待ち処理において」なされることは、前記スにおける構成G6の検討も踏まえると明らかである。
そうすると、甲1発明は、本件発明の構成Hに相当する構成を備えるといえる。
(2) 甲1発明との一致点及び相違点
ア 前記(1)における検討を踏まえると、本件発明と甲1発明の一致点は、次のとおりである。
<一致点>
「A 遊技を行う遊技機において、
B 遊技の進行に係る操作を検出する進行操作検出手段と、
J エラー状態を解除させるためのエラー解除操作を検出する解除操作検出手段と、
C 遊技を進行させる制御を行うメイン処理を実行するメイン処理実行手段と、
D タイマ割込を所定時間毎に発生させるための設定を行うタイマ割込設定手段と、
E 前記タイマ割込が発生したことにもとづいて、前記メイン処理の実行を中断してタイマ割込処理を実行するタイマ割込処理実行手段と、を備え、
F 前記タイマ割込処理実行手段は、前記進行操作検出手段の検出結果にもとづいて進行操作判定データを作成するとともに、前記解除操作検出手段の検出結果にもとづいて解除操作判定データを作成する作成処理を実行する作成処理実行手段を含み、
G 前記メイン処理実行手段は、
G6 前記メイン処理に含まれる処理であり、遊技を開始するための遊技開始待ち処理を実行する遊技開始待ち処理実行手段と、
G1 前記進行操作判定データを参照して前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する判定手段と、
G2 前記判定手段により前記遊技の進行に係る操作が行われたと判定されたときに遊技を進行させる遊技進行手段と、
G3 遊技機に異常が発生したときに、異常が発生したときの制御を行うエラー処理を実行して前記判定手段による判定が行われない前記エラー状態に移行させるエラー状態移行手段と、
G7’ エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー報知の報知制御を行うエラー報知手段と、
G4 前記解除操作判定データを参照して前記エラー解除操作が行われたか否かを判定するエラー解除操作判定手段と、
G5 前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定されたことにもとづいて、前記エラー処理を終了して前記エラー状態を終了させるエラー状態終了手段と、
G8 前記タイマ割込処理が1回行われるまで待機する割込待ち処理実行する割込待ち処理実行手段と、を含み、
L 前記エラー解除操作判定手段は、
L2 前記エラー状態に移行した後、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記エラー解除操作が行われたかを判定し、
M’ 前記エラー状態終了手段は、前記エラー解除操作判定手段により前記エラー解除操作が行われたことが判定された後、前記エラー処理を終了させ、
H 前記判定手段は、前記エラー処理が終了した後、前記遊技開始待ち処理において、前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、前記遊技の進行に係る操作が行われたか否かを判定する
I 遊技機。」
イ 次に、前記(1)における検討を踏まえると、本件発明と甲1発明の相違点は、次のとおりである。
<相違点1>(構成Mについて)
本件発明では、「エラー状態終了手段は、エラー解除操作判定手段によりエラー解除操作が行われたことが判定された後、割込待ち処理が実行されることで作成処理実行手段により作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ」るのに対し、甲1発明は、「割込待ち処理が実行されることで作成処理実行手段により作成処理が少なくとも1回実行された後に前記エラー処理を終了させ」ることに相当する構成を備えていない点。
<相違点2>(構成G7、N、N1及びN2について)
本件発明では、「メイン処理実行手段」が、「エラー状態であるときに前記エラー状態であることを示すエラー表示の表示制御を行うエラー表示手段」を備え、「前記エラー表示手段」が、「エラー状態に移行した後、最初の割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を開始させるための処理を行」うとともに、「エラー解除操作判定手段によりエラー解除操作が行われたことが判定された後、エラー処理における割込待ち処理が実行される前に、前記エラー表示を終了させるための処理を行う」のに対し、甲1発明は、「エラー状態であることを示すエラー報知」に、「エラー表示」を含むか否かが不明であることに加え、甲1発明が、「エラー表示を開始させるための処理」を「エラー状態に移行した後、最初の割込待ち処理が実行される前」に行うことに相当する構成を備えているのかが明らかではないとともに、「エラー表示を終了させるための処理」を「エラー処理における割込待ち処理が実行される前」に行うことに相当する構成を備えていない点。
<相違点3>(構成L3について)
本件発明では、「エラー解除操作が行われたか否か」の「判定」で、「エラー解除操作が行われていないと判定したとき」に、「前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定する」のに対し、甲1発明では、「エラー解除操作が行われていないと判定したとき」に、「前記割込待ち処理が実行されることで前記作成処理実行手段により前記作成処理が少なくとも1回実行された後に、再度前記エラー解除操作が行われたか否かを判定する」のか否かが不明である点。
3 当審合議体の判断(進歩性について)
上記相違点1に係る本件発明の構成は、甲2及び甲3にも記載がなく、また、本件出願前において周知であるともいえないから、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
上記相違点2に係る本件発明の構成について、仮に、「エラー表示」が「エラー状態であることを示すエラー報知」として一般的なものであったとしても、「エラー表示を開始させるための処理」を「エラー状態に移行した後、最初の割込待ち処理が実行される前」に行うこと、「エラー表示を終了させるための処理」を「エラー処理における割込待ち処理が実行される前」に行うことについては、甲2及び甲3に記載がなく、また、本件出願前において周知であるともいえないから、当業者が容易に想到できたものであるとはいえない。
よって、相違点3の容易想到性について検討するまでもなく、本件発明は、甲1に記載された発明及び周知技術(甲2、甲3)に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるともいえない。
4 取消理由通知(予告)において採用しなかった特許異議申立理由
(1) 新規事項の追加について
前記第4の1で述べたように、特許異議の申立ての理由の理由1は、本件発明が令和2年10月28日付けの手続補正書でされた補正にて新規事項が追加されており、それが特許査定時においても解消されていないとしたものであるが、令和4年12月26日提出の訂正請求書による訂正により、新規事項の追加に該当するとされていた特定事項は新規事項を含まないものに訂正され、その後、同訂正請求書は、令和5年6月1日に新たな訂正請求書が提出されたことにより取り下げられることとなったが、上記新たな訂正請求書によっても、新規事項の追加に該当した特定事項について同様に訂正することにより、本件発明は新規事項を含まないものに訂正されたから、当該理由1には理由がない。
なお、上記理由1について、特許異議申立人から令和5年2月9日に提出された意見書において新たな主張はなされていない。
(2) 新規性について
前記第4の1で述べたように、特許異議の申立ての理由の理由2は、本件発明が甲1号証に記載された発明と同一のものであるとしたものであるが、前記2(2)イで述べたように、本件発明は、甲1発明との間に相違点を有し、同一のものではないから、当該理由2には理由がない。
なお、上記理由2について、特許異議申立人から令和5年2月9日に提出された意見書において新たな主張はなされていない。
第6 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知書(決定の予告)に記載した取消理由及び特許異議の申立ての理由によっては、請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論の通り決定する。
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2022-700797