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特許異議申立

2022-700756

情報処理システム、顧客特定装置、情報処理方法及びプログラム

審判番号
2022-700756
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-557532
登録番号
7067485
請求日
2022年08月02日
審決日
2023年02月06日
公報発行日
2023年03月31日
結論
維持
当事者
  • 【権利者】日本電気株式会社
  • 【権利者代理人】速水 進治
  • 【異議申立人】笹井 栄治
審判長/審判官
  • 審判長 平田 信勝
  • 審判官 久島 弘太郎
  • 審判官 尾崎 和寛
分類
P1652.121-Y (G07G)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7067485号発明「情報処理システム、顧客特定装置、情報処理方法及びプログラム」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7067485号の請求項1、6~8に係る特許を維持する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第7067485号(以下「本件特許」という。)の請求項1~8に係る特許についての出願は、2017年(平成29年)9月6日(優先権主張2016年(平成28年)12月22日)を国際出願日とする出願であって、令和4年5月6日にその特許権の設定登録がされ、令和4年5月16日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1、6~8に係る特許に対し、令和4年8月2日に特許異議申立人笹井栄治(以下「特許異議申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。 第2 本件発明 特許第7067485号の請求項1、6~8に係る発明(以下「本件発明1、6~8」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1、6~8に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段と、 取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段と、 選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段と、 特定された前記人物に対して決済処理を行う決済手段と、 を有する情報処理システム。 【請求項6】 カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段と、 取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段と、 選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段と、 前記特定手段により特定された前記決済処理を行う人物に対する該人物を識別する情報を精算装置に通知する通知手段と、 を有する顧客特定装置。 【請求項7】 コンピュータが、 カメラにより生成された顔の画像を取得し、 取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択し、 選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定し、 特定された前記人物に対して決済処理を行う、 情報処理方法。 【請求項8】 コンピュータを、 カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段、 取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段、 選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段、 特定された前記人物に対して決済処理を行う決済手段、 として機能させるプログラム。」 第3 申立理由の概要 特許異議申立人は、主たる証拠として甲第1号証及び従たる証拠として甲2号証を提出し、請求項1、6~8に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、請求項1、6~8に係る特許を取り消すべきものである旨主張する。 〔甲各号証一覧〕 甲第1号証:特開2016-126749号公報 甲第2号証:特開2006-244279号公報 第4 当審の判断 1.甲第1号証及び甲2号証に記載された事項及び発明 (1)甲第1号証 甲第1号証には、以下の事項が記載されている(下線は当審が付した。)。 ア「【0025】 次に、第1の実施形態に係る情報処理システムにおける各装置の処理機能について概略的に説明する。 図3Aは、第1の実施形態に係る情報処理システムによる処理機能を説明するための図である。なお、図3Aに示す各部は、各装置内のプロセッサがメモリに記憶したプログラムを実行することにより実現する処理機能である。 また、以下に説明する第1の実施形態では、情報処理システムを利用する各顧客は、通常、予め会員登録しておくことを前提とする。センタサーバ101は、顧客の会員情報を会員DB101aに登録する登録部201を有する。登録部201は、プロセッサ111がメモリ112に記憶した登録処理用のプログラムを実行することにより実現する処理機能である。登録部201は、会員ごとの会員登録情報を取得し、取得した会員登録情報の全てあるいは一部を会員情報として会員DB101aに登録する。 【0026】 会員情報は、当該会員の登録用の顔情報(登録顔情報)Rf、および、当該会員の登録個人情報(登録情報)Riを含む。登録顔情報Rfは、顔認証処理に用いる情報である。登録顔情報Rfは、当該会員の顔画像そのものであっても良いし、顔認証処理に用いる当該会員の顔の特徴量であっても良い。また、登録情報Riは、当該会員の氏名、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、会員ID、および、決済情報などの個人情報を含む。決済情報は、たとえば、金額の決済に利用可能なクレジット決済情報あるいは金額の決済に利用可能な会員ポイント情報などの情報である。」 イ「【0028】 店舗において、来店確認部211は、顧客の入店を確認する。来店確認部211は、処理の開始、即ち、顔画像の撮影を行うタイミングを与えるトリガーを発生する。来店確認部211は、店舗の入口に設け、入店する人物を検知するゲート(入館ゲート)で構成しても良い。また、来店確認部211は、第1カメラ104を明示的に設置し、来店した顧客自身が押す撮影ボタンで構成しても良い。また、来店確認部211は、入口付近に設置したカメラが継続的に撮影する画像から画像認識処理により人物あるいは顔を検出するものであっても良い。 【0029】 第1カメラ104は、来店確認部211が来店を確認すると、撮影部221により入店する顧客(来店者)の顔を含む画像を撮影する。第1カメラ104は、来店者の顔を撮影した画像(撮影画像)データを店舗サーバ102へ供給する。第1カメラ104は、撮影した画像のうち顔が含まれる画像データのみを店舗サーバ102へ供給しても良い。また、第1カメラ104は、撮影した画像のうち顔領域の画像を切り出した顔画像データを店舗サーバ102へ供給しても良い。なお、顔情報は、撮影画像から抽出される情報である。このため、第1カメラ104が店舗サーバ102へ供給する情報は、顔情報を含む情報である。 【0030】 店舗サーバ102は、画像取得部230により、カメラI/F124を介して第1カメラ104が撮影した撮影画像(顔情報を含む情報)を取得する。画像取得部230は、プロセッサ121に制御されるカメラI/F124により実現する。また、顔抽出部231は、画像取得部230により取得した第1カメラ104の撮影画像から来店者の顔情報Cfを抽出する。顔抽出部231は、プロセッサ121がプログラムを実行することにより実現する。顔抽出部231は、第1カメラ104の撮影画像から抽出した来店者の顔情報Cfを顔認証部232へ供給するとともに、来店者DB102aに記憶する。 ・・・中略・・・ 【0032】 登録顔情報取得部234は、会員DB101aが記憶する登録顔情報Rfをセンタサーバ101から取得する。登録顔情報取得部234は、プロセッサ121がネットワークI/F123を介してセンタサーバ101と通信することにより実現する処理機能である。登録顔情報取得部234は、センタサーバ101から登録顔情報Rfを取得し、顔認証部232へ供給する。例えば、登録顔情報取得部234は、センタサーバ101へ登録顔情報Rfを問い合わせ、問合せに対する応答としてセンタサーバ101から顔認証の対象とする登録顔情報Rfを取得する。 【0033】 顔認証部232は、顔抽出部231から供給される来店者の顔情報Cfと登録顔情報取得部234が取得する会員の顔情報(登録顔情報)Rfとの顔照合による顔認証処理を行う。顔認証部232は、プロセッサ121がメモリ122に記憶した顔認証用のプログラムを実行することにより実現する処理機能である。顔認証部232の顔認証処理は、特定のアルゴリズムに限定されるものではない。 ・・・中略・・・ 【0035】 例えば、顔認証処理は、複数の顔の特徴的な部位(例えば、目、鼻、口などの特徴点)の相対的な位置を示す特徴量(顔の特徴量)を顔情報として照合するものであっても良い。顔の特徴量を用いて顔認証を行う場合、会員DB101a及び来店者DB102aは、会員の顔情報Rf及び来店者の顔情報Cfとして顔の特徴量を記憶しても良い。顔の特徴量は、人間が一瞥して個人を特定できる情報ではない。このため、顔情報として顔の特徴量をDBに登録することにより、個人情報保護などのセキュリティ性が向上できる。 ・・・中略・・・ 【0037】 登録情報取得部235は、センタサーバ101から特定の会員の登録情報Riを取得する。登録情報取得部235は、プロセッサ121がネットワークI/F123を介してセンタサーバ101と通信することにより実現する処理機能である。登録情報取得部235は、顔認証部232の顔認証処理によって来店者の顔画像と一致した(同定した)登録顔情報Rfに対応する会員の登録情報Riを取得する。登録情報取得部235は、取得した会員(来店者と同定した会員)の登録情報Riと当該来店者の顔情報Cfとを1人の来店者情報として来店者DB102aに記憶する。これにより、来店者DB102aは、来店者ごとの来店者情報として、来店者の顔情報Cfと当該来店者と同定した会員の登録情報Riとを記憶する。 ウ「【0038】 また、店舗内の決済コーナーにおいて、決済開始部241は、決済対象者を検出する。決済開始部241は、決済処理の開始、即ち、決済対象者の顔を撮影するタイミングを与えるトリガーを発生する。決済開始部241は、決済コーナーの入口あるいは決済端末103の手前に設けたゲートにより、決済しようとする人物を検知するように構成しても良い。また、決済開始部241は、第2カメラ105を明示的に設置し、決済を行いたい顧客自身が押す撮影ボタンで構成しても良い。また、決済開始部241は、決済コーナーの入口あるいは決済端末103付近に設置したカメラが撮影した画像から決済対象者を検出するものであっても良い。 【0039】 第2カメラ105は、撮影部251により商品等の購入代金を精算する利用者(決済対象者)の顔を撮影する。第2カメラ105は、たとえば、決済開始部241が決済対象者を検知すると、決済対象者の顔を含む画像を撮影する。第2カメラ105は、決済対象者の顔を撮影した画像(撮影画像)データを決済端末103へ供給する。第2カメラ105は、撮影した画像のうち顔が含まれる画像のみを決済端末103へ供給しても良い。また、第2カメラ105は、撮影した画像のうち顔領域の画像を所定のサイズに切り出した画像データを決済端末103へ供給しても良い。なお、顔情報は、撮影画像から抽出される情報である。このため、第2カメラ105が決済端末103へ供給する情報は、顔情報を含む情報である。 決済端末103は、画像取得部260により第2カメラ105が撮影した撮影画像(顔情報を含む情報)を取得する。画像取得部260は、プロセッサ131が制御するカメラI/F134により実現する。顔抽出部261は、画像取得部260が取得した画像から顔情報を抽出し、抽出した顔情報を顔認証部262へ供給する。顔抽出部261は、プロセッサ131がプログラムを実行することにより実現する機能である。また、顔抽出部261は、取得した画像に含まれる顔画像から算出する顔の特徴量(顔認証に用いる特徴量)を決済対象者の顔情報として顔認証部262へ供給しても良い。 【0040】 顔認証部262は、顔抽出部261から供給される決済対象者の顔情報と来店者DB102aが記憶する来店者の顔情報Cfとの顔照合による顔認証処理を行う。顔認証部262は、プロセッサ131がメモリ132に記憶した顔認証用のプログラムを実行することにより実現する処理機能である。顔認証部262の顔認証処理は、特定のアルゴリズムに限定されるものではない。ただし、店舗サーバ102の顔認証部232と決済端末103の顔認証部262は、原則として同じアルゴリズムで顔認証を行うものである。 ・・・中略・・・ 【0043】 決済部263は、第2カメラ105が撮影した購入者に対して決済処理を行う。決済部263は、顔認証部262から顔認証の結果を取得する。決済部263は、顔認証部262の顔認証によって決済対象者が特定の来店者であることが認証できた場合、当該来店者の来店者情報の登録情報Riを取得する。決済部263は、取得した登録情報Riを用いて通常処理として決済処理を実行する。」 エ 上記摘記事項ア~ウ及び図3Aの記載から、予め会員登録された顧客のうち、第1カメラ104の撮影画像を用いて同定した来店者の顔の特徴量である顔情報Cfと登録情報Riとを来店者DB102aに記憶しておき、決済端末103では、第2カメラ105が撮影した画像から画像取得部260により決済対象者の顔情報を含む撮影画像を取得し、当該撮影画像から顔抽出部261により顔情報を抽出し、顔認証部262により当該顔情報と来店者DB102aが記憶する来店者の顔情報Cfとの顔認証を行って、決済対象者が特定の来店者であることが認証できた場合に、決済部263により決済処理を実行すると認められる。 以上の摘記事項ア~ウ及び認定事項エ並びに図2及び図3Aの記載から、特に第2カメラ105、決済端末103及び来店者DB102aに注目すると、甲第1号証には次の発明(以下「甲1発明」、「甲1a発明」、「甲1b発明」、「甲1c発明」という。)が記載されていると認められる。 [甲1発明] 第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260と、 取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261と、 抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262と、 認証された前記決済対象者に対して決済処理を行う決済部263と、 を有する情報処理システム。 [甲1a発明] 第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260と、 取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261と、 抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262と、 前記顔認証部262により認証された前記決済対象者の登録情報Riを来店者DB102aから取得する決済部263と、 を有する情報処理システム。 [甲1b発明] プロセッサ131が、 第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得し、 取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出し、 抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証し、 認証された前記決済対象者に対して決済処理を行う、 情報処理方法。 [甲1c発明] プロセッサ131を、 第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260、 取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261、 抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262、 認証された前記決済対象者に対して決済処理を行う決済部263、 として機能させるプログラム。 (2)甲第2号証 甲第2号証には、以下の事項が記載されている(下線は当審が付した。)。 ア「【技術分野】 【0001】 この発明は、動画像である映像から顔画像を検出し、その顔画像を人物毎にグループ化する画像分類装置に関するものである。 ・・・中略・・・ 【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】 【0004】 従来の画像分類装置は以上のように構成されているので、映像に登場している人物毎に、その顔画像をグループ化することができる。しかし、登場人物の誰が主人公であるかを推定することができず、主人公の画像検索を実施することができないなどの課題があった。 【0005】 この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、映像に登場している人物の中で、最も出現頻度が高い人物を特定することができる画像分類装置を得ることを目的とする。」 イ「【0012】 次に動作について説明する。 まず、フレーム抽出部1は、動画像である映像を入力すると、その映像の中からフレーム画像を抽出する処理を実施する(ステップST1)。 顔画像検出部2は、フレーム抽出部1がフレーム画像を抽出すると、そのフレーム画像から人物の顔画像を検出する処理を実施する(ステップST2)。 ・・・中略・・・ 【0014】 特徴量抽出部3は、顔画像検出部2が顔画像を検出すると、その顔画像の特徴量を抽出する処理を実施する(ステップST3)。 ここで、顔画像の特徴量は、顔の類似度を求めるための別の“Rectangle Feature”を用いて抽出されるものである。 フレーム抽出部1、顔画像検出部2及び特徴量抽出部3は、上述したステップST1~ST3の処理を繰り返し実施することにより、映像の全体から顔画像を検出して、その顔画像の特徴量を抽出する(ステップST4)。 【0015】 画像分類部4は、上記のようにして、特徴量抽出部3が顔画像の特徴量を抽出すると、特徴量抽出部3により抽出された全ての顔画像の特徴量を比較して、人物毎に顔画像をグループ化する処理を実施する。 即ち、画像分類部4の類似度計算部5は、特徴量抽出部3により抽出された顔画像の特徴量を用いて、全ての顔画像間の類似度を計算する処理を実施する(ステップST11)。 顔画像間の類似度は、例えば、下記の式(1)を用いて求めることができる。 ・・・中略・・・ 【0018】 主人公推定部7は、画像分類部4が人物毎に顔画像をグループ化すると、同一グループに分類された顔画像の画像数から各登場人物の出現頻度を求める(ステップST13)。 例えば、グループ(1)に属する顔画像の画像数が“3”、グループ(2)に属する顔画像の画像数が“4”、グループ(3)に属する顔画像の画像数が“5”であれば、グループ(1)~(3)に係る人物の出現頻度を下記のように計算する。 グループ(1)に係る人物の出現頻度 =[3/(3+4+5)]×100%=25% グループ(2)に係る人物の出現頻度 =[4/(3+4+5)]×100%=33% グループ(3)に係る人物の出現頻度 =[5/(3+4+5)]×100%=42% 【0019】 主人公推定部7は、グループ(1)~(3)に係る人物の出現頻度を計算すると、グループ(1)~(3)に係る人物の出現頻度を比較し、最も出現頻度が高い人物が主人公であると推定する(ステップST14)。 この例では、グループ(3)に係る人物の出現頻度が最も高いので、グループ(3)に係る人物が主人公であると推定する。 【0020】 以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、顔画像検出部2により検出された全ての顔画像を相互に比較して、人物毎に顔画像をグループ化する画像分類部4を設け、その画像分類部4により同一グループに分類された顔画像の画像数から最も出現頻度が高い人物を特定するように構成したので、映像に登場している人物の中で、最も出現頻度が高い人物(主人公)を特定することができるようになり、その結果、主人公の画像検索を実施することが可能になるなどの効果を奏する。」 ウ 上記摘記事項ア~イの記載から、動画像からフレーム画像を抽出し、当該フレーム画像から検出された顔画像から抽出された特徴量に基づいて人物毎に顔画像をグループ化し、グループに係る人物の出現頻度が高い人物を主人公と推定する技術が記載されていると認められる。 2.対比・判断 (1)本件発明1について ア.対比 本件発明1と甲1発明とを対比する。 (ア)甲1発明の「第2カメラ105」は、本件発明1の「カメラ」に相当する。 そして、甲1発明の「第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260」は、本件発明1の「カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段」に相当する。 (イ)甲1発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する」ことは、本件発明1の「取得した前記画像内の人物を抽出」することに相当する。 そして、甲1発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261」は、本件発明1の「取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」に、「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」である限りで一致する。 (ウ)甲1発明の「来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102a」は、本件発明1の「顔の特徴量が登録されたデータベース」に相当する。 そして、甲1発明の「抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262」は、顔抽出部261によって抽出された決済対象者の顔情報と、来店者DB102aに記憶された顔の特徴量という情報とに基づき顔認証処理を行い、決済対象者を特定しているから、本件発明1の「選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」に、「抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」である限りで一致する。 (エ)甲1発明の「認証された前記決済対象者」は、本件発明1の「特定された前記人物」に相当し、同様に、「決済部263」は「決済手段」に相当する。 そうすると、本件発明1と甲1発明とは、次の一致点1で一致し、相違点1で相違する。 <一致点1> カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段と、 取得した前記画像内の人物を抽出する手段と、 抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段と、 特定された前記人物に対して決済処理を行う決済手段と、 を有する情報処理システム。 <相違点1> 「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」に関し、本件発明1では、「複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」であるのに対し、甲1発明では、顔抽出部261が複数の人物を抽出した場合について特定されておらず、 また、本件発明1では、「特定手段」が選択手段により「選択された前記人物が含まれる前記画像」に基づき人物を特定するのに対し、甲1発明では、「顔認証部262」は「抽出された決済対象者の顔情報」により人物を認証するものであり、「選択された前記人物」とは特定されていない点。 イ.判断 上記相違点1について検討する。 甲第2号証には、上記1.(2)ウに示したとおり、動画像からフレーム画像を抽出し、当該フレーム画像から検出された顔画像から抽出された特徴量に基づいて人物毎に顔画像をグループ化し、グループに係る人物の出現頻度が高い人物を主人公と推定する技術が記載されている。当該技術は、特許異議申立人が主張するように、画像処理の技術分野に属し、本件発明1に関連する技術分野と一応いえるものの、画像処理の技術分野は多くの技術が含まれる大きなくくりの分野であるから、技術分野の関連性のみをもって甲第2号証に記載された技術を甲1発明に適用する動機があったとはいえない。 そして、甲第2号証に記載された技術の目的は、動画像に登場する複数の人物から主人公を推定することであって、甲1発明のように、決済処理を行う人物を選択することとは目的が異なる。 そもそも、甲1発明は、第2カメラ105により撮影された画像から複数の人物が抽出されることを想定するものではない。 そうすると、甲第2号証に記載された主人公を推定するための技術を、甲1発明に適用することが当業者にとって容易であるとはいえない。仮に適用できたとしても、主人公ではなく決済処理を行う人物を選択できるという効果が予測できるともいえない。 よって、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (2)本件発明6について ア.対比 本件発明6と甲1a発明とを対比する。 (ア)甲1a発明の「第2カメラ105」は、本件発明6の「カメラ」に相当する。 そして、甲1a発明の「第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260」は、本件発明6の「カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段」に相当する。 (イ)甲1a発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する」ことは、本件発明6の「取得した前記画像内の人物を抽出」することに相当する。 そして、甲1a発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261」は、本件発明6の「取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」に、「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」である限りで一致する。 (ウ)甲1a発明の「来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102a」は、本件発明6の「顔の特徴量が登録されたデータベース」に相当する。 そして、甲1a発明の「抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262」は、顔抽出部261によって抽出された決済対象者の顔情報と、来店者DB102aに記憶された顔の特徴量という情報とに基づき顔認証処理を行い、決済対象者を特定しているから、本件発明1の「選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」に、「抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」である限りで一致する。 (エ)甲1a発明の「前記顔認証部262により認証された前記決済対象者の登録情報Ri」は、本件発明6の「前記特定手段により特定された前記決済処理を行う人物に対する該人物を識別する情報」に相当し、同様に、「決済部263」は、機能的にみて、「精算装置」に相当する。 そして、甲1a発明の「決済部263」は「前記顔認証部262により認証された前記決済対象者の登録情報Riを来店者DB102aから取得する」ものであるので、来店者DB102aは登録情報Riを決裁部263に通知する手段を備えているといえ、本件発明6の「該人物を識別する情報を精算装置に通知する通知手段」を備えているといえる。 (オ)甲1a発明の「情報処理システム」は、本件発明6の「顧客特定装置」に、「情報処理システム」である限りで一致する。 そうすると、本件発明6と甲1a発明とは、次の一致点2で一致し、相違点2で相違する。 <一致点2> カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段と、 取得した前記画像内の人物を抽出する手段と、 抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段と、 前記特定手段により特定された前記決済処理を行う人物に対する該人物を識別する情報を精算装置に通知する通知手段と、 を有する情報処理システム。 <相違点2> 「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」に関し、本件発明6では、「複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」であるのに対し、甲1a発明では、顔抽出部261が複数の人物を抽出した場合について特定されておらず、 また、本件発明6では、「特定手段」が選択手段により「選択された前記人物が含まれる前記画像」に基づき人物を特定するのに対し、甲1a発明では、「顔認証部262」は「抽出された決済対象者の顔情報」により人物を認証するものであり、「選択された前記人物」とは特定されておらず、 本件発明6は「顧客特定装置」であるのに対して、甲1a発明は「情報処理システム」である点。 イ.判断 相違点2について検討すると、相違点2は上記相違点1と実質的に同じであるから、上記(1)イ.に示したと同様の理由で、甲1a発明を、相違点2に係る本件発明6の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、本件発明6は、甲1a発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明7について ア.対比 本件発明7と甲1b発明とを対比する。 (ア)甲1b発明の「プロセッサ131」は、本件発明7の「コンピュータ」に相当する。 (イ)甲1b発明の「第2カメラ105」は、本件発明7の「カメラ」に相当する。 そして、甲1b発明の「第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得」することは、本件発明7の「カメラにより生成された顔の画像を取得」することに相当する。 (ウ)甲1b発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出」することは、本件発明7の「取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択」することに、「取得した前記画像内の人物を抽出」することである限りで一致する。 (エ)甲1b発明の「来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102a」は、本件発明7の「顔の特徴量が登録されたデータベース」に相当する。 そして、甲1b発明の「抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証」することは、顔抽出部261によって抽出された決済対象者処理の顔情報と、来店者DB102aに記憶された顔の特徴量という情報とに基づき顔認証処理を行い、決済対象者を特定しているから、本件発明7の「選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定」することに、「抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定」することである限りで一致する。 (オ)甲1b発明の「認証された前記決済対象者に対して決済処理を行う」ことは本件発明7の「特定された前記人物に対して決済処理を行う」ことに相当する。 そうすると、本件発明7と甲1b発明とは、次の一致点3で一致し、相違点3で相違する。 <一致点3> コンピュータが、 カメラにより生成された顔の画像を取得し、 取得した前記画像内の人物を抽出し、 抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定し、 特定された前記人物に対して決済処理を行う、 情報処理方法。 <相違点3> 「取得した前記画像内の人物を抽出」することに関し、本件発明7では、「複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択」するのに対し、甲1b発明では、複数の人物を抽出した場合について特定されておらず、 また、本件発明7では、「選択された前記人物が含まれる前記画像」に基づき人物を特定するのに対し、甲1b発明では、「抽出された決済対象者の顔情報」により人物を認証するものであり、「選択された前記人物」とは特定されていない点。 イ.判断 相違点3について検討すると、相違点3は上記相違点1と実質的に同じであるから、上記(1)イ.に示したと同様の理由で、甲1b発明を、相違点3に係る本件発明7の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、本件発明7は、甲1b発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 (3)本件発明8について ア.対比 本件発明8と甲1c発明とを対比する。 (ア)甲1c発明の「プロセッサ131」は、本件発明8の「コンピュータ」に相当する。 (イ)甲1c発明の「第2カメラ105」は、本件発明8の「カメラ」に相当する。 そして、甲1c発明の「第2カメラ105により撮影された決済対象者の顔を含む撮影画像を取得する画像取得部260」は、本件発明8の「カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段」に相当する。 (ウ)甲1c発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する」ことは、本件発明8の「取得した前記画像内の人物を抽出」することに相当する。 そして、甲1c発明の「取得した前記撮影画像から決済対象者の顔情報を抽出する顔抽出部261」は、本件発明8の「取得した前記画像内の人物を抽出し、複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」に、「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」である限りで一致する。 (エ)甲1c発明の「顔の特徴量が記憶された来店者DB102a」は、本件発明8の「顔の特徴量が登録されたデータベース」に相当する。 そして、甲1c発明の「抽出された決済対象者の顔情報と、来店者の顔の特徴量が記憶された来店者DB102aの顔情報Cfとの顔認証処理を行い、決済対象者が特定の来店者であることを認証する顔認証部262」は、顔抽出部261によって抽出された決済対象者の顔情報と、来店者DB102aに記憶された顔の特徴量という情報とに基づき顔認証処理を行い、決済対象者を特定しているから、本件発明8の「選択された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」に、「抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段」である限りで一致する。 (オ)甲1c発明の「認証された前記決済対象者」は本件発明8の「特定された前記人物」に相当し、同様に、「決済部263」は「決済手段」に相当する。 そうすると、本件発明8と甲1c発明とは、次の一致点4で一致し、相違点4で相違する。 <一致点4> コンピュータを、 カメラにより生成された顔の画像を取得する取得手段、 取得した前記画像内の人物を抽出する手段、 抽出された前記人物が含まれる前記画像と、顔の特徴量が登録されたデータベース情報とに基づき、当該人物を特定する特定手段、 特定された前記人物に対して決済処理を行う決済手段、 として機能させるプログラム。 <相違点4> 「取得した前記画像内の人物を抽出する手段」に関し、本件発明8では、「複数の人物が抽出された場合、所定の時間帯の間に前記カメラで撮影された頻度が最も高い人物及び時間が最も長い人物の少なくともいずれか一方を、決済処理を行う人物として選択する選択手段」であるのに対し、甲1c発明では、顔抽出部261が複数の人物を抽出した場合について特定されておらず、 また、本件発明8では、「特定手段」が選択手段により「選択された前記人物が含まれる前記画像」に基づき人物を特定するのに対し、甲1c発明では、「顔認証部262」は「抽出された決済対象者の顔情報」により人物を認証するものであり、「選択された前記人物」とは特定されていない点。 イ.判断 相違点4について検討すると、相違点4は上記相違点1と実質的に同じであるから、上記(1)イ.に示したと同様の理由で、甲1c発明を、相違点4に係る本件発明8の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たこととはいえない。 よって、本件発明8は、甲1c発明及び甲第2号証に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。 第5 むすび 第4のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1、6~8に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に請求項1、6~8に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700756

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