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特許異議申立

2022-700734

親水性熱可塑性ポリウレタン組成物から作製される物品

審判番号
2022-700734
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2018-566943
登録番号
7014740
請求日
2022年07月29日
審決日
2023年05月30日
公報発行日
2023年08月25日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
  • 【権利者代理人】山本 秀策
  • 【権利者代理人】森下 夏樹
  • 【異議申立人】末吉 直子
  • 【異議申立人代理人】加藤 圭
審判長/審判官
  • 審判長 里村 利光
  • 審判官 大▲瀬▼ 裕久
  • 審判官 清水 康司
分類
P1652.537-YAA(B29C) / P1652.113-YAA(B29C) / P1652.121-YAA(B29C)
根拠条文(結論部分から自動抽出・参考)
特許法120条の8第1項特許法135条
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第36条、特許法第113条、特許法第29条、特許法第120条の5第5項、特許法第120条の5第2項、特許法第120条の8第1項
データ出所
審決公報(XML)

事件の表示

特許第7014740号発明「親水性熱可塑性ポリウレタン組成物から作製される物品」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第7014740号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、〔7~13〕、14、〔16~20〕、〔21~25〕、〔26~32〕、33、〔35~39〕について訂正することを認める。 特許第7014740号の請求項17~20、36~39に係る特許を維持する。 特許第7014740号の請求項1~14、16、21~33、35に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続等の経緯 特許第7014740号の請求項1~39に係る特許(以下「本件特許」という。)についての出願(特願2018-566943号)は、2017年(平成29年)6月20日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2016年6月28日、米国)を国際出願日とする出願であって、令和4年1月24日に特許権の設定の登録がされたものである。 本件特許について、令和4年2月1日に特許掲載公報が発行されたところ、発行の日から6月以内である令和4年7月29日に、本件特許のうち請求項1~14、16~33、35~39に係る特許に対して、特許異議申立人 末吉 直子(以下「特許異議申立人」という。)から、特許異議の申立てがされた。 なお、本件特許発明15及び34に係る発明は、特許異議の申立ての対象とされていない。 その後の手続等の概要は、以下のとおりである。 令和5年 1月16日付け:取消理由通知書 令和5年 4月11日付け:訂正請求書 なお、令和5年4月11日付け訂正請求書による訂正の請求の内容は、実質的に請求項の削除のみであり、特許法120条の5第5項ただし書における特別の事情にあたるため、当合議体は特許異議申立人に対して意見書を提出する機会を与えていない。 第2 本件訂正請求について 令和5年4月11日にされた訂正の請求を、以下「本件訂正請求」という。 1 訂正の趣旨 本件訂正請求の趣旨は、特許第7014740号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項1~14、16~33、35~39について訂正することを求める、というものである。 2 訂正の内容 本件訂正請求において特許権者が求める訂正の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正箇所を示す。 (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項2を削除する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項3を削除する。 (4)訂正事項4 特許請求の範囲の請求項4を削除する。 (5)訂正事項5 特許請求の範囲の請求項5を削除する。 (6)訂正事項6 特許請求の範囲の請求項6を削除する。 (7)訂正事項7 特許請求の範囲の請求項7を削除する。 (8)訂正事項8 特許請求の範囲の請求項8を削除する。 (9)訂正事項9 特許請求の範囲の請求項9を削除する。 (10)訂正事項10 特許請求の範囲の請求項10を削除する。 (11)訂正事項11 特許請求の範囲の請求項11を削除する。 (12)訂正事項12 特許請求の範囲の請求項12を削除する。 (13)訂正事項13 特許請求の範囲の請求項13を削除する。 (14)訂正事項14 特許請求の範囲の請求項14を削除する。 (15)訂正事項15 特許請求の範囲の請求項16を削除する。 (16)訂正事項16 特許請求の範囲の請求項17中の「請求項15または16に記載の」との記載を、「請求項15に記載の」に訂正する。 (17)訂正事項17 特許請求の範囲の請求項18中の「請求項15から17のいずれかに記載の」との記載を、「請求項15または17に記載の」に訂正する。 (18)訂正事項18 特許請求の範囲の請求項19中の「請求項15から18のいずれかに記載の」との記載を、「請求項15および17から18のいずれかに記載の」に訂正する。 (19)訂正事項19 特許請求の範囲の請求項20中の「請求項15から19のいずれかに記載の」との記載を、「請求項15および17から19のいずれかに記載の」に訂正する。 (20)訂正事項20 特許請求の範囲の請求項21を削除する。 (21)訂正事項21 特許請求の範囲の請求項22を削除する。 (22)訂正事項22 特許請求の範囲の請求項23を削除する。 (23)訂正事項23 特許請求の範囲の請求項24を削除する。 (24)訂正事項24 特許請求の範囲の請求項25を削除する。 (25)訂正事項25 特許請求の範囲の請求項26を削除する。 (26)訂正事項26 特許請求の範囲の請求項27を削除する。 (27)訂正事項27 特許請求の範囲の請求項28を削除する。 (28)訂正事項28 特許請求の範囲の請求項29を削除する。 (29)訂正事項29 特許請求の範囲の請求項30を削除する。 (30)訂正事項30 特許請求の範囲の請求項31を削除する。 (31)訂正事項31 特許請求の範囲の請求項32を削除する。 (32)訂正事項32 特許請求の範囲の請求項33を削除する。 (33)訂正事項33 特許請求の範囲の請求項35を削除する。 (34)訂正事項34 特許請求の範囲の請求項36中の「請求項34または35に記載の」との記載を、「請求項34に記載の」に訂正する。 (35)訂正事項35 特許請求の範囲の請求項37中の「請求項34または35に記載の」との記載を、「請求項34に記載の」に訂正する。 (36)訂正事項36 特許請求の範囲の請求項38中の「請求項34から37のいずれかに記載の」との記載を、「請求項34および36から37のいずれかに記載の」に訂正する。 (当合議体注:令和5年4月11日付け訂正請求書6頁の「ヤ 訂正事項36」における「請求項34から38のいずれかに記載の」及び「請求項34および36から38のいずれかに記載の」は、それぞれ「請求項34から37のいずれかに記載の」及び「請求項34および36から37のいずれかに記載の」の誤記であることは明らかである。) (37)訂正事項37 特許請求の範囲の請求項39中の「請求項34から38のいずれかに記載の」との記載を、「請求項34および36から38のいずれかに記載の」に訂正する。 3 訂正の適否 (1) 訂正事項1~6について 訂正事項1~6による訂正は、請求項1~6を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (2)訂正事項7~13について 訂正事項7~13による訂正は、請求項7~13を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (3) 訂正事項14について 訂正事項14による訂正は、請求項14を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (4)訂正事項15~19について 訂正事項15~19による訂正は、請求項16を削除する訂正、及び、これに伴い請求項17~20の引用請求項から請求項16を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (5)訂正事項20~24について 訂正事項20~24による訂正は、請求項21~25を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (6)訂正事項25~31について 訂正事項25~31による訂正は、請求項26~32を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (7) 訂正事項32について 訂正事項32による訂正は、請求項33を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 (8)訂正事項33~37について 訂正事項33~37による訂正は、請求項35を削除する訂正、及び、これに伴い請求項36~39の引用請求項から請求項35を削除する訂正であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。 4 まとめ 以上のとおりであるから、本件訂正請求による訂正は、特許法120条の5第2項ただし書、同法同条9項において準用する同法126条5項~6項の規定に適合する。 よって、結論に記載のとおり、特許第7014740号の特許請求の範囲を、本件訂正請求書に添付した訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~6〕、〔7~13〕、14、〔16~20〕、〔21~25〕、〔26~32〕、33、〔35~39〕について訂正することを認める。 第3 本件特許発明 前記「第2」のとおり、本件訂正請求による訂正は認められた。 そうしてみると、特許異議の申立ての対象となっている、請求項1~14、16~33、35~39に係る発明(以下、それぞれ「本件特許発明1」などという。)は、本件訂正請求による訂正後の特許請求の範囲の請求項1~14、16~33、35~39に記載された事項によって特定されるとおりの、以下のものである。 「【請求項1】(削除) 【請求項2】(削除) 【請求項3】(削除) 【請求項4】(削除) 【請求項5】(削除) 【請求項6】(削除) 【請求項7】(削除) 【請求項8】(削除) 【請求項9】(削除) 【請求項10】(削除) 【請求項11】(削除) 【請求項12】(削除) 【請求項13】(削除) 【請求項14】(削除)」 「【請求項16】(削除) 【請求項17】 前記熱可塑性ポリウレタンが、6.35cm×0.1524cmの試験片寸法および72時間の浸漬時間を使用することにより変更されたASTM D570により測定される少なくとも70%の吸水率範囲を有する、請求項15に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項18】 前記熱可塑性ポリウレタンが、6.35cm×0.1524cmの試験片寸法および72時間の浸漬時間を使用することにより変更されたASTM D570により測定される少なくとも100%の吸水率範囲を有する、請求項15または17に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項19】 前記ヒドロキシル末端中間体成分が、ポリ(エチレングリコール)からなる、請求項15および17から18のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項20】 前記イソシアネート成分が、ヘキサメチレンジイソシアネートからなる、請求項15および17から19のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項21】(削除) 【請求項22】(削除) 【請求項23】(削除) 【請求項24】(削除) 【請求項25】(削除) 【請求項26】(削除) 【請求項27】(削除) 【請求項28】(削除) 【請求項29】(削除) 【請求項30】(削除) 【請求項31】(削除) 【請求項32】(削除) 【請求項33】(削除)」 「【請求項35】(削除) 【請求項36】 前記熱可塑性ポリウレタンが、6.35cm×0.1524cmの試験片寸法および72時間の浸漬時間を使用することにより変更されたASTM D570により測定される少なくとも70%の吸水率範囲を有する、請求項34に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項37】 前記熱可塑性ポリウレタンが、6.35cm×0.1524cmの試験片寸法および72時間の浸漬時間を使用することにより変更されたASTM D570により測定される少なくとも100%の吸水率範囲を有する、請求項34に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項38】 前記ヒドロキシル末端中間体成分が、ポリ(エチレングリコール)からなる、請求項34および36から37のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。 【請求項39】 前記イソシアネート成分が、ヘキサメチレンジイソシアネートからなる、請求項34および36から38のいずれかに記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の使用。」 第4 取消しの理由及び証拠 1 取消しの理由 令和5年1月16日付け取消理由通知書により通知した取消しの理由は、以下のとおりである。 (1)取消理由1(明確性要件、サポ-ト要件) 本件特許発明1、7、14、16、21、26、33及び35は、「結晶化温度」に関して、特許を受けようとする発明が明確であるということができないから、本件特許は特許法36条6項2号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものであり、また、本件特許発明1、7、14、16、21、26、33及び35は、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるということができないから、本件特許は特許法36条6項1号に規定する要件を満たしていない出願に対してされたものである。 さらに、本件特許発明2~6、8~13、17~20、22~25、27~32、36~39は本件特許発明1、7、16、21、26、35のいずれかを引用しているから、本件特許発明2~6、8~13、17~20、22~25、27~32、36~39も同様である。 したがって、本件特許は、特許法113条4号に該当し、取り消されるべきものである。 (2)取消理由2(新規性、進歩性) (新規性)本件特許発明1、5、7、9及び13は、本件特許の優先日前に日本国内又は外国において、頒布された下記2に示す甲4~7に記載された発明であるから、特許法29条1項3号に該当し、また、(進歩性)本件特許発明1、5、7、9及び13は、優先日前にその発明の属する技術の分野おける通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記2に示す甲4~7及び12に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであって、特許法29条2項の規定により、特許を受けることができない。 したがって、本件特許は、特許法113条2号に該当し、取り消されるべきものである。 2 証拠方法について 特許異議申立人が提出した証拠方法は、以下のとおりである。 甲1:米国特許第6458880号明細書 甲2:“JISハンドブック26 プラスチックI(試験)”、2014年 1月31日、第572~574頁 甲3:Matthew A. Hood, et al.、 "Morphology control of segmented pol yurethanes by crystallization of hard and soft segments"、Poly mer、2010.3.20、No. 51、 p. 2191-2198 甲4:特開2003-73445号公報 甲5:特開2006-63129号公報 甲6:特開2009-242655号公報 甲7:特開平10-110025号公報 甲8:末吉直子、“実験結果報告書”、令和4年7月27日 甲9:特開2011-184667号公報 甲10:国際公開第2017/079101号 甲11:国際公開第2016/104456号 甲12:田中大作、“熱可塑性ポリウレタンエラストマ-”、日本ゴム協会 誌、1966年12月15日、第39巻、第12号、p.1019 -1029 第5 当合議体の判断 上記「第2」で述べたとおり、本件特許発明1~14、16、21~33、35は、訂正により削除されたため、本件特許発明1~14、16、21~33、35に対して、特許異議申立人がした特許異議の申立てについては、対象となる請求項が存在しない。 また、令和5年1月16日付け取消理由通知書において、取消理由1が通知されたのは、「結晶化温度」なる発明特定事項が記載された請求項16の記載を直接又は間接的に引用する形式で記載された請求項17~20と、「結晶化温度」なる発明特定事項が記載された請求項35の記載を直接又は間接的に引用する形式で記載された請求項36~39に対してであるところ、訂正により本件特許発明17~20、36~39の引用請求項から請求項16や請求項35が削除され、本件特許発明17~20、36~39には「結晶化温度」なる発明特定事項が存在しないため、取消理由1は成り立たない。 第6 まとめ 以上のとおりであるから、当合議体が通知した取消しの理由及び特許異議申立ての理由によっては、本件特許発明17~20、36~39に係る特許を取り消すことはできない。さらに、他に本件特許発明17~20、36~39に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 また、本件特許発明1~14、16、21~33、35は、上記のとおり、訂正により削除された。これにより、特許異議申立人による特許異議の申立てについて、本件特許発明1~14、16、21~33、35に係る申立ては、申立ての対象が存在しないものとなったため、特許法第120条の8第1項で準用する同法第135条の規定により却下する。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700734

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