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特許異議申立

2022-700241

流体制御弁

審判番号
2022-700241
法域
特許
審判種別
異議申立(異議の決定)
出願番号
特願2017-205639
登録番号
6942605
請求日
2022年03月22日
審決日
2023年01月27日
公報発行日
2023年04月28日
結論
訂正認容
当事者
  • 【権利者】日立Astemo株式会社
  • 【権利者代理人】特許業務法人創成国際特許事務所
  • 【異議申立人】菅野 英行
審判長/審判官
  • 審判長 佐々木 芳枝
  • 審判官 長馬 望
  • 審判官 柿崎 拓
分類
P1652.121-YAA(F16K)
条文(本文から自動抽出・参考)
特許法第29条第2項、特許法第120条の5第9項、特許法第29条第1項、特許法第29条第1項第3号
データ出所
審決公報(XML)

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特許第6942605号発明「流体制御弁」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。

結論

結 論 特許第6942605号の明細書、特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正明細書、訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-7〕について訂正することを認める。 特許第6942605号の請求項2ないし4に係る特許を維持する。 特許第6942605号の請求項1に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。

理由

理 由 第1 手続の経緯 特許第6942605号の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成29年10月24日に出願され、令和3年9月10日にその特許権の設定登録がされ、同月29日に特許掲載公報が発行された。その後、令和4年3月22日に特許異議申立人 菅野 英行(以下、「申立人」という。)より、請求項1~4に係る特許に対する特許異議の申立て(以下、「本件異議申立て」という。)がされ、同年5月25日付けで取消理由が通知され、これに対し、同年8月1日に訂正請求(以下、「本件訂正」という。)がされると共に、意見書が提出され、同年9月30日付けで訂正拒絶理由が通知され、これに対し、同年11月7日に訂正請求書に対する補正(以下、「本件補正」という。)がされると共に意見書が提出されたものである。 なお、申立人は、意見書提出の希望の有無について、希望しないとしているため、意見書の提出は求めなかった。 第2 訂正請求について 1 本件補正について (1)本件補正の内容 本件補正の内容は、令和4年8月1日に提出された訂正請求書の「7 請求の理由」の「(2)訂正事項」が以下のアに示すものであったものをイに示すように補正し、それに伴って訂正明細書及び訂正特許請求の範囲を補正するものである(下線は、訂正箇所を示す。)。 ア 本件補正前の訂正事項 (ア)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「嵌合部を備えることを特徴とする流体制御弁」と 記載されているのを 「嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記回転軸に平行な方向から見たときに、前記締結部のうちの少なくとも1つは、前記弁軸との距離よりも前記回転軸との距離が短い位置に配置されるモータ側締結部であり、 前記モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なること を特徴とする流体制御弁」 に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項6及び7も同様に訂正する)。 (イ)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2を独立形式に改め、 「 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、 各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする流体制御弁。」 に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。) (ウ)訂正事項3 願書に添付した明細書の段落【0007】に「嵌合部を備えることを特徴とする。」 と記載されているのを、 「嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記回転軸に平行な方向から見たときに、前記締結部のうちの少なくとも1つは、前記弁軸との距離よりも前記回転軸との距離が短い位置に配置されるモータ側締結部であり、 前記モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記回転軸及ぴ前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする。」 に訂正する。 (エ)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0010】に「第2発明に係る流体制御弁は、第1発明において、前記弁体は、」と記載されているのを、 「第2発明に係る流体制御弁は、 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、」 に訂正する。 イ 本件補正後の訂正事項 (ア)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 (イ)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項1を引用する請求項2を独立形式に改め、 「 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、 各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする流体制御弁。」 に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。) (ウ)訂正事項3 請求項6における「請求項1~5」と記載されているのを「請求項2~5」に訂正する。(請求項6の記載を引用する請求項7についても同様に訂正する。) (エ)訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0010】に「第2発明に係る流体制御弁は、第1発明において、前記弁体は、」と記載されているのを、 「第2発明に係る流体制御弁は、 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、」 に訂正する。 (オ)訂正事項5 明細書の段落【0007】~【0009】を削除する。 (2)本件補正の適否 訂正事項ごとに本件補正の適否について検討する。 ア 訂正事項1について 本件補正後の訂正事項1は、「特許請求の範囲の請求項1を削除する」というものであって、審理対象の拡張変更を伴わないから、本件補正における訂正事項1に係る補正は、訂正請求の要旨を変更するものでない。 イ 訂正事項2及び4 本件補正後の訂正事項2は、本件補正の前の訂正事項2と同じであるから、本件補正における訂正事項2に係る補正は、訂正請求の要旨を変更するものでない。 また、本件補正後の訂正事項4は、本件補正の前の訂正事項4と同じであるから、本件補正における訂正事項4に係る補正は、訂正請求の要旨を変更するものでない。 ウ 訂正事項3及び5 本件補正における訂正事項3及び5に係る補正は、本件補正により、訂正事項1について請求項1を削除する訂正とすることに整合させるため、明細書又は特許請求の範囲についての訂正事項を補正するものであって、訂正請求の要旨を変更するものでない。 エ 本件補正についてのまとめ 上記アないしウに示すように、本件補正は、訂正請求の要旨を変更するものでないから、特許法(以下、単に「法」という。)第120条の5第9項の規定において準用する法第131条の2第1項の規定に違反するものでない。よって、本件補正を認める。 2 本件訂正について (1)本件訂正の内容 上記1に示すように、本件補正は認められるから、本件補正により補正された本件訂正の内容は、次の通りである(下線は、訂正箇所を示す。)。 ア 訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1を削除する。 イ 訂正事項2 本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1及び2に 「【請求項1】 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備えることを特徴とする流体制御弁。 【請求項2】 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、 各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする請求項1に記載の流体制御弁。」 と記載されているところ、本件訂正後は、請求項2を独立形式に改め、 「 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、 各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする流体制御弁。」 に訂正する。(請求項2の記載を引用する請求項3~7も同様に訂正する。) ウ 訂正事項3 請求項6における「請求項1~5」と記載されているのを「請求項2~5」に訂正する。(請求項6の記載を引用する請求項7についても同様に訂正する。) エ 訂正事項4 願書に添付した明細書の段落【0010】に「第2発明に係る流体制御弁は、第1発明において、前記弁体は、」と記載されているのを、 「第2発明に係る流体制御弁は、 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、」 に訂正する。 オ 訂正事項5 明細書の段落【0007】~【0009】を削除する。 (2)令和4年9月30日付け訂正拒絶理由通知の内容 当審が、本件補正前の訂正請求に対し、令和4年9月30日付けで通知した訂正拒絶理由(以下、単に「訂正拒絶理由」という。)は、概略次のアに示す通りである。 ア 訂正事項1は、願書に添付した明細書等に記載した事項から導かれる事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえないから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でしたものではない。 また、訂正事項3も願書に添付した明細書等に記載した事項から導かれる事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものとはいえないから、願書に添付した明細書等に記載した事項の範囲内でしたものではない。 以上のとおりであるから、本件訂正の訂正事項1及び訂正事項3は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないものである。 (3)本件訂正の適否 ア 訂正の目的、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の存否について (ア)訂正事項1について 訂正事項1は、本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「本件特許明細書等」という)に記載した事項の範囲内においてするものである。 上記(2)に示すとおり、訂正拒絶理由では、本件補正前の訂正事項1は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合していないとしたが、本件補正後の訂正事項1は、上記のとおり本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1を削除するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであって、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 (イ)訂正事項2について 訂正事項2は、本件訂正前において、請求項1の記載を引用する請求項2の記載を本件訂正後は、当該請求項1の記載を引用しないものとするものであって、法第120条の5第2項ただし書第4号に規定する他の請求項の記載を引用する請求項の記載を当該他の請求項の記載を引用しないものとすることを目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (ウ)訂正事項3について 訂正事項3は、本件訂正前において、請求項6に「請求項1~5」と記載されているのを本件訂正後は、「請求項2~5」と訂正するものであるから、法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (エ)訂正事項4について 訂正事項4は、訂正事項1により、特許請求の範囲の請求項1が削除され、訂正事項2により、請求項2の記載を請求項1の記載を引用しないものとしたことに伴って、対応する明細書の記載を訂正するものであるから、法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 (オ)訂正事項5について 訂正事項5は、訂正事項1により、特許請求の範囲の請求項1が削除されたことに伴って、対応する明細書の記載を削除するものであるから、法第120条の5第2項ただし書第3号に規定する明瞭でない記載の釈明を目的とするものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、また、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものである。 上記(2)に示すとおり、訂正拒絶理由では、本件補正前の訂正事項3による明細書の段落【0007】に対する訂正は、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合していないとしたが、本件補正後の訂正事項5は、上記のとおり本件訂正前の明細書の段落【0007】~【0009】を削除するものであるから、本件特許明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであって、特許法第120条の5第9項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するものである。 イ 独立特許要件について 訂正事項3は、法第120条の5第2項ただし書第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり(上記ア(ウ)参照)、本件異議申立ての対象となっていない請求項6及び請求項6を引用する請求項7を訂正するものであるから、訂正後における特許請求の範囲の請求項6及び7に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものでなければならない(法第120条の5第9項において読み替えて準用する法第126条第7項)。 そこで、本件訂正後の請求項6及び7に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否かについて検討すると、後記第6に示すとおり、本件訂正後の請求項2に係る発明は、特開2013-44313号公報(本件異議申立ての甲第1号証。以下、「甲1」という。)又は特開平8-177534号公報(本件異議申立ての甲第2号証。以下、「甲2」という。)に記載された発明及び、独国特許出願公開102016107933号明細書(本件異議申立ての甲第6号証。以下、「甲6」という。)、中国実用新案第203499825号明細書(本件異議申立ての甲第7号証。以下、「甲7」という。)に記載された事項に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものとは、いえないから、本件訂正後の請求項2に係る発明を特定するための事項をすべて含む、本件訂正後の請求項6及び7に係る発明も、同様の理由により、甲1又は2に記載された発明とはいえず、また、甲1又は2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。さらに、ほかに本件訂正後の請求項6及び7に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由もない。 そうすると、本件訂正後の請求項6及び7に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものである。 ウ 一群の請求項について 本件訂正前の請求項2ないし7は、請求項1の記載を引用する関係であるから、請求項1ないし7は、一群の請求項である。そして、本件訂正は、請求項1ないし7について訂正することを求めるものであるから、一群の請求項ごとに訂正の請求をするものである。 エ 本件訂正についてのまとめ 上記のとおり、訂正事項1ないし5に係る訂正は、法第120条の5第2項ただし書第1号、同項ただし書第3号又は同項ただし書第4号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第9項で準用する法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。また、訂正事項3に係る訂正は、法第120条の5第9項において読み替えて準用する法第126条第7項の規定に適合する。 したがって、明細書及び特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正明細書及び訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1~7〕について訂正することを認める。 第3 本件発明 本件訂正により訂正された訂正後の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明7」という。)は、本件訂正請求により訂正された訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 【請求項1】 削除 【請求項2】 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し、 前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、 各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なることを特徴とする流体制御弁。 【請求項3】 前記締結部のうち少なくとも1つは、前記弁軸との距離が、前記モータ収容部と該弁軸との距離よりも小さい弁軸側締結部であり、 前記第1基準面に垂直で前記弁軸の中心軸線を含む第2基準面の一方及び他方の側に前記モータ側締結部及び前記弁軸側締結部がそれぞれ位置し、 前記ボディは、前記主流路の周りに、該主流路に他の流路を接続するための締結部材が挿入される第1、第2及び第3の流路締結孔が設けられたフランジ部と、前記弁軸の該主流路を挟んで前記ケースと反対側の部分を支持する弁軸支持部とを備え、 前記第1流路締結孔は、前記第2基準面に垂直な方向において前記モータ側締結部と前記弁軸との間であって、前記第2基準面に垂直で前記主流路の中心軸線を含む第3基準面よりも前記ケース側に位置し、 前記第2流路締結孔は、前記弁軸側締結部の前記弁軸と反対側に位置し、 前記第3流路締結孔は、前記第2基準面よりも前記モータ収容部側であって、前記第3基準面よりも前記弁軸支持部側に位置し、 前記第1、第2及び第3流路締結孔は、前記主流路の周りに周方向について略三等分した位置にそれぞれ位置することを特徴とする請求項2に記載の流体制御弁。 【請求項4】 前記電動モータは、前記ケースの内側において前記略円筒形状の外周から該電動モータの回転軸に垂直な方向に張り出すモータフランジを備え、 前記モータフランジは、前記モータ側締結部のねじ受部に対応する部分に、該モータ側締結部のねじ部材により前記ケースの内側から該ケースと共に該モータフランジを前記ボディに締結するための締結孔を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の流体制御弁。 【請求項5】 前記モータ側締結部のうちの少なくとも1つは、前記略円筒形状の中心軸線から前記弁軸に向かう方向において、該中心軸線よりも前記弁軸側に位置することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の流体制御弁。 【請求項6】 各締結部のねじ受部は、該締結部により前記ボディと前記ケースとを締結する際の締結荷重を受けるねじ受部側座面を有し、 前記ケースは、前記締結部による締結方向に略平行な外周面、各締結部のねじ受部側座面に対応するケース側座面、及び該ケース側座面に開口して前記ねじ部材が通る貫通孔を有し、 少なくとも1つの前記締結部に対応する前記ケース側座面は、該ケース側座面の前記貫通孔側から前記外周面側まで延在する延在面の一部として形成され、 前記ケース側座面の面積は、前記貫通孔の中心軸線よりも該外周面側の面積の方が、反対側の面積より大きいことを特徴とする請求項2~5のいずれか1項に記載の流体制御弁。 【請求項7】 前記延在面は、該外周面側に開放している凹部の底面として形成され、 前記1つの締結部のねじ受部は、前記凹部の内側面に少なくとも一部が当接して嵌合する嵌合面を有することを特徴とする請求項6に記載の流体制御弁。 第4 取消理由の概要 本件訂正前の請求項1に係る特許に対して、当審が令和4年5月25日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。 1 請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1(特開2013-44313号公報)に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 2 請求項1に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された甲1に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 第5 当審の判断 上記第2に示すように、本件訂正により、請求項1は削除されたから、上記第4に示す取消理由は、その対象が存在しないものとなった。 第6 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立て理由について 1 取消理由通知において採用しなかった特許異議の申立て理由 申立人が本件異議申立てにおいて、主張する理由のうち、取消理由通知において採用しなかったものは、次の(1)ないし(4)のとおりである。 (1)請求項1に係る特許についての特許異議申立て理由 ア 本件発明1は、甲2に記載された発明であって、法第29条第1項第3号に該当するから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由1-2」という。)。 イ 本件発明1は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された特表2004-510911号公報(甲第3号証。以下、「甲3」という。)に記載された発明、特開2006-257981号公報(甲第4号証。以下、「甲4」という。)又は特開平6-264779号公報(甲第5号証。以下、「甲5」という。)に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由1-3」という。)。 (2)請求項2に係る特許についての特許異議申立て理由 ア 本件発明2は、甲1に記載された発明、甲6(独国特許出願公開102016107933号明細書)又は甲7(中国実用新案第203499825号明細書)に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由2-1」という。)。 イ 本件発明2は、甲2に記載された発明、甲6又は甲7に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由2-2」という。)。 (3)請求項3に係る特許についての特許異議申立て理由 ア 本件発明3は、甲1に記載された発明、甲6又は甲7及び特開2008-101628号公報(本件異議申立ての甲第8号証。以下、「甲8」という。)に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由3-1」という。)。 イ 本件発明3は、甲2に記載された発明、甲6又は甲7及び甲8に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項3に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由3-2」という。)。 (4)請求項4に係る特許についての特許異議申立て理由 ア 本件発明4は、甲1に記載された発明、甲6又は甲7及び甲8並びに特開2016-173035号公報(本件異議申立ての甲第9号証。以下、「甲9」という。)又は特許第3651823号公報(本件異議申立ての甲第10号証。以下、「甲10」という。)に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由4-1」という。)。 イ 本件発明4は、甲2に記載された発明、甲6又は甲7及び甲8並びに甲9又は甲10に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである(以下、「申立て理由4-2」という。)。 2 引用発明について 以下、各文献に記載された事項について検討する。なお、本件訂正により削除された請求項1に対する取消理由のみの証拠である甲3ないし5については、省略する。 (1)甲1について ア 甲1の記載事項 甲1には、次の事項が記載されている(下線は、当審で付与した。以下同様。)。 (ア)「【請求項1】 エンジンに吸気を導く吸気通路(1)の開度を調整するバルブ(2)と、このバルブ(2)を駆動する電動アクチュエータ(3)とを具備し、車両締結用の固定対象物に固定して用いられる電子スロットルにおいて、 前記吸気通路(1)が内部に形成されるボアハウジング(4)と、前記電動アクチュエータ(3)が組付けられるアクチュエータハウジング(5)とを別体で設けて、前記ボアハウジング(4)と前記アクチュエータハウジング(5)の間に隙間(α)を形成し、 前記ボアハウジング(4)は、当該ボアハウジング(4)に設けられたボア固定部(6)によって前記固定対象物に固定され、 前記アクチュエータハウジング(5)は、当該アクチュエータハウジング(5)に設けられたアクチュエータ固定部(7)によって前記固定対象物に固定されることを特徴とする電子スロットル。」 (イ)「【0001】 本発明は、エンジン(燃料の燃焼により出力を発生する内燃機関)に吸い込まれる吸気量の調整を行なうスロットル装置のうち、電動アクチュエータによってバルブを駆動する電子スロットルに関する。」 (ウ)「【0012】 図面を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。 電子スロットルは、エンジンに吸気を導く吸気通路1の開度を調整するバルブ2と、このバルブ2を駆動する電動アクチュエータ3とを具備し、電子スロットルを車両に取り付けるための固定対象物(図示しない)に固定して用いられる。 【0013】 この電子スロットルは、吸気通路1が形成されるボアハウジング4と、電動アクチュエータ3が組付けられるアクチュエータハウジング5とを別体で設け、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5のそれぞれを固定対象物に固定するように設けられる。 具体的には、ボアハウジング4に設けられたボア固定部6によってボアハウジング4が固定対象物に固定され、アクチュエータハウジング5に設けられたアクチュエータ固定部7によってアクチュエータハウジング5が固定対象物に固定されるものである。 このように、アクチュエータハウジング5を固定対象物に固定することで、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の結合力(支持力)を小さくすることが可能になり、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の隙間α(接触しない範囲)を増やすことができる。」 (エ)「【0020】 次に、上記の各構成部品を説明する。 ボアハウジング4は、金属材料または樹脂材料によって製造される通路部材であり、そ の内部に円筒状の吸気通路1(具体的には、エンジンに通じる吸気通路の一部)が形成さ れる。 ボアハウジング4には、シャフト11が挿入配置されるシャフト挿通穴16が設けられ ている。シャフト11は、吸気通路1を貫通し、吸気通路1の流線方向(ボア軸:吸気の 流れ方向に沿う吸気通路1の中心軸)に直交する方向に組付けられるものであり、シャフ ト挿通穴16は、ボアハウジング4を貫通して設けられる。 【0021】 シャフト11の先端側(図1左側)が挿入配置される部位のシャフト挿通穴16の内部には、ベアリング17(図中、滑りベアリング)が配置され、このベアリング17によってシャフト11の先端側を回転自在に支持するように設けられている。 一方、シャフト11の根元側(図1右側)は、アクチュエータハウジング5に設けられたベアリング18(図中、転がりベアリング)によって回転自在に支持されるものである。」 (オ)「【0024】 バルブ2は、金属材料または樹脂材料により略円板形状に形成されたバタフライ形の回動弁であり、ボアハウジング4に組付けられたシャフト11に固定されるものである。 即ち、バルブ2は、シャフト11をボアハウジング4に組み付けた後に、吸気通路1の内部に組み入れられて、ネジやカシメ等の固定手段19によってシャフト11に固定されるものであり、シャフト11と一体に回動して吸気通路1の開口面積を可変するものである。 【0025】 アクチュエータハウジング5は、金属材料または樹脂材料によって製造されるものであり、上述したように、ボアハウジング4とは別体で設けられている。 このアクチュエータハウジング5には、ネジ等の締結手段によって着脱可能なギヤカバー21が装着される。そして、アクチュエータハウジング5に形成されたモータ収容室22に電動モータ12が収容され、アクチュエータハウジング5とギヤカバー21との間に形成された空間に、減速装置13、バネ力発生手段14等が収容される。 【0026】 アクチュエータハウジング5は、ボアハウジング4との間の接触面積が極力少なくなるように(即ち、ボアハウジング4との間において隙間αが形成される範囲が極力多くなるように)、ボアハウジング4に結合されるものであり、局部的な結合部23を用いてボアハウジング4と結合されるものであり、(当審注:「結合されるものである。」の誤記と認められる。) 【0027】 局部的な結合部23の数は限定されるものではないが、具体的な一例としてこの実施例では安定性を高めるために、3箇所(3点支持)に設けられる例を説明する。 3箇所の結合部23のうちの2箇所は、ネジまたは溶接(溶着を含む)などの結合手段24であり、この結合手段24には、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の局部的な接触を行うための膨出部25が設けられている。即ち、局部的に設けられた膨出部25においてネジや溶接などの結合手段24を用いてボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の結合を行うように設けられている。 なお、図1では、膨出部25がアクチュエータハウジング5側に形成される例を示すが、限定されるものではなく、膨出部25をボアハウジング4側に設けるものであっても良い。 【0028】 また、3箇所の結合部23のうちの残りの1箇所は、シャフト11の周囲におけるボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の圧入部26である。 具体的にこの実施例では、シャフト11の周囲のアクチュエータハウジング5に略筒状の凸部26aを設け、この凸部26aをシャフト11の周囲のボアハウジング4に設けた凹部26bに圧入することで、 (i)ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5との間のシール性を確保するとともに、 (ii)ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5をシャフト11の周囲において結合するものである。 なお、この実施例では、凸部26aをアクチュエータハウジング5側に設け、凹部26bをボアハウジング4側に設ける例を示すが、限定されるものではなく、逆であっても良い。 【0029】 圧入部26を、図2を参照して具体的に説明する。 凹部26bの圧入方向の深さL1(シャフト11の軸方向に沿う長さ)は、凹部26bと凸部26aの圧入代L2(凹部26bと凸部26aがシャフト11の軸方向に沿って重なる長さ)より深く設けられている。 これにより、凸部26aの先端面(図2の左端)と、凹部26bの底面との間に隙間βが設けられ、凸部26aと凹部26bの接触面積を減らすことができ、結果的に圧入部26における伝熱を抑えることができる。 【0030】 上述したように、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5とは、3箇所の結合部23(2箇所の結合手段24と1箇所の圧入部26)だけで接触するものであり、3箇所の結合部23の他は、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の間に隙間αが形成されるものである。」 (カ)「【0033】 シャフト11は、金属材料によって形成された略円柱体であり、吸気通路1内に挿入配置されてバルブ2と一体に回動する。そして、上述したように、シャフト11の根元側(図1右側)がアクチュエータハウジング5に設けられるベアリング18(図中、転がりベアリング)によって回転自在に支持されるとともに、シャフト11の先端側がボアハウジング4に組付けられた際、ボアハウジング4に設けられるベアリング17(図中、滑りベアリング)によって回転自在に支持されるものである。 【0034】 電動モータ12は、通電方向が切り替わることで回転方向が切り替わるとともに、通電量に応じた回転トルクを発生する周知の直流モータであり、モータ収容室22に挿入された後、ネジ等の締結手段によってアクチュエータハウジング5に固定される。 【0035】 減速装置13は、複数のギヤの組み合わせにより電動モータ12の発生する回転トルクを減速してシャフト11に伝達する歯車式減速機であり、電動モータ12と一体に回転するモータギヤ(ピニオンギヤ)31と、このモータギヤ31によって回転駆動される中間ギヤ32と、この中間ギヤ32によって回転駆動される最終ギヤ(ギヤロータ)33とからなり、最終ギヤ33はシャフト11と一体に回動する。 【0036】 モータギヤ31は、電動モータ12の出力軸に固定された小径の外歯歯車である。 中間ギヤ32は、大径ギヤ32aと小径ギヤ32bが同芯で設けられた2重歯車であり、アクチュエータハウジング5とギヤカバー21とにより支持される支持軸34によって回転自在に支持される。そして、大径ギヤ32aがモータギヤ31と常に噛合し、小径ギヤ32bが最終ギヤ33と常に噛合する。 最終ギヤ33は、シャフト11の端部のカシメ部によって固定された大径の外歯歯車であり、噛合歯(外歯)はバルブ2の回動に伴う範囲のみに設けられている。具体的に最終ギヤ33は、例えば樹脂材料によって設けられる。」 (キ)「【0038】 回転角センサ15は、シャフト11の回転角度を検出することでバルブ2の開度を検出するスロットルポジションセンサであり、シャフト11の開度(バルブ2の開度)に応じた開度信号をECUに出力する。 具体的に、回転角センサ15は、2つの部材の相対回転を非接触で検出する磁気型センサであり、最終ギヤ33の内部にインサートされてシャフト11と一体に回転する略筒状を呈する磁気回路部38と、ギヤカバー21に取り付けられて磁気回路部38に対して非接触に配置される磁気検出部39とで構成され、この磁気検出部39の発生する電圧信号(ホールICの出力信号)がECU(エンジン・コントロール・ユニットの略)に与えられる。 なお、ECUは、マイクロコンピュータを搭載した周知の電子制御装置であり、回転角センサ15によって検出される実際のバルブ開度が、アクセルペダル開度によって設定された目標開度となるように電動モータ12をフィードバック制御するように設けられている。」 (ク)甲1には、図1として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000001.jpg] イ 甲1の記載からわかること (ア)上記ア(オ)の、特に「3箇所の結合部23のうちの2箇所は、ネジまたは溶接(溶着を含む)などの結合手段24であり、この結合手段24には、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の局部的な接触を行うための膨出部25が設けられている。即ち、局部的に設けられた膨出部25においてネジや溶接などの結合手段24を用いてボアハウジング4とアクチュエータハウジング5の結合を行うように設けられている。」(【0027】 下線は当審付与。)の記載と【図1】の記載と合わせみると、ボアハウジング4には、ネジ(結合手段24)が嵌まり込むネジ穴が設けらていることは明らかであるから、結合手段24は、ボアハウジング4に設けられたネジ穴と、ネジ穴にアクチュエータハウジング5の対応箇所を通してネジ止めされることによりネジ穴と対応箇所とを結合するネジとで構成されることが理解できる。 (イ)【図1】の記載及び上記ア(カ)の、特に【0036】に記載される電動モータ12の出力軸からシャフト11までの複数の歯車の組み合わせを考慮すると、電動モータ12の出力軸とシャフト11とは、略平行であることが理解できる。 (ウ)モータ収容室22は、【図1】の記載から、モータ12の出力軸の長さ方向において結合部23よりもボアハウジング4側へ突出していることが看取できる。 ウ 甲1に記載された発明 上記ア及びイより、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 ・甲1発明 「吸気が流れる吸気通路1が形成される金属材料によって製造されるボアハウジング4と、 前記吸気通路1内の開口面積を可変して、該吸気通路1に流れる吸気の量の調整を行うバルブ2と、 前記ボアハウジング4に結合される樹脂材料によって製造されるアクチュエータハウジング5であって、前記バルブ2を制御する電動モータ12と該電動モータ12の回転トルクを前記バルブ2に伝達する減速装置13とを内部空間に収容するアクチュエータハウジング5とを備える電子スロットルにおいて、 前記ボアハウジング4と前記アクチュエータハウジング5とを結合する2箇所の結合手段24を備え、 各結合手段24は、 前記ボアハウジング4に設けられたネジ穴と、 該ネジ穴に前記アクチュエータハウジング5の対応箇所を通してネジ止めされることにより該ネジ穴と該対応箇所とを結合するネジとで構成され、 前記バルブ2は、前記吸気通路1内に回動可能に挿入配置されて、ボアハウジング4に設けられたシャフト挿通穴16の内部に配置されたベアリング17によって支持されるシャフト11に固定される回動弁であり、 前記電動モータ12の出力軸と前記シャフト11とは略平行であり、 前記アクチュエータハウジング5は、前記電動モータ12を収容し、かつ前記出力軸の長さ方向において前記結合手段24よりも前記ボアハウジング4側へ突出したモータ収容室22を形成している電子スロットル。」 (2)甲2について ア 甲2の記載事項 甲2には、次の事項が記載されている。 (ア)「【請求項1】 スロットルボデイと、このスロットルボデイの吸気通路内に回転自在な軸を介して取り付けられ、この吸気通路を流れる空気流量を可変する絞弁と、この絞弁を複数のギアを介して回転駆動するアクチュエータと、上記絞弁の回転角度を検出する回転角度検出手段とを有するスロットル制御装置において、 上記絞弁の軸の一方端に固着された第1ギアと、この第1ギアと連結するとともに、上記アクチュエータによって駆動される第2ギアとを備え、 この第2ギアの回転軸心と上記絞弁の軸心を結んだ直線と、吸気通路と直交し、上記絞弁の軸心を通る直線の成す角度を45度以下にするとともに、上記絞弁が全閉の位置にある時、上記絞弁の回転に連動して回動するピン及び上記回転角度検出手段との接点と上記絞弁の軸心を結んだ直線と、吸気通路の中心と上記絞弁の軸心を通る直線との成す角度を45度以下にしたことを特徴とするスロットル制御装置。」 (イ)「【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、スロットル制御装置に係り、特に、エンジンの吸気管内に配置され、アクチュエータにより絞弁を回転させて吸入空気量を可変するとともに、絞弁の開度を検出する機構を有するスロットル制御装置に関する。」 (ウ)「【0010】 【作用】本発明では、スロットルボデイと、このスロットルボデイの吸気通路内に回転自在な軸を介して取り付けられ、この吸気通路を流れる空気流量を可変する絞弁と、この絞弁を複数のギアを介して回転駆動するアクチュエータと、上記絞弁の回転角度を検出する回転角度検出手段とを有するスロットル制御装置において、上記絞弁の軸の一方端に固着された第1ギアと、この第1ギアと連結するとともに、上記アクチュエータによって駆動される第2ギアとを備え、この第2ギアの回転軸心と上記絞弁の軸心を結んだ直線と、吸気通路と直交し、上記絞弁の軸心を通る直線の成す角度を45度以下にするとともに、上記絞弁が全閉の位置にある時、上記絞弁の回転に連動して回動するピン及び上記回転角度検出手段との接点と上記絞弁の軸心を結んだ直線と、吸気通路の中心と上記絞弁の軸心を通る直線との成す角度を45度以下にすることにより、絞弁軸のズレの影響を低減し、絞弁の制御精度及びスロットルセンサの絞弁の開度の検出精度を向上し得るものとなる。 【0011】また、本発明では、上記絞弁の軸並びに上記第1及び第2ギア並びに上記アクチュエータをU字形に配置することにより、制御装置全体をコンパクトにし得るものとなる。 【0012】また、本発明では、上記第1及び第2ギアを収納する上記ギアボックスに設けた印籠部を上記スロットルボデイに嵌合して両者を一体的に固着することにより、組立が容易になるとともに、組立精度が向上し得るものとなる。」 (エ)「【0017】図1において、スロットルボデイ10は、ダイキャスト製であり、その内部は円筒形であり、吸気通路を形成している。その内部には、バタフライ形絞弁が回転自在に取り付けられている。スロットルボデイ10をエンジンの吸気系に取り付けた場合には、図示の上側から下側に向けて吸入空気が流れる。このスロットルボデイ10の左側には、ギアボックス20が取り付けられている。ギアボックス20の中には、バタフライ形絞弁を回転するためのギアが取り付けられているが、この構造については、図2、図3を用いて後述する。このギアボックス20の左側には、さらに、スロットルセンサー30が取り付けられている。スロットルセンサー30は、バタフライ形絞弁の開度を検出する。 【0018】図2は、図1の矢視A-A部の拡大断面図であり、ギアボックス20の内部を図示している。破線で示されたバタフライ形絞弁40の回転軸の一方端には、第1ギア50が固着されている。第1ギア50には、第2ギア60が連結されている。第2ギア60には、第3ギア70が連結されている。第3ギア70は、アクチュエータ80の軸上に固着されている。アクチュエータ80は、図示しない駆動ユニットに接続されており、駆動ユニットからの制御信号により動作する。従って、駆動ユニットから制御信号が供給されると、アクチュエータ80が駆動し、第3ギア70が回転し、この回転運動は、第2ギア60,第1ギア50と伝わり、第1ギア50に固着されたバタフライ形絞弁40を回転する。 【0019】図2において、バタフライ形絞弁40が右回りに回転すると、吸気通路を閉じる方向にバタフライ形絞弁40は動作し、左回りに回転すると、吸気通路を開く方向にバタフライ形絞弁40が動作する。図示の状態では、バタフライ形絞弁40の開度は、約15度である。なお、絞弁の全閉位置においては、絞弁は、吸気通路の軸中心軸に直交する軸に対して約6度の傾きを持っているため、図2に示す角度θ1は約21度であるが、実際の絞弁の開度は15度となる。」 (オ)「【0022】図3は、図2の矢視B-B部の拡大断面図であり、吸気通路のエンジン側から見た断面図である。スロットルボデイ10には、軸受12,14により、絞弁軸42が回動自在に保持されている。絞弁軸42にはバタフライ形絞弁40が固着されている。スロットルボデイ10とバタフライ形絞弁40の隙間に吸気通路16,18が形成される。吸気通路16,18の面積は、絞弁40の開度に応じて変化する。 【0023】スロットルボデイ10には、印籠部22により、ギアボックス20が嵌合されている。印籠部22の中央の貫通口より、絞弁軸42の一端が貫通し、ギアボックス20内に延在している。この延在した絞弁軸42の一端に第1ギア50が固着されている。この第1ギア50と印籠部22の間に、リターンスプリング90が配置され、このリターンスプリング90の両端は、それぞれ、図2に示すように、第1ギア50及びギアボックス20に固着されている。第1ギア50は、図示のように、第2ギア60と連結され、さらに、第3ギア70と連結されている。第3ギア70は、アクチュエータ80の軸上に固着されている。第1ギア50には、図示のように、センサ駆動ピン52が設けられており、このセンサ駆動ピン52は、スロットルセンサー30のスロットルセンサーレバー32に係合している。」 (カ)「【0026】また、スロットルボデイ10の開口に、ギアボックス20の印籠部22を嵌合する構成としているため、スロットル制御装置の組立が容易になる。また、一方では、別体構造とすることにより、一体構造に比べて、寸法公差の影響を受け、従って、絞弁軸のズレの影響を受け易くなるわけであるが、そのときにも、上述の角度θ1,θ2を45度以下とすることにより、その影響を低減できるものである。」 (キ)「【0043】また、図3に示すように、バタフライ形絞弁40から、第1ギア50,第2ギア60及び第3ギア70を経て、アクチュエータ80に至るラインをU字形に配置することにより、スロットル制御装置をコンパクトにすることができる。」 (ク)甲2には、図1ないし3として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000002.jpg] [図:0001396268000003.jpg] イ 甲2の記載からわかること (ア)上記ア(ウ)の記載から絞弁は吸気通路を流れる空気流量を可変するものであることが明らかであり、上記ア(エ)の、特に「右回りに回転すると、吸気通路を閉じる方向にバタフライ形絞弁40は動作し、左回りに回転すると、吸気通路を開く方向にバタフライ形絞弁40が動作する」(【0019】)の記載から、バタフライ絞弁40は、吸気通路内で回転することにより、この吸気通路を流れる空気流量を可変にするものであることが理解できる。 (イ)【図2】及び【図3】の記載から、アクチュエータ80は、ギアボックス20の中に取り付けられていることが看取できる。 (ウ)上記ア(ウ)の「上記ギアボックスに設けた印籠部を上記スロットルボデイに嵌合して両者を一体的に固着する」(【0012】)との記載、及び、上記ア(カ)の「スロットルボデイ10の開口に、ギアボックス20の印籠部22を嵌合する構成としている」(【0026】)との記載から、スロットル制御装置は、スロットルボデイ10の開口に、ギアボックス20の印籠部22を嵌合する固着部を備えていることが理解できる。 (エ)【図3】の記載より、絞弁軸42は、吸気通路内に配置されていることが看取できる。 (オ)【図2】及び【図3】の記載より、アクチュエータ80は、略円筒形状の外形をしており、この円筒形状の中心軸線とアクチュエータ80の回転軸は平行であることが看取でき、さらに、上記ア(キ)に「図3に示すように、バタフライ形絞弁40から、第1ギア50,第2ギア60及び第3ギア70を経て、アクチュエータ80に至るラインをU字形に配置」(【0043】)していることが記載されているから、当該記載と【図3】の記載とあわせてみると、アクチュエータ80の回転軸と絞弁軸42とは略平行であることが理解できる。 (カ)【図2】及び【図3】の記載より、ギアボックス20はアクチュエータ80の回転軸の長さ方向において固着部よりもスロットルボデイ10側へ突出した円筒形状のアクチュエータ配置部を備えることが看取でき、さらに、当該アクチュエータ配置部にアクチュエータ80を収容されていることが看取できることから、アクチュエータ80は、ギアボックス20が有する円筒形状のアクチュエータ配置部に収容されており、このアクチュエータ収容部は、アクチュエータ80の回転軸の長さ方向において固着部よりもスロットルボデイ10側へ突出していることが理解できる。 ウ 甲2に記載された発明 上記ア及びイより、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 ・甲2発明 「空気が流れる吸気通路が形成されたダイキャスト製のスロットルボデイ10と、 前記吸気通路内で回転して該吸気通路を流れる空気流量を可変するバタフライ形絞弁40と、 前記スロットルボデイ10に嵌合されるギアボックス20であって、前記バタフライ形絞弁40を回転するアクチュエータ80と該アクチュエータ80の回転を前記バタフライ形絞弁40に伝える第1ギア50、第2ギア60、第3ギア70とを中に取り付けられるギアボックス20とを有するスロットル制御装置において、 前記スロットルボデイ10と前記ギアボックス20とを一体的に固着する固着部を備え、 固着部は 前記スロットルボデイ10に形成された開口と、 該開口に嵌合させることにより前記スロットルボデイ10と前記ギアボックス20とを一体的に固着する印籠部22とを有し、 前記バタフライ形絞弁40は、前記吸気通路内に回動自在に配置されて前記スロットルボデイ10に保持される絞弁軸42に固着される回転する弁であり、 前記アクチュエータ80は、略円筒形状の外形を有し、略円筒形状の中心軸線にアクチュエータ80の回転軸が平行であるアクチュエータ80であり、 前記回転軸と絞弁軸42とは略平行であり、 前記ギアボックス20は、前記アクチュエータ80を収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記固着部よりも前記スロットルボデイ10側へ突出した円筒形状のアクチュエータ配置部を有し、 固着部の前記印籠部22は、その中央の貫通口を前記絞弁軸42が貫通しているスロットル制御装置。」 (3)甲6について 甲6には、次の事項が記載されている。なお、訳文は、申立人提出のものを参考にして、当審で作成した。 ア 「 [図:0001396268000004.jpg] 」 (当審訳:【0026】バルブ装置12は、図2および4に示され、排気ガスを案内するための二つの通路2、3を含むハウジング9を有する。シャフト5は、ハウジング9に回転可能に取り付けられている。シャフト5に結合された駆動装置11は、接続要素10を介してハウジング9上に配置されている。シャフト5は、駆動装置11によって異なる角度位置Rに旋回することができる。図2は、第1閉鎖体6が第1通路2にあり、第2閉鎖体7が第2通路3にあり、両方の閉鎖体6、7が部分的に開いている旋回位置にあるシャフト5を示している。弁座13、27、28の操作、それらと相互作用する二つの閉鎖体6、7の閉鎖位置は、以下でより詳細に説明される。特に図4に見られるように、通路2は、入口21および出口22を有する。通路3は、入口31および出口32を有する。入口21、31および出口22、32のそれぞれにフランジを配置することができ、図2及び図4で示されるように、二つの入口21、31と二つの出口22、32に共通のフランジを提供することが可能である。バルブ装置12に排気ラインの隣接するコンポーネントを接続する。また、図4では、二つの通路2、3が互いにある角度で延びており、それらの間の角度は25゜であることが分かる。) イ 甲6には、Fig.2及びFig.5A,Fig.5Bとして、次の図が記載されている。 [図:0001396268000005.jpg] [図:0001396268000006.jpg] ウ 上記イに示すFig.2、Fig.5A、Fig.5Bより、甲6には、ハウジング9と駆動装置11のケースとは、3つのねじ部材でねじ止めされていることがわかる。そして、Fig.5A、Fig.5Bにおいて、このねじ部材は、その一端に、六角星形の形状が見て取れ、これは、ねじ部材に備えられたねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する部分であると理解できる。さらに、Fig.5A、Fig.5Bより、このねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する部分は、ねじ部材がハウジング9及び駆動装置11のケースにねじ止めされた状態で、駆動装置11のケース外部に露出していることが看取できる。 また、Fig.2及びFig.5Aの記載より、3つのねじ部材のうちの2つは、駆動装置11の円筒部の中心軸とシャフト5の中心軸を含む面(以下、「甲6基準面」という。)に垂直な方向において、駆動装置11の円筒部と重なる位置に設けられているといえる。 エ 上記アないしウより、甲6には、ハウジング9と駆動装置11のケースとをねじ止めする3つのねじ止め部を備え、3つのねじ止め部は、ねじ部材を有し、各ねじ部材は、駆動装置11のケースの外部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する部分を備え、2つのねじ部材は、駆動装置11の円筒部の中心軸とシャフト5の中心軸を含む甲6基準面に垂直な方向において、駆動装置11の円筒部と重なる位置に設けられることが記載されているといえる。 (4)甲7について 甲7には、次の事項が記載されている。なお、訳文は、申立人提出のものを参考にして、当審で作成した。 ア 「 [図:0001396268000007.jpg] 」 (当審訳:[0004]上述した従来技術の問題点に鑑みて、本実用新案は、モジュール化された各グループによりなる部分を、変更周期を短縮し、異なるスロットルで同じギアボックスが使用されることで、製品および生産ラインのコストが低くなる。 [0005]上記目的を達成するために、具体的な請求項は以下のとおりである: [0006]モジュール式スロットルバルブ構造であり、スロットル本体モジュール、接続モジュール、モータ歯車伝動モジュール、及び位置センサモジュールを含み、モータ歯車伝動モジュールは、接続モジュールを介してスロットル本体モジュールと着脱可能に接続され、位置センサモジュールは、モータ歯車伝動モジュールに接続される。 [0007]好ましくは、さらにシールモジュールを含み、モータ歯車伝動モジュールは、シールモジュールを介して、スロットル本体モジュールと封止接続されている。 [0008]好ましくは、スロットル本体モジュールは、チャンバ本体を備えている。 [0009]好ましくは、モータ歯車伝動モジュールは、ギアボックスを備えている。 [0010]優先的に、接続モジュールは、締結ネジを含む。 [0011]好ましくは、ギアボックスは、締結ネジを介して、チャンバ本体に接続されている。 [0012]優先的に、シールモジュールは、シールリングを含み、ギアボックスは、シールリングを介して、チャンバ本体と気密に接続されている。 [0013]優先的に、ギアボックスは、プラスチックで形成される。 [0014]好ましくは、チャンバ本体は、アルミダイカストから形成されている。 [0015]本考案の技術的解決手段は、モジュール式の設計によって、変更周期を短縮する。型ブロック化された設計の異なるスロットルに、同じギアボックスが使用されるように、製品および生産ラインのコストを低下させる。ギアボックスがプラスチックで製造され、スロットルバルブの重量が軽減して、エンジンの燃費をより向上させることができる。) イ 「 [図:0001396268000008.jpg] 」 (当審訳:[0021]図1に示す本考案による実施形態のモジュール式スロットルバルプ構造は、主としてギアボックス1、チャンバ本体2、締結ネジ(3,4)、およびシールリング5を備えている。方式としては、モータ及び歯車列を一つのブロックとして、すなわち、ギアボックス1である。実装条件及びスロットの径変化に起因して、アルミニウム製本体の再設計を必要とする場合には、チャンバ本体2を設計し直す必要がある。 [0022]組み立てられる場合、締結ネジ3、4を締結することにより、ギアボックス1がチャンバ本体2に接続され、一方のスロットルバルブを構成する。シールリング5は、ギアボックス1の密封性を保証する。) ウ 甲7には、図1として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000009.jpg] エ 上記ア及びイより、チャンバ本体2とギアボックス1とは、締結ネジ3、4によりネジ止め部でネジ止めされており、図1の記載より、この締結ネジ3、4は、少なくとも3本あることが看取できる。そして、この締結ネジ3、4は、図1の記載より、その一端に、ネジ部材に備えられたネジ部材に回転力を与える工具と嵌合する部分を備えており、この部分は、ギヤボックス1の外部に露出していることが看取できる。 さらに、2つの締結ネジ3は、図1の記載よりギヤボックス1の円筒部の中心軸とギヤボックス1から延びシールリング5に囲まれた部材(以下、「甲7シャフト」という。)の中心軸を含む面(以下、「甲7基準面」という。)に垂直な方向において、ギヤボックス1の円筒部と重なる位置に設けられていることが看取できる。 オ 上記アないしエより、甲7には、チャンバ本体2とギアボックス1とをネジ止めする少なくとも3つのネジ止め部を備え、3つのネジ止め部は、締結ネジ3、4を有し、各締結ネジ3、4は、ギヤボックス1の外部に露出し、該締結ネジ3、4に回転力を与える工具と嵌合する部分を備え、2つの締結ネジ3は、ギヤボックス1の円筒部の中心軸と甲7シャフトの中心軸を含む甲7基準面に垂直な方向において、ギヤボックス1の円筒部と重なる位置に設けられることが記載されているといえる。 (5)甲8について 甲8には、次の事項が記載されている。 ア 「【0009】 本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態実施形態に係るスロットルボデーの横断面図、図2は図1の分解図、図3は図1におけるP視内視図である。 図1および図2ならびに図3において、スロットルボデー1を3分割する第1の部分である計量部2を構成する合成樹脂製の計量部本体3の中央には円筒状のボアー部3aが形成されている。ボアー部3aを横切ってスロットルシャフト4が回動可能に軸支され、スロットルシャフト4にはスロットルバルブ5がネジ6により固定されている。スロットルシャフト4の一端は計量部本体3内で切断され、端面には後述する駆動シャフト16と係合するための凹部4aが設けられている。スロットルシャフト4の他端は計量部本体3にプラグ7が圧入され大気と遮断されている。計量部本体3の凹部4a側には後述するギアーケース本体9を固定するための第1フランジ部3bが設けられている。計量部本体3のボアー部3a出口にはスロットルボデー1をエンジンのインテークマニホールドに固定するための第2フランジ部3cが設けられている。ボアー部3a周囲ならびにフランジ部3b,3cの樹脂肉厚は成形歪を抑制できるようできる限り均一になるよう構成されている。 【0010】 スロットルボデー1を3分割する第2の部分であるギアーケース部8を構成するアルミニウム製のギアーケース本体9には有底円筒部9aが形成され中に板バネ10を介してモータ11が収容されている。モータ11は一体的に設けられたブラケット11aによりギアーケース本体9にボルト12で固定されている。モータ11の出力軸11bには駆動ギアー13が固定され出力軸11bとともに回動する。また、ギアーケース本体9にはギアー軸14が圧入され、ギアー軸14には中間ギアー15が遊嵌されている。後述するカバー本体21がギアーケース本体9に組み付けられる時、カバー本体がギアー軸14にかぶさることにより中間ギアー15のギアー軸14からの抜けが防止される。ギアーケース本体9にはさらに駆動シャフト16が回動可能に軸支され、駆動シャフト16の一端にはスロットルギアー17が一体的に固定されている。 【0011】 駆動シャフト16の他端にはスロットルシャフト4の凹部4aに係合する突起部16aが設けられ、凹部4aに係合された後はスロットルシャフト4と一体的に回動する。スロットルギアー17には戻しバネ18の一端が係合し戻しバネ18の他端がギアーケース本体9に係合してスロットルギアー17をスロットルバルブ5の全閉方向に付勢する。スロットルギアー17には後述する開度センサ22に対応する位置に磁石19が埋設されている。駆動ギアー13、中間ギアー15、スロットルギアー17はそれぞれ噛合するよう構成されており、モータ11の回転が減速されてスロットルギアー17に伝達され、スロットルギアー17と一体の駆動シャフト16に連結するスロットルバルブ5を開閉するよう構成されている。 【0012】 スロットルボデー1を3分割する第3の部分であるカバー部20を構成するカバー本体21には、スロットルギアー17に埋設された磁石19に対応する位置に開度センサ22が配設されている。開度センサ22からは検知信号を送信するための配線がなされ、エンジンを制御するための周知のECUに伝達される(図示せず)。カバー本体21のギアー軸14に対応する位置にはギアー軸14に遊嵌する凹部21aが穿設された係止部21bが形成されている。カバー本体21がギアーケース本体9に組みつけられたとき、係止部21bは中間ギアー15の抜け出しを防止する。 【0013】 カバー本体21のモータ11に対応する位置には電源供給のためのターミナル23a,(23b(図示せず))が設けられ、カバー本体21がギアーケース本体9に組み付けられた時、モータ11の電源ターミナル24a,24bに嵌着して導通する。カバー本体21はギアーケース本体9に気密を保持してネジ止めまたはスナップフィットで固定され、ギアーケースサブアッセンブリ25を構成する。ギアーケースサブアッセンブリ25はOリング26を介して計量部本体3の第1フランジ部3bにネジ27により固定される。Oリング26によりギアーケース本体9および計量部本体3内は大気と遮断され防塵が保たれる。」 イ 甲8には、図2として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000010.jpg] (6)甲9について 甲9には、次の事項が記載されている。 ア 「【0020】 アクチュエータ22は、図1~図2Cに示されるように、例えば、樹脂製材料から形成され、駆動モータの内蔵されるハウジング38と、該ハウジング38の端部を閉塞する蓋部40とを有し、前記蓋部40の端子接続部42に図示しないカプラが自在に着脱される。そして、図示しないカプラから端子接続部42を通じて駆動モータへと制御信号が入力されることで回転駆動する。 【0021】 このハウジング38は、図示しない駆動モータの収納される第1収納部(収納部)44と、該第1収納部44の他端部に設けられシャフト34の挿入される第2収納部46と、前記第1収納部44の外周面に接合された取付フランジ(フランジ部)48とを含む。第1収納部44は、略円筒状に形成され、その開口した一端部から駆動モータが内部へと収納され、該一端部に蓋部40が装着されることで密封される。 【0022】 第2収納部46は、第1収納部44の軸線と略直交するように形成され、取付フランジ48側(図2A中、矢印A方向)が開口して内部に切替バルブ機構18のシャフト34が挿入される。 【0023】 取付フランジ48は、例えば、略一定厚さで断面菱型状に形成され、その一端部及び他端部にそれぞれ第2取付孔50が形成され、該第2取付孔50は厚さ方向に貫通している。また、取付フランジ48は、図2Bに示されるように、第2収納部46の軸方向(図1中、矢印A、B方向)から見て第1及び第2収納部44、46よりも幅方向外側へ拡幅するように形成される。 【0024】 そして、取付フランジ48は、その一端面がバルブカバー20の他端面に当接した状態で、第2取付孔50に挿通された複数の第2締結ボルト(締結部材)52が前記バルブカバー20のねじ孔54へと螺合されることによって固定される。」 イ 「【0026】 この補助プレート56の内周形状は、アクチュエータ22における第1及び第2収納部44、46の外形形状に対応して形成され、該補助プレート56の内壁面が前記第1及び第2収納部44、46の外面に当接するように設けられる。 【0027】 具体的には、第1アーム部62は、基部60に対して斜め方向に直線状に延在した後、先端部が若干だけ内側に向かって湾曲するように形成され、第2アーム部64は、第1アーム部62から離間する方向に向かって凸状となるように湾曲しながら延在し、第3アーム部66は、前記第2アーム部64の先端から内側に向かって湾曲するように延在した後、先端に向かって直線状に形成される。 【0028】 そして、補助プレート56は、取付フランジ48の他端面に当接するように配置された際、図2Cに示されるように、その第1及び第2孔部58、68がそれぞれ一組の第2取付孔50に対応するように配置され、前記第1及び第2孔部58、68、第2取付孔50に挿通される一組の第2締結ボルト52によって前記補助プレート56がアクチュエータ22と共にバルブカバー20の他端面に固定される。すなわち、補助プレート56は、バルブカバー20に対してアクチュエータ22と共締めされる。」 ウ 甲9には、図2として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000011.jpg] [図:0001396268000012.jpg] (7)甲10について 甲10には、次の事項が記載されている。 ア 「【0013】 図4において、ステッピングモータ1の出力軸1aは駆動軸2と連結され、駆動軸2の先端側に形成された雄ねじ部2aが、スプール3の内周側の一部に形成された雌ねじ部3dと螺合している。スプール3は、バルブハウジング4の内部に形成された円筒内面形状の孔4aにおいて軸方向(図の上下方向)に摺動自在に保持され、上端部がバネ6に抗して取り付けられている。バネ6は軸方向に移動調節可能なプラグ5によって上端側から押さえ込まれている。スプール3の外周面には凹部3aが設けられ、この凹部3aによって形成される空間(油室空間を意味する。以下同様。)Aは、軸方向に直交する方向にスプール3を貫通して形成された孔3bと連通している。また、スプール3の内空間Bはバルブハウジング4に形成された流路4bに連通している。」 イ 「【0016】 図4及び図5に示すように、ステッピングモータ1の底面は、バルブハウジング4の蓋であるモータプレート21に固着されており、このモータプレート21は防水シール用のパッキン12を介して、ボルト25によりバルブハウジング4に取付けられる。また、モータプレート21とともにカバー24も共締めされ、バルブハウジング4に固定される。ステッピングモータ1のリード線22は、カバー24を貫通して導出され、カバー24内の所定の支持構造により支持されている。この支持構造については後述する。」 ウ 甲10には、図4及び5として、次の図が記載されている。 [図:0001396268000013.jpg] 3 申立て理由1-2および1-3について 上記第2に示すように、本件訂正により、特許請求の範囲の請求項1は削除されたから、申立て理由1-2及び申立て理由1-3は、その対象が存在しないものとなった。 4 申立て理由2-1について (1)本件発明2と甲1発明との対比 本件発明2と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「吸気が流れる」は、本件発明2の「流体が流れる」に相当し、以下同様に、「吸気通路1」は、「主流路」に、「形成される」は、「設けられた」に、「金属材料によって製造される」は、「金属製の」に、「ボアハウジング4」は、「ボディ」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「吸気が流れる吸気通路1が形成される金属材料によって製造されるボアハウジング4」は、本件発明2の「流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと」に相当する。 甲1発明の「開口面積を可変して」は、本件発明2の「流路断面積を調整して」に相当し、以下同様に、「吸気の量」は、「流体の量」に、「調整を行う」は、「調整する」に、「バルブ2」は、「弁体」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「前記吸気通路1内の開口面積を可変して、該吸気通路1に流れる吸気の量の調整を行うバルブ2」は、本件発明2の「前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体」に相当する。 甲1発明の「結合される」は、本件発明2の「取り付けられる」に相当し、以下同様に「樹脂材料によって製造される」は、「樹脂製の」に、「アクチュエータハウジング5」は、「ケース」に、「制御する」は、「駆動する」に、「電動モータ12」は、「電動アクチュエータ」に、「回転トルク」は、「駆動力」に、「伝達する」は、「伝える」に、「減速装置13」は、「動力伝達機構」に、「内部空間に収容する」は、「内部に収容する」に、「電子スロットル」は、「流体制御弁」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「前記ボアハウジング4に結合される樹脂材料によって製造されるアクチュエータハウジング5であって、前記バルブ2を制御する電動モータ12と該電動モータ12の回転トルクを前記バルブ2に伝達する減速装置13とを内部空間に収容するアクチュエータハウジング5とを備える電子スロットル」は、本件発明2の「前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁」に相当する。 甲1発明の「結合する」は、本件発明2の「締結する」に相当し、以下同様に、「2箇所」は、「複数」に、「結合手段24」は、「締結部」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「前記ボアハウジング4と前記アクチュエータハウジング5とを結合する2箇所の結合手段24を備え」は、本件発明2の「前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え」に相当する。 甲1発明の「ネジ穴」は、本件発明2の「ねじ受部」に相当し、以下同様に、「対応箇所」は、「対応部分」に、「ネジ止めされること」は、「螺合させること」に、「結合する」は、「締結する」に、「ネジ」は、「ねじ部材」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「各結合手段24は、前記ボアハウジング4に設けられたネジ穴と、該ネジ穴に前記アクチュエータハウジング5の対応箇所を通してネジ止めされることにより該ネジ穴と該対応箇所とを結合するネジとで構成され」は、本件発明2の「各締結部は、前記ボディに設けられたねじ受部と、該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され」に相当する。 甲1発明の「回動可能に挿入配置されて」は、本件発明2の「回転可能に配置されて」に相当する。甲1発明の「ボアハウジング4に設けられたシャフト挿通穴16の内部に配置されたベアリング17によって支持される」ことは、ベアリング17を介して、ボアハウジング4に支持されることになるから、甲1発明の「ボアハウジング4に設けられたシャフト挿通穴16の内部に配置されたベアリング17によって支持される」は、本件発明2の「ボディに支持される」に相当する。さらに、甲1発明の「シャフト11」は、本件発明2の「弁軸」に相当し、同様に「回動弁」は、「回転式弁体」に相当する。したがって、甲1発明の「前記バルブ2は、前記吸気通路1内に回動可能に挿入配置されて、ボアハウジング4に設けられたシャフト挿通穴16の内部に配置されたベアリング17によって支持されるシャフト11に固定される回動弁であり」は、本件発明2の「前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり」に相当する。 甲1発明の「電動モータ12の出力軸」は、本件発明2の「回転軸」に相当する。したがって、甲1発明の「前記電動モータ12の出力軸と前記シャフト11とは略平行であり」は、本件発明2の「前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり」に相当する。 甲1発明の「電動モータ12」は、本件発明2の「電動モータ」に相当し、以下同様に、「出力軸」は、「回転軸」に、「モータ収容室22」は、「モータ収容部」に、「形成し」は、「有し」にそれぞれ相当する。したがって、甲1発明の「前記アクチュエータハウジング5は、前記電動モータ12を収容し、かつ前記出力軸の長さ方向において前記結合手段24よりも前記ボアハウジング4側へ突出したモータ収容室22を形成している」ことと本件発明2の「前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し」ていることとは、「前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出したモータ収容部を有し」ている限りで一致する。 そうすると、本件発明2と甲1発明とは次の一致点1で一致し、相違点2-1-1ないし2-1-3の点で相違する。 ・一致点1 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部を備え、 各締結部は、 前記ボディに設けられたねじ受部と、 該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出したモータ収容部を有する流体制御弁。 ・相違点2-1-1 本件発明2の「各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」ているのに対し、甲1発明のネジは、このような嵌合部を備えるか否か不明な点。 ・相違点2-1-2 本件発明2の「前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり」、ケースが有するモータ収容部は「円筒状」であるのに対し、甲1発明の電動モータ12は、外形の形状や、この形状と回転軸との関係が明らかでなく、さらに、モータ収容室22の形状も明らかでない点。 ・相違点2-1-3 本件発明2の「締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なる」のに対し、甲1発明の2箇所の結合手段24が電動モータ12の出力軸及びシャフト11との関係において、どのような位置にあるか明らかでなく、またモータ収容室22との関係も明らかでない点。 (2)判断 事案に鑑み、相違点2-1-1及び相違点2-1-3から検討する。また、これらの相違点は、本件発明2のねじ部材に関するものであるから、併せて判断する。 上記2(1)ウに示すように、甲1発明は、ネジとボアハウジング4に設けられたネジ穴とで構成される2つの結合手段24により、ボアハウジング4とアクチュエータハウジング5とを結合するものであるが、これらネジとネジ穴とで構成される結合手段24が備えられる位置については、甲1に明記されていない。 そして、甲1の図1(上記2(1)ア(ク)参照)には、2つの結合手段24のうちの1つが示されているが、この結合手段24は、図面上、モータ収容室22と重なっておらず、このような位置にある結合手段24は、電動モータ12の出力軸とシャフト11との両中心軸を含む平面(以下、「甲1基準面」といい、本件発明2の「第1基準面」に相当する。)に垂直な方向において、モータ収容室22と重なるものとはいえない。 これに対し、甲6には、上記2(3)エに示すように、ハウジング9と駆動装置11のケースとをねじ止めするねじ部材を甲6基準面に垂直な方向において、駆動装置11の円筒部と重なる位置に設けることが記載されているが、このねじ部材は、回転力を与える工具と嵌合する部分が駆動装置11のケースの外部に露出するものであり、また、甲7には、2(4)オに示すように、チャンバ本体2とギアボックス1とをネジ止めする締結ネジ3を甲7基準面に垂直な方向において、ギヤボックス1の円筒部と重なる位置に設けることが記載されているが、この締結ネジ3は、回転力を与える工具と嵌合する部分が駆動装置11のケースの外部に露出するものである。 そうすると、甲1発明に甲6又は甲7に記載された事項を適用し、甲1発明の甲1基準面に垂直な方向において、モータ収容室22とネジの回転軸線が重なるようにしたとしても、このネジは、回転力を与える工具と嵌合する部分がアクチュエータハウジング5の外部に露出するものとなるから、本件発明2の発明特定事項である「前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」るものとはならない。 そして、本件発明2は、相違点2-1-1及び相違点2-1-3に係る本件発明2の発明特定事項を備えることにより、「ケースの内側からボディに向かって操作する工具の操作方向を、各ねじ部材について容易に同一方向に揃えることができるので、ボディに対するケースの取付け工程を簡略化することも可能である」(発明の詳細な説明【0009】参照)とともに「モータ側締結部がモータ収容室の近傍に位置するので、重量物である電動モータを、ケースの一部を介しながらも、ボディにより強固に保持することができる」(発明の詳細な説明【0011】参照)という甲1発明及び甲6、甲7に記載された技術からは奏し得ない効果を有するものである。 よって、甲1発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて、相違点2-1-1及び相違点2-1-3に係る本件発明2の発明特定事項を得ることが当業者にとって容易であるとは、いえないから、相違点2-1-2を検討するまでもなく、本件発明2は、甲1発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 申立人は、上記相違点2-1-3に係る本件発明2の発明特定事項について、技術分野が共通する甲6及び甲7に記載されており、甲1発明に適用することで、本件発明2は、当業者が容易に想到し得るものである旨、主張する(特許異議申立書24ページ18行ないし25ページ16行)。しかし、上記のとおり、甲1発明に甲6又は甲7に記載された技術を適用しても、「各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」ているものとはならず、ケースの外部に該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備えるものとなるから、申立人の主張は、採用することができない。 5 申立て理由2-2について (1)本件発明2と甲2発明との対比 本件発明2と甲2発明とを対比すると、甲2発明の「空気が流れる」は、本件発明2の「流体が流れる」に相当し、以下同様に、「吸気通路」は、「主流路」に、「形成された」は、「設けられた」に、「ダイキャスト製」は、「金属製」に、「スロットルボデイ10」は、「ボディ」に、それぞれ相当する。したがって、甲2発明の「空気が流れる吸気通路が形成されたダイキャスト製のスロットルボデイ10」は、本件発明2の「流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディ」に相当する。 甲2発明の「前記吸気通路内で回転して該吸気通路を流れる空気流量を可変する」は、本件発明2の「前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する」に相当し、同様に、「バタフライ形絞弁40」は、「弁体」に相当する。したがって、引用発明の「前記吸気通路内で回転して該吸気通路を流れる空気流量を可変するバタフライ形絞弁40」は、本件発明2の「前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体」に相当する。 甲2発明の「嵌合される」は、本件発明2の「取り付けられる」に相当し、以下同様に、「ギアボックス20」は、「ケース」に、「回転する」は、「駆動する」に、「アクチュエータ80」は、「電動アクチュエータ」に、「回転」は、「駆動力」に、「第1ギア50、第2ギア60、第3ギア70」は、「動力伝達機構」に、「中に取り付けられる」は、「内部に収容する」に、「ギアボックス20」は、「ケース」に、「有する」は、「備える」に、「スロットル制御装置」は、「流体制御弁」にそれぞれ相当する。したがって、甲2発明の「前記スロットルボデイ10に嵌合されるギアボックス20であって、前記バタフライ形絞弁40を回転するアクチュエータ80と該アクチュエータ80の回転を前記バタフライ形絞弁40に伝える第1ギア50、第2ギア60、第3ギア70とを中に取り付けられるギアボックス20とを有するスロットル制御装置」と本件発明2の「前記ボディに取り付けられる樹脂製のケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁」とは、「前記ボディに取り付けられるケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁」である限りにおいて一致している。 甲2発明の「一体的に固着する」は、本件発明2の「締結する」に相当し、同様に、「固着部」は、「締結部」に相当する。したがって、甲2発明の「前記スロットルボデイ10と前記ギアボックス20とを一体的に固着する固着部」と本件発明2の「前記ボディと前記ケースとを締結する複数の締結部」とは、「前記ボディと前記ケースとを締結する締結部」である限りにおいて一致する。 甲2発明の「回動自在」は、本件発明2の「回転可能」に相当し、以下同様に、「保持される」は、「支持される」に、「絞弁軸42」は、「弁軸」に、「固着される」は、「固定される」に、「回転する弁」は、「回転式弁体」にそれぞれ相当する。したがって、甲2発明の「前記バタフライ形絞弁40は、前記吸気通路内に回動自在に配置されて前記スロットルボデイ10に保持される絞弁軸42に固着される回転する弁であり」は、本件発明2の「前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり」に相当する。 甲2発明の「前記アクチュエータ80は、略円筒形状の外形を有し、略円筒形状の中心軸線にアクチュエータ80の回転軸が平行であるアクチュエータ80であり」は、本件発明2の「前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり」に相当する。また、甲2発明の「前記回転軸と絞弁軸42とは略平行であり」は、本件発明2の「前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり」に相当する。 甲2発明の「アクチュエータ配置部」は、本件発明2の「モータ収容部」に相当する。したがって、甲2発明の「前記ギアボックス20は、前記アクチュエータ80を収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記固着部よりも前記スロットルボデイ10側へ突出した円筒形状のアクチュエータ配置部を有し」は、本件発明2の「前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有し」に相当する。 そうすると、本件発明2と甲2発明とは次の一致点2で一致し、相違点2-2-1及び2-2-2の点で相違する。 ・一致点2 流体が流れる主流路が設けられた金属製のボディと、 前記主流路内の流路断面積を調整して該主流路に流れる流体の量を調整する弁体と、 前記ボディに取り付けられるケースであって、前記弁体を駆動する電動アクチュエータと該電動アクチュエータの駆動力を前記弁体に伝える動力伝達機構とを内部に収容するケースとを備える流体制御弁において、 前記ボディと前記ケースとを締結する締結部を備え、 前記弁体は、前記主流路内に回転可能に配置されて前記ボディに支持される弁軸に固定される回転式弁体であり、 前記電動アクチュエータは、略円筒形状の外形を有し、該略円筒形状の中心軸線に回転軸が平行である電動モータであり、 前記回転軸と前記弁軸とは略平行であり、 前記ケースは、前記電動モータを収容し、かつ前記回転軸の長さ方向において前記締結部よりも前記ボディ側へ突出した円筒状のモータ収容部を有する流体制御弁。 ・相違点2-2-1 本件発明2は、ケースが樹脂製であるのに対し、甲2発明は、ギアボックス20の材質が不明な点。 ・相違点2-2-2 本件発明2は、「複数の」締結部を備え、「各締結部は、前記ボディに設けられたねじ受部と、該ねじ受部に前記ケースの対応部分を通して螺合させることにより該ねじ受部と該対応部分とを締結するねじ部材とで構成され、各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」、「前記締結部のうちの少なくとも2つは、前記回転軸及び前記弁軸の両中心軸線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり、各モータ側締結部の前記ねじ部材の回転軸線は、前記第1基準面に垂直な方向において、前記モータ収容部と重なる」のに対し、甲2発明は、固着部が複数あるものとはされておらず、この固着部が「前記スロットルボデイ10に形成された開口と、該開口に嵌合させることにより前記スロットルボデイ10と前記ギアボックス20とを一体的に固着する印籠部22とを有し」、「固着部の前記印籠部22は、その中央の貫通口を前記絞弁軸42が貫通している」点。 (2)判断 事案に鑑み、相違点2-2-2から検討する。 まず、甲6には、上記2(3)エに示すように、ハウジング9と駆動装置11のケースとをねじ止めするねじ部材を甲6基準面に垂直な方向において、駆動装置11の円筒部と重なる位置に設けることが記載されているが、このねじ部材は、回転力を与える工具と嵌合する部分が駆動装置11のケースの外部に露出するものであり、また、甲7には、2(4)オに示すように、チャンバ本体2とギアボックス1とをネジ止めする締結ネジ3を甲7基準面に垂直な方向において、ギヤボックス1の円筒部と重なる位置に設けることが記載されているが、この締結ネジ3は、回転力を与える工具と嵌合する部分が駆動装置11のケースの外部に露出するものである。 そうすると、甲2発明に甲6又は甲7に記載された技術を適用し、甲2発明のアクチュエータ80の回転軸と絞弁軸42の両中心軸線を含む面(以下、「甲2基準面」といい、本件発明2の「第1基準面」に相当する。)に垂直な方向において、モータ収容室22とネジの回転軸線が重なるように、スロットルボデイ10とギアボックス20とを締結するネジを設けたとしても、このネジは、「前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」るものとはならない。 そして、本件発明2は、相違点2-2-2に係る本件発明2の発明特定事項を備えることにより、「ケースの内側からボディに向かって操作する工具の操作方向を、各ねじ部材について容易に同一方向に揃えることができるので、ボディに対するケースの取付け工程を簡略化することも可能である」(発明の詳細な説明【0009】参照)とともに「モータ側締結部がモータ収容室の近傍に位置するので、重量物である電動モータを、ケースの一部を介しながらも、ボディにより強固に保持することができる」(発明の詳細な説明【0011】参照)という甲2発明及び甲6、甲7に記載された技術からは奏し得ない効果を有するものである。 よって、甲2発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて、相違点2-2-2に係る本件発明2の発明特定事項を得ることが当業者にとって容易であるとは、いえないから、相違点2-2-1を検討するまでもなく、本件発明2は、甲2発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 よって、相違点2-2-1を検討するまでもなく、本件発明2は、甲2発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 申立人は、甲2の図2には、「ギアボックス20の内部において、ギアボックス20をスロットルボディ10に締結するべく、絞弁軸42の周りに三つのねじが配置され、三つのねじはその頭部において工具を嵌合させる溝穴を備えた構成」が示されていると主張(特許異議申立書9ページ12行ないし同ページ25行)し、さらに、技術分野が共通する甲6及び甲7には、「三つの締結部のうちの少なくとも2つの締結部は、電動モータの回転軸及び弁軸の両中心線を含む第1基準面の一方の側と他方の側にそれぞれ少なくとも1つ設けられるモータ側締結部であり」、「各モータ側締結部のねじ部材の回転軸線は、第1基準面に垂直な方向において、モータ収容部と重な」る構成が示されているから、これを甲2発明に適用することで、本件発明2は当業者が容易に想到し得るものであると主張する(特許異議申立書24ページ18行ないし25ページ16行)。 ここで、甲2の【図2】は、上記2(2)ア(ク)に示すとおりであり、ギアボックス20を上方からみた状態のものであって、この図より、複数のねじとみられる部材が設けられていることが看取れるが、仮に、これら甲2の図2に記載されたねじが、「ギアボックス20をスロットルボディ10に締結する」ものであったとしても、上記のとおり、甲2発明において、甲2基準面に垂直な方向からみて、アクチュエータ配置部とねじ部材の回転軸線が重なるものではなく、さらに、甲2発明に甲6及び甲7に記載された事項を適用しても「各ねじ部材は、前記ケースの内部に露出し、該ねじ部材に回転力を与える工具と嵌合する嵌合部を備え」るものとはならないから、甲2発明に甲6及び甲7に記載された事項を適用し、上記相違点2-2-2に係る本件発明2の発明特定事項を得ることは、当業者であっても容易ではなく、申立人の主張は、採用することができない。 6 申立て理由3-1、3-2、4-1及び4-2について まず、本件特許の請求項3及び4は、請求項2の記載を引用する形式で記載され、これにより特定される本件発明3及び4は、本件発明2の発明特定事項を全て具備し、これにさらに限定したものである。 そうすると、本件発明2について示したと同様の理由により、本件発明3は、甲1発明、甲6又は甲7及び甲8に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、甲2発明、甲6又は甲7及び甲8に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 また、同様に、本件発明4は、甲1発明、甲6又は甲7及び甲8並びに甲9又は甲10に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、甲2発明、甲6又は甲7及び甲8並びに甲9又は甲10に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 第7 結論 以上のとおり、本件発明2は、甲1発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、また、甲2発明及び甲6又は甲7に記載された技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 本件発明3は、甲1発明、甲6又は甲7及び甲8に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、また、甲2発明、甲6又は甲7及び甲8に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 本件発明4は、甲1発明、甲6又は甲7及び甲8並びに甲9又は甲10に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、甲2発明、甲6又は甲7及び甲8並びに甲9又は甲10に記載された技術に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。 本件訂正により請求項1は削除された。これにより、申立人による特許異議の申立てについて、請求項1に係る申立ては、申立ての対象が存在しなくなったため、請求項1に対する特許異議の申立てを却下する(法120条の8において準用する法135条)。 よって、結論のとおり決定する。

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2022-700241

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