特許異議申立
2022-700119
橋梁構築方法
- 審判番号
- 2022-700119
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 異議申立(異議の決定)
- 出願番号
- 特願2018-012881
- 登録番号
- 6917318
- 請求日
- 2022年02月10日
- 審決日
- 2022年05月26日
- 公報発行日
- 2022年06月24日
- 結論
- 維持
- 当事者
- 【権利者】鹿島建設株式会社
- 【権利者代理人】井上 誠一
- 【権利者】ヒロセ株式会社
- 【権利者代理人】井上 誠一
- 【異議申立人】中川 賢治
- 審判長/審判官
- 審判長 森次 顕
- 審判官 西田 秀彦
- 審判官 藤脇 昌也
- 分類
- P1651.121-Y (E01D)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第29条第2項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6917318号発明「橋梁構築方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。
結論
結 論
特許第6917318号の請求項1ないし7に係る特許を維持する。
理由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6917318号(以下「本件特許」という。)の請求項1~7に係る特許についての出願は、平成30年1月29日に出願され、令和3年7月21日にその特許権の設定登録がされ、令和3年8月11日に特許掲載公報が発行された。その後、その請求項1~7に係る特許に対し、令和4年2月10日に特許異議申立人中川賢治(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされたものである。
第2 本件発明
本件特許の請求項1~7の特許に係る発明(以下、「本件発明1」等といい、全体の発明を「本件発明」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1~7に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】
橋梁の既設部分の前方にガイド材を延ばすように、前記既設部分に前記ガイド材を取付ける工程と、
前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程と、
前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程と、
後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程と、
前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程と、
を繰り返すことで橋梁を構築し、
後部の前記杭と前部の前記杭が合わせて3本以上存在し、各杭が平面において多角形の各頂点となる位置にあることを特徴とする橋梁構築方法。
【請求項2】
前記多角形は三角形であり、
後部の前記杭が1本、前部の前記杭が2本存在することを特徴とする請求項1記載の橋梁構築方法。
【請求項3】
前記後部の杭を打設した後、前記ガイド材を当該杭に仮固定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の橋梁構築方法。
【請求項4】
前記ガイド材は、前記杭の位置を位置決めするための位置決め部を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の橋梁構築方法。
【請求項5】
前記各杭の打設を行った後、前記各杭で囲まれた範囲にゴンドラを配置し、
前記ゴンドラを利用して隣り合う前記杭の間にブレースを設置することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の橋梁構築方法。
【請求項6】
前記ゴンドラを配置する前に、前記ガイド材を後方にずらして前記範囲から退避させることを特徴とする請求項5に記載の橋梁構築方法。
【請求項7】
前記支持材を設置した後、前記ガイド材を前記既設部分から抜き取ることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の橋梁構築方法。」
第3 特許異議申立理由の概要及び証拠
1 特許異議申立理由の概要
申立人は、特許異議申立書(以下「申立書」という。)において、概ね以下の申立て理由を主張するとともに、証拠方法として以下に示す各甲号証を提出している。
(1)本件発明1~7は、甲第1号証に記載された発明、周知慣用技術1(甲第2号証及び甲第6号証)、周知慣用技術1’(甲第2号証、甲第6号証及び甲第7号証)、周知慣用技術2(甲第3号証及び甲第4号証の1)及び周知技術3(甲第5号証)に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
(2)本件発明1~7は、甲第6号証に記載された発明、周知慣用技術1’、周知慣用技術4(甲第1号証及び甲第2号証)、周知慣用技術5(甲第8号証、甲第9号証及び甲第10号証)、周知慣用技術2及び周知慣用技術3に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。
2 証拠
甲第1号証 :特開2001-115421号公報
甲第2号証 :特公昭47-20712号公報
甲第3号証 :彦坂智基 他3名、“基礎形状の不整形性や基礎形式 の混用が基礎入力動に与える影響
(その1)三角形状の基礎と一部に根入れのある直接 基礎について”、
日本建築学会大会学術講演梗概集(東北)、日本建 築学会、2009年8月、p373-374
甲第4号証の1:大林組120年史について「東京スカイツリーを築い た技術」「1.タワーを支える杭をつくる」、株式会 社大林組、[online]、[令和4年1月31日検索] 、インターネット
<URL: https://www.obayashi.co.jp/chronicle/technology/c3s1.html>
甲第4号証の2:甲第4号証の1(<URL: https://www.obayashi.co.j p/chronicle/technology/c3s1.html>)の検索結果、 Internet Archive:Wayback Machine、[online]、 2022年1月31日、[令和4年1月31日検索] 、インターネット
<URL:http://web.archive.org/web/2015*/https://www.obayashi.co.jp/chronicle/technology/c3s1.html>
甲第5号証 :特開2005-282280号公報
甲第6号証 :特開昭59-68410号公報
甲第7号証 :特開2016-199929号公報
甲第8号証 :特開2010-37725号公報
甲第9号証 :特開2013-23975号公報
甲第10号証 :特開2005-97856号公報
第4 各甲号証の記載
1 甲第1号証
(1)甲第1号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第1号証には、以下の事項が記載されている。(下線は決定で付した。以下同様。)
ア「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仮橋仮桟橋の架設方法に関するものである。」
イ「【0008】
【発明の実施の形態】<イ>ベースステージの構築
地山上からクレーン及びバイブロハンマーなどを用いて、図1、2に示すように、まず最初のステージを構築する。本実施の形態は、H鋼、鋼管等の支柱1を3本並列させて2列打設する場合であるが、施工本数は施工規模等の諸条件によって異なる。また、ベースステージの構築方法は種々の公知の方法で行うことができる。
【0009】次に、仮橋の架設方向に対して直交方向に並ぶ各支柱1の頭部間を、一対の横桁11で挟持して溶接等により連結する。このとき、横桁11の両端部は、両端の支柱1から側方に突出させ、後述のビームを搭載するための受梁部12とする。さらに、パネル化したブレス13によって、仮橋の架設方向に並ぶ各支柱1間を連結して補強する。ブレス13はパネル化することで現場溶接の手間を削減できる。
【0010】次に、横桁11上の受梁部12間に、仮橋の架設方向に向けて、複数本の主桁14を適宜間隔をおいて接合する。主桁14にはH鋼などを使用する。そして主桁14上には、複数枚の覆工板15を敷き並べる。
【0011】<ロ>ビームの張り出し
図3に示すように、H鋼等の二本のビーム2の一端側を、受梁部12上に支圧板21、止め金具22等を用いて片持式に固定し、ベースステージの両側部から架設方向に張り出させる。ビーム2間はブレス23等で連結して補強する。ビーム2の張り出し作業は、クレーン3でビーム2を吊り上げた状態で行う。
【0012】また、図示しないが、ビーム2には全長に沿って作業足場を取り付けておき、ブレス23の設置作業など、全工程に亘って必要な上部工を行う。なお、図示しないが、仮橋仮桟橋の規模によっては、ステージの両側部と中間部に覆工板15を配置しない受梁部12を設け、3本以上のビーム2を架設することも考えられる。
【0013】<ハ>仮杭の打設
2本のビーム2の先端の内側近傍に、H鋼等の仮杭4を打設する。打設作業は、覆工板15上に乗り入れたクレーン3によって仮杭4を吊り上げ、バイブロハンマーによって基面地山に打ち込んで行う。打設作業は現場に合せて適切な施工法を決定する。なお、この仮杭4を打設した後に、ビーム2の張り出し作業を行ってもよい。また、ビーム2を3本以上架設する場合は、その数に対応させて仮杭4も打設する。
【0014】<ニ>ビーム先端の支持
打設した仮杭4の上端部に、ビーム2の先端を支持させる。支持手段は、図3、4に示すようなH鋼等の受桁41と、その保持装置5を用いて行う。保持装置5は、図4に示すように、仮杭4のH鋼のウェブ部等に引っ掛けるための帯板状等の掛止部材51と、受桁41を保持するボックス状の保持部材52とよりなる。
【0015】掛止部材51は、帯板体等の上端に仮杭4に引っ掛けるためのフック部を形成する。保持部材52は、2枚の板体を対向させてボックス状等に構成し、受桁41を水平方向に挿入するための挿入口53を各板体に開設する。そして、図4に示すように、両板体間に掛止部材51を挟んだ状態で、両者に開設した穴54、55を重ねてピン56で連結する。なお、ピン56の頭部側には板状のストッパ57が取り付けてあり、受け溝を有するストッパ受け58に掛止し、脱落防止を図る。
【0016】ビーム2の先端の支持方法は、先ず、打設した仮杭4の上端部に、掛止部材51を予め取り付けおく。次に、保持部材52を受桁41の両端側に取り付けた状態で、受桁41をビーム2の下面にブルマン等で固定する。次に、ビーム2のしなりが修正されるまでクレーン3で受桁41を吊り上げた後、ピン56で掛止部材51と保持部材52を連結する。これによって、ビーム2に作用する後述の掘削装置7の作動時の反力及び荷重が、保持装置5を介して仮杭4に伝達分担される。
【0017】図5は、岩盤施工用の管体状の仮杭42の場合に用いる保持装置6を示す。この保持装置6は、仮杭42に掛止するための掛止部材61と、受桁41を保持するための保持部材62と、それらを連結するための嵌装部63とよりなる。
【0018】掛止部材61は、U字状に曲折しており、その一端側は仮杭42の管体上端開口部に差し込み可能で、他端側には複数の穴64aが開設されている。保持部材62は、2枚の板体を対向させてボックス状等に構成し、受桁41を水平方向に挿入するための挿入口65を各板体に開設してある。
【0019】嵌装部63は、仮杭42を挿入可能な管体であり、その一方側にブラケット66を突設し、ヒンジ67で保持部材62を回動自在に軸支し、他方側には平板部68を設けて、ピン69の挿入穴64bを複数開設する。なお、嵌装部63は半割り状態の管体を開閉自在にヒンジ連結する構造でもよい。
【0020】ビーム2の先端の支持方法は、先ず、保持部材62及び嵌装部63を受桁41の両端側に取り付けた状態で、受桁41をビーム2の下面にブルマン等で固定する。次に、嵌装部63に仮杭42を挿入し、仮杭42の上端部をクレーン3で吊った打込ウェイトなどで打撃して仮杭42を鉛直方向に打ち込む。このとき、ビーム2及び保持部材62が斜め姿勢であっても、ヒンジ67を介して嵌装部63及び仮杭42の鉛直姿勢を保持することができる。嵌装部63が鉛直姿勢になったら、ヒンジ67を図示しないストッパで固定する
【0021】仮杭42の打設後、仮杭42の上端部に、掛止部材61を取り付ける。そして、ビーム2のしなりが修正されるまでクレーン3で受桁41を吊り上げ、掛止部材61と平板部68の穴64a、64bが重なる部分にピン69を差し込んで両者を連結固定する。
【0022】<ホ>支柱の立て込み
両ビーム2を仮杭4に支持した後、図3に示すように、ビーム2間に架台24を横架し、その上に掘削装置7をセットする。掘削装置7は、架台24上に固定した回転装置71と、クレーン3で吊り下げて回転装置71に回転可能に貫通させたダウンザホールドリル72等の公知の装置を用いる。
【0023】この掘削装置7で掘削した後、ビーム2に定規を取り付けて固定し、ビーム2間に支柱1を間隔をおいて所定本数立て込む。本実施の形態は、図6に示すように、ビーム2間方向に間隔をおいて3本配設し、それを架設方向に2列に配列した場合である。
【0024】上記のようにビーム上及びベースステージ上において支柱1の立て込み作業を行えるため、地上での架台仮組が不要である。また、ベースステージ上から50トンクレーンで最大15m先の地盤に支柱1の施工が可能であるため、1工程の施工距離を長くできる。
【0025】<ヘ>ステージの構築
図6、7に示すように、ビーム2に吊足場8をセットする。そして、この吊足場8や、図示しないがビーム2に配備したその他の作業足場より、図1、2のベースステージの構造と同じように、新たに打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施す。このとき、主桁14はベースステージの主桁14と連結し、覆工板15はブレス23を撤去してベースステージ(当審注:「ベースステージを」の誤記と認める。)連続して敷き詰める。これらの上部工はビーム2上で行えるため、地面からの仮足場の組立は不要である。
【0026】<ト>ビームの送り出し
覆工終了後、図8に示すように、ビーム2を1ピッチ前方に送り出し、新設ステージの受梁部12上に、図3と同様に、ビーム2を片持ち式に固定し、架設方向に張り出させる。以上の工程を繰り返して行い、所定長の仮橋仮桟橋を構築する。
【0027】なお、図9に示すように、ビーム2と受梁部12との間に公知の回転ピース9を介在させ、かつ架設方向先端側(図では右側)に、加えてブロック91を介在させることによって、ビーム2を勾配に応じて傾斜させて張り出させることが可能となる。」
ウ 図面
(ア)図2
「
[図:0001385226000001.jpg]
」
(イ)図3
「
[図:0001385226000002.jpg]
」
(ウ)図6
「
[図:0001385226000003.jpg]
」
上記図6から、ビーム2間方向に間隔をおいて3本配設し、それを架設方向に2列に配列する支柱1において、そのうちの一方の1列が、ビーム2の架設方向中間部に立て込まれ、他方の1列が、ビーム2の架設方向先端側に立て込まれている点が看取できる。
(エ)図8
「
[図:0001385226000004.jpg]
」
上記図8から、ブレス13は、ビーム2が張り出す方向と概ね同じ方向に配置された支柱1間に設けられた点が看取できる。
(2)甲第1号証に記載された発明
上記(1)によれば、甲第1号証には、次の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されているものと認められる。
なお、上記イ(【0026】)には、「以上の工程」と記載されていることから「<イ>ベースステージの構築」を、「ベースステージの構築の工程」と解して認定する。「<ロ>ビームの張り出し」~「<ト>ビームの送り出し」についても同様に認定する。
(甲1発明)
「仮橋仮桟橋の架設方法において、
支柱1を3本並列させて2列打設し、仮橋の架設方向に対して直交方向に並ぶ各支柱1の頭部間を、一対の横桁11で挟持して溶接等により連結し、横桁11の両端部は、両端の支柱1から側方に突出させ、ビームを搭載するための受梁部12とし、横桁11上の受梁部12間に、仮橋の架設方向に向けて、複数本の主桁14を適宜間隔をおいて接合し、主桁14の上には、複数枚の覆工板15を敷き並べるベースステージの構築の工程と、
二本のビーム2の一端側を、受梁部12上に支圧板21、止め金具22等を用いて片持式に固定し、ベースステージの両側部から架設方向に張り出させ、ビーム2間はブレス23等で連結して補強する、ビームの張り出しの工程と、
二本のビーム2の先端の内側近傍に、H鋼等の仮杭4を打設する仮杭の打設の工程と、
打設した仮杭4の上端部に、ビーム2の先端を支持させるビーム先端の支持の工程と、
両ビーム2を仮杭4に支持した後、ビーム2間に架台24を横架し、その上に掘削装置7をセットし、掘削装置7で掘削した後、ビーム2に定規を取り付けて固定し、ビーム2間に支柱を間隔をおいて所定本数立て込み、ビーム2間方向に間隔をおいて3本配設し、それを架設方向に2列に配列し、そのうちの一方の1列が、ビーム2の架設方向中間部に立て込まれ、他方の1列が、ビーム2の架設方向先端側に立て込まれる支柱1の立て込みの工程と、
ビーム2に吊足場8をセットし、この吊足場8や、その他の作業足場より、ベースステージの構造と同じように、新たに打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施し、ブレス13は、ビーム2が張り出す方向と概ね同じ方向に配置された支柱1間に設けられ、主桁14はベースステージの主桁14と連結し、覆工板15はブレス23を撤去してベースステージを連続して敷き詰めるステージの構築の工程と、
覆工終了後、ビーム2を1ピッチ前方に送り出し、新設ステージの受梁部12上に、ビーム2を片持ち式に固定し、架設方向に張り出させるビームの送り出しの工程を有し、
以上の工程を繰り返して行い、所定長の仮橋仮桟橋を構築する、
仮橋仮桟橋の架設方法。」
2 甲第2号証
(1)甲第2号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第2号証には、以下の事項が記載されている。
ア「発明の詳細な説明
この発明は、既製の支柱及び補助支柱に支えられ橋の縦方向に可動の足場により、クレーン、くい打ち機などのような足場に配置された建設機械を用いて連続的に基礎及び支柱が作られる多数径間の橋または類似物の建設法及び装置に関するものである。」(1頁1欄32行~2欄1行)
イ「次に図面を参照してこの発明の実施例を説明する。
第7~11図に示した海上に突出する桟橋10を構築するためには足場11が設置される。足場11は枠状のねじれ強い中央部11a及び桁状の延長部11b,11cから成る。中央部11aも延長部11b,11cも箱状断面をもつフロートである。中央部11aの輪郭は長方形の枠の形をなし、その桁11a′は互に非常に広い間隔で配置されているので、主支持台12と図示されていない車道板とから成る上部構造は桁11a′の間に配置される。中央部11a及び延長部11b,11cの寸法は、桁11a′、横材11a”によつて限定された中央部11aの枠の孔に4個の延長部11cが適合し、それぞれ2個の延長部11bが、中央部に接して横材11a”の延長部に配置された片持ばり13の間の桁11a′の側の外側の空所に適合するように互に合される。
このようにして連結された足場11の部分はポンツーンを形成し、このポンツーンは腕15と4本の支持脚16,17をもつクレーン14を保持し(第1図)、全体が浮遊して使用場所に運ばれる(第2図)。
任意の桟橋の径間を限定する支柱22,23の間の桟橋の縦軸に足場11が浮遊して入つた後、腕15がクレーン14に取付けられ、中央部11aの片持ばり13にそのために設けられた孔18に支持脚17が挿入される。次に予め所定の位置に配置された押上装置19によつて支持脚17が水底におろされ、足場の中央部11aはクレーン14と一緒に支持脚17に沿つて水中から持上げられ、完成した場合の上部構造の高さまで持上げられる(第3図)。次に最初に水上に残されていた延長部のうち延長部11bがクレーン14によつて中央部11aの桁11a′と並べて中央部11aに取付けられる。足場11の桁に沿つて動き、穿孔器、外被管などを保持する枠車31を吊した後基礎及び支柱22,23がクレーン14により足場11で作られる。この実施例においては支柱22,23は頭部がそれぞれ1本の繋梁22c,23cによつて互に連結されているそれぞれ2本の鉄骨または鉄筋コンクリート支柱22a,22b及び23a,23bから成る。繋梁22c,23cには持送り32が取りはずし自在に取付けられ、支柱22,23の完成後この持送り32の上の滑車33上に足場11がおろされる(第11図)。
支柱22,23上に足場11が置かれるとすぐクレーン14によつて延長部11cを組立てることができる。次に送り方向に向つて前方の支持脚17がクレーンによつて引出され、そのために延長部11bに配置された孔34内に吊される。そこで引込められた支持脚16,17と共に足場11はその前端部を自由に突出させて、矢印35の方向に陸地の方に、次に作られる橋台に向つて送られ、中央部11aが次に続く橋の径間27内に入り、前の延長部11bが次の支柱21の位置に達するまで送り続けられる。支持脚16はそこでおろされ、支持脚17はクレーン14によつて置換えられ、同じく水底におろされる。続いて次の支柱21が作られ、こうして桟橋の橋台まで支柱の列が完成するまで続けられる。その後で上部構造12の布設が橋のたもとから開始される。このためにも足場11及びクレーンが使われる。
上部構造12は第7,8図に示したように各支柱構築直後に作られることもできる。これは陸地から海上に向つて建設が行われる場合、すなわち建設方向が逆の場合に行われることが好ましい。既製鉄骨コンクリート支柱、予め作られた鉄筋コンクリート支柱及び橋桁のような既製コンクリート構造部分はこの場合は予め張られた橋の主保持体と同じく下敷部材35′をもつてでき上つた上部構造の上を運ばれ、ガントリ起重機によつて更に足場11の上に運ばれ、クレーン14に引取られ、取付けられる。支柱、例えば支柱24か作られ、その上に足場が支えられるとすぐ、次の橋の径間30に足場11を更に送る前に、クレーン14及びガントリ起重機36が、すでにその間に作られている前の橋の径間28のところまで延長している上部構造12の上に引戻され、支持脚17は前の橋の径間28にある足場11の部分からクレーン14によつて動かされて、径間30の孔34内に吊りおろされる。同時に足場11の下弦材に可動に吊された枠車は支柱24に吊されるので、枠車は橋の径間30に足場11を送ると足場11に沿つてころがるが、支柱24に対する位置は変らない。足場11が橋の径間30を架橋するとすぐ、支持脚16は水底におろされ、クレーン14は支柱24の上まで送られるので、クレーン14は支柱17を再び前方に置換えることができる。支柱17を水中におろした後は足場11は今度は径間30に定置される。枠車31及びクレーン14は足場11上をこの径間30に送られることができ、基礎及び支柱25を作ることができる。この作動及び状態は第7図の破線と第8~11図とによつて示されている。」(2頁4欄28行~3頁6欄34行)
ウ 図面
(ア)Fig9
「
[図:0001385226000005.jpg]
」
(イ)Fig11
「
[図:0001385226000006.jpg]
」
上記Fig11から、主支持台12が、繋梁21cの上面に設けられている点が看取できる。
3 甲第3号証
(1)甲第3号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第3号証には、以下の事項が記載されている。
ア「2.三角形状基礎の基礎入力動
三角形、及び正方形に配置された杭基礎、根入れ基礎に対して、円直下方からX方向にSH波が入射する問題を考え、各種要因が基礎入力動におよぼす影響について検討する。」(左欄25~28行)
イ 図1
「
[図:0001385226000007.jpg]
」
4 甲第4号証の1及び甲第4号証の2
(1)甲第4号証の1の記載
甲第4号証の1には、以下の事項が記載されている。
ア「1 上下・水平方向の力に耐える巨大な三角形の基礎杭
東京スカイツリーは、高さに対して地盤に立つ足元の幅が小さく、地震や風でタワーが揺れるたびに、塔体の3本の足元には上下や水平方向に大きな力がかかります。これら2つの力に耐えるため、パワフルでかつスリムな「杭」の技術が採用されました。
3本の足元には、上下方向の力に耐える突起の付いた杭「ナックル・ウォール」があり、その間を水平方向の力に耐える巨大な壁「地中連続壁杭」がつないでいます。つまり、足元全体が3本足と3枚の壁による巨大な三角形で構成され、地震や風による揺れに耐える特別な基礎杭となっているのです。」(1枚目6~12行)
イ 甲第4号証の1に記載された技術事項
上記アによれば、甲第4号証の1には、次の技術事項(以下「甲第4号証の1に記載された技術事項」という。)が記載されているものと認められる。
(甲第4号証の1に記載された技術事項)
「足元全体が3本足と3枚の壁による巨大な三角形で構成される三角形の基礎杭。」
(2)甲第4号証の2の記載
「https://www.obayashi.co.jp/chronicle/technology/c3s1.html
・・・
Saved 4 times between June 24,2013 and August 31,2015.」
上記記載より、上記URLに掲載された情報は、2013年6月24日から2015年8月31日までの間に4回にわたって保存されたものであるところ、職権による調査によれば、甲第4号証の1の内容は、これらの保存されたURLの内容と相違ないものと認められる。
(3)小括
上記(1)及び(2)から、上記甲第4号証の1に記載された技術事項は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、電気通信回線を通じて公衆に利用可能となったものであるといえる。
5 甲第5号証
(1)甲第5号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
本発明は、桟橋の支柱同士を連結するための桟橋構築用梁及びこの梁を用いた桟橋構築方法に関する。」
イ「【0020】
固定板(4)と延出部(52)とが重なった状態で、両者を万力等で仮固定し、固定板(4)に設けられた貫通孔(43)にボルトを挿通して、固定板(4)と延出部(52)とをボルト締めにより固定する。このとき、延出部(52)に穴が無い場合には、現場にてドリル、パンチ、ガス等を用いて穴を開けて、この穴と貫通孔(43)とを合わせてボルトを挿通すればよく、延出部(52)に長穴が設けられている場合には、この長穴と貫通孔(43)とを合わせてボルトを挿通すればよい。この作業は、例えば上から吊るしたゴンドラに乗って行うことができる。」
ウ 図8
「
[図:0001385226000008.jpg]
」
6 甲第6号証
(1)甲第6号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第6号証には、以下の事項が記載されている。
ア「本発明は、桟橋の施工方法及びその装置に係り、より詳しくは杭の打設作業が海象条件に左右されず、桟橋の施工を桟橋上から迅速かつ効率よく行なうことができ、しかも打設する杭の位置決めの精度を著しく向上させることのできる桟橋の施工方法及びその装置に関するものである。」(1頁右欄4~10行)
イ「しかして、第1図乃至第3図は、本発明を実施して桟橋を施工している状態を工程順に示すもので、杭支持体1が、順次延長される桟橋2の先端部分に配置されている。該支持体1は、両側の縦枠材1a、これらを連結する横枠材1b及び1c、横枠材1bの垂直枠材1b’、及び逆L字型の垂直枠材1dを有する枠体からなり、両側の縦枠材1aには、杭3を支持する4個のキーパー4が左右対称に配置され、垂直枠材1b’及び1dの上端屈曲部分の内側には、桟橋2のレール5上を移動可能な車輪6が取付けられている。また該支持体1は、その先端側に比べて後端側を重くし、キーパー4で杭3を支持しても、先端側に傾斜することのないように、重量バランスのとれた形に形成されている。なお、7はクローラークレーン、8は設備搭載用の台車であり、台車8には鋼管杭等の杭3、覆工版等の床版9など設備部品が搭載されると共に、クレーン7、杭支持体1への動力供給源となつており、またこの台車8は、車輪10により、レール5上を移動できるようになつている。
作動において、まず杭支持体1を、第1図に示すように、そのキーパー4部分が桟橋2の前方に突出するように移動させて、その位置にセツトする。次いで、杭3を建て込み、キーパー4により把持して、杭3を打設する位置決めを行なう。なお、キーパー4には、第4図に示すように、油圧で作動する開閉シリンダ4a、横行シリンダ4b及び引出シリンダ4cが設けられ、また内側の把持片4eの先端には小ロールSが設けられており、開閉シリンダ4aの作動によるキーパー4の開閉で、杭3の建て込み及び把持を容易にし、かつキーパー4に把持された杭3は、小ロールSの回転により、上下動が可能であり、また横行シリンダ4b及び引出シリンダ4cの作動の組合せによるキーパー4の位置調整で杭3の打設位置を決めることができるようになつている。
次に、第2図に示すように、杭3をキーパー4で把持しながら、バイブロハンマー11或いはデイーゼルハンマーにより海底地盤12へ打設する。次いで、各杭3の頭部を、切断等によつて、同じ高さになるように揃えたのち、第3図に示すように、床版9を、その下部に設けた短杭9aの先端突起9bが、各杭3の頭部に嵌合するように取付ける。これにより床版9が桟橋2の先端部分と連結され、桟橋2がその分だけ延長される。しかして、引続き、この延長部分にレール5を敷設すると共に、杭支持体1を前方へ移動させ、キーパー4部分が桟橋2の前方へ突出する位置に該支持体1をセツトして、杭3の打設、床版9の取付けを行なう作業を繰り返すことにより、桟橋2を順次延長して、所望の長さの桟橋を得る。
なお、前記実施例では、杭支持体1にキーパー4を4個配置し、これに対応して床版9に短杭9aを4個設けているが、これらの個数は適宜に選定することができるとともに、床版9の底面と杭3を直接連結する事も行なわれている。また、杭支持体1の枠体構造やキーパー4の構造も、特に実施例のものに限定されるものではない。」(2頁左下欄3行~3頁右上欄4行)
ウ 図面
(ア)第1図
「
[図:0001385226000009.jpg]
」
上記図1から、杭支持体1における桟橋の延長方向中間部に2つのキーパー4が配置され、杭支持体1における桟橋の延長方向先端側に2つのキーパー4が配置されている点が看取できる。
(イ)第2図
「
[図:0001385226000010.jpg]
」
上記第2図を第1図と合わせてみると、杭支持体1における桟橋の延長方向中間部に配置されたキーパー4に杭3を打設した後に、杭支持体1における桟橋の延長方向先端側に配置されたキーパー4に杭3を打設する点が看取できる。
(ウ)第3図
「
[図:0001385226000011.jpg]
」
(2)甲第6号証に記載された発明
上記(1)によれば、甲第6号証には、次の発明(以下「甲6発明」という。)が記載されているものと認められる。
(甲6発明)
「桟橋の施工方法であって、
杭支持体1が、順次延長される桟橋2の先端部分に配置され、該支持体1は、両側の縦枠材1a、これらを連結する横枠材1b及び1c、横枠材1bの垂直枠材1b’、及び逆L字型の垂直枠材1dを有する枠体からなり、両側の縦枠材1aには、杭3を支持する4個のキーパー4が左右対称に配置され、垂直枠材1b’及び1dの上端屈曲部分の内側には、桟橋2のレール5上を移動可能な車輪6が取付けられているものであり、
杭支持体1を、そのキーパー4部分が桟橋2の前方に突出するように移動させて、その位置にセツトし、次いで、杭3を建て込み、キーパー4により把持して、杭3を打設する位置決めを行ない、
杭支持体1における桟橋の延長方向中間部に配置されたキーパー4に杭3を打設した後に、杭支持体1における桟橋の延長方向先端側に配置されたキーパー4に杭3を打設するものであり、
杭3をキーパー4で把持しながら、海底地盤12へ打設し、次いで、各杭3の頭部を、切断等によつて、同じ高さになるように揃えたのち、床版9を、その下部に設けた短杭9aの先端突起9bが、各杭3の頭部に嵌合するように取付け、これにより床版9が桟橋2の先端部分と連結され、桟橋2がその分だけ延長され、
杭支持体1を前方へ移動させ、キーパー4部分が桟橋2の前方へ突出する位置に該支持体1をセツトして、杭3の打設、床版9の取付けを行なう作業を繰り返すことにより、桟橋2を順次延長して、所望の長さの桟橋を得る、
桟橋の施工方法。」
7 甲第7号証
(1)甲第7号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第7号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0001】
本発明は、橋梁の梁構造を利用して該橋梁の支持杭を打設する架設方法と、この方法で用いる柱体及びガイド手段に関するものである。なお、この出願で言及する「橋梁」には、桟橋、仮桟橋、工事用道路、作業構台、災害復旧時の応急橋、人工地盤、その他の橋の様な構造物などが含まれる。」
イ「【0058】
<工程a>桟橋構築済み部分の前方に桟橋パネルを吊り下ろす工程
図3Aに示す桟橋構築済み部分は、構築途中の桟橋の完成部分であり、主として、上部構造(梁構造)やそれを支える下部構造(橋脚をなす支持杭)で構成されている。桟橋構築済み部分は、完成予定の桟橋全体の一部分の構造物であるが、構築済みの当該部分(図示する構造物部分)だけであっても、上部構造と下部構造を具備する構台として機能する。したがって、桟橋構築済み部分は機械足場として利用可能であり、各種施工用機械や重機をその上に搬入することが可能である。
【0059】
そこで、図3Aに示すように桟橋構築済み部分(機械足場)にクレーンを用意し、これを使って、桟橋パネル1を、該桟橋構築済み部分の前方または側方(すなわち桟橋構築方向/桟橋拡張方向)に吊り下ろす。
【0060】
この桟橋パネル1には、ガイド手段2を取り付けているため、該桟橋パネル1は後述する柱体3の打ち込み時には杭ガイドとして機能する(図3C参照)。更に、桟橋パネル1は、杭ガイド管13を具備しているため、後述する支持杭4の打ち込み時にも杭ガイドとして機能する(図3D参照)。そしてこの桟橋パネル1は、支持杭4の打設完了後には杭ガイドとしての役目を終えるが、その後は、上部構造の一部(桟橋の梁構造としての機能を発揮する用途)として利用できる。
【0061】
<工程b>桟橋パネルを片持ち状に延設する工程
次に、桟橋構築済み部分の前方に用意した桟橋パネル1を、該桟橋構築済み部分の桟橋パネル1’に連結する。この桟橋パネル1’は、既設支持杭4’の打設時に杭ガイドとして機能していた部材であって、図示する状態では上部構造(桟橋の梁構造)の一部として機能している。桟橋パネル1’と桟橋パネル1は、同様の構成を有している。
【0062】
この桟橋パネル1’の端に桟橋パネル1を連結して、桟橋構築済み部分から張り出すように、該桟橋パネル1を片持ち状に延設する。延設した桟橋パネル1は、図3Bに示すとおり、桟橋構築途中部分に張り出している。「桟橋構築済み部分」は桟橋の完成部分であるのに対して、「桟橋構築途中部分」は桟橋の未完成部分である。また、「桟橋構築途中部分」の長さは、一支間長分の長さである。
【0063】
続いて、桟橋構築途中部分において片持ち状に延設した桟橋パネル1を、「杭ガイド」兼「作業足場」として利用できるように、該桟橋パネル1を、桟橋構築済み部分側に立設された反力ポール43に対してワイヤ42で連結する。これにより、桟橋パネル1の荷重を、桟橋構築済み部分側に預けることができる。なお、本実施形態で利用するワイヤ42については、チェーンブロックなどの牽引部材を用いる、またはそれらを組み合わせで用いるなど適宜最適な吊設手段を選択できる。
【0064】
このように片持ち状に取り付けられた桟橋パネル1は、後工程(工程d)での支持杭打設が完了するまでは、柱体3や支持杭4をガイドするための部材(導材)として機能する。一方、必要本数(当該桟橋パネルを使って打設する本数)の支持杭4の打設が完了した後では、杭ガイドとしての役割を終えるが、撤去することなく現状の取付位置で、上部構造の一部(桟橋の梁構造)として機能する。
【0065】
<工程c>桟橋パネルを介して柱体を立設する工程
上述した作業を経て、桟橋パネル1,1’の連結が完了したら、次に、片持ち状に張り出した桟橋パネル1の中間部を支持するための「柱体3(仮杭)」を立設する。このとき、予め桟橋パネル1に固定しておいたガイド手段2のガイド管23に柱体3を通し、該ガイド手段2(ガイド管23)をガイドに利用して、柱体3を地盤上に立設する。
【0066】
本実施形態で用いる柱体3は一例として柱体で構成され、桟橋パネル1を仮支持する支持杭(一時的に支持する杭)として機能するものである。なお、後の工程で打設する支持杭4(図3D参照)は、桟橋が撤去されるまで橋脚として機能するものであるが、工程cで打ち込む柱体3は支持杭4(本杭)が打設されるまでの間、一時的に桟橋パネル1を支持するものである。つまり、支持杭4(本杭)によって桟橋パネル1が支持された後は、柱体3は撤去される。
【0067】
なお、本実施形態で打ち込む柱体3は、桟橋完成後に橋脚として機能するものではないが(後の工程eで引き抜くため)、この柱体3を引き抜くことなく桟橋完成後も橋脚として機能させることも勿論可能である。例えば、一時的に積載する重量が大きく荷重条件が厳しくなるような場合、柱体3によって支持することができる。」
ウ 図面
(ア)図3C
「
[図:0001385226000012.jpg]
」
(イ)図3D
「
[図:0001385226000013.jpg]
」
8 甲第8号証
(1)甲第8号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第8号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【要約】
【課題】大型のブラケットを不要とし、少ない工程で、短期間に、かつより安全なされるPC橋における柱頭部施工方法の提供。【解決手段】先に構築されている橋脚上端の脚頭部上端面に、柱頭部10の両側の初期張出部13の下床版14に埋設される高さ位置に型鋼材17を固定し、該型鋼材に下床版14を形成するための下床版形成用型枠を吊持ちさせ、下床版形成用型枠内に場所打ちコンクリートを打設して下床版14を形成し、その下床版14に支持させてウエブ形成用の型枠を組み、場所打ちコンクリートを打設して複数のウエブ15を形成し、そのウエブ15と下床版14とに支持させて上床版16を形成するための上床版形成用型枠を組み、場所打ちコンクリートを打設して上床版をウエブと一体化させた状態に形成する。」
イ「【0014】
次に本発明の実施の形態を図面に示した実施例に基づいて説明する。図1、図2は、本発明に係る柱頭部施工方法によって形成された柱頭部構造を示している。同図において符号10は張り出し架設される橋桁の基端部を構成する柱頭部であり、11はこの柱頭部10を支持している橋脚の脚頭部を示している。柱頭部10は、脚頭部11の真上部分に形成された中実なコンクリート製の柱頭本体部12と、この柱頭本体部12の橋桁長さ方向(橋軸方向)の両端に張り出した初期張出部13,13とから構成されている。
【0015】
また、柱頭部10の両初期張出部13は、断面が箱型に形成されており、下床版14、該下床版14の両側部に一体に立ち上げた形状のウエブ15,15及び両ウエブ15,15上に一体に掛け渡した配置の上床版16とから構成され、上床版16は、ウエブ15,15上間に掛け渡した配置の内床版部16aと、該ウエブ15,15上部から橋桁幅方向の両側に張り出した張り出し床版部16b,16bとから構成されている。
【0016】
この柱頭部10は、図には示してないが、補強鋼材としての鉄筋及びプレストレス付与用のPC緊張材が埋設されている。これらの鋼材の他に、柱頭部10の底部、即ち両下床版部14,14の中央高さ部分及び、これに対応する柱頭本体部12の底部に連続してH型鋼材からなる型鋼材17が複数平行に埋設されている。」
ウ 図1
「
[図:0001385226000014.jpg]
」
9 甲第9号証
(1)甲第9号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第9号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0003】
これら橋桁では、図7に示すように上床版111および下床版112に橋桁断面の内側に突出する増厚部、すなわち上床版111には下方へ突出する増厚部111bを、下床版112には上方へ突出する増厚部112bを形成することで、上床版111および下床版112とウェブ113との接合強度を高めている。」
イ 図7
「
[図:0001385226000015.jpg]
」
10 甲第10号証
(1)甲第10号証の記載
本件特許出願前に頒布された甲第10号証には、以下の事項が記載されている。
ア「【0014】
図1の実施形態は、中央径間が 100m以上のダブルデッキ構造の道路橋に本発明を適用した一例であり、コンクリート製の上床版1と下床版2を鋼管トラス3で連結してダブルデッキ構造の鋼・コンクリート複合トラス橋を形成し、橋脚4上の支点部5に設けた偏向部6の上下にそれぞれ大偏心外ケーブル7、8を配置し、上下の大偏心外ケーブル7、8で上床版1と下床版2をそれぞれ支持してダブルデッキ・ダブル大偏心外ケーブル橋を構成する。上床版1・下床版2ともに車道として利用される。」
イ 図1
「
[図:0001385226000016.jpg]
」
第5 当審の判断
1 甲第1号証を主引用例として
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲1発明とを対比する。
(ア)甲1発明の「仮橋仮桟橋」は、本件発明1の「橋梁」に相当する。
甲1発明の「ベースステージ」は、ビーム2を張り出して仮橋仮桟橋を構築する際には、既に施工がなされた構造物であるといえる。
そうすると、甲1発明の「ベースステージ」は、本件発明1の「橋梁の既設の部分」に相当する。
甲1発明の「支柱1」及び「二本のビーム2」は、本件発明1の「杭」及び「ガイド材」にそれぞれ相当する。
(イ)甲1発明の「二本のビーム2の一端側を、受梁部12上に支圧板21、止め金具22等を用いて片持式に固定し、ベースステージの両側部から架設方向に張り出させ」る「ビームの張り出しの工程」は、本件発明1の「橋梁の既設部分の前方にガイド材を延ばすように、前記既設部分に前記ガイド材を取付ける工程」に相当する。
(ウ)甲1発明は、「新たに打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施」していて、「ブレス13は、ビーム2が張り出す方向と概ね同じ方向に配置された支柱1間に設けられ」ていることから、「新たに打設した6本の支柱1」は、一体となって、「主桁14」、「覆工板15」等を支える脚となっているといえる。そうすると、甲1発明の「新たに打設した6本の支柱1」は、「仮橋仮桟橋」の橋脚であるといえる。
また、甲1発明の架設方向先端側及びその反対側は、本件発明1の「前」及び「後」にそれぞれ相当する。
そうすると、甲1発明における「新たに打設した6本の支柱1」のうち、架設方向先端側にある支柱1は、本件発明1の「前部の杭」に相当し、甲1発明における「新たに打設した6本の支柱1」のうち、架設方向先端側とは反対側にある支柱1は、本件発明1の「後部の杭」に相当する。
さらに、甲1発明の「ビーム2の架設方向中間部」及び「ビーム2の架設方向先端側」は、本件発明1の「ガイド材の長手方向の中間部」及び「ガイド材の長手方向の前部」にそれぞれ相当する。
以上のことを踏まえると、甲1発明の「ビーム2の架設方向中間部」において、「支柱1」が「立て込まれ」ることは、本件発明1の「前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程」に相当する。
また、甲1発明の「ビーム2の架設方向先端側」において「支柱1」が「立て込まれ」ることは、本件発明1の「前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程」に相当する。
ところで、本件発明1が、各工程を「繰り返す」発明であることから、各工程は記載された順に行われるものであって、本件発明1は、「橋脚の後部の杭を打設する工程」の次に「橋脚の前部の杭を打設する工程」があることは自明である。
一方、甲1発明は、「架設方向に2列に配列する支柱1」を立て込む順序が明らかでないから、甲1発明と、本件発明1とは、「前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程」及び「前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程」を有している点で共通するに止まり、前記2つの工程の順序が一致するとまではいえない。
(エ)甲1発明の「主桁14」は、「覆工板15」を支持していることは明らかであるから、本件発明1の「支持材」に相当する。
また、甲1発明は、「新たに打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施」すという特定にとどまり、「新たに打設した6本の支柱1の上部」と「主桁14」との具体的な位置関係は明らかでない。
そうすると、甲1発明の「新たに打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施」すことと、本件発明1の「後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程」とは、「支持材を設ける工程」で共通する。
(オ)甲1発明の「覆工板15」は、本件発明1の「橋梁の床部」に相当する。
また、甲1発明の「覆工板」は、「ベースステージ」から設けられていることは明らかであり、また、「主桁14」が設けられた後に、「主桁14」の上に設けられていることも明らかである。
そうすると、甲1発明の「覆工板15」の「上部工を施す」ことは、本件発明1の「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」に相当する。
(カ)本件発明1において「繰り返すこと」とは、本件発明1において特定された各「工程」を繰り返すことを意味していることは明らかである。
そうすると、甲1発明の「以上の工程を繰り返して行い、所定長の仮橋仮桟橋を構築する」ことは、本件発明1の「繰り返すことで橋梁を構築」することに相当する。
(キ)甲1発明は、「支柱1」が「6本」であり、また、「ビーム2間方向に間隔をおいて3本配設し、それを架設方向に2列に配列」して立て込まれることから、立て込まれた支柱1が、平面において多角形の各頂点となる位置にあることは明らかである。
そうすると、甲1発明の「支柱1」が「6本」であり、「ビーム2間方向に間隔をおいて3本配設し、それを架設方向に2列に配列」していることは、本件発明1の「後部の前記杭と前部の前記杭が合わせて3本以上存在し、各杭が平面において多角形の各頂点となる位置にあること」に相当する。
そうすると、本件発明と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「橋梁の既設部分の前方にガイド材を延ばすように、前記既設部分に前記ガイド材を取付ける工程と、
前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程と、
前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程と、
後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程と、
前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程と、
を有し、
前記ガイド材を取付ける工程、杭を打設する工程、支持材を設ける工程及び橋梁の床部を架設する工程を繰り返すことで橋梁を構築し、
後部の前記杭と前部の前記杭が合わせて3本以上存在し、各杭が平面において多角形の各頂点となる位置にある橋梁構築方法。」
<相違点1-1>
本件発明1は、「橋脚の後部の杭を打設する工程」と「橋脚の前部の杭を打設する工程」とをこの順で行うのに対して、甲1発明では、そのような特定がなされていない点。
<相違点1-2>
「支持材を設ける工程」について、本件発明1では、「後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設け」ているのに対して、甲1発明では、そのような特定がなされていない点。
イ 判断
事案に鑑みて、まず、相違点1-2について検討する。
甲第2号証には、上記第4の2のとおり、「支柱21」や「支柱23」の上に「主支持台12」が載置されていることが記載され、また、甲第6号証には、上記第4の6のとおり、「床版9をその下部に設けた短杭9aの先端突起9b」が「杭3」の頭部に嵌合するように取り付けた点が記載されている。
しかしながら、甲第2号証の「主支持台12」が、本件発明1の「支持材」に相当するものであるとしても、甲第2号証の「主支持台12」が載置されているのは、「支柱」(22a,22b)の頭部を連結している「繋梁」(22c、21c)の頂部であることから、甲第2号証には、本件発明1のように「後部の杭と前部の杭の頂部の間に支持材を設ける」ことは記載されておらず、また示唆もされていない。
また、甲第6号証には、そもそも「後部の杭と前部の杭の頂部の間」に支持材を設けることが記載されていない。
さらに、申立人が提出したその余の証拠をみても、相違点1-2に係る本件発明1の構成は記載も示唆もされていない。
よって、甲1発明に、甲第2号証に記載された技術事項、甲第6号証に記載された技術事項及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項を適用しても、相違点1-2に係る本件発明1の構成とすることはできない。
ウ 小括
よって、その他の相違点について検討するまでもなく、本件発明1は、甲1発明、甲第2号証に記載された技術事項、甲第6号証に記載された技術事項、及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~7について
本件発明2~7は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、本件発明2~7は、甲1発明、甲第2号証に記載された技術事項、甲第6号証に記載された技術事項、及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
2 甲第6号証を主引用例として
(1)本件発明1について
ア 対比
本件発明1と甲6発明とを対比する。
(ア)甲6発明の「桟橋2」、「杭3」及び「杭支持体1」は、本件発明1の「橋梁の既設部分」、「杭」及び「ガイド材」にそれぞれ相当する。
(イ)甲6発明の「杭支持体1」は、「桟橋2の先端部分に配置」されており、その「両側の縦枠材1a」は、桟橋が順次延長される方向、すなわち、前方に延びていることは明らかである。
そうすると、甲6発明の「杭支持体1」が「桟橋2の先端部分に配置」されることは、本件発明1の「橋梁の既設部分の前方にガイド材を延ばすように、前記既設部分に前記ガイド材を取付ける工程」に相当する。
(ウ)甲6発明は、「床版9を、その下部に設けた短杭9aの先端突起9bが、各杭3の頭部に嵌合するように取付け」ていることから、「杭支持体1」に打設される4本の「杭3」は、「床版9」を支える脚となっているといえる。そうすると、甲6発明の「杭支持体1」に打設される4本の「杭3」は、「桟橋」の橋脚であるといえる。
また、甲6発明の桟橋の延長方向先端側及びその反対側は、本件発明1の「前」及び「後」にそれぞれ相当する。
そうすると、甲6発明における「杭支持体1」に打設される4本の「杭3」のうち、桟橋の延長方向先端側に打設される「杭3」は、本件発明1の「前部の杭」に相当し、甲6発明における「杭支持体1」に打設される4本の「杭3」のうち、桟橋の延長方向先端側とは反対側に打設される「杭3」は、本件発明1の「後部の杭」に相当する。
さらに、甲6発明の「杭支持体1における桟橋の延長方向中間部」及び「杭支持体1における桟橋の延長方向先端側」は、本件発明1の「ガイド材の長手方向の中間部」及び「ガイド材の長手方向の前部」にそれぞれ相当する。
以上のことを踏まえると、甲6発明の「杭支持体1における桟橋の延長方向中間部に配置されたキーパー4に杭3を打設した後に、杭支持体1における桟橋の延長方向先端側に配置されたキーパー4に杭3を打設する」することは、本件発明1の「前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程」と、「前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程」に相当する。
(エ)甲6発明の「床版9」は、本件発明1の「橋梁の床部」に相当する。
そうすると、甲6発明の「床版9を、その下部に設けた短杭9aの先端突起9bが、各杭3の頭部に嵌合するように取付け」ることと、本件発明1の「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」とは、「橋梁の床部を架設する工程」である点で共通する。
(オ)甲6発明の「作業を繰り返すことにより、桟橋2を順次延長して、所望の長さの桟橋を得る」ことは、本件発明1の「繰り返すことで橋梁を構築」することに相当する。
(カ)甲6発明の「杭支持体1」において、「杭3を支持する4個のキーパー4が左右対称に配置され」、「杭3」は、これらの「キーパー4」に打設されることから、キーパー4において打設される杭3は3本以上存在していることは明らかであり、また、各杭が平面において4角形(多角形)の各頂点となる位置となることは明らかである。
そうすると、甲6発明の「杭支持体1」において、「杭3を支持する4個のキーパー4が左右対称に配置され」、「杭3」が「キーパー4」に「打設」されることは、本件発明1の「後部の前記杭と前部の前記杭が合わせて3本以上存在し、各杭が平面において多角形の各頂点となる位置にあること」に相当する。
そうすると、本件発明1と甲6発明との一致点及び相違点は、以下のとおりである。
<一致点>
「橋梁の既設部分の前方にガイド材を延ばすように、前記既設部分に前記ガイド材を取付ける工程と、
前記ガイド材の長手方向の中間部で橋脚の後部の杭を打設する工程と、
前記ガイド材の長手方向の前部で前記橋脚の前部の杭を打設する工程と、
橋梁の床部を架設する工程と、
を繰り返すことで橋梁を構築し、
後部の前記杭と前部の前記杭が合わせて3本以上存在し、各杭が平面において多角形の各頂点となる位置にある橋梁構築方法。」
<相違点2>
本件発明1は、「後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程」及び「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」を備えているのに対して、
甲6発明は、「後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程」を備えておらず、「橋梁の床部を架設する工程」を有しているものの、「橋梁の床部」を「前記既設部分から前記支持材の上」に「架設」していない点。
イ 判断
相違点2について検討する。
(ア)甲第1号証には、上記第4の1のとおり、「打設した6本の支柱1の上部に、横桁11、ブレス13、主桁14、覆工板15等の上部工を施す」ことや、「主桁14はベースステージの主桁14と連結」する点が記載され、甲第2号証には、上記第4の2のとおり、「支柱21」や「支柱23」の上に「主支持台12」が載置されることが記載されている。前記「主桁14」及び「主支持台12」は、いずれも本件発明1の「支持材」に相当するものである。
しかしながら、上記1(1)ア(エ)及びイにおいて説示したとおり、甲第1号証において、「新たに打設した6本の支柱1の上部」と「主桁14」との具体的な位置関係が、明らかでなく、また、甲第2号証には、「後部の杭と前部の杭の頂部の間に支持材を設ける」ことが記載されていない。
(イ)また、甲第8号証ないし甲第10号証には、上記第4の8ないし10のとおり、下床版の上に上床版を設けた床版が記載されているものの、甲第8号証ないし甲第10号証に記載された床版は、いずれも、「下床版」を設けたのちに、その上に「上床版」を架設するものではないから、「後部の前記杭と前部の前記杭の頂部の間に支持材を設ける工程」の次に「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」がある構成を有しているとはいえない。
一方、本件発明1は、「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」の次に「前記既設部分から前記支持材の上に橋梁の床部を架設する工程」があることで、明細書(【0007】)に記載の「橋脚に設けた支持材上の任意の位置に床部の主桁等を架設することができ、その位置が限定されないので橋脚の杭の位置の誤差もある程度許容できる」との作用効果を奏するものである。
(ウ)さらに、申立人が提出したその余の証拠をみても、相違点2に係る本件発明1の構成は記載も示唆もされていない。
(エ)したがって、甲6発明に、甲第1号証に記載された技術事項、甲第2号証に記載された技術事項、甲第8号証ないし甲第10号証に記載された技術事項及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項を適用しても、相違点2に係る本件発明1の構成とすることはできない。
ウ 小括
よって、本件発明1は、甲6発明、甲第1号証に記載された技術事項、甲第2号証に記載された技術事項、甲第8号証ないし甲第10号証に記載された技術事項及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
(2)本件発明2~7について
本件発明2~7は、本件発明1の構成を全て含み、さらに限定を加えた発明であるから、上記(1)で検討した理由と同じ理由により、本件発明2~7は、甲6発明、甲第1号証に記載された技術事項、甲第2号証に記載された技術事項、及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
3 まとめ
以上のとおりであるから、本件発明1~7は、甲1発明、甲第2号証に記載された技術事項、甲第6号証に記載された技術事項、及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではなく、また、甲6発明、甲第1号証なに記載された技術事項、甲第2号証に記載された技術事項、及び申立人が提出したその余の証拠に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。
第6 むすび
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によっては請求項1~7に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1~7に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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2022-700119