特許訂正審判
2022-390145
フレキシブルプリント配線板及び手振れ補正モジュール
- 審判番号
- 2022-390145
- 法域
- 特許
- 審判種別
- 訂正審判(訂正の審決)
- 出願番号
- 特願2021-556333外部サイト(J-PlatPat)へ移動します
- 登録番号
- 6985568
- 請求日
- 2022年08月05日
- 審決日
- 2022年10月13日
- 公報発行日
- 2023年01月27日
- 結論
- 訂正認容
- 当事者
- 【請求人】住友電気工業 株式会社
- 【請求人代理人】池田 義典
- 【請求人】住友電工プリントサーキット 株式会社
- 【請求人代理人】池田 義典
- 分類
- P141 .853-Y (H01F)
- 条文(本文から自動抽出・参考)
- 特許法第126条第1項、特許法第126条第5項、特許法第126条第6項、特許法第126条第3項、特許法第126条第4項
- データ出所
- 審決公報(XML)
事件の表示
特許第6985568号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。
結論
結 論
特許第6985568号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔3-7〕について訂正することを認める。
理由
理 由
理 由
第1 手続の経緯
特許第6985568号に係る出願は、2021年(令和3年)3月24日(優先権主張 令和2年3月27日)を国際出願日とする出願であって、令和3年11月29日に特許権の設定登録がなされ、令和4年8月5日に訂正審判(以下、「本件訂正審判」という。)の請求がなされたものである。
第2 請求の趣旨と訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第6985568号の明細書及び特許請求の範囲を、本件審判請求書に添付した訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項3ないし7について訂正することを認める、との審決を求めるものであり、その訂正の内容は、次のとおりである。
1 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項3に「上記配線の平均線幅が10μm以上125μmである」と記載されているのを、「上記配線の平均線幅が10μm以上125μm以下である」に訂正する(請求項3の記載を引用する請求項4ないし7も同様に訂正する)。
2 訂正事項2
明細書の段落【0013】に「上記配線の平均線幅が10μm以上125μmであることが好ましい。」と記載されているのを、「上記配線の平均線幅が10μm以上125μm以下であることが好ましい。」に訂正する。
第3 当審の判断
1 一群の請求項について
訂正前の請求項3ないし7について、請求項4ないし7は、請求項3の記載を引用しているものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項3に連動して訂正されるものである。
したがって、訂正前の請求項3ないし7に対応する訂正後の請求項3ないし7は、特許法第126条第3項に規定する一群の請求項である。
2 訂正事項1
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項3の「上記配線の平均線幅が10μm以上125μmである」との記載には、「125μm」の直後に「以下」又は「未満」等の「125μm」が上限値を示す語句が記載されていない。
してみると、上記記載は、「配線の平均線幅」が「10μm以上」のうちの「125μm」であることを示しているのか、又は、「配線の平均線幅」が下限値「10μm」から上限値「125μm」の範囲であることを示しているのか明確ではない。
ここで、訂正事項1により訂正前の請求項3の「上記配線の平均線幅が10μm以上125μmである」との記載が「上記配線の平均線幅が10μm以上125μm以下である」に訂正されるのであるから、訂正事項1に係る訂正は、「配線の平均線幅」が「10μm以上125μm以下」であることを明確にしたものであると認められる。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、また、願書に添付した明細書の段落【0037】の「平面コイル31、32、33、34及び平面コイル41、42、43、44を構成する配線の平均線幅の下限としては、10μmが好ましく、20μmがより好ましい。一方、上記配線の平均線幅の上限としては、125μmが好ましく、115μmがより好ましい。上記配線の平均線幅が上記下限に満たないと、上記配線の形成が容易でなくなるおそれがある。また、上記配線の平均線幅が上記下限に満たないと、上記配線の厚さ(ベースフィルム2の厚さ方向の高さ)を十分に大きくすることができないおそれがある。逆に、上記配線の平均線幅が上記上限を超えると、所望の配線密度を得難くなるおそれがある。」(下線は、当審が付与)との記載によれば、該明細書には「配線の平均線幅」が「10μm」以上「125μm」以下であることが記載されているといえる。
したがって、訂正事項1は願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下、「特許明細書等」という。)により導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
よって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、発明のカテゴリーや対象,発明の目的を変更するものではないから,実質上特許請求の範囲を拡張し,又は変更するものには該当しない。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
3 訂正事項2
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0013】に記載された「上記配線の平均線幅が10μm以上125μmである」を「上記配線の平均線幅が10μm以上125μm以下である」とする訂正事項2の訂正は、訂正事項1の訂正と同様に、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。
(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであって、上記「2(2)」で述べたように、願書に添付した明細書の段落【0037】に記載されていた事項に基づく訂正であり、新たな技術的事項を導入するものではないから、訂正事項2は特許明細書等により導かれる技術的事項との関係において新たな技術的事項を導入するものではなく、特許明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものである。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。
(3)実質上特許請求の範囲の拡張・変更の存否について
訂正事項2に係る訂正は、上記(1)で指摘したとおり、明細書における「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであり、かかる訂正によって特許請求の範囲の内容が実質的に変更されるものではないことは明らかであるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
したがって、訂正事項2に係る訂正は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。
(4)明細書の訂正と関係する請求項についての説明
訂正前の請求項3ないし7には「配線の平均線幅」が記載されており、訂正事項2は明細書の「配線の平均線幅」の記載に係る訂正であるから、訂正事項2は、訂正前の請求項3ないし7に係るものである。
したがって、訂正事項2は、上記明細書の訂正に係る請求項を含む一群の請求項の全てについて行うものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合する。
第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項ないし第7項の規定を満たすものである。
よって、結論のとおり審決する。
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